JP4470421B2 - 電気光学装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電気光学装置及びその製造方法と、この電気光学装置を備えた電子機器に関するものである。
電気光学装置の分野では、酸素や水分等に対する耐久性向上が課題となっている。例えば、上記電気光学装置の一例である有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと略記する)表示装置では、発光層(電気光学層)を構成する電気光学材料(有機EL材料,正孔注入注入材料,電子注入材料等)の酸素や水分等による劣化や、陰極の酸素や水分等による導電性低下等により、ダークスポットと呼ばれる非発光領域が発生してしまい、発光素子としての寿命が短くなるという課題がある。
このような課題を解決するために、表示装置の基板にガラスや金属の蓋を取り付けて水分等を封止する方法が採られてきた。そして、近年では、表示装置の大型化及び軽薄化に対応するために、発光素子上に透明でガスバリア性に優れた珪素窒化物、珪素酸化物、セラミックス等の薄膜を高純度プラズマ成膜法(例えば、イオンプレーティング、ECRプラズマスパッタ、ECRプラズマCVD、表面波プラズマCVD、ICP−CVD等)により成膜させる薄膜封止と呼ばれる技術が用いられている。
特開2001−284041号公報
しかしながら、上述した技術により成膜される薄層(ガスバリア層)は、緻密で非常に硬い膜であるため、薄層が被膜する表面上に凸凹や急峻な段差が存在すると、成膜された薄層に外部応力が集中してクラックや剥離が生じ、かえって遮断性が低下してしまうという問題がある。
このため、ガスバリア層を平坦化させる下地層を設けることが考えられるが、下地層の上面が平坦化されやすい材料が望まれる。また、下地層を硬化させる際の熱や下地層内に残存した水分が光学層にダメージを与えてしまうという問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、ガスバリア層への応力集中を緩和させるために、ガスバリア層の下地となる層を平坦化させやすくすることができる電気光学装置の製造方法、電気光学装置及び電子機器を提供することを目的とする。
本発明に係る電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
基体上に、複数の第1電極を成膜する工程と、前記第1電極の形成位置に対応した複数の開口部を有するバンク構造体を形成する工程と、前記開口部のそれぞれに電気光学層を配置する工程と、前記バンク構造体及び前記電気光学層を覆う第2電極を成膜する工程と、を有する電気光学装置の製造方法において、前記第2電極を成膜させる工程の後に、−30℃以下の環境温度下で前記第2電極を覆う緩衝層を塗布する工程と、前記電気光学層の耐熱上限温度以下の環境下で前記緩衝層を硬化させる工程と、前記緩衝層を覆うガスバリア層を成膜する工程と、を有するようにした。
本発明に係る電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
第1の発明は、基体上に、複数の第1電極を成膜する工程と、第1電極の形成位置に対応した複数の開口部を有するバンク構造体を形成する工程と、開口部のそれぞれに電気光学層を配置する工程と、バンク構造体及び電気光学層を覆う第2電極を成膜する工程と、を有する電気光学装置の製造方法において、第2電極を成膜する工程の後に、湿度を管理した環境下で第2電極を覆う緩衝層を塗布する工程と、電気光学層の耐熱上限温度以下の環境下で緩衝層を硬化させる工程と、緩衝層を覆うガスバリア層を成膜する工程とを有するようにした。この発明によれば、緩衝層材料の粘度を下げるために緩衝層材料に加えられた有機溶剤が揮発されることが抑えられるので、緩衝層を平坦化させやすくなる。更に、緩衝層を硬化させる際には、発光層への負担が抑えられるので、良好な発光層を形成できる。
また、緩衝層の上面が、滑らかに連続した面に形成されるものでは、緩衝層の上面に成膜される硬い被膜からなるガスバリア層が平坦化されるので、応力が集中する部位がなくなり、ガスバリア層へのクラックの発生が防止できる。
また、緩衝層は、塗布の粘度が100mPa・s以下に調整されるものでは、緩衝層を塗布すると、緩衝層が良好に流動するので、滑らかに連続した上面が形成しやすくなる。
また、緩衝層を塗布する工程が、−30℃以下の環境温度下で行われるものでは、緩衝層材料の粘度を低下させる有機溶媒が揮発することがないので、緩衝層の塗布時に硬化することなく、安定して流動させることができる。
また、緩衝層を硬化させる工程が、120℃以下の環境温度下若しくは光が照射される環境下で行われるものでは、緩衝層の硬化処理の際における発光層への負担を抑えることができる。
また、第2電極を成膜させる工程と緩衝層を塗布する工程との間に、第2電極の腐食を防止する保護層を形成する工程を有する。
また、第2電極と成膜させる工程と第2電極を塗布する工程との間に、第2電極の腐食を防止する保護層を形成する工程を有するものでは、製造プロセス時に第2陰極の腐食が防止することができ、第2陰極が良好な導電性を維持することができる。
また、緩衝層を、バンク構造体が露出しないように、バンク構造体よりも広い範囲に塗布するものでは、バンク構造体の影響により第2電極の表面に形成される凸凹形の形状を漏れなく平坦化させることができる。
また、ガスバリア層を、緩衝層が露出しないように、緩衝層よりも広い範囲に成膜するものでは、ガスバリア層を略全面にわたり略平坦化させることができる。
