JP2005276532A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極の実効的な反応面積が充分に確保されている燃料電池を提供する。
【解決手段】電解質体と、電解質体が一側方に配置されている電極14bと、電極14bの他側方に当接され、電極14bに供給される物質が導入される第1の開口34a及び電極14bとの当接部分に配置されている第2の開口34bを有する貫通孔32が形成されている、セパレータ16bと、を有する燃料電池。貫通孔32を規定する周壁は、第2の開口34bに含まれる全ての点のうち重力方向において最も低い位置の点から、第1の開口34aに向かって高さが減少する傾斜部36を有する。
【選択図】 図2
【解決手段】電解質体と、電解質体が一側方に配置されている電極14bと、電極14bの他側方に当接され、電極14bに供給される物質が導入される第1の開口34a及び電極14bとの当接部分に配置されている第2の開口34bを有する貫通孔32が形成されている、セパレータ16bと、を有する燃料電池。貫通孔32を規定する周壁は、第2の開口34bに含まれる全ての点のうち重力方向において最も低い位置の点から、第1の開口34aに向かって高さが減少する傾斜部36を有する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、電解質体が一側方に配置されている電極の他側方にセパレータを当接させた燃料電池に関する。
従来、燃料と酸化剤との化学反応を利用して発電を行う燃料電池が用いられている。燃料電池には次の2つのタイプが存在する。第1のタイプは、発電に利用される酸化剤等をポンプや高圧ボンベ等の補機を用いて電極に供給するものである。第2のタイプは、酸化剤等を補機を用いずに自己拡散により電極に供給するものである。例えば、酸化剤として空気を用いる場合には、空気中に配置され、空気の自己拡散により電極に空気が供給される燃料電池を使用することが可能である。なお、分子等はその熱運動により非平衡状態の濃度分布から熱平衡状態の濃度分布へと移行する性質を有し、結果として自己拡散が生じるようになっている。
このような自己拡散型の燃料電池として、酸化剤を自己拡散により供給する特許文献1の燃料電池がある。この燃料電池では、図8(A)に示されるように、電解質膜112の一側面に燃料側電極114a、他側面に酸化剤側電極114bを積層している。そして、燃料側電極114aと酸化剤側電極114bとを、燃料側セパレータ116aと酸化剤側セパレータ116bとによって挟持して押圧している。
酸化剤側セパレータ116bは、酸化剤側電極114b側の拡散部材119bと反対側の連通部材120bとによって形成されている。図8(B)及び図8(C)に示されるように、連通部材120bには、酸化剤を拡散部材119bへと供給するための複数の長溝状の連通貫通溝122が一方向に延設されている。また、拡散部材119bには、酸化剤を拡散するための複数の長溝状の拡散貫通溝128が、連通貫通溝122にほぼ直交する方向に延設されている。即ち、拡散貫通溝128と連通貫通溝122とによって、図8(A)に示されている酸化剤側電極114bに燃料を供給する貫通孔が形成されている。
なお、燃料の供給については、前記第1のタイプの燃料電池のように、燃料側セパレータ116aは補機から送られた燃料を燃料側電極114aに供給する構造になっている。拡散部材119aには、ジグザグに貫通した流路(図示しない)が形成されている。連通部材120aには、燃料ガス供給穴が2つ形成されていて(図示しない)、それらは前記拡散部材119aに形成したジグザグに貫通した流路の終端2箇所と接続可能な位置に設けられる。
燃料電池により発電を行う際には、燃料ガス供給穴の一方から燃料を補機を用いて燃料側電極114aに供給する。一方、酸化剤側セパレータ116bの貫通孔を介して酸化剤側電極114bに酸化剤を自己拡散により供給する。この結果、電解質膜112を介して化学反応が進行して発電が行われ、酸化剤側電極114bでは水が発生する。なお、発電に寄与しなかった燃料は他方の燃料ガス供給穴より排出される。また、特許文献1に記載の燃料電池以外に、図8(D)に示されるような拡散部材119a,119bを使用しない燃料電池も従来使用されている。
特開2003−31240号公報
酸化剤側電極114bで発生した液体は、重力の作用により酸化剤側電極114bに沿って下方へと移動し、貫通孔の酸化剤側電極114b近傍に滞留する。また、酸化剤側電極114bで発生した液体やその他の液体は貫通孔の下部に溜まる。この結果、酸化剤側電極114bの一部分が液体によって遮蔽され、酸化剤側電極114bの実効的な反応面積が減少してしまう。
