JP2005276817A - 電磁リレーおよび電磁リレーの特性調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電磁石の吸引力特性とバネ負荷特性との不整合を容易に修正することができ、小型化、低消費電力化にも対応できるようにする。
【解決手段】 電磁石ブロックのヨーク16に吸引、離反される鉄片22を有する可動ブロックの前記鉄片22の延出部22aを、ヨーク16から近接する方向に曲げ加工して接点追従(コンタクトフォロー)部における電磁石ブロックの吸引力特性の傾きを調整するようにしている。
【選択図】 図6
【解決手段】 電磁石ブロックのヨーク16に吸引、離反される鉄片22を有する可動ブロックの前記鉄片22の延出部22aを、ヨーク16から近接する方向に曲げ加工して接点追従(コンタクトフォロー)部における電磁石ブロックの吸引力特性の傾きを調整するようにしている。
【選択図】 図6
Description
本発明は、電磁リレーおよび電磁リレーの特性調整方法に関し、更に詳しくは、吸引力特性とバネ負荷特性との不整合を容易に調整できる電磁リレーおよび電磁リレーの特性調整方法に関する。
電磁リレーにおいては、構成部品の寸法や特性のばらつきなどによって、電磁石の吸引力特性とバネ負荷特性との不整合、すなわち、図16に示されるように、動作吸引力特性L1と復帰吸引力特性L2との間に、破線で示されるバネ負荷特性L3が収まらず、いわゆる、2段動作などの特性不良が生じる場合がある。
かかる電磁石の吸引力特性とバネ負荷特性との不整合による特性不良に対して、調整バネを配置してバネ負荷特性を調整するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平2000−285782号公報
一般に、電磁リレーの小型化、低消費電力化を図ろうとすると、電磁石が発生する磁力が小さくなるとともに、要求される精度が厳しくなり、従来では、上述の調整バネ等のバネを調整して対応しているが、小型化、低消費電力化の進展によって、バネによる調整では、対応が困難となり、歩留まりを低下させるといった難点がある。
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、電磁石の吸引力特性とバネ負荷特性との不整合を容易に修正することができ、小型化、低消費電力化にも対応できる電磁リレーおよびその特性調整方法を提供することを目的とする。
本発明では、上記目的を達成するために、次のように構成している。
すなわち、本発明の電磁リレーは、コイルが巻回された鉄心を有する電磁石ブロックと、該電磁石ブロックのヨークに吸引、離反される鉄片を有して前記電磁石ブロックの励磁および消磁によって正逆に回動する可動ブロックと、該可動ブロックに連動する移動体を介して切換え操作される接点機構とを備える電磁リレーであって、前記正逆の回動のストロークを変えることなく、接点追従(コンタクトフォロー)部における前記電磁石ブロックの吸引力特性の傾きを調整可能な調整部を有している。
ここで、移動体は、可動ブロックに連動して複数の接点機構を切り換え操作するものであるのが好ましく、接点機構は、複数のバネ接点を備えるものであるのが好ましい。
本発明によると、調整部を調整することによって、接点追従(コンタクトフォロー)部における吸引力特性の傾きを調整できるので、従来のようにバネを調整することなく、吸引力特性とバネ負荷特性との不整合を修正することができる。
しかも、正逆の回動のストロークを変えることなく、吸引力特性を調整できるので、所望のストローク特性を満足させながら吸引力特性とバネ負荷特性とを整合させることができる。
また、本発明の電磁リレーは、コイルが巻回された鉄心を有する電磁石ブロックと、該電磁石ブロックのヨークに吸引、離反される鉄片を有して前記電磁石ブロックの励磁および消磁によって正逆に回動する可動ブロックと、該可動ブロックに連動する移動体を介して切換え操作される接点機構とを備える電磁リレーであって、接点追従(コンタクトフォロー)部における前記電磁石ブロックの吸引力特性の傾きを調整可能な調整部を有し、前記可動ブロックと前記電磁石ブロックとは、前記正逆の回動の各ストロークエンドでは、正逆に対応する同一箇所でそれぞれ当接するものである。
本発明によると、調整部を調整することによって、接点追従(コンタクトフォロー)部における吸引力特性の傾きを調整できるので、従来のようにバネを調整することなく、吸引力特性とバネ負荷特性との不整合を修正することができる。