また、ガスバリア層及び/又は保護層が、基体の外周部の絶縁層に接触するように形成されるものでは、第2電極を水分等から遮断することができる。
また、保護層とガスバリア層とが、基体の外周部において接触するように形成されるものでは、第2電極を水分等から略完全に遮断することができる。
第2の発明は、基体上に、複数の第1電極と、第1電極の形成位置に対応した複数の開口部を有するバンク構造体と、開口部のそれぞれに配置される電気光学層と、バンク構造体及び電気光学層を覆う第2電極とを有する電気光学装置において、−30℃以下の温度環境下で第2電極を覆うように塗布されるとともに、−120℃以下の温度で硬化された緩衝層と、緩衝層を覆うガスバリアとを備えるようにした。この発明によれは、塗布時には有機材料が硬化することなく安定させることができるので、平坦な上面を形成することができる。また、硬化時には発光層への負担を軽減させることができる。
また、緩衝層が、アルコキシルシラン化合物が混合された有機材料からなるものでは、塗布時には湿気によって反応が進行して有機材料が硬化することがないので安定して平坦な上面を形成することができる。また、硬化時には−120℃以下の温度で反応させることができるので、発光層への負担が軽減される。
また、緩衝層が、イソシアネート化合物が混合された有機材料からなるものでは、同様に、塗布時には湿気によって反応が進行して有機材料が硬化することがないので安定して平坦な上面を形成することができる。また、硬化時には−120℃以下の温度で反応させることができるので、発光層への負担が軽減される。
また、緩衝層が、光重合反応剤が混合された有機材料からなるものでは、塗布時に湿気によって光重合反応剤が反応してしまい、このため、硬化時に光重合反応が不十分となってしまうことがないので、安定して平坦な上面を形成することができる。また、−120℃以下の温度で硬化させることができるので、発光層への負担が軽減される。
第3の発明は、電子機器が、第1の発明の製造方法により得られた電気光学装置、或いは第2の発明の電気光学装置を備えるようにした。この発明によれば、ガスバリア層が剥離したり、クラックが発生したりしないので、水分等による発光層の劣化が防止される。したがって、鮮やかな画像を長時間表示することができる電子機器を得ることができる。
以下、本発明の電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器の実施形態について図を参照して説明する。
電気光学装置として、電気光学物質の一例である電界発光型物質、中でも有機エレクトロルミネッセンス(EL)材料を用いたEL表示装置について説明する。
図1は、EL表示装置1の配線構造を示す図である。EL表示装置1は、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下TFTと略記する)を用いたアクティブマトリクス型のEL表示装置である。
EL表示装置(電気光学装置)1は、図1に示すように、複数の走査線101と、各走査線101に対して直角に交差する方向に延びる複数の信号線102と、各信号線102に並列に延びる複数の電源線103とがそれぞれ配線された構成を有するとともに、走査線101と信号線102の各交点付近に画素領域Xが設けられる。
信号線102には、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン及びアナログスイッチを備えるデータ線駆動回路100が接続される。また、走査線101には、シフトレジスタ及びレベルシフタを備える走査線駆動回路80が接続される。
さらに、画素領域Xの各々には、走査線101を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用TFT112と、このスイッチング用TFT112を介して信号線102から供給される画素信号を保持する保持容量113と、該保持容量113によって保持された画素信号がゲート電極に供給される駆動用TFT123と、この駆動用TFT123を介して電源線103に電気的に接続したときに該電源線103から駆動電流が流れ込む画素電極(電極)23と、この画素電極23と陰極(電極)50との間に挟み込まれた機能層110とが設けられる。画素電極23と陰極50と機能層110により、発光素子(有機EL素子)が構成される。
このEL表示装置1によれば、走査線101が駆動されてスイッチング用TFT112がオン状態になると、そのときの信号線102の電位が保持容量113に保持され、該保持容量113の状態に応じて、駆動用TFT123のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用TFT123のチャネルを介して、電源線103から画素電極23に電流が流れ、さらに機能層110を介して陰極50に電流が流れる。機能層110は、これを流れる電流量に応じて発光する。
次に、EL表示装置1の具体的な構成について図2〜図5を参照して説明する。
EL表示装置1は、図2に示すように電気絶縁性を備えた基板20と、スイッチング用TFT(図示せず)に接続された画素電極が基板20上にマトリックス状に配置されてなる画素電極域(図示せず)と、画素電極域の周囲に配置されるとともに各画素電極に接続される電源線(図示せず)と、少なくとも画素電極域上に位置する平面視ほぼ矩形の画素部3(図2中一点鎖線枠内)とを具備して構成されたアクティブマトリクス型のものである。
