JP2004528115A - 軸方向に延びるフィラメントを自己拡張型ステントに連結する方法 - Google Patents
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Abstract
軸方向に延びるフィラメント(210)を自己拡張型のステントの本体部(200)に連結する方法。前記フィラメント(210)は、ステント本体部(200)の径方向への自己拡張力を高める作用を有する。
Description
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は自己拡張型ステントに関し、詳しくは、ステント本体部の径方向へ拡張する力を高めるために、軸方向に延びるフィラメントをステント本体部に連結する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
外科的に体内管(管状をなす体内管)に埋め込まれる自己拡張型のステント、例えば編んで形成されるステントは、体内管を修復したり、補強したりするものとして知られている。ステントは、基本的には、体内管を補う中空状の管である。体内管が壊れたり、閉塞したりする傾向にある狭窄の病状に対して、ステントは、体内管の壁を支持することにより、管壁が壊れたり、閉塞したりするのを防止する。血管内にプラークが形成されて狭くなった血管は、狭窄の一例である。体内管が脆弱化し、管内の内圧に耐えることができずに膨れたり、破裂したりする動脈瘤の病状に対しては、ステントは、基本的には逆の役割、即ち、体内管の脆弱化した部分を補って、代替的な働きをする。ステントは、血管、胆管、結腸、気管、気管支、食道、尿道、尿管等に挿入するものとして知られている。
【0003】
現在、様々なタイプのステントが販売されている。ほとんどのステントは、体内管に挿入できるように、径方向において収縮される、即ち直径が小さくなる必要がある。ステントは、本来の位置に配置されると、望ましい直径まで径方向に拡張可能である。ステントは、力により曲げられたときにその屈曲した形状を保持する、硬いが変形可能な材料から製造される。このようなステントは、収縮された状態のバルーン上に取り付けられ、圧力を付与されていない、径方向において最小の大きさとなる形態で体内管に挿入することができる。ステントが本来の位置に配置されると、ステントを径方向に拡張するためにバルーンが拡張され、ステントは、バルーンが収縮され、除去された後も、その径方向に拡張された形状に保持される。
【0004】
他のタイプのステントは、自己拡張型のステントと呼ばれる。自己拡張型のステントは、径方向に圧縮可能であるが、径方向に収縮させる力がなくなると、本来の形状に拡張する。自己拡張型のステントのいくつかのタイプは、超弾性の材料又は形状記憶性を有する材料で形成される。通常は、化学組成や熱加工処理の過程により、形状記憶材料又は超弾性材料として使用することができ、生体適合性を有する合金であるニチノールを用いて、このようなステントが形成される。ボストンサイエンティフィック社(Boston Scientific Corporation) により製造・販売される超屈曲性のステントは、編んで形成されたニチノール製ステントの一例である。
【0005】
径方向に圧縮されたときに弾性変形しただけであるため、元の形状に戻る他のタイプの自己拡張型のステントは、ディドコット(Didcott) に付与された米国特許第1,205,743号明細書に例示される。米国特許第1,205,743号明細書は、自己拡張型で網目状をなす、外科的に拡張を行うステントを開示しており、このステントは、特に食道の拡張に使用されるが、他の体内管での使用ができるように変更可能である。この特許は、概ね、本願において図1Aに示すステント10を開示している。同ステントは、中空状の管状部材からなり、管状部材の壁は、可撓性を有する個々の糸要素12,14が連なって形成される。糸要素12,14は、各々、ステントの中心の長さ方向の軸線の周囲に螺旋状に延びる。可撓性を有する糸要素12からなる第1の集合体は、同一方向に巻回され、ステントの円筒形状をなす表面の周囲において、互いに対して入れ替わるように配置される。第1の糸要素12からなる集合体は、螺旋状をなす糸要素14からなる第2の集合体と交わる。糸要素14からなる第2の集合体も、ステントの円筒形状をなす表面の周囲において、互いに対して入れ替わるように配置されるが、巻回の方向が逆となる。従って、図1Aに示されるように、第1の集合体の糸要素12は、第2の集合体の糸要素14と、交点16において交差する。図1Aは、交差する糸要素が完全に織り交ぜられた実施例を示す。なお、交差する糸要素は、他の交点ごと又は3番目の交点ごとに織り交ぜる等、他の間隔で織り交ぜられてもよい。
【0006】
ステントは軸方向において伸張するにつれて、即ち、長さ方向における端部18,20が互いに対して離れるように強いられると、図1Bに示すように、直径が縮小する。同様に、ステントの壁がステントの径を小さくするように収縮されると、ステントが伸張する。言い換えれば、径方向における収縮と軸方向における伸張は、相関関係がある。力が付与されなくなると、ステントは休止時の直径及び長さに復元しようとする。ステントが復元しようとする力は、多くの要因によって決定される。例えば、その要因には、個々の糸状体の剛性、糸状体の数、糸状体の元来の(休止状態の)交差角αが含まれる。糸状体の剛性は、形成される材料や糸状体の太さ等の要因により決定される。一般的には、剛性が高くなるにつれて、かつ/又は、糸状体の休止状態における交差角αが大きくなるにつれて、径方向へ拡張する力が大きくなる。ステントの変形と、ステントの外形に影響を及ぼす機械的性質及び材料の性質との間の関係については、ジェドワブ(Jedwab),クラーク(Clerc) ,「自己拡張型ステントの外形上の性質及び機械的性質に関する研究−理論及び実験(A Study of the Geometrical and Mechanical Properties of a Self-Expanding Stent - Theory and Experiment)」,ジャーナル・オブ・アプライド・バイオマテリアルズ(Journal of Applied Biomaterials) ,1993年,第4巻,p.77−85に記載される。
【0007】
ステントに付与されるべき径方向への拡張力の大きさは、ステントの用途により異なる。血管内で使用される場合には、通常、ステントは狭窄の治療に用いられる。従って、このような用途の場合には、径方向への拡張力が比較的高いことが求められる。食道に用いる等、他の用途に使用する場合には、それよりもかなり低い力で済む。
【0008】
ウォールステン(Wallsten)に付与された米国特許第4,655,771号明細書は、米国特許第1,205,743号明細書による設計のステントを開示しており、特に、狭窄や動脈瘤の治療のために経管的に血管内に埋め込みを行うように変更されている。
【0009】
食道に用いる等のいくつかの用途においては、特に米国特許第1,205,743号明細書に記載されているが、ステントは一時的に使用するものである。前述の米国特許第4,655,771号明細書に記載される、血管に使用する場合等においては、ステントは恒久的に使用される。恒久的に配置される場合には、ステントが基本的に体内管の組織に組み込まれ、恒久的に固着された状態となるように、ステントが留置される体内管の組織が、ステント本体部の周囲において成長する。しかしながら、この状態がおこる数週間或いは数ヶ月前には、ステントの径方向への拡張力によって生ずる、ステント本体部の外面と体内管の内面の間の摩擦により、ステントが固定される。従って、休止時のステント直径は、体内管の内径よりもわずかに大きくなるように選択され、体内管の内壁とステントの外壁との間に絶えず力が働くことになる。
【0010】
生体吸収性を有するステントも、従来技術において知られている。生体吸収性を有するステントは、体内の流体に接触するうちに、時間の経過とともに分解され、体内における周囲の細胞に吸収される材料から製造される。
【0011】
ポリ−L,D−乳酸、ポリ−L−乳酸、ポリ−D−乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリジオキサノン、ポリ(乳酸−エチレンオキシド)共重合体やこれらの組み合わせ等のポリマーを含む、ステント製造に適した様々な生体吸収性を有する材料が、従来技術において知られている。ベイニオンプ(Vainionp)他、「プログ・ポリム.サイ.(Prog Polym. Sci.),1989年,第14巻,p.697−716、米国特許明細書第4,700,704号、第4,653,497号、第4,649,921号、第4,599,945号、第4,532,928号、第4,605,730号、第4,441,496号、第4,435,590号には、生体吸収性を有するステントを製造するための様々な化合物が開示されている。
【0012】
自己拡張型の網目状をなすステントは、径方向への拡張力をもたらす、ステント本体部を形成する交差する糸状体のスプリング力に影響される。従って、径方向への拡張力の大きさは、糸状体の数、個々の糸状体の大きさ、糸状体の材料の弾性率及び剛性率、糸状体の元の交差角等の要因に左右される。自己拡張型の編んで形成されるステントは、使用される糸状体の大きさと数、個々の糸状体の可撓性、特有の編みパターン等の個々の要因に影響される。
【0013】
しかしながら、ステントのこれらの特徴は、求められる径方向への拡張力に加えて、要因にも基づき選択されなければならない。例えば、糸状体の大きさは、用いられる体内管の大きさにより、少なくともある程度限定される。さらに、ステント本体部を形成する材料の特徴と、従って、材料の抗張力、弾性率、剛性率は、人体内に安全に留置することができる材料に限定される。
【0014】
