JP2005277041A - 非単調電流電圧特性機能体およびその製造方法 - Google Patents

非単調電流電圧特性機能体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 シリコン系の半導体のプロセスとの親和性がよく、生産性に優れた非単調電流電圧特性機能体を提供すること。
【解決手段】 非単調電流電圧特性機能体100は、第1の電極111と第2の電極112との間に挟まれたシリコン酸化膜101中に、ナノメートルサイズの銀からなる導電性微粒子102を有して、第1の電極111と第2の電極112との間の電流電圧特性が多重負性抵抗特性を示すように変化する。上記導電性微粒子102は、シリコン酸化膜101中に銀を負イオン注入法により導入して形成する。
【選択図】図1

Description

この発明は、絶縁体中に微粒子を含む非単調電流電圧特性機能体およびその製造方法に関する。また、この発明は、そのような非単調電流電圧特性機能体を備えた回路および電子機器に関する。なお、この明細書では、「微粒子」とは粒径が1μm未満の粒子を指す。
負性抵抗回路を用いると、ICチップに内蔵される記憶回路やフリップフロップ回路を少ない数の素子で構成して単純化でき、さらに、多値論理回路を容易に構成できる。したがって、この負性抵抗回路を用いると、新しい機能をもった回路を実現することも可能である。そのため、従来、種々の負性抵抗素子が開発されてきた。この負性抵抗素子としては化合物半導体を積層した共鳴トンネルダイオードがある(特許文献1:特開2002−261248号公報)。
特開2002−261248号公報
しかしながら、上記従来の負性抵抗素子は、化合物半導体を積層した積層構造の共鳴トンネルダイオードであるため、シリコン系の半導体回路への組み込みが難しく、また、製造工程も複雑であるという問題があった。
そこで、本発明の課題は、シリコン系の半導体のプロセスとの親和性がよく、生産性に優れた非単調電流電圧特性機能体を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の非単調電流電圧特性機能体は
第1の電極と、
第2の電極と、
上記第1の電極と第2の電極との間に挟まれた絶縁体と、
この絶縁体中に含まれた少なくとも一つ以上の導電性微粒子と
を備え、
上記第1の電極と第2の電極との間の電流電圧特性が、非単調的に変化することを特徴としている。
ここで、上記導電性微粒子とは、金属微粒子、半導体微粒子など、無機、有機物を問わず導電性を有する微粒子のことを言う。
この発明の非単調電流電圧特性機能体では、上記第1の電極と第2の電極との間に挟まれた絶縁体中に少なくとも一つ以上含まれる導電性微粒子のおかげで、電流電圧特性が、非単調的に変化するので、印加する電圧を変化する範囲により電流の変化の仕方が異なる。したがって、用いる電圧の範囲により、電流電圧特性の異なる機能体として機能するので、用いる電圧の範囲を切り替えることにより複数の機能を持たせることが可能となる。
また、この非単調電流電圧特性機能体は、上記第1の電極と、上記第2の電極と、上記絶縁体と、この絶縁体中に含まれた少なくとも一つ以上の導電性微粒子とを備えるだけの非常に簡単な構造であって、化合物半導体を積層した積層構造ではないので、シリコン系の半導体のプロセスとの親和性がよく、作製が容易で、小型にできて高集積化が可能である。特に、上記絶縁体を、酸化シリコン等のシリコン系の絶縁体とすると、シリコン系の半導体のプロセスとの親和性がよくなる。
一実施形態の非単調電流電圧特性機能体では、上記第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加した場合に、ある電圧範囲において、上記第1の電極と第2の電極との間の電気抵抗が負性抵抗特性を示すように、上記導電性微粒子が上記絶縁体に含まれている。
この一実施形態の非単調電流電圧特性機能体は、負性抵抗特性を示すので、負性抵抗素子として用いることができ、様々な負性抵抗素子を用いた回路を構成できる。また、従来の積層構造を用いた負性抵抗素子に比べ、構造が簡単で作製が容易で小型にできる。