なお、本発明においては、基板20と後述するようにこれの上に形成されるスイッチング用TFTや各種回路、及び層間絶縁膜などを含めて、基体と称している。(図3、4中では符号200で示している。)
画素部3は、中央部分の実表示領域4(図2中二点鎖線枠内)と、実表示領域4の周囲に配置されたダミー領域5(一点鎖線および二点鎖線の間の領域)とに区画される。
実表示領域4には、それぞれ画素電極を有する表示領域R、G、BがA−B方向およびC−D方向にそれぞれ離間してマトリックス状に配置される。
また、実表示領域4の図2中両側には、走査線駆動回路80、80が配置される。これら走査線駆動回路80、80は、ダミー領域5の下側に配置されたものである。
さらに、実表示領域4の図2中上側には、検査回路90が配置される。この検査回路90は、EL表示装置1の作動状況を検査するための回路であって、例えば検査結果を外部に出力する検査情報出力手段(図示せず)を備え、製造途中や出荷時の表示装置の品質、欠陥の検査を行うことができるように構成されたものである。なお、この検査回路90も、ダミー領域5の下側に配置されたものである。
走査線駆動回路80および検査回路90は、その駆動電圧が、所定の電源部から駆動電圧導通部310(図3参照)および駆動電圧導通部340(図4参照)を介して、印加されるよう構成される。また、これら走査線駆動回路80および検査回路90への駆動制御信号および駆動電圧は、このEL表示装置1の作動制御を行う所定のメインドライバなどから駆動制御信号導通部320(図3参照)および駆動電圧導通部350(図4参照)を介して、送信および印加される。なお、この場合の駆動制御信号とは、走査線駆動回路80および検査回路90が信号を出力する際の制御に関連するメインドライバなどからの指令信号である。
また、EL表示装置1は、図3、図4に示すように基体200上に画素電極23と発光層60と陰極50とを備えた発光素子(有機EL素子)を多数形成し、さらにこれらを覆って緩衝層210、ガスバリア層30等を形成させたものである。
なお、発光層60としては、代表的には発光層(エレクトロルミネッセンス層)であり、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層などのキャリア注入層またはキャリア輸送層を備えるもの。さらには、正孔阻止層(ホールブロッキング層)、電子阻止層(エレクトロン阻止層)を備えるものであってもよい。
基体200を構成する基板20としては、いわゆるトップエミッション型のEL表示装置の場合、この基板20の対向側であるガスバリア層30側から発光光を取り出す構成であるので、透明基板及び不透明基板のいずれも用いることができる。不透明基板としては、例えばアルミナ等のセラミックス、ステンレススチール等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したもの、また熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂、さらにはそのフィルム(プラスチックフィルム)などが挙げられる。
また、いわゆるボトムエミッション型のEL表示装置の場合には、基板20側から発光光を取り出す構成であるので、基板20としては、透明あるいは半透明のものが採用される。例えば、ガラス、石英、樹脂(プラスチック、プラスチックフィルム)等が挙げられ、特にガラス基板が好適に用いられる。なお、本実施形態では、ガスバリア層30側から発光光を取り出すトップエミッション型とし、よって基板20としては上述した不透明基板、例えば不透明のプラスチックフィルムなどが用いられる。
また、基板20上には、画素電極23を駆動するための駆動用TFT123などを含む回路部11が形成されており、その上に発光素子(有機EL素子)が多数設けられる。発光素子は、図5に示すように、陽極として機能する画素電極23と、この画素電極23からの正孔を注入/輸送する正孔輸送層70と、電気光学物質の一つである有機EL物質を備える発光層60と、陰極50とが順に形成されたことによって構成されたものである。
このような構成のもとに、発光素子はその発光層60において、正孔輸送層70から注入された正孔と陰極50からの電子とが結合することにより発光する。
画素電極23は、本実施形態ではトップエミッション型であることから透明である必要がなく、したがって適宜な導電材料によって形成される。
正孔輸送層70の形成材料としては、例えばポリチオフェン誘導体、ポリピロール誘導体など、またはそれらのドーピング体などが用いられる。具体的には、3,4−ポリエチレンジオシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)の分散液、すなわち、分散媒としてのポリスチレンスルフォン酸に3,4−ポリエチレンジオシチオフェンを分散させ、さらにこれを水に分散させた分散液などが用いられる。
発光層60を形成するための材料としては、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の発光材料を用いることができる。具体的には、(ポリ)フルオレン誘導体(PF)、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)などのポリシラン系などが好適に用いられる。
また、これらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素などの高分子系材料や、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等の低分子材料をドープして用いることもできる。
