JP4532086B2 - 微粒子含有体の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、絶縁体中に微粒子を含む微粒子含有体を製造する微粒子含有体製造方法に関する。なお、「微粒子」とはサイズが1μm未満の粒子を指す。
近年、ナノドットやナノクリスタルと呼ばれるナノメートルサイズの微粒子をゲート絶縁膜中に含有させたもの(これを「微粒子含有体」と呼ぶ。)が提案されている。この種の微粒子含有体は微粒子に電荷蓄積機能を持たせてメモリ素子を構成するのに適する。
例えば、特許文献1(特開2000-22005号公報)に記載の方法では、そのような微粒子含有体を作製するために、まずシリコン基板上にシリコン熱酸化膜を形成し、そのシリコン熱酸化膜上にLPCVD(低圧化学的気相堆積)装置によってアモルファスシリコンを堆積する。その後、上記アモルファスシリコンにアニール処理を施して、上記シリコン熱酸化膜上にシリコン微結晶を形成する。さらに、上記シリコン微結晶上にCVD(化学的気相堆積)法によってシリコン酸化膜を堆積する。
しかしながら、上記方法では、上記シリコン基板上で場所によって微粒子の密度がばらつく。このため、例えば上記シリコン基板を分割して上記微粒子含有体を含む複数のメモリ素子を作製したとき、メモリ素子間で性能ばらつきが生じて、量産に適さないという問題がある。
特開2000−22005号公報
そこで、この発明の課題は、絶縁体中に外部との界面に沿って均一な微粒子密度を有する微粒子含有体を簡単な工程で作製でき、量産性に優れた微粒子含有体製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の微粒子含有体製造方法は
互いに平行な二つの、外部との界面を有する絶縁体と、上記絶縁体中で上記界面に沿ってそれぞれ2次元的分布を形成する銀微粒子、金微粒子を備え、上記銀微粒子の2次元的分布と上記金微粒子の2次元的分布とが2層になっている微粒子含有体を製造する微粒子含有体製造方法であって、
上記絶縁体中に銀元素、金元素を、それぞれ注入エネルギを上記各元素毎に設定して負イオン注入し、
上記各元素の注入後に上記各元素のために共通の熱処理を1回行って、上記絶縁体中に注入された上記銀元素、上記金元素を拡散または凝集させて、上記絶縁体中で上記界面に沿って上記銀微粒子の2次元的分布と上記金微粒子の2次元的分布とを形成することを特徴とする。
「外部との界面」は、上記絶縁体とその外部(物質である場合や空間である場合を含む。)との界面を意味する。
この発明の微粒子含有体製造方法では、イオン注入法を用いているので、CVD法に較べて微粒子の高密度化が容易で生産性に優れる。また、注入される銀元素、金元素は負イオン化されているので、正イオンを注入する場合のように絶縁体が高圧に帯電することがなく、上記絶縁体が破壊されたり欠陥が生じたり、あるいは注入深さがばらついたりすることが抑制される。
この微粒子含有体製造方法によれば、上記各元素の注入後に上記各元素のために共通の熱処理を1回行っているので、別々に熱処理を行う場合に比して、上記微粒子含有体を簡単な工程で製造でき、量産性に優れる。また、この微粒子含有体製造方法によって製造された微粒子含有体を用いれば、信頼性の高いメモリ機能体やメモリ素子を製造することが可能となる。
この微粒子含有体製造方法によって作製された微粒子含有体では、上記銀微粒子の2次元的分布と上記金微粒子の2次元的分布とが2層になっているので、上記絶縁体中で外部との界面に沿って上記微粒子の密度は、従来例のものに比してばらつきが少なく、均一になる。したがって、基板上の大面積に微粒子を形成した後に、細かい面積に分割しても、分割した部分によって違いは少ない。したがって、上記微粒子含有体を用いた機能素子を作製する場合、素子間の性能ばらつきを抑制でき、量産に適する。例えば微粒子に電荷蓄積機能を持たせたメモリ素子を作製する場合、メモリ素子間の性能ばらつきを抑制できる。したがって、量産に適する。
なお、各微粒子の形状は実質的に球形であるのが望ましい。「実質的に」球形であるとは、球形からの歪みが製造ばらつきの範囲内であることを意味する。
上記銀微粒子、上記金微粒子は、それぞれ電荷を蓄積する機能を有する。また、この微粒子含有体を構成する絶縁体は電荷の散逸を防止する機能を有する。したがって、この微粒子含有体はメモリ機能を有するメモリ機能体として働くことができ、メモリ素子を構成するのに適する。
