JPH08206227A - 体内留置用ステント - Google Patents

体内留置用ステント

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JPH08206227A
JPH08206227A JP26275995A JP26275995A JPH08206227A JP H08206227 A JPH08206227 A JP H08206227A JP 26275995 A JP26275995 A JP 26275995A JP 26275995 A JP26275995 A JP 26275995A JP H08206227 A JPH08206227 A JP H08206227A
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stent
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layer
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気道、食道、胆道等の体内に留置されてその
内腔の閉塞を防止するために用いられて、筒状体の内面
に気道分泌物が付着・貯留しにくくてその閉塞を防止で
き、しかも筒状体の両端部に肉芽が形成されにくくて気
道の閉塞も防止でき、きわめて安全なステントを提供す
ること。 【解決手段】 両端が開口したシリコーンゴム製の中空
筒状体2を具え、この筒状体の内面を覆うようにシリコ
ーンレジン層4を形成しているとともに、両端部の外面
を切欠し、該切欠き部5に筒状体2の硬さよりも柔らか
いシリコーンゴム層6を形成し、かつ該シリコーンゴム
層の外面を両端側に向けて丸くなだらかに形成してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、気道、食道、胆
道等の体内に留置されてその内腔の閉塞を防止するため
に用いられるステントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば気管又は気管支など気道の
狭窄に対しては、シリコーンゴム製のステントが用いら
れ、このステントは狭窄部位に留置されて狭窄部を拡開
し、呼吸障害を来した気道を確保するために用いられて
いる。このようなステント01として、従来から知られて
いるのは図10に示すようなものであり、両端が開口した
筒状体02を具え、この筒状体02の外面に円柱状の小さな
突起03を規則的に多数配列して留置後の移動を防ぐ構造
となっている。このステント01の挿入方法は、通常、全
身麻酔下で図示しない硬性気管支鏡により行う。すなわ
ち、硬性気管支鏡は例えば、硬性鏡用外筒とイントロデ
ューサーとからなっており、このイントロデューサーに
ステント01を径方向に潰した状態で押し込んだうえ、イ
ントロデューサーを硬性鏡用外筒に入れた後、プッシャ
ーで中のステント01を押し出すことにより行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した従
来のステント01は安全に内腔保持が可能で、一度留置し
た後でも取り出し、入れ替えることも可能であるという
利点がある反面、筒状体02の内面に気道分泌物が付着・
貯留し易く、時として閉塞してしまうという危険性があ
った。また、筒状体02と狭窄部の接触部位、特に筒状体
02の両端部が呼吸運動により常に気管や気管支の組織に
刺激を与えることによって筒状体02の両端部に肉芽が形
成され、該肉芽の形成によって気道が閉塞するという危
険性もあった。
【0004】そこでこの発明は、前記のような従来の問
題点を解決し、筒状体の内面に気道分泌物が付着・貯留