生体吸収性を有する材料で形成されるステントは、同様の金属製のステント設計とは異なる特性を有する。生体吸収性を有する材料を使用した場合に調整しなければならない特性の例としては、例えば、分解率、材料のクリープ、材料の位置記憶(position memory) がある。これらの要因も、ステントの径方向への拡張力に影響を及ぼす。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従って、ステントの径方向への自己拡張力を高める、何らかの他の手段又は追加の手段を設けることが望ましい。
本発明の目的は、ポリマー材料、さらに好ましくは生体吸収性ポリマー材料をステントに用いて、最適の能力を持たせる方法及び設計を提供することにある。
【0016】
本発明の別の目的は、ステントの径方向への拡張力を高めるために、ポリマーからなるステントに対して、補足的な弾性フィラメントを連結する改良された方法を提供することにある。
【0017】
また、本発明の別の目的は、径方向への自己拡張力が高められた、生体吸収性を備える改良されたステントを提供することにある。
さらに、本発明の別の目的は、ステントの径方向への拡張力を高めるために、補足的な弾性フィラメントが連結された、生体吸収性を備える改良されたステントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
(発明の要約)
本発明は、自己拡張型のステント、特に、ポリマーからなる網目状をなす自己拡張型のステントの径方向への拡張力を高めるために、軸方向に延びる弾性フィラメントをステントに連結する方法に関する。また、本発明は、ステントの径方向への拡張力を高めるために、軸方向に延びるフィラメントが取り付けられたステントにも関する。本発明によれば、軸方向に延びるフィラメントは、その全長にわたって、又は長さ方向において間隔をもって、ステント本体部に接着される。一実施例においては、接着剤が、フィラメントの全長にわたって、シリンジやグルーガンを用いて塗布される。その後、フィラメントを含むステントは、熱処理されて、接着剤によって、フィラメントがステント本体部に固着される。あるいは、接着剤は、軸方向に延びるフィラメントがステント本体部を形成する糸状体と交差する点にのみ塗布してもよい。別の実施例においては、接着剤が独立したフィラメントに塗布され、その後、フィラメントはステント本体部に組み込まれるか、ステント本体部に配置される。
【0019】
別の実施例においては、軸方向に延びるフィラメントを有するステント全体に接着剤が噴霧される。また、別の実施例においては、フィラメントを備えるステントの一部又は全部を、接着剤溶液に浸漬する。
【0020】
別の実施例においては、軸方向に延びるフィラメントは、ステント本体部を形成する糸状体に織り交ぜられ、接着剤を使用せずに、フィラメントと糸状体の間の摩擦力により、軸方向に延びるフィラメントが十分に所定の場所に保持される。
【0021】
また、さらに別の実施例においては、接着剤が、シリンジやグルーガンを用いて、ステントに対して帯状に塗布され、接着剤自体が軸方向に延びるフィラメントとなる。
本発明の別の実施例においては、ステントはエラストマ溶液に浸漬される。エラストマは、その後、熱硬化過程を経る。この実施例においては、エラストマは、ステントの実際の本体部を形成する糸状体に結合する。エラストマでコーティングされた糸状体は、エラストマでコーティングされていない糸状体よりも硬い。従って、ステント本体部は、硬化したときの径方向に拡張された状態に復元しようとする傾向が大きくなる。この実施例によれば、ステント本体部の一部かステント全体をエラストマに浸漬することができる。
【0022】
別の実施例においては、ステントがエラストマ溶液を噴霧されるか、エラストマ溶液に浸漬されるとき、及び/又は続く熱硬化工程中に、ステントを径方向に拡張された位置に保持することができる。エラストマが熱硬化した後に、ステントは、それまでよりも大きい休止時の径を有することになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(発明の詳細な説明)
前述したように、径方向への制限力又は長さ方向への延伸力を付与することにより、自己拡張型のステントの直径を小さくすることができ、長さも相応に長くすることができる。力が付与されなくなると、ステントは元の直径及び長さに復元しようとする。また、前述したように、径方向への拡張力の大きさは、材料、特に糸状体の剛性、糸状体の太さ、糸状体の数、糸状体の休止時の交差角等の多くの要因により決定される。一般的には、休止時の交差角が大きくなるほど、径方向への拡張力が大きくなる。拡張力の大きさは、いくつかの理由から重要である。例えば、ステントが配置される体内管の内壁に対して付与される拡張力は、体内管の組織がステント上及びステントの周囲に成長して、ステントが体内管内に恒久的に固着されるまで、ステントを所定の位置に保持する力である。さらに、多くの用途においては、ステントの目的は体内管を開存状態にすることであり、径方向への拡張力の適切な大きさが重要となる。血管内への埋め込み等のいくつかの用途においては、体内管を開存状態にするために、比較的大きな拡張力を必要とする。食道に用いる等、他の用途の場合には、拡張力は、それよりもかなり小さくてすむ。
【0024】
多くの場合においては、このタイプのステント設計が本来有する径方向への拡張力に加えて、力を補足することが望ましい。例えば、ステントが挿入されなければならない体内管及び/又は通路の大きさにより、糸状体が細くならなければならないとか、求められる径方向への拡張力を得るには不十分な特定数の糸状体を用いなければならないといった影響が及ぼされることがある。
【0025】
本発明と同一の譲受人に譲渡された米国特許出願第09/626,638号明細書(出願日:2000年10月4日、発明の名称「径方向への拡張を向上させた自己拡張型のステント」)には、生体吸収性を備えた、網目状をなす自己拡張型のステントの径方向への拡張力を高めるための、いくつかの異なる機構が開示されている。径方向への拡張力を高めるためのそれらの機構の一つは、ステント本体部に連結される1個以上の軸方向に延びるフィラメントを使用する。
【0026】
図2は、前述の特許出願によるステント200の平面図を示し、さらには、本発明の第1の実施例を示す。図2は、網目状をなす自己拡張型のステント200を示す。しかしながら、本発明による方法及び装置は、任意の自己拡張型ステントにも適用可能であることを理解されたい。さらに、本発明は、少なくともステント本体部を形成する糸状体が生体吸収性を備えた材料で形成される、特定の実施例についてのみ、本願において記載されるが、当業者にとっては、本発明を非生体吸収性のステントにも適用できることは理解されるであろう。図2のステント本体部は、従来技術の構成を有し、ステント200の長さ方向の軸線204の周囲において、螺旋状に巻回される糸状体202からなる第1の集合体と、ステントの長さ方向の軸線204の周囲において、螺旋状に逆方向へ巻回される糸状体206からなる第2の集合体とからなる。糸状体202,206からなる第1の集合体と第2の集合体は、交点208において互いに交差し、休止時の交差角αを有する。糸状体の2個の集合体は、互いに対して編み込まれても、編み込まれなくてもよい。糸状体の2個の集合体は、交点208において、連結されても、連結されなくてもよい。
【0027】
ステント本体部を形成する糸状体202,206は、任意の適切な材料で形成することができる。適切な材料には、例えば、様々なプラスチック、金属、布、ポリマー及び/又は生体吸収性を備えた材料及び生体再吸収性(bioresorbable) を備えた材料が含まれる。本明細書においては、「生体吸収性」という語は、当該技術に関連する分野に従事する者が生体吸収性を有する材料と、生体再吸収性を有する材料という2つの語の区別をし得る範囲内において、両方の語を含むものとして使用される。
【0028】
ステントには、ステント本体部に沿って配置される軸方向に延びるフィラメント210が組み込まれて、ステントの径方向への拡張力が高められる。
軸方向に延びるフィラメント210は、好ましくは弾力性を有し、伸張された後に形状が回復する。軸方向に延びるフィラメントは、軸方向への延伸力を妨げ、かつ/又は軸方向に作用する収縮力をステント本体部に付与するように働く。従って、軸方向への収縮及び径方向への拡張は相関関係があるため、軸方向に延びるフィラメントは、ステントの径方向への拡張力を高める。
【0029】
あるいは、又は、加えて、軸方向に延びるフィラメント210は、水分や体温にさらされると、長さ方向において収縮する材料で形成してもよい。軸方向に延びるフィラメント210の収縮は、ステントに対して、長さ方向に収縮する力、即ち、径方向に拡張する力を付与する。軸方向に延びる弾性フィラメントは、ステントが休止時の直径(ステント本体部に対して軸方向又は径方向への力が加わっていないときの直径)であるときにフィラメントが非拡張状態となるように、ステント本体部に対して連結してもよい。このタイプの実施例においては、軸方向に延びるフィラメントは、ステントに対して付与される径方向へ収縮させる力又は軸方向に伸張させる力を妨げ、ステント直径が休止位置に達するまで径方向への拡張力を高める。しかしながら、軸方向に延びるフィラメントは、休止時の直径を超えるようにステントの直径を大きくすることはない。
【0030】
他の実施例においては、軸方向に延びるフィラメントは、ステントが休止時の直径のときに、フィラメントが延伸された状態となるように、ステント本体部に対して連結される。このタイプの実施例においては、軸方向に延びるフィラメントは、ステントに付与される径方向へ収縮する力又は軸方向に伸張する力を妨げるだけではなく、ステント直径が休止直径に到達する点を超えるように径方向への拡張力を高める。従って、任意の使用方法において、軸方向に延びるフィラメントは、ステントが本来の直径よりも大きい直径を有するように働きかける。
【0031】
この実施例の状態にするには、軸方向に延びるフィラメントを固着させる際に、ステントを軸方向へ収縮/径方向に拡張した状態に保持するか、軸方向に延びるフィラメントを延伸した状態にしておくか、その両方を用いるかする。