しかも、可動ブロックと電磁石ブロックとは、正方向および逆方向の回動の各ストロークエンドでは、それぞれ同一箇所で当接するので、正逆の回動のストロークを維持しながら、吸引力特性を調整できることになり、所望のストローク特性を満足させながら吸引力特性とバネ負荷特性とを整合させることができる。
本発明の好ましい実施態様においては、前記調整部は、前記ヨークと前記鉄片との相対向している磁極面を有し、前記磁極面の対向部分の面積および間隔の少なくともいずれか一方を調整して前記接点追従(コンタクトフォロー)部における前記吸引力特性の傾きを調整するものである。
ここで、ヨークと鉄片との相対向している磁極面は、基準となる状態、例えば、可動ブロックが正方向または逆方向のいずれの方向にも傾いていない中立の状態、すなわち、回動ストロークの中間位置にある状態において、直接相対向している磁極面であるのが好ましい。
また、磁極面の対向部分の面積を調整するとは、例えば、前記ヨークおよび前記鉄片の少なくとも一方の位置をずらして対向する磁極面の面積を調整したり、前記ヨークおよび前記鉄片の少なくとも一方に遮蔽部材を取り付けて対向する面積を調整したりすることをいう。
さらに、磁極面の対向部分の間隔を変更するとは、例えば、対向部分の少なくとも一部を曲げ加工したり、研磨加工して間隔を調整することなどをいう。
この実施態様によると、ヨークと鉄片との相対向している磁極面の面積および間隔の少なくともいずれか一方を調整して接点追従(コンタクトフォロー)部における吸引力特性の傾きを調整するので、従来のようにバネを調整することなく、吸引力特性とバネ負荷特性とを整合させることができる。
また、対向とは、互いに向き合うことをいい、傾斜した状態で向き合ってもよいし、一定間隔で互いに平行に向き合ってもよい。
本発明の一実施態様においては、前記ヨークおよび前記鉄片の少なくともいずれか一方を加工して前記磁極面の対向部分の面積および間隔の少なくともいずれか一方を調整するものである。
ここで、加工には、曲げ、穴あけ、窪み形成、溝形成、トリミング、研磨、レーザ照射などの各種の加工が含まれる。
この実施態様によると、ヨークおよび鉄片の少なくとも一方を加工して電磁石ブロックの吸引力特性を調整するので、従来のようにバネを調整することなく、吸引力特性とバネ負荷特性とを整合させることができる。
本発明の好ましい実施態様においては、前記調整部は、前記可動ブロックが、前記正逆の回動の各ストロークエンドで前記電磁石にそれぞれ当接する箇所よりも回動端側に延出されて前記ヨークに対向する前記鉄片の第1,第2の延出部である。
この実施態様によると、鉄片の第1,第2の延出部の磁極面の面積あるいは前記ヨークとの間隔を調整することにより、吸引力特性を調整できる。
本発明の一実施態様においては、前記第1の延出部および前記第2の延出部の少なくともいずれか一方が加工されている。
この実施態様によると、鉄片の第1の延出部および前記第2の延出部の少なくともいずれか一方を加工して電磁石ブロックの吸引力特性を調整するので、従来のようにバネを調整することなく、吸引力特性とバネ負荷特性とを整合させることができる。
本発明の好ましい実施態様においては、前記加工が曲げ加工である。
この曲げ加工によって、第1の延出部および前記第2の延出部の少なくともいずれか一方は、残余の部分から屈曲しているのが好ましい。
この実施態様によると、ヨークや鉄片を曲げ加工して電磁石ブロックの吸引力特性を調整するので、従来のようにバネを調整することなく、吸引力特性とバネ負荷特性とを整合させることができる。
本発明の一実施態様においては、前記鉄片の前記第1の延出部および前記第2の延出部の少なくともいずれか一方の肉厚が、残余の部分よりも薄いものである。
ここで、残余の部分とは、鉄片の第1,第2の延出部以外の部分をいう。
この実施態様によると、肉厚が薄いので、第1,第2の延出部を容易に曲げ加工することができる。
本発明の他の実施態様においては、前記鉄片を、複数枚重ねた積層構造としている。
この実施態様によると、鉄片を積層構造とし、第1,第2の延出部は、肉厚が薄いので、第1,第2の延出部を容易に曲げ加工することができる。
本発明の好ましい実施態様においては、前記第1の延出部および前記第2の延出部の少なくともいずれか一方の境界部分に、曲げ溝を有している。