本発明は、上記課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、電極の実効的な反応面積が充分に確保されている燃料電池を提供することである。
本発明の好ましい一態様は、電解質体と、前記電解質体が一側方に配置されている電極と、前記電極の他側方に当接され、前記電極に供給される物質が導入される第1の開口及び前記電極との当接部分に配置されている第2の開口を有する貫通孔が形成されている、セパレータと、を具備し、前記貫通孔を規定する周壁は、前記第2の開口に含まれる全ての点のうち重力方向において最も低い位置の点から、前記第1の開口に向かって高さが減少する傾斜部を有することを特徴とする燃料電池である。
好ましくは、前記傾斜部は、前記第2の開口を規定する周壁の一部分から延びていることを特徴とする。
好ましくは、前記傾斜部は、前記第1の開口を規定する周壁の一部分まで延びていることを特徴とする。
好ましくは、前記貫通孔を規定する周壁は、前記傾斜部と異なる第2の傾斜部を含むことを特徴とする。
好ましくは、前記貫通孔を規定する周壁は、前記第1の開口に含まれる全ての点のうち重力方向において最も高い位置の点から、前記第2の開口に向かって高さが増加する第2の傾斜部を有することを特徴とする。
好ましくは、前記第2の傾斜部は、前記第1の開口を規定する周壁の一部分から延びていることを特徴とする。
好ましくは、前記第2の傾斜部は、前記第2の開口を規定する周壁の一部分まで延びていることを特徴とする。
好ましくは、前記貫通孔は、複数であることを特徴とする。
好ましくは、前記貫通孔は、結晶異方性エッチングにより形成されていることを特徴とする。
好ましくは、前記貫通孔は、等方性エッチングにより形成されていることを特徴とする。
好ましくは、前記第1の開口は、外部に開放されていることを特徴とする。
好ましくは、前記電解質体と、前記電極は、水平方向に積層されて互いに当接していることを特徴とする。
本発明によれば、電極の実効的な反応面積が充分に確保されている。
以下、本発明の第1実施形態を図1を参照して説明する。本実施形態の燃料電池は、図1に示されるように、電解質膜12の一側面に燃料側電極14a、他側面に酸化剤側電極14bを積層している(図1(A)参照)。そして、燃料側電極14aと酸化剤側電極14bとを、燃料側セパレータ16aと酸化剤側セパレータ16bとによって挟持して押圧している。このようにして燃料電池のセル体18が形成されている。
酸化剤側セパレータ16bは、酸化剤側電極14b側の拡散部材19と反対側の連通部材20とによって形成されている。連通部材20には、酸化剤を拡散部材19へと供給するための複数の長溝状の連通貫通溝22が一方向に延設されている(図1(B)参照)。本実施形態では6つの連通貫通溝22が形成されているが6つに限定されるものではない。連通貫通溝22の外側の開口を外側連通開口24a、酸化剤側電極14b側の開口を電極側連通開口24bと称する(図1(C)参照)。連通貫通溝22の重力方向の下端部の周壁には、電極側連通開口24bに含まれる全ての点のうち最も低い位置の点から、外側連通開口24aに向かって高さが減少する連通傾斜部26が形成されている。なお、本明細書中において、高い及び低い、または上端及び下端といった用語は、特に断りのない限り、重力方向を基準とした位置を示すものである。なお、連通貫通溝22の重力方向に対する上端部には連通傾斜部26は形成されていない。
拡散部材19には、酸化剤を酸化剤側電極14bへと拡散するための複数の長溝状の拡散貫通溝28が、連通貫通溝22と直交する方向に延設されている(図1(D)参照)。本実施形態では3つの拡散貫通溝28が形成されているが3つに限定されるものではない。拡散貫通溝28の外側の開口を外側拡散開口30a、酸化剤側電極14b側の開口を電極側拡散開口30bと称する(図1(E)参照)。拡散貫通溝28の重力方向の下端側の周壁には、電極側拡散開口30bに含まれる全ての点のうち最も低い位置の点から、外側拡散開口30aに向かって高さが減少する拡散傾斜部31が形成されている。
連通貫通溝22と拡散貫通溝28とによって、酸化剤側セパレータ16bを貫通する複数の貫通孔32が形成されている(図1(F)参照)。本実施形態では18個の貫通孔32が形成されていることになる。勿論、貫通孔32の数も18個に限定しないが、ここでは貫通孔32の数を18個として説明する。これら貫通孔32の外側の開口を第1の開口34aと称する。これら第1の開口34aは外部に開放されている。ここで、外部に開放されているとは補機が接続されていないことを意味する。一方、貫通孔32の酸化剤側電極14b側の開口を第2の開口34bと称する。
