JP2005275327A - 投射表示装置 - Google Patents

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賢一 萩原
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Abstract

【課題】図面データ等を工事位置等の所望の投射表示面に表示することにより、状況の把握を迅速に行うことができると共に、取付位置等を迅速に決定することが可能な投射表示装置を提供する。
【解決手段】表示情報を記憶する表示情報記憶手段と、該表示情報記憶手段で記憶している表示情報を任意の投射表示面に投射表示する投射表示手段と、前記投射表示面に形成された参照基準点との距離を測定する距離測定手段と、前記表示情報に含まれている記基準点位置を前記参照基準点に一致させると共に、前記距離測定手段で測定した距離に基づいて表示情報を実寸で表示する倍率調整手段とを備えている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、工事現場や物品搬入出路等で、埋設物位置や製品取付け位置等を簡易に表示することができる投射表示装置に関する。
従来の投射表示装置としては、たとえば、テキスト、画像情報およびデータを表現するための装置を含み、映像を離れた表示面に投射する情報処理・表示システムを組み込まれた、データ表示機能を組み込まれた小型装置やデータを離れた面に投射するためのプロジェクタを組み込まれた小型情報処理装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2001−222067号公報(第1頁、図1)
上記特許文献1に記載された従来例にあっては、小型情報処理装置にプロジェクタが組み込まれているので、携帯することができ、必要なときに、小型情報処理装置に記憶されているテキスト、画像情報等のデータをプロジェクタによって任意の投射面に投射することができるものであるが、その用途は単に記憶されているテキスト、画像情報等のデータを離れた画面上に投射表示するにすぎない。
ところで、工事現場や物品搬入出路等では、埋設物位置や製品取付け位置等は一般に所定縮尺の図面に表されており、この図面を見ながら埋設物位置や製品取付け位置等を確認する必要がある。このような場合に、上記従来例の小型情報処理装置に図面データを格納しておくことにより、任意の投射面に図面を投射することが可能となる。
しかしながら、この場合には、単に図面の代わりに図面データが投射表示されるだけであるので、現場と図面とを見比べながら工事等を行う必要があり、工事等の手助けとなることはないという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、図面データ等を工事位置等の所望の投射表示面に表示することにより、状況の把握を迅速に行うことができると共に、取付位置等を迅速に決定することが可能な投射表示装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に係る投射表示装置は、表示情報を記憶する表示情報記憶手段と、該表示情報記憶手段で記憶している表示情報を任意の投射表示面に投射表示する投射表示手段と、該投射表示手段で、表示情報を投射表示する際に表示情報の投射表示面での表示寸法を所望倍率に調整する倍率調整手段とを備えたことを特徴としている。
また、請求項2に係る投射表示装置は、表示情報を記憶する表示情報記憶手段と、該表示情報記憶手段で記憶している表示情報を任意の投射表示面に投射表示する投射表示手段と、前記投射表示面との距離を測定する距離測定手段と、該距離測定手段で測定した距離に基づいて表示情報を実寸で表示する倍率調整手段とを備えていることを特徴としている。
さらに、請求項3に係る投射表示装置は、表示情報を記憶する表示情報記憶手段と、該表示情報記憶手段で記憶している表示情報を任意の投射表示面に投射表示する投射表示手段と、前記投射表示面との距離を測定する距離測定手段と、該距離測定手段で測定した距離に基づいて前記投射表示手段での投射表示軸線に対する投射表示面の相対傾斜角を算出する投射表示面傾角算出手段と、該投射表示面傾角算出手段で算出した投射表示面の相対傾斜角及び前記距離に基づいて前記投射表示面に表示情報を実寸で表示する倍率調整手段とを備えていることを特徴としている。
さらにまた、請求項4に係る投射表示装置は、表示情報を記憶する表示情報記憶手段と、該表示情報記憶手段で記憶している表示情報を任意の投射表示面に投射表示する投射表示手段と、前記投射表示面に形成された参照基準点との距離、方位、俯仰角度を測定する位置関係測定手段と、該位置関係測定手段で測定した距離、方位、俯仰角度に基づいて前記投射表示手段での投射表示軸線に対する投射表示面の相対傾斜角を算出する投射表示面傾角算出手段と、前記位置関係測定手段で測定した方位に基づいて表示情報の表示方向を調整する表示方向調整手段と、前記表示情報に含まれている基準点を前記参照基準点に一致させると共に、前記投射表示面傾角算出手段で算出した投射表示面の相対傾斜角に基づいて当該投射表示面に前記表示方向調整手段で表示方向が調整された表示情報を実寸で表示する倍率調整手段とを備えていることを特徴としている。
なおさらに、請求項5に係る投射表示装置は、請求項1乃至4の何れか1つの発明において、前記投射表示面に形成された識別コードを読取る識別コード読取手段と、該識別コード読取手段で読取った識別コードに基づいて前記表示情報記憶手段に記憶されている表示情報を選択して前記投射表示手段に供給する表示情報選択手段とを備えていることを特徴としている。
また、請求項6に係る投射表示装置は、請求項5の発明において、前記識別コードは、光学的に読取り可能に形成されていることを特徴としている。
さらに、請求項7に係る投射表示装置は、請求項5の発明において、前記識別コードは、非接触ICタグに格納され、前記識別コード読取手段は非接触ICタグに対して無線通信が可能な無線通信器で構成されていることを特徴としている。
さらにまた、請求項8に係る投射表示装置は、基準点を含む表示情報と各々の基準点に対応する参照基準点毎の識別コードとを記憶する表示情報記憶手段と、該表示情報記憶手段で記憶している表示情報から設定したい基準点を含む表示情報を選択する表示情報選択手段と、該表示情報選択手段で選択した表示情報を任意の投射表示面に投射表示する投射表示手段と、前記設定したい基準点に対応する参照基準点の識別コードを表示すると共に前記投射表示面に固定可能な表示体を形成する識別コード表示体形成手段とを備えていることを特徴としている。
さらにまた、請求項9に係る投射表示装置は、請求項8に係る発明において、前記投射表示手段は、表示情報選択手段で選択した表示情報を投射表示面に投射表示する際に、参照基準点位置を他の表示情報から識別可能な形態で表示するように構成されていることを特徴としている。
なおさらに、請求項10に係る投射表示装置は、表示情報を記憶する表示情報記憶手段と、該表示情報記憶手段で記憶している表示情報を任意の投射表示面に投射表示する投射表示手段と、前記投射表示面との距離を測定する距離測定手段と、該距離測定手段で測定した距離に基づいて表示情報を実寸で表示する倍率調整手段と、投射表示面の配置情報を取得する配置情報取得手段と、該配置情報取得手段で取得した配置情報に基づいて前記表示情報記憶手段に記憶している表示情報を修正する表示情報修正手段とを備えていることを特徴としている。
また、請求項11に係る投射表示装置は、請求項1乃至10の何れか1つに係る発明において、前記投射表示手段は、光源と、光源から照射光が照射され、当該照射光を表示情報に応じて変調する液晶パネルと、該液晶パネルを透過した光を外部に投射する投射レンズとで構成されていることを特徴としている。
さらに、請求項12に係る投射表示装置は、請求項1乃至10の何れか1つに係る発明において、前記投射表示手段は、表示情報記憶手段に記憶されている表示情報に基づいて発振制御されるレーザ発振器と、該レーザ発振器から出力されるレーザ光を反射して水平方向に走査する主走査ポリゴンミラーと、該主走査ポリゴンミラーで反射されて偏向したレーザ光を反射して垂直方向に走査する副走査ポリゴンミラーとで構成されていることを特徴としている。
さらにまた、請求項13に係る投射表示装置は、請求項1乃至12の何れか1つに係る発明において、少なくとも前記表示情報記憶手段及び投射表示手段が携帯容器内に収納された構成を有することを特徴としている。
また、請求項14に係る投射表示装置は、一直線上にない少なくとも3点の基準点を設けた表示情報を記憶する表示情報記憶手段と、該表示情報記憶手段で記憶している表示情報を前記基準点にそれぞれ対応する参照基準点を設ける投射表示面に投射表示する投射表示手段と、前記投射表示面上の情報を撮像面上で撮像する撮像手段と、前記撮像面上の各参照基準点の撮像位置を測定する位置測定手段と、前記投射表示面上の各参照基準点と前記撮像手段の撮像面との距離を測定する距離測定手段と、前記位置測定手段で測定した位置情報と前記距離測定手段で測定した各参照基準点の距離情報とに基づいて、前記投射表示面上に投射する前記表示情報の基準点の表示と前記投射表示面上の参照基準点とが合致するような投射用の描画情報を、前記表示情報から変換する倍率調整手段とを備え、前記投射表示手段は、前記倍率調整手段で変換した描画情報を表示する投射用描画手段と、該投射用描画手段に表示された描画情報を前記投射表示面に投射する投射手段とを備えていることを特徴としている。
また、請求項15に係る投射表示装置は、請求項14に記載の投射表示装置において、さらに、前記投射表示面上に複数の代表点を設定するとともに、当該複数の代表点と前記撮像手段の撮像面との距離を計測する代表点計測手段と、を備えており、前記倍率調整手段は、前記描画情報を、当該代表点ごとに計測された距離情報に基づいて、各代表点を含む投射表示面上の領域ごとに、前記表示情報から変換することを特徴としている。
ここで、「代表点」とは、投射表示面上での実際の可視情報としての点ではなく、投射表示面上の領域を区分する上で、論理的に設定される点である。
また、請求項16に係る投射表示装置は、一直線上にない少なくとも4点の基準点を設けた表示情報を記憶する表示情報記憶手段と、該表示情報記憶手段で記憶している表示情報を前記基準点にそれぞれ対応する参照基準点を設ける投射表示面に投射表示する投射表示手段と、前記投射表示面上の情報を撮像面上で撮像する撮像手段と、前記撮像面上の各参照基準点の撮像位置を測定する位置測定手段と、前記少なくとも4点の基準点および対応する少なくとも4点の参照基準点の位置情報から前記投射表示面上の各参照基準点と前記撮像手段の撮像面との距離を演算する距離演算手段と、前記位置測定手段で測定した位置情報と前記距離演算手段で演算した各参照基準点の距離情報とに基づいて、前記投射表示面上に投射する前記表示情報の基準点の表示と前記投射表示面上の参照基準点とが合致するような投射用の描画情報を、前記表示情報から変換する倍率調整手段とを備え、前記投射表示手段は、前記倍率調整手段で変換した描画情報を表示する投射用描画手段と、該投射用描画手段に表示された描画情報を前記投射表示面に投射する投射手段とを備えていることを特徴としている。
さらに、請求項17に係る投射表示装置は、請求項14乃至16の何れか1つに記載の投射表示装置であって、前記参照基準点は、当該参照基準点が設定されるべき前記投射表示面上での位置を動的に指定する参照基準点指定手段によってそれぞれ指定されることを特徴としている。
さらに、請求項18に係る投射表示装置は、請求項14乃至17の何れか1つに記載の投射表示装置であって、前記倍率調整手段は、前記投射表示面での表示が所望の倍率となるような描画情報を前記表示情報から変換することを特徴としている。
さらにまた、請求項19に係る投射表示装置は、請求項18に記載の投射表示装置であって、前記投射表示面での表示が実寸表示となる倍率であることを特徴としている。
また、請求項20に係る投射表示装置は、請求項19に記載の投射表示装置であって、前記表示情報に設定する検証点と、前記投射表示面である検証対象に前記検証点に対応する参照検証点との相対関係を検出する相対関係検出手段を有することを特徴としている。
また、請求項21に係る投射表示装置は、請求項19に記載の投射表示装置であって、前記表示情報に対して特定の情報を付加する特定情報付加手段を有することを特徴としている。
また、請求項22に係る投射表示装置は、請求項21に記載の投射表示装置であって、前記特定情報付加手段は、前記特定の情報として、前記投射表示面がもつ現在の情報を付加することを特徴としている。
請求項1に係る発明によれば、表示情報記憶手段に記憶されている表示情報を投射表示手段で任意の投射表示面例えば配管埋設工事の場合にはその埋設位置の地面に埋設されている配管状況を表す図面を投射表示し、この際の表示情報の表示寸法を倍率調整手段で所望倍率例えば実寸に設定することにより、現状に最適な表示形態として、図面と見比べることなく、現状を瞬時に把握することができ、図面の見誤りなどを生じることなく、工事等を的確に行うことができるという効果が得られる。
また、請求項2に係る発明によれば、距離測定手段で投射表示面までの距離を測定することにより、この測定距離に応じて倍率調整手段で投射表示面での表示情報を煩わしい調整を行うことなく自動的に実寸で表示することができ、より短時間で現状を把握することができるという効果が得られる。
さらに、請求項3に係る発明によれば、距離測定手段で投射表示面との距離を測定することにより、投射表示手段での投射表示軸線に対する投射表示面の相対傾斜角を投射表示面傾角算出手段で算出し、算出した投射表示面の相対傾斜角に基づいて倍率調整手段で傾斜角補正を行って投射表示面で自動的に実寸表示することができ、投射表示面が傾斜している場合でも正確な実寸表示を行うことができるという効果が得られる。
