JP2005276982A - プリント配線基板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】プレス工程以前に貫通孔の壁面に硬化体層を形成し、ビアホールの形状を維持することによって接続信頼性の高いプリント配線基板及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【解決手段】電気絶縁性基材2に設けられた貫通孔3の壁面に熱硬化性樹脂からなる硬化体層7を形成することにより、熱プレス工程時に熱硬化性樹脂が軟化流動を起こしても導電性ペースト5中の導電性フィラーが貫通孔3から外部に流されることなく、ビアホール1の形状を安定に保持することができ、ビアホール1での電気的接続性に優れたプリント配線基板を提供することができる。
【選択図】図1
【解決手段】電気絶縁性基材2に設けられた貫通孔3の壁面に熱硬化性樹脂からなる硬化体層7を形成することにより、熱プレス工程時に熱硬化性樹脂が軟化流動を起こしても導電性ペースト5中の導電性フィラーが貫通孔3から外部に流されることなく、ビアホール1の形状を安定に保持することができ、ビアホール1での電気的接続性に優れたプリント配線基板を提供することができる。
【選択図】図1
Description
本発明はCPUやメモリー等の半導体素子、その他抵抗器やコンデンサー等の電子部品を搭載するインナービアホールを有するプリント配線基板及びその製造方法に関するものである。
近年、携帯用電子機器の一層の小型化と薄型化のためにプリント配線基板は、半導体素子、抵抗器、コンデンサー等のチップ部品等の集積度が非常に高くなっており、そのためこれらを実装するためのプリント配線基板も高密度化しなければならない。このような実情に対処するために考え出されたのが多層プリント配線基板である。多層プリント配線基板はこれを構成する複数の基板に予め導体回路を形成し、これらの基板を互いに接合することによって高集積電子部品の実装を可能にするものである。
このようなプリント配線基板では、各層間の導体回路に電気導通を行うことが必要となる。通常は各層の電極間を電気的に導通させるためにスルーホールを設けており、このスルーホールを通じて電気が流れ、電気的な接続が行われるようになっている。スルーホールの設け方としてはめっきによる方法、導電性ペーストによる方法等様々な方法が提案され実施されている。各方法の一般的な製造方法としては最初にドリルマシーン、レーザー貫通孔加工機等により貫通孔の加工を行い、その後貫通孔の中にめっきを施し、導電性ペーストを充填する等により層間の導通を図る。
このような従来の多層のプリント配線基板としては、図5に示すものがある。
図5は従来のプリント配線基板の構成を示す断面図である。図5において、複数の電気絶縁性基材2に貫通孔3を設け、導電性ペーストによる導体でビアホール1を設けて配線材料4を接続した多層プリント配線基板の例を示している。
次に、従来のプリント配線基板の製造方法としては、図6(a)〜(f)に示すものがある。
図6(a)〜(f)は従来のプリント配線基板の製造方法を示す断面図である。図6(a)において電気絶縁性基材2にビアホール1の貫通孔3を加工し、図6(b)においてこの貫通孔3に液状樹脂及び硬化剤からなる導電性ペースト5を充填し、図6(c)において導電性ペースト5が充填された電気絶縁性基材2の両面を配線材料4で挟み、加熱加圧により圧着すると共に導電性ペースト5を硬化させてビアホール1を形成し、図6(d)において配線材料4を加工して内層用回路パターンを形成して両面板を構成する。さらに図6(e)においてこの両面板の両側あるいは片側にビアホール1を有する電気絶縁性基材2と配線材料4を交互に圧着し、図6(f)において配線材料4を加工して回路パターンを生成し、多層構造とする多層のプリント配線基板を形成するものである。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開平7−115279号公報
しかしながら上記従来の構成では、電気絶縁性基材2が強化繊維に樹脂を含浸したコンポジットシートであることや、導電性ペースト5が主にCu等の導電性フィラーと熱硬化性樹脂との混合物であることに関連して、これら熱硬化性樹脂が加熱加圧を伴う熱プレス時に軟化流動を起こし、導電性ペースト5が流されることによってビアホール1の形状を安定に保持できなかった。なお、電気絶縁性基材2には強化繊維としてアラミド繊維やガラスクロスなどが用いられ、樹脂には熱硬化性樹脂と呼ばれる、エポキシ樹脂など硬化剤や熱によって三次元構造を有する樹脂やフェノール樹脂等の加熱・重合反応による熱硬化反応を起こす樹脂が一般に用いられている。
また、ビアホール1の形状が保持できないと、隣接するビアホール1と接触短絡したり、あるいはマイグレーションの原因となったり、埋め込むべき導電性ペースト5が貫通孔3から流出して少なくなり、硬化後にはビアホール1が配線材料4と十分な電気的接触が取れない恐れがあり、一層の接続信頼性の向上には安定したビア形状を確保することが必要であった。
本発明はプレス工程以前に貫通孔の壁面に硬化体層を形成し、ビアホールの形状を維持することによって接続信頼性の高いプリント配線基板及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有する。