貫通孔32を規定する周壁には、連通傾斜部26又は拡散傾斜部31により傾斜部36が形成されている。この傾斜部36は、第2の開口34bに含まれる全ての点のうち最も低い位置の点から、第1の開口34aに向かって高さが減少している。また、傾斜部36は、第2の開口34bを規定する周壁の一部分から延びている。また、上記した18個の貫通孔32のうち、下端部に形成されている6個の貫通孔32においては、傾斜部36が第1の開口34aを規定する周壁の一部分まで延びている。
なお、燃料の供給方法に応じて、燃料側セパレータ16aも酸化剤側セパレータ16bと同様な構成となっていてもよいが、本発明においては限定されない。
なお、燃料の供給方法に応じて、燃料側セパレータ16aも酸化剤側セパレータ16bと同様な構成となっていてもよいが、本発明においては限定されない。
次に、上記構成の本実施形態の燃料電池の作用について説明する。燃料電池を用いて発電を行う際には、燃料側セパレータ16aに水素ガス等の燃料を供給し、酸化剤側セパレータ16bの貫通孔32の第1の開口34aに空気等の酸化剤を自己拡散により供給する。なお、燃料は、水素ガス等のガス燃料に限られず、メタノール、ボロハイドライドのアルカリ水溶液等の液体燃料であってもよい。燃料は燃料側電極14aに供給され、酸化剤は、貫通孔32を介して酸化剤側電極14bに供給される。この結果、電解質膜12を介して化学反応が進行し、発電が行われる。
化学反応の結果、酸化剤側電極14b側には水又は苛性アルカリ水溶液等の液体が発生する。液体は重力の作用により傾斜部36の第2の開口34b側端部まで移動する。傾斜部36の第2の開口34b側端部に達した液体は、重力の作用により傾斜部36上を第2の開口34b側から第1の開口34a側へと移動する。さらに、連通貫通溝22の一端部に配置されている貫通孔32においては、液体が傾斜部36上を移動して第1の開口34aまで達して、第1の開口34aから外部へと排出される。
従って、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。貫通孔32を規定する周壁には傾斜部36が形成されている。この傾斜部36は、第2の開口34bに含まれる全ての点のうち最も低い位置の点から、第1の開口34aに向かって高さが減少している。このため、酸化剤側電極14bで発生した液体を、重力の作用により第2の開口34b側から第1の開口34a側へと移動することができ、酸化剤側電極14b近傍に液体が滞留したり接近したりすることを防止することが可能となっている。従って、酸化剤側電極14bの一部分が液体によって遮蔽されることを防止し、酸化剤側電極14bの実効的な反応面積を充分に確保することが可能となっている。
また、傾斜部36は、第2の開口34bを規定する周壁の一部分から延びている。このため、酸化剤側電極14bで発生して傾斜部36の第2の開口34b側端部まで移動した液体は、その位置で滞留することなく速やかに第1の開口34a側へと移動する。従って、酸化剤側電極14bの実効的な反応面積が一層確保されている。
さらに、連通貫通溝22の一端部に配置されている貫通孔32においては、傾斜部36が第1の開口34aを規定する周壁の一部分まで延びている。このため、傾斜部36を移動した液体は、貫通孔32内で滞留することなく速やかに第1の開口34a側から外部へと移動する。従って、貫通孔32内に液体が滞留することが少なく、酸化剤側電極14bの実効的な反応面積がさらに一層確保されている。
本実施形態では、酸化剤側セパレータ16bの連通部材20と拡散部材19とに夫々連通傾斜部26及び拡散傾斜部31が形成されている。しかしながら、拡散部材19の厚さが液体の排出に影響を与えない程度に充分に薄い場合等には、連通部材20のみに傾斜を形成する構成とすることも可能である。同様に、拡散部材19のみに傾斜を形成する構成とすることも可能である。
図2は本発明の第2実施形態を示す。本実施形態では、図2(C)に示されるように拡散部材19は用いられていない。そして、連通貫通溝22(図1(B)参照)が貫通孔32を形成している。本実施形態では拡散部材19が用いられていないため、部品点数が削減されている。なお、セパレータは本発明の範囲内で様々に変形可能であり、例えば三層以上の構造のセパレータを用いることも可能である。