さらにまた、請求項4に係る発明によれば、位置関係測定手段で、投射表示面に形成された参照基準点との距離、方位、俯仰角度を測定し、測定した位置関係に基づいて投射表示面傾角算出手段で投射表示面の相対傾斜角を算出すると共に、位置関係測定手段で測定した方位に基づいて表示情報の表示方向を自動的に調整し、投射方向にかかわらず表示情報を正確に表示することができ、また、投射方向を変化させても参照基準点と対応する基準点が常に一致するよう表示情報を自動的にスクロールし任意の位置の情報を表示することができるという効果が得られる。
なおさらに、請求項5に係る発明によれば、投射表示面に識別コードを形成し、これを識別コード読取手段で読取り、表示情報選択手段で、読取った識別コードに基づいて表示情報記憶手段に記憶されている表示情報を選択するので、投射表示面に合致した表示情報を自動的に選択することができ、記憶された表示情報の読出し誤りを生じることを確実に防止することができるという効果が得られる。
また、請求項6に係る発明によれば、識別コードとして光学的に読取可能なバーコードや符号コードとすることにより、CCDカメラ等の光学読取装置によって容易に識別コードを読取ることができるという効果が得られる。
さらに、請求項7に係る発明によれば、識別コードが非接触ICタグに格納されているので、この非接触ICタグと無線通信が可能なリーダライタ等の無線通信器で容易に識別コードを読取ることができるという効果が得られる。
さらにまた、請求項8に係る発明によれば、表示情報選択手段で、参照基準点を設定したい基準点を含む表示情報を選択すると、識別コード表示体形成手段で、該当する参照基準点に対応した識別コードを表示した投射表示面に固定可能な表示体を形成するので、この表示体を投射表示手段で投射表示面に投射表示されている表示情報に含まれる基準点の位置に固定することにより、識別コードの配置を容易に行うことができるという効果が得られる。
なおさらに、請求項9に係る発明によれば、表示情報を投射表示面に投射表示する際に、参照基準点位置が他の表示情報から識別可能な形態例えば点滅や所定色で表示することで、参照基準点位置を明確に把握することができるという効果が得られる。
また、請求項10に係る発明によれば、配置情報取得手段で投射表示面の配置情報を取得し、表示情報修正手段で取得した配置情報に基づいて表示情報を修正するので、投射表示面に投射した表示情報と実際の配置状況が異なる場合に、現状に合わせて表示情報を容易に修正することができるという効果が得られる。
さらに、請求項11に係る発明によれば、投射表示面装置投射表示手段が光源からの照射光を液晶パネルで表示情報に応じて変調し、この液晶パネルを透過した光を投射レンズで外部に投射するので、表示情報記憶手段に記憶されている表示情報を正確に投射表面に投射表示することができるという効果が得られる。
さらにまた、請求項12に係る発明によれば、レーザ発振器から出力される表示情報に基づいて発振されるレーザ光を主走査ポリゴンミラーで反射して水平方向に走査し、この水平方向の走査光を副走査ポリゴンミラーで垂直方向に走査することにより、投射表示面に水平及び垂直方向に走査するレーザ光を投射することができ、表示情報を鮮明に表示することができると共に、レーザ発振器から出力されるレーザ光を距離測定用として使用することができるという効果が得られる。
さらにまた、請求項13に係る発明によれば、少なくとも表示情報記憶手段及び投射表示手段が携帯容器内に収納されているので、持ち運びが便利であり、工事現場等に容易に携行することができるという効果が得られる。
また、請求項14に係る発明によれば、表示情報記憶手段に記憶されている表示情報を投射表示手段で任意の投射表示面、例えば配管埋設工事の場合にはその埋設位置の地面に埋設されている配管状況を表す図面を投射表示する。このとき、埋設位置の地面にある例えばマンホールの中心や、水準点等を参照基準点とし、この参照基準点に表示情報の基準点を合致させることができる。これにより、この際の表示情報の表示を例えば実寸に設定することにより、現状に最適な表示形態として、現状を瞬時に把握することができ、工事等を的確に行うことができるという効果が得られる。
そして、この請求項14に係る発明によれば、距離測定手段で投射表示面までの距離を測定することにより、この測定距離に応じて倍率調整手段で投射表示面での表示情報を煩わしい調整を行うことなく自動的に例えば実寸表示することができ、より短時間で現状を把握することができるという効果が得られる。
特に、この請求項14に係る発明によれば、投射表示面が傾斜している場合であっても、倍率調整手段によって投射表示面での表示を、3点の参照基準点の位置情報および距離測定手段によって測定した距離情報に基づいて、各参照基準点および対応する各基準点のそれぞれが合致するような描画情報を表示情報から変換することが可能である。
さらにまた、請求項15に係る発明によれば、投射表示面上に複数の代表点を設定し、各代表点ごとに計測された距離情報に基づいて、描画情報を、各代表点を含む投射表示面上の領域ごとに表示情報から変換している。これにより、投射表示面が単一な平面でなくても、歪みを最小限に抑えて表示情報を表示することができる。そのため、例えば配管埋設工事の場合には、その埋設位置の地面に複合する傾斜や段部があっても、埋設されている配管状況を表す図面を、より現状に最適な表示形態として、図面と見比べることなく、現状を瞬時に把握することができ、より工事等を的確に行うことができるという効果が得られる。また、例えば折り畳んだ紙を広げて投射表示面として使用して、例えば配管状況を表す図面を投射表示した場合でも、紙の折り目等による投射の歪みを気にせずに表示情報を閲覧可能になる。
また、請求項16に係る発明は、請求項14での距離測定手段を、距離演算手段に置き換えることによって同様の機能を得ることができる。すなわち、上記の請求項14に係る発明では、投射表示面までの距離を距離測定手段で実際に測定しているが、請求項16に係る発明によれば、少なくとも4点の参照基準点および少なくとも4点の基準点の位置情報によって投射表示面までの距離を演算することが可能である。これにより、一般的に高価である距離測定手段を用いることなく安価な構成によって投射表示装置を構成することができるという効果が得られる。
また、請求項17に係る発明によれば、投射表示面に予め参照基準点を設置する必要がない。そのため、例えば参照基準点の汚れ、剥がれ、ないしは破損等を予防したり点検修理するといったコストが不要になる。
なおさらに、請求項18に係る発明によれば、実物のサイズに合わせた拡大ないし縮小が可能である。すなわち、同一の表示情報でも、実寸より大きなまたは小さな投射表示面に対しては、拡大ないし縮小して表示することができる。そのため、例えば図面上での小さな文字を拡大して読み易くしたり、大きな図面や文書をコンパクトなサイズにして、例えば工事現場への移動中での車内など狭い所でも閲覧できるという効果がある。
さらにまた、請求項19に係る発明によれば、表示情報の表示を実寸に設定しているから、現状に最適な表示形態として、現状を瞬時に把握することができ、例えば図面と見比べることなく、また、図面の見誤りなどを生じることなく、例えば工事等を的確に行うことができるという効果が得られる。
なおさらに、請求項20に係る発明によれば、投射表示面となる検証対象として、例えば部品などを設定しておけば、その部品の取付けや取り外しなどの状況の変化を検出できる。そのため、例えば、もとの状況を記録しておき、状況を変更して再び復元した際に、もとの状況記録(表示情報)と復元状況(投射表示面)とを比較することができるので、復元作業を正確に手早く進め易くなるといった効果がある。
さらに、請求項21に係る発明によれば、表示情報に特定の情報を付加することができるため、検査すべき部位の指示や、部品等の取付け位置の指示などを効率よく行える。また、特定の情報として、例えば特定個所に関する参考情報をその部位の近くに併せて表示することができる。そのため、例えば、複雑な構造物や、見慣れない対象において、関心のある特定の個所を瞬時に指摘したり、より効率良く把握することができる。
さらに、請求項22に係る発明によれば、投射表示面がもつ現在の情報として、例えば熱・電磁波・荷重(ストレス)などの物理量を可視化して、これを特定の情報として付加し、直接構造物に投射表示できる。そのため、例えば、構造物の部分毎の目に見えない情報を把握し易くなる。また、非破壊検査による物理量を直接構造物に投射表示できるので、構造物の目に見えない中身の状態を透視するがごとく分かり易く説明することができるという効果がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態を示す構成図である。図中、1は投射表示装置であって、外周部に把持部2を有する携帯可能な一端を開口する円筒状ケース体3を有する。
この円筒状ケース体3内には、開口部とは反対側の端部側の中心軸位置に点光源4が配設され、この点光源4の前端側に所定間隔Lpだけ離れた位置に液晶パネル5が配設され、この液晶パネル5の前端側の開口位置に防塵ガラス6が配設されている。
したがって、点光源4から出射される投射光が液晶パネル5を透過し、防塵ガラス6を透過して任意の投射表示面7に投射され、液晶パネル5に表示された表示情報が投射表示面7に表示される。
液晶パネル5は支持枠8に支持され、この支持枠8が上下方向の中心位置に配設された回転軸9で円筒状ケース体3に回転自在に支持され、その回転軸9に回転角を制御する駆動モータ10が連結されていると共に、回転軸9の回転角を検出するロータリエンコーダ11が接続されている。ここで、点光源4、液晶パネル5で投射表示手段が構成されている。
また、円筒状ケース体3の開口部側外周部に、レーザパルスを発射してから投射表示面で反射された反射パルスを受信するまでの時間を計測することにより距離を測定する距離測定手段としてのレーザ距離センサ12が配設され、このレーザ距離センサ12で、測定した距離にレーザ距離センサ12から点光源4までの距離を加算して、点光源4と投射表示面7との間の投射距離Lsを出力する。
そして、液晶パネル5で表示する表示情報が表示制御回路21によって表示制御される。この表示制御回路21は、図2に示すように、配管等の図面データを記憶する表示情報記憶手段としての画像メモリ22と、液晶パネル5の表示制御を行う液晶ドライバ23と、この液晶ドライバ23に供給する表示情報を記憶する表示用RAM24と、駆動モータ10を制御するモータ駆動回路25と、表示画像選択情報、液晶パネル5の傾斜角等の入力情報を入力する操作部26と、ロータリエンコーダ11、レーザ距離センサ12、画像メモリ22、液晶ドライバ23、表示用RAM24、モータ駆動回路25及び操作部26が接続されたコントローラ27とを備えている。
コントローラ27は、図3に示す表示制御処理を実行して、投射表示装置1とこれに対向する投射表示面7との間の投射距離をレーザ距離センサ12で測定し、測定した投射距離に基づいて液晶パネル5に表示した表示情報が投射表示面7に投射されたときの投射表示画像が実寸大となるように液晶パネル5に入力する表示情報の倍率を調整した表示情報を形成し、これを液晶ドライバ23に出力するように構成されている。
この表示制御処理は、コントローラ27に電源が投入されたときに実行開始され、図3に示すように、先ず、ステップS1で、画像メモリ22に記憶されている多数の表示情報から投射したい表示情報を選択するためのリスト表示情報を読出し、これを表示用RAM24に記憶してから液晶ドライバ23に出力して液晶パネル5に表示し、次いでステップS2に移行して、リスト表示情報から所望の表示情報を選択する選択情報が操作部26から入力されたか否かを判定し、選択情報が入力されていないときにはこれが入力されるまで待機し、選択情報が入力されたときには、ステップS3に移行する。
このステップS3では、操作部26で投射表示面7に表示情報を実寸大で表示する実寸大表示モードが選択されているか否かを判定し、実寸大表示モードが選択されていないときにはステップS4に移行して、選択された表示情報を画像メモリ22から読出して表示用RAM24に記憶してから液晶ドライバ23に出力して、液晶パネル5に表示する。
次いで、ステップS5に移行して、操作部26から投射表示面7に投射表示された表示情報を拡縮するズーム情報が入力されたか否かを判定し、ズーム情報が入力されていないときには後述するステップS7にジャンプし、ズーム情報が入力されたときにはステップS6に移行して、ズーム情報に応じて表示用RAM24に記憶されている表示情報の倍率調整を行ってから表示用RAM24に更新記憶し、表示用RAM24に更新記憶された倍率調整後の表示情報を液晶ドライバ23に出力して液晶パネル5に再表示してからステップS7に移行する。
ステップS7では、操作部26から液晶パネル5の傾斜角を調整する傾斜角指示情報が入力されたか否かを判定し、傾斜角指示情報が入力されていないときにはステップS9にジャンプし、傾斜角指示情報が入力されたときにはステップS8に移行して、傾斜角指示情報に応じて液晶パネル5の傾斜角を変更するモータ駆動指令をモータ駆動回路25に出力してからステップS9に移行する。
ステップS9では、操作部26から表示情報を変更する表示情報選択要求が入力されたか否かを判定し、表示情報選択要求が入力されていないときには前記ステップS5に戻り、表示情報選択要求が入力されたときには前記ステップS1に戻る。
