JP2005276755A - 電気光学装置及びその製造方法、蒸着装置、電子機器 - Google Patents

電気光学装置及びその製造方法、蒸着装置、電子機器 Download PDF

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【課題】 複数の構成元素を含む陰極の組成が高度に制御され、もって高効率の電荷輸送性を得られるとともに、容易に製造可能な電気光学装置を提供する
【解決手段】 本発明に係るEL表示装置は、画素電極と陰極との間に発光層60を挟持してなり、陰極50が、低仕事関数金属を含む第1金属層61と、前記低仕事関数金属より高い仕事関数を有する高仕事関数金属を含む第2金属層62とを交互に積層した積層金属膜51を備えた構成とされている。
【選択図】 図6

Description

本発明は、電気光学装置及びその製造方法、蒸着装置、電子機器に関するものである。
電気光学装置の一形態である有機エレクトロルミネッセンス装置(以下、有機EL装置とも言う)として、陰極と陽極の間に有機発光層を配設した構成のものが知られている。上記の構造を備えた有機EL素子では、陽極から直接または正孔注入層を介して発光層に注入された正孔と陰極から直接または電子注入層を介して発光層に注入された電子とが再結合することによって発光を生じる。
このような発光機構に基づく有機EL素子の発光特性を向上させるための手段としては、有機発光材料や注入材料(正孔注入材料,電子注入材料)の改良、陰極材料の選択や改良等が知られている。例えば特許文献1には、陰極にAlとLiとの合金を用いることが開示されており、特許文献2には、陰極にCaとLiとの合金を用いることが開示されている。
特開平5−121172号公報 特開平9−232079号公報
上述の各文献に記載の2元系材料からなる陰極を用いる場合、2つの蒸着源から同時に材料を気化させて基板上に蒸着するいわゆる共蒸着という成膜方法が用いられている。しかしながら、係る共蒸着を用いる成膜方法では、形成される薄膜の組成を高精度に制御できないという問題がある。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、複数の構成元素を含む陰極の組成が高度に制御され、もって高効率の電荷輸送性を得られるとともに、容易に製造可能な電気光学装置を提供することを目的としている。また本発明は、先の電気光学装置を容易かつ高い再現性をもって製造する方法を提供することを目的としている。
本発明は、上記課題を解決するために、陽極と陰極との間に電気光学層を挟持してなる電気光学装置であって、前記陰極が、低仕事関数金属を含む第1金属層と、前記低仕事関数金属より高い仕事関数を有する高仕事関数金属を含む第2金属層とを交互に積層した積層金属膜を備えていることを特徴とする電気光学装置を提供する。
係る構成の電気光学装置によれば、前記陰極が第1金属層と第2金属層とを交互に積層してなる積層金属膜を含む構成とされているので、低仕事関数金属による電気光学層への良好な電子注入性と、高仕事関数金属による良好な導電性とを兼ね備えた陰極とすることができる。これにより電気光学層に高効率に電子が供給され、表示が明るく、かつ低消費電力の電気光学装置を得ることができる。また、第1金属層と第2金属層とを積層形成する構成とされているので、共蒸着により2元素系の陰極を形成する場合と異なり、各層の層厚を変更するのみで容易に低仕事関数金属と高仕事関数金属との組成比を調整することが可能であり、また組成比の制御性、並びに再現性にも優れたものとなる。
またさらに上記構成の積層金属膜においては、その膜厚方向において第1金属層と第2金属層の膜厚を適宜変更することで、膜厚方向の部位により組成比を異ならせることができる。従って、例えば電気光学層の特性に合わせて積層金属膜の組成を変更でき、特性の最適化された電気光学装置を容易に得ることができる。
本発明の電気光学装置では、前記積層金属膜の構成層のうち、前記電気光学層と隣接する位置に配された層が前記第1金属層であることが好ましい。このような構成とすれば、前記電気光学層に隣接して低仕事関数金属からなる第1金属層が配されるので、陰極から電気光学層への電子注入性を高めることができる。
本発明の電気光学装置では、前記積層金属膜の構成層のうち、電気光学層と反対側の表層に配置された層が前記第2金属層であることが好ましい。このような構成とすれば、当該陰極に電流を供給する配線等との接続部につき導電性に優れた高仕事関数金属を含む第2金属層が配されるので、配線等から陰極への電子輸送性を良好なものとすることができる。
本発明の電気光学装置では、前記積層金属膜が、一定の膜厚の前記第1金属層と一定の膜厚の前記第2金属層とを交互に積層した構造を備えている構成とすることができる。この構成によれば、所望の特性を具備した積層金属膜を容易かつ効率的に製造可能になり、もって効率的に製造可能な電気光学装置を提供することができる。
本発明の電気光学装置では、前記積層金属膜の膜厚方向の複数の部位において、互いに隣接する前記第1金属層の膜厚d1と第2金属層の膜厚d2との比(d1/d2)が異なっている構成とすることもできる。この構成によれば、積層金属膜の膜厚方向にて低仕事関数金属と高仕事関数金属との組成比を任意に変更できるので、積層金属膜と隣接する層(電気光学層等)との界面近傍の状態を最適化することができるとともに、電気光学層の種類の変更にも容易に対応可能になる。
本発明の電気光学装置では、前記膜厚比(d1/d2)が、前記積層金属膜の膜厚方向において、前記電気光学層側では相対的に小さく、前記電気光学層と反対側では相対的に大きくなっている構成とすることが好ましい。この構成によれば、電気光学層と隣接する部位では低仕事関数金属の含有率を大きくして電気光学層への良好な電子注入性を得られ、かつ配線等と接続される電気光学層と反対側の部位においては高仕事関数金属による良好な導電性並びに安定性を得ることができる。従って、電気光学層への電子注入/輸送性に優れ、かつ被膜の安定性にも優れた陰極を得ることができる。
本発明の電気光学装置では、前記第1金属層及び第2金属層の層厚が、10nm以下であることが好ましい。また、より好ましくは、前記層厚は5nm以下であり、さらに望ましくは1nm以下である。この場合の層厚は、各蒸着源の成膜レートに基づく計算上の層厚であって、実際に形成した第1金属層及び第2金属層が、積層膜中で前記層厚を有する明確な層構造とされることを要しない。
前記層厚の下限値は、前記第1金属層及び第2金属層の形成に用いる蒸着装置等の成膜装置において、良好な再現性をもって均一な堆積が可能とされる最低厚さまで薄くすることができる。従って、可能ならば各層の層厚を0.1nm未満としてもよい。
本発明の電気光学装置では、前記積層金属膜の前記電気光学層と反対側に、前記高仕事関数金属を含み、前記積層膜を構成する第1金属層及び前記第2金属層より大きい膜厚を有する電極膜が設けられている構成とすることもできる。この構成によれば、導電性や膜質の安定性に優れた高仕事関数金属を含む電極膜により、積層金属膜への電子供給性を良好なものとすることができるとともに、積層金属膜(特にそれに含まれる低仕事関数金属)を良好に保護することが可能になる。
本発明の電気光学装置では、前記低仕事関数金属が、マグネシウム、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及び希土類金属からなる群より選ばれる1種以上の金属であることが好ましい。
また本発明の電気光学装置では、前記高仕事関数の金属材料が、導電性の遷移金属からなる群より選ばれる1種以上の金属であることが好ましい。
本発明の電気光学装置では、前記電気光学層が、有機発光層を含むものである構成とすることができる。この構成によれば、高効率に有機発光層への電子注入が成され、もって高輝度表示が可能であり、かつ低消費電力の有機エレクトロルミネッセンス装置を提供することができる。
次に、本発明の電気光学装置の製造方法は、陽極と陰極の間に電気光学層を挟持してなる電気光学装置の製造方法であって、前記陰極を形成する工程が、低仕事関数の金属材料を含む第1金属層と、前記低仕事関数の金属材料より高い仕事関数を有する金属材料を含む第2金属層とを交互に積層することにより積層金属膜を形成する工程を含む工程であることを特徴としている。
このように、陰極形成工程に積層金属膜を形成する工程が含まれる製造方法を採用することで、第1金属層及び第2金属層のそれぞれの層厚を適宜変更することで容易に積層金属膜における低仕事関数金属と高仕事関数金属との組成比を調整することが可能になる。従って従来の共蒸着による2元素系の陰極の形成方法では得られなかった高精度の組成比制御が可能になる。また共蒸着の場合には蒸着源の状態が経時的に変化した場合、形成する陰極の組成比が変化することが問題となるが、本製造方法では、複数の金属層を交互に成膜するので、それらの成膜速度が経時的に変化したとしても容易に修正することが可能であり、長時間の成膜処理に耐える量産に好適な製造方法である。
本発明の電気光学装置の製造方法では、前記積層金属膜を形成するに際して、前記第1金属層と、該第1金属層と隣接する前記第2金属層との膜厚比を変化させつつ複数の前記第1金属層及び第2金属層を積層することもできる。