ここで、境界部分とは、曲げ加工を行う延出部と残余の部分との境界をいう。
この実施態様によると、曲げ溝に沿って容易に曲げ加工することができる。
本発明の電磁リレーの特性調整方法は、コイルが巻回された鉄心を有する電磁石ブロックと、該電磁石ブロックのヨークに吸引、離反される鉄片を有して前記電磁石ブロックの励磁および消磁によって正逆に回動する可動ブロックと、該可動ブロックに連動する移動体を介して切換え操作される接点機構とを備える電磁リレーの特性調整方法であって、前記ヨークと前記鉄片との相対向している磁極面の対向部分の面積および間隔の少なくともいずれか一方を調整することにより、前記正逆の回動のストロークを変えることなく、接点追従(コンタクトフォロー)部における前記電磁石ブロックの吸引力特性の傾きを調整するものである。
本発明によると、ヨークと鉄片との相対向している磁極面の面積および間隔の少なくともいずれか一方を調整して接点追従(コンタクトフォロー)部における吸引力特性の傾きを調整するので、従来のようにバネを調整することなく、吸引力特性とバネ負荷特性との不整合を修正することができる。
しかも、正逆の回動のストロークを維持しながら、吸引力特性を調整できるので、所望のストローク特性を満足させながら吸引力特性とバネ負荷特性とを整合させることができる。
本発明の好ましい実施態様においては、前記ヨークおよび前記鉄片の少なくともいずれか一方を加工して前記磁極面の対向部分の面積および間隔の少なくともいずれか一方を調整するものである。
この加工は、曲げ加工であるのが好ましい。
この実施態様によると、ヨークおよび鉄片の少なくとも一方を加工して電磁石ブロックの吸引力特性を調整するので、従来のようにバネを調整することなく、吸引力特性とバネ負荷特性とを整合させることができる。
本発明の一実施態様においては、前記電磁石ブロックの吸引力特性を計測するステップと、計測された吸引力特性を、所要の吸引力特性に調整するのに必要な曲げ加工量を、予め得られた曲げ加工量と吸引力の変化量との相関データに基づいて求めるステップと、求めた曲げ加工量に従って前記ヨークおよび前記鉄片の少なくともいずれか一方を曲げ加工するステップとを備えている。
この実施態様によると、予め求めた曲げ加工量と吸引力の変化量との相関データを利用して、調整に必要な曲げ加工量を求めるので、効率的に吸引力特性を調整できる。
本発明によれば、ヨークおよび鉄片の少なくとも一方を加工して電磁石ブロックの吸引力特性を調整するので、従来のようにバネを調整することなく、しかも、回動のストロークを変えることなく、吸引力特性を調整して吸引力特性とバネ負荷特性とを整合させることができ、所望のストローク特性を確保しながら、小型化、低消費電力化にも対応できることになる。
以下、図面によって本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1に、本発明に係る電磁リレーの縦断した側面図が示されている。
この電磁リレーは、樹脂成形されたベース1、ベース1に組付けられた多極型の接点機構2、前後方向に直線往復移動可能にベース上部に案内支持された接点切換え用の移動体としてカード3、ベース1の前端部(図では左端部)に組付け固定された電磁石ブロック4、ベース1に横向きの支点pを中心に回動自在に支持されて電磁石ブロック4に対向配備されたカード駆動用の可動ブロック5、ベース1に上方から外嵌装着されたカバーケース6、等から構成されており、各部の詳細な構造を次に説明する。なお、以後の説明において、図1における左右方向を前後方向、紙面表裏方向を左右方向と呼称する。
前記ベース1の左右中央には、仕切り壁1aが立設されており、この仕切り壁1aの両側にそれぞれ接点機構2が配備されている。仕切り壁1aの左右両側に配備された前記接点機構2は、同一の仕様であるので、図1に示されている手前側の接点機構2についてのみ説明する。この例の接点機構2は、1組の常閉回路を構成する固定接触片7と可動接触片8、および、2組の常開回路を構成する固定接触片9と可動接触片10とからなり、それぞれが上向き片持ち状にベース1に圧入止着されるとともに、各接触片7,8,9,10から延出された端子7a,8a,9a,10aがベース1の下面から突出されている。