図2(D)は本発明の第2実施形態の変形例を示す。第2実施形態では、貫通孔32の第1の開口34aから第2の開口34bに向かう方向に直交する断面の形状は角に曲率半径を有する長方形である。代わって、本変形例の貫通孔32はほぼ円形となっている。その他、楕円形状、角に曲率半径を持たない長方形等様々な変形が可能である。
図3(A)は、本発明の第3実施形態を示す。第2実施形態と同様な機能を有する構成には、同一の参照符号を付して説明を省略する。図3(A)に示されるように、本実施形態の酸化剤側セパレータ16bの貫通孔32を規定する周壁には、傾斜部36(以下、第1の傾斜部36aと称する)に対面する位置に別の傾斜部36(以下、第2の傾斜部36bと称する)が形成されている。
次に、上記構成の本実施形態の燃料電池の作用について説明する。第2の傾斜部36bから第1の傾斜部36aへと向かう方向が重力方向とほぼ一致するように燃料電池を配置した場合には第1の傾斜部36a上を液体が移動し、第1の傾斜部36aから第2の傾斜部36bへと向かう方向が重力方向とほぼ一致するように燃料電池を配置した場合には第2の傾斜部36b上を液体が移動する。
従って、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。燃料電池が搭載される機器、例えば、デジタルカメラ、携帯電話等の携帯機器を使用する際には、上下が反転されて使用される場合が想定される。このような機器においては、本実施形態の燃料電池を第1の傾斜部36aと第2の傾斜部36bとを結ぶ方向が機器の上下方向に一致するように搭載することにより、機器を上下を反転させて使用する場合であっても第1実施形態と同様な効果を得ることが可能である。
また、携帯機器に限らず、機器に組み付ける際に、上下を気にしなくてもよいので、機器への組み付けが容易になる。さらに、燃料電池のセル体18を組み立てる際にも、酸化剤側セパレータ16bの上下方向を間違えないように気をつける必要がなく、組立が容易である。
図3(B)乃至図3(D)は、第3実施形態の第1乃至第3変形例を示す。図3(A)に示される第3実施形態では、第1の開口34aから第2の開口34bに向かう方向、及び、第1の傾斜部36aから第2の傾斜部36bに向かう方向に平行な平面で、貫通孔32を切断した断面はほぼ台形となっている。代わって、図3(B)及び図3(D)に示されるように、貫通孔32の形状を様々な形状に変形することが可能である。また、図3(A)に示される第3実施形態の貫通孔32の第1の開口34aから第2の開口34bに向かう方向に直交する断面の形状はほぼ角に曲率半径を有する長方形である。代わって、図3(D)に示されるように、例えば円形等、貫通孔32の形状を様々な形状に変更することが可能である。
図4(A)は、本発明の第4実施形態を示す。第3実施形態と同様な機能を有する構成には、同一の参照符号を付して説明を省略する。本実施形態の貫通孔32の第1の開口34aから第2の開口34bに向かう方向に直交する断面の形状はほぼ円形となっている。そして、第1の傾斜部36aと第2の傾斜部36bとの間の内の一方の間に第3の傾斜部36cが形成され、他方の間に第4の傾斜部36dが形成されている。即ち、第4の傾斜部36dから第3の傾斜部36cに向かう方向が重力の方向とほぼ一致するように燃料電池が配置された場合には第3の傾斜部36c上を液体が移動し、第3の傾斜部36cから第4の傾斜部36dに向かう方向が重力の方向とほぼ一致するように燃料電池が配置された場合には第4の傾斜部36d上を液体が移動するようになっている。このように、本実施形態の燃料電池を搭載した機器においては、機器を重力の方向に対して様々な姿勢で使用する場合であっても第1実施形態と同様な効果を得ることが可能である。
また、携帯機器に限らず、機器に組み付ける際に、上下左右を気にしなくてもよいので、機器への組み付けが容易になる。さらに、燃料電池のセル体18を組み立てる際にも、酸化剤側セパレータ16bの上下左右方向を間違えないように気をつける必要がなく、組立が容易である。
図4(B)は、本発明の第4実施形態の変形例を示す。この変形例では、傾斜部36が貫通孔32を規定する周壁の全周に渡って形成されている。本変形例の場合は機器を重力の方向に対してさらに様々な姿勢で使用する場合であっても、第1実施形態と同様な効果を得ることが可能である。
また、携帯機器に限らず、機器に組み付ける際に、円周方向に対して向きを気にしなくてもよいので、機器への組み付けがさらに容易になる。また、燃料電池のセル体18を組み立てる際にも、酸化剤側セパレータ16bの円周方向に対して向きを間違えないように気をつける必要がなく、さらに組立が容易である。