しにくくてその閉塞を防止でき、しかも筒状体の両端部
に肉芽が形成されにくくて気道の閉塞も防止でき、きわ
めて安全なステントを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、請求項1の発明のステントは、両端が開口したシリ
コーンゴム製の中空筒状体を具え、この筒状体の内面
が、(a)シリコーンレジンによるコーテイング、
(b)フッ素系樹脂チューブの接着、(c)ポリパラキ
シレン又はその誘導体の化学蒸着、のいずれかに形成さ
れており、かつ筒状体の外面が、(d)ポリパラキシレ
ン又はその誘導体の化学蒸着、(e)両端側に向けて丸
くなだらかになって、かつ他の部分の硬さよりも柔らか
くなっている、のいずれかに成形されていることを特徴
とする。
【0006】筒状体の内面を前記のように形成すると、
該内面は柔軟性があり、気道分泌物が付着し難く潤滑性
に優れたものとなる。また、筒状体の外面を前記のよう
に形成すると、該外面が気管組織に対する刺激の少ない
ものとなり、肉芽形成がされにくいものとなる。筒状体
の内面にコーテイングされるシリコーンレジンはレジン
セグメントとオイルセグメントを同一分子中にもつブロ
ックポリマーよりなっており、このブロックポリマー溶
液は例えば次のようにして作成する。末端反応性の液状
ジメチルポリシロキサン(A)成分と、C65SiCl3
を加水分解して得られるSiOH基を含有する反応性オ
リゴマー(B)成分とをA/B=10/90〜90/10(重量
比)、好ましくはA/B=60/40〜80/20(重量比)で有
機溶剤中にて加熱縮合することによって得られたブロッ
クポリマーの有機溶剤の溶液に、RSiX3で示される
加水分解性基を有するシランをX/OH≫1となるよう
に添加することにより目的の架橋性ブロックポリマー溶
液を得る。ここでRは1価炭化水素基、Xは次の化1等
から選ばれる。
【0007】
【化1】
【0008】そしてさらに潤滑性を増して、気道分泌物
の付着を防ぐため、この架橋性ブロックポリマーの溶液
であるシリコーンレジン溶液(不揮発分:23%)100ml
に対し、シリコーンオイル、好ましくは粘度が1万〜10
0万CSの高粘度のシリコーンオイルを0.01g〜3.5g、好
ましくは0.5g〜1.5g加えて十分に溶解した溶液を筒状
体の内面にコーティングして加熱硬化する。ここで用い
るシリコーンオイルはジメチルシリコーンオイルが適し
ているが、これに限定するものではない。また100万CS
よりも高粘度のシリコーンオイルがあればそれを用いて
も差し支えない。このシリコーンオイルを過剰に加え過
ぎると、コーティング層の強度が極端に低下したり、接
着力が低下してコーティングが剥離したり、あるいはコ
ーティング層の硬化不良が起こることになるので好まし
くない。また前記シリコーンオイルの代わりに、シリコ
ーンの高重合メチルポリシロキサンである生ゴムを用い
ても差し支えないが、シリコーンレジン溶液(不揮発
分:23%)に溶かすのに時間がかかり現実的でないの
で、シリコーンの生ゴムをシリコーンオイルに溶かした
生ゴム溶解品を用いると便利である。この場合は、シリ
コーンレジン溶液(不揮発分:23%)100mlに対し、例
えばシリコーンオイルに溶けた生ゴム成分が20%含有の
生ゴム溶解品を0.01g〜10g、好ましくは1g〜7gを
加え、溶解した溶液をコーティングすることにより、同
様に潤滑性をより増すことができるため、気道分泌物の
付着を防ぐことができる。また前記のようなシリコーン
オイルの生ゴム溶解品を用いず、生ゴムを予め有機溶剤
などの溶剤に溶かしておいたものを用いても何ら差し支
えない。
【0009】筒状体の内面に接着されるフッ素系樹脂の
チューブは厚さが0.01mm〜0.3mmとするのが好ましい。