なお、上述した高分子材料に代えて、従来公知の低分子材料を用いることもできる。
また、必要に応じて、このような発光層60の上に電子注入層を形成してもよい。
また、本実施形態において正孔輸送層70と発光層60とは、図3〜図5に示すように基体200上にて格子状に形成された親液性制御層25と有機バンク層221とによって囲まれて配置され、これにより囲まれた正孔輸送層70および発光層60は単一の発光素子(有機EL素子)を構成する素子層となる。
なお、有機バンク層221の開口部221aの各壁面の基体200表面に対する角度が、110度以上から170度以下となっている。このような角度としたのは、発光層60をウエットプロセスにより形成する際に、開口部221a内に配置されやすくするためである。
陰極50は、図3〜図5に示すように、実表示領域4およびダミー領域5の総面積より広い面積を備え、それぞれを覆うように形成されたもので、発光層60と有機バンク層221の上面、さらには有機バンク層221の外側部を形成する壁面を覆った状態で基体200上に形成されたものである。なお、この陰極50は、図4に示すように有機バンク層221の外側で基体200の外周部に形成された陰極用配線202に接続される。この陰極用配線202にはフレキシブル基板203が接続されており、これによって陰極50は、陰極用配線202を介してフレキシブル基板203上の図示しない駆動IC(駆動回路)に接続される。
陰極50を形成するための材料としては、本実施形態はトップエミッション型であることから光透過性である必要があり、したがって透明導電材料が用いられる。透明導電材料としてはITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)が好適とされるが、これ以外にも、例えば酸化インジウム・酸化亜鉛系アモルファス透明導電膜(Indium Zinc Oxide:IZO/アイ・ゼット・オー)(登録商標)等を用いることができる。なお、本実施形態ではITOを用いるものとする。
陰極50の上層部には、陰極保護層55を形成してもよい。陰極保護層55は、製造プロセス時に陰極50が腐食されてしまうことを防止するために設けられる層であり、珪素化合物や金属化合物などの無機化合物により形成される。陰極50を無機化合物からなる陰極保護層55で覆うことにより、無機酸化物からなる陰極50への酸素等の侵入を良好に防止することができる。なお、陰極保護層55は、基板200の外周部の絶縁層284上まで、10nmから300nm程度の厚みに形成される。
陰極50の上には、有機バンク層221よりも広い範囲で、かつ陰極50を覆った状態で緩衝層210が設けられる。緩衝層210は、有機バンク層221の形状の影響により、凸凹状に形成された陰極50の凸凹部分を埋めるように配置され、更に、その上面は略平坦に形成される。
緩衝層210は、基板200側から発生する反りや体積変化により発生する応力を緩和し、不安定な有機バンク層221からの陰極50の剥離を防止する機能を有する。また、緩衝層210の上面が略平坦化されるので、緩衝層210上に形成される硬い被膜からなるガスバリア層30も平坦化されるので、応力が集中する部位がなくなり、これにより、ガスバリア層30へのクラックの発生を防止する。
緩衝層210としては、主成分として、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリエステルなどの有機化合物が好ましい。これらの有機化合物は、有機溶剤で希釈されて粘度が調整されるとともに、反応材料が混合されたエポキシオリゴマー、アクリルオリゴマー、ポリウレタン等として陰極50上に配置される。
反応材料としては、湿気によって反応が進行するトリレンジイソシアネートなどのイソシアネート化合物やメチルトリメトキシシランなどのアルコキシシラン化合物、或いは、アミノケトンやヒドリキシケトン、ビスアシルフォスフィンフオキサイドなどの光重合反応剤が用いられる。
そして、これらの反応材料が混合されることにより、比較的低温の加熱処理或いは光照射により反応が進行して緩衝層210を硬化させることができる。このように、発光層60の耐熱上限温度(約120℃〜140℃)以下の温度で緩衝層210を硬化させることにより、加熱による発光層60への悪影響が抑えられる。
なお、緩衝層材料に乾燥重合時の収縮防止などを目的とした微粒子を添加してもよい。
更に、このような緩衝層210の上には、緩衝層210の基体200上で露出する部位を覆った状態でガスバリア層30が設けられる。そして、ガスバリア層30は、基板200の外周部の絶縁層284上まで形成される。なお、絶縁層284上において、陰極保護層55と接触するようにしてもよい。
ガスバリア層30は、その内側に酸素や水分が浸入するのを防止するためのもので、これにより陰極50や発光層60への酸素や水分の浸入を防止し、酸素や水分による陰極50や発光層60の劣化等を抑えるようにしたものである。
また、ガスバリア層30は、例えば無機化合物からなるもので、好ましくは珪素化合物、すなわち珪素窒化物や珪素酸窒化物、珪素酸化物などによって形成される。ただし、珪素化合物以外でも、例えばアルミナや酸化タンタル、酸化チタン、さらには他のセラミックスなどからなっていてもよい。このようにガスバリア層30が無機化合物で形成されていれば、特に陰極50がITOでから形成されることにより、ガスバリア層30と陰極50の一部との密着性がよくなり、したがってガスバリア層30が欠陥のない緻密な層となって酸素や水分に対するバリア性がより良好になる。