一方、前記ステップS3の判定結果が、操作部26で実寸大表示モードが選択されているときにはステップS10に移行して、レーザ距離センサ12で測定した投射表示を行う投射表示面7との投射距離Lsを読込み、次いでステップS11に移行して、読込んだ投射距離Lsに基づいて、点光源4から液晶パネル5迄の距離をLpとし、投射表示面7で投射表示される表示画像サイズをSsとしたとき、下記(1)式に従って液晶パネル5に表示される液晶表示画像サイズSpを算出する。
Sp=Ss×Lp/Ls …………(1)
次いで、ステップS12に移行して、操作部26で選択された表示情報を画像メモリ22から読出して、表示用RAM24に記憶する。
次いで、ステップS13に移行して、表示用RAM24に記憶されている表示情報に対して液晶パネル5上で液晶表示画像サイズSpに一致するように倍率補正処理を行ってから表示用RAM24に倍率補正後の表示情報に更新記憶する。
次いで、ステップS14に移行して、表示用RAM24に記憶されている倍率補正後の表示情報を液晶ドライバ23に出力し、次いでステップS15に移行して、操作部26から液晶パネル5の傾斜角を調整する傾斜角指示情報が入力されたか否かを判定し、傾斜角指示情報が入力されていないときには後述するステップS17にジャンプし、傾斜角指示情報が入力されたときにはステップS16に移行して、傾斜角指示情報に応じて液晶パネル5の傾斜角を変更するモータ駆動指令をモータ駆動回路25に出力してからステップS17に移行する。
ステップS17では、操作部26から表示情報を変更する表示情報選択要求が入力されたか否かを判定し、表示情報選択要求が入力されていないときに前記ステップS15に戻り、表示情報選択要求が入力されたときには前記ステップS1に戻る。
この図3の処理において、ステップS10〜S13の処理が倍率調整手段に対応している。
次に、上記第1の実施形態の動作を説明する。
今、投射表示装置1の表示制御回路21における画像メモリ22に、例えば所在地情報と地図情報とで構成されるナビゲーション情報が記憶されているものとする。このナビゲーション情報を使用する場合には、例えば夜間に投射表示装置1を携帯して目的地に移動している最中に、道に迷ったとき、或いはナビゲーション情報を使用して目的地まで移動する場合には、ナビゲーション情報を表示する必要があるときに、投射表示装置1を道路面や壁面に向けてから電源を投入すると、表示制御回路21のコントローラ27で図3の表示制御処理が実行開始される。
このとき、使用する情報がナビゲーション情報であって、表示する地図情報を実寸大で投射表示する必要がないので、操作部26で実寸大表示モードではない通常表示モードを選択する。このため、図3の表示制御処理において、表示情報を選択するリストが液晶パネル5に表示される。このときのリスト情報としては、所番地を表す住所リストとされる。
このように、表示情報を選択する住所リストが液晶パネル5に表示されると、点光源4から出射される投射光が液晶パネル5を透過して防塵ガラス6を経て道路面或いは壁面等の投射表示面7に投射されることにより、液晶パネル5に表示された住所リストが投射表示面7に拡大表示される。
この投射表示面7上に表示される住所リストから現在地の住所を操作部26で選択すると、通常表示モードであるので、ステップS2〜S3を経てステップS4に移行し、該当する地図情報を画像メモリ22から読出して、表示用RAM24に記憶し、記憶した地図情報を液晶ドライバ23に出力して、液晶パネル5に表示する。
これによって、液晶パネル5に表示された地図情報が点光源4からの投射光によって投
射表示面7に投射されることにより、夜間で周囲に明かりがない場合でも、路面や壁面に現在地の地図情報を投射表示することができ、目的地への道筋の確認や現在地の把握を行うことができる。このとき、投射表示面7に表示された地図情報を拡大したい場合には、操作部26に形成された画像拡大キーを選択押圧することにより、画像拡大キーを押圧する毎に表示用RAM24に格納されている地図情報を所定倍率分だけ拡大処理してから再度表示用RAM24に更新記憶し、これを液晶ドライバ23に出力することにより、液晶パネル5に表示される地図情報をデジタル的に拡大する。このため、投射表示面7上に表示される地図情報も拡大表示される。逆に、投射表示面7に投射表示された地図情報を縮小表示した場合には、操作部26に形成された画像縮小キーを選択押圧することにより、画像縮小キーを押圧する毎に表示用RAM24に格納されている地図情報を所定倍率分だけ縮小処理してから再度表示用RAM24に更新記憶し、これ液晶ドライバ23に出力することにより、液晶パネル5に表示される地図情報をデジタル的に縮小する。このため、投射表示面7上に表示される地図情報も縮小表示される。
また、現在地の地図情報を投射表示面7に表示している状態で、異なる地図情報を表示したい場合には、操作部26に形成された表示情報選択要求キーを押圧することにより、前述したステップS1に戻って、投射表示面7に住所リストが再表示される。この住所リストから所望の住所を選択することにより、新たな地図情報を投射表示面7に表示することができる。
さらに、投射表示面7に地図情報を投射表示している状態で、投射表示面7が投射表示装置1から投射される投射光の光軸に対して傾斜している場合には、投射表示装置1から遠い部分では光軸位置の表示幅に比較して長い表示幅となり、逆に投射表示装置1に近い部分では、光軸位置の表示幅に比較して短い表示幅となって逆台形表示となる。
この逆台形表示を通常表示に補正する場合には、例えば図1で鎖線図示のように投射表示面7が傾斜しているものとすると、操作部26に形成された傾斜角増加補正キーを操作することにより、液晶パネル5の傾斜角を図1で見て時計方向に傾斜させる傾斜角情報が入力され、これがコントローラ27に供給される。このため、図3の処理において、ステップS7からステップS8に移行して、傾斜角情報に応じたモータ駆動指令がモータ制御回路25に出力される。これに応じて、駆動モータ10が回転駆動されて、液晶パネル5が図1で見て一点鎖線図示のように時計方向に回転して、液晶パネル5が投射表示面7と平行な状態になると、投射表示面7での画像表示が長方形となって、正常表示状態に修正することができる。逆に投射表示面7が図1の実線状態から反時計方向に傾斜している場合には、操作部26に形成された傾斜角減少補正キーを操作することにより、液晶パネル5を図1で見て反時計方向に回転させて液晶パネル5を投射表示面7と平行状態にして、正常表示状態に修正することができる。
一方、上記のようにナビゲーション情報を使用する場合のように投射表示面7での表示画像を実寸大表示する必要がない場合に代えて、例えば上水道工事のように既設の配管を避けながら工事を行う場合には、実際の工事現場での配管埋設状態を事前に把握する必要がある。
この場合には、予め投射表示装置1の表示制御回路21における画像メモリ22に、道路工事を行う場合の電気配管、電話線配管、ガス配管、上下水道配管等の各種配管敷設図のデータが重畳され且つマンホールの中心点等の参照基準点に対応する基準点を含んだ鳥瞰図と、各種配管敷設図のデータが重畳された断面図とが例えば予め道路に設けられた参照基準点毎に形成し、この鳥瞰図データを、参照基準点位置を表すデータと共に記憶しておく。
そして、例えば水道工事者が新たな上水道を敷設する場合には、上記のように鳥瞰図及び断面図を記憶した投射表示装置1を携帯して工事現場に行き、工事該当箇所で、参照基準点に向けて投射表示装置1の電源を投入する。
これに応じて、表示制御回路21で図3の処理が開始される。このとき、例えば鳥瞰図を工事しようとする地面に投射表示したときに、この投射表示が実寸大で表示されると、地中に埋設されている各種配管の敷設状況を、掘削に先立って直ちに把握することができ、続いて断面図を表示することにより、地表面からの各種配管の埋設深さを実際に把握することができる。
そして、操作部26に形成された実寸大表示モード選択キーを操作することにより実寸大表示モードを選択する。このため、図3の処理が実行開始されたときに、ステップS1で鳥瞰図及び断面図を選択するための参照基準点を表す参照基準点リストを画像メモリ22から読出し、これを表示用RAM24に記憶し、この表示用RAM24に記憶された参照基準点リストを液晶ドライバ23に出力して、液晶パネル5に表示する。このため、液晶パネル5に表示された参照基準点リストが点光源4からの投射光によって施工位置の地面に表示される。
この表示された参照基準点リストから操作部26を操作することにより、施工位置に対応する参照基準点を選択すると、鳥瞰図及び断面図の何れを選択するかを表示する選択表示が液晶パネル5に表示されて投射表示面7に表示され、この状態で、例えば鳥瞰図を選択すると、ステップS2からステップS3を経てステップS10に移行し、レーザ距離センサ12で測定した投射表示装置1から投射表示面7までの投射距離Lsを読込み、次いでステップS11に移行して、投射距離Lsに基づいて前記(1)式の演算を行って、投射表示面7で実寸大で鳥瞰図を表示するための液晶パネル5上での画像表示サイズSpを算出する。
次いで、ステップS12に移行して、選択された参照基準点での鳥瞰図データを画像メモリ22から読出し、これを表示用RAM24に記憶する。次いでステップS13に移行して、表示用RAM24に記憶された鳥瞰図データに対して投射表示面7上で実寸大表示となる表示倍率を設定し、設定した表示倍率で鳥瞰図データを補正処理して補正処理後の鳥瞰図データを表示用RAM24に更新記憶する。次いでステップS14に移行して、更新記憶された補正処理後の鳥瞰図データを液晶ドライバ23に出力することにより、液晶パネル5に補正処理後の鳥瞰図データが表示される。このため、液晶パネル5に表示された補正処理後の鳥瞰図データが点光源4から出射された投射光によって投射表示面7に投射表示され、鳥瞰図データが実寸大で表示される。このため、表示された鳥瞰図に含まれる基準点を施工箇所であるマンホール中心点の参照基準点に一致させ且つ方位を鳥瞰図の方位と一致させることにより、埋設された各種配管の敷設状況を正確に把握することができる。
この鳥瞰図の表示状態から操作部26で表示情報選択要求を入力し、再度参照基準点リストを表示して、参照基準点を選択してから断面図を選択することにより、上記と同様の処理によって、投射表示面7に断面図データが実寸大で表示される。このため、各種配管の埋設深さを正確に把握することができ、既設配管を避けながらの正確な施工を行うことができる。
この鳥瞰図や断面図の表示状態で、投射表示面7が投射表示装置1の投射光の光軸に対して傾斜している場合には、前述したナビゲーション情報の表示状態と同様に、操作部26から投射表示面7の傾斜角に応じて傾斜角増加補正キー又は傾斜角減少補正キーを選択して、駆動モータ10によって液晶パネル5が投射表示面7に対して平行になるように傾斜角を補正することにより、実寸大の正確な投射表示を行うことができる。
なお、上記第1の実施形態においては、通常表示モードと実寸大表示モードの2つの表示モードを有する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、通常表示モード又は実寸大表示モードのみを有する場合でもよく、通常表示モードのみを有する場合にはレーザ距離センサ12を省略することができる。
また、上記第1の実施形態においては、投射表示面7が投射光の光軸との直交面に対して傾斜している場合に、手動で液晶パネル5の傾斜角を調整する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図示しないが三脚の雲台に投射表示装置1をその投射光の光軸を下側として取付けることにより、投射表示装置1の投射光の光軸を投射表示面7に対して垂直に保持することができ、液晶パネル5の傾斜制御機構を省略することができる。
さらに、上記第1の実施形態においては、実寸大表示モードで、基準点を表示し、この基準点を投射表示面に形成されている参照基準点に一致させる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、参照基準点を設けることなく、他の方法で投射表示面の位置を特定するようにしてもよい。
次に、本発明の第2の実施形態を図4及び図5について説明する。
この第2の実施形態は、投射表示装置1の投射光の光軸に対する直交面と投射表示面との傾斜角とを自動的に測定し、測定した傾斜角に基づいて液晶パネル5の傾斜角を自動制御するようにしたものである。
すなわち、第2の実施形態では、図4に示すように、円筒状ケース体3の外周面における前端側に、液晶パネル5の回転軸9と直交する面内に2つのレーザ距離センサ12A及び12Bを設け、各レーザ距離センサ12A及び12Bの光軸を等しく所定角度だけ投射光の光軸に対して外方に傾斜させることにより、投射表示面7の投射光の光軸を挟む2点との間の距離を測定し、これらレーザ距離センサ12A及び12Bで測定した距離LA及びLBを表示制御回路21のコントローラ27に入力するように構成されている。
また、コントローラ27では、図5に示す表示制御処理を実行する。この表示制御処理は、前述した第1の実施形態における図3の表示制御処理において、ステップS10でレーザ距離センサ12A及び12Bで測定した投射表示面7上の2点PA及びPBと投射表示装置1との間の距離LA及びLBを読込み、次いでステップS21に移行して、読込んだ距離LA及びLBとが等しいか否かを判定し、LA=LBであるときには投射表示面7が投射光の光軸と直交する面とが平行であると判断してステップS22に移行し、レーザ距離センサ12Aの光軸と投射光の光軸との傾斜角をθとしたとき、下記(2)式に従ってレーザ距離センサ12Aと投射表示面7との投射光の光軸と平行な距離Lsを算出してから前記図3のステップS11に移行する。
Ls=LA・cosθ …………(2)