本発明の請求項1に記載の発明は、電気絶縁性基材と、この電気絶縁性基材に設けた貫通孔と、この貫通孔に導電性ペーストを充填して形成するビアホールとを備え、前記電気絶縁性基材に少なくとも熱硬化性樹脂を含有させ、この熱硬化性樹脂の反応物から効果体層を形成して貫通孔壁としたプリント配線基板であり、この硬化体層は貫通孔に充填された導電性ペースト内の導電性フィラーが熱プレス工程の際に貫通孔より流出することを抑制し、電気絶縁性基材及び導電性ペースト中の熱硬化性樹脂が軟化流動を起こしてもビアホールの形状を安定に保持することができるため、隣接するビアホール間の短絡やマイグレーションを防止し、ビアホールでの電気的接続性に優れたプリント配線基板を提供することができる。
請求項2に記載の発明は、導電性ペーストに少なくとも硬化剤を含有させ、この硬化剤と電気絶縁性基材の熱硬化性樹脂とから硬化体層を形成した請求項1に記載のプリント配線基板であり、この硬化体層は貫通孔に充填された導電性ペースト内の導電性フィラーが熱プレス工程の際に貫通孔より流出することを抑制し、電気絶縁性基材及び導電性ペースト中の熱硬化性樹脂が軟化流動を起こしてもビアホールの形状を安定に保持することができるため、隣接するビアホール間の短絡やマイグレーションを防止し、ビアホールでの電気的接続性に優れたプリント配線基板を提供することができ、硬化体層を形成するに際して導電性ペーストに含有される硬化剤を用いて電気絶縁性基材に含有される熱硬化性樹脂を硬化させていることから、硬化体層の形成を導電性ペーストの充填と同時に行うことができ、工程を簡便にすることができるという作用効果が得られる。
請求項3に記載の発明は、導電性ペーストに硬化剤と、この硬化剤に反応する熱硬化性樹脂とを含有させた請求項2に記載のプリント配線基板であり、導電性ペースト中に含有される硬化剤は硬化体層を形成すると共に導電性ペースト自体の硬化にも寄与することができ、導電性ペースト中の未反応のまま残留する硬化剤が低減できることから、より信頼性の高いビアホールを形成することができるという作用効果が得られる。
請求項4に記載の発明は、電気絶縁性基材と、この電気絶縁性基材に設けた貫通孔と、この貫通孔に導電性ペーストを充填して形成するビアホールとを備え、前記電気絶縁性基材に少なくとも硬化剤、前記導電性ペーストに少なくとも熱硬化性樹脂を含有させ、この熱硬化性樹脂と前記硬化剤とを反応させて、硬化体層を形成して貫通孔壁としたプリント配線基板であり、この硬化体層は貫通孔に充填された導電性ペースト内の導電性フィラーが熱プレス工程の際に貫通孔より流出することを抑制し、電気絶縁性基材及び導電性ペースト中の熱硬化性樹脂が軟化流動を起こしてもビアホールの形状を安定に保持することができるため、隣接するビアホール間の短絡やマイグレーションを防止し、ビアホールでの電気的接続性に優れたプリント配線基板を提供することができるのである。
請求項5に記載の発明は、電気絶縁性基材に硬化剤と、この硬化剤に反応する熱硬化性樹脂とを含有させた請求項4に記載のプリント配線基板であり、電気絶縁性基材に含有される硬化剤は硬化体層を形成すると共に電気絶縁性基材自体の硬化にも寄与することができ、新たに電気絶縁性基材中に複数の硬化剤が必要とされなくなることから材料数が低減され、より低コストでプリント配線基板を提供できるという作用効果が得られる。
請求項6に記載の発明は、電気絶縁性基材と導電性ペーストに少なくとも熱硬化性樹脂と硬化剤とを含有させ、前記電気絶縁性基材と導電性ペーストとを異なる反応機構により硬化させた請求項2または4に記載のプリント配線基板であり、電気絶縁性基材と導電性ペーストの熱プレス工程における硬化は異なる反応機構を有することにより電気絶縁性基材、導電性ペースト共に独立した材料設計が可能となることから、高機械的強度、高耐熱性、低誘電率等、付加価値・機能性に富んだプリント配線基板を提供することができるという作用効果が得られる。
請求項7に記載の発明は、電気絶縁性基材に数種類の熱硬化性樹脂を含有させた請求項2に記載のプリント配線基板であり、硬化体層を形成するのに用いられる熱硬化性樹脂以外の樹脂を電気絶縁性基材に含有させることができ、これにより種々の熱硬化性樹脂の硬化物からなるプリント配線基板を形成することが可能となり、それぞれの樹脂に応じた高機械的強度、高耐熱性、低誘電率等の特性を有する付加価値・機能性に富んだプリント配線基板を提供することができるという作用効果が得られる。
請求項8に記載の発明は、電気絶縁性基材に貫通孔を形成する孔加工工程と、この貫通孔に導電性ペーストを充填するペースト充填工程と、前記電気絶縁性基材と導電性ペーストに含有される樹脂成分により硬化体層を貫通孔壁に形成する硬化体層形成工程と、前記電気絶縁性基材の両面に配線材料を積層し、加熱加圧によってこの配線材料を電気絶縁性基材に接着すると共に前記導電性ペーストを介して前記配線材料間を電気的に接続する熱プレス工程とを少なくとも備えたプリント配線基板の製造方法であり、電気絶縁性基材に含有される熱硬化性樹脂を貫通孔壁面のみ硬化させることによって硬化体層を形成する工程を有することを特徴とし、この硬化体層は貫通孔に充填された導電性ペースト内の導電性フィラーが熱プレス工程の際に貫通孔より流出することを抑制するものであり、電気絶縁性基材及び導電性ペースト中の熱硬化性樹脂が軟化流動を起こしてもビアホールの形状を安定に保持することができるため、隣接するビアホール間の短絡やマイグレーションを防止し、ビアホールでの電気的接続性に優れたプリント配線基板を提供することができるのである。