この製造方法によれば、積層金属膜の膜厚方向にて、低仕事関数金属と高仕事関数金属との組成比を容易に調整できるので、電気光学層又は配線等との組み合わせに係る特性の最適化を容易に行うことができる。
本発明の電気光学装置の製造方法では、前記積層金属膜を形成するに際して、前記第1金属層の膜厚d1と、該第1金属層と隣接する前記第2金属層の膜厚d2との比(d1/d2)が、当該積層金属膜の膜厚方向における前記電気光学層側では相対的に大きく、前記電気光学層と反対側では相対的に小さくなるように前記第1金属層及び第2金属層を積層することもできる。
この製造方法によれば、積層金属膜の膜厚方向の電気光学層側では、低仕事関数金属の含有率を高めて良好な電子注入性を得られ、また電気光学層と反対側の配線等との接続部を成す部位においては、高仕事関数金属の含有率を高めて良好な導電性、及び膜質安定性を得ることができる。従って本製造方法によれば電気光学層に対して高効率に電子を供給できる陰極を具備し、もって明るい表示の得られる電気光学装置を製造できる。
次に、本発明の蒸着装置は、基体上に堆積させる蒸着種を放出する複数の蒸着源を具備してなる蒸着装置であって、前記複数の蒸着源から放出される蒸着種を自身の開閉動作によって遮蔽可能な遮蔽手段と、所定の前記蒸着種のみが前記基体上に堆積されるように前記遮蔽手段の開閉動作を制御し、前記基体上に複数種の蒸着種を順次堆積させる成膜制御手段とを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、前記成膜制御手段によって、特定の蒸着種のみを基体上に選択的に堆積させることができる蒸着装置を提供することができるので、先に記載の本発明に係る電気光学装置の製造法に用いて好適な蒸着装置が提供される。
本発明の蒸着装置は、前記遮蔽手段が、前記複数の蒸着源のそれぞれに対応して複数設けられており、前記成膜制御手段が、前記複数の遮蔽手段を順次開閉して前記基体上に複数種の蒸着種を順次堆積させる構成とすることもできる。
本発明の蒸着装置は、前記遮蔽手段に、前記複数の蒸着源に跨って対向配置される遮蔽板と、該遮蔽板を板面内で回動ささせる回転駆動部とが設けられ、前記遮蔽板の板面には、所定の前記蒸着種のみを通過させるための開口部が設けられており、前記遮蔽板の回転により前記開口部の位置を順次移動し、前記開口部を介して所定の蒸着種を順次前記基体上に堆積させるように前記回転駆動部を駆動制御する成膜制御手段を備えた構成とすることもできる。
本発明の蒸着装置は、基体上に堆積させる蒸着種を放出する複数の蒸着源を成膜容器内に配置してなる蒸着装置であって、前記複数の蒸着源が、前記成膜容器内を区画してなる複数の蒸着室にそれぞれ配置されるとともに、前記複数の蒸着室間で前記基体を移動する基体搬送手段が設けられており、
前記基体搬送手段を駆動して前記基体を複数の前記蒸着室間で相互に移動して該基体上に所定の前記蒸着種を順次堆積させる成膜制御部を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、基体を移動させることによって当該基体上に堆積させる蒸着種を選択でき、もって特定の蒸着種のみを基体上に堆積させる動作を繰り返すことができ、所定の積層構造を備えた積層金属膜を形成できる蒸着装置が提供される。
次に、本発明の電子機器は、先に記載の本発明の電気光学装置を備えたことを特徴とする。この構成によれば、発光効率が高く、あるいは低消費電力の表示部を具備した電子機器が提供される。
(EL表示装置)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、本発明に係る電気光学装置の一実施の形態として、電気光学物質の一例である電界発光型物質、中でも有機エレクトロルミネッセンス(EL)材料を用いたEL表示装置について説明する。
図1は、EL表示装置1の配線構造を示す図である。EL表示装置1は、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下TFTと略記する)を用いたアクティブマトリクス型のEL表示装置である。
EL表示装置(電気光学装置)1は、図1に示すように、複数の走査線101と、各走査線101に対して直角に交差する方向に延びる複数の信号線102と、各信号線102に並列に延びる複数の電源線103とがそれぞれ配線された構成を有する。
走査線101と信号線102の各交点付近に画素領域Xが設けられている。走査線101には、シフトレジスタ及びレベルシフタを備える走査線駆動回路80が接続されている。信号線102には、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン及びアナログスイッチを備えるデータ線駆動回路100が接続されている。
画素領域Xの各々には、走査線101を介してゲート電極への走査信号の供給を受けるスイッチング用TFT112と、このスイッチング用TFT112を介して信号線102から供給される画素信号を保持する保持容量113と、該保持容量113によって保持された画素信号がゲート電極に供給される駆動用TFT123とが設けられている。また、駆動用TFT123を介して電源線103に電気的に接続したときに該電源線103から駆動電流が流れ込む画素電極(電極)23と、この画素電極23と陰極(電極)50との間に挟み込まれた機能層110とが設けられている。本EL表示装置にあっては、画素電極23と陰極50と機能層110とにより発光素子(有機EL素子)が構成されている。
上記EL表示装置1において、走査線101が駆動されてスイッチング用TFT112がオン状態とされると、そのときの信号線102の電位が保持容量113に保持され、該保持容量113の状態に応じて、駆動用TFT123のオン/オフ状態が定まる。そして、駆動用TFT123のチャネルを介して、電源線103から画素電極23に電流が流れ込み、陰極50との間の機能層110に流れる電流量に応じて機能層110が発光する。
次に、EL表示装置1の具体的な構成について図2〜図5を参照して説明する。
EL表示装置1は、図2に示すように、支持体である基板20上に設けられた画素部3を主体として構成されている。EL表示装置1はアクティブマトリクス型であるので、前記画素部3には、図示は省略しているが、平面視マトリクス状に配列された複数の画素電極、及びこれらの画素電極に対応して設けられたTFT、及びそれに接続された信号線や電源線等が設けられている。
なお、本発明においては、基板20と後述するようにこれの上に形成されるスイッチング用TFTや各種回路、及び層間絶縁膜などを含めて、基体と称している。(図3、4中では符号200で示している。)
画素部3は、中央部分の実表示領域4(図2中二点鎖線枠内)と、実表示領域4の周囲のダミー領域5(一点鎖線及び二点鎖線の間の領域)とに区画されている。実表示領域4には、それぞれに画素電極を有する表示領域R、G、Bが図示A−B方向及びC−D方向にそれぞれ所定の間隔で離間した状態でマトリクス状に配列されている。実表示領域4の図2中両側には、走査線駆動回路80、80が配置されている。これら走査線駆動回路80、80は、実際には、ダミー領域5の下層部に形成されている。
さらに、実表示領域4の図2中上側には、検査回路90が配置されている。この検査回路90は、EL表示装置1の作動状況を検査するための回路であって、例えば検査結果を外部に出力する検査情報出力手段(図示せず)を備え、製造途中や出荷時の表示装置の品質、欠陥の検査を行うことができるように構成されている。なお、この検査回路90も、ダミー領域5の下層部に形成されている。
走査線駆動回路80及び検査回路90は、その駆動電圧が、所定の電源部から駆動電圧導通部310(図3参照)及び駆動電圧導通部340(図4参照)を介して印加されるよう構成されている。また、これら走査線駆動回路80及び検査回路90への駆動制御信号及び駆動電圧は、このEL表示装置1の作動制御を行う所定のメインドライバなどから駆動制御信号導通部320(図3参照)及び駆動電圧導通部350(図4参照)を介して送信及び印加されるようになっている。なお、この場合の駆動制御信号とは、走査線駆動回路80及び検査回路90が信号を出力する際の制御に関連するメインドライバなどからの指令信号である。
EL表示装置1は、図3、図4に示すように基体200上に画素電極23と正孔注入層70と発光層60と陰極50とを積層してなる発光素子(有機EL素子)を多数形成し、さらにこれらを覆って緩衝層210、ガスバリア層30等を形成したものとなっている。この場合、上記発光層60と正孔注入/輸送層70とからなる層が、図1に示した機能層110に相当するものとなる。
画素電極23と陰極50との間に挟み込む機能層には、発光層60を単体で用いることもできるが、発光層60とともに正孔注入/郵送層70を用いることで発光素子の効率を向上させることができる。さらには、前記発光層60及び正孔注入/輸送層70とともに、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層などのキャリア注入層またはキャリア輸送層を備えるものであってもよい。さらには、正孔阻止層(ホールブロック層)、電子阻止層(エレクトロンブロック層)を備えるものであってもよい。