また、ガスバリア層30としては、例えば上述した珪素化合物のうちの異なる層を積層した構造としてもよく、具体的には、陰極50側から珪素窒化物、珪素酸窒化物の順に形成し、あるいは陰極50側から珪素酸窒化物、珪素酸化物の順に形成してガスバリア層30を構成するのが好ましい。また、このような組み合わせ以外にも、組成比の異なる珪素酸窒化物を2層以上積層した場合に、陰極50側の層の酸素濃度がこれより外側の層の酸素濃度より低くなるように構成するのが好ましい。
このようにすれば、陰極50側がその反対側より酸素濃度が低くなることから、ガスバリア層30中の酸素が陰極50を通ってその内側の発光層60に到り、発光層60を劣化させてしまうといったことを防止することができ、これにより発光層60の長寿命化を図ることができる。
更に、ガスバリア層30としては、積層構造とすることなく、その組成を不均一にして特にその酸素濃度が連続的に、あるいは非連続的に変化するような構成としてもよく、その場合にも、陰極50側の酸素濃度が外側の酸素濃度より低くなるように構成するのが、上述した理由により好ましい。
また、このようなガスバリア層30の厚さとしては、10nm以上、500nm以下であるのが好ましい。10nm未満であると、膜の欠陥や膜厚のバラツキなどによって部分的に貫通孔が形成されてしまい、ガスバリア性が損なわれてしまうおそれがあるからであり、500nmを越えると、応力による割れが生じてしまうおそれがあるからである。
また、本実施形態ではトップエミッション型としていることから、ガスバリア層30は透光性を有する必要があり、したがってその材質や膜厚を適宜に調整することにより、本実施形態では可視光領域における光線透過率を例えば80%以上にしている。
更に、ガスバリア層30の外側には、ガスバリア層30を覆う保護層204が設けられる(図7参照)。この保護層204は、ガスバリア層30側に設けられた接着層205と表面保護層206とからなる。
接着層205は、ガスバリア層30上に表面保護層206を固定させ、かつ外部からの機械的衝撃に対して緩衝機能を有するもので、例えばウレタン系、アクリル系、エポキシ系、ポリオレフィン系などの樹脂で、後述する表面保護層206より柔軟でガラス転移点の低い材料からなる接着剤によって形成されたものである。なお、このような接着剤には、シランカップリング剤またはアルコキシシランを添加しておくのが好ましく、このようにすれば、形成される接着層205とガスバリア層30との密着性がより良好になり、したがって機械的衝撃に対する緩衝機能が高くなる。
また、特にガスバリア層30が珪素化合物で形成されている場合などでは、シランカップリング剤やアルコキシシランによってこのガスバリア層30との密着性を向上させることができ、したがってガスバリア層30のガスバリア性を高めることができる。
表面保護層206は、接着層205上に設けられて、保護層204の表面側を構成するものであり、耐圧性や耐摩耗性、外部光反射防止性、ガスバリア性、紫外線遮断性などの機能の少なくとも一つを有してなる層である。具体的には、高分子層(プラスチックフィルム)やDLC(ダイアモンドライクカーボン)層、ガラスなどによって形成されるものである。
なお、この例のEL表示装置においては、トップエミッション型にする場合に表面保護層206、接着層205を共に透光性のものにする必要があるが、ボトムエミッション型とする場合にはその必要はない。
上述の発光素子の下方には、図5に示したように回路部11が設けられる。この回路部11は、基板20上に形成されて基体200を構成するものである。すなわち、基板20の表面には下地としてSiOを主体とする下地保護層281が形成され、その上にはシリコン層241が形成される。このシリコン層241の表面には、SiOおよび/またはSiNを主体とするゲート絶縁層282が形成される。
また、シリコン層241のうち、ゲート絶縁層282を挟んでゲート電極242と重なる領域がチャネル領域241aとされる。なお、このゲート電極242は、図示しない走査線101の一部である。一方、シリコン層241を覆い、ゲート電極242を形成したゲート絶縁層282の表面には、SiOを主体とする第1層間絶縁層283が形成される。
また、シリコン層241のうち、チャネル領域241aのソース側には、低濃度ソース領域241bおよび高濃度ソース領域241Sが設けられる一方、チャネル領域241aのドレイン側には低濃度ドレイン領域241cおよび高濃度ドレイン領域241Dが設けられて、いわゆるLDD(Light Doped Drain)構造を形成する。これらのうち、高濃度ソース領域241Sは、ゲート絶縁層282と第1層間絶縁層283とにわたって開孔するコンタクトホール243aを介して、ソース電極243に接続される。このソース電極243は、上述した電源線103(図1参照、図5においてはソース電極243の位置に紙面垂直方向に延在する)の一部として構成される。一方、高濃度ドレイン領域241Dは、ゲート絶縁層282と第1層間絶縁層283とにわたって開孔するコンタクトホール244aを介して、ソース電極243と同一層からなるドレイン電極244に接続される。
ソース電極243およびドレイン電極244が形成された第1層間絶縁層283の上層は、例えばアクリル系の樹脂成分を主体とする第2層間絶縁層284によって覆われている。この第2層間絶縁層284は、アクリル系の絶縁膜以外の材料、例えば、SiN、SiOなどを用いることもできる。そして、ITOからなる画素電極23が、この第2層間絶縁層284の表面上に形成されるとともに、第2層間絶縁層284に設けられたコンタクトホール23aを介してドレイン電極244に接続される。すなわち、画素電極23は、ドレイン電極244を介して、シリコン層241の高濃度ドレイン領域241Dに接続される。