請求項9に記載の発明は、硬化体層形成工程を電気絶縁性基材に含有される硬化剤と、導電性ペーストに含有される熱硬化性樹脂とを反応させて形成する請求項8に記載のプリント配線基板の製造方法であり、電気絶縁性基材に含有される熱硬化性樹脂と導電性ペースト中に含有される硬化剤との硬化反応によって貫通孔の壁面のみ、すなわち導電性ペーストの表面部を硬化させて硬化体層を形成する工程を有することにより、硬化体層の形成をペーストの充填と同時に行うことができ、工程が単純化できるという作用効果が得られる。
請求項10に記載の発明は、硬化体層形成工程を電気絶縁性基材に含有される熱硬化性樹脂と、導電性ペーストに含有される硬化剤とを反応させて形成する請求項8に記載のプリント配線基板の製造方法であり、導電性ペーストに含有される熱硬化性樹脂を電気絶縁性基材中に含有される硬化剤によって導電性ペーストが貫通孔と接する部分のみを硬化させて硬化体層を形成する工程を有することにより、硬化体層の形成をペーストの充填と同時に行うことができ、工程が単純化できるという作用効果が得られる。
請求項11に記載の発明は、少なくとも熱硬化性樹脂を含有する電気絶縁性基材に貫通孔を形成する孔加工工程と、この貫通孔の壁面に硬化剤を塗布して硬化体層を形成して貫通孔壁とする硬化体層形成工程と、この貫通孔に導電性ペーストを充填するペースト充填工程と、前記電気絶縁性基材の両面に配線材料を積層し加熱加圧によってこの配線材料を電気絶縁性基材に接着すると共に前記導電性ペーストを介して前記配線材料間を電気的に接続する熱プレス工程とを少なくとも備えたプリント配線基板の製造方法であり、電気絶縁性基材に含有される熱硬化性樹脂を貫通孔の壁面に硬化剤を塗布することによって貫通孔の壁面のみを硬化させて硬化体層を形成する工程を有することにより、硬化体層の形成に必要な硬化剤を十分に貫通孔壁面近傍に供給できることからより強固な硬化体層を確実に形成しビアホールの形状を安定に保持することができるため、隣接するビアホール間の短絡やマイグレーションを防止し、配線材料と安定して接触・導通することができ、配線材料間の接続信頼性を高めるという作用効果が得られる。
請求項12に記載の発明は、少なくとも熱硬化性樹脂と光潜在硬化剤を含有する電気絶縁性基材に貫通孔を形成する孔加工工程と、この貫通孔の壁面に光を照射して硬化体層を形成して貫通孔壁とする硬化体層形成工程と、前記貫通孔に導電性ペーストを充填するペースト充填工程と、前記電気絶縁性基材の両面に配線材料を積層し加熱加圧によってこの配線材料を電気絶縁性基材に接着すると共に前記導電性ペーストを介して前記配線材料間を電気的に接続する熱プレス工程とを少なくとも備えたプリント配線基板の製造方法であり、貫通孔の壁面に光照射を行うことによって貫通孔の壁面に存在する光潜在硬化剤を活性化させ、電気絶縁性基材に含有される熱硬化性樹脂を貫通孔の壁面のみ硬化させて硬化体層を形成する工程を有する特徴とし、光照射による熱硬化性樹脂の硬化であることから、貫通孔の壁面を簡便な方法で選択的に硬化することが可能であり、また非接触式の硬化方法であるため硬化体層をごみ等の異物が混入する恐れなく形成しビアホールの形状を安定に保持することができるため、隣接するビアホール間の短絡やマイグレーションを防止し、配線材料と安定して接触・導通することができ、配線材料間の接続信頼性を高めるという作用効果が得られる。
請求項13に記載の発明は、ペースト充填工程の後に硬化体層の形成反応を促進させる熱処理工程を備えた請求項8、11、12のいずれか1つに記載のプリント配線基板の製造方法であり、ペースト充填工程の後に行う熱処理工程によって、硬化体層の形成を促進させることを特徴とし、硬化体層を形成する熱硬化性樹脂が熱によってその硬化反応が進められることから、より強固な硬化体層を形成することができる。また、熱処理工程の温度や時間を調節することによって硬化体層の硬化度を調節することができ、硬化体層の強度や弾性を任意に設定することが可能となる。これにより、ビアホールの形状を安定に保持することができるため、隣接するビアホール間の短絡やマイグレーションを防止し、配線材料と安定して接触・導通することができ、配線材料間の接続信頼性を高めるという作用効果が得られる。
以上のように本発明は、貫通孔の壁面にビアホールの形状を保持する硬化体層を設けたので、熱プレス時に発生する電気絶縁性基材及び導電性ペースト中に含有される樹脂の軟化流動を抑制することによってビアの形状を安定に保持することができるためビアホール間の短絡やマイグレーション、接続不良の防止に有効であるとともに、配線材料間の接続信頼性を高めることができるという効果を奏するものである。
以下、本発明の実施の形態について図を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるプリント配線基板の構成を示す断面図である。
図1は本発明の実施の形態1におけるプリント配線基板の構成を示す断面図である。
図1において、電気絶縁性基材2と、この電気絶縁性基材2に設けた貫通孔3と、この貫通孔3の壁面に硬化体層7を設け、この貫通孔3に導電性ペースト5を充填して形成するビアホール1と、このビアホール1と接続する所定のパターンニングした配線材料4からなる基板を多層化して各層間の配線材料4またはビアホール1を電気的に接続した構成となっている。