一方、ステップS21の判定結果が、LA≠LBであるときには、投射光の光軸と直交する平面に対して投射表示面7が傾斜しているものと判断してステップS23に移行し、下記(3)式及び(4)式に従ってレーザ距離センサ12A及び12Bと投射表示面7との投射光の光軸と平行な距離Lsa及びLsbを算出する。
Lsa=LA・cosθ …………(3)
Lsb=LB・cosθ …………(4)
次いで、ステップS24に移行して、距離Lsa及びLsbの差ΔL(=Lsa−Lsb)を算出し、次いでステップS25に移行して、下記(5)式の演算を行って投射表示面7の傾斜角φを算出する。
φ=tan-1(ΔL/Lc) …………(5)
ただし、Lcはレーザ距離センサ12A及び12B間距離である。
なお、前記コントローラ27の処理負荷を軽減するため、tan-1の演算を多項式近似
等で置き換えても良い。
次いで、ステップS26に移行して、算出された傾斜角φだけ液晶パネル5を傾斜させるに必要なモータ駆動指令を算出し、これをモータ駆動回路25に出力してからステップS27に移行する。
このステップS27では、前記ステップS23で算出した2点間距離Lsa及びLsbをもとに下記(6)式の演算を行って投射光の光軸位置での投射表示面7と投射表示装置1との間の距離Lsを算出してから図3のステップS11に移行する。
Ls=(Lsa+Lab)/2 …………(6)
さらに、図3の処理におけるステップS15及びS16の処理が省略され、ステップS14から直接ステップS17に移行するように変更されていることを除いては図3と同様の処理を行い、図3との対応処理には同一ステップ番号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
この図5の処理においてステップS10〜S21及びS23〜S25の処理が投射表示面傾角算出手段に対応し、ステップS22、S26、S27、S11〜S14の処理が倍率調整手段に対応している。
この第2の実施形態によると、実寸大表示モードを選択したときに、レーザ距離センサ12A及び12Bで、投射表示面7における投射光の光軸位置を挟む2点PA及びPBとの距離Lsa及びLsbを測定することにより、測定した距離Lsa及びLsbに基づいて投射表示面7が投射光の光軸と直交する面に対して傾斜しているか否かを判定し、傾斜している場合には、その傾斜角φを算出し、算出した傾斜角φに応じて駆動モータ10を駆動するモータ駆動指令を算出し、このモータ駆動指令をモータ制御回路25に出力して、液晶パネル5を回転させることにより、この液晶パネル5を投射表示面7と平行な状態に自動的に調整することができ、投射表示面7と液晶パネル5とを平行とするための煩わしい操作を省略することができる。
次に、本発明の第3の実施形態を図6について説明する。
この第3の実施形態では、上述した第2の実施形態において、投射表示装置1の方位及び俯仰角度を検出し、検出した方位及び俯仰角度に基づいて参照基準点に向けられている投射表示装置1の姿勢を測定し、投射表示装置1の姿勢に応じて表示情報の投射表示面での表示情報の表示方向を調整するようにし、また、投射方向を変化させても参照基準点と対応する基準点とが常に一致するように表示情報を自動的にスクロールし、任意の位置の情報を表示するようにしたものである。
すなわち、第3の実施形態では、図6に示すように、第2の実施形態における図4の構成において、円筒状ケース体3の方位及び俯仰角度を検出するジャイロコンパス35が設けられ、このジャイロコンパス35で検出した方位及び俯仰角度がコントローラ27に入力され、このコントローラ27で方位及び俯仰角度に基づいて液晶パネル5に表示する表示情報を回転又はスクロールさせて、投射表示面7上で実際の表示位置に合致した表示情報を得る。
このとき、コントローラ27では、図7に示すように、図5の処理において、ステップS12の処理が省略され、これらに代えて、選択された表示情報を表示用RAM24に記憶してから、記憶した表示情報を液晶ドライバ23に出力することにより、液晶パネル5に表示情報を表示するステップS28と、投射表示面7に表示された基準点を予め設けられた参照基準点に一致させたときに、操作部26から入力される基準点一致指令が入力されたか否かを判定し、基準点一致指令が入力されていないときにはこれが入力されるまで待機し、基準点一致指令が入力されたときにはステップS30に移行するステップS29と、ジャイロコンパス35で検出した参照基準点の方位データ及び俯仰角データを読込み記憶するステップS30と、読込んだ方位データ及び俯仰角データに基づいて投射表示装置1の投射位置及び姿勢を判断し、表示用RAM24に記憶されている真の北の方位、或いは真の上の方向を基準に描かれている鳥瞰図、断面図等の表示情報を、投射画面位置で実際の北、或いは実際の上を基準とする表示情報となるように座標変換し、また、前記参照基準点の方位データ及び俯仰角データからの変移量に基づいて投射表示装置1の姿勢の変化を検出し、投射表示面7位置で参照基準点と基準点とが一致するように座標変換し、座標変換した表示情報を表示用RAM24に更新記憶するステップS31とが設けられ、ステップS31から前記ステップS13、S14、S17に移行し、ステップS17の判定がNの場合にはステップS31に移行することを除いては図5と同様の処理を行い、図5との対応する処理には同一のステップ番号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
ここで、レーザ距離センサ12A、12B及びジャイロコンパス35で位置関係測定手段に対応し、図7のステップS29〜S31の処理が表示方向調整手段に対応している。
この第3の実施形態によると、実寸大表示モードを選択して、例えば鳥瞰図を道路に予め設けられた参照基準点を基準に表示する場合に、ジャイロコンパス35で投射表示装置1の方位データ及び俯仰角データが検出されることにより、これら方位データ及び俯仰角データに基づいて投射表示装置1の投射位置及び姿勢を判断し、これに対応した向きに表示情報を座標変換して表示用RAM24に更新記憶することにより、投射表示装置1の投射方向にかかわらず、常に北を基準とする表示情報を正確に表示することができる。
すなわち、例えば、参照基準点から真南の位置に投射表示装置1を配置して、この状態で電源を投入すると、前述した第2の実施形態と同様に投射表示面7の傾斜角φが算出されて、液晶パネル5の傾斜角が投射表示面7の傾斜角φと平行となるように制御されると共に、基準点距離Lsが算出され、さらに液晶表示画面サイズSpが算出されるが、この状態で、先ず、選択された鳥瞰図等の表示情報が画像メモリ22から読出されて表示用RAMに記憶され、記憶された表示情報が投射表示面7に表示される。
このとき、投射表示面7に表示される表示情報に含まれる基準点を道路に設けられた参照基準点に一致させた状態で、操作部26を操作して基準点一致指令をコントローラ27に入力すると、ステップS30に移行して、方位データ及び俯仰角データに基づいて投射表示装置1の投射位置及び姿勢を判断して、これに応じて投射表示面7で表示された表示情報が正規の北を基準とした状態となるように、表示用RAM24に記憶されている表示情報を座標変換してから再度表示用RAM24に更新記憶し、その後、第2の実施形態と同様に、表示情報が投射表示面7上で実寸大となるように倍率補正し、座標変換及び倍率補正が完了した表示情報が液晶ドライバ23に出力されて、液晶パネル5に表示される。
したがって、例えば投射表示装置1を参照基準点の真南に配置し、この位置から所望の俯角で投射表示面7に例えば鳥瞰図でなる表示情報を投射表示した場合には、図8(a)に示すように、画像メモリ22に記憶されている鳥瞰図が北を基準に描かれていることにより、座標変換が行われることなく、液晶パネル5の傾斜調整のみが行われて正確な投射表示が行われる。
これに対して、投射表示位置を参照基準点に対して南東方向に配置し、この位置から所望の俯角で投射表示面7に上記と同様の鳥瞰図を投射表示面に投射する場合には、方位補正を行わない場合には、図8(a)に示す表示情報がそのまま北を北西方向として表示されることになるが、本実施形態では、方位データに基づいて投射表示装置1の投射位置及び姿勢を判断することにより、図8(b)に示すように、表示用RAM24に記憶されている表示情報を時計方向に45度座標変換することにより、真南から投射表示した表示情報と全く同一の表示情報を投射表示面7に表示することができる。
さらに、投射表示装置1の配置位置を時計方向に回転させたとき、その変移量を検出することにより、図8(c)に示すように、参照基準点と基準点とは常に一致する。
このように、第3の実施形態によると、参照基準点に対して任意の方角から投射表示装置1で表示情報を投射表示しても、投射表示面7上に表示される表示情報は真北、或いは真上を基準とした表示情報が表示されることになり、操作者が投射表示装置1を参照基準点に向ける位置が何ら制限されることはないので、車道側を避けて安全な側から表示情報を表示することができる。
なお、上記第第1〜第3の実施形態においては、液晶パネル5が図2、図4及び図6でみて時計方向及び反時計方向に回転自在に支持されている場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図9に示すように、液晶パネル5を支持する支持枠8の回転軸9を円筒状ケース体3に対して水平方向に回転自在の支持枠31の上下方向の中心部に支持することにより、液晶パネル5を3次元的に傾斜可能に保持する構成とすると共に、円筒状ケース体3の前端側外周面の3等分位置にそれぞれレーザ距離センサ12A〜12Cを設け、これらレーザ距離センサ12A〜12Cで計測した3点距離LA〜LCに基づいてコントローラ27で投射表示面7の投射光の光軸と直交する面に対する3次元的傾斜角を算出し、算出した3次元的傾斜角をもとに支持枠8及びこれを支持する支持枠31の回転角をダイレクトモータ10及び32を駆動すると共に、その回転角をロータリエンコーダ11及び33で検出することにより調整して、投射表示面7と液晶パネル5との傾斜角をより正確に一致させることができる。
また、上記第3の実施形態においては、ジャイロコンパス35を適用した場合について説明したが、垂直位置を測定するジャイロ又は方位を測定するコンパスのみを設けるようにしてもよく、ジャイロのみを設ける場合には、投射表示装置1の光軸を垂直線に合わせて、投射表示面7に表示された表示情報を実際の配置状況と一致させるように水平方向の回転角を調整し、コンパスのみを設ける場合には投射方向を真北に合わせて、投射表示面7に表示された表示情報を実際の配置状況と一致させるように液晶パネル5の傾斜角を調整すればよい。
次に、本発明の第4の実施形態を図10及び図11について説明する。
この第4の実施形態は、参照基準点に参照基準点の識別コードを記憶した非接触ICタグを予め配置しておくと共に、投射表示装置1に非接触ICタグと無線通信可能な無線通信器を設け、参照基準点を選択するための情報を自動的に入力して、該当する表示情報を自動的に選択するようにしたものである。
すなわち、第4の実施形態では、図10に示すように、投射表示面7にある参照基準点の近傍に該当する参照基準点を表す例えばビットパターンで構成される識別コードを記憶した電磁誘導で電力が供給される非接触ICタグ41が配設され、投射表示装置1には非接触ICタグ41と無線通信が可能なリーダで構成される識別コード読取手段としての無線通信器42が配設され、この無線通信器42で非接触ICタグ41と所定の変調方式を使用して無線通信することにより、参照基準点の識別コードを受信し、この識別コードをコントローラ27に供給する。ここで、変調方式としては、振幅変調方式、位相変調方式、周波数変調方式等の任意の変調方式を適用することができる。
コントローラ27では、図11の表示制御処理を実行する。この表示制御処理は、第1の実施形態におけるステップS1及びS2が省略され、これらに代えて、ステップS41で、無線通信器42を作動状態として、投射表示面7に配設された非接触ICタグ41から参照基準点の識別コードを読出し、次いで、ステップS42に移行して、読出した識別コードに基づいて画像メモリ22をアクセスして、識別コードに対応する鳥瞰図データ等の表示情報を読出し、これを表示用RAM24に記憶してから図3におけるステップS3に移行し、ステップS4で表示用RAM24に記憶された表示情報を液晶ドライバ23に出力すると共に、ステップS12が省略されていることを除いては図3と同様の処理を行い、図3との対応処理に同一ステップ番号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
この第4の実施形態によると、参照基準点に予め識別コードを記憶した非接触ICタグ41を配設しておくと共に、投射表示装置1の表示制御回路21の画像メモリ22に識別コードと鳥瞰図等の表示情報とを対応づけして記憶しておくことにより、投射表示装置1を参照基準点位置近傍に配置した状態で、電源を投入することにより、無線通信器42で非接触ICタグ41に対して電磁波で電力を供給しながら非接触ICタグ41に記憶されている識別コードを読出し(ステップS41)、読出した識別コードに基づいて画像メモリ22をアクセスして、識別コードに対応する表示情報を読出して、この表示情報を表示用RAM24に記憶するので(ステップS42)、表示情報を自動的に選択することができ、表示情報の選択操作を省略することができる。
また、参照基準点に識別コードを記憶した非接触ICタグ41を配置しておくので、前述した第1及び第2の実施形態の動作に加えて、例えば各ビルや工場等の各建物における入口のドアに非接触ICタグ41を配置しておき、画像メモリ22に各識別コードに対応させて、室内に発火物の有無、建材の種類等の消火活動に必要な情報を記憶しておくことにより、消火作業時に、入口から入室する際に、投射表示装置1の無線通信器42で非接触ICタグ41と交信することにより、識別コードを取得することにより、消火活動に必要な情報をドアに自動的に表示することができ、火災による停電時の暗がりでも、室内の発火物の有無、発生するガスの種類等の必要情報を確実に得ることができる。