基体200を構成する基板20としては、ボトムエミッション型のEL表示装置の場合には、基板20側から発光光を取り出す構成であるので、基板20としては、透明あるいは半透明のものを用いる。例えば、ガラス、石英、樹脂(プラスチック、プラスチックフィルム)等が挙げられ、特にガラス基板が好適である。トップエミッション型のEL表示装置の場合、この基板20の対向側であるガスバリア層30側から発光光を取り出す構成であるので、透明基板及び不透明基板のいずれも用いることができる。不透明基板としては、例えばアルミナ等のセラミックス、ステンレススチール等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したもの、また熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂、さらにはそのフィルム(プラスチックフィルム)などが挙げられる。
基板20上には、画素電極23を駆動するための駆動用TFT123などを含む回路部11が形成されており、その上に発光素子(有機EL素子)が多数設けられている。発光素子は、図5に示すように、陽極として機能する画素電極23と、この画素電極23からの正孔を注入/輸送する正孔注入/輸送層70と、電気光学物質の一つである有機EL物質を含む発光層60と、陰極50とが順に形成された構成を備えている。そして、この構成のもと、発光素子はその発光層60において、正孔注入/輸送層70から注入された正孔と陰極50から供給された電子との再結合により発光を得るようになっている。
画素電極23は、ボトムエミッション型ではITO(インジウム錫酸化物)等の透光性導電材料により形成される。トップエミッション型の場合には透光性である必要はなく、適宜な導電材料により形成できる。上記画素電極23上に配される正孔注入/輸送層70の形成材料としては、例えばポリチオフェン誘導体、ポリピロール誘導体など、またはそれらのドーピング体などを用いることができる。具体例を挙げるならば、3,4−ポリエチレンジオシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)の分散液、すなわち、分散媒としてのポリスチレンスルフォン酸に3,4−ポリエチレンジオシチオフェンを分散させ、さらにこれを水に分散させた分散液を用いた液相法により形成することができる。
発光層60の形成材料としては、蛍光あるいは燐光を発することが可能な公知の発光材料を用いることができる。具体的には、(ポリ)フルオレン誘導体(PF)、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)などのポリシラン系などが好適に用いられる。
また、これらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素などの高分子系材料や、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等の低分子材料をドープして用いることもできる。また上述した高分子材料に代えて、従来公知の低分子材料を用いることもできる。
さらに発光層60上には、必要に応じて電子注入層を形成することもできる。
本実施形態に係るEL表示装置1では、正孔注入/輸送層70と発光層60とは、図3〜図5に示すように基体200上にて格子状に形成された親液性制御層25と有機バンク層221とによって囲まれて配置され、これにより囲まれた正孔注入/輸送層70及び発光層60は単一の発光素子(有機EL素子)を成す素子層を構成している。
ここで、図5に示すように、上記有機バンク層221の開口部221aの各壁面の基体200表面に対する角度は110度以上170度以下の範囲とされている。係る角度とするならば、発光層60をウエットプロセスにより形成する際に、開口部221a内に配置されやすくなり製造工程上好ましい。
陰極50は、図3及び図4に示すように、実表示領域4及びダミー領域5の総面積より広い面積に形成され、前記両領域4,5を覆うように形成されている。すなわち、陰極50は、発光層60と有機バンク層221の上面、さらには有機バンク層221の外側部を形成する壁面を覆った状態で基体200上に形成されている。そして陰極50は、図4に示すように有機バンク層221の外側で基体200の外周部に形成された陰極用配線202に接続されている。この陰極用配線202にはフレキシブル基板が接続されており、このフレキシブル基板上の配線を介して図示しない駆動IC100(図2参照。)と導電接続されている。
ここで図6(a)は、陰極50を含む発光素子の要部を拡大して示す断面構成図であり、図6(b)は、陰極50を構成する積層金属膜51を拡大して示す断面構成図である。同図に示すように、本実施形態の場合、陰極50は、発光層60側から順に積層金属膜51と電極膜52とを積層した構造を備えている。
積層金属膜51は、図6(b)に示すように、複数の第1金属層61と複数の第2金属層62とを交互に積層した構造を備えている。そして、第1金属層61は、いわゆる低仕事関数金属を主体としてなる層であり、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及び希土類金属から選ばれる1種以上の金属であることが好ましい。具体的には、Mg,Na,Li,Cs,Rb,Ca,Ba,Sr,Yb,Er,Tb,Sm,La等から選択される金属材料により形成できる。
また第2金属層62は、前記低仕事関数金属より高い仕事関数を有する高仕事関数金属を主体としてなる。例えば、良好な導電性を有する遷移金属を好適なものとして挙げることができる。具体的には、Ag,Au,Zn,Fe,Cr,Al等から選択される金属材料により形成できる。
なお、第2金属層62の形成材料を成す高仕事関数金属は、上に挙げた遷移金属から選択した金属を用いることが好ましいが、先の低仕事関数金属より高い仕事関数を有する金属であれば適用することが可能である。
上記構成の積層金属膜51における第1金属層61と第2金属層62の組み合わせとしては、Mg/Ag、Mg/Au、あるいはLi/Alの組み合わせであることが好ましい。これらの組み合わせを採用することで、発光層60への良好な電子注入性を得ることができる。
積層金属膜51の膜厚は、ボトムエミッション型の場合には、20〜200nmの範囲とすることが好ましい。このような範囲の膜厚とすれば、発光層60にて発生した光を良好に反射し、基板20側への光取り出し効率を高めることができる。200nmを超える膜厚としても、積層金属膜51による効果はほとんど変わらず、むしろ積層金属膜51を形成する工程に長時間を要することとなるため好ましくない。トップエミッション型の場合には、積層金属膜51の膜厚は5〜20nmの範囲とすることが好ましい。発光層60からの出力光を良好に透過させる必要があるからである。膜厚が5nm未満であると、積層金属膜51を設けることによる発光層60への電子注入性を向上させる効果が十分に得られない。
第1金属層61及び第2金属層62の層厚は、形成する積層金属膜51の組成により適宜異ならせることとなるが、例えば第1金属層61としてマグネシウム(Mg)を用い、第2金属層62として銀(Ag)を用いて、Mg/Agの組成比が1:10である積層金属膜51を形成する場合には、例えば第1金属層61の層厚を0.1nm、第2金属層62の層厚を1nmとして、所定の合計膜厚となるまで第1金属層61と第2金属層62とを交互に積層すればよい。
第1金属層61、第2金属層62の1層の層厚は、10nm以下であることが好ましい。また、より好ましくは、前記層厚は5nm以下であり、さらに望ましくは1nm以下である。10nmを超える層厚では、構成元素によっては下層を覆うような被膜を形成する場合があり、このように被膜が形成されると導電性や電子注入性を低下させるおそれがある。また上記層厚は可能な限り薄くすることが好ましいが、成膜装置の性能によっては基板上への堆積状態に不均一を生じる可能性があり、また金属積層膜51の成膜時間が長くなり製造効率を低下させる可能性もあるため、過度に薄くすることは却って好ましくない。
上記積層構造を具備した積層金属膜51において、発光層60と隣接する層には、前記低仕事関数金属を主体とする第1金属層61が配置されることが好ましい。このような構成とすることで、低仕事関数金属からなる第1金属層61と高仕事関数金属からなる第2金属層62とを積層した構造であっても、発光層60への良好な電子注入性を得ることができ、発光素子を高効率に発光させることができる。
他方、積層金属膜51の発光層60と反対側の表層には、高仕事関数金属を主体とする第2金属層62が配置されることが好ましい。このような構成とすることで、上記低仕事関数金属に比して安定であり、かつ良好な導電性を有する高仕事関数金属と電極膜52とが当接することとなるので、電極膜52から積層金属膜51への円滑な電子輸送を実現できる。そして、上記第1金属層61を発光層60側へ配し、かつ電極膜52側に第2金属層62を配するならば、陰極配線から電極膜52及び積層金属膜51を介して発光層60に到る経路における電子輸送が円滑に成され、さらに高効率に発光素子を発光させることができる。