【0032】
通常は、挿入時において、軸方向に延びるフィラメントを含むステント全体が、体内管への挿入がより容易になるように、径を小さくするために長さ方向に伸張される。ステントが挿入装置から分離されると、ステントは、それ自体の力と軸方向に延びるフィラメントにより加えられる補足的な力とにより、挿入された体内管壁に対して、径方向へ拡張する力を加える。
【0033】
軸方向に延びるフィラメントに適切な材料は、生体安定性を有する、又は、好ましくは生体吸収性を有する、生体適合性を有する弾性ポリマーである。生体安定性を有するエラストマは、主として、ポリウレタンエラストマ及びシリコーンエラストマからなる。第1の弾性繊維の一つに、セグメント化ポリウレタンである、エラスタン、即ちスパンデックスがあり、これは、後にデュポン社によりライクラ(Lycra 、登録商標)として販売された。スパンデックスは、グローブマニュファクチャリング社(Globe Manufacturing Corp.) 等の他の製造元からも販売されている。他のいくつかの製造会社は、特に医療用途や医療的な移殖物用に、生体安定性を有するポリウレタンエラストマを製造している。サーモエレクトロン社(Thermo Electron Corp.) の一事業部であるサーメディクス社(Thermedics Inc.) は、様々な部類の生体安定性を有するポリウレタンエラストマを製造している。これらは、テコフレックス(Tecoflex、登録商標)、テコサン(Tecothane 、登録商標)、カーボサン(Carbothane、登録商標)、テコフィリック(Tecophilic、登録商標)、テコプラスト(Tecoplast 、登録商標)といった商標名で販売されている。エラストメディック社(Elastomedic Pty Ltd.)は、エラスト−イーオン(Elast-Eon 、登録商標)として販売される、生体安定性を有するポリウレタンエラストマ類を製造している。カーディオテクインターナショナル社(Cardiotech International, Inc.)は、クロノフレックス(Chronoflex、登録商標)やクロノサン(Chronothane 、登録商標)として販売される、生体安定性を有するポリウレタンエラストマ類を製造している。カーディオテクインターナショナル社は、また、本発明による軸方向に延びるフィラメントの製造に使用できる、熱可塑性ゴムエラストマであるクロノプレン(Chronoprene) も販売している。
【0034】
ポリマーテクノロジーグループ社(Polymer Technology Group Incorporated) は、バイオスパン(Biospan 、登録商標)、バイオネート(Bionate 、登録商標)、エラスタン(Elasthane 、登録商標)、カーボシル(Carbosil、登録商標)、パーシル(Pursil、登録商標)として販売される、生体安定性を有するポリウレタンエラストマを製造している。これらのポリウレタンのいくつかは、ソフトセグメントとして、シリコーンを含有している。
【0035】
当業者にとっては、ポリウレタンは加水分解により鎖が切れやすく、生体安定性という語は、実際には、分解速度が非常に遅いことを指すということが認識されるであろう。
シリコーンも、軸方向に延びるフィラメントに適したエラストマ類である。ニューシルテクノロジー社(Nusil Technology)は、様々な部類の医療用シリコーンエラストマを製造している。ローディア社(Rhodia)の一事業所であるアプライドシリコーン社(Applied Silicone Corporation)は、他の適切なシリコーンエラストマを、シルビオン(Silbione、登録商標)として販売している。
【0036】
しかしながら、軸方向に延びるフィラメントは、生体吸収性を有するエラストマで形成されることが好ましい。例えば、バーミンガムポリマーズ社(Birmingham Polymers, Inc.) 製のポリ−ε−カプロラクトンは、適切な生体吸収性を有するエラストマである。イソティス社(Isotis)製のポリアクティブも、適切な生体吸収性を有するエラストマである。
【0037】
エシコン社(Ethicon Inc.)に譲渡された米国特許第5,468,253号明細書及び第5,713,920号明細書には、ε−カプロラクトン、トリメチレン−カーボネート、グリコリド、パラジオキサノンのコポリマーである、生体吸収性を有する適切なエラストマについて記載されている。同じくエシコン社に譲渡された米国特許第5,113,624号明細書には、ラクチドとパラジオキサノンのコポリマーである、生体吸収性を有する適切なエラストマについて記載されている。
【0038】
適切な医療用の生体分解性を有するポリウレタンは、合成されてもよい。例えば、スカージャ(Skarja)、ウッドハウス(Woodhouse) ,「アミノ酸系の鎖延長剤を含有する分解可能なポリウレタンエラストマの構造−特性間の関係(Structure-Property Relationships of Degradable Polyurethane Elastomers containing an Amino Acid-Based Chain Extender)」,ジャーナル・オブ・アプライド・ポリマー・サイエンス(J. Of Applied Polymer Science) ,2000年,第75巻,p.1522−1534には、このような生体分解性を有するポリウレタンエラストマについて記載されている。
【0039】
メタボリックス社(Metabolix, Inc.) の子会社であるテーファ社(Tepha, Inc.) は、生体適合性と生体吸収性を有するポリマーである、様々な部類のPHA(ポリヒドロキシアルカノエート)を開発している。これらのポリマーの特性の範囲は、硬質のPHB(ポリヒドロキシ酪酸)からPHO(ポリヒドロキシオクタノエート)等の弾力性のあるエラストマにわたる。
【0040】
生体吸収性を備え、かつ軸方向に延びるフィラメントを、生体吸収性を有するステントに組み込むことにより、装置全体を生体吸収性とすることができる。しかしながら、ステント全体を生体吸収性にする必要はない。通常、ステントは、配置直後から埋め込まれた部位の組織がステント周囲に成長してくるまでの短い期間、一定の径方向への拡張力を有することが最も重要である。ステントが留置されると、周囲の組織はステント上に成長し、ステントを組織内に取り込む。しかしながら、ステントが配置された直後においては、基本的に、ステント本体部が体内管の内壁に対して及ぼす径方向への拡張力により生ずる摩擦によってのみ、ステントが所定の位置に固定される。従って、多くの場合において、軸方向に延びるフィラメントが生体吸収性を有し、ステント本体部が非生体吸収性であることは、利点となりうる。このように、高められた径方向への拡張力は、ステントが配置された直後の一定期間のみ付与される。その後、軸方向に延びるフィラメントが時間の経過とともに分解されるにつれて、高められた径方向への力も時間の経過とともに小さくなる。実際には、本体部及び軸方向に延びるフィラメントを含むステント全体が生体吸収性を有する場合であっても、ステント本体部よりも速く分解されるように軸方向に延びるフィラメントを製造することが可能であり、これにより、全体が生体吸収性を有するステントの径方向への拡張力を経時的に減少させることができる。
【0041】
あるいは、ステント本体部が生体吸収性を有し、軸方向に延びるフィラメントが非生体吸収性であってもよい。このような場合には、軸方向に延びるフィラメントは、ステント周囲に組織が成長するにつれて、組織の中に取り込まれるだけである。従って、軸方向に延びるフィラメントは、ステントが分解しても、体内管内の流れを妨げない。
【0042】
軸方向に延びるフィラメントは、接着剤を用いてステント本体部に連結するのが最も効果的である。軸方向に延びるフィラメントをステント本体部に連結するのに用いられる接着剤は、一定の基準を満たさなければならない。接着剤は、医療用の生体適合性を有するものでなければならない。前述の軸方向に延びるフィラメントを形成する材料の大部分は、溶媒に溶解させることができ、接着剤として用いることができる。ステント本体部及び軸方向に延びるフィラメントを含むステントが生体吸収性を有する場合、接着剤も生体吸収性を有するものであることが好ましいこともある。
【0043】
軸方向に延びるフィラメントがステント本体部に配置されると、溶媒が蒸発させられて、軸方向に延びるフィラメントとステント本体部の間の接着剤として作用するエラストマが残る。シリコーンも、特に適切な接着剤である。
【0044】
図2は、本発明の特定の実施例を示し、軸方向に延びるフィラメントが、ステント本体部に対して接着剤212を用いて連結される。まず、軸方向に延びるフィラメントが、ステント本体部と接触するように配置される。図2に示される特定の実施例においては、軸方向に延びるフィラメントは、ステント本体部の外面の頂面に配置される。しかしながら、フィラメントは、ステント本体部の内面に配置したり、螺旋状に巻回される繊維202,206に織り交ぜてもよい。次に、溶媒に溶解された液状の適切な接着剤を、シリンジ又はグルーガンを用いて、軸方向に延びるフィラメントの全長にわたって塗布する。その後、ステントは熱処理を経て、接着剤が溶解されている溶媒が蒸発する。溶媒が蒸発すると、軸方向に延びるフィラメントはステント本体部に接着される。
【0045】
あるいは、シリンジ又はグルーガンを用いて、接着剤溶液をステント本体部に対して線状に塗布し、軸方向に延びるフィラメントをその帯状の接着剤上又はその中に配置することもできる。接着剤及び軸方向に延びるフィラメントを含むステントは、前述されたように、熱処理を経て、図2に示される構造と類似する構造を形成する。この実施例においては、接着剤溶液は、糸状体間の空間を越えてステント本体部上に帯状体を形成できるだけの、十分な粘度を有さなければならない。
【0046】