またフッ素系樹脂であれば必ずしもフッ素樹脂でなくと
もよい。筒状体の外面にポリパラキシレン又はその誘導
体を化学蒸着することによりシリコーンゴムでは得られ
ない非肉芽形成性を得ることができる。また両端側に向
けて丸くなだらかになって、かつ他の部分の硬さよりも
柔らかくなっている筒状体の外面も全体が均質な硬さの
シリコーンゴムでは得られない非肉芽形成性を得ること
ができる。この柔らかい部分は気管組織と接触するとこ
ろであれば筒状体の外面の任意の部分とすることができ
るが、特に両端部が好ましい。
【0010】請求項2の発明のステントは、請求項1の
発明のステントにおいて、筒状体の内面を覆うようにシ
リコーンレジン層が形成されているとともに、両端部の
外面が切欠され、該切欠き部に筒状体の硬さよりも柔ら
かいシリコーンゴム層が形成され、かつ該シリコーンゴ
ム層の外面が両端側に向けて丸くなだらかに形成されて
いる。請求項3の発明のステントは、請求項1の発明の
ステントにおいて、筒状体の内面を覆うようにフッ素系
樹脂層が形成されているとともに、両端部の外面が切欠
され、該切欠き部に筒状体の硬さよりも柔らかいシリコ
ーンゴム層が形成され、かつ該シリコーンゴム層の外面
が両端側に向けて丸くなだらかに形成されている。
【0011】請求項4の発明のステントは、請求項1の
発明のステントにおいて、筒状体の両端部の外面が切欠
され、該切欠き部に筒状体の硬さよりも柔らかいシリコ
ーンゴム層が形成され、かつ該シリコーンゴム層の外面
が両端側に向けて丸くなだらかに形成され、前記シリコ
ーンゴム層を含む筒状体の内外面を覆うようにポリパラ
キシレン又はその誘導体の層が形成されている。請求項
5の発明のステントは、請求項1の発明のステントにお
いて、筒状体の内面を覆うようにフッ素系樹脂層が形成
されているとともに、両端部の外面が切欠され、該切欠
き部に筒状体の硬さよりも柔らかいシリコーンゴム層が
形成され、かつ該シリコーンゴム層の外面が両端側に向
けて丸くなだらかに形成され、前記シリコーンゴム層を
含む筒状体の外面を覆うようにポリパラキシレン又はそ
の誘導体の層が形成されている。
【0012】請求項6の発明のステントは、請求項1な
いし5の発明のステントにおいて、筒状体の外面の両端
側に留置後の移動を防ぐ位置決め用周方向リブが設けら
れている。請求項7の発明のステントは、請求項6の発
明のステントにおいて、周方向リブが、環状リブであ
る。請求項8の発明のステントは、請求項6の発明のス
テントにおいて、周方向リブが、筒状体を径方向に圧潰
可能に、その周方向の一部が切り欠かれている円弧状リ
ブである。請求項9の発明のステントは、請求項6ない
し8の発明のステントにおいて、周方向リブが、筒状体
と一体に設けられている。
【0013】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の第1の実施の形
態のステントの全体を示す斜視図、図2は部分拡大縦断
正面図である。1はステントで、ステント1は両端が開
口したシリコーンゴム製の中空筒状体2を具え、その外
面の両端側に周方向リブとしての環状リブ3が一体に設
けられている。リブ3は従来の突起03と同様、留置後の
ステント1の移動を防ぐ機能をもつものである。筒状体
2の内面にはシリコーンレジンのコーティングによりシ
リコーンレジン層4が該内面を覆うように形成されてい
る。またリブ3より外側となる筒状体2の両端部の外面
が内向き傾斜に切欠され、該切欠き部5に筒状体2の硬
さよりも柔らかいシリコーンゴム層6が接着剤等で接着
されて形成されている。シリコーンゴム層6は外面が両
端側に向けて丸くなだらかに形成されている。
【0014】ステント1の作成例を説明する。硬さ55
(JIS K6301A型)の信越化学工業(株)製シリコー