なお、上記第4の実施形態においては、識別コードの取得処理を第1の実施形態に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、第2及び第3の実施形態に適用するようにしてもよい。
また、上記第4の実施形態においては、識別コードを非接触ICタグ41に記憶する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、光学的に読取可能なバーコードや英数字列、一次元又は二次元模様、ホログラム等で表示したタグを配置すると共に、投射表示装置1に、タグを光学的に読み取ることができるバーコード読取装置等の光学的読取装置を配置し、この光学的読取装置でタグに表示された識別コードを読み取ってコントローラ27に入力するようにしてもよい。
次に、本発明の第5の実施形態を図12について説明する。
この第5の実施形態は、全地球測位システム(GPS)を利用して現在地情報を取得し、現在地を参照基準点とする参照基準点の識別コードを記録した媒体を形成し、形成した媒体を参照基準点に容易に設置することができるようにしたものである。
すなわち、第5の実施形態では、図12に示すように、第4の実施形態における図10の構成において、表示制御回路21に、第3の実施形態におけるジャイロコンパス35と、図9におけるレーザ距離センサ12A〜12cと、複数の衛星からの電波を受信して現在位置データを出力する全地球測位システム51とが設けられている。そして、表示情報を液晶パネル5に表示させて、投射表示面7の参照基準点PRに基準点に一致するように投射表示している状態で、操作部26を操作して、識別コード設定指令をコントローラ27に入力すると、全地球測位システム51で測定した投射表示装置1の現在位置データと、ジャイロコンパス35で検出した方位データ及び俯仰角データと、レーザ距離センサ12A〜12Cで検出した距離LA〜LCに基づいて算出される参照基準点との投射距離Lsとに基づいて参照基準点の位置情報を算出し、算出した位置情報に基づいて画像メモリ22をアクセスすることにより、参照基準点の識別コードを読出し、読出した識別コードを無線通信器42を構成するリーダライタ52に供給して、このリーダライタ52で非接触ICタグ42に識別コードを記憶させる。
次いで、識別コードを記憶した非接触ICタグを投射表示装置1で表示情報が表示されている投射表示面7の参照基準点PRの近傍に固定配置することにより、識別コードを記憶させた非接触ICタグ42を容易確実に参照基準点に配置することができる。
なお、上記第5の実施形態においては、非接触ICタグ42を参照基準点近傍に配置する場合について説明したが、光学的に表示可能なバーコード等を印刷したシート状のタグを使用する場合には、上述したように参照基準点の位置情報を算出して、この位置情報に基づいて画像メモリ22をアクセスして識別コードを読み出したときに、この識別コードをバーコード発行機に入力して、識別コードに対応するバーコードを印刷したシート状のタグを発行し、このシート状タグを参照基準点の近傍に接着等によって固定配置するようにすればよい。
次に、本発明の第6の実施形態を図13について説明する。
この第6の実施形態は、鳥瞰図又は断面図と実際の配管状況とが異なる場合に、実際の配管状況をデジタルカメラ等の画像情報で読取り、読取った配管状況に基づいて画像メモリに記憶されている表示情報を修正することができるようにしたものである。
すなわち、第6の実施形態では、図13に示すように、前述した図10の構成において、投射表示装置1の円筒状ケース体3の前端側に、投射表示面7の範囲の画像情報を撮影可能な配置情報取得手段としてのCCDカメラ61が配設されており、このCCDカメラ61で撮影したデジタル画像情報を表示制御回路21のコントローラ27に入力し、このコントローラ27で、入力されたデジタル画像情報を前述した第3の実施形態における座標変換処理と逆の座標変換処理を行ってから、座標変換したデジタル画像データと画像メモリ22に記憶されている該当する鳥瞰図データとをコントローラ27に接続した表示情報修正手段としてのパーソナルコンピュータ62に伝送し、このパーソナルコンピュータ62で、現在の鳥瞰図データとデジタル画像データとを重畳して表示し、デジタル画像データと鳥瞰図データとの相違点に基づいて鳥瞰図データを修正し、修正した鳥瞰図データを画像メモリ22に記憶されている鳥瞰図データに上書きすることにより、鳥瞰図データを迅速に修正することができる。
なお、上記第1〜第6の実施形態においては、液晶パネル5の傾斜角を投射表示面7の傾斜角に合致させるように制御することにより、投射表示面7に表示される表示情報の歪みを補正する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図14(a),(b)に示すように、液晶パネル5上の長さと投射表示面7上の実寸法との関係を表す特性曲線を投射表示面7の傾斜角φをパラメータとして設定し、この特性曲線を参照して、液晶パネル5に表示する表示情報の表示サイズを制御するようにしてもよい。なお、図14(a)は傾斜角φがφ<0即ち図1において時計方向に傾斜した場合を表し、図14(b)は傾斜角φがφ>0即ち図1において反時計方向に傾斜した場合を表している。
また、上記第1〜第6の実施形態においては、点光源4を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図15に示すように、レーザ光を適用して画像情報を投射表示面7に投射表示するようにしてもよい。すなわち、画像メモリ71に記憶されている表示情報をコントローラ72で読出し、読出した表示情報に基づいてレーザ発振器73で発光されるレーザ光を変調しながら主走査ポリゴンミラー74で反射させて、水平方向に走査させ、この主走査ポリゴンミラー74で反射されたレーザ光を副走査ポリゴンミラー75で反射させることにより、垂直方向に走査させて、投射表示面7に照射する。この構成によれば、レーザ発振器73から出力されるレーザ光が主走査ポリゴンミラー74及び副走査ポリゴンミラー75によって反射されて、投射表示面7を水平方向及び垂直方向に走査することにより、表示情報を鮮明に表示することができる。この場合、レーザ発振器73に入力する表示情報を投射表示面7上で実寸大表示可能なように補正することにより、前述した第1〜第6の実施形態と同様の表示を行うことができる。また、レーザスキャンすることにより、識別コードを記憶した非接触ICタグやバーコード等を印刷したタグを参照基準点に設置する場合に、現在のタグ位置を検出することができるので、このタグ位置に基づいて参照基準点との距離に応じて音量が増加するようにスピーカを出力信号を制御することにより、スピーカ音を頼りにタグを正確に参照基準点に設置することができる。
さらに、上記第1〜第6の実施形態においては、距離センサとしてレーザ距離センサを適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、超音波距離センサ、マイクロ波距離センサ等の任意の距離センサを適用することができる。
さらにまた、上記第1〜第6の実施形態においては、実寸大表示モードで、上水道工事のように配管状況を表す鳥瞰図を表示する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、土木工事の現場における切り土、盛り土の出来型の表示、増設、改造する装置の部分や出来型の表示、目前にある対象構造物に関する参考情報(機器仕様表、ソフトウェア仕様書など)の表示、目前にある対象構造物に関する情報(名称、仕様、使用期間、工区など)の表示、目前にある地層に関する情報(年代、名称など)の表示、動き回る対象(動物など)や巨大な対象(樹木、古代建築など)の採寸(物差しを実寸大表示することによる)等を行うことができる。
また、実際に視認することができない内部構造の可視化即ちビルなどの背筋構造などの埋設物の表示、機械の点検保守時の装置の構成部品などの表示、電機の点検保守時の装置やプリント基板の配線などの表示、シミュレーション結果の把握に供する表示即ち配管内の液体の流れや電気配線の通電状態の表示や,構造物の温度や構造物の歪分布表示等を行うことができる。
さらに、現場にない対象構造物のサイズ確認として、機器の現場搬入出の際の通路幅の確認や、消防法に基づく通路や扉のサイズ査察等に使用することができる。
また、上記第1〜第6の実施形態においては、表示情報を記憶する手段として装置に内蔵される情報表示メモリを適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ネットワークを経由して装置の外部にあるメモリから表示情報を読み出すようにすることも可能である。
ここで、上記説明した投射表示装置1では、例えば投射表示面7に対し、液晶パネル5自体を傾斜させることによって表示情報を投射表示した際に生じる表示の歪みを補正する構成例について説明したが、本発明に係る投射表示装置は、これに限定されるものではない。
例えば上記説明した液晶パネルの回転機構は、いわば、いわゆるハードウエアによって実現されるものであるが、表示情報を投射表示面の状態に対応させて表示するための構成は、ハードウエアに限定されず、いわゆるソフトウエアによっても同様の目的を達成することができる。具体的には、液晶パネルを傾斜させる機構部分や、投射表示面との距離を測定する構成をソフトウエアに置き換えることが可能である。そこで、以下、本発明のこのような実施形態について、図面を適宜参照しつつ詳しく説明する。
まず、本発明に係る投射表示装置における第7の実施形態の構成を図16を参照して説明する。なお、図16は本発明に係る第7の実施形態の投射表示装置の構成を説明する説明図である。
同図に示すように、この投射表示装置88は、携帯可能な携帯容器である筐体90の内部に、構成要素(但し、投射表示面80を除く)が収納されている。
すなわち、筐体90内には、表示情報であるコンテンツ(表示すべき電子化された文字、図表、文書等の内容)のデータを記憶する表示情報記憶手段である原図記憶部100と、その原図記憶部100から読み込んだコンテンツのデータを投射用の描画情報(以下、描画画像ともいう)として変換する描画制御部200と、その描画制御部200から出力された投射用の描画情報を描画(表示)する投射用描画手段である描画部310とを備えている。描画部310は、例えば透過型の液晶パネルである描画面300を含んで構成されている。なお、この描画部310(描画面300)は固定して配置される。このように、原図記憶部100に格納されたコンテンツのデータは、描画制御部200で所定の描画画像に変換されてから描画部310へ送られて、描画情報として描画面300上に描画(表示)されるようになっている。
詳しくは、原図記憶部100は、例えばRAM(ランダムアクセスメモリ)で構成されており、コンテンツのデータ(表示情報)は点の集合(以下、原図画像ともいう)として格納されている。そして、原図記憶部100は、例えば文書のページ内の位置(x′,y′)が入力されると、点の集合(原図画像)におけるその位置(x′,y′)での画像を構成する画像構成点の値(色または濃淡の情報)を出力するようになっている。
さらに、筐体90の内部には、描画面300を背後から照射する点光源400と、点光源400から照射されて描画面300を透過した光線を反射するハーフミラー500と、そのハーフミラー500で反射された反射光線を集光する集光レンズ600とを備えている。これにより、投射手段が構成されて、描画面300に描画されている描画画像が点光源400からの光線によって投射され、次いでハーフミラー500で反射されて、さらに集光レンズ600を介して投射表示面80に投射されて、投射表示面80上に投射画像として表示可能になっている。なお、投射手段と投射用描画手段とによって上記投射表示手段が構成されている。
さらにまた、筐体90の内部には、撮像部710と、距離測定部800と、マーク検出部900とが備えられている。
詳しくは、撮像部710は、例えばCCDカメラの一部として構成されており、投射表示面80から反射して、ハーフミラー500を透過した光線を、投射表示面80上の情報として撮像面700で撮像画像として読み取り、メモリに格納する。そして、撮像部710は、撮像面700内の(x,y)位置が入力されると、その位置の点の値を位置情報として出力するようになっている。なお、描画面300に対する点光源400の位置、つまり焦点距離と、撮像面700に対する撮像面700に撮像される光線が結ぶ焦点距離とは等しい。
マーク検出部900は、撮像面700内の撮像画像を走査して、予め設定された識別マーク、例えば後述する参照基準点、を検出し、その識別マークの識別コードと撮像面700内の位置情報(x,y)とを獲得し、その位置情報を出力する。詳しくは、マーク検出部900は、識別マークの識別コードおよびドットパターンの組を格納したマークメモリ、およびドット比較器とで構成されており、撮像画像の(x,y)にあるドットを順次読み出して、ドット比較器で識別マークのドットパターンと比較する。そして、これらが一致したときは、該当する識別マークの識別コード、および当該ドットパターンの中心の位置(x,y)を出力するようになっている。なお、パターンを識別する方式は、これに限定されず、その他の通常知られている方法によって識別してもよい。なお、マーク検出部900は、後述する各参照基準点の位置を測定する位置測定手段に対応する。