また、上記基板は導電性物質からなり、上記絶縁体はその上記導電性物質を酸化した酸化物からなるのが望ましい。
上記基板は導電性物質からなり、上記絶縁体は酸化物からなる場合、両者は熱膨張係数が異なる。しかし、上記絶縁体はその上記導電性物質を酸化した酸化物からなる場合、上記基板と絶縁体とは密着性良く接合したものになっている。また、上記絶縁体は酸化により形成されるので、既存の半導体製造装置で形成が可能となり、特殊な設備を要しない。したがって、安価に製造が可能であり、さらに他の半導体装置と混載することも可能となり実用的である。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(第1参考例)
図1(a)はこの発明の基礎となる第1参考例の微粒子含有体の断面構造を模式的に示している。この微粒子含有体は、Si基板40上に形成された絶縁体としてのSiO膜50と、このSiO膜50中で外部との界面50a近傍に配置された複数の微粒子60,60,…を備えている。各微粒子60は複数のAu原子が実質的に球形に凝集したものである。各微粒子60の直径はおよそ5nm〜7nm程度になっている。
この微粒子含有体では、微粒子60,60,…は、次のような大きさと配置の条件を満たす。すなわち、上記界面50aに平行な或る方向(例えば図中の左方向)から2つの微粒子60,60を正射投影した場合、どちらか一方の微粒子の投影面積を100としたとき他方の微粒子の投影面積は50以上200以下であり、かつ上記2つの微粒子の投影は少なくとも一部が重なり合う。複数の微粒子60,60,…はこのような大きさと配置の条件を満たす。
図1(b)の模式図を用いて、この微粒子の大きさと配置の条件を説明する。この例では、図1(b)において左方向から界面50aに平行な仮想直線Lに沿って正射投影するものとする。或る微粒子60Aを基準とし、その投影面積を100とする。このとき、微粒子60Bの投影面積は50以上200以下であり、かつ微粒子60A,60Bの投影は一部が重なり合うので、2つの微粒子60A,60Bは上記条件を満たす。同様に、微粒子60Dの投影面積は50以上200以下であり、かつ微粒子60A,60Dの投影は一部が重なり合うので、2つの微粒子60A,60Bは上記条件を満たす。一方、微粒子60Cについては、微粒子60A,60Cの投影は一部が重なり合うが、微粒子60Cの投影面積は50以下であるから、上記条件を満たさない。また、微粒子60A,60Eの投影は全く重なり合っていないので、微粒子60Aは上記条件を満たさないし、同様に、微粒子60A,60Fの投影は全く重なり合っていないので、微粒子60Fは上記条件を満たさない。
図2(a)〜図2(c)を用いて上記微粒子含有体の製造方法を説明する。
i) まず図2(a)のように基板としてのSi基板40の表面に熱酸化工程により絶縁体としてSiO膜50を形成する。この例では、SiO膜50の膜厚はおおよそ25nmであった。なお、熱酸化後のSi基板40とSiO膜50との界面41、また、SiO膜50の外部との界面(表面)50aは平坦になっている。
導電性物質であるSi基板40と絶縁体であるSiO膜50とは熱膨張係数が異なる。しかし、上記SiO膜50はSi基板40を酸化した酸化物からなるので、Si基板40とSiO膜50とは密着性良く接合したものになっている。また、上記SiO膜50は酸化により形成されるので、熱処理炉のような既存の半導体製造装置で形成が可能となり、特殊な設備を要しない。したがって、安価に製造が可能であり、さらに他の半導体装置と混載することも可能となり実用的である。
ii) 次に図2(b)のように、外部との界面(表面)50a側から上記SiO膜50中に微粒子を構成するためのAu元素90を負イオン注入法により導入する。
この例では、注入エネルギはおよそ15keV、ドーズ量はおよそ5×1015ions/cmの条件でAuを導入した。