ンゴムKE1551U100部に硫酸バリウム15部と加硫剤C
−2を1.3部加え、十分にロールにて混練した未加硫の
シリコーンゴムシートをステント金型内に仕込み、プレ
スにて130℃で15分間プレスした後、金型を開いて成形
品であるシリコーンゴムのステント1より芯金を引き抜
いて、図1に示すような両端部外周面がRになったシリ
コーンゴム製ステント1を得る。このステント1をオー
ブンにて180℃で8時間2次加硫を行い反応残渣物を取
り除く。そしてこのステント1の両端部外面を内腔側へ
内向き傾斜にグラインダー等の研磨機で削って切欠き、
この切欠き部5の上に硬さ1(JIS K6301A型)の
シリコーンゴム層6を接着する。しかる後、ステント1
の内面を下記の1),2),3)の順にシリコーンレジ
ン溶液でコーティングする。 1)レジンセグメントとオイルセグメントを同一分子中
に持つブロックポリマーよりなる、不揮発分23%のシリ
コーンレジン溶液。 2)前記1)のシリコーンレジン溶液100mlに粘度10万
CSのシリコーンオイルKF96H−10万を1.5g加え充
分に撹拌溶解した溶液。 3)前記1)のシリコーンレジン溶液100mlに生ゴム成
分が20%含有のシリコーンオイルに生ゴムを溶かした生
ゴム溶解品を5g加え十分に撹拌溶解した溶液。 これらをコーティング後、十分に風乾させ溶剤を気散さ
せた後、オーブンにて160℃で1時間加熱硬化させる
と、内面に気道分泌物が付着し難いシリコーンレジン層
4が形成される。
【0015】前記のようにステント1の両端部外面に硬
さ1(JIS K6301A形)のシリコーンゴム層6を接
着成形することにより、両端部外面が筒状体2よりも柔
らかい、肉芽形成に対して優れたものとなる。すなわ
ち、筒状体2よりも柔らかいシリコーンゴム層6をその
両端部外面に施し、筒状体2の両端部が気管内面と機械
的に接触するときの力を弱くすることにより、肉芽形成
を遅延抑制することが可能となる。そして筒状体2の両
端部外面を削ってテーパー状にすると、気管内面と接触
する力を弱めることができるが、先端にエッジが立って
いると、気管内面を刺激して好ましくない。また先端部
が薄いと強度的に弱く内腔側にへこみ易くなり好ましく
ない。つまり先端部は適度の丸み(R)を有し、柔らか
く気管内面と接触する力を弱めることができ、かつステ
ント内腔側に容易にへこまない適度の強さ(腰)を有し
ていることが望ましい。一般的に気管ステントの硬さ
(JIS K6301A型)は60前後のシリコーンゴムが用
いられているので、両端部外面の柔らかいシリコーンゴ
ムはJIS K6301A型で硬さ30以下、好ましくは10以
下が望ましく、またシリコーンゴムよりも柔らかいシリ
コーンゲルを用いる場合はJIS K2220、1/4コー
ン、総荷重:9.38gでの針入度(硬さ)が150より小さ
い、好ましくは100より小さい針入度(硬さ)が望まし
い。しかし、あまり極端に柔らかくなると機械的強度が
低下したり、接着力が弱くなったり、表面にタック感が
現れたりするので、このような緩衝用の用途としては適
当でない。
【0016】図3は第2の実施の形態のステントの部分
拡大縦断正面図である。このステント11は筒状体2の内
面に前記のシリコーンゴム層4に代えてフッ素系樹脂層
14が形成されている点で、第1の実施の形態と相違し、
それ以外の部分は同様となっている。フッ素系樹脂層14
はフッ素系樹脂のチューブを筒状体2の内面に接着する
等の手段により形成される。
【0017】ステント11の作成例を説明する。硬さ40の
信越化学工業(株)製シリコーンゴムKE540U100部に加
硫剤C−4を4.0部加え、十分にロールにて混練した未
加硫のシリコーンゴムシートを用意する。次に外面を金
属ナトリウムのアンモニア溶液にて表面処理した外径8.