また、距離測定部800は、マーク検出部900から出力された識別マークの位置情報(x,y)が入力されると、投射表示面80上の実際の点と、撮像焦点との距離D(後述する図18参照)を測定して、測定した各参照基準点の距離Dを距離情報として出力するようになっている。詳しくは、この距離測定部800は、図示しない赤外線発信機、赤外線センサおよびカウンタを含んで構成されており、赤外線発信機からパルス状の赤外線を発射し、そのパルス状の赤外線が投射表示面80で反射して、描画面300と等しい光学距離に設置された撮像面700内の(x,y)位置の点に戻ってくるまでの時間をカウンタで計数し、所望の距離Dを測定するようになっている。この測定は、各識別マークごとに行われる。なお、距離Dを測定する方式としては、上記の赤外線による方式に限定されず、レーザの伝達時間や位相差を利用した方式や、2つのカメラの間の視差による方式など様々なものを採用可能である。なおまた、距離測定部800は、後述する各参照基準点との距離を測定する距離測定手段に対応する。
次に、描画制御部および描画制御部に係る構成についてより詳しく説明する。
描画制御部2は、投射表示面での表示を、距離測定部800およびマーク検出部900によってそれぞれ測定した後述する各参照基準点の距離情報および位置情報に基づいて、各参照基準点および対応する各基準点のそれぞれが合致(一致)するような描画情報を表示情報から変換するものである。なお、描画情報は、描画メモリの所定領域に格納されるようになっている。
詳しくは、描画制御部200は、原図記憶部100からのコンテンツのデータ(原図画像)を描画画像に変換する際に、コンテンツのデータの他に、上記撮像面700、距離測定部800およびマーク検出部900からの情報をそれぞれ参照するように構成されている。
この描画制御部200は、例えばマイクロプロセッシングユニット(MPU)等から構成されており、ROMの所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させて、そのプログラムに従って、後述する図19に示す表示制御処理を実行するようになっている。
ここで、描画制御部200での表示制御処理を詳細に説明するにあたり、まず、投射表示面の一例について図17を参照して説明する。なお、図17は投射表示面の一例を説明する説明図である。
投射表示面は、例えば上述した工事現場であれば、工事の敷設面等を投射表示面とするものである。
投射表示面80には、一直線上にない3つの参照基準点が可視表示されている。すなわち、同図に示すように、第一の参照基準点210、第二の参照基準点220、第三の参照基準点230が設定される。各参照基準点は、それぞれ投射表示面80の左下、右下、左上に位置しており、それぞれは固有の識別マーク(例えば、○、□、△)で示される。なお、参照基準点は、予め投射表示面に設置されている必要はなく、投射表示時に、配置または指示するようにしてもよい。
次に、描画制御部200の機能を具体化するために設定される座標系について図18を参照して説明する。
この座標系は、点光源400、撮像焦点、表示すべき原図画像、描画画像が表示される描画面300、投射画像が表示される投射表示面80、および撮像画像が置かれる撮像面700を、それぞれ同図に示すように設定して定義する。すなわち、点光源400および撮像焦点の位置を原点(0,0,0)とする3次元の直交座標系X−Y−Zを取る。そして、点光源4および撮像の光軸の方向をZ軸とする。また、描画面300および撮像面700をZ軸に(0,0,f)で直交するように置く。ここで、fは焦点距離に相当する。また、表示すべき原図画像は便宜上、左下を原点に置き、下辺および左辺をそれぞれX軸およびY軸に合わせるように置く。なお、以下の説明を簡潔にするために、原図画像の右下および左上の座標をそれぞれ(1,0,0)および(0,1,0)とする。
この座標系によれば、コンテンツの横幅および縦幅をそれぞれX軸およびY軸の単位(長さ=1)となるように、座標の倍率を設定したことになる。なお、座標の倍率は定数を掛けることにより、任意に設定できるので、座標の単位を上記のように設定しても、一般性が失われることはない。
ここで、原図画像を実寸で投射表示面80上に投射画像として表示するとき、原図画像中の任意の点(x′,y′,z′)に対応する投射画像中の点を(X,Y,Z)とすると以下の(7)式が成立する。また、原図画像は、X−Y平面に置かれているので、常にZ=0である。これを利用すると、上記の(7)式は、以下の(8)式のように簡潔にできる。なお、この関係は数学でアフィン変換と呼ばれている。
Figure 2005275327
(7)式に含まれる9つの係数(a1,a2,a3,b1,b2,b3,d1,d2,d3)は、以下のようにして値が決定される。すなわち、各参照基準点(○、□、△)に対応して、原図画像に設定される3つの基準点の座標は、それぞれ以下のようになっている。
第一の基準点 (x′,y′,z′)=(0,0,0)
第二の基準点 (x′,y′,z′)=(1,0,0)
第三の基準点 (x′,y′,z′)=(0,1,0)
また、投射表示面80上の投射画像において、これら基準点に対応する投射点の座標をそれぞれ以下のようにする。
第一の基準点の投射点: (X,Y,Z)=(X1,Y1,Z1)
第二の基準点の投射点: (X,Y,Z)=(X2,Y2,Z2)
第三の基準点の投射点: (X,Y,Z)=(X3,Y3,Z3)
ここで、各基準点の投射点(X1,Y1,Z1)、(X2,Y2,Z2)、(X3,Y3,Z3)の座標が与えられれば、3つの基準点およびその投射点に関する座標の値を(8)式に代入することにより、9元の連立方程式((9)式)が得られる。これを解くことによって、9つの係数(a1,a2,a3,b1,b2,b3,d1,d2,d3)の値を(10)式のようにすべて決定することができる。
Figure 2005275327
また、上記の投射点に関する(X1,Y1,Z1)、(X2,Y2,Z2)、(X3,Y3,Z3)の座標は、以下のようにして決められる。
すなわち、投射表示面80を撮像すると、投射表示面80の上に置かれて固有の識別マークをもった参照基準点が撮像される。このとき、投射画像における上記3つの投射点は、投射表示面80の上の参照基準点に一致すべきである。そこで、マーク検出部900を使って撮像面700の上での各参照基準点がもつ固有の識別マークを識別することにより、各参照基準点に対応する撮像面700上の点の座標を求める。ここで、これらの座標の値をそれぞれ以下のようにする。
第一の参照基準点の撮像点: (x,y,z)=(x1,y1,f)
第二の参照基準点の撮像点: (x,y,z)=(x2,y2,f)
第三の参照基準点の撮像点: (x,y,z)=(x3,y3,f)
同時に、距離測定部800により、3つの参照基準点から撮像焦点までの距離Dを直接計測する。計測(測定)されたこれらの点までの距離Dをそれぞれ以下のようにする。
第一の参照基準点までの距離: D=D1
第二の参照基準点までの距離: D=D2
第三の参照基準点までの距離: D=D3
ここで、三角形の相似関係を使うと、各参照基準点(対応する基準点の投射点)の座標および距離Dの値の間には以下の(11)式に示す関係が成立する。
Figure 2005275327
こうして、(X1,Y1,Z1)、(×2、Y2、Z2)、(X3,Y3,Z3)の値が決められる。このようにして、3つの参照基準点を用いて、(8)式における9つの係数(a1,a2,a3,b1,b2,b3,d1,d2,d3)の値が(12)式のように確定する。
Figure 2005275327
これにより、原図画像中の任意の点(x′,y′)は、(8)式、および(12)式で計算される(X,Y,Z)座標の値をもつ投射表示面80上の点に投射することができる。
次に、投射表示面80上に原図画像を正しく投射するための、描画画像の生成方法について説明する。
投射表示面80上の点(X,Y,Z)を投射するために、描画面300の上に描画すべき点を(x,y,f)とすると、以下のような(13)式の関係が成立する。そこで、原図画像中の任意の点(x′,y′)を投射表示面80上に正しく投射するために、描画面300上に描画すべき点(x,y,f)は、(8)式および以下の(13)式を使って、次に示す(14)式のように決定される。
Figure 2005275327
このようにして、原図画像中の任意の点を投射表示面80上に正しく投射するために、描画面300上に描画すべきすべての点が(12)式および(14)式によって確定することができる。
次に、描画制御部200での表示制御処理を図19に示すフローチャートを参照して詳しく説明する。
同図に示すように、描画制御部200では、表示制御処理が実行されると、まず、ステップS212に処理が移行して、投射表示面80上の参照基準点の撮像面700での位置情報(x,y)をマーク検出部900から読み込んで、ステップS214に移行する。ステップS214では、上述した座標系での、距離測定部800によって測定された距離情報、つまり各参照基準点までの距離Dが読み込まれて、ステップS510に移行する。
ステップS510では、各参照基準点の位置情報(x,y)および対応する距離Dの測定値を(12)式に代入して、上述した9つの係数(a1,a2,a3,b1,b2,b3,d1,d2,d3)の値を算出し、ステップS610に移行する。
ステップS610では、原図記憶部1に格納されている原図画像のすべての点(x′,y′)について所定の処理(以下のステップS710およびステップS810)が終了したか否かを判定し、終了したと判定したときは、ステップS900にジャンプするが、終了していないと判定したときには、ステップS710に移行する。
ステップS710では、上述した(14)式に原図画像の点(x′,y′)を代入して、対応する描画面での位置(x,y)を計算し、ステップS810に移行する。次いで、ステップS810では、原図記憶部1における点(x′,y′)の値、例えば色または濃淡の情報を読み出して、描画メモリ(描画用RAM)へ、対応する描画面での位置(x,y)にその値を書込み、処理をステップS610に戻す。なお、描画メモリは同一仕様のものを2つ備えており、一方の描画メモリがメモリの内容を書き換えているときは、他方の描画メモリが描画面への表示を行なうようになっており、交互に書き換えと表示が行なわれる。
そして、ステップS900では、描画メモリに書込まれた描画情報を描画面700の液晶ドライバに出力し、描画面700に描画情報を表示させて、ステップS910に移行する。ステップS910では、予め設定された所定時間だけ待機して、処理をステップS212に戻す。同図に示すように、この処理全体はループになっており、予め設定された所定の時間をおいて同じ処理を繰り返す。なお、「所定の時間」を短くすれば、投射表示装置と投射表示面80との相対位置の変動に追随しやすくなる。
これにより、描画制御部200は、投射表示面での表示を、前記距離測定手段および位置測定手段によってそれぞれ測定した各参照基準点の距離情報および位置情報に基づいて、各参照基準点および対応する各基準点のそれぞれが合致するような描画情報に表示情報を変換可能になっている。なお、上記倍率調整手段には、ステップS212からステップS810の処理が対応している。
次に、この第7の実施形態の投射表示装置の動作について説明する。
この第7の実施形態の投射表示装置では、例えば上記第1の実施形態で例示したような、水道工事等の作業者が新たな上水道を敷設する場合、上述した例同様に、道路工事を行う場合の電気配管、電話線配管、ガス配管、上下水道配管等の各種配管敷設図のデータが重畳され且つマンホールの中心点等の参照基準点に対応する基準点を含んだ鳥瞰図と、各種配管敷設図のデータが重畳された断面図とを、例えば予め道路に設けられた参照基準点毎に形成して、この鳥瞰図等のデータを、参照基準点位置を表すデータと共に原図記憶部100に記憶しておく。
そして、作業者は、この鳥瞰図等のデータを記憶した投射表示装置88を携帯して工事現場に行く。次いで、まず、作業者は、投射表示装置88への電源投入に先立って、一直線上にない3点の参照基準点を工事の敷設面に設定する。具体的には、作業者は、例えば工事該当箇所でのマンホールの中心点等を第一の参照基準点とし、その第一の参照基準点に対して、第二および第三の参照基準点となる物を配置する。第二および第三の参照基準点となる物としては、例えば識別用の識別マークを表示した識別マークプレートを用意し、この識別マークプレートを、表示情報内の各基準点に対応する敷設面上の位置に作業者が配置する。この各基準点に対応する配置位置としては、例えば第一の参照基準点を基準とし、第一の参照基準点に対して例えば東の方向へ1mの位置に第二の参照基準点をもつ識別マークプレートを設置し、同様に、第一の参照基準点に対して例えば北の方向へ1mの位置に第三の参照基準点をもつ識別マークプレートを設置する。なお、原図画像中には、第一の基準点に対し東および北へそれぞれ1mの場所に対応する位置に第二、第三の基準点が予め設定されている。このようにして、上述した投射表示面80での3つの参照基準点を現場で設定することができる。なお、識別マークプレートの配置に限らず、第一、第二、第三の基準点に対応する投射表示面上の各々の位置を、例えばレーザーポインタで順次指示するようにしてもよい。この場合、マーク検出部を単純にすることができるため、コストを下げることが可能である。
次いで、作業者は、投射表示装置88へ電源を投入する。