この製造方法では、イオン注入法を用いているので、CVD法に較べて微粒子の高密度化が容易で生産性に優れる。また、注入されるAu元素90は負イオン化されているので、正イオンを注入する場合のように注入を受ける材料(SiO膜50)の表面50aの電位が正イオンの加速電圧近くまで上昇することがなく、数ボルト程度の非常に低い値に収まる。すなわち、正イオン注入の場合には、正の電荷のイオンが材料表面50aに入射され、負の電荷の二次電子が放出されるために材料表面50aは正に帯電する一方である。したがって、最終的には正イオンの加速電圧まで上昇するのである。これに対して、負イオン注入の場合には、負の電荷のイオンが材料表面50aに入射され、負の電荷の二次電子が放出されるため材料表面50aには正の電荷が発生し、表面電位は±数ボルト程度に収まるのである。したがって、正イオン注入に比べて実効的な加速電圧の変動が少なくなり、そのために注入深さのばらつきを抑制することが可能になる。また、注入を受けるSiO膜50やそれを支持するSi基板40が殆ど帯電しないので、絶縁破壊等による欠陥の発生を抑制することも可能になる。
注入エネルギは、あまり高エネルギであると、注入分布が広がりすぎて薄膜への注入に相応しくなく、また膜へダメージを与えて欠陥を生じてしまう。このため、注入エネルギは25keV未満で行うのが好ましく、15keV未満で行うのがより好ましい。注入エネルギを15keV未満にすれば、注入元素が絶縁体の広範囲に注入されて微粒子がばらついて形成されることを抑制することができる。
一方、注入エネルギは小さすぎると、イオンが材料(SiO膜50)の表面50a近傍にしか注入されず、後述する熱処理工程で、材料内へ拡散するAu元素90の量に比して材料外の空間へ蒸発して逃げる量が無視できなくなる。このため、注入エネルギは0.1keV以上で行うのが好ましく、0.5keV以上で行うのがより好ましい。
また、注入ドーズ量があまりに多いと、微粒子の粒径が大きくなりすぎ、微粒子間の間隔が狭すぎて融着を起こすし、また膜へのダメージも多くなる。このため、注入ドーズ量は1×1020ions/cmより少ないのが好ましく、1×1017ions/cmより少ないのがより好ましく、5×1015ions/cm以下であるのがさらに好ましい。一方、注入ドーズ量が少なすぎると、微粒子の大きさや密度が小さくなりすぎて、電気的容量が小さ過ぎて電気的な素子として利用できなくなってしまう。このため、注入ドーズ量は1×1013ions/cmより多いのが好ましく、5×1013ions/cmより多いのがより好ましく、1×1014ions/cm以上であるのがさらに好ましい。
なお、Au元素90の注入エネルギを約35keV、50keV、ドーズ量をおおよそ5×1015ions/cmの条件で注入した試料では、注入深さ分布が順に広くなる結果が得られた。既述の微粒子の大きさと配置の条件を満たすためには、Au元素90の注入深さ分布の半値全幅を10nm以下に設定するのが好ましく、8nm以下に設定するのがさらに好ましい。
iii) 次に、熱処理を行う。これにより、図2(c)に示すように、上記SiO膜50中に注入されたAu元素90を拡散または凝集させて、SiO膜50中における外部との界面50a近傍に上記界面50aに沿って分布するようにナノメートルサイズの微粒子を形成する。また、イオン注入時に発生した欠陥を修復する。
この例では、Ar雰囲気中、900℃で約1時間熱処理を行った。
熱処理の温度はあまり低いと効果がなく、あまりに高温であると注入元素は拡散、溶融して微粒子が形成できない。したがって、200℃より高く注入元素の融点未満で行うことが好ましい。また同一温度であっても処理時間を長くすればその温度での効果は増大するがあまりに長いと粒径が大きくなりすぎたり、元素が微粒子を形成したい領域外まで拡散してしまうので、6時間より短いほうが好ましい。
例えば通常の熱処理炉であればArやN等の不活性雰囲気中、おおよそ300℃〜900℃程度がより好ましい。
また、この例では微粒子材料として、銀などに比べて融点が高く拡散係数が低い性質を有する金を用いている。したがって、銀の融点を超えるような比較的高い温度900℃で熱処理(アニール)を行っても、所望の微粒子を形成することができる。しかし、微粒子材料として比較的融点が低い物質や比較的拡散係数の高い物質を用いる場合は、より低温で熱処理を行うか、より短時間の処理とすることが好ましい。
図3に示すように、このようにして作製した微粒子含有体の断面をTEM(Transmission Electron Microscope; 透過型電子顕微鏡)によって観察した。これにより、SiO膜50中における外部との界面(表面)50aから深さ12nm〜26nm(深さ中心18nm、分布幅14nm)の位置に、イオン注入されたAuが凝集してなる直径およそ5nm〜7nm程度のナノメートルサイズの微粒子60,60,…が、上記界面50aに沿って、互いに離間して略均一に分布していることが分かる。この微粒子含有体の構成は、図1(b)の模式図を用いて説明した微粒子の大きさと配置の条件を満たすものである。