一実施形態の非単調電流電圧特性機能体では、上記第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加した場合に、ある電圧範囲において、上記第1の電極と第2の電極との間の電気抵抗が多重負性抵抗特性を示すように、上記導電性微粒子が上記絶縁体に含まれている。
この一実施形態の非単調電流電圧特性機能体は、多重負性抵抗特性を示すので、多重負性抵抗素子として用いることができ、様々な多重負性抵抗素子を用いた回路を構成できる。また、従来の多重負性抵抗素子に比べ、構造が簡単で作製が容易で小型にできる。
一実施形態の非単調電流電圧特性機能体では、上記絶縁体中に、上記導電性微粒子として粒径が10nm以下の導電性微粒子が存在する。
この一実施形態の非単調電流電圧特性機能体によれば、上記導電性微粒子として粒径が10nm以下のものが存在するので、明瞭な非単調電流電圧特性が得られる。また、従来の多重負性抵抗素子に比べ、構造が簡単で作製が容易で小型にできる。
一実施形態の非単調電流電圧特性機能体では、上記導電性微粒子は、金属微粒子または半導体微粒子からなる。
この発明の非単調電流電圧特性機能体の製造方法は、
上記非単調電流電圧特性機能体を製造する製造方法であって、
上記絶縁体中に上記導電性微粒子を形成するための物質をイオン注入法により注入する工程を少なくとも含むことを特徴としている。
この発明の非単調電流電圧特性機能体の製造方法によれば、上記絶縁体中に上記導電性微粒子を形成するための物質をイオン注入法により注入するので、従来の例えばCVD法を用いて微粒子を絶縁体中に作製する方法に比べて、絶縁体の種類を選ばない。また微粒子の高密度化が容易で生産性に優れる。
この発明の多値論理回路は、上記発明の非単調電流電圧特性機能体を用いたことを特徴としている。
この発明の多値論理回路は、上記非単調電流電圧特性機能体を用いたので、小型で量産性に優れる。
この発明のアナログーデジタル変換回路は、上記非単調電流電圧特性機能体を用いたことを特徴としている。
この発明のアナログーデジタル変換回路は、上記非単調電流電圧特性機能体を用いたので、小型で量産性に優れる。
この発明の電子機器は、上記発明の非単調電流電圧特性機能体を用いた回路を備えたことを特徴としている。
この発明の電子機器は、上記非単調電流電圧特性機能体を用いた回路を備えているので、高性能化かつ小型化される。
この発明によれば、シリコン系の半導体のプロセスとの親和性がよく、作製が容易で、小型にできて高集積化が可能な非単調電流電圧特性機能体およびその製造方法が得られる。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態の非単調電流電圧特性機能体100の概略断面構造を示している。この非単調電流電圧特性機能体100は、第1の電極111と第2の電極112との間に挟まれた絶縁体101中に、ナノメートルサイズの導電性微粒子102を少なくとも一つ含んでいる。ここで、導電性微粒子102とは、金属微粒子、半導体微粒子など、無機、有機物を問わず導電性を有する微粒子のことを言う。
上記導電性微粒子102のうち少なくとも一つは上記第1、第2の電極111,112間の電流電圧特性が非単調的に変化してピーク特性を有するように設けられている。
この非単調電流電圧特性機能体100は次のようにして作製されている。
この実施の形態では、半導体産業で用いられている既存の装置を用いて作製できるように、シリコン系の絶縁体101の材料としてシリコン酸化膜、導電性微粒子102の材料として銀を用いている。もっとも、上記導電性微粒子の材料としては、銀に限らず、他の金、銅、アルミニウム、錫、ニッケル、白金、亜鉛等の金属、ポリシリコン、シリコン等の半導体、無機物、有機物などの導電性を有する材料を使用することができる。