陰極50の図示上層側を構成する電極膜52の材料としては、先の第2金属層62を構成する高仕事関数金属、すなわち良好な導電性を有する遷移金属を用いることができる。電極膜52の形成材料は、前記積層金属膜51の第2金属層62と同一の金属材料としてもよく、異なる材料とすることもできる。なお、トップエミッション型の場合には光透過性である必要があるので、電極膜52にはITO等の透光性導電材料が用いられる。
また本実施形態に係る積層金属膜51では、互いに隣接する第1金属層61の層厚d1(図6(b)参照)と第2金属層62の層厚d2との比(d1/d2)が、積層金属膜51の膜厚方向(積層方向)で連続的に又は部分的に異なっている構成とすることができる。例えば、積層金属膜51の発光層60側の部位で先の層厚比(d1/d2)を大きくすれば、低仕事関数金属を主体とする第1金属層61の割合が大きくなるので、積層金属膜51から発光層60への電子注入性を向上させることができる。また、発光層60と反対側の部位で層厚比(d1/d2)を小さくすれば、高仕事関数金属の割合が大きくなるので、電極膜52からの電子輸送性が良好になる。
また発光層60と隣接する部位の層厚比(d1/d2)を大きくするとともに電極膜52と隣接する部位の層厚比(d1/d2)を小さくし、さらにそれらの中間の部位では層厚比(d1/d2)が、前記両端の部位の中間の比となっている構成とすることもできる。この場合、層厚比(d1/d2)を膜厚方向で連続的に変化させて形成する場合に比して、形成工程で層厚比(d1/d2)を変化させる回数が少なくなるので、製造工程の簡素化、及び容易性の点で都合がよい。
このように陰極50として、その下層側(発光層60側)に、低仕事関数金属を主体とする第1金属層61と高仕事関数金属を主体とする第2金属層62とを交互に複数層積層した積層金属膜51を備えたものとしたことで、本実施形態に係る発光素子は、電極膜52から積層金属膜51を介して発光層60に良好に電子注入が成され、高効率に発光可能な発光素子となっている。
従来のLi/Al系材料等を用いた陰極では、2元素の蒸着種を同時に堆積させる共蒸着により成膜を行っていたため、上記2元素の組成比を制御するのが困難であるという問題があったが、本実施形態の如く第1金属層61と第2金属層62とを交互に積層する構成としたことで、積層金属膜51全体での組成比を高精度に制御することが可能になっている。さらには、発光層60側及びその反対側の電極膜52側でそれぞれ適切な組成比の積層膜を形成できるため、良好な導電性と電子注入性とを具備した高性能の陰極とすることができる。
陰極50の上層側には、図6(a)に示すような陰極保護層55を形成してもよい。係る陰極保護層55は珪素化合物や金属化合物などの無機化合物により形成され、陰極保護層55を設けることで製造プロセス時に陰極50が腐食されてしまうのを防止できる。また陰極50を無機化合物からなる陰極保護層55で覆うことにより、陰極50及び発光層60への酸素等の侵入を良好に防止することができる。なお、陰極保護層55は、10nmから300nm程度の厚さに形成することが好ましく、基体200の外周部の絶縁層284を覆う領域まで延設しておくのがよい。
陰極50(又は陰極保護層55)上には、有機バンク層221よりも広い範囲で陰極50を覆う緩衝層210が設けられている。緩衝層210は、有機バンク層221の形状に倣う凸凹形状を有する陰極50上の領域を平坦化するように形成される。そして緩衝層210は、基体200側から発生する反りや体積変化により発生する応力を緩和し、有機バンク層221から陰極50等が剥離するのを防止する機能を奏する。また緩衝層210の上面はほぼ平坦化されているので、その上に形成されるガスバリア層30の平坦性も保持でき、応力集中によるガスバリア層30のクラックを防止することができる。
緩衝層210の形成材料としては、主成分としてエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリエステルなどを含む有機化合物材料が好ましい。これらの有機化合物材料は、有機溶剤で希釈して粘度を調整可能であり、また下記の反応材料を混合してエポキシオリゴマー、アクリルオリゴマー、ポリウレタン等とすることで光硬化性ないし熱硬化性を付与できる点で利便性が高い。上記反応材料としては、湿気によって反応が進行するトリレンジイソシアネートなどのイソシアネート化合物やメチルトリメトキシシランなどのアルコキシシラン化合物、或いは、アミノケトンやヒドリキシケトン、ビスアシルフォスフィンフオキサイドなどの光重合反応剤を用いるのがよい。これらの反応材料を混合すれば、比較的低温の加熱処理或いは光照射により反応を進行させ、緩衝層210を硬化させることができるので、発光層60の耐熱上限温度(約120℃〜140℃)以下の温度で緩衝層210を硬化でき、加熱による発光層60への悪影響を抑えることができる。なお、緩衝層形成材料には、乾燥重合時の収縮防止などを目的として微粒子を添加してもよい。
緩衝層210上には、この緩衝層210が露出している部位をも覆うようにしてガスバリア層30が設けられている。ガスバリア層30は、基体200外周部の絶縁層284上まで延設されている。この絶縁層284上に配されたガスバリア層30は、先に記載の陰極保護層55と当接していても構わない。
ガスバリア層30は、内側の陰極50や発光層60への酸素や水分の浸入を防止し、酸素や水分による陰極50や発光層60の劣化等を抑えるために設けられる層であり、例えば無機化合物により形成される。係るガスバリア層30の形成材料としては、好ましくは珪素化合物、すなわち珪素窒化物や珪素酸窒化物、珪素酸化物等を用いるのがよい。また珪素化合物以外でも、例えばアルミナや酸化タンタル、酸化チタン、さらには他のセラミックス等もその形成材料として適用できる。
ガスバリア層30が無機化合物で形成されていれば、特に陰極50上層側の電極膜52がITOである場合に、ガスバリア層30と陰極50との密着性を良好なものとすることができ、欠陥のない緻密なガスバリア層30を形成できるので、酸素や水分に対するバリア性をより良好なものとすることができる。
ガスバリア層30としては、例えば上述した珪素化合物から選択した2種以上の材料からなる層を積層した構造も適用できる。例えば、陰極50側から珪素窒化物層、珪素酸窒化物層の順に形成した構成や、陰極50側から珪素酸窒化物層、珪素酸化物層の順に積層した構成とすることができる。
また、組成比の異なる珪素酸窒化物層を2層以上積層する構成も適用することができる。この場合、内側(陰極50側)の珪素窒化物層の酸素濃度が、外側の珪素窒化物層の酸素濃度より低くなるようにすることが好ましい。このように陰極50側の珪素窒化物層の酸素濃度を低くすることで、ガスバリア層30中の酸素が陰極50を通ってその内側の発光層60に到り、発光層60を劣化させてしまうといったことも防止でき、発光層60の長寿命化を図ることができる。
ガスバリア層30としては、積層構造とすることなく、その組成を不均一にして特にその酸素濃度が連続的に、あるいは非連続的に変化するような構成とすることもできる。この場合にも、陰極50側の酸素濃度が外側の酸素濃度より低くなるようにすることが、上述した理由にから好ましい。
ガスバリア層30の層厚は、10nm以上500nm以下の範囲であることが好ましい。10nm未満である場合、膜の欠陥や膜厚のバラツキなどによって部分的に孔が形成されてしまい、ガスバリア性を損なうおそれがある。また500nmを越えると応力による割れが生じ易くなるからである。
またトップエミッション型のEL表示装置を構成する場合、そのガスバリア層30は透光性とする必要がある。この場合、その材質や膜厚を適宜に調整することにより、可視光領域における光線透過率を例えば80%以上とすることが好ましい。
ガスバリア層30上には、図5及び図6(a)に示すように、ガスバリア層30を覆う保護層204が設けられている。この保護層204は、ガスバリア層30側に配された接着層205と表面保護層206とを備えて構成されている。
接着層205は、ガスバリア層30上に表面保護層206を固定し、また外部からの機械的衝撃に対して緩衝機能を奏するものである。この接着層205は、例えばウレタン系、アクリル系、エポキシ系、ポリオレフィン系などの樹脂材料を用いるとともに、後述する表面保護層206に比して柔軟でガラス転移点の低い材料からなる接着剤として形成されたものである。このような接着剤には、シランカップリング剤またはアルコキシシランを添加しておくのが好ましく、このようにすれば、形成される接着層205とガスバリア層30との密着性を向上させることができ、機械的衝撃に対する緩衝機能が高くなる。
また、特にガスバリア層30が珪素化合物で形成されている場合などでは、シランカップリング剤やアルコキシシランによってこのガスバリア層30との密着性を向上させることができ、したがってガスバリア層30のガスバリア性を高めることができる。
表面保護層206は、接着層205上に設けられて保護層204の表面側を構成するものであり、耐圧性や耐摩耗性、外部光反射防止性、ガスバリア性、紫外線遮断性などの機能の少なくとも一つを有してなる層である。具体的には、高分子層(プラスチックフィルム)やDLC(ダイアモンドライクカーボン)層、ガラスなどによって形成できる。なお、トップエミッション型のEL表示装置とする場合には、表面保護層206、接着層205を共に透光性のものにする必要がある。