この微粒子の大きさと配置の条件を満たすお蔭で、上記界面50aに沿って上記微粒子60の密度は、従来例のものに比してばらつきが少なく、均一になる。したがって、上記Si基板40上の大面積に微粒子60,60,…を形成した後に、細かい面積に分割しても、分割した部分によって違いは少ない。したがって、上記微粒子含有体を用いた機能素子を作製する場合、素子間の性能ばらつきを抑制でき、量産に適する。例えば微粒子60に電荷蓄積機能を持たせたメモリ素子を作製する場合、メモリ素子間の性能ばらつきを抑制できる。したがって、量産に適する。また、信頼性の高いメモリ機能体やメモリ素子を実現できる。
このように、この微粒子含有体製造方法によれば、所望の微粒子含有体を簡単な工程で製造できる。何度も工程を繰り返したり、ナノスケールの微細加工技術を用いることがないので、生産性が良い。量産性に優れる。
上の例では、絶縁体として厚さ25nmのシリコン酸化膜を用いたが、素子に応用する場合には小型の方が好ましいので、より薄膜化した母体により小さな微粒子を形成することが好ましい。微粒子の大きさは膜厚を超えないことが要請されるので、薄膜化に従い、微粒子も小径化する必要がある。例えば、シリコン酸化膜を約半分の13nm程度に薄膜化した場合には、注入エネルギは約5keV、注入量はおおよそ1×1015ions/cm〜3×1015ions/cm程度とするのが好ましい。微粒子の大きさがあまりに小さいと容量が小さくすぎるので、注入量はおおよそ5×1013ions/cm〜5×1015ions/cm程度とするのが実用的である。
また、上の例では、微粒子を構成すべき元素としてAuを用いたが、Au、Cuなどの他の金属や、Si、Geなどの半導体等の導電体を用いることができる。また、微粒子を保持する母体としてSi基板上の熱酸化膜の例をあげたが、アルミナや酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化チタン等の酸化物はもとより、微粒子を形成する工程、つまりイオン注入工程と熱処理工程で比較的安定である物質であれば、好ましく用いることができる。
(第2参考例)
図4は、上記微粒子含有体を備え、微粒子60が電荷を蓄積する機能を有する、この発明の基礎となる第2参考例のメモリ機能体の断面構造を模式的に示している。
このメモリ機能体は、図1(a)の構成に加えて、SiO膜50の表面50aに接してAl電極70を形成したものである。電極70の材料は導電性の物質であればなんでも良い。
このメモリ機能体のSi基板40とAl電極70との間に電圧を印加し、容量C(F)−電圧Vg(V)測定を行ったところ、ヒステリシス特性を示す結果が得られた。したがって、このメモリ機能体のSi基板40とAl電極70との間に電圧を加えたときの容量の大小を比較することで、2値の判別を行うことができる。つまり、このメモリ機能体に2値の情報を記憶させることができる。
また、このメモリ機能体では、図1(b)の模式図を用いて説明した微粒子の大きさと配置の条件を満たすお蔭で、上記界面(表面)50aに沿って微粒子60の密度は、従来例のものに比してばらつきが少なく、均一になっている。したがって、上記Si基板40上の大面積にメモリ機能体を形成した後に、細かい面積に分割して複数のメモリ機能体を作製する場合、メモリ機能体間の性能ばらつきを抑制できる。したがって、量産に適する。
また、このメモリ機能体は、イオン注入法を用いて作製されるので、CVD法などの他の方法を用いる場合に比して処理時間が短くなり、生産性に優れる。
また、負イオン注入法を用いて作製されるので、SiO膜50は単一熱酸化膜と同等の品質を維持しており非常に信頼性が高い。さらに、帯電による注入のばらつきが抑えられるため、微粒子60の位置が膜厚方向にばらついて形成されることを抑制できるので、このメモリ機能体は容易に薄膜化される。したがって、メモリ素子を小型化することができる。
メモリ機能体を薄膜化した場合、電極間に同じ電圧を加えてもSiO膜50にかかる実効電場が強くなる。したがって、低電圧化が可能となり、そのようなメモリ機能体は生産性および低消費電力性に優れる。