本発明はフェノール樹脂、ユリア樹脂、アルキッド樹脂、ケイ素樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂の内エポキシ樹脂のように硬化剤を必要とする熱硬化性樹脂と、フェノール樹脂のように硬化剤を必要とせず、加熱のみで硬化する樹脂との2種類以上を用いることでその硬化機構の違いを利用し、選択的に貫通孔1の壁面を硬化させるものである。以下にその形態を示す。
まず、電気絶縁性基材2には芳香族ポリアミド繊維やガラス織布などの芯材に熱硬化性樹脂を含浸させたコンポジットシートを半硬化状態にしたものを用いる。含浸する熱硬化性樹脂にはエポキシ樹脂、ユリア樹脂など、硬化反応に硬化剤を必要とする樹脂を用いる。
次に、充填する導電性ペースト5には導電性フィラーと共にフェノール、アルキッド樹脂など硬化剤を必要とせず加熱のみで硬化が可能な熱硬化性樹脂及び電気絶縁性基材2に含有させた熱硬化性樹脂に対応した硬化剤からなるものを用いる。
また、この硬化剤は常温で硬化反応性を有するものが望ましく、特にエポキシ樹脂に対してはメルカプタン系硬化剤、複素環式ジアミン系硬化剤、Mannich型硬化剤、アミン系硬化剤にアルコール類、フェノール類、第3級アミン類、または有機酸類を硬化促進剤として添加した硬化剤群など常温で硬化反応を起こすことができる硬化剤からなるものを用いることができる。
図2(a)〜(h)は本発明の実施の形態1におけるプリント配線基板の製造方法を示す断面図である。
まず、図2(a)に示すように両面にポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアミドフィルムなどの離型性フィルム6を備えた電気絶縁性基材2を準備する。この電気絶縁性基材2は芳香族ポリアミド繊維やガラス織布などの芯材に熱硬化性樹脂を含浸させたコンポジットシートを半硬化状態にしたものであり、熱硬化性樹脂に用いることができる樹脂材料については別途下記に述べる。この場合離型性フィルム6を電気絶縁性基材2の両側に形成するにはラミネート法やプレス法がある。
次に、図2(b)に示すように両面に離型性フィルム6を設けた電気絶縁性基材2の所望の箇所に貫通孔3を形成する。この場合の穴加工法としてはドリル加工やレーザー加工を利用することができる。
そして、図2(c)に示すように貫通孔3に導電性ペースト5を充填する。この導電性ペースト5は少なくとも導電性フィラーと電気絶縁性基材2に含有される熱硬化性樹脂と硬化反応を起こす硬化剤とからなる。この導電性ペースト5の充填により貫通孔3の壁面に存在する熱硬化性樹脂は導電性ペースト5の中に含有される硬化剤と硬化反応を生じ、貫通孔3の壁面のみが硬化されて硬化体層7が形成される。
電気絶縁性基材2の中の熱硬化性樹脂はペースト充填工程において貫通孔3の壁面に硬化体層7を形成するために導電性ペースト5の中の硬化剤と常温で硬化反応を起こすことのできる熱硬化性樹脂が含まれており、常温で高い活性を有する熱硬化性樹脂を用いることができる。この場合エポキシ樹脂では4−tブチルカテコール型エポキシ樹脂、ブチルグリシジルエーテルなどの反応性希釈剤等を用いることができる。
なお、電気絶縁性基材2の硬化物の機械的強度や、伝熱、低吸湿、誘電損失などの電気物性を調節するために電気絶縁性基材2の中には上記記載以外の熱硬化性樹脂とそれに対応した硬化剤を含有させることがより好ましい。
この場合、耐熱性にはナフタレンジオールをベースとしたアラルキル構造を有する多官能型エポキシ樹脂(例:ESN−300シリーズ/新日鐵化学)、耐湿性には2−ナフトールをベースとしたアラルキル構造を有する多官能型エポキシ樹脂(例:ESN−100Sシリーズ/新日鐵化学)、難燃性にはリン系難燃剤を含有するエポキシ樹脂(例:EPICLON EXA−9709/大日本インキ)、低誘電損失には変性シアネートエステルやポリフェニレンエーテル樹脂などを用いることができる。
導電性ペースト5はその保存性や作業性の観点から熱プレス時にのみに硬化するものが好ましい。この場合導電性ペースト5の中の硬化剤は保存状態で硬化反応が進みにくくするために常温で反応性の小さい硬化剤であることが望まれる。
熱硬化性樹脂にエポキシ樹脂を用いた場合ではジシアンジアミド、カルボン酸ヒドラジド等のアミン系硬化剤、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1、1−ジメチル尿素等の尿素系硬化剤、無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ピロメリット酸、無水ヘキサヒドロフタール酸等の酸無水物系硬化剤、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン酸等の芳香族アミン系(アミンアダクト)硬化剤を用いることができる。
また導電性ペースト5が請求項3に示すように熱硬化性樹脂を含有する場合、熱硬化性樹脂は常に硬化剤と共存の状態であることも関係して常温では活性が低いものであることが好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、芳香族エポキシ樹脂などで分子量が大きいベンゼン環やナフタレン環など立体障害となる官能基を有している。またはグリシジル基が少ない(エポキシ当量が大きい)といった特徴を有するエポキシ樹脂を用いることができる。