次に、発光素子の下層側に設けられた回路部11について図5を参照して説明する。この回路部11は、基板20上に形成されて基体200を構成している。基板20の表面には下地としてSiOを主体とする下地保護層281が形成され、その上にはシリコン層241が形成されている。このシリコン層241の表面には、SiO及び/またはSiNを主体とするゲート絶縁層282が形成されている。
シリコン層241のうち、ゲート絶縁層282を挟んでゲート電極242と重なる領域がチャネル領域241aを成している。このゲート電極242は、図示しない走査線101の一部である。一方、シリコン層241を覆い、ゲート電極242を形成したゲート絶縁層282の表面には、SiOを主体とする第1層間絶縁層283が形成されている。
またシリコン層241のうち、チャネル領域241aのソース側には、低濃度ソース領域241b及び高濃度ソース領域241Sが形成される一方、チャネル領域241aのドレイン側には低濃度ドレイン領域241c及び高濃度ドレイン領域241Dが設けられており、いわゆるLDD(Light Doped Drain)構造を形成している。
高濃度ソース領域241Sは、ゲート絶縁層282と第1層間絶縁層283とに渡って開孔するコンタクトホール243aを介して、ソース電極243に接続されている。ソース電極243は、上述した電源線103(図1参照、図5においてはソース電極243の位置に紙面垂直方向に延在する)の一部として構成されている。一方、高濃度ドレイン領域241Dは、ゲート絶縁層282と第1層間絶縁層283とに渡って開孔するコンタクトホール244aを介してソース電極243と同一層からなるドレイン電極244に接続されている。
ソース電極243及びドレイン電極244が形成された第1層間絶縁層283の上層は、例えばアクリル系の樹脂成分を主体とする第2層間絶縁層284によって覆われている。この第2層間絶縁層284は、アクリル系の絶縁膜以外の材料、例えば、SiN、SiOなどを用いることもできる。そして、第2層間絶縁層284の表面上にITOからなる画素電極23が形成され、その一部は第2層間絶縁層284に設けられたコンタクトホール23aを介してドレイン電極244に接続されている。すなわち、画素電極23は、ドレイン電極244を介して、シリコン層241の高濃度ドレイン領域241Dに接続されている。
なお、走査線駆動回路80及び検査回路90に含まれるTFT(駆動回路用TFT)、すなわち、例えばこれらの駆動回路のうち、シフトレジスタに含まれるインバータを構成するNチャネル型又はPチャネル型のTFTは、画素電極23と接続されていない点を除いて駆動用TFT123と同様の構造とされている。
画素電極23が形成された第2層間絶縁層284の表面には、画素電極23と、上述した親液性制御層25及び有機バンク層221とが設けられている。親液性制御層25は、例えばSiOなどの親液性材料を主体とするものであり、有機バンク層221は、アクリルやポリイミドなどからなるものである。親液性制御層25に設けられた開口部25a、及び有機バンク層221に囲まれてなる開口部221aの内部の画素電極23上に、正孔注入/輸送層70と発光層60とがこの順に積層されている。なお、本実施形態における親液性制御層25の「親液性」とは、少なくとも有機バンク層221を構成するアクリル、ポリイミドなどの材料と比べて親液性が高いことを意味している。
以上に説明した基板20上の第2層間絶縁層284までの層により、先の回路部11が構成されている。
ここで、本実施形態のEL表示装置1は、カラー表示を行うべく、各発光層60が、その発光波長帯域が光の三原色にそれぞれ対応して形成されている。例えば、発光層60として、発光波長帯域が赤色に対応した赤色用発光層、緑色に対応した緑色用発光層、青色に対応した青色用有機EL層とをそれぞれに対応する表示領域R、G、Bに設け、これら表示領域R、G、Bをもってカラー表示を行う1画素を形成する構成が適用できる。また、各色表示領域の境界には、金属クロムをスパッタリングなどにて成膜した図示略のBM(ブラックマトリクス)が、例えば有機バンク層221と親液性制御層25との間に形成されている。
(EL表示装置の製造方法)
次に、本実施形態に係る電気光学装置の製造方法の一実施の形態として、先の実施形態に係るEL表示装置1の製造方法について説明する。
<蒸着装置>
まず製造方法の説明に先立ち、EL表示装置1の製造に好適に用いることができる3種類の蒸着装置300,400,500の構成について説明する。図7は蒸着装置300、図8は蒸着装置400、図9は蒸着装置500をそれぞれ示す図である。
[第1構成例]
まず、蒸着装置の第1構成例としての蒸着装置300について図7を参照して説明する。図7(a)の側断面図に示すように、蒸着装置300は、箱形の成膜容器310と、その内部に収容された2つの蒸着源331,332と、これらの蒸着源331,332に対応して設けられた2つのシャッタ321,322とを主体として構成されている。成膜容器310は、蒸着源331,332等を収容した蒸着室311を主体としてなり、蒸着室311の上方に、基体搬入部312と、基体搬出部313とが設けられている。これら基体搬入部312と基体搬出部313との間の成膜容器310内に基体20が支持されて成膜工程に供されるようになっている。蒸着室311の底部近傍の側壁部に、ゲートバルブ315を介して真空ポンプ316が接続されている。
なお、基体搬入部312及び基体搬出部313は、蒸着室311内を真空状態に保持したまま基板20の導入/導出を行えるようになっており、複数の基板20への成膜を連続的に処理できるようになっている。
蒸着室311の底部に、2つの蒸着源331,332が配置され、これらの蒸着源331,332の背面側(図示下面側)にヒータ(加熱手段)337,337がそれぞれ配設されている。蒸着源331はボート334と、ボート334上に載置された成膜材料341とを備えており、蒸着源332はボート334と、ボート334上に載置された成膜材料342とを備えている。これらの蒸着源331,332では、ヒータ337によりボート334を加熱することで、成膜材料341,342から蒸着種を放出させるようになっている。
蒸着源331,332と基体20との間には、シャッタ(遮蔽手段)321,322がそれぞれの蒸着源に対応して配置されている。図7(b)は、基板20側から蒸着源331,332を見た平面図である。シャッタ321,322は、それぞれ平面視半円状を成す板状の部材であり、蒸着室311内にて蒸着源331,332を隔離するように立設された隔壁部材318を挟んで両者が略円形状を成すように配置されている。シャッタ321,324は、図7(b)上方の端部において、図7(a)上下方向に延びる駆動軸323,322によってそれぞれ軸支されている。駆動軸323,324は、成膜制御手段350に接続されており、係る成膜制御手段350から供給される駆動信号により軸周りに回転し、シャッタ321,322をそれらの板面内で回動可能とされている。
そして、図7(b)に示すように、シャッタ321,322は、上記回動動作によって、蒸着源331,332と基板20との間で開閉動作可能になっている。また成膜制御手段350は、シャッタ321,322を連動して動作させることが可能であり、図7(b)に示すようにシャッタ321を「開」位置、シャッタ322を「閉」位置とした状態と、同図に2点鎖線で示すシャッタ321が「閉」位置、シャッタ322を「開」位置とした状態とを切り替えるように動作させることができる。すなわち、シャッタ321が「開」位置、シャッタ322が「閉」位置である場合、蒸着源331の成膜材料341から放出される蒸着種のみを選択的に基板20上に堆積させることができ、逆にシャッタ321が「閉」位置、シャッタ322が「開」位置である場合には、蒸着源332の成膜材料342から放出される蒸着種のみを選択的に基板20上に堆積させることができる。
[第2構成例]
次に、蒸着装置の第2構成例としての蒸着装置400について図8を参照して説明する。図8(a)は蒸着装置400の側断面図である。図8において、図7と同一の符号が付された構成要素は同様の構成要素であり、以下ではその詳細な説明は省略する。
図8に示す蒸着装置400は、成膜容器310内に配された蒸着源331,332と基板20との間に設けられたシャッタ(遮蔽手段)421、及びそれに接続された成膜制御手段450の形態に特徴を有しており、その他の構成は先の蒸着装置300と同様である。図8(b)は、基板20側から蒸着源331,332を見た平面図である。図8(a)、(b)に示すようにシャッタ421は円盤状の部材であって、その板面内に平面視矩形状の開口部421aが設けられたものである。そして、シャッタ421は、その円心にて駆動軸423により支持され、駆動軸423はそれに接続された成膜制御手段450からの駆動信号により軸周りに回動し、シャッタ421を周方向に回転させるようになっている。前記開口部421aは、所定の位置において蒸着源331,332に載置された成膜材料341,342がその内部に配されるようになっている。