可動ブロック5に連動する移動体としてのカード3は、仕切り壁1aの上端部において前後にスライド移動可能に案内支持されており、一対の係止突起3aを左右齟齬に突設してなる係止部11に、接点機構2における各可動接触片8,10の上端が係止支持され、カード3の前後往復移動によって各可動接触片8,10が前後に変位されて接点切換えが行われるようになっている。このカード3の前端に形成された左右に細長い角形の係合孔27に、可動ブロック5を構成するブロック本体21の上端部の係合突起26が係入され、可動ブロック5の正逆回動によってカード3が前後に往復移動されるようになっている。
なお、このカード3には、ベース1から立設した調整バネ12の上端が係止されており、この調整バネ12の弾性力によってカード3に常に電磁石ブロック4の在る方向(前方)への復帰力が付与されている。
前記電磁石ブロック4は、図2にも示されるように、鉄心13に外嵌した樹脂製のボビン14にコイル15を巻回するとともに、鉄心13の上下両端に両極のヨーク16をカシメ付け連結して構成されたものであり、各ヨーク16の屈曲端部に前記可動ブロック5が対向配備される。
コイル15に接続された一対の端子17がベース1の下面から突設されており、コイル15への通電が断たれている非励磁時には、図1に示すように、可動ブロック5は、その上部が前方に復帰回動し、コイル15へ通電された励磁時には、図3に示すように、可動ブロック5の上部が後方に回動して接点切換えを行う。
可動ブロック5は、図4に示すように、樹脂成形されたブロック本体21と、これの前面に嵌入止着される鉄片22と、鉄片22の前面中央に吸着固定される角ブロック状の永久磁石23と、鉄片22の前面上下に取付けられる非磁性金属、例えば、燐青銅からなる遮磁板24とを備えており、ブロック本体21に左右から突出された支点軸25の両端が、ベース1に設けられた左右一対の軸支部に回動自在に挿入支持されるようになっている。遮磁板24は、カシメピン28によってカシメ固定されている。
この実施の形態では、電磁石ブロック4の吸引力特性を調整できるようにするために、鉄片22は、図1の断面図にも示されるように、樹脂製のブロック本体21から上下に延出する調整部としての延出部(先端部)22a,22bが、薄肉に形成されており、この薄肉の延出部22a,22bを、対向するヨーク16から離反する方向あるいは近接する方向に容易に曲げ加工できるように構成されている。
すなわち、この実施の形態では、例えば、図5に示されるように、可動ブロック5が電磁石ブロック4に対して平行となる中立姿勢にある中立状態においては、電磁石ブロック4のヨーク16と可動ブロック5の鉄片22の磁極面が直接相対向しており、この相対向する磁極面の一部である上下の延出部22a,22bの少なくとも一方を曲げ加工し、前記磁極面の対向部分の面積および間隔の少なくともいずれか一方を調整するものである。
これによって、正逆の回動ストロークを変えることなく、接点追従(コンタクトフォロー)部における電磁石ブロック4の吸引力特性の傾きを調整することができる。
電磁石ブロック4のヨーク16と可動ブロック5の鉄片22の対向する磁極面は、電磁石ブロック4で発生する磁束の流れを遮るような面となっている。
上述の中立状態においては、可動ブロック5が、直線方向に移動するカード3に対して、正方向または逆方向のいずれの方向にも傾いていない状態であり、回動のストロークの中間位置にあり、可動ブロック5が、カード3に対して直交する状態となっており、ヨーク16と鉄片22の磁極面が、一定の間隔で直接相対向している。
この実施の形態では、上下の延出部22a,22bを、接点追従(コンタクトフォロー)部における電磁石ブロック4の吸引力特性の傾きを調整する調整部としているが、他の実施の形態として、延出部22a,22b以外、あるいは、延出部22a,22bを含むヨーク16と鉄片22との相対向している磁極面を調整部とし、この磁極面の対向部分の面積および間隔の少なくともいずれか一方を調整するようにしてもよい。
なお、中立状態を基準にして説明したが、必ずしも中立状態に限る必要はない。
この実施の形態によれば、図6の一部拡大断面図に示されるように、例えば、鉄片22の上側の延出部22aを、矢符Aで示されるようにヨーク16に近接する方向に曲げ加工することにより、例えば、図7の太い実線L1,L2で示される動作側および復帰側の接点追従(コンタクトフォローCF)部における吸引力特性の低い側の傾きを、細い実線L1’,L2’で示されるように変化させることができ、吸引力最小値を調整することができる。