まず、図3(a)に示すように、第2の電極としてのシリコン基板112の表面に熱酸化工程により絶縁体の一例としてのシリコン酸化膜101を形成する。この実施の形態では、上記シリコン酸化膜101の膜厚は約50nmであった。
次に、図3(b)に示すように、上記シリコン酸化膜101中に銀303を負イオン注入法により導入する。
ここで、注入エネルギーは、あまりに高すぎると、注入される銀の分布が広がりすぎてシリコン酸化膜101への注入に相応しくなく、またシリコン酸化膜101へダメージを与えて欠陥を生じてしまう。このため、注入エネルギーは、注入する領域(この場合、シリコン酸化膜101)の直前でエネルギーが100keV未満、より好ましくは50keV未満になるように設定するのが好ましい。
エネルギーの調整は注入装置の加速電圧を調整する方法の他に、注入する領域の前にスペーサーを設け、スペーサー越しに注入を行うことで注入イオンを減速して注入エネルギーを低下させる方法も用いることができる。
また、注入ドーズ量は、あまりに多いと、微粒子の粒径が大きくなりすぎ、またシリコン酸化膜101へのダメージも多くなる。このため、注入ドーズ量は、×1020/cmより少なくし、1×1017/cmより少なくするのが、より好ましい。
この実施の形態では、注入エネルギーは約30keV、ドーズ量は約2×1015/cmに設定した。
また、上述のように、この実施の形態では、イオン注入法として負イオン注入法を採用している。この負イオンを用いて注入した場合、正イオンの場合のように注入を受ける材料(この実施の形態ではシリコン酸化膜101)の表面電位が正イオンの加速電圧近くまで上昇することがなく、数ボルト程度の非常に低い値に収まる。すなわち、正イオン注入の場合は、正の電荷のイオンが材料表面に入射し、負の電荷の二次電子が放出されるため材料表面は正に帯電する一方であり、最終的に正イオンの加速電圧まで上昇する。これに対して、負イオン注入の場合は、負の電荷のイオンが入射して負の電荷の二次電子が放出し、表面電位は±数ボルト程度に収まる。したがって、正イオン注入に比べて実効的な加速電圧の変動が少なくなるため、注入深さのばらつきを抑制することが可能となる。また、注入を受けるシリコン酸化膜101やそれを支持する基板112が殆ど帯電しないので、絶縁破壊等による欠陥の発生を抑制することが可能となる。
次に、熱処理を行って、図3(c)のように注入元素(この実施の形態では銀)を凝集または拡散させる。これにより、シリコン酸化膜101中に銀からなる所定の粒径の導電性微粒子102をピーク特性が発現するように形成する。
例えば、通常の熱処理炉を用いる場合は、アルゴンや窒素等の不活性雰囲気中で、熱処理の温度を112℃〜900℃の範囲内に設定するのが好ましい。この実施の形態では、真空理工株式会社製のランプアニール炉を用い、窒素雰囲気中で、約700℃の温度で約1時間の熱処理を行った。
あるいは、酸化雰囲気中で熱処理を行うことは、絶縁膜の欠陥回復や、微粒子の表面処理が可能であるため、特性向上が期待できるので好ましい。
ここで、絶縁膜の欠陥回復とは、例えば、欠陥としてダングリングボンドが存在していた場合に、酸素が結合することで欠陥を低減することである。また、微粒子の表面処理をすると、例えば、その微粒子の表面が酸化されることにより同様に欠陥が低減されることが可能である。このような欠陥回復のためには、酸化雰囲気の他に水素雰囲気を用いることは有用である。特に、酸化雰囲気では、微粒子の表面が酸化されて絶縁効果の向上も可能である。
この後、この導電性微粒子102を含んだシリコン酸化膜101上に、図3(d)に示すように、第1の電極111を形成する。
この第1の電極111の材料は、金属または半導体、さらには、導電性を有する限り、有機物質であっても良い。第1の電極111を形成する方法としては、CVD(化学気相成長法)や蒸着、MBE(分子線エピタキシ法)などを採用できる。
この実施の形態では、金を蒸着することによって、第1の電極111を形成した。