0mmφで肉厚が0.05mm、長さが30mmのフッ素樹脂PFA
(テトラフルオロエチレン〜パーフルオロアルキルビニ
ルエーテルの共重合体)のチューブの外面をシリコーン
ゴム用のシラン系プライマーを塗布して風乾させる。そ
してこのPFAチューブの内腔に外径が約0.79mmφの芯
金を隙間なく挿入する。そしてこのPFAチューブがカ
バーされた芯金を用い、あらかじめ用意しておいた前記
未加硫のシリコーンゴムシートをステント金型内の空間
に仕込み、プレスにて170℃で20分間プレスしてシリコ
ーンゴムを加熱硬化すると同時に、PFAチューブの外
面にシリコーンゴムを接着硬化させる。そしてプレス
後、金型を開き内面にPFAチューブが接着されたチュ
ーブ状のシリコーンゴム製ステント11より芯金を引き抜
いて、内面がフッ素樹脂であるPFA製の薄いチューブ
よりなるシリコーンゴム製ステント11を得る。このステ
ントを180℃で8時間オーブンにて2次加硫を行い、反
応残渣物を取り除く。そしてこのステント11の両端部外
面を実施例1と同様に削り、シリコーンゴム層6を接着
する。
【0018】内面のフッ素樹脂製チューブの厚さは前記
したように0.01mm〜0.3mm、好ましくは0.03mm〜0.1mmが
望ましく、これ以下だとチューブの製造が難しく物理的
強度も弱くなり、これ以上だとステント11の柔軟性がな
くなり気管などの生体組織になじまないことになる。こ
のステント11の内面に接するようなシリコーンゴムのチ
ューブを挿入してステントの内面をマスキングした後、
その外面にポリ−モノクロロ−パラ−キシリレンの薄膜
を施す。施した後、前記チューブを取り除く。
【0019】図4は第3の実施の形態のステントの部分
拡大縦断正面図である。このステント21は前記のフッ素
系樹脂層14に代えて筒状体2の内外面にポリパラキシリ
レンの誘導体の1つであるポリーモノクロローパラーキ
シリレンの層17が該内外面を覆うようにが形成されてい
る点で、第2の実施の形態と相違し、それ以外の部分は
同様となっている。ポリーモノクロローパラーキシリレ
ンの層17はポリーモノクロローパラーキシリレンを筒状
体2の内外面に化学蒸着する等の手段により形成され
る。
【0020】ステント21の作成例を説明する。第1実施
例と同様に成形したステントを用い、ポリパラキシリレ
ンの誘導体の1つであるポリ−モノクロロ−パラ−キシ
リレンを、気化室での蒸着させるポリ−モノクロロ−
パラ−キシリレンのダイマーの気化→熱分解室でのダ
イマーの熱分解によるジラジカル−モノクロロ−パラ−
キシリレンの発生→蒸着室でのジラジカル−モノクロ
ロ−パラ−キシリレンの吸着と重合及び高分子量のポリ
−モノクロロ−パラ−キシリレンの薄膜の筒状体2の内
外面への強固蒸着形成→排気工程、のような手順によ
り筒状体2の内外面に化学蒸着させる。このような手順
に従いシリコーンゴム製のステント21を得る。ポリパラ
キシリレン又はその誘導体の蒸着する薄膜は0.01μm〜2
0μm、好ましくは0.1μm〜5μmが望ましい。あまり薄
いと滑り性が低下し、反対に厚くなると蒸着膜に柔軟性
がなくなり、曲げたときにクラックが入るので実用的で
ない。このポリパラキシリレン又はその誘導体をシリコ
ーンゴム製ステント21の内外面に蒸着させることによ
り、シリコーンゴムにはない耐薬品性の優れた表面の潤
滑性と生体適合性により、ステント21の内面に気道分泌
物が付着、貯溜するのを防ぎ、かつステント21の両端部
外面が気管内面との間で肉芽を形成することを遅延抑制
することが可能となる。
【0021】図5は第4の実施の形態のステントの部分
拡大縦断正面図である。このステント31は第2の実施の
形態の筒状体2の外面にポリパラキシリレン又はその誘
導体の層37が形成されている点で、第2の実施の形態と
相違し、それ以外の部分は同様となっている。
【0022】前記各実施の形態において切欠き部5及び
これに形成されるシリコーンゴム層6の形状構造は一例
を示したにすぎず、図示した以外の形状構造としてもよ
いことは勿論である。図6の(A)ないし(E)はその変形
した形態であり、(A)は切欠き部5aを外面から内面側