具体的には、曲げ加工における曲げ角度θを、大きくすると、吸引力最小値の値を下げることができる。この曲げ角度θは、例えば、0°〜30°程度であるのが好ましい。
同様に、鉄片22の下側の延出部22bを、ヨーク16に近接する方向に曲げ加工することにより、図7の太い実線L1,L2で示される動作側および復帰側の接点追従(コンタクトフォローCF)部における吸引力特性の高い側の傾きを、細い実線L1’,L2’で示されるように変化させることができ、吸引力最大値を調整することができる。
具体的には、曲げ加工における曲げ角度θを、大きくすると、吸引力最大値の値を上げることができる。
これによって、バネ負荷特性が動作吸引力特性と復帰吸引力特性との間に、収まらないような場合には、鉄片22の上側および下側の延出部22a,22bの少なくとも一方を、曲げ加工して接点追従(コンタクトフォローCF)部における吸引力特性の傾きを調整してバネ負荷特性を、動作吸引力特性と復帰吸引力特性との間に、収めることができる。
この曲げ加工によって、延出部22a,延出部22bは、平面状の鉄片22の残余の部分から屈曲した形状となる。
なお、図7において、CGは、接点間隔(コンタクトギャップ)を示している。
このように、鉄片22の上側および下側の延出部22a,22bの少なくとも一方を、曲げ加工して吸引力特性を調整して吸引力特性とバネ負荷特性とを容易に整合させることができ、調整バネ等のバネ負荷特性を調整する従来例に比べて、小型化にも容易に対応できることになる。
特に、この実施の形態の電磁リレーは、安全回路に好適に用いられる、いわゆるセーフティリレーであり、可動ブロック5の回動によって移動体としてのカード3を介して複数のバネ機構を動作させるので、バネ負荷特性を調整して整合させようとすると、複数のバネ相互の整合と同時に、複数のバネを段階的に変化させて調整する必要があり、生産性が低下することになるが、この実施の形態では、コンタクトフォロー(CF)部における吸引力特性の傾きを調整して吸引力特性とバネ負荷特性とを整合させるので、バネ負荷特性を調整する場合に比べて、生産性を高めることができる。
また、可動ブロック5は、例えば、正方向のストロークエンドまで回動したときには、図6に示すように、電磁石ブロック4の上側のヨーク16のエッジ部分に、遮磁板24の上部が当接し、鉄片22とヨーク16との間に所要の遮磁間隔が確保される。
同様に、可動ブロック5は、逆方向のストロークエンドまで回動したときには、電磁石ブロック4の下側のヨーク16のエッジ部分に、遮磁板24の下部が当接し、鉄片22とヨーク16との間に所要の遮磁間隔が確保される。
このように、可動ブロック5は、その正逆の回動のストロークエンドにおいて、電磁石ブロック4の上側および下側のヨーク16の同一箇所に、遮磁板24の上部および下部の同一箇所が当接するように構成されており、この当接箇所よりも上下に延びる延出部22a,22bの曲げ加工の有無に拘わらず、常の一定の回動ストロークが確保されるように構成されている。
したがって、所望のストローク特性を満足させながら、延出部22a,22bの曲げ加工を行って接点追従(コンタクトフォロー)部における吸引力特性の傾きを調整して吸引力特性とバネ負荷特性とを整合できることになる。
このため、ストロークを短くして吸引力特性とバネ負荷特性とを整合させる場合のように、接点追従(コンタクトフォロー)が短くなって接触力が低下し、接点の接触不良が生じるといった不具合が発生することもない。
次に、この実施の形態の電磁リレーの特性調整方法について、更に詳細に説明する。
この実施の形態では、予め、同一仕様の電磁リレーについて、鉄片22の上側の延出部22aの曲げ加工量である曲げ角度と吸引力の変化量とを計測して相関データを準備する。
すなわち、図8(a)に示されるように、鉄片22の上側の延出部22aの曲げ角度を変えて吸引力特性を計測し、図8(b)に示される鉄片22の上側の延出部22bの曲げ加工量である曲げ角度(°)と吸引力の変化量(g)との相関データを得るものである。ここで、吸引力の変化量は、例えば、上述の図7の最小のストロークにおける吸引力の変化量である。
同様に、図9に示されるように、鉄片22の下側の延出部22bの曲げ加工量である曲げ角度(°)と吸引力の変化量(g)とを計測して相関データを準備する。
吸引力の変化量は、例えば、上述の図7の最大のストロークにおける吸引力の変化量である。
このようにして、予め、曲げ加工量とストロークの変化量との相関データを準備する。