このようにして作製した非単調電流電圧特性機能体100において、上記導電性微粒子102と、この導電性微粒子102を含んだシリコン酸化膜101とからなる微粒子含有体113を断面TEM(透過型電子顕微鏡)観察によって調べた。その結果、イオン注入された銀が凝集して、粒径が約4nm程度以下のナノメートルサイズの導電性微粒子102となっていることが分かった。
このようにイオン注入によれば、絶縁体としてのシリコン酸化膜101中に導電性微粒子102を一度の処理で短時間に高密度に形成できる。しかも、イオン注入によれば、導電性微粒子102を形成するためにフォトリソグラフィやエッチングなどの微細加工技術を要しない。したがって、生産性に優れる。
また、CVD法のような表面に導電性微粒子を形成していく方法に比べて、このイオン注入法は、形成される導電性微粒子の形状が比較的球形に近くて、特性が安定するから、好ましい。
また、この実施の形態では、絶縁体としてのシリコン酸化膜101中に導電性微粒子102を形成するための物質を負イオン注入法により注入しているので、注入時に上記シリコン酸化膜101やそれを支持する基板112が帯電するのを抑制できる。したがって、注入エネルギーを正確に制御でき、注入ばらつきを抑制できる。また、帯電が抑制されるので、帯電によって絶縁体101が破壊して欠陥が生じるのを抑制できる。これらの結果、非単調電流電圧特性機能体100の信頼性を向上させることができる。
図2は、上述の方法で作製した非単調電流電圧特性機能体100の常温(25℃)における電流対電圧(I−V)特性のグラフを示している。
この特性は、第2の電極112(シリコン基板112)を接地し、第1の電極111に第2の電極112に対して電位差を与えて、第1の電極111に流れる電流を測定したものである。まず、電位差の大きい方から小さい方へ連続的に変化させると、図2中に矢印S1で示すように、ピーク特性を有する非単調的な特性、つまり、多重負性抵抗特性が得られた。
この理由を、図4を用いて次に詳しく考察する。
図4は、図1に示した微粒子含有体113のうち、複数の導電性微粒子102のうちの1個の導電性微粒子1023を含む単位領域114を拡大して模式的に表している。この単位領域114には、1個の導電性微粒子1023が少なくとも2つの導電体(導電性微粒子または電極)121、122の間に存在し、かつ2つの導電体121、122とは電気的に離間した状態で単位領域114に含まれている。本実施の形態では導電性微粒子1023は周囲を絶縁体で囲まれてることにより電気的に孤立した状態となっている。
また、典型的には1個の導電性微粒子1023と導電体121または122の間の距離d13、d23はおおよそ1〜4nm程度であった。
上記第1の電極111と第2の電極112との間に適当な電位差を与えた場合、この単位領域114では、電流は主に、ほぼ直線上に配置された導電体121と導電性微粒子1023と第2の導電体122とを経由した経路を流れる。ここで、導電性微粒子1023はナノメートルサイズ(粒径が10nm以下)であり、そのまわりを絶縁体というポテンシャル障壁で囲まれた量子ドットと見なされ得る。また、ほぼ直線上に配置された導電体121と導電性微粒子1023と第2の導電体122とを経由した経路は、典型的な2重障壁構造とみなされうる。したがって共鳴トンネルダイオードが形成されている可能性が高い。
一方、共鳴トンネルデバイスとして従来用いられてきた2次元超格子構造では2次元薄膜層が量子井戸として機能する。したがって、その薄膜に対する電気伝導の方向が変化すれば、例えば見かけの量子井戸の幅などが変化して、その電気特性も変化してしまう欠点を有していた。
それに対して、本発明の非単調電流電圧特性機能体100の微粒子含有体113を利用すれば、どの方向からでもほぼ同様の量子井戸として機能し、電気特性が安定する。さらに、CVD法による物質表面に微粒子を形成していく従来の方法では微粒子形状は楕円や半円などの形状を有する場合があるが、本発明のように絶縁体101中に導電性微粒子102の材料となる物質を含有させ、その材料物質を凝集させることで導電性微粒子102を形成すれば、導電性微粒子102は比較的よい球状の形態を有しているので、さらに、特性の安定性が増す。絶縁体101中に導電性微粒子102の材料となる物質を含有させる方法としては、予め絶縁体101となる溶媒中に導電性微粒子102の材料となる物質を溶融あるいは溶解させ、後に溶媒を凝固させる方法などがある。本実施の形態では絶縁体101中にイオン注入により微粒子の材料となる物質(本実施形態では銀原子)を含有させた。