に延びる軸線と直交する面とその内側縁から下向き傾斜
に延びる面との2つの面によって形成し、該部にこれと
適合するシリコーンゴム層6aを接着して形成してい
る。(B)は切欠き部5bを外面から内面側に延びる軸線
と直交する面とその内側縁から軸線と平行に延びる面と
の2つの面によって形成し、該部にこれと適合するシリ
コーンゴム層6bを接着して形成している。(C)は切欠
き部5cを外面から内面側に延びる軸線と直交する面と
その内側縁から軸線と平行に延びる面とその先端縁から
内面側に延びる軸線と直交する面の3つの面によって形
成し、該部にこれと適合するシリコーンゴム層6cを接
着して形成している。(D)は切欠き部5dを外面から内
面まで延びる軸線と直交する面によって形成し、該部に
これと適合するシリコーンゴム層6dを接着して形成し
ている。(E)は切欠き部5eを外面から内面まで延びる
湾曲した面によって形成し、該部にこれと適合するシリ
コーンゴム層6eを接着して形成している。
【0023】前記各実施の形態のステント1,11,21,
31を従来と同様に全身麻酔下で硬性気管支鏡によって押
し出すことにより気管イの狭窄部位に挿入して留置する
と、図7の状態になる。この図から明らかのようにリブ
3が狭窄部位の内腔の内面に食い込むようになってステ
ント1,11,21,31の移動を防止し、この移動防止によ
りステントが狭窄部位を拡開し、閉塞しないように防止
している。
【0024】尚、図示した各実施の形態は好ましい一例
を挙げたにすぎず、この発明はこのような実施の形態に
限定されるものではない。すなわち、例えば筒状体2の
内面をシリコーンレジン層4にし、外面をポリパラキシ
リレン又はその誘導体の層37にしたりして同様の作用効
果をもたらすことも勿論可能であるし、また各実施の形
態ではたまたま全てについて筒状体2の両端部外面を切
欠き、該切欠き部5に柔らかいシリコーンゴム層6を形
成した構成を採用したが、これもこのような構成を採用
せずにポリーモノクロローパラーキシリレンの層17を採
用したものでもよいことは言うまでもない。
【0025】図8は前記各実施の形態のリブとは異なる
リブを用いた第5の実施の形態のステントの全体を示す
斜視図、図9はその拡大側面図である。この実施の形態
のステント41の周方向リブとしての円弧状リブ43も留置
後の移動を防ぐ位置決め用としての機能をもつことは同
様である。リブ43は筒状体42の外面の両端側に、筒状体
42を径方向に圧潰可能に、その周方向の一部が切り欠か
れて円弧状に設けられている。リブ43が設けられる周方
向の角度としては180°〜300°とするのが、筒状体42の
圧潰のうえで好ましい。また、このリブ43は筒状体42と
一体に設けられているが、必ずしもこれに限定されず、
別体に形成した後に例えば接着剤で接着してもよい。リ
ブ43以外の筒状体42の構造は図示省略したが、前記した
各実施の形態のいずれの構造でもよい。
【0026】このようなリブ43をもったステント41の場
合、気管イの狭窄部位への挿入に際して、径方向に潰し
た状態で硬性気管支鏡のイントロデューサーに入れるこ
とが可能なので、前記各実施の形態のステント1,11,
21,31よりもその挿入が容易となる。
【0027】
【発明の効果】この発明は前記のような構成からなるの
で、筒状体の内面に気道分泌物が付着・貯留しにくいも
のとすることができて、その閉塞を効果的に防止するこ
とができる。しかも筒状体の両端部に肉芽が形成されに
くくて気道の閉塞も防止でき、きわめて安全性の高いも
のとなる。また、筒状体を径方向に圧潰可能にするリブ
を有するものにあっては、硬性気管支鏡へ圧潰した状態
で入れて気管などの目的の体内に挿入して留置すること
ができ、さらに便利なものとなる。しかも、圧潰により
より細い内腔の硬性気管支鏡へも入れることが可能なの
で、適用範囲が広がり、患者にとっても極めて有意義で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態のステントの全体
を示す斜視図である。
【図2】部分拡大縦断正面図である。
【図3】第2の実施の形態のステントの部分拡大縦断正