図3は、別の実施例を示す。この実施例は、上述した図2の実施例と類似するが、軸方向に延びるフィラメントがステント本体部を形成する糸状体202,206上に配置される点214にのみ、接着剤が塗布される点において異なる。しかしながら、上述した図2に示す実施例と同様に、フィラメントは、ステント本体部の外面、内面のいずれにも接着することができる。
【0047】
本発明の好ましい実施例においては、軸方向に延びるフィラメントは、ステント本体部を編んで形成する際に、ステント本体部の網目状をなす構造に織り交ぜられる。しかしながら、別の実施例においては、ステント本体部が編まれた後に、ステント本体部の内面、又は外面、又はその両方に、軸方向に延びるフィラメントを配置してもよい。また、さらには、軸方向に延びるフィラメントを、ステント本体部が完全に形成された後に、図3に示すステント構造に編み込んでもよい。
【0048】
本発明の別の実施例においては、軸方向に延びるフィラメントを、まず接着剤で被覆し、その後にステント本体部に貼着されるようにしてもよい。接着剤で被覆された軸方向に延びるフィラメントは、ステント本体部の外面、又は内面、又はこれら両者に貼着され、かつ/又は、ステント本体部の糸状体に織り交ぜられてもよい。その後、図2及び図3に関して上述されたように、軸方向に延びるフィラメントを含むステントは熱処理されてもよい。
【0049】
また、図4に示される本発明の別の実施例においては、軸方向に延びるフィラメント210をステント本体部(図示する)の外面もしくは内面に貼着し、かつ/又は、ステント本体部の糸状体に織り交ぜて、ステント全体に接着剤溶液を噴霧してもよい。その後、上述したように、ステントは熱処理される。図示されるように、本実施例においては、ステント本体部及び軸方向に延びるフィラメント210を含むステント200全体が、接着剤212で被覆される。本発明の別の実施例においては、ステントは、図4に関して上述された方法にて準備されるが、ステント本体部に対して接着剤溶液を噴霧するのに代えて、ステント本体部を接着剤溶液に浸漬する点において異なっている。
【0050】
上述された最後の2つの実施例(ステント本体部の螺旋状をなす糸状体すべてと軸方向に延びるフィラメントの両方が接着剤で被覆される)に関しては、ステント本体部の糸状体上の接着層により、ステントの剛性が変化する。詳しくは、その接着層により、ステントの剛性が高くなる。このため、接着層により、径方向の直径や軸方向に延びる長さの変化に対するステントの耐性も高くなる。従って、接着剤自体が、ステントの径方向への自己拡張力を高めることになる。
【0051】
図5に示される別の実施例においては、軸方向に延びるフィラメントの代わりに、接着剤からなる軸方向に延びる帯状体215が、ステント本体部に直接塗布される。接着剤の量(例えば、接着剤からなる帯状体の厚さ)は、軸方向に延びるフィラメントがなくても、ステントの径方向への拡張力を十分に高めるものでなければならない。接着剤からなる軸方向に延びる帯状体は、連続的であっても、非連続的であってもよい。
【0052】
図6に示される本発明の別の実施例においては、軸方向に延びるフィラメント及び/又は接着剤からなる軸方向に延びる帯状体を設けず、ステントに接着剤溶液を噴霧するか、ステントを接着剤溶液に浸漬する。これにより、ステントの本体部を形成する糸状体202,206上の接着剤のコーティングのみにより、径方向への自己拡張力が高められる。
【0053】
図7は、網目状をなすステントの本体部の一部を形成する、互いに反対方向へ螺旋状に巻回される2個の糸状体の交点を示す拡大図である。このステントは、図6の実施例に従って、接着剤を噴霧する、又は接着剤に浸漬される。しかしながら、図7は、図4の実施例の典型的な例でもある。図7に示されるように、2個の糸状体202,206が、互いに反対方向へ螺旋状に巻回されて交差する点(交点)216において、接着剤からなるウェブ221を形成する。ステント本体部を形成し、互いに反対方向へ螺旋状に巻回される糸状体202,206の間隙216において、接着剤からなるウェブ221が形成されることで、径方向への拡張力が特に高められるが、要因はこれに限られるものではない。
【0054】
図6は、ステント本体部全体が接着剤で被覆された特定の実施例を示す。他の実施例においては、ステントの一部のみを接着剤で被覆してもよい。例えば、特定の実施例においては、ステントの一端部又は両端部だけを接着剤に浸漬することが望ましいことがある。例えば、ステントの両端部が接着剤に浸漬され、かつ、ステントの中央部が接着剤で被覆されていない場合には、ステントは、端部に近い部分の方が、中央部に比べて硬くなる。
【0055】
当業者にとっては、本発明のステントが、薬剤やその他の医療用の薬物の搬送に理想的な媒介であることが理解されるであろう。このような搬送は、薬剤又はその他の薬物をステントの任意の部分(糸状体や、軸方向に延びるフィラメント、接着剤)に組み込んだり、ステントの任意の部分を薬剤でコーティングしたりすることにより可能になる。
【0056】
当業者にとっては、セラミック、金属、合金粉等からなる放射線不透過性の充填剤を加えることにより、ステントの任意の部分又はステント全体を放射線不透過性とすることができることが理解されるであろう。
(例)
本発明のステントは、24本の直径0.27mmの糸状体を編んで形成される。糸状体は、96%のポリ−L−乳酸と4%のポリ−D−乳酸のコポリマーからなる。このコポリマーは、放射線不透過性を高めるために、20重量%のBaSO4充填剤と混合される。テコフレックス80−Aからなり、各直径が約0.25mmの4本の弾性フィラメントは、編み込みの際に、ステント本体部に織り交ぜられる。軸方向に延びるフィラメントは、テコフレックス80−Aをジクロロメタンに溶解させた接着剤でステントに接着される。
【0057】
本発明のいくつかの特定の実施例について説明してきたが、当業者には、容易に様々な変更や修正や改良を加えることができるであろう。本願における開示により自明であるこのような変更、修正、改良は、本願に明示されていなくても、本願の記載に包含されるものであり、本発明の精神及び範囲から逸脱するものではない。従って、前述の説明は、本発明の例示を行うものであり、限定を行うものではない。本発明は、請求項に定義される事項と、これに均等の事項によってのみ、限定される。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1A】従来技術に基づく網目状をなす自己拡張型ステントが休止位置にある状態を示す平面図。
【図1B】図1Aのステントが径方向において収縮され、かつ軸方向において延伸された状態を示す平面図。
【図2】本発明の第1の実施例における網目状をなす自己拡張型ステントを示す平面図。
【図3】本発明の第2の実施例における網目状をなす自己拡張型ステントを示す平面図。
【図4】本発明の第3の実施例における網目状をなす自己拡張型ステントを示す平面図。
【図5】本発明の第4の実施例における網目状をなす自己拡張型ステントを示す平面図。
【図6】本発明の第5の実施例における網目状をなす自己拡張型ステントを示す平面図。
【図7】本発明の実施例における網目状をなす自己拡張型ステントの本体部を形成する2個の糸状体の交点を示す拡大図。
【0001】
(発明の分野)
本発明は自己拡張型ステントに関し、詳しくは、ステント本体部の径方向へ拡張する力を高めるために、軸方向に延びるフィラメントをステント本体部に連結する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
外科的に体内管(管状をなす体内管)に埋め込まれる自己拡張型のステント、例えば編んで形成されるステントは、体内管を修復したり、補強したりするものとして知られている。ステントは、基本的には、体内管を補う中空状の管である。体内管が壊れたり、閉塞したりする傾向にある狭窄の病状に対して、ステントは、体内管の壁を支持することにより、管壁が壊れたり、閉塞したりするのを防止する。血管内にプラークが形成されて狭くなった血管は、狭窄の一例である。体内管が脆弱化し、管内の内圧に耐えることができずに膨れたり、破裂したりする動脈瘤の病状に対しては、ステントは、基本的には逆の役割、即ち、体内管の脆弱化した部分を補って、代替的な働きをする。ステントは、血管、胆管、結腸、気管、気管支、食道、尿道、尿管等に挿入するものとして知られている。
【0003】
現在、様々なタイプのステントが販売されている。ほとんどのステントは、体内管に挿入できるように、径方向において収縮される、即ち直径が小さくなる必要がある。ステントは、本来の位置に配置されると、望ましい直径まで径方向に拡張可能である。ステントは、力により曲げられたときにその屈曲した形状を保持する、硬いが変形可能な材料から製造される。このようなステントは、収縮された状態のバルーン上に取り付けられ、圧力を付与されていない、径方向において最小の大きさとなる形態で体内管に挿入することができる。ステントが本来の位置に配置されると、ステントを径方向に拡張するためにバルーンが拡張され、ステントは、バルーンが収縮され、除去された後も、その径方向に拡張された形状に保持される。
【0004】
他のタイプのステントは、自己拡張型のステントと呼ばれる。自己拡張型のステントは、径方向に圧縮可能であるが、径方向に収縮させる力がなくなると、本来の形状に拡張する。自己拡張型のステントのいくつかのタイプは、超弾性の材料又は形状記憶性を有する材料で形成される。通常は、化学組成や熱加工処理の過程により、形状記憶材料又は超弾性材料として使用することができ、生体適合性を有する合金であるニチノールを用いて、このようなステントが形成される。ボストンサイエンティフィック社(Boston Scientific Corporation) により製造・販売される超屈曲性のステントは、編んで形成されたニチノール製ステントの一例である。
【0005】