なお、走査線駆動回路80および検査回路90に含まれるTFT(駆動回路用TFT)、すなわち、例えばこれらの駆動回路のうち、シフトレジスタに含まれるインバータを構成するNチャネル型又はPチャネル型のTFTは、画素電極23と接続されていない点を除いて駆動用TFT123と同様の構造とされる。
画素電極23が形成された第2層間絶縁層284の表面には、画素電極23と、上述した親液性制御層25及び有機バンク層221とが設けられる。親液性制御層25は、例えばSiOなどの親液性材料を主体とするものであり、有機バンク層221は、アクリルやポリイミドなどからなるものである。そして、画素電極23の上には、親液性制御層25に設けられた開口部25a、および有機バンク層221に囲まれてなる開口部221aの内部に、正孔輸送層70と発光層60とがこの順に積層される。なお、本実施形態における親液性制御層25の「親液性」とは、少なくとも有機バンク層221を構成するアクリル、ポリイミドなどの材料と比べて親液性が高いことを意味するものとする。
以上に説明した基板20上の第2層間絶縁層284までの層が、回路部11を構成する。
ここで、本実施形態のEL表示装置1は、カラー表示を行うべく、各発光層60が、その発光波長帯域が光の三原色にそれぞれ対応して形成される。例えば、発光層60として、発光波長帯域が赤色に対応した赤色用発光層60R、緑色に対応した緑色用発光層60G、青色に対応した青色用有機EL層60Bとをそれぞれに対応する表示領域R、G、Bに設け、これら表示領域R、G、Bをもってカラー表示を行う1画素が構成される。また、各色表示領域の境界には、金属クロムをスパッタリングなどにて成膜した図示略のBM(ブラックマトリクス)が、例えば有機バンク層221と親液性制御層25との間に形成される。
次に、本実施形態に係るEL表示装置1の製造方法の一例を、図6,7を参照して説明する。図6,7に示す各断面図は、図2中のA−B線の断面図に対応した図である。
なお、本実施形態においては、電気光学装置としてのEL表示装置1がトップエミッション型である場合である。
また、基板20の表面に回路部11を形成させる工程からインクジェット法により発光層60を形成する工程については、従来技術と変わらないので説明を省略する。
まず、従来公知の方法により、基板20の表面に、回路部11、画素電極23、有機バンク層221、発光層60等が形成される。そして、図6(a)に示すように、陰極層形成工程によって陰極50が形成される。
この陰極層形成工程では、例えば蒸着法等の物理的気相蒸着法によりITOを成膜して、陰極50とする。このとき、この陰極50については、発光層60と有機バンク層221の上面を覆うのはもちろん、有機バンク層221の外側部を形成する壁面についてもこれを覆った状態となるように形成する。
なお、陰極50上に陰極保護層55を形成させる場合には、蒸着法等の物理的気相蒸着法により酸化チタン等を陰極50上に成膜させる。
次いで、図6(b)に示すように、緩衝層210は、塗布方式、すなわちウエットプロセスにより配置する。例えばインクジェット法で配置する場合には、まず、インクジェットヘッド(図示略)に緩衝層材料を充填し、インクジェットヘッドの吐出ノズルを陰極50に対向させ、インクジェットヘッドと基材(基板20)とを相対移動させながら、吐出ノズルから1滴当たりの液量が制御された液滴を陰極50に吐出する。次に、吐出後の液滴を乾燥処理し、緩衝層材料に含まれる分散媒や溶媒を蒸発させることにより、緩衝層210を配置する。また、スリットコート(或いはカーテンコート)法により、緩衝層材料を塗布(配置)してもよい。
陰極50上に塗布される緩衝層材料は、有機溶剤により、その粘度が100mPa・s以下、より好ましくは、1〜30mPa・s程度に調整される。緩衝層材料の粘度が低粘度に調整されることにより、陰極50の表面の凹部にも良好に入り込み、更に、緩衝層材料が良好に流動するので、容易に緩衝層210の上面を滑らかに連続した面に形成することができる。
また、緩衝層材料の塗布は、湿度が管理された環境下で行われる。具体的には、−30℃以下、より好ましくは−60℃以下の環境温度下で行われる。温度を−30℃以下にすることにより、絶対湿度が数百ppm(体積比)程度に抑えられる。このように、緩衝層材料を湿度が管理された環境下に置くことにより、緩衝層材料を硬化させることなく長時間安定した状態が維持される。なぜならば、緩衝層材料の粘度を調整するために加えられた有機溶媒に揮発が抑えられるので、緩衝層材料の粘度が維持される。更に、緩衝層材料に混合した反応材料の反応の進行を抑えることができるので、長時間安定した状態が維持される。すなわち、湿気によって急速に反応が進行する反応材料が混合されている緩衝層材料を低湿度の環境に置くことにより、硬化反応が進行せず、長時間安定した状態が得られる。また、光によって反応が進行する反応材料も湿度に反応してしまう性質を持つため、光重合反応剤が混合された緩衝層材料を低湿度の環境に置くことにより、同様に、硬化反応が進行せず、長時間安定した状態が得られる。
このように、緩衝層材料の粘度が調整されるとともに、湿度が管理された環境下で塗布工程が行われることにより、緩衝層210は、陰極50上に良好に被覆し、更に、滑らかに連続した上面が形成される。また、基板20表面に吸着した水分も除去されるので、緩衝層210内に水分が残存してしまうことがなくなる。