上記構成を備えた蒸着装置400では、シャッタ421を駆動軸423により回転させることで開口部421aの位置を移動し、蒸着源331,332のいずれかが基板20と対向する状態(シャッタ「開」位置)と、基板20からみて隠蔽された状態(シャッタ「閉」位置)とを切替可能になっている。そして、蒸着源331に対してシャッタ421が「開」位置であれば、蒸着源332に対しては「閉」位置となり、成膜材料341から放出される蒸着種のみが基板20上に選択的に堆積される。逆に蒸着源332に対してシャッタ421が「開」位置であれば、成膜材料342のみが基板20上に選択的に堆積される。
[第3構成例]
次に、蒸着装置の第3構成例としての蒸着装置500について図9を参照して説明する。図9は蒸着装置500の側断面図である。図9において図7ないし図8と同一の符号が付された構成要素は先の実施形態と同構成の構成要素である。
図9に示す蒸着装置500は、箱形の成膜容器510と、2つの蒸着源331,332とを主体として構成されている。成膜容器510には、その内部を区画する隔壁部材518が設けられており、この隔壁部材518により区画形成された2つの蒸着室501,502を備えている。前記両蒸着室501,502には、それぞれ蒸着源331,332が収容されている。蒸着室501,502の図示上方には、基体搬入部512と、基体搬出部513とが設けられ、これらの基体搬入部512と基体搬出部513との間に基板20が配置されて蒸着処理に供される。
なお、蒸気基体搬入部512及び基体搬出部513も先の蒸着装置300と同様に、蒸着室501,502を真空状態に保持したまま基板20の導入/導出を行うことが可能に構成されている。
また、成膜容器510内に、成膜室501,502の上方で基板20を支持するとともに移動させる基体搬送手段(図示略)が配設されており、この基体搬送手段には、それを駆動制御する成膜制御手段550が接続されている。
そして、前記基体搬送手段は、成膜制御手段550から供給される駆動信号によって、基板20を所定位置に移動させる。すなわち、成膜室501の蒸着源331と対向する位置、及び成膜室502の蒸着源332と対向する位置に相互に基板20を移動可能になっている。
上記構成を備えた蒸着装置500では、成膜制御手段550によって基板20を移動させることで、基板20上に堆積させる蒸着種を選択できるようになっている。すなわち、基板20を蒸着室501上に配置すれば、蒸着源331の成膜材料421から放出される蒸着種のみが基板20上に選択的に堆積される。このとき、蒸着源332からも蒸着種が放出されていたとしても、隔壁部材518により遮蔽されるため、基板20上には堆積しない。また基板20が成膜室502の上方に配置された状態であれば、基板20上には、蒸着源332の成膜材料342から放出される蒸着種のみが選択的に堆積される。
<製造方法>
次にEL表示装置1の製造方法につき、図10から図12を参照して説明する。図10から図12に示す各断面図は、図2中のA−B線の断面図に対応している。また、基板20の表面に回路部11を形成する工程については、従来技術と変わらないので説明を省略している。
まず、図10(a)に示すように、表面に回路部11が形成された基板20の全面を覆うように、画素電極23となる導電膜を形成した後、この透明導電膜をパターニングすることで画素電極23を形成する。画素電極23は、第2層間絶縁層284に貫設されたコンタクトホール23aを介してドレイン電極244と導通している。また画素電極23を形成すると同時にダミー領域のダミーパターン26も形成しておく。
なお、図3、4では、これら画素電極23、ダミーパターン26を総称して画素電極23としていたが、このダミーパターン26は、第2層間絶縁層284を介して下層のメタル配線へ接続しない構成となっており、孤立した島状を成して配置されている。その平面形状は実表示領域に形成されている画素電極23の形状とほぼ同一の形状であるが、表示領域に形成されている画素電極23の形状と異なる構造であってもよい。
次いで、図10(b)に示すように、画素電極23、ダミーパターン26上、および第2層間絶縁膜上に絶縁層である親液性制御層25を形成する。なお、画素電極23においては一部が開口する態様にて親液性制御層25を形成し、開口部25a(図3も参照)において画素電極23からの正孔移動が可能なように形成する。逆に、開口部25aを設けないダミーパターン26においては、絶縁層(親液性制御層)25が正孔移動遮蔽層となり正孔移動を生じないようにそれを覆って形成する。
続いて、親液性制御層25において、異なる2つの画素電極23の間に位置する凹状部に不図示のBM(ブラックマトリックス)を形成する。具体的には、親液性制御層25の凹状部に対して、金属クロムを用いスパッタリング法にて成膜する。
そして、図10(c)に示すように、親液性制御層25の所定位置、詳しくは上述したBMを覆うように有機バンク層221を形成する。具体的な有機バンク層の形成方法としては、例えばアクリル樹脂、ポリイミドなどのレジストを溶媒に溶解したものを、スピンコート法、スリットダイコート法などの各種塗布法により塗布して有機層を形成し、更に、この有機層をフォトリソグラフィ技術、エッチング技術を用いてパターニングし、有機質層に開口部221aを形成することにより、開口部221aに壁面を有した有機バンク層221を形成する。なお、有機層の構成材料は、後述するインクの溶媒に溶解せず、しかもエッチングなどによってパターニングし易いものであればどのようなものでもよい。また有機バンク層221は、少なくとも駆動制御信号導通部320の上方に位置するものを含むものとする。
次いで、有機バンク層221の表面に、親液性を示す領域と、撥液性を示す領域とを形成する。本実施形態においては、プラズマ処理によって各領域を形成する。具体的には、プラズマ処理を、予備加熱工程と、有機バンク層221の上面および開口部221aの壁面ならびに画素電極23の電極面23c、親液性制御層25の上面をそれぞれ親液性にする親インク化工程と、有機バンク層221の上面および開口部221aの壁面を撥液性にする撥インク化工程と、冷却工程とで構成する。
すなわち、基材(バンクなどを含む基板20)を所定温度、例えば70〜80℃程度に加熱し、次いで親インク化工程として大気雰囲気中で酸素を反応ガスとするプラズマ処理(Oプラズマ処理)を行う。次いで、撥インク化工程として大気雰囲気中で4フッ化メタンを反応ガスとするプラズマ処理(CFプラズマ処理)を行い、その後、プラズマ処理のために加熱された基材を室温まで冷却することで、親液性および撥液性が所定箇所に付与されることとなる。
なお、このCFプラズマ処理においては、画素電極23の電極面23cおよび親液性制御層25についても多少の影響を受けるが、画素電極23の材料であるITOおよび親液性制御層25の構成材料であるSiO、TiOなどはフッ素に対する親和性に乏しいため、親インク化工程で付与された水酸基がフッ素基で置換されることがなく、親液性が保たれる。
次いで、正孔注入/輸送層形成工程によって正孔注入/輸送層70の形成を行う。この正孔注入/輸送層形成工程では、例えばインクジェット法等の液滴吐出法や、スリットダイコート法などにより、正孔注入/輸送層材料を電極面23c上に塗布し、その後、乾燥処理および熱処理を行い、電極23上に正孔注入/輸送層70を形成する。
なお、この正孔注入/輸送層形成工程以降は、正孔注入/輸送層70および有機発光層60の酸化を防止すべく、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気などの不活性ガス雰囲気で行うのが好ましい。
正孔注入/輸送層材料を例えばインクジェット法で選択的に塗布する場合には、まず、インクジェットヘッド(図示略)に正孔注入/輸送層材料を充填し、インクジェットヘッドの吐出ノズルを親液性制御層25に形成された開口部25a内に位置する電極面23cに対向させ、インクジェットヘッドと基材(基板20)とを相対移動させながら、吐出ノズルから1滴当たりの液量が制御された液滴を電極面23cに吐出する。そして、吐出後の液滴を乾燥処理し、正孔注入/輸送層材料に含まれる分散媒や溶媒を蒸発させることにより、正孔注入/輸送層70を形成する。
ここで、吐出ノズルから吐出された液滴は、親液性処理がなされた電極面23c上にて広がり、親液性制御層25の開口部25a内に満たされる。その一方で、撥インク処理された有機バンク層221の上面では、液滴が弾かれて付着しない。従って、液滴が所定の吐出位置から外れて有機バンク層221の上面に吐出されたとしても、該上面が液滴で濡れることがなく、弾かれた液滴が親液性制御層25の開口部25a内に転がり込む。
次いで、発光層形成工程によって有機発光層60の形成を行う。この発光層形成工程では、例えばインクジェット法により、発光層形成材料を正孔注入/輸送層70上に吐出し、その後、乾燥処理および熱処理を行うことにより、有機バンク層221に形成された開口部221a内に有機発光層60を形成する。この発光層形成工程では、正孔注入/輸送層70の再溶解を防止するため、発光層形成材料に用いる溶媒として、正孔注入/輸送層70に対して不溶な無極性溶媒を用いる。