径方向に圧縮されたときに弾性変形しただけであるため、元の形状に戻る他のタイプの自己拡張型のステントは、ディドコット(Didcott) に付与された米国特許第1,205,743号明細書に例示される。米国特許第1,205,743号明細書は、自己拡張型で網目状をなす、外科的に拡張を行うステントを開示しており、このステントは、特に食道の拡張に使用されるが、他の体内管での使用ができるように変更可能である。この特許は、概ね、本願において図1Aに示すステント10を開示している。同ステントは、中空状の管状部材からなり、管状部材の壁は、可撓性を有する個々の糸要素12,14が連なって形成される。糸要素12,14は、各々、ステントの中心の長さ方向の軸線の周囲に螺旋状に延びる。可撓性を有する糸要素12からなる第1の集合体は、同一方向に巻回され、ステントの円筒形状をなす表面の周囲において、互いに対して入れ替わるように配置される。第1の糸要素12からなる集合体は、螺旋状をなす糸要素14からなる第2の集合体と交わる。糸要素14からなる第2の集合体も、ステントの円筒形状をなす表面の周囲において、互いに対して入れ替わるように配置されるが、巻回の方向が逆となる。従って、図1Aに示されるように、第1の集合体の糸要素12は、第2の集合体の糸要素14と、交点16において交差する。図1Aは、交差する糸要素が完全に織り交ぜられた実施例を示す。なお、交差する糸要素は、他の交点ごと又は3番目の交点ごとに織り交ぜる等、他の間隔で織り交ぜられてもよい。
【0006】
ステントは軸方向において伸張するにつれて、即ち、長さ方向における端部18,20が互いに対して離れるように強いられると、図1Bに示すように、直径が縮小する。同様に、ステントの壁がステントの径を小さくするように収縮されると、ステントが伸張する。言い換えれば、径方向における収縮と軸方向における伸張は、相関関係がある。力が付与されなくなると、ステントは休止時の直径及び長さに復元しようとする。ステントが復元しようとする力は、多くの要因によって決定される。例えば、その要因には、個々の糸状体の剛性、糸状体の数、糸状体の元来の(休止状態の)交差角αが含まれる。糸状体の剛性は、形成される材料や糸状体の太さ等の要因により決定される。一般的には、剛性が高くなるにつれて、かつ/又は、糸状体の休止状態における交差角αが大きくなるにつれて、径方向へ拡張する力が大きくなる。ステントの変形と、ステントの外形に影響を及ぼす機械的性質及び材料の性質との間の関係については、ジェドワブ(Jedwab),クラーク(Clerc) ,「自己拡張型ステントの外形上の性質及び機械的性質に関する研究−理論及び実験(A Study of the Geometrical and Mechanical Properties of a Self-Expanding Stent - Theory and Experiment)」,ジャーナル・オブ・アプライド・バイオマテリアルズ(Journal of Applied Biomaterials) ,1993年,第4巻,p.77−85に記載される。
【0007】
ステントに付与されるべき径方向への拡張力の大きさは、ステントの用途により異なる。血管内で使用される場合には、通常、ステントは狭窄の治療に用いられる。従って、このような用途の場合には、径方向への拡張力が比較的高いことが求められる。食道に用いる等、他の用途に使用する場合には、それよりもかなり低い力で済む。
【0008】
ウォールステン(Wallsten)に付与された米国特許第4,655,771号明細書は、米国特許第1,205,743号明細書による設計のステントを開示しており、特に、狭窄や動脈瘤の治療のために経管的に血管内に埋め込みを行うように変更されている。
【0009】
食道に用いる等のいくつかの用途においては、特に米国特許第1,205,743号明細書に記載されているが、ステントは一時的に使用するものである。前述の米国特許第4,655,771号明細書に記載される、血管に使用する場合等においては、ステントは恒久的に使用される。恒久的に配置される場合には、ステントが基本的に体内管の組織に組み込まれ、恒久的に固着された状態となるように、ステントが留置される体内管の組織が、ステント本体部の周囲において成長する。しかしながら、この状態がおこる数週間或いは数ヶ月前には、ステントの径方向への拡張力によって生ずる、ステント本体部の外面と体内管の内面の間の摩擦により、ステントが固定される。従って、休止時のステント直径は、体内管の内径よりもわずかに大きくなるように選択され、体内管の内壁とステントの外壁との間に絶えず力が働くことになる。
【0010】
生体吸収性を有するステントも、従来技術において知られている。生体吸収性を有するステントは、体内の流体に接触するうちに、時間の経過とともに分解され、体内における周囲の細胞に吸収される材料から製造される。
【0011】
ポリ−L,D−乳酸、ポリ−L−乳酸、ポリ−D−乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリジオキサノン、ポリ(乳酸−エチレンオキシド)共重合体やこれらの組み合わせ等のポリマーを含む、ステント製造に適した様々な生体吸収性を有する材料が、従来技術において知られている。ベイニオンプ(Vainionp)他、「プログ・ポリム.サイ.(Prog Polym. Sci.),1989年,第14巻,p.697−716、米国特許明細書第4,700,704号、第4,653,497号、第4,649,921号、第4,599,945号、第4,532,928号、第4,605,730号、第4,441,496号、第4,435,590号には、生体吸収性を有するステントを製造するための様々な化合物が開示されている。
【0012】
自己拡張型の網目状をなすステントは、径方向への拡張力をもたらす、ステント本体部を形成する交差する糸状体のスプリング力に影響される。従って、径方向への拡張力の大きさは、糸状体の数、個々の糸状体の大きさ、糸状体の材料の弾性率及び剛性率、糸状体の元の交差角等の要因に左右される。自己拡張型の編んで形成されるステントは、使用される糸状体の大きさと数、個々の糸状体の可撓性、特有の編みパターン等の個々の要因に影響される。
【0013】
しかしながら、ステントのこれらの特徴は、求められる径方向への拡張力に加えて、要因にも基づき選択されなければならない。例えば、糸状体の大きさは、用いられる体内管の大きさにより、少なくともある程度限定される。さらに、ステント本体部を形成する材料の特徴と、従って、材料の抗張力、弾性率、剛性率は、人体内に安全に留置することができる材料に限定される。
【0014】
生体吸収性を有する材料で形成されるステントは、同様の金属製のステント設計とは異なる特性を有する。生体吸収性を有する材料を使用した場合に調整しなければならない特性の例としては、例えば、分解率、材料のクリープ、材料の位置記憶(position memory) がある。これらの要因も、ステントの径方向への拡張力に影響を及ぼす。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従って、ステントの径方向への自己拡張力を高める、何らかの他の手段又は追加の手段を設けることが望ましい。
本発明の目的は、ポリマー材料、さらに好ましくは生体吸収性ポリマー材料をステントに用いて、最適の能力を持たせる方法及び設計を提供することにある。
【0016】
本発明の別の目的は、ステントの径方向への拡張力を高めるために、ポリマーからなるステントに対して、補足的な弾性フィラメントを連結する改良された方法を提供することにある。
【0017】
また、本発明の別の目的は、径方向への自己拡張力が高められた、生体吸収性を備える改良されたステントを提供することにある。
さらに、本発明の別の目的は、ステントの径方向への拡張力を高めるために、補足的な弾性フィラメントが連結された、生体吸収性を備える改良されたステントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
(発明の要約)
本発明は、自己拡張型のステント、特に、ポリマーからなる網目状をなす自己拡張型のステントの径方向への拡張力を高めるために、軸方向に延びる弾性フィラメントをステントに連結する方法に関する。また、本発明は、ステントの径方向への拡張力を高めるために、軸方向に延びるフィラメントが取り付けられたステントにも関する。本発明によれば、軸方向に延びるフィラメントは、その全長にわたって、又は長さ方向において間隔をもって、ステント本体部に接着される。一実施例においては、接着剤が、フィラメントの全長にわたって、シリンジやグルーガンを用いて塗布される。その後、フィラメントを含むステントは、熱処理されて、接着剤によって、フィラメントがステント本体部に固着される。あるいは、接着剤は、軸方向に延びるフィラメントがステント本体部を形成する糸状体と交差する点にのみ塗布してもよい。別の実施例においては、接着剤が独立したフィラメントに塗布され、その後、フィラメントはステント本体部に組み込まれるか、ステント本体部に配置される。
【0019】
別の実施例においては、軸方向に延びるフィラメントを有するステント全体に接着剤が噴霧される。また、別の実施例においては、フィラメントを備えるステントの一部又は全部を、接着剤溶液に浸漬する。
【0020】
別の実施例においては、軸方向に延びるフィラメントは、ステント本体部を形成する糸状体に織り交ぜられ、接着剤を使用せずに、フィラメントと糸状体の間の摩擦力により、軸方向に延びるフィラメントが十分に所定の場所に保持される。
【0021】
また、さらに別の実施例においては、接着剤が、シリンジやグルーガンを用いて、ステントに対して帯状に塗布され、接着剤自体が軸方向に延びるフィラメントとなる。
本発明の別の実施例においては、ステントはエラストマ溶液に浸漬される。エラストマは、その後、熱硬化過程を経る。この実施例においては、エラストマは、ステントの実際の本体部を形成する糸状体に結合する。エラストマでコーティングされた糸状体は、エラストマでコーティングされていない糸状体よりも硬い。従って、ステント本体部は、硬化したときの径方向に拡張された状態に復元しようとする傾向が大きくなる。この実施例によれば、ステント本体部の一部かステント全体をエラストマに浸漬することができる。
【0022】