図5は、本発明の第5実施形態を示す。第3実施形態と同様な機能を有する構成には、同一の参照符号を付して説明を省略する。本実施形態の酸化剤側セパレータ16bの貫通孔32を規定する周壁の第2の開口34b側の端部には、第2の開口34bにほぼ垂直な面取り部38が形成されている。このため、この部分の強度が増大されており、変形が生じにくくなっている。従って、酸化剤側セパレータ16bと酸化剤側電極14bとの間の密着性を損ないにくくなっている。また、酸化剤側セパレータ16bにそれほど大きな剛性が必要ではなくなっており、材料選択の幅が広がっている。
図6は、本発明の第6実施形態を示す。第1実施形態の変形例と同様な機能を有する構成には、同一の参照符号を付して説明を省略する。本実施形態の酸化剤側セパレータ16bの貫通孔32を規定する周壁には、傾斜部36に対面する位置に第2の傾斜部40が形成されている。この第2の傾斜部40は、第1の開口34aに含まれる全ての点のうち重力方向において最も高い位置の点から、第2の開口34bに向かって高さが増加している。また、第2の傾斜部40は、第2の開口34bを規定する周壁の一部分から第1の開口34aを規定する周壁の一部分まで延びている。
燃料電池を用いて発電を行う際には、第2の傾斜部40から傾斜部36へと向かう方向が重力の方向とほぼ一致するように燃料電池を配置する。この結果、液体が酸化剤側セパレータ16bの酸化剤側電極14b側とは反対側の面を重力の作用によって移動し、第1の開口34aの第2の傾斜部40側の端部に達した場合であっても、液体が貫通孔32の内部へと流入することが防止される。なお、重力方向に複数の第1の開口34aが配置された場合には、上部の第1の開口34aから排出された液体が下部の第1の開口34aへ流入するのが防止されることとなり特に有効である。このような効果は、上述した図3(B)及び(C)のような貫通孔形状においても期待することができる。
なお、上述の第1乃至第6実施形態及びそれらの変形例は、燃料の種類や供給方法によっては、燃料側セパレータ16aに応用できる。例えば、燃料側セパレータ16aも酸化剤側セパレータ16bと同様な構成にし、燃料及び酸化剤等の発電のための活物質を自己拡散によって供給するようにしてもよい。
以下、図7を参照して、上記実施形態の酸化剤側セパレータ16bの製造方法の一例について説明する。この製造方法は、半導体製造技術を利用したマイクロマシン技術を用いるものである。以下では、図3(A)に示される本発明の第3実施形態の酸化剤側セパレータ16bの製造方法を説明する。
(工程1)図7(A)に示されるように、面方位(100)の単結晶シリコン基板42を準備する。ここで便宜上、図中下側の面を第1の面44a、上側の面を第2の面44bと称する。
(工程2)図7(B)に示されるように、シリコン基板42の両面にCVD(Chemical Vapor Deposition)法等によってシリコン窒化膜46等を成膜する(以下、シリコン窒化膜46が成膜されたとして説明する)。
(工程3)図7(C)に示されるように、シリコン基板42の第2の面44bに成膜されたシリコン窒化膜46の内、貫通孔32(図7(F)参照)を形成したい位置にあるシリコン窒化膜46をフォトリソグラフィ等によって除去する。
(工程4)図7(D)に示されるように、シリコン基板42を水酸化カリウム水溶液等で結晶異方性エッチングする。
(工程5)図7(E)に示されるように、全てのシリコン窒化膜46を燐酸等で除去する。この結果、シリコン基板42に貫通孔32が形成される。
(工程6)図7(F)に示されるように、シリコン基板42の表面に蒸着、めっき等により金属膜48を成膜する。なお、この工程は酸化剤側セパレータ16bの導電性を向上させるものであり必ずしも必要なものではない。
上記方法では、半導体製造技術を利用したマイクロマシン技術によって酸化剤側セパレータ16bを製造している。このため、形状精度のよい酸化剤側セパレータ16bを安価に提供することが可能となっている。さらに、かかる製造方法によれば形状精度のよい微少なセパレータ16a,16bを安価に製造することができ、燃料電池の小型化に対応することが可能となっている。
工程1でシリコン基板42の替わりに、ガラス基板、ガラス・エポキシ基板等を用いることが可能である。なお、これらの基板は絶縁体であり、導電性を得るための工程6は必須となる。一方、工程1でシリコン基板42の替わりに、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)等の金属基板を用いることが可能である。この場合、酸化剤側セパレータ16bは工程6を行うことなく良好な導電性を有することとなる。