電源が投入されると、投射表示装置88は、まず、撮像部710で、投射表示面上の情報を撮像面700上で撮像して撮像画像を得る。次いで、マーク検出部900が、撮像面700内の撮像画像を走査して、参照基準点を検出し、その識別マークの識別コードと撮像面700内の位置情報(x,y)とを獲得する。さらに、距離測定部800が、マーク検出部900から出力された識別マークの位置情報(x,y)を読み込んで、その位置情報(x,y)から、その点として撮像されている投射表示面80上の実際の点と投射表示装置との距離Dを測定し、その測定した各参照基準点の距離Dを距離情報として獲得する。次いで、描画制御部2が、距離測定部800で測定した各参照基準点の距離情報とマーク検出部900で測定した位置情報とに基づいて、投射表示面80上に投射する表示情報の基準点の表示と投射表示面80上の参照基準点とが合致するような投射用の描画情報を表示情報から変換する。そして、描画制御部2で変換された描画情報が描画面300上に描画される。そして、描画面300に描画されている描画画像が点光源400からの光線によって投射され、ハーフミラー500で反射されて、さらに集光レンズ600を介して投射されて投射表示面80上に投射画像を投射表示することができる。
次に、上記第7の実施形態で説明した投射表示装置の作用・効果について説明する。
上記説明した構成からなる投射表示装置88では、描画制御部200は、投射表示面80での表示を、距離測定部800によって測定した3点の参照基準点の距離情報およびマーク検出部900によって測定した3点の参照基準点の位置情報に基づいて、各参照基準点および対応する各基準点のそれぞれが合致するような描画情報に表示情報を変換している。
これにより、この投射表示装置88によれば、実物への表示情報の嵌め込みを容易に行なうことができる。すなわち、例えば任意の電子化されたコンテンツを実寸で表示できる。特に、投射表示面80が傾斜している場合等、投射表示面80が投射表示装置88の正面に垂直に正立していなくても、コンテンツを歪みなく表示できる。
したがって、工事現場での敷設面であれば、その埋設位置の地面に埋設されている配管状況を表す図面を、工事する敷設面に投射表示して、上述のように埋設位置の地面にある例えばマンホールの中心や、水準点等を参照基準点とし、この参照基準点に表示情報の基準点を合致させて表示可能である。なお、このとき必要な3つの参照基準点は、たとえば上述の識別マークプレートを、対応する敷設面上の位置に作業者が配置しておけばよい。これにより、敷設面上での表示情報の表示を例えば実寸に設定しておけば、現状を瞬時に把握することができ、工事等を的確に行うことができるという効果が得られる。
また、この投射表示装置88では、方位情報は、3つの参照基準点を現場で設定(なお、上述の例では設定作業自体は二箇所)した時点で確定しているため、投射表示装置88の姿勢や投影方向によらず方位情報が認識される。これにより、方位補正を行なう必要がなくなり、例えば上記第3の実施形態でのジャイロやコンパスは不要になるという効果もある。
また、距離測定部800によって投射表示面80までの距離が自動的に測定されるため、例えば移動によって測定距離が変化しても、それに応じて煩わしい調整をその都度行う必要もない。
なおさらに、投射表示面80が例えば通常の紙面であれば、ページ数が多く紙に印刷すると重く嵩張るコンテンツでも、1枚の紙などに次々に投射して閲覧できるという効果もある。
なおまた、上記第7の実施形態での説明において、(8)式は、投射表示面80の大きさが表示すべきコンテンツの実寸、つまり本来の大きさに対応しない場合にも成立する。そして、(9)式から(14)式も同様に成立する。したがって、図19に示した処理によって、投射表示面80に表示された投射画像の大きさが、表示すべきコンテンツの実寸でない場合であっても、コンテンツが自動的に拡大または縮小されて投射表示面80に嵌め込まれて表示可能である。
すなわち、この投射表示装置88によれば、描画制御部200によって投射表示面80での表示情報を自動的に所望の倍率にすることができるため、より短時間で現状を把握することができるという効果が得られる。具体的には、実物のサイズに合わせた拡大ないし縮小が可能である。そのため、同一のコンテンツでも、実寸より大きなまたは小さな投射表示面80を用意し、参照基準点を配置すれば、拡大ないし縮小して表示することができる。そのため、例えば小さな文字を拡大して読み易くしたり、大きな文書をコンパクトなサイズにして、例えば車内など狭い所でも閲覧できるという効果がある。
なお、上記実施形態では、原図記憶部100は、RAM(ランダムアクセスメモリ)で構成されている例で説明しているが、コンテンツを原図記憶部に保持する手段は、RAMに限定されるものではなく、例えばメモリカードや、有線ないし無線による読み込みなどを使用できる。なおまた、複数のコンテンツを投射表示装置88の内部や外部に備えた原図記憶部に格納しておき、投射表示面80の上に置かれた識別コードを読み取ることにより、複数のコンテンツの中から該当するコンテンツを適宜選択するようにしてもよい。
なおまた、上記実施形態では、参照基準点は可視表示される例で説明したが、これに限定されず、各参照基準点に固有の識別マークは、上記のマーク検出部900によって検出できるものであれば、必ずしも人間の目に見えるものでなくてもよい。
また、これら参照基準点は、必ずしも投射表示面に固定されている必要はなく、投射表示する際に個々の参照基準点の位置を、例えば指示棒やレーザポインタ等を使用して指示するように構成することも可能である。
ここで、上述した第7の実施形態においては、原図画像の中の任意の点(x′,y′)を投射表示面80の上に正しく投射するために、描画面300上に描画すべき点(x,y,f)は、上述の(13)式を使って計算されるが、このときの(13)式は、(8)式を使って導かれている。そして、(8)式は、投射表示面80が平面であるという前提に基づいている。すなわち、仮に、投射表示面80が紙であれば折り目、また、工事現場の敷設面であれば複合する面や凹凸形状等、があって、投射表示面80が単一の面によって形成されていない場合がありうる。このような場合には、(12)式での、特にZについてその計算値と実測値との間に誤差が生じる。その結果、投射表示面80の上の投射表示画像には実寸から外れる部分ができる。
そこで、次に、第8の実施形態として、このように投射表示面80が単一の面によって形成されていない場合であっても、投射表示画像の誤差を削減することができる投射表示装置について説明する。
(8)式でのZは、投射表示装置と投射表示面との距離である。上記第7の実施形態では、このZを(8)式から計算して求めたが、この第8の実施形態では、投射表示面80の上に、複数の代表点を設定し、それらの代表点と投射表示装置との距離を測定して記憶しておき、上記Zの値を代表点の距離から推定するものである。
第8の実施形態における描画制御部での処理を図20に示すフローチャートを参照しつつ説明する。なお、図20に示す第8の実施形態での処理と図19に示す第7の実施形態での処理との相違は、以下に説明する〔1〕、〔2〕および〔3〕の3点であり、図19でのステップS510に代えて、図20でのステップS520からステップS526が、また、図19でのステップS710に代えて、図20でのステップS720からステップS724が、それぞれ実行されるようになっている点が異なっている。
具体的には、第8の実施形態では、「〔1〕係数同定処理」を変更している。すなわち、図20でのステップS520にて、9つの係数(a1,a2,a3,b1,b2,b3,d1,d2,d3)のうち、6つの係数(a1,a2,b1,b2,d1,d2)だけを、次の(15)式で計算する。
Figure 2005275327
そして、ステップS520で、6つの係数(a1,a2,b1,b2,d1,d2)の値を決定した後、次いで、ステップS522に移行して、「〔2〕代表点の設定と、距離の測定を処理に追加」している。すなわち、投射表示面80に対応する撮像画面の上に、n個の代表点{(xi,yi);i=1,n}を設定する。そして、ステップS524に移行して、各点(xi,yi)に対応する投射表示面80上の代表点までの距離Diを、距離測定部800を使って測定する。なお、距離測定部800は、代表点の距離情報を計測する代表点計測手段を兼ねている。
ここで、撮像画面上の代表点(xi,yi)と、それに対応する投射表示面80上の代表点(Xi,Yi,Zi)の間には、以下の(16)式の関係が成立する。
Figure 2005275327
さらに、ステップS526に移行して、投射表示面80上のこれらn個の代表点{(Xi,Yi,Zi);1=1,n}を記憶する。
さらにまた、第8の実施形態では、「〔3〕描画点の計算処理を変更」している。すなわち、図20でのステップS720にて、原図画像の中の任意の点(x′,y′)について、以下の(17)式を使って、投射表示面80上の対応する投射点のX座標およびY座標を計算する。
Figure 2005275327
そして、この(X,Y)を上記のn個の代表点{(Xi,Yi,Zi);i=1,n}のX座標およびY座標と比較し、投射点の(X,Y)に最も近い2つの代表点(X1,Y1,Z1)および(X2,Y2,Z2)を選出する。次いで、投射点のZ座標を2つの代表点の加重平均として以下の(18)式により推定する。ここで、仮に、X1=X2の場合には、(18)式の全てのXをYに置き換えた式で計算する(図19でのステップS722)。
Figure 2005275327
そして、ステップS724にて、以上のようにして計算された(X,Y,Z)を(13)式に代入して、この投射点に対応する描画点の(x,y)を求めることができる。
以上説明したように、この第8の実施形態の描画制御部200は、代表点ごとの距離情報に基づいて、各代表点に対応する領域ごとに、所望の描画情報に表示情報を調整することが可能となる。これにより、投射表示面80が平面でなくとも、投射表示画像の誤差を削減することができる。したがって、歪みを最小限に抑えてコンテンツ(表示内容)が表示される。そのため、例えば工事現場の敷設面であれば複合する面や凹凸形状等があって、投射表示面80が単一の面によって形成されていない場合や、また、折り畳んだ紙を広げて投射表示面80に使用した場合でも、複合する面や凹凸形状、紙の折り曲げ等での投射歪みをほとんど生じないようにしてコンテンツを表示可能になるという効果がある。
次に、第9の実施形態として、上述した距離測定部800を不要とする構成について説明する。
この第9の実施形態の投射表示装置では、図21に示すように、上記第7の実施形態での構成に対して距離測定部800をもたない点が異なっている。すなわち、この第9の実施形態の描画制御部は、原図画像を変換して描画画像を生成する際に、原図記憶部100からの情報、撮像面700からの情報、およびマーク検出部900からの情報のみを参照するようになっている。
第9の実施形態での投射表示面の構成を図22に示す。
同図に示すように、この投射表示面81では、参照基準点を4点設定している点が、上記第7の実施形態での投射表示面80の構成に対して異なっている。
詳しくは、この投射表示面81では、一直線上にない4つの参照基準点が設定される。すなわち、同図に示すように、第一の参照基準点210、第二の参照基準点220、第三の参照基準点230、および第四の参照基準点240が設定されている。各参照基準点は、それぞれ投射表示面81の左下、右下、左上、右上に位置しており、固有の識別マーク(例えば、○、□、△、×)で示される。なお、各参照基準点に固有の識別マークは、上記第7の実施形態と同様に、マーク検出部900が検出できるものであれば、必ずしも人間の目に見えるものでなくてもよい。また、参照基準点は、予め投射基準面に設置されている必要はなく、投射表示時に配置または指示するようにしてもよい。
第9の実施形態における描画制御部での処理を図23に示すフローチャートに示す。なお、第7の実施形態における図19に示す描画制御部での処理と図23に示す第9の実施形態での処理との相違は、図19でのステップS214およびステップS510に代えて、図23でのステップS530が実行されるようになっている点が異なっている。ここで、ステップS530が、上記距離演算手段に対応している。
ここで、この第9の実施形態での描画制御部の機能(上述したフローチャートにおけるステップS530での処理)を図18に示した座標系を使って詳しく説明する。なお、同図において、原図画像の右上の座標を(1,1,0)とする。
上記第7の実施形態で説明したように、原図画像中の任意の点(x′,y′)を投射表示面上に正しく投射するために、描画面上に描画すべき点(x,y,f)は、次に示す(19)式のように決定される。
Figure 2005275327
各参照基準点(○、□、△、×)に対応して、原図画像に置かれた4つの基準点の座標は、それぞれ以下のようになっている。
第一の基準点 (x′,y′,z′)=(0,0,0)
第二の基準点 (x′,y′,z′)=(1,0,0)
第三の基準点 (x′,y′,z′)=(0,1,0)
第四の基準点 (x′,y′,z′)=(1,1,0)
投射表示面を撮像すると、投射表示面上に置かれて固有の識別マークをもった参照基準点が撮像される。次いで、マーク検出部によって撮像面上での識別マークを識別することにより、それぞれの参照基準点に対応する撮像面上での撮像点の座標を求めることができる。これら撮像点の座標の値をそれぞれ以下のようにする。
第一の参照基準点の撮像点: (x,y,z)=(x1,y1,f)
第二の参照基準点の撮像点: (x,y,z)=(x2,y2,f)
第三の参照基準点の撮像点: (x,y,z)=(x3,y3,f)
第四の参照基準点の撮像点: (x,y,z)=(x4,y4,f)
逆に、上記の基準点を投射表示面上に正しく投影するためには、描画面上での対応する描画点の座標をそれぞれ撮像点と一致するように、つまり以下のようにすればよい。
第一の基準点の描画点: (x,y,f)=(x1,y1,f)