別の実施例においては、ステントがエラストマ溶液を噴霧されるか、エラストマ溶液に浸漬されるとき、及び/又は続く熱硬化工程中に、ステントを径方向に拡張された位置に保持することができる。エラストマが熱硬化した後に、ステントは、それまでよりも大きい休止時の径を有することになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(発明の詳細な説明)
前述したように、径方向への制限力又は長さ方向への延伸力を付与することにより、自己拡張型のステントの直径を小さくすることができ、長さも相応に長くすることができる。力が付与されなくなると、ステントは元の直径及び長さに復元しようとする。また、前述したように、径方向への拡張力の大きさは、材料、特に糸状体の剛性、糸状体の太さ、糸状体の数、糸状体の休止時の交差角等の多くの要因により決定される。一般的には、休止時の交差角が大きくなるほど、径方向への拡張力が大きくなる。拡張力の大きさは、いくつかの理由から重要である。例えば、ステントが配置される体内管の内壁に対して付与される拡張力は、体内管の組織がステント上及びステントの周囲に成長して、ステントが体内管内に恒久的に固着されるまで、ステントを所定の位置に保持する力である。さらに、多くの用途においては、ステントの目的は体内管を開存状態にすることであり、径方向への拡張力の適切な大きさが重要となる。血管内への埋め込み等のいくつかの用途においては、体内管を開存状態にするために、比較的大きな拡張力を必要とする。食道に用いる等、他の用途の場合には、拡張力は、それよりもかなり小さくてすむ。
【0024】
多くの場合においては、このタイプのステント設計が本来有する径方向への拡張力に加えて、力を補足することが望ましい。例えば、ステントが挿入されなければならない体内管及び/又は通路の大きさにより、糸状体が細くならなければならないとか、求められる径方向への拡張力を得るには不十分な特定数の糸状体を用いなければならないといった影響が及ぼされることがある。
【0025】
本発明と同一の譲受人に譲渡された米国特許出願第09/626,638号明細書(出願日:2000年10月4日、発明の名称「径方向への拡張を向上させた自己拡張型のステント」)には、生体吸収性を備えた、網目状をなす自己拡張型のステントの径方向への拡張力を高めるための、いくつかの異なる機構が開示されている。径方向への拡張力を高めるためのそれらの機構の一つは、ステント本体部に連結される1個以上の軸方向に延びるフィラメントを使用する。
【0026】
図2は、前述の特許出願によるステント200の平面図を示し、さらには、本発明の第1の実施例を示す。図2は、網目状をなす自己拡張型のステント200を示す。しかしながら、本発明による方法及び装置は、任意の自己拡張型ステントにも適用可能であることを理解されたい。さらに、本発明は、少なくともステント本体部を形成する糸状体が生体吸収性を備えた材料で形成される、特定の実施例についてのみ、本願において記載されるが、当業者にとっては、本発明を非生体吸収性のステントにも適用できることは理解されるであろう。図2のステント本体部は、従来技術の構成を有し、ステント200の長さ方向の軸線204の周囲において、螺旋状に巻回される糸状体202からなる第1の集合体と、ステントの長さ方向の軸線204の周囲において、螺旋状に逆方向へ巻回される糸状体206からなる第2の集合体とからなる。糸状体202,206からなる第1の集合体と第2の集合体は、交点208において互いに交差し、休止時の交差角αを有する。糸状体の2個の集合体は、互いに対して編み込まれても、編み込まれなくてもよい。糸状体の2個の集合体は、交点208において、連結されても、連結されなくてもよい。
【0027】
ステント本体部を形成する糸状体202,206は、任意の適切な材料で形成することができる。適切な材料には、例えば、様々なプラスチック、金属、布、ポリマー及び/又は生体吸収性を備えた材料及び生体再吸収性(bioresorbable) を備えた材料が含まれる。本明細書においては、「生体吸収性」という語は、当該技術に関連する分野に従事する者が生体吸収性を有する材料と、生体再吸収性を有する材料という2つの語の区別をし得る範囲内において、両方の語を含むものとして使用される。
【0028】
ステントには、ステント本体部に沿って配置される軸方向に延びるフィラメント210が組み込まれて、ステントの径方向への拡張力が高められる。
軸方向に延びるフィラメント210は、好ましくは弾力性を有し、伸張された後に形状が回復する。軸方向に延びるフィラメントは、軸方向への延伸力を妨げ、かつ/又は軸方向に作用する収縮力をステント本体部に付与するように働く。従って、軸方向への収縮及び径方向への拡張は相関関係があるため、軸方向に延びるフィラメントは、ステントの径方向への拡張力を高める。
【0029】
あるいは、又は、加えて、軸方向に延びるフィラメント210は、水分や体温にさらされると、長さ方向において収縮する材料で形成してもよい。軸方向に延びるフィラメント210の収縮は、ステントに対して、長さ方向に収縮する力、即ち、径方向に拡張する力を付与する。軸方向に延びる弾性フィラメントは、ステントが休止時の直径(ステント本体部に対して軸方向又は径方向への力が加わっていないときの直径)であるときにフィラメントが非拡張状態となるように、ステント本体部に対して連結してもよい。このタイプの実施例においては、軸方向に延びるフィラメントは、ステントに対して付与される径方向へ収縮させる力又は軸方向に伸張させる力を妨げ、ステント直径が休止位置に達するまで径方向への拡張力を高める。しかしながら、軸方向に延びるフィラメントは、休止時の直径を超えるようにステントの直径を大きくすることはない。
【0030】
他の実施例においては、軸方向に延びるフィラメントは、ステントが休止時の直径のときに、フィラメントが延伸された状態となるように、ステント本体部に対して連結される。このタイプの実施例においては、軸方向に延びるフィラメントは、ステントに付与される径方向へ収縮する力又は軸方向に伸張する力を妨げるだけではなく、ステント直径が休止直径に到達する点を超えるように径方向への拡張力を高める。従って、任意の使用方法において、軸方向に延びるフィラメントは、ステントが本来の直径よりも大きい直径を有するように働きかける。
【0031】
この実施例の状態にするには、軸方向に延びるフィラメントを固着させる際に、ステントを軸方向へ収縮/径方向に拡張した状態に保持するか、軸方向に延びるフィラメントを延伸した状態にしておくか、その両方を用いるかする。
【0032】
通常は、挿入時において、軸方向に延びるフィラメントを含むステント全体が、体内管への挿入がより容易になるように、径を小さくするために長さ方向に伸張される。ステントが挿入装置から分離されると、ステントは、それ自体の力と軸方向に延びるフィラメントにより加えられる補足的な力とにより、挿入された体内管壁に対して、径方向へ拡張する力を加える。
【0033】
軸方向に延びるフィラメントに適切な材料は、生体安定性を有する、又は、好ましくは生体吸収性を有する、生体適合性を有する弾性ポリマーである。生体安定性を有するエラストマは、主として、ポリウレタンエラストマ及びシリコーンエラストマからなる。第1の弾性繊維の一つに、セグメント化ポリウレタンである、エラスタン、即ちスパンデックスがあり、これは、後にデュポン社によりライクラ(Lycra 、登録商標)として販売された。スパンデックスは、グローブマニュファクチャリング社(Globe Manufacturing Corp.) 等の他の製造元からも販売されている。他のいくつかの製造会社は、特に医療用途や医療的な移殖物用に、生体安定性を有するポリウレタンエラストマを製造している。サーモエレクトロン社(Thermo Electron Corp.) の一事業部であるサーメディクス社(Thermedics Inc.) は、様々な部類の生体安定性を有するポリウレタンエラストマを製造している。これらは、テコフレックス(Tecoflex、登録商標)、テコサン(Tecothane 、登録商標)、カーボサン(Carbothane、登録商標)、テコフィリック(Tecophilic、登録商標)、テコプラスト(Tecoplast 、登録商標)といった商標名で販売されている。エラストメディック社(Elastomedic Pty Ltd.)は、エラスト−イーオン(Elast-Eon 、登録商標)として販売される、生体安定性を有するポリウレタンエラストマ類を製造している。カーディオテクインターナショナル社(Cardiotech International, Inc.)は、クロノフレックス(Chronoflex、登録商標)やクロノサン(Chronothane 、登録商標)として販売される、生体安定性を有するポリウレタンエラストマ類を製造している。カーディオテクインターナショナル社は、また、本発明による軸方向に延びるフィラメントの製造に使用できる、熱可塑性ゴムエラストマであるクロノプレン(Chronoprene) も販売している。
【0034】
ポリマーテクノロジーグループ社(Polymer Technology Group Incorporated) は、バイオスパン(Biospan 、登録商標)、バイオネート(Bionate 、登録商標)、エラスタン(Elasthane 、登録商標)、カーボシル(Carbosil、登録商標)、パーシル(Pursil、登録商標)として販売される、生体安定性を有するポリウレタンエラストマを製造している。これらのポリウレタンのいくつかは、ソフトセグメントとして、シリコーンを含有している。
【0035】
当業者にとっては、ポリウレタンは加水分解により鎖が切れやすく、生体安定性という語は、実際には、分解速度が非常に遅いことを指すということが認識されるであろう。
シリコーンも、軸方向に延びるフィラメントに適したエラストマ類である。ニューシルテクノロジー社(Nusil Technology)は、様々な部類の医療用シリコーンエラストマを製造している。ローディア社(Rhodia)の一事業所であるアプライドシリコーン社(Applied Silicone Corporation)は、他の適切なシリコーンエラストマを、シルビオン(Silbione、登録商標)として販売している。