あるいは、図10および図11に示すように、鉄片22の上側の延出部22aおよび下側の延出部22bを、上述とは逆方向、すなわち、ヨーク16から離反する方向に曲げ加工し、予め、曲げ加工量とストロークの変化量との相関データを準備する。
次に、図12に示されるように、特性を調整する電磁リレーについて、動作電圧および復帰電圧を印加して吸引力計測器29を用いて吸引力特性を計測する。なお、この図12においては、鉄片22の上側の延出部22aおよび下側の延出部22bを、ヨーク16から離反する方向に曲げ加工する場合について説明するが、ヨーク16へ近接する方向に曲げ加工する場合もその手順は、同様である。
計測した動作吸引力特性と復帰吸引力特性との間に、バネ負荷特性を収めるのに必要な吸引力の変化量を算出する。この吸引力の変化量の算出は、必要に応じて、鉄片22の上下の延出部22a,22bの両者について行う。
次に、算出した吸引力の変化量に対応する曲げ加工量である曲げ角度を、予め準備した上述の相関データから算出する。
次に、修正装置30を用いて、可動ブロック5の鉄片22の延出部22a,22bを、算出した曲げ角度までそれぞれ順番に曲げ加工する。
この修正装置30は、鉄片22を支える支持部31と、鉄片22の延出部22a,22bを押圧して曲げ加工する加工部32とを備えており、図12の部分拡大図に示されるように、鉄片22の部分を支持した状態で、例えば、延出部22aを矢符Bで示されるように押圧して曲げ加工を行う。
その後、吸引力計測器29を用いて再び吸引力特性を計測し、動作吸引力特性と復帰吸引力特性との間に、バネ負荷特性が収まったことを確認して終了する。なお、動作吸引力特性と復帰吸引力特性との間に、バネ負荷特性が収まっていないときには、調整を繰り返す。
なお、バネ材料のロット変動の情報などによって、予め曲げ角度が分かる場合には、可動ブロック5の鉄片22を先に曲げ加工し、その後に可動ブロック5と電磁石ブロック4と組み立て、その後に吸引力特性を計測するようにしてもよい。
(その他の実施の形態)
上述の実施の形態では、鉄片22は、上下の延出部22a,22bを薄く形成したものを用いたけれども、本発明の他の実施の形態として、図13に示されるように、2層構造の鉄片を用い、一層の鉄片の端部を、延出部22a,22bとしてもよい。
上述の実施の形態では、鉄片22は、上下の延出部22a,22bを薄く形成したものを用いたけれども、本発明の他の実施の形態として、図13に示されるように、2層構造の鉄片を用い、一層の鉄片の端部を、延出部22a,22bとしてもよい。
また、本発明の他の実施の形態として、図14に示されるように、鉄片22の上下の延出部22a,22bに曲げ溝33a,33bを形成し、この曲げ溝33a,33bに沿って容易に曲げ加工できるようにしてもよい。この曲げ溝33は、図14に示すように、ヨーク16に対向する側の面に限らず、対面する側とは逆の面に設けてもよい。
さらに、本発明の他の実施の形態として、図15に示されるように、上下の各ヨーク16の屈曲した対向する部分に曲げ溝34をそれぞれ形成し、この曲げ溝34に沿ってヨーク16の先端部分を、矢符Cで示されるように曲げ加工して、吸引力特性を調整してもよい。
上述の実施の形態では、鉄片およびヨークの少なくとも一方を曲げ加工して吸引力特性を調整したけれども、曲げ加工に限らず、例えば、鉄片およびヨークの対向する部分に、凹部や窪みを形成してもよく、予め磁性めっきを施した鉄片の磁性めっきをトリミング加工し、あるいは、レーザや熱によって吸引力特性を調整するようにしてもよい。
本発明は、電磁リレーとして有用である。
1 ベース 2 接点機構
4 電磁石ブロック 5 可動ブロック
16 ヨーク 本体 22 鉄片
22a,22b 先端部分 24 遮磁板
33a,33b 曲げ溝
4 電磁石ブロック 5 可動ブロック
16 ヨーク 本体 22 鉄片
22a,22b 先端部分 24 遮磁板
33a,33b 曲げ溝
Claims (14)
- コイルが巻回された鉄心を有する電磁石ブロックと、該電磁石ブロックのヨークに吸引、離反される鉄片を有して前記電磁石ブロックの励磁および消磁によって正逆に回動する可動ブロックと、該可動ブロックに連動する移動体を介して切換え操作される接点機構とを備える電磁リレーであって、