また、上記方法では結晶異方性エッチングを使用して直線状の傾斜部36を形成しているが、等方性エッチングを使用することにより曲線状の傾斜部36を形成することが可能である。工程1でシリコン基板42の替わりにガラス基板を用いた場合には、工程4でフッ化水素水溶液と硝酸との混合液やプラズマエッチング装置等を用いることにより等方性エッチングを行うことが可能となる。また、工程1で金属基板を用いた場合には、酸系のエッチング液やプラズマエッチング装置等を用いることにより等方性エッチングを行うことが可能となる。
ところで、ポンプ等の補機を用いる燃料電池の場合には、燃料又は酸化剤を供給するために、燃料又は酸化剤の流れる流路内に圧力を負荷することとなる。この場合、流路の形状に応じて、電極近傍の液体が、負荷される圧力により排除される場合がある。即ち、電極の反応の実効面積の減少がある程度防止されることが想定される。しかしながら、自己拡散型の燃料電池については、このような効果が想定されず、電極の反応の実効面積を充分に確保する機構が特に必要となる。もちろん、本発明は補機を用いる燃料電池にも有効であるが、上記した理由により自己拡散型の燃料電池に適用する際には顕著な効果を期待できる。
本発明は、電極の実効的な反応面積が充分に確保されている、電解質体が一側方に配置されている電極の他側方にセパレータを当接させた燃料電池を提供する。
12…電解質体、14a,14b…電極、16a,16b…セパレータ、32…貫通孔、34a…第1の開口、34b…第2の開口、36…傾斜部。
Claims (12)
- 電解質体と、
前記電解質体が一側方に配置されている電極と、
前記電極の他側方に当接され、前記電極に供給される物質が導入される第1の開口及び前記電極との当接部分に配置されている第2の開口を有する貫通孔が形成されている、セパレータと、を具備し、
前記貫通孔を規定する周壁は、前記第2の開口に含まれる全ての点のうち重力方向において最も低い位置の点から、前記第1の開口に向かって高さが減少する傾斜部を有することを特徴とする燃料電池。 - 前記傾斜部は、前記第2の開口を規定する周壁の一部分から延びていることを特徴とする請求項1の燃料電池。
- 前記傾斜部は、前記第1の開口を規定する周壁の一部分まで延びていることを特徴とする請求項1の燃料電池。
- 前記貫通孔を規定する周壁は、前記傾斜部と異なる第2の傾斜部を含むことを特徴とする請求項1の燃料電池。
- 前記貫通孔を規定する周壁は、前記第1の開口に含まれる全ての点のうち重力方向において最も高い位置の点から、前記第2の開口に向かって高さが増加する第2の傾斜部を有することを特徴とする請求項4の燃料電池。
- 前記第2の傾斜部は、前記第1の開口を規定する周壁の一部分から延びていることを特徴とする請求項5の燃料電池。
- 前記第2の傾斜部は、前記第2の開口を規定する周壁の一部分まで延びていることを特徴とする請求項5の燃料電池。
- 前記貫通孔は、複数であることを特徴とする請求項1又は4の燃料電池。
- 前記貫通孔は、結晶異方性エッチングにより形成されていることを特徴とする請求項1の燃料電池。
- 前記貫通孔は、等方性エッチングにより形成されていることを特徴とする請求項1の燃料電池。
- 前記第1の開口は、外部に開放されていることを特徴とする請求項1の燃料電池。
- 前記電解質体と、前記電極は、水平方向に積層されて互いに当接していることを特徴とする請求項1の燃料電池。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007171457A (ja) * | 2005-12-21 | 2007-07-05 | Fuji Xerox Co Ltd | 光走査装置および画像形成装置 |
JP2015525447A (ja) * | 2012-06-11 | 2015-09-03 | アッシュテセラミックス ソシエテ アノニムHtceramix S.A. | 燃料電池用ガス分配素子 |
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2004
- 2004-03-23 JP JP2004085675A patent/JP2005276532A/ja not_active Withdrawn
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