【0036】
しかしながら、軸方向に延びるフィラメントは、生体吸収性を有するエラストマで形成されることが好ましい。例えば、バーミンガムポリマーズ社(Birmingham Polymers, Inc.) 製のポリ−ε−カプロラクトンは、適切な生体吸収性を有するエラストマである。イソティス社(Isotis)製のポリアクティブも、適切な生体吸収性を有するエラストマである。
【0037】
エシコン社(Ethicon Inc.)に譲渡された米国特許第5,468,253号明細書及び第5,713,920号明細書には、ε−カプロラクトン、トリメチレン−カーボネート、グリコリド、パラジオキサノンのコポリマーである、生体吸収性を有する適切なエラストマについて記載されている。同じくエシコン社に譲渡された米国特許第5,113,624号明細書には、ラクチドとパラジオキサノンのコポリマーである、生体吸収性を有する適切なエラストマについて記載されている。
【0038】
適切な医療用の生体分解性を有するポリウレタンは、合成されてもよい。例えば、スカージャ(Skarja)、ウッドハウス(Woodhouse) ,「アミノ酸系の鎖延長剤を含有する分解可能なポリウレタンエラストマの構造−特性間の関係(Structure-Property Relationships of Degradable Polyurethane Elastomers containing an Amino Acid-Based Chain Extender)」,ジャーナル・オブ・アプライド・ポリマー・サイエンス(J. Of Applied Polymer Science) ,2000年,第75巻,p.1522−1534には、このような生体分解性を有するポリウレタンエラストマについて記載されている。
【0039】
メタボリックス社(Metabolix, Inc.) の子会社であるテーファ社(Tepha, Inc.) は、生体適合性と生体吸収性を有するポリマーである、様々な部類のPHA(ポリヒドロキシアルカノエート)を開発している。これらのポリマーの特性の範囲は、硬質のPHB(ポリヒドロキシ酪酸)からPHO(ポリヒドロキシオクタノエート)等の弾力性のあるエラストマにわたる。
【0040】
生体吸収性を備え、かつ軸方向に延びるフィラメントを、生体吸収性を有するステントに組み込むことにより、装置全体を生体吸収性とすることができる。しかしながら、ステント全体を生体吸収性にする必要はない。通常、ステントは、配置直後から埋め込まれた部位の組織がステント周囲に成長してくるまでの短い期間、一定の径方向への拡張力を有することが最も重要である。ステントが留置されると、周囲の組織はステント上に成長し、ステントを組織内に取り込む。しかしながら、ステントが配置された直後においては、基本的に、ステント本体部が体内管の内壁に対して及ぼす径方向への拡張力により生ずる摩擦によってのみ、ステントが所定の位置に固定される。従って、多くの場合において、軸方向に延びるフィラメントが生体吸収性を有し、ステント本体部が非生体吸収性であることは、利点となりうる。このように、高められた径方向への拡張力は、ステントが配置された直後の一定期間のみ付与される。その後、軸方向に延びるフィラメントが時間の経過とともに分解されるにつれて、高められた径方向への力も時間の経過とともに小さくなる。実際には、本体部及び軸方向に延びるフィラメントを含むステント全体が生体吸収性を有する場合であっても、ステント本体部よりも速く分解されるように軸方向に延びるフィラメントを製造することが可能であり、これにより、全体が生体吸収性を有するステントの径方向への拡張力を経時的に減少させることができる。
【0041】
あるいは、ステント本体部が生体吸収性を有し、軸方向に延びるフィラメントが非生体吸収性であってもよい。このような場合には、軸方向に延びるフィラメントは、ステント周囲に組織が成長するにつれて、組織の中に取り込まれるだけである。従って、軸方向に延びるフィラメントは、ステントが分解しても、体内管内の流れを妨げない。
【0042】
軸方向に延びるフィラメントは、接着剤を用いてステント本体部に連結するのが最も効果的である。軸方向に延びるフィラメントをステント本体部に連結するのに用いられる接着剤は、一定の基準を満たさなければならない。接着剤は、医療用の生体適合性を有するものでなければならない。前述の軸方向に延びるフィラメントを形成する材料の大部分は、溶媒に溶解させることができ、接着剤として用いることができる。ステント本体部及び軸方向に延びるフィラメントを含むステントが生体吸収性を有する場合、接着剤も生体吸収性を有するものであることが好ましいこともある。
【0043】
軸方向に延びるフィラメントがステント本体部に配置されると、溶媒が蒸発させられて、軸方向に延びるフィラメントとステント本体部の間の接着剤として作用するエラストマが残る。シリコーンも、特に適切な接着剤である。
【0044】
図2は、本発明の特定の実施例を示し、軸方向に延びるフィラメントが、ステント本体部に対して接着剤212を用いて連結される。まず、軸方向に延びるフィラメントが、ステント本体部と接触するように配置される。図2に示される特定の実施例においては、軸方向に延びるフィラメントは、ステント本体部の外面の頂面に配置される。しかしながら、フィラメントは、ステント本体部の内面に配置したり、螺旋状に巻回される繊維202,206に織り交ぜてもよい。次に、溶媒に溶解された液状の適切な接着剤を、シリンジ又はグルーガンを用いて、軸方向に延びるフィラメントの全長にわたって塗布する。その後、ステントは熱処理を経て、接着剤が溶解されている溶媒が蒸発する。溶媒が蒸発すると、軸方向に延びるフィラメントはステント本体部に接着される。
【0045】
あるいは、シリンジ又はグルーガンを用いて、接着剤溶液をステント本体部に対して線状に塗布し、軸方向に延びるフィラメントをその帯状の接着剤上又はその中に配置することもできる。接着剤及び軸方向に延びるフィラメントを含むステントは、前述されたように、熱処理を経て、図2に示される構造と類似する構造を形成する。この実施例においては、接着剤溶液は、糸状体間の空間を越えてステント本体部上に帯状体を形成できるだけの、十分な粘度を有さなければならない。
【0046】
図3は、別の実施例を示す。この実施例は、上述した図2の実施例と類似するが、軸方向に延びるフィラメントがステント本体部を形成する糸状体202,206上に配置される点214にのみ、接着剤が塗布される点において異なる。しかしながら、上述した図2に示す実施例と同様に、フィラメントは、ステント本体部の外面、内面のいずれにも接着することができる。
【0047】
本発明の好ましい実施例においては、軸方向に延びるフィラメントは、ステント本体部を編んで形成する際に、ステント本体部の網目状をなす構造に織り交ぜられる。しかしながら、別の実施例においては、ステント本体部が編まれた後に、ステント本体部の内面、又は外面、又はその両方に、軸方向に延びるフィラメントを配置してもよい。また、さらには、軸方向に延びるフィラメントを、ステント本体部が完全に形成された後に、図3に示すステント構造に編み込んでもよい。
【0048】
本発明の別の実施例においては、軸方向に延びるフィラメントを、まず接着剤で被覆し、その後にステント本体部に貼着されるようにしてもよい。接着剤で被覆された軸方向に延びるフィラメントは、ステント本体部の外面、又は内面、又はこれら両者に貼着され、かつ/又は、ステント本体部の糸状体に織り交ぜられてもよい。その後、図2及び図3に関して上述されたように、軸方向に延びるフィラメントを含むステントは熱処理されてもよい。
【0049】
また、図4に示される本発明の別の実施例においては、軸方向に延びるフィラメント210をステント本体部(図示する)の外面もしくは内面に貼着し、かつ/又は、ステント本体部の糸状体に織り交ぜて、ステント全体に接着剤溶液を噴霧してもよい。その後、上述したように、ステントは熱処理される。図示されるように、本実施例においては、ステント本体部及び軸方向に延びるフィラメント210を含むステント200全体が、接着剤212で被覆される。本発明の別の実施例においては、ステントは、図4に関して上述された方法にて準備されるが、ステント本体部に対して接着剤溶液を噴霧するのに代えて、ステント本体部を接着剤溶液に浸漬する点において異なっている。
【0050】
上述された最後の2つの実施例(ステント本体部の螺旋状をなす糸状体すべてと軸方向に延びるフィラメントの両方が接着剤で被覆される)に関しては、ステント本体部の糸状体上の接着層により、ステントの剛性が変化する。詳しくは、その接着層により、ステントの剛性が高くなる。このため、接着層により、径方向の直径や軸方向に延びる長さの変化に対するステントの耐性も高くなる。従って、接着剤自体が、ステントの径方向への自己拡張力を高めることになる。
【0051】
図5に示される別の実施例においては、軸方向に延びるフィラメントの代わりに、接着剤からなる軸方向に延びる帯状体215が、ステント本体部に直接塗布される。接着剤の量(例えば、接着剤からなる帯状体の厚さ)は、軸方向に延びるフィラメントがなくても、ステントの径方向への拡張力を十分に高めるものでなければならない。接着剤からなる軸方向に延びる帯状体は、連続的であっても、非連続的であってもよい。
【0052】
図6に示される本発明の別の実施例においては、軸方向に延びるフィラメント及び/又は接着剤からなる軸方向に延びる帯状体を設けず、ステントに接着剤溶液を噴霧するか、ステントを接着剤溶液に浸漬する。これにより、ステントの本体部を形成する糸状体202,206上の接着剤のコーティングのみにより、径方向への自己拡張力が高められる。
【0053】