また導電性フィラーは銀、ニッケル、銅、及びこれらの合金から選ばれる少なくとも1つ以上の金属粉であることが好ましく充填方法としてはスクリーン印刷機により直接導電性ペースト5を離型性フィルム6の上から印刷することで充填する。この時上面の離型性フィルム6は印刷マスクの役割と電気絶縁性基材2の表面の汚染防止の役割を果たしている。
なお、実施の形態1では電気絶縁性基材2の中に含まれる熱硬化性樹脂と導電性ペースト5の中に含まれる硬化剤及び熱硬化性樹脂について上記に示す具体的な樹脂を例示したが、本発明はこれらに限定されるものではなく電気絶縁性基材2に含有される熱硬化性樹脂が常温で高い活性を有し、導電性ペースト5に含有される熱硬化性樹脂及び硬化剤が常温で活性の低いものとすることにより同様の効果を得ることができる。
次に、図2(d)に示すように離型性フィルム6を両面より剥離し、図2(e)に示すように電気絶縁性基材2の両側から銅箔などの配線材料4を重ね合わせ、加熱加圧した。なお加熱加圧は真空プレスを用いて行った。この熱プレスにより配線材料4が電気絶縁性基材2に密着すると共に半硬化状態にあった電気絶縁性基材2の中の熱硬化性樹脂及び導電性ペースト5の中の熱硬化性樹脂が硬化する。
次に、図2(f)に示すようにフォトリソエチング法を用いて配線材料4に配線パターンを形成し、図2(g)で示すように真空プレスを用いて加熱加圧することによって配線材料4を密着させると共に電気絶縁性基材2及び導電性ペースト5の中の熱硬化性樹脂を硬化させる。
そして、図2(h)に示すように配線材料4にフォトリソエチング法により配線パターンを形成する。
なお、形成された硬化体層7は完全な硬化体ではないことから弾性が低く、プレス工程においても破壊されることはないが、導電性フィラーの流出を抑制するに十分な強度を有している。
また導電性ペースト5に含有される樹脂成分はプレス工程において圧力がかかることによって貫通孔3の上下から貫通孔3の外部へと流出する。この結果導電性ペースト5に含有される導電性フィラー間の接触が良好になり、より信頼性の高いビアホール1を形成することが可能となる。この際導電性フィラーは貫通孔3の上下から流出しないことが望ましい。これは配線材料4に表面の粒上の粗化処理を施し、その平均粗化粒径を導電性フィラーの平均粒径より小さくすることで樹脂のみを貫通孔3の上下面から外部へと流出させ、導電性フィラーの流出を抑制することができる。
さらに、硬化体層7は導電性フィラーがプレス工程の圧縮によって基材方向へ広がるのを防止する役目を担う。これにより導電性フィラーに効果的に圧縮を付与することができ、より接続信頼性の高いプリント配線基板を提供することができる。
本発明の製造方法により、貫通孔3の壁面に硬化体層7を形成し、導電性フィラーが熱プレス工程の際に樹脂の軟化流動に起因して貫通孔3より流出することを抑制する層となり、ビアホール1の形状を安定に保持することができる。このためビアホール1の短絡やマイグレーションが抑制され、配線基材4との接触を安定なものとすることができることから接続信頼性の高いプリント配線基板が得られる。
また、本発明は電気絶縁性基材2と導電性ペースト5の熱硬化性樹脂系を逆にすることによっても実施が可能である。具体的には導電性ペースト5は導電性フィラー及び硬化反応に硬化剤を必要とする樹脂からなるものを用い、電気絶縁性基材2に硬化剤を必要とせず加熱のみで硬化が可能な熱硬化性樹脂及び導電性ペースト5の中に含有される熱硬化性樹脂に対応した硬化剤を含有させることによって所望の構造を有するプリント配線基板を作製することができる。
また、硬化時の反応機構が異なることから、電気絶縁性基材2及び導電性ペースト5に含有される熱硬化性樹脂はそれぞれが反応し合うことがなく、独立した材料選定を行うことが可能となる。
なお、貫通孔3の内部に導電性ペースト5を充填した後、この電気絶縁性基材2を熱処理することによって硬化体層7の形成を促進することができる。これは電気絶縁性基材2や導電性ペースト5に含有される熱硬化性樹脂が周囲の熱によってその硬化反応が進められるためであり、より強固な硬化体層7を形成すると共に熱処理温度を調節することによって硬化度合いを任意に調整することができる。これにより硬化体層7に適切な強度・弾性を付与することが可能となる。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2について図3を用いて説明する。
以下、本発明の実施の形態2について図3を用いて説明する。
図3(a)〜(c)は本発明の実施の形態2におけるプリント配線基板の製造方法を示す断面図である。
まず、図3(a)、(b)に示すように実施の形態1と同様に両面に離型性フィルム6を備えた電気絶縁性基材2を準備し、所望の個所に貫通孔3を設ける。この電気絶縁性基材2は芳香族ポリアミド繊維やガラス織布などの芯材に熱硬化性樹脂及び硬化剤を含浸させたコンポジットシートを半硬化状態にしたものであり、熱硬化性樹脂及び硬化剤に用いることができる樹脂材料については別途下記に述べる。