面図である。
【図4】第3の実施の形態のステントの部分拡大縦断正
面図である。
【図5】第4の実施の形態のステントの部分拡大縦断正
面図である。
【図6】(A)ないし(E)は筒状体の切欠き部及びシリコ
ーンゴム層の変形した形態を示す、それぞれ部分断面図
である。
【図7】作用説明図である。
【図8】第5の実施の形態のステントの全体を示す斜視
図である。
【図9】同上の拡大側面図である。
【図10】従来のステントを示す斜視図である。
【符号の説明】
1,11,21,31,41 ステント 2,42 筒状体 3,43 リブ 4 シリコーンレジン層 5 切欠き部 6 シリコーンゴム層 14 フッ素系樹脂層 17 ポリーモノクロローパラーキシリレンの層 37 ポリパラキシリレン又はその誘導体の層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気道、食道、胆道等の体内に留置されて
    その内腔の閉塞を防止するために用いられるものであっ
    て、両端が開口したシリコーンゴム製の中空筒状体を具
    え、 この筒状体の内面が、(a)シリコーンレジンによるコ
    ーテイング、(b)フッ素系樹脂チューブの接着、
    (c)ポリパラキシレン又はその誘導体の化学蒸着、の
    いずれかに形成されており、かつ筒状体の外面が、
    (d)ポリパラキシレン又はその誘導体の化学蒸着、
    (e)両端側に向けて丸くなだらかになって、かつ他の
    部分の硬さよりも柔らかくなっている、のいずれかに成
    形されていることを特徴とする体内留置用ステント。
  2. 【請求項2】 筒状体の内面を覆うようにシリコーンレ
    ジン層が形成されているとともに、両端部の外面が切欠
    され、該切欠き部に筒状体の硬さよりも柔らかいシリコ
    ーンゴム層が形成され、かつ該シリコーンゴム層の外面
    が両端側に向けて丸くなだらかに形成されている請求項
    1記載の体内留置用ステント。
  3. 【請求項3】 筒状体の内面を覆うようにフッ素系樹脂
    層が形成されているとともに、両端部の外面が切欠さ
    れ、該切欠き部に筒状体の硬さよりも柔らかいシリコー
    ンゴム層が形成され、かつ該シリコーンゴム層の外面が
    両端側に向けて丸くなだらかに形成されている請求項1
    記載の体内留置用ステント。
  4. 【請求項4】 筒状体の両端部の外面が切欠され、該切
    欠き部に筒状体の硬さよりも柔らかいシリコーンゴム層
    が形成され、かつ該シリコーンゴム層の外面が両端側に
    向けて丸くなだらかに形成され、前記シリコーンゴム層
    を含む筒状体の内外面を覆うようにポリパラキシレン又
    はその誘導体の層が形成されている請求項1記載の体内
    留置用ステント。
  5. 【請求項5】 筒状体の内面を覆うようにフッ素系樹脂
    層が形成されているとともに、両端部の外面が切欠さ
    れ、該切欠き部に筒状体の硬さよりも柔らかいシリコー
    ンゴム層が形成され、かつ該シリコーンゴム層の外面が
    両端側に向けて丸くなだらかに形成され、前記シリコー
    ンゴム層を含む筒状体の外面を覆うようにポリパラキシ
    レン又はその誘導体の層が形成されている請求項1記載
    の体内留置用ステント。
  6. 【請求項6】 筒状体の外面の両端側に留置後の移動を
    防ぐ位置決め用周方向リブが設けられている請求項1な
    いし5に記載の体内留置用ステント。
  7. 【請求項7】 周方向リブが、環状リブである請求項6
    記載の体内留置用ステント。
  8. 【請求項8】 周方向リブが、筒状体を径方向に圧潰可
    能に、その周方向の一部が切り欠かれている円弧状リブ
    である請求項6記載の体内留置用ステント。
  9. 【請求項9】 周方向リブが、筒状体と一体に設けられ
    ている請求項6ないし8記載の体内留置用ステント。
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