続いて、陰極50上に塗布した緩衝層材料を硬化させる乾燥(硬化)工程を行う。硬化条件としては、50℃から120℃程度に加熱(湿気導入)、或いは光を照射する。これにより、緩衝層材料の粘度を調整するために加えられた有機溶媒が揮発するとともに、反応材料による硬化反応が進行して、緩衝層210が硬化する。
このように、50℃から120℃程度の加熱、或いは光照射を行うことにより緩衝層210を硬化させるので、発光層60をその耐熱上限温度以上に加熱させてしまうことがない。したがって、良好な発光層60が得られる。
なお、緩衝層材料の塗布を窒素等のガス雰囲気中で行ってもよい。窒素等のガスをパージすることにより、湿度を低下させた環境で緩衝層材料を塗布することができる。
次いで、図6(c)に示すように、陰極50及び緩衝層210を覆って、すなわち基体200上にて露出する陰極50の全ての部位を覆った状態にガスバリア層30を形成する。
ここで、このガスバリア層30の形成方法としては、先にスパッタリング法やイオンプレーティング法等の物理的気相蒸着法で成膜を行い、次いで、プラズマCVD法等の化学的気相蒸着法で成膜を行うのが好ましい。スパッタリング法やイオンプレーティング法等の物理的気相蒸着法は、一般に異質な基板表面に対しても比較的密着性の良い膜が得られるものの、得られる膜に関しては粒塊状で欠陥が発生しやすく、また応力の大きい被膜になりやすいなどの欠点がある。一方、化学的気相蒸着法では、応力が少なくステップカバーレッジ性に優れた欠陥が少なく緻密で良好な膜質のものが得られるものの、一般に異質な基板表面に対する密着性や造膜性が得られにくいといった欠点がある。そこで、初期の成膜については物理的気相蒸着法を採用して例えば必要な膜厚の半分あるいはそれ以上を形成し、後期の成膜において化学的気相蒸着法を用いることにより、先に形成した膜の欠陥を補うようにすれば、全体としてガスバリア性(酸素や水分に対するバリア性)に優れたガスバリア層30を比較的短時間で形成することができる。
また、ガスバリア層30の形成については、上述したように同一の材料によって単層で形成してもよく、また異なる材料で複数の層に積層して形成してもよく、さらには、単層で形成するものの、その組成を膜厚方向で連続的あるいは非連続的に変化させるようにして形成してもよい。
異なる材料で複数の層に積層して形成する場合、例えば、上述したように物理的気相蒸着法で形成する内側の層(陰極50側の層)を珪素窒化物あるいは珪素酸窒化物などとし、化学的気相蒸着法で形成する外側の層を珪素酸窒化物あるいは珪素酸化物などとするのが好ましい。
更に、物理的気相蒸着法で内側の層を形成する際、成膜装置内に供給する酸素量を最初は少なくし、以下、連続的あるいは非連続的に増やすことにより、形成するガスバリア層30中の酸素濃度を陰極50側(内側)で低くし、外側ではこれより高くなるように形成してもよい。
なお、ガスバリア層30の形成については単一の成膜法で行ってもよいのはもちろんであり、その場合にも、上述したように酸素濃度を陰極50側(内側)で低くなるように形成するのが好ましい。
そして、図7に示すように、ガスバリア層30上に接着層205と表面保護層206からなる保護層204が設けられる。接着層205は、スリットコート法などによりガスバリア層30上に略均一に塗布され、その上に表面保護層206が貼り合わされる。
このようにガスバリア層30上に保護層204を設ければ、表面保護層206が耐圧性や耐摩耗性、光反射防止性、ガスバリア性、紫外線遮断性などの機能を有していることにより、発光層60や陰極50、さらにはガスバリア層もこの表面保護層206によって保護することができ、したがって発光素子の長寿命化を図ることができる。
また、接着層205が機械的衝撃に対して緩衝機能を発揮するので、外部から機械的衝撃が加わった場合に、ガスバリア層30やこの内側の発光素子への機械的衝撃を緩和し、この機械的衝撃による発光素子の機能劣化を防止することができる。
以上のようにして、EL表示装置1が形成される。
このようなEL表示装置1にあっては、陰極50とガスバリア層30との間に、陰極50を覆うとともに略平坦な上面が形成された緩衝層210が配置されるので、緩衝層210が基板200側から発生する反りや体積変化により発生する応力を緩和し、不安定な有機バンク層221からの陰極50の剥離を防止することができる。
更に、緩衝層210の上面が略平坦化されているので、緩衝層210上に形成される硬い被膜からなるガスバリア層30が平坦化されるので、ガスバリア層30に応力が集中する部位がなくなり、これにより、ガスバリア層30へのクラックの発生を防止できる。
なお、上述した実施形態では、トップエミッション型のEL表示装置1を例にして説明したが、本発明はこれに限定されることなく、ボトムエミッション型にも、また、両側に発光光を出射するタイプのものにも適用可能である。
また、ボトムエミッション型、あるいは両側に発光光を出射するタイプのものとした場合、基体200に形成するスイッチング用TFT112や駆動用TFT123については、発光素子の直下ではなく、親液性制御層25および有機バンク層221の直下に形成するようにし、開口率を高めるのが好ましい。
また、EL表示装置1では本発明における第1の電極を陽極として機能させ、第2の電極を陰極として機能させたが、これらを逆にして第1の電極を陰極、第2の電極を陽極としてそれぞれ機能させるよう構成してもよい。ただし、その場合には、発光層60と正孔輸送層70との形成位置を入れ替えるようにする必要がある。
また、本実施形態では、電気光学装置にEL表示装置1を適用した例を示したが、本発明はこれに限定されることなく、基本的に第2電極が基体の外側に設けられるものであれば、どのような形態の電気光学装置にも適用可能である。