このような単位領域114が絶縁体101中に存在する結果、第1、第2の電極111、112間の電流電圧特性が非単調的に変化したと思われる。
なお、導電性微粒子1023と導電体121あるいは122の間の距離はある程度小さい方が実質的にトンネル電流の値を大きくすることができ、SN比を向上することができて実用的である。したがって、導電性微粒子1023と導電体121あるいは122の間の距離は10nm未満が好ましい。
この非単調電流電圧特性機能体100は、ピーク特性を利用して多重ピークダイオードあるいは負性抵抗素子として用いることができる。また本発明の非単調電流電圧特性機能体100を負性抵抗素子として用いた多値量子化回路や、その量子化回路を用いたアナログ−デジタル変換回路は、ナノドットを用いているので小型で低消費電力でありながら安定した特性を有する。
本実施の形態で作製した導電性微粒子102の粒径は、TEM観察の範囲においてほぼ4nm以下であった。
また、図示しないが、種々の導電性微粒子の粒径、および、導電性微粒子と2つの導電体との間の距離(すなわち、導電性微粒子と導電体との間に挟まれた絶縁体の厚さ)を変えた場合の電気特性を調べた。その結果、導電性微粒子の粒径が大きくなるにつれて、多重ピークのピーク間隔は小さくなった。このピーク間隔はある程度大きい方が、隣りのピークを誤って認識することを防ぐことが可能となるので好ましい。したがって、導電性微粒子の大きさは10nm未満が好ましい。
また、本実施の形態では、シリコン酸化膜101中に導電性微粒子102を形成するために負イオン注入を行っているので、作製後のシリコン酸化膜101は単一熱酸化膜と同等の品質を維持しており、非常に信頼性が高いものとなった。また、この負イオン注入法は、CVD法などに比して、処理時間が短くなって、生産性に優れる。
また、この負イオン注入によれば、既述のように、帯電による微粒子のばらつきが抑えられるので、シリコン酸化膜101の厚さ方向に関して微粒子102の分布がばらつくのを抑制できる。したがって、微粒子含有体113を薄膜化することができ、微細化が可能になる。そのように微粒子含有体113を薄膜化した場合、第1、第2の電極111,112間に同じ電圧を加えても微粒子含有体113に印加される実効電場が強くなる。したがって、非単調電流電圧特性機能体100を動作させるための電圧を低電圧化することが可能となって、この非単調電流電圧特性機能体100は、低消費電力性に優れる。
また、負イオン注入の際に斜め注入を行えば、シリコン酸化膜101の厚さ方向に関して導電性微粒子102の分布の広がってしまうことを抑制することができる。したがって、微粒子含有体113を薄膜化することができ、微細化に適する。
なお、本実施の形態では、絶縁体101の材料としてシリコン酸化物を挙げたが、シリコン窒化物、酸化アルミニウム、酸化チタン等の絶縁体であれば用いることができる。ただし、導電性微粒子の大きさにもよるが、絶縁体101があまりに高誘電率材料であると、容量が増大して動作速度に影響を与える。このため、絶縁体101の材料としては、比誘電率が10以下、好ましくは4以下の低誘電率を有するものが好ましい。
また、導電性微粒子102を構成する材料として銀を挙げたが、導電性微粒子102を構成する材料としては、金、銀、銅、アルミニウム、錫、ニッケル、白金、亜鉛、ハフニウム、マンガン、タンタル、チタン、タングステン、インジウム、ガリウム、など他の金属を用いることもできる。また、シリコン、ゲルマニウム等の半導体や化合物半導体を用いることも可能であり、または合金やその他の化合物を用いることも可能である。また磁性体であっても用いることが可能である。ただし単体元素であるほうが、注入工程が容易であるので好ましい。