前記正逆の回動のストロークを変えることなく、接点追従(コンタクトフォロー)部における前記電磁石ブロックの吸引力特性の傾きを調整可能な調整部を有することを特徴とする電磁リレー。 - コイルが巻回された鉄心を有する電磁石ブロックと、該電磁石ブロックのヨークに吸引、離反される鉄片を有して前記電磁石ブロックの励磁および消磁によって正逆に回動する可動ブロックと、該可動ブロックに連動する移動体を介して切換え操作される接点機構とを備える電磁リレーであって、
接点追従(コンタクトフォロー)部における前記電磁石ブロックの吸引力特性の傾きを調整可能な調整部を有し、前記可動ブロックと前記電磁石ブロックとは、前記正逆の回動の各ストロークエンドでは、正逆に対応する同一箇所でそれぞれ当接することを特徴とする電磁リレー。 - 前記調整部は、前記ヨークと前記鉄片との相対向している磁極面を有し、前記磁極面の対向部分の面積および間隔の少なくともいずれか一方を調整して前記接点追従(コンタクトフォロー)部における前記吸引力特性の傾きを調整する請求項1または2に記載の電磁リレー。
- 前記ヨークおよび前記鉄片の少なくともいずれか一方を加工して前記磁極面の対向部分の面積および間隔の少なくともいずれか一方を調整する請求項3に記載の電磁リレー。
- 前記調整部は、前記可動ブロックが、前記正逆の回動の各ストロークエンドで前記電磁石にそれぞれ当接する箇所よりも回動端側に延出されて前記ヨークに対向する前記鉄片の第1,第2の延出部である請求項2に記載の電磁リレー。
- 前記第1の延出部および前記第2の延出部の少なくともいずれか一方が加工されている請求項5に記載の電磁リレー。
- 前記加工が曲げ加工である請求項4または6に記載の電磁リレー。
- 前記鉄片の前記第1の延出部および前記第2の延出部の少なくともいずれか一方の肉厚が、残余の部分よりも薄い請求項6または7に記載の電磁リレー。
- 前記鉄片を、複数枚重ねた積層構造とした請求項8に記載の電磁リレー。
- 前記第1の延出部および前記第2の延出部の少なくともいずれか一方の境界部分に、曲げ溝を有する請求項7〜9のいずれか1項に記載の電磁リレー。
- コイルが巻回された鉄心を有する電磁石ブロックと、該電磁石ブロックのヨークに吸引、離反される鉄片を有して前記電磁石ブロックの励磁および消磁によって正逆に回動する可動ブロックと、該可動ブロックに連動する移動体を介して切換え操作される接点機構とを備える電磁リレーの特性調整方法であって、
前記ヨークと前記鉄片との相対向している磁極面の対向部分の面積および間隔の少なくともいずれか一方を調整することにより、前記正逆の回動のストロークを変えることなく、接点追従(コンタクトフォロー)部における前記電磁石ブロックの吸引力特性の傾きを調整することを特徴とする電磁リレーの特性調整方法。 - 前記ヨークおよび前記鉄片の少なくともいずれか一方を加工して前記磁極面の対向部分の面積および間隔の少なくともいずれか一方を調整する請求項11に記載の電磁リレーの特性調整方法。
- 前記加工が曲げ加工である請求項12に記載の電磁リレーの特性調整方法。
- 前記電磁石ブロックの吸引力特性を計測するステップと、
計測された吸引力特性を、所要の吸引力特性に調整するのに必要な曲げ加工量を、予め得られた曲げ加工量と吸引力の変化量との相関データに基づいて求めるステップと、
求めた曲げ加工量に従って前記ヨークおよび前記鉄片の少なくともいずれか一方を曲げ加工するステップと、
を備える請求項13に記載の電磁リレーの特性調整方法。
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JP2005035801A JP2005276817A (ja) | 2004-02-23 | 2005-02-14 | 電磁リレーおよび電磁リレーの特性調整方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011238418A (ja) * | 2010-05-09 | 2011-11-24 | Kyoei Denko Co Ltd | 電磁リレーのヨークの構造 |
JP2014116173A (ja) * | 2012-12-10 | 2014-06-26 | Panasonic Corp | 電磁リレー |
-
2005
- 2005-02-14 JP JP2005035801A patent/JP2005276817A/ja active Pending
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