図7は、網目状をなすステントの本体部の一部を形成する、互いに反対方向へ螺旋状に巻回される2個の糸状体の交点を示す拡大図である。このステントは、図6の実施例に従って、接着剤を噴霧する、又は接着剤に浸漬される。しかしながら、図7は、図4の実施例の典型的な例でもある。図7に示されるように、2個の糸状体202,206が、互いに反対方向へ螺旋状に巻回されて交差する点(交点)216において、接着剤からなるウェブ221を形成する。ステント本体部を形成し、互いに反対方向へ螺旋状に巻回される糸状体202,206の間隙216において、接着剤からなるウェブ221が形成されることで、径方向への拡張力が特に高められるが、要因はこれに限られるものではない。
【0054】
図6は、ステント本体部全体が接着剤で被覆された特定の実施例を示す。他の実施例においては、ステントの一部のみを接着剤で被覆してもよい。例えば、特定の実施例においては、ステントの一端部又は両端部だけを接着剤に浸漬することが望ましいことがある。例えば、ステントの両端部が接着剤に浸漬され、かつ、ステントの中央部が接着剤で被覆されていない場合には、ステントは、端部に近い部分の方が、中央部に比べて硬くなる。
【0055】
当業者にとっては、本発明のステントが、薬剤やその他の医療用の薬物の搬送に理想的な媒介であることが理解されるであろう。このような搬送は、薬剤又はその他の薬物をステントの任意の部分(糸状体や、軸方向に延びるフィラメント、接着剤)に組み込んだり、ステントの任意の部分を薬剤でコーティングしたりすることにより可能になる。
【0056】
当業者にとっては、セラミック、金属、合金粉等からなる放射線不透過性の充填剤を加えることにより、ステントの任意の部分又はステント全体を放射線不透過性とすることができることが理解されるであろう。
(例)
本発明のステントは、24本の直径0.27mmの糸状体を編んで形成される。糸状体は、96%のポリ−L−乳酸と4%のポリ−D−乳酸のコポリマーからなる。このコポリマーは、放射線不透過性を高めるために、20重量%のBaSO4充填剤と混合される。テコフレックス80−Aからなり、各直径が約0.25mmの4本の弾性フィラメントは、編み込みの際に、ステント本体部に織り交ぜられる。軸方向に延びるフィラメントは、テコフレックス80−Aをジクロロメタンに溶解させた接着剤でステントに接着される。
【0057】
本発明のいくつかの特定の実施例について説明してきたが、当業者には、容易に様々な変更や修正や改良を加えることができるであろう。本願における開示により自明であるこのような変更、修正、改良は、本願に明示されていなくても、本願の記載に包含されるものであり、本発明の精神及び範囲から逸脱するものではない。従って、前述の説明は、本発明の例示を行うものであり、限定を行うものではない。本発明は、請求項に定義される事項と、これに均等の事項によってのみ、限定される。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1A】従来技術に基づく網目状をなす自己拡張型ステントが休止位置にある状態を示す平面図。
【図1B】図1Aのステントが径方向において収縮され、かつ軸方向において延伸された状態を示す平面図。
【図2】本発明の第1の実施例における網目状をなす自己拡張型ステントを示す平面図。
【図3】本発明の第2の実施例における網目状をなす自己拡張型ステントを示す平面図。
【図4】本発明の第3の実施例における網目状をなす自己拡張型ステントを示す平面図。
【図5】本発明の第4の実施例における網目状をなす自己拡張型ステントを示す平面図。
【図6】本発明の第5の実施例における網目状をなす自己拡張型ステントを示す平面図。
【図7】本発明の実施例における網目状をなす自己拡張型ステントの本体部を形成する2個の糸状体の交点を示す拡大図。
Claims (39)
- (1)管状をなすステント本体部を準備する工程と、
(2)ステントの軸方向に延びるように配置される少なくとも1個以上の弾性フィラメントを準備する工程と、
(3)ステントが軸方向に延伸されたときに、フィラメントが軸方向へ圧縮する力をステント本体部に及ぼすように、フィラメントをステント本体部に接着剤で連結する工程と
からなる、径方向への拡張力を高めた自己拡張型ステントの製造方法。 - 前記ステントが休止時の直径のときに、軸方向へ圧縮する力をステント本体部に及ぼすようにフィラメントが配置される請求項1に記載の方法。
- 前記ステント本体部が少なくとも1個の糸状体からなり、前記工程(3)が、
(3.1)ステント本体部にフィラメントを軸方向に延びるように配置する工程と、
(3.2)溶媒に溶解させた接着剤をフィラメントに塗布する工程と、
(3.3)同溶媒を蒸発させる工程と
からなる請求項1に記載の方法。 - 前記工程(3.2)が、フィラメントの全長にわたって接着剤を帯状に塗布する工程からなる請求項3に記載の方法。
- 前記ステント本体部が、第1の方向へ螺旋状に巻回される糸状体の第1の集合体と、第2の方向へ螺旋状に巻回される糸状体の第2の集合体とを備え、糸状体の第1の集合体と第2の集合体が交差し合い、前記工程(3.2)が、ステント本体部を形成する糸状体と軸方向に延びるフィラメントが交差する点のみに接着剤を塗布する工程からなる請求項3に記載の方法。
- 前記工程(3.3)がステントに熱処理を行う工程からなる請求項3に記載の方法。
- 前記工程(3.1)がステント本体部の外面上にフィラメントを配置する工程からなる請求項3に記載の方法。
- 前記工程(3.1)がステント本体部の内面上にフィラメントを配置する工程からなる請求項3に記載の方法。
- 前記工程(3.1)がステント本体部を形成する糸状体にフィラメントを織り交ぜる工程からなる請求項5に記載の方法。
- 前記工程(3)が、
(3.1)接着剤をフィラメントに塗布する工程と、
(3.2)接着剤が塗布されたフィラメントを軸方向に延びるようにステント本体部に配置する工程と、
(3.3)ステントに熱処理を行う工程と
からなる、請求項1に記載の方法。 - 前記工程(3.1)がフィラメントを接着剤溶液に浸漬する工程からなる請求項10に記載の方法。
- 前記工程(3.1)がフィラメントに接着剤を噴霧する工程からなる請求項10に記載の方法。
- 前記工程(3)が、
(3.1)ステント本体部にフィラメントを軸方向に延びるように配置する工程と、
(3.2)溶媒に溶解させた接着剤をステントに噴霧する工程と、
(3.3)同溶媒を蒸発させる工程と
からなる請求項1に記載の方法。 - 前記工程(3)が、
(3.1)ステント本体部にフィラメントを軸方向に延びるように配置する工程と、
(3.2)接着剤を溶媒に溶解させた溶液にステントを浸漬する工程と、
(3.3)同溶媒を蒸発させる工程と
からなる請求項1に記載の方法。 - 前記ステント本体部の糸状体が生体吸収性ポリマーで形成される請求項3に記載の方法。
- 前記軸方向に延びるフィラメントが生体吸収性ポリマーで形成される請求項15に記載の方法。
- 前記軸方向に延びるフィラメントが生体吸収性ポリマーで形成される請求項3に記載の方法。
- 前記接着剤が生体吸収性ポリマーからなる請求項3に記載の方法。
- 前記接着剤及びフィラメントが同一の材料で形成される請求項18に記載の方法。
- 前記接着剤がシリコーンである請求項3に記載の方法。
- 前記接着剤が生体吸収性ポリマーであり、前記溶媒がジクロロメタンである請求項6に記載の方法。
- 前記接着剤がシリコーンである請求項6に記載の方法。
- (1)複数の交差する糸状体で形成される、管状をなす自己拡張型のステント本体部を準備する工程と、
(2)ステント本体部の少なくとも一部を、溶媒に溶解された接着剤で被覆する工程と、
(3)ステントに熱処理を行って、溶媒を蒸発させ、糸状体を硬くする工程と
からなる、径方向への拡張力を高めた自己拡張型ステントの製造方法。 - 前記工程(2)が、溶媒に溶解された接着剤をステント本体部に噴霧する工程からなる請求項23に記載の方法。
- 前記工程(2)が、溶媒に溶解された接着剤にステント本体部を浸漬する工程からなる請求項23に記載の方法。
- 前記ステント本体部が、その長さ方向に沿って配置される、第1の端部と、中央部と、第2の端部とを備え、前記工程(2)が、
(2.1)溶媒に溶解された接着剤に第1の端部を浸漬する工程と、
(2.2)溶媒に溶解された接着剤に第2の端部を浸漬する工程と
からなる請求項25に記載の方法。 - (1)管状をなすステント本体部を準備する工程と、
(2)ステント本体部に対して、接着剤を軸方向に延びる帯状をなすように塗布する工程と
からなる、径方向への拡張力を高めた自己拡張型ステントの製造方法。 - 前記接着剤が弾性を有する請求項27に記載の方法。
- 前記工程(2)が、
(2.1)ステント本体部に対して、溶媒に溶解させた接着剤からなる溶液を軸方向に延びる帯状をなすように塗布する工程と、
(2.2)同溶媒を蒸発させる工程と
からなる請求項27に記載の方法。 - 前記工程(2.2)がステントに熱処理を行う工程からなる請求項29に記載の方法。
- 前記工程(2.1)がシリンジで前記溶液を塗布する工程からなる請求項29に記載の方法。
- 前記工程(2)の前に、
(3)休止時の直径よりも大きい直径となる位置までステント本体部を径方向に拡張し、接着剤がステント本体部に結合するまでステントを同位置に保持する工程
をさらに含む請求項27に記載の方法。 - 前記接着剤が生体吸収性ポリマーからなる請求項27に記載の方法。
- 前記ステント本体部が生体吸収性ポリマーで形成される請求項33に記載の方法。
- 管状をなすステント本体部と、
ステント本体部の軸方向に延びるように配置されるとともにステント本体部に結合される、少なくとも1個の帯状をなす接着剤と
からなる径方向への拡張力を高めた自己拡張型ステント。 - 前記接着剤が弾性ポリマーである請求項35に記載のステント。
- 前記ステントに外部の力が付与されない場合に、接着剤により、ステント本体部が休止時の直径よりも大きい直径を有するように保持される請求項35に記載のステント。
- 前記接着剤が生体吸収性ポリマーからなる請求項37に記載のステント。
- 前記ステント本体部が生体吸収性ポリマーで形成される請求項38に記載のステント。
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