また、第2の電極112としてシリコン基板112を用いたが、シリコン以外の半導体または金属材料からなる基板を用いても良い。また、ガラス基板などの絶縁体材料からなる基板上に、CVD(化学気相成長法)や蒸着、MBE(分子線エピタキシ法)などによって導電層を形成し、その導電層を第2の電極として用いても良い。
本発明の非単調電流電圧特性機能体は、その生産の容易性と従来のシリコンプロセスとの親和性から、多値論理回路やアナログ−デジタル変換回路などの回路に好ましく用いることができる。また、そのような回路を用いるあらゆる電子機器およびシステムに組み込み可能である。そして、それらの電子機器およびシルテムは小型化、高性能化が可能となる。
特に、本発明の非単調電流電圧特性機能体は導電性微粒子を用いているために負性抵抗素子として室温での動作が可能となっている。
以上より明らかなように、この発明の非単調電流電圧特性機能体は、導電性微粒子を介した電気伝導がピーク特性を有する。
また、この発明の非単調電流電圧特性機能体の製造方法によれば、そのような非単調電流電圧特性機能体を生産性良く作製できる。
本発明の一実施の形態の非単調電流電圧特性機能体の断面を模式的に示す図である。 上記非単調電流電圧特性機能体の電流対電圧(I−V)特性を測定した結果を示す図である。 上記非単調電流電圧特性機能体の製造工程を説明するための図である。 上記微粒子含有体の一部の領域の構造を拡大して模式的に示す図である。
符号の説明
101 シリコン酸化膜
102 導電性微粒子
111 第1の電極
112 第2の電極
113 微粒子含有体
114 単位領域



Claims (9)

  1. 第1の電極と、
    第2の電極と、
    上記第1の電極と第2の電極との間に挟まれた絶縁体と、
    この絶縁体中に含まれた少なくとも一つ以上の導電性微粒子と
    を備え、
    上記第1の電極と第2の電極との間の電流電圧特性が、非単調的に変化することを特徴とする非単調電流電圧特性機能体。
  2. 請求項1に記載の非単調電流電圧特性機能体において、上記第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加した場合に、ある電圧範囲において、上記第1の電極と第2の電極との間の電気抵抗が負性抵抗特性を示すように、上記導電性微粒子が上記絶縁体に含まれていることを特徴とする非単調電流電圧特性機能体。
  3. 請求項1に記載の非単調電流電圧特性機能体において、上記第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加した場合に、ある電圧範囲において、上記第1の電極と第2の電極との間の電気抵抗が多重負性抵抗特性を示すように、上記導電性微粒子が上記絶縁体に含まれていることを特徴とする非単調電流電圧特性機能体。
  4. 請求項1に記載の非単調電流電圧特性機能体において、上記絶縁体中に、上記導電性微粒子として粒径が10nm以下の導電性微粒子が存在することを特徴とする非単調電流電圧特性機能体。
  5. 請求項1に記載の非単調電流電圧特性機能体において、上記導電性微粒子は、金属微粒子または半導体微粒子からなることを特徴とする非単調電流電圧特性機能体。
  6. 請求項1に記載の非単調電流電圧特性機能体を製造する製造方法であって、
    上記絶縁体中に上記導電性微粒子を形成するための物質をイオン注入法により注入する工程を少なくとも含むことを特徴とする非単調電流電圧特性機能体の製造方法。
  7. 請求項1に記載の非単調電流電圧特性機能体を用いたことを特徴とする多値論理回路。
  8. 請求項1に記載の非単調電流電圧特性機能体を用いたことを特徴とするアナログ−デジタル変換回路。
  9. 請求項1に記載の非単調電流電圧特性機能体を用いた回路を備えたことを特徴とする電子機器。
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