なお、この発光層形成工程では、インクジェット法によって例えば青色(B)の発光層形成材料を青色の表示領域に選択的に塗布し、乾燥処理した後、同様にして緑色(G)、赤色(R)についてもそれぞれその表示領域に選択的に塗布し、乾燥処理する。
次いで、図11(d)に示すように、陰極形成工程によって陰極50の形成を行う。この陰極形成工程では、図6に示した低仕事関数金属を主体とする第1金属層61と、高仕事関数金属を主体とする第2金属層62とを交互に複数積層することで積層金属膜51を形成する積層金属膜形成工程と、積層金属膜51上に電極膜52を形成する電極膜形成工程とを行う。
積層金属膜形成工程は、先の図7ないし図9に示した蒸着装置300,400,500のいずれかを用いて行うことが好ましいが、本製造方法に適用できる成膜装置を限定するものではない。まず、図7に示した蒸着装置300を用いた積層金属膜形成工程につき説明する。
蒸着装置300を用いて積層金属膜51を形成するには、まず蒸着源331の成膜材料341として、例えばマグネシウム(Mg)を用意するとともにボート334上に載置し、蒸着源332の成膜材料342として銀(Ag)を用意するとともにボート334上に載置する。このとき、シャッタ321,322はいずれも「閉」位置としておく。
次いで、成膜容器310を密閉し、真空ポンプ316を動作させるとともにゲートバルブ315を解放して成膜容器310内を所定の真空度に保持する。その後、基体搬入部312を介して基板20を成膜容器310内に導入し、図7(a)に示す所定位置にて支持する。
以上の準備が終了したならば、蒸着源331,332のヒータ337を動作させ、各成膜材料341,342を所定の温度に加熱する。そして、ボート334,334が所定温度に達し、成膜材料341,342からの蒸発が開始されたならば、成膜制御手段350により、シャッタ321,322の動作を開始し、基板20への積層金属膜51の成膜を行う。つまり、蒸着源331,332からそれぞれMg,Agの蒸気(蒸着種)を放出させた状態で、シャッタ321,332を所定時間ずつ交互に開閉動作させることで、基板20上に所定膜厚のMg層(第1金属層61)とAg層(第2金属層62)とを交互に積層させる。そして、積層金属膜51が所定の膜厚(例えば20nm)に達したならば、シャッタ321,322の動作を停止し、基板20を基体搬出部313から容器外へ搬送する。
このように蒸着装置300を用いることで、第1金属層61及び第2金属層62の層厚を高精度に制御しつつ積層金属膜51を形成することができ、容易に所望の組成比の積層金属膜51(陰極50)を得ることができる。従って本実施形態に係る製造方法によれば、その組成が高精度に制御され、もって所望の特性を具備した陰極を再現性よく形成することができ、高効率に発光可能な発光素子を得ることができる。
またシャッタ321,322の開閉時間を調整することで、成膜される第1金属層61及び第2金属層62の層厚を任意に調整することができ、例えば発光層60側では、仕事関数の低いMg(第1金属層61)の含有量の多い積層金属膜を形成し、電極膜52側では仕事関数の高いAgの含有量の多い積層金属膜を形成することも容易である。
また、蒸着装置300は蒸着源331,332から放出される蒸着種を互いに独立に成膜するようになっているので、それぞれの成膜速度をモニタする膜厚モニタを各蒸着源331,332に対応して設けておけば、それぞれの蒸着源の成膜速度が経時的に変化しても容易に成膜速度の調整が可能であり、長時間に渡り均質な積層金属膜51を得られるようになっている。
また、図8に示した蒸着装置400を用いる場合、成膜容器310内を真空状態とし、基板20を所定位置に導入した後、蒸着源331,332の加熱を開始する工程までは先の蒸着装置300と同様である。但しこれらの工程においては、蒸着源331,332と基板20との間に配設されたシャッタ421の開口部421aは、蒸着源331,332と対向しない位置(すなわち「閉」位置)に保持しておく。
そして、上記成膜の準備が完了したならば、成膜制御手段450により駆動軸423を駆動してシャッタ421を回転させ、例えば蒸着源331の前面に開口部421aを配置させる。すると、蒸着源331から放出されているMg蒸気が開口部421aを介して基板20上に到達し、基板20上にMg層(第1金属層61)が形成される。次いで、基板20上に所定層厚のMg層が形成されたならば、シャッタ421を回転させて開口部421aを他方の蒸着源332の前面に配置し、蒸着源332から放出されるAg蒸気を基板20に到達させ、上記Mg層上にAg層(第2金属層62)を積層する。以降、これらのMg層形成工程とAg層形成工程とを交互に繰り返し行うことで、所定膜厚のMg/Ag積層膜からなる積層金属膜51を基板20上に形成することができる。
このように蒸着装置400によっても、先の蒸着装置300と同等の積層金属膜51を形成することができ、蒸着装置300を用いた場合と同様の効果を得ることができる。
さらに、図9に示した蒸着装置500を用いる場合、成膜容器510内を真空状態とし、基板20を、基体搬入部512から成膜容器内の所定位置に導入する。そして、蒸着源331,332からの蒸着種の放出を開始したならば、成膜制御手段550により基板20を蒸着室501と蒸着室502との間で相互に移動させる動作を開始する。すなわち、基板20が蒸着室501の蒸着源331と対向する状態では蒸着源331から放出されるMg蒸気のみが基板20に到達してその表面にMg層(第1金属層61)を形成し、基板20が他方の蒸着室502の蒸着源332と対向する位置に移動された状態では蒸着源332から放出されるAg蒸気のみが基板20に到達してその表面にAg層(第2金属層62)を形成する。
そして、基板20を蒸着室間で相互に移動させる動作を繰り返すことにより、所定層厚のMg層とAg層とが交互に積層された構造の積層金属膜51を基板20上に形成することができる。
このように蒸着装置500によっても、先の蒸着装置300,400と同等の積層金属膜51を形成することができ、蒸着装置300,400を用いた場合と同様の効果を得ることができる。
上記工程により積層金属膜51を形成したならば、次に、積層金属膜51の表面に電極膜52を形成する。この電極膜52を形成するに際しても、積層金属膜51の形成に用いたのと同様の蒸着装置を用いることができ、さらに電極膜51を第2金属層62と同一の材料によって形成する場合には、上記積層金属膜51を形成する工程に連続して第2金属層62の蒸着源332を用いて電極膜52を形成することもできる。このように積層金属膜51と電極膜52とを同一の蒸着装置にて連続的に形成すれば、積層金属膜51と電極膜52との界面の清浄度を向上させることができ、両層の密着性並びに電子輸送性を高めることができる。
次に図11に戻り、同図(e)に示すように、緩衝層210を塗布方式(液相法)により形成する。陰極50上に塗布される緩衝層材料は、その粘度が有機溶剤により、100mPa・s以下、より好ましくは、1〜30mPa・s程度に調整される。緩衝層材料の粘度を低粘度に調整することにより、陰極50表面の凹部に前記材料が入り込むように良好に流動するので、緩衝層210の上面を滑らかに連続した略平坦面に形成することができる。なお、緩衝層210中に収縮防止用の微粒子を配する場合には、予め所定の含有量となるように緩衝層材料の中に上記微粒子を添加しておけばよい。
緩衝層材料は、有機バンク層221を覆う領域に、スリットダイコート(或いはカーテンコート)法により塗布することができる。また、インクジェット装置により塗布してもよい。インクジェット法で形成する場合には、まず、インクジェットヘッド(図示略)に緩衝層材料を充填し、インクジェットヘッドの吐出ノズルを陰極50に対向させ、インクジェットヘッドと基材(基板20)とを相対移動させながら、吐出ノズルから1滴当たりの液量が制御された液滴を陰極50に吐出することで所定量の緩衝層材料を陰極50上に塗布することができる。
続いて、陰極50上に塗布した緩衝層材料を硬化させる乾燥(硬化)工程を行う。硬化条件としては、大気圧または減圧下において120℃以下で加熱、或いは光を照射する。これにより、緩衝層材料の粘度を調整するために加えられた有機溶媒が揮発して硬化が進み、緩衝層210が形成される。
このように、120℃以下の低温下の加熱、或いは光照射を行うことにより緩衝層210を硬化させるので、発光層60をその耐熱上限温度以上に加熱させてしまうことがない。したがって、良好な発光層60が得られる。
次に、図11(f)に示すように、陰極50、緩衝層210を覆って、すなわち基体200上にて露出する陰極50の全ての部位を覆った状態にガスバリア層30を形成する。ここで、このガスバリア層30の形成方法としては、高密度プラズマ成膜法により珪素酸窒化物などの珪素化合物を形成する。
また、ガスバリア層30の形成については、上述したように珪素化合物によって単層で形成してもよく、また2層以上の珪素化合物や珪素化合物とは異なる材料と組み合わせて複数の層に積層して形成してもよく、さらには、単層で形成するものの、その組成を膜厚方向で連続的あるいは非連続的に変化させるようにして形成してもよい。
そして、図12に示すように、ガスバリア層30上に接着層205と表面保護層206からなる保護層204が設けられる。接着層205は、スクリーン印刷法やスリットダイコート法などによりガスバリア層30上に略均一に塗布され、その上に表面保護層206が貼り合わされる。