また、このようなメモリ機能体を一般的なDRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)のキャパシタとして用いれば、リフレッシュが必要ないか、少なくともリフレッシュ回数を大幅に削減できる低消費DRAMが実現可能となる。詳しくは、上記メモリ機能体の微粒子60は一般的なDRAMに用いられている平行平板型キャパシタと異なり離散的に電荷を蓄積することができるため、電荷リークを抑制することができる。したがって、リフレッシュ回数を抑制できる。また、上記メモリ機能体の微粒子60は、電極70とSiO膜50との界面50aの近傍に、界面50aとの距離のばらつきを少ない状態に分布している。したがって、上記メモリ機能体を用いたキャパシタは容量のばらつきを少なくすることが可能である。
また、上の例では、Si基板40は平坦な表面を持ち、それに応じて熱酸化後のSi基板40とSiO膜50との界面41は平坦になっていたが、これに限られるものではない。例えば図6中に示すように、Si基板40とSiO膜50との界面が斜面41a,41bになっていても良い。この場合も、上記熱処理によって、金微粒子60は上記SiO膜50中で外部との界面50aに沿って形成される。この性質を利用して、様々な形態の素子を作製することができる。
また、上の例では、Si基板40とSiO膜50とその膜中の微粒子60の分布とは各1層であったが、これに限られるものではない。例えば図7に示すように、基板としてのシリコン層40A上に絶縁体層50Aが形成され、その絶縁体層50A上にシリコン層40B、絶縁体層50Bがこの順に積層され、各絶縁体層50A,50B中にその表面から所定の深さにそれぞれ微粒子60,60,…が分布していても良い。この例では、絶縁体層50B中には、各電極70A,70B,70C,70Dの直下に相当する領域に微粒子60,60,…が配置されている。一方、絶縁体層50A中には、電極70A,70B,70C,70D同士の隙間に相当する領域に微粒子60,60,…が配置されている。なお、シリコン層40Aの裏面にはSiO膜51が設けられている。41Aはシリコン層40Aと絶縁体層50Aとの界面、41Bはシリコン層40Bと絶縁体層50Bとの界面である。このように、上記メモリ機能体を用いて、様々な形態の素子を作製することができる。
また、上の例では、SiO膜50中の微粒子60の分布は平坦なものであったが、これに限られるものではない。例えば図8(a)に示すように、Si基板(図2中に示したのと同様に、SiO膜50の裏面50b下に存する。)の表面にSiO膜50を形成した後、そのSiO膜50の表面50aに例えば絶縁膜からなるスペーサ90を形成する。スペーサ90の表面90aには湾曲した凹凸を形成する。次に、図8(b)に示すように、スペーサ90の表面90a側から上記SiO膜50中に微粒子を構成するためのAu元素90を負イオン注入法により導入する。このとき、Au元素90の分布は、スペーサ90の形状を反映して、湾曲した凹凸を有する。図8(c)に示すように、熱処理を行って、上記SiO膜50中に注入されたAu元素90を拡散または凝集させて、SiO膜50中における表面50a近傍にナノメートルサイズの微粒子60,60,…を形成する。微粒子60,60,…は、上記界面50aに沿って、湾曲した凹凸を有して分布する。この後、スペーサ90をエッチングして除去する。なお、スペーサ90の材料は、SiO膜50があまりエッチングされないように、SiOに対して選択的にエッチング可能であるのが望ましい。このようにして、上記メモリ機能体を用いて、様々な形態の素子を作製することができる。
DRAMなど誘電率の高い絶縁体を用いる方が好ましい場合には酸化タンタルや酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム等の絶縁体中に微粒子を備えることは好ましい。
また、FeRAMの強誘電体のような特殊な材料を用いる必要もないので簡単な工程で作製でき生産性にも優れる。
なお微粒子の大きさは大きすぎると微細化できず小さすぎるとメモリ機能が低下するので、ナノメートルサイズ、すなわち1μm未満の微粒子、好ましくは0.1nmより大きく10nmより小さい範囲の微粒子が多数となるように形成する。
(一実施形態)
図5は、この発明の一実施形態の微粒子含有体製造方法によって作製された微粒子含有体を備えた、メモリ素子としてのトランジスタの断面構造を模式的に示している。上記微粒子含有体は、SiO膜50中に2層の微粒子60,61を含み、微粒子60,61が電荷を蓄積する機能を有する