次に、図3(c)に示すように貫通孔3に導電性ペースト5を充填する。この導電性ペースト5は電気絶縁性基材2に含有される硬化剤と硬化反応を起こす熱硬化性樹脂を含んでいる。この導電性ペースト5の充填により、導電性ペースト5の中に存在する熱硬化性樹脂は電気絶縁性基材2の中に含有される硬化剤と硬化反応を起こし、導電性ペースト5の表面のみが選択的に硬化されて硬化体層7が形成される。
ここで、実施の形態2を構成する具体的な材料として、まず電気絶縁性基材2に含有される熱硬化性樹脂は常に硬化剤と共存の状態であることや熱プレス工程時に硬化反応を起こす必要があることから常温では活性が低いものが望ましく、エポキシ樹脂ではビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、芳香族エポキシ樹脂などで、分子量が大きいベンゼン環やナフタレン環など立体障害となる官能基を有している、またはグリシジル基が少ない(エポキシ当量が大きい)といった特徴を有するものを用いることができる。
また、硬化剤も同様に常温で反応性を有さない硬化剤であることが望ましく、ジシアンジアミド、カルボン酸ヒドラジド等のアミン系硬化剤、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1、1−ジメチル尿素等の尿素系硬化剤、無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ピロメリット酸、無水ヘキサヒドロフタール酸等の酸無水物系硬化剤、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン酸等の芳香族アミン系(アミンアダクト)硬化剤を用いることができる。
また、導電性ペースト5に用いる熱硬化性樹脂は上記の電気絶縁性基材2に含有される硬化剤とペースト充填工程で反応することが求められるため、少なくても常温で反応性を有する熱硬化性樹脂を含有している必要がある。この場合、エポキシ樹脂では4−tブチルカテコール型エポキシ樹脂、ブチルグリシジルエーテルなどの反応性希釈剤等を用いることができる。
ここで、導電性ペースト5に含有される硬化剤は熱硬化性樹脂が常温で活性であることからその反応性を制御する必要があり、ここでは常温においては微粉であり、加熱時に融解し硬化を促進する硬化剤を用いることで、常温において反応が起きる領域を微粉状硬化剤の表面のみに制限することが可能となる。具体的にはアミンアダクト系硬化剤・アミキュアMY−H(味の素)などを用いることができる。
以下、プリント配線基板の製造方法は実施の形態1における図2(d)〜(g)と同様であり、ここでは省略する。
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3について図4(a)〜(d)を用いて説明する。
以下、本発明の実施の形態3について図4(a)〜(d)を用いて説明する。
図4(a)〜(d)は本発明の実施の形態3におけるプリント配線基板の製造工程を示す工程断面図である。
まず、図4(a)、(b)に示すように実施の形態1同様に両面に離型性フィルム6を備えた電気絶縁性基材2を準備し、所望の個所に貫通孔3を設ける。この電気絶縁性基材2は芳香族ポリアミド繊維やガラス織布などの芯材に熱硬化性樹脂を含浸させたコンポジットシートを半硬化状態にしたものであり、熱硬化性樹脂はエポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂などの樹脂を用いることが可能である。
次に、図4(c)で示すように貫通孔3の壁面に電気絶縁性基材2に含有された熱硬化性樹脂を硬化させる硬化剤を塗布する。この場合の塗布方法としてはスクリーン印刷法を利用することができる。これにより貫通孔3の壁面に存在する熱硬化性樹脂が選択的に硬化されて硬化体層7が形成される。この時上面の離型性フィルム6は印刷マスクの役割を果たし、電気絶縁性基材2の表面が硬化するのを防ぐ役割を果たしている。
ここで、電気絶縁性基材2に含有される熱硬化性樹脂にはエポキシ樹脂を用いることができる。このエポキシ樹脂の反応性が4−tブチルカテコール型エポキシ樹脂(例:EPICLON5100/大日本印刷)や、ブチルグリシジルエーテルなどの反応性希釈剤のように常温反応性を有する場合や、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂など汎用性のエポキシ樹脂で平均分子量が非常に小さく、また多官能性樹脂であることなどに起因して常温硬化性を有するなど加熱を行わずとも硬化剤と反応できる程度に活性である場合には、硬化剤には一般的な硬化剤が使用可能である。
具体的には、ジシアンジアミド、カルボン酸ヒドラジド等のアミン系硬化剤、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1、1−ジメチル尿素等の尿素系硬化剤、無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ピロメリット酸、無水ヘキサヒドロフタール酸等の酸無水物系硬化剤、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン酸等の芳香族アミン系(アミンアダクト)硬化剤が代表的に用いられる。これらのうちでも特に組成物の安定性および作業性の観点より、液状の硬化剤が望ましい。