次に、本発明の電子機器について説明する。電子機器は、上述したEL表示装置(電気光学装置)1を表示部として有したものであり、具体的には図8に示すものが挙げられる。
図8(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図8(a)において、携帯電話1000は、上述したEL表示装置1を用いた表示部1001を備える。
図8(b)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図8(b)において、時計1100は、上述したEL表示装置1を用いた表示部1101を備える。
図8(c)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図8(c)において、情報処理装置1200は、キーボードなどの入力部1201、上述したEL表示装置1を用いた表示部1202、情報処理装置本体(筐体)1203を備える。
図8(a)〜(c)に示すそれぞれの電子機器は、上述したEL表示装置(電気光学装置)1を有した表示部1001,1101,1202を備えているので、表示部を構成するEL表示装置の発光素子の長寿命化が図られたものとなる。
EL表示装置の配線構造を示す図 EL表示装置の構成を示す模式図 図2のA−B線に沿う断面図 図2のC−D線に沿う断面図 図3の要部拡大断面図 EL表示装置の製造方法を工程順に示す図 図6に続く工程を示す図 電子機器を示す図
符号の説明
1 表示装置(電気光学装置)、 23 画素電極(第1電極)、 30 ガスバリア層、 50 陰極(第2電極)、 55 陰極保護層(保護層)、 60 発光層(電気光学層)、 200 基体、 210 緩衝層、 221 有機バンク層(バンク構造体)、 221a 開口部、 1000 携帯電話(電子機器)、1100 時計(電子機器)、 1200 情報処理装置(電子機器)、 1001,1101,1202 表示部(電気光学装置)

Claims (13)

  1. 基体上に、複数の第1電極を成膜する工程と、前記第1電極の形成位置に対応した複数の開口部を有するバンク構造体を形成する工程と、前記開口部のそれぞれに電気光学層を配置する工程と、前記バンク構造体及び前記電気光学層を覆う第2電極を成膜する工程と、を有する電気光学装置の製造方法において、
    前記第2電極を成膜させる工程の後に、
    −30℃以下の環境温度下で前記第2電極を覆う緩衝層を塗布する工程と、
    前記電気光学層の耐熱上限温度以下の環境下で前記緩衝層を硬化させる工程と、
    前記緩衝層を覆うガスバリア層を成膜する工程と、を有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  2. 前記緩衝層の上面は、滑らかに連続した面に形成されることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の製造方法。
  3. 前記緩衝層は、塗布の粘度が100mPa・s以下に調整されることを特徴とする請求項2に記載の電気光学装置の製造方法。
  4. 前記緩衝層を硬化させる工程は、120℃以下の環境温度下若しくは光が照射される環境下で行われることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
  5. 前記緩衝層を、前記バンク構造体が露出しないように、前記バンク構造体よりも広い範囲に塗布することを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
  6. 前記ガスバリア層を、前記緩衝層が露出しないように、前記緩衝層よりも広い範囲に成膜することを特徴とする請求項5に記載の電気光学装置の製造方法。
  7. 前記ガスバリア層は、前記基体の外周部の絶縁層に接触するように形成されることを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
  8. 前記第2電極を成膜させる工程と前記緩衝層を塗布する工程との間に、前記第2電極の腐食を防止する保護層を形成する工程を有することを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
  9. 前記保護層は、前記基体の外周部の絶縁層に接触するように形成されることを特徴とする請求項8に記載の電気光学装置の製造方法。
  10. 前記保護層と前記ガスバリア層とは、前記基体の外周部において接触するように形成されることを特徴とする請求項8または9に記載の電気光学装置の製造方法。
  11. 前記緩衝層は、アルコキシルシラン化合物が混合された有機材料からなることを特徴とする請求項1から請求項10のうちいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
  12. 前記緩衝層は、イソシアネート化合物が混合された有機材料からなることを特徴とする請求項1から請求項1のうちいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
  13. 前記緩衝層は、光重合反応剤が混合された有機材料からなることを特徴とする請求項1から請求項1のうちいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
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