このメモリ素子は、図4のメモリ機能体の構成に加えて、ゲート絶縁膜としてのSiO膜50の両側に相当するSi基板40表面に、ソース領域81、ドレイン領域82を備えている。70はゲート電極として働く。
このトランジスタを作製するためには、微粒子含有体の作製時に、微粒子を構成すべき元素として銀と金との2種類を用意し、注入エネルギを上記各元素毎に設定して負イオン注入を行い、その後、各元素のために共通の熱処理を1回行う。これにより、SiO膜50中におけるSi基板40との界面41近傍に銀微粒子61,61,…の2次元的分布を形成すると共に、SiO膜50中における表面50a近傍に金微粒子60,60,…の2次元的分布を形成する。次に、上記微粒子含有体上にゲート電極材料としてAl膜を形成した後、フォトリソグラフィとエッチングによってゲート電極70をパターン形成する。続いて、通常のソース、ドレイン注入を行って、SiO膜50の両側に相当するSi基板40表面にソース領域81、ドレイン領域82を設ける。さらに通常の方法によって配線工程を行う(トランジスタ作製完了)。
このようにして作製したトランジスタでは、第2参考例において述べたメモリ機能体の容量の大小に対応して閾値の大小が見られた。すなわち、書き込み消去を行う場合は、フローテイングゲート型メモリと同様にゲートに十分大きな正または負の電圧を印加する。読み出しを行う場合は、ソース、ドレイン間に流れる電流を検出する。このトランジスタでは、ゲートに+15V印加した直後と−15V印加した直後との間で閾値にしておよそ2Vの差が生じた。したがって、このトランジスタはフラッシュメモリなどと同様のメモリ動作を行うことができる。
また、メモリ素子としてのこのトランジスタは、薄膜化が可能であるので、微細化、低電圧化が可能である。さらにフラッシュメモリのような複雑な工程を必要とせず、強誘電体メモリのように特殊な材料を用いていないため、生産性に優れる。
なお、ゲート絶縁膜50の厚さが約25nm程度の場合を示したが、更に薄膜化が可能であるのはいうまでもない。微粒子の大きさより薄くならない範囲で好ましくは10nm未満とすることが好ましい。そのようにした場合、低電圧化が可能であり、10V未満で駆動可能となる。
本発明の微粒子含有体は、その生産の容易性と従来のシリコンプロセスとの親和性から、メモリ機能体やメモリ素子をはじめとする様々な素子に好ましく適用することができる。また、そのようなメモリ機能体やメモリ素子は携帯電話をはじめ集積回路を用いるあらゆる電子機器およびシステムに組み込み可能である。そして、それらの電子機器およびシステムは小型化、低消費電力化が可能となる。
この発明の基礎となる第1参考例の微粒子含有体の断面構造を示す図である。 上記微粒子含有体を製造する製造方法を説明する工程図である。 作製した微粒子含有体の断面をTEM(Transmission Electron Microscope; 透過型電子顕微鏡)によって観察した写真を示す図である。 上記微粒子含有体を備えた、この発明の基礎となる第2参考例のメモリ機能体の断面構造を示す図である。 この発明の一実施形態の微粒子含有体製造方法によって作製された微粒子含有体を備えた、メモリ素子としてのトランジスタの断面構造を示す図である。 Si基板とSiO膜との界面が斜面になっている微粒子含有体を示す図である。 上記微粒子含有体をキャパシタとして備えたDRAMの例であって、Si基板の表面が凹凸を有するものを示す図である。 微粒子含有体の変形例を製造する製造方法を説明する工程図である。
40 Si基板
41 界面
50 SiO
60 金微粒子
61 銀微粒子

Claims (1)

  1. 互いに平行な二つの、外部との界面を有する絶縁体と、上記絶縁体中で上記界面に沿ってそれぞれ2次元的分布を形成する銀微粒子、金微粒子を備え、上記銀微粒子の2次元的分布と上記金微粒子の2次元的分布とが2層になっている微粒子含有体を製造する微粒子含有体製造方法であって、
    上記絶縁体中に銀元素、金元素を、それぞれ注入エネルギを上記各元素毎に設定して負イオン注入し、
    上記各元素の注入後に上記各元素のために共通の熱処理を1回行って、上記絶縁体中に注入された上記銀元素、上記金元素を拡散または凝集させて、上記絶縁体中で上記界面に沿って上記銀微粒子の2次元的分布と上記金微粒子の2次元的分布とを形成することを特徴とする微粒子含有体製造方法。
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