また、電気絶縁性基材2に含有されるエポキシ樹脂がビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、アミン型エポキシ樹脂などで、分子量が大きいグリシジル基が少ない(エポキシ当量が大きい)場合や、またはベンゼン環やナフタレン環など立体障害となる官能基を有し反応性に乏しいなどに起因して加熱無しでは反応を起こしにくい場合、硬化剤には常温で硬化反応を起こすことができる硬化剤を用いることが好ましい。
具体的には、トリオキサントリメチレンメルカプタンに代表されるメルカプタン系硬化剤、3、9ジプロパンアミン2、4、8、10オキサスピロ5、5ウンデカンに代表される複素環式ジアミン系硬化剤、ポリアミンにフェノール、ホルマリンを縮合したMannich型硬化剤、アミン系硬化剤にアルコール類、フェノール類、第3級アミン類、または有機酸類を硬化促進剤として添加した硬化剤群などを用いることができる。
次に、図4(d)で示すように導電性ペースト5を壁面が硬化された貫通孔3に充填する。この導電性ペースト5は導電性フィラーと、導電性ペーストを硬化するために用いられる熱硬化性樹脂及びその硬化剤・添加剤とからなる。また、前記導電性フィラーは銀、ニッケル、銅及びこれらの合金から選ばれる少なくとも一つの金属粉であることが好ましく、充填方法としては実施の形態1と同様にスクリーン印刷機により直接導電性ペースト5を離型性フィルム6の上から印刷することで充填する。
以下、プリント配線基板の製造方法は実施の形態1における図2(e)〜(g)と同様であり、ここでは省略する。
実施の形態3における製造方法は、貫通孔3の壁面に硬化剤を塗布することによって硬化体層7を形成する製造方法であり、これにより実施の形態1で示した作用効果と同様の効果が得られる。
また、硬化体層7の形成を構成成分以外の材料を新たに塗布することによって行っていることから、電気絶縁性基材2及び導電性ペースト5の材料における制限が少なくなり、材料選定をそれぞれ独立して行うことができるという利点を有する。形成された硬化体層7は、貫通孔3の壁面に存在する熱硬化性樹脂を硬化させるに十分な硬化剤を供給することが可能であることから、より強固なものとなる。
(実施の形態4)
以下、実施の形態4について図4(a)〜(d)を用いて説明する。
以下、実施の形態4について図4(a)〜(d)を用いて説明する。
まず、図4(a)、(b)に示すように実施の形態1同様に両面に離型性フィルム6を備えた電気絶縁性基材2を準備し、所望の個所に貫通孔3を設ける。この電気絶縁性基材2には、芳香族ポリアミド繊維やガラス織布などの芯材に熱硬化性樹脂を含浸させたコンポジットシートを半硬化状態にしたものを用い、また硬化剤として少なくとも光潜在硬化剤を含有するものを用いる。
ここで、熱硬化性樹脂にエポキシ樹脂を用いた場合、光潜在硬化剤としては芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、アリルジアゾニウム塩、ジアリルヨードニウム塩、トリアリルスルホニウム塩、ベンジルスルホニウム塩、トリアルセレニウム塩、ホスホニウム塩、などの塩構造を有し、紫外線または可視光の照射で分解して硬化剤として活性化される一連の化合物を用いることができる。
また、熱硬化性樹脂にメラミン樹脂を用いた場合、光潜在硬化剤には塩構造を有さないβケトスルホン、イミノスルホナート、ベンゾインスルホナート、O‐ニトロベンジルスルホナートなど、光照射によりスルフィン酸あるいはスルホン酸を生成し架橋反応を進行させる光潜在硬化剤を用いることができる。なお、上記以外の熱硬化性樹脂として、フェノール樹脂やポリエステル樹脂などの樹脂を用いた場合においても同様の効果を得ることができる。
次に、図4(c)に示すように貫通孔3の壁面に対し、光照射を行うことにより電気絶縁性基材2に含有される光潜在硬化剤を活性化させ、同じく電気絶縁性基材に含有される熱硬化性樹脂と反応させることにより硬化反応を起こさせる。
これにより貫通孔3の壁面に存在する熱硬化性樹脂が選択的に硬化され、硬化体層7が形成される。貫通孔3の壁面に選択的に光照射を行うには硬化に必要な光の波長を吸収する光吸収剤をあらかじめ離型性フィルムに塗工もしくはフィルム内に分散させておき、離型性フィルムを光照射マスクとして用いることにより、生産性に優れた方法となる。光吸収剤としてはベンゾトリアゾールなど有機系の紫外線吸収剤や、酸化チタン、酸化亜鉛超微粒子などの無機系紫外線吸収剤などが利用できる。
次に、図4(d)で示すように、導電性ペースト5を壁面が硬化された貫通孔3に充填する。この導電性ペースト5は導電性フィラーと、導電性ペーストを硬化するために用いられる熱硬化性樹脂及びその硬化剤・添加剤とからなる。
また、導電性フィラーは銀、ニッケル、銅及びこれらの合金から選ばれる少なくとも一つの金属粉であることが好ましく、充填方法としては実施の形態1と同様にスクリーン印刷機により直接導電性ペースト5を離型性フィルム6上から印刷することで充填する。
以下、プリント配線基板の製造方法は実施の形態1における図2(e)〜(g)と同様であり、ここでは省略する。
実施の形態4における製造方法は、光照射によって貫通孔壁面に存在する光潜在硬化剤を活性化し、熱硬化性樹脂と反応させることによって硬化体層7を形成する製造方法であり、これにより実施の形態1で示した作用効果と同様の効果が得られる。