このようにガスバリア層30上に保護層204を設ければ、表面保護層206が耐圧性や耐摩耗性、光反射防止性、ガスバリア性、紫外線遮断性などの機能を有していることにより、有機発光層60や陰極50、さらにはガスバリア層もこの表面保護層206によって保護することができ、したがって発光素子の長寿命化を図ることができる。
また、接着層205が機械的衝撃に対して緩衝機能を発揮するので、外部から機械的衝撃が加わった場合に、ガスバリア層30やこの内側の発光素子への機械的衝撃を緩和し、この機械的衝撃による発光素子の機能劣化を防止することができる。
以上のようにして、EL表示装置1が作製される。このようなEL表示装置1にあっては、積層金属膜51の形成に際して先の図7ないし図9に示した蒸着装置300,400,500を用いて、各金属層61,62の層厚を高度に制御しつつ成膜するので、組成を高精度に制御された積層金属膜51を長時間に渡り再現性よく得ることができる。これにより、電極膜52から発光層60へ効率よく電子を供給することができ、高輝度、高効率の発光が可能な発光素子を得ることができ、もって明るく、かつ輝度の均一性にも優れたEL表示装置とすることができる。
なお、上記実施の形態では、電気光学装置にEL表示装置1を適用した例を示したが、本発明はこれに限定されることなく、基本的に電気光学層を陽極と陰極との間に挟持した形態の電気光学装置であれば問題なく適用可能である。
(電子機器)
次に、本発明のEL表示装置を備えた電子機器の具体例について説明する。本発明の電子機器は、前記のEL表示装置を表示部として有したものであり、具体的には図13に示すものが挙げられる。
図13は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図13において、符号1300は携帯電話本体を示し、符号1301は前記のEL表示装置を用いた表示部、1302は操作ボタン、1303は受話部、1304は送話部をそれぞれ示している。この電子機器は、明るい表示が得られ、かつ低消費電力の表示部を備えたものとなっている。
図1は、EL表示装置の配線構造を示す図。 図2は、同、平面構成図。 図3は、図2のA−B線に沿う断面構成図。 図4は、図2のC−D線に沿う断面構成図。 図5は、図3の要部拡大断面図。 図6は、図5の要部拡大断面図。 図7は、蒸着装置の断面構成図(a)及び要部の平面構成図(b)。 図8は、蒸着装置の断面構成図(a)及び要部の平面構成図(b)。 図9は、蒸着装置の断面構成図。 図10は、EL表示装置の断面工程図。 図11は、EL表示装置の断面工程図。 図12は、EL表示装置の断面工程図。 図13は、電子機器の一例を示す斜視構成図。
符号の説明
1…表示装置(電気光学装置)、23…画素電極(陽極)、30…ガスバリア層、50…陰極、51…積層金属膜、52…電極膜、60…発光層、61…第1金属層、62…第2金属層、110…機能層、200…基体、204…保護層、210…緩衝層、221…有機バンク層、300,400,500…蒸着装置、310,510…成膜容器、311,501,502…蒸着室、331,332…蒸着源、334…ボート、341,342…成膜材料、321,322,421…シャッタ(遮蔽手段)、421a…開口部、350,450,550…成膜制御手段

Claims (18)

  1. 陽極と陰極との間に電気光学層を挟持してなる電気光学装置であって、
    前記陰極が、低仕事関数金属を含む第1金属層と、前記低仕事関数金属より高い仕事関数を有する高仕事関数金属を含む第2金属層とを交互に積層した積層金属膜を備えていることを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記積層金属膜の構成層のうち、前記電気光学層と隣接する位置に配された層が前記第1金属層であることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記積層金属膜の構成層のうち、電気光学層と反対側の表層に配置された層が前記第2金属層であることを特徴とする電気光学装置。
  4. 前記積層金属膜が、一定の膜厚の前記第1金属層と一定の膜厚の前記第2金属層とを交互に積層した構造を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電気光学装置。
  5. 前記積層金属膜の膜厚方向の複数の部位において、互いに隣接する前記第1金属層の膜厚d1と第2金属層の膜厚d2との比(d1/d2)が異なっていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電気光学装置。
  6. 前記膜厚比(d1/d2)が、前記積層金属膜の膜厚方向において、前記電気光学層側では相対的に小さく、前記電気光学層と反対側では相対的に大きくなっていることを特徴とする請求項5に記載の電気光学装置。
  7. 前記積層金属膜の前記電気光学層と反対側に、前記高仕事関数金属を含み、前記積層膜を構成する第1金属層及び前記第2金属層より大きい膜厚を有する電極膜が設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の電気光学装置。
  8. 前記低仕事関数金属が、マグネシウム、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及び希土類金属からなる群より選ばれる1種以上の金属であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の電気光学装置。
  9. 前記高仕事関数の金属材料が、導電性の遷移金属からなる群より選ばれる1種以上の金属であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の電気光学装置。
  10. 前記電気光学層が、有機発光層を含むことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の電気光学装置。
  11. 陽極と陰極の間に電気光学層を挟持してなる電気光学装置の製造方法であって、
    前記陰極を形成する工程が、低仕事関数の金属材料を含む第1金属層と、前記低仕事関数の金属材料より高い仕事関数を有する金属材料を含む第2金属層とを交互に積層することにより積層金属膜を形成する工程を含む工程であることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  12. 前記積層金属膜を形成するに際して、前記第1金属層と、該第1金属層と隣接する前記第2金属層との膜厚比を変化させつつ複数の前記第1金属層及び第2金属層を積層することを特徴とする請求項11に記載の電気光学装置の製造方法。
  13. 前記積層金属膜を形成するに際して、前記第1金属層の膜厚d1と、該第1金属層と隣接する前記第2金属層の膜厚d2との比(d1/d2)が、当該積層金属膜の膜厚方向における前記電気光学層側では相対的に大きく、前記電気光学層と反対側では相対的に小さくなるように前記第1金属層及び第2金属層を積層することを特徴とする請求項12に記載の電気光学装置の製造方法。
  14. 基体上に堆積させる蒸着種を放出する複数の蒸着源を具備してなる蒸着装置であって、
    前記複数の蒸着源から放出される蒸着種を自身の開閉動作によって遮蔽可能な遮蔽手段と、
    所定の前記蒸着種のみが前記基体上に堆積されるように前記遮蔽手段の開閉動作を制御し、前記基体上に複数種の蒸着種を順次堆積させる成膜制御手段と
    を備えたことを特徴とする蒸着装置。
  15. 前記遮蔽手段が、前記複数の蒸着源のそれぞれに対応して複数設けられており、
    前記成膜制御手段が、前記複数の遮蔽手段を順次開閉して前記基体上に複数種の蒸着種を順次堆積させることを特徴とする請求項14に記載の蒸着装置。
  16. 前記遮蔽手段に、前記複数の蒸着源に跨って対向配置される遮蔽板と、該遮蔽板を板面内で回動ささせる回転駆動部とが設けられ、前記遮蔽板の板面には、所定の前記蒸着種のみを通過させるための開口部が設けられており、
    前記遮蔽板の回転により前記開口部の位置を順次移動し、前記開口部を介して所定の蒸着種を順次前記基体上に堆積させるように前記回転駆動部を駆動制御する成膜制御手段を備えたことを特徴とする請求項14に記載の蒸着装置。
  17. 基体上に堆積させる蒸着種を放出する複数の蒸着源を成膜容器内に配置してなる蒸着装置であって、
    前記複数の蒸着源が、前記成膜容器内を区画してなる複数の蒸着室にそれぞれ配置されるとともに、前記複数の蒸着室間で前記基体を移動する基体搬送手段が設けられており、
    前記基体搬送手段を駆動して前記基体を複数の前記蒸着室間で相互に移動して該基体上に所定の前記蒸着種を順次堆積させる成膜制御部を備えたことを特徴とする蒸着装置。
  18. 請求項1から10のいずれか1項に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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