また、光を用いた硬化反応であることから、簡便な方法で選択的に硬化部位を選定することができると共に光の照射具合によって硬化の進行度合いを制限し、硬化体層7の強度を自由に調節することが可能となる。本製造法は非接触式の硬化方法を用いているため貫通孔3の内部への異物の進入を防ぐことができる。
本発明にかかるプリント配線基板は、電気絶縁性基材に設けられた貫通孔の壁面に硬化体層を形成していることから、硬化体層が貫通孔に充填された導電性ペースト中の導電性フィラーが熱プレス工程の際に貫通孔より流出することを抑制する。そのため、ビアホールの形状を安定に保持することができることから、隣接するビアホール間の短絡やマイグレーションを防止し、ビアホールでの電気的接続性に優れたプリント配線基板を提供することができるという効果を有する。本発明はCPU、メモリー等の半導体素子やその他チップ部品等を搭載するプリント配線基板として有用である。
1 ビアホール
2 電気絶縁性基材
3 貫通孔
4 配線材料
5 導電性ペースト
6 離型性フィルム
7 硬化体層
2 電気絶縁性基材
3 貫通孔
4 配線材料
5 導電性ペースト
6 離型性フィルム
7 硬化体層
Claims (13)
- 電気絶縁性基材と、この電気絶縁性基材に設けた貫通孔と、この貫通孔に導電性ペーストを充填して形成するビアホールとを備え、前記電気絶縁性基材に少なくとも熱硬化性樹脂を含有させ、この熱硬化性樹脂の反応物から硬化体層を形成して貫通孔壁としたプリント配線基板。
- 導電性ペーストに少なくとも硬化剤を含有させ、この硬化剤と電気絶縁性基材の熱硬化性樹脂とから硬化体層を形成した請求項1に記載のプリント配線基板。
- 導電性ペーストに硬化剤と、この硬化剤に反応する熱硬化性樹脂とを含有させた請求項2に記載のプリント配線基板。
- 電気絶縁性基材と、この電気絶縁性基材に設けた貫通孔と、この貫通孔に導電性ペーストを充填して形成するビアホールとを備え、前記電気絶縁性基材に少なくとも硬化剤、前記導電性ペーストに少なくとも熱硬化性樹脂を含有させ、この熱硬化性樹脂と前記硬化剤とを反応させて、硬化体層を形成して貫通孔壁としたプリント配線基板。
- 電気絶縁性基材に硬化剤と、この硬化剤に反応する熱硬化性樹脂とを含有させた請求項4に記載のプリント配線基板。
- 電気絶縁性基材と導電性ペーストに少なくとも熱硬化性樹脂と硬化剤とを含有させ、前記電気絶縁性基材と導電性ペーストとを異なる反応機構により硬化させた請求項2または4に記載のプリント配線基板。
- 電気絶縁性基材に数種類の熱硬化性樹脂を含有させた請求項2に記載のプリント配線基板。
- 電気絶縁性基材に貫通孔を形成する孔加工工程と、この貫通孔に導電性ペーストを充填するペースト充填工程と、前記電気絶縁性基材と導電性ペーストに含有される樹脂成分により硬化体層を貫通孔壁に形成する硬化体層形成工程と、前記電気絶縁性基材の両面に配線材料を積層し、加熱加圧によってこの配線材料を電気絶縁性基材に接着すると共に前記導電性ペーストを介して前記配線材料間を電気的に接続する熱プレス工程とを少なくとも備えたプリント配線基板の製造方法。
- 硬化体層形成工程を電気絶縁性基材に含有される硬化剤と、導電性ペーストに含有される熱硬化性樹脂とを反応させて形成する請求項8に記載のプリント配線基板の製造方法。
- 硬化体層形成工程を電気絶縁性基材に含有される熱硬化性樹脂と、導電性ペーストに含有される硬化剤とを反応させて形成する請求項8に記載のプリント配線基板の製造方法。
- 少なくとも熱硬化性樹脂を含有する電気絶縁性基材に貫通孔を形成する孔加工工程と、この貫通孔の壁面に硬化剤を塗布して硬化体層を形成して貫通孔壁とする硬化体層形成工程と、この貫通孔に導電性ペーストを充填するペースト充填工程と、前記電気絶縁性基材の両面に配線材料を積層し加熱加圧によってこの配線材料を電気絶縁性基材に接着すると共に前記導電性ペーストを介して前記配線材料間を電気的に接続する熱プレス工程とを少なくとも備えたプリント配線基板の製造方法。
- 少なくとも熱硬化性樹脂と光潜在硬化剤を含有する電気絶縁性基材に貫通孔を形成する孔加工工程と、この貫通孔の壁面に光を照射して硬化体層を形成して貫通孔壁とする硬化体層形成工程と、前記貫通孔に導電性ペーストを充填するペースト充填工程と、前記電気絶縁性基材の両面に配線材料を積層し加熱加圧によってこの配線材料を電気絶縁性基材に接着すると共に前記導電性ペーストを介して前記配線材料間を電気的に接続する熱プレス工程とを少なくとも備えたプリント配線基板の製造方法。
- ペースト充填工程の後に硬化体層の形成反応を促進させる熱処理工程を備えた請求項8、11、12のいずれか1つに記載のプリント配線基板の製造方法。
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JP2004086244A JP2005276982A (ja) | 2004-03-24 | 2004-03-24 | プリント配線基板及びその製造方法 |
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CN114126257A (zh) * | 2020-08-27 | 2022-03-01 | 深南电路股份有限公司 | 一种电路板及其制造方法 |
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