第二の基準点の描画点: (x,y,f)=(x2,y2,f)
第三の基準点の描画点: (x,y,f)=(x3,y3,f)
第四の基準点の描画点: (x,y,f)=(x4,y4,f)
ここで、4つの基準点およびその描画点に関する座標の値を(19)式に代入することにより、8元の連立方程式(20)式が得られる。
Figure 2005275327
ただし、L1,L2,L3,M1,M2,M3,N1,N2は、以下の(21)式で定義される補助変数である。
Figure 2005275327
これを解くことによって、8つの係数(L1,L2,L3,M1,M2,M3,N1,N2)の値を(22)式のようにすべて決定することができる。
Figure 2005275327
そして、これらの係数を使って、(19)式を書き直すと以下の(23)式を得る。
Figure 2005275327
以上のようにして、原図画像中の任意の点を投射表示面上に正しく投影するために必要な、描画面上に描画すべきすべての描画点が(23)式および(22)式によって確定することが可能になる。
一般に高精度な距離測定部は高価である。また、安価な距離測定部では測定誤差が大きくなる可能性があり、(12)式で算出する係数が不確定になり得る。特に、{a3,b3,d3}の3つの係数は、(14)式での分母に位置するので、(14)式で計算される(x,y)の値が不安定になり、投射画像に歪みが生じるおそれがある。しかし、この第9の実施形態の投射表示装置によれば、距離測定部800を不要とする構成を採用して、数学的に距離を算出することが可能である。これにより、高精度な距離測定部を使用することなく、コストを抑えながら投射表示面にコンテンツを歪みなく表示できるようになるという効果がある。
ここで、上記第7〜第9の各実施形態においては、本発明の投射表示装置を単体で使用する例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の投射表示装置を、例えばI/F(インターフェース)を介して外部機器と接続して、外部機器との間で種々の情報を授受可能に構成することができる。そこで、以下、第10〜12の各実施形態において、このような構成例について説明する。
まず、本発明の第10の実施形態について説明する。
上記各実施形態では、投射表示面80に予め設定された参照基準点の位置と投射表示装置88との位置関係を計測することにより、コンテンツ(表示情報)を描画する画像変換係数を算出し、投射表示面でのコンテンツの表示寸法が実寸となるように描画を自動的に調節する例について説明したが、この第10の実施形態では、外部機器との間で情報を授受可能なI/Fとして、距離測定部I/Fを備える構成としている。そして、投射表示装置とは別個に用意したレーザポインタを利用し、コンテンツ内に設定された基準点の投射表示面における各々の位置(参照基準点が設定されるべき位置)を順次指定可能に構成した例である。
まず、本発明の第10の実施形態の投射表示装置の構成について図24を参照しつつ説明する。なお、同図では、上述した第7の実施形態と同様の構成については、図示を省略して示している。
この第10の実施形態では、上述した各参照基準点が設定されるべき投射表示面上での位置を指定する参照基準点指定手段として、投射表示装置88とは別個のレーザポインタ150を使用する。このレーザポインタ150は、計測指示ボタン151を有する。計測指示ボタン151は、当該計測指示ボタン151が押されると、距離計測の開始を指示するトリガ信号を出力可能になっている。そして、このレーザポインタ150は、距離計測のために使用する信号として、参照基準点の識別コードをもったパルス状のレーザ光150aを一定間隔で発射可能になっている。これにより、このレーザポインタ150は、コンテンツ(表示情報)内に設定された基準点の投射表示面80における各々の位置(参照基準点が設定されるべき位置)を順次、動的に指定可能になっている。
また、この投射表示装置88には、同図に示すように、外部との情報を授受可能なI/Fとして、「距離測定部I/F」160を備えている。距離測定部I/F160は、距離測定部800に対して距離計測の開始を指示する上記トリガ信号が入力される計測トリガ端子と、距離計測のために使用する信号(例えば上記パルス状のレーザ光150a)を入力する同期信号端子と、を有する。
さらに、この第10の実施形態での距離測定部800は、外部から当該距離測定部800に対して距離計測の開始を指示するトリガ信号が計測トリガ端子を介して入力されると、計測トリガがオンになった時点で、同期信号と投射表示面からの反射波とを比較(例えば、時間差や位相差を検出)することにより、投射表示面80と投射表示装置88との距離を計測可能に構成されている。
以上のような構成を備えた第10の実施形態の投射表示装置88によれば、参照基準点が予め投射表示面80上に設定されていなくても、投射表示装置88とは別個のレーザポインタ150を利用して、上記の画像変換係数を算出することができる。
すなわち、今、利用者が、レーザポインタ150から発射されているレーザ光150aを、参照基準点が設定されるべき位置に合わせて計測指示ボタン151を押す。これにより、距離計測の開始を指示するトリガ信号が本投射表示装置88の距離測定部I/F160がもつ計測トリガ端子に入力される。そして、距離測定部800は、計測トリガ端子がオンになった直後の同期信号と反射波との時間的な遅れを計測することにより、指示された点までの距離を計算することができる。同時に、マーク検出部900は、すでに説明しているように、指示された点の撮像面での座標を検出可能であるから、これら距離情報と座標の位置情報とをそれぞれ用いて画像変換係数を算出することができる。なお、これら距離情報と座標の位置情報とを用いた画像変換係数の算出方法は、上記第7の実施形態で既に説明したため詳しい説明は省略する。
以上説明したように、この第10の実施形態の投射表示装置88によれば、投射表示面80に予め参照基準点を設置する必要がない。そのため、例えば参照基準点の汚れ、剥がれ、ないしは破損等を予防したり点検修理するといった手間やコストが不要になる。なお、3つの参照基準点を指示している最中に、投射表示装置88が動く(座標系が変わってしまう)、あるいは投射表示面80が動く(測定済みの基準点が変わってしまう)等がある場合には、この第10の実施形態の投射表示装置88をそのまま適用するのは難しいが、相対関係が動かない場合には、当該構成の投射表示装置88を好適に採用可能である。
次に、本発明の第11の実施形態について説明する。
この第11の実施形態は、例えば、検査対象となっている実物(当該検査対象が投射表示面となる)とCAD図面(表示情報)とを比較して、差異を検出可能とし、検査対象の例えば表面欠陥検査などを自動化するような場合に本発明の投射表示装置を適用した例である。
詳しくは、この第11の実施形態での投射表示装置においては、表示情報に設定する検証点と、その検証点に対応して検証対象に設定する参照検証点との相対関係を検出する相対関係検出手段を有する点が、上記各実施形態の構成とは異なっている。ここで、表示情報に設定する検証点および投射表示面となる検証対象に設定する参照検証点は、それぞれ上記基準点および参照基準点にそれぞれ対応する関係であり、上記基準点および参照基準点と同様にして対応付け可能であるため、ここでは詳しい説明は省略する。なお、検証点は、コンテンツ(表示情報)内に予め設定する。例えば、特定部品の取り付け点(位置)などが検証点として設定される。そして、参照検証点は、検証対象に、コンテンツ(表示情報)内に設定された検証点の位置に対応して設定される。なお、参照検証点において検索されるマーク(検証識別マークと称す)の設定ならびにマーク検出部での検証識別マークの識別についても、上述した特定識別マークにおける、当該特定識別マークの設定ならびにその識別と同様にして実行されるため、ここでは詳しい説明については省略する。
まず、本発明の第11の実施形態での投射表示装置の構成を、図25を参照しつつ説明する。なお、同図では、上述した第7の実施形態と同様の構成については、図示を省略して示している。
同図に示すように、この投射表示装置88では、外部機器との情報を授受可能なI/Fとして、「マーク検出部I/F」170を備えている。このマーク検出部I/F170は、参照基準点において検証識別マークを探索するために、マーク検出部900に対して撮像面700内での探索すべき所定の領域を指示する検証領域指定端子と、指定した所定の検証領域内で検出された検証識別マークに関する情報(検証識別マークの固有コード、座標、濃淡など。但し、検証識別マークが検出されなかった場合は「0」。)を出力する検証識別マーク情報端子と、これら各端子の入出力をそれぞれ指示する「Read/Write(以下、R/Wと記す)トリガ」端子とを有する。マーク検出部I/F170は、R/Wトリガが、外部機器(この例では、PC190)から「W(Write)」を指定されると、検証領域指定端子で指定された所定の検証領域の情報(例えば、撮像面700における矩形エリアの左下点および右上点の座標)がマーク検出部900に入力される。また、R/Wトリガが、PC190から「R(Read)」を指定されると、指定された所定の検証領域内で検出された検証識別マークに関する情報が識別マーク情報端子から読出し可能に構成されている。ここで、R/Wトリガへの各指定および情報の読出し、並びに書込みは、PC190内の相対関係検出手段191での相対関係検出処理に従って実行される。
相対関係検出手段191は、表示情報に設定する検証点と、その検証点に対応して検証対象に設定する参照検証点との相対関係を検出可能に構成されており、参照検証点の状態が、検証点で指定された状態にあるか否かを判定可能になっている。
詳しくは、PC190内で相対関係検出処理が実行されると、相対関係検出手段191は、まず、コンテンツ(表示情報)内の検証点の座標を、描画面300における座標、つまり撮像面700における座標に変換する。そして、この変換された座標を基準として検出したい検証対象の大きさを加えて検証領域の座標(例えば、矩形エリアの左下点および右上点の座標)を計算し、マーク検出部I/F170の検証領域指定端子を介してマーク検出部900に設定するようになっている。
そして、相対関係検出手段191は、R/Wトリガ端子を「R」にして検証識別マーク端子から指定した所定の領域内で検出された検証識別マークに関する情報をマーク検出部900から読み出す。なお、必要に応じて、その他の手段から、各検証識別マークまでの距離や、検証識別マーク周辺の撮像画像、検証識別マークに対する各種センサ情報(例えば、温度など)などを併せて取得するように構成してもよい。
そして、相対関係検出手段191は、これらの情報と、コンテンツ(表示情報)内に設定された検証点に関する状態情報とを比較する。例えば、参照検証点までの距離によって投射表示面80の凹凸を検出し、部品の有無を判定可能に構成することができる。また、参照検証点周辺の撮像画像を参照し、検証対象となる部品の取り付け位置のズレの有無を判定するように構成することも可能である。なお、本実施形態では、外部のPC190内の相対関係検出手段191で相対関係検出処理が実行される例で説明したが、これに限定されるものではなく、相対関係検出処理を実行する当該相対関係検出手段191を、投射表示装置88の内部に備えた構成としてもよい。
以上説明したように、この第11の実施形態の投射表示装置88によれば、参照検証点の状態が、検証点で指定された状態にあるか否かを容易に判定することができる。したがって、例えば検査対象となっている実際の部品(投射表示面)とCAD図面(表示情報)とを比較し、その差異を検出できるので、検査対象の表面欠陥検査等を自動化するといった用途に好適に適用することができる。また、例えば、投射表示面80となっている装置の参照検証点に、検証点で指定された検査対象である特定部品が正しく取り付けられているか否かを自動的に検証するといった用途に好適に適用することができる。また、各種装置の取付け工事などで、装置の取付け位置などの表示が可能であるため、実績との差異を検出、収集、ないし記録をするといった用途に好適に適用することができる。さらに、例えばCAD図面が実物と一致しない場合、CAD図面を実物に合致するように修正し易くなる。さらにまた、実物(投射表示面)における部品などの取り付けや、取り外しなどの状況の変化を検出できる。なおさらに、例えば、もとの状況を記録しておき、状況を変更して再び復元した際に、もとの状況記録(コンテンツ)と復元状況(投射表示面)とを比較するといった用途等にも好適に適用可能であり、この場合、もとの状況の復元作業を正確に手早く進め易くなる。
次に、本発明の第12の実施形態について説明する。
この第12の実施形態での投射表示装置は、コンテンツ(表示情報)内で特に利用者に対して特に指示したい部分等の特定の情報を、投射表示面における正しい位置に表示可能な特定情報付加手段を有する構成とした例である。
まず、本発明の第12の実施形態での投射表示装置の構成を図26を参照しつつ説明する。なお、同図では、上述した第7の実施形態と同様の構成については、図示を省略して示している。
この投射表示装置88では、外部との情報を授受可能なI/Fとして、「原図記憶部I/F」180を備えている。原図記憶部I/F180は、原図記憶部100に対してその内容を入出力する原図内容端子と、入力か出力かの別を指示するR/Wトリガ端子とを有する。R/Wトリガが「R」に指定されると、原図記憶部の内容が原図内容端子に読み出される。また、R/Wトリガが「W」に指定されると、原図内容端子に入力された内容が原図記憶部100に書込まれるようになっている。ここで、R/Wトリガへの各指定および情報の読出し、並びに書込みは、後述するPC190内の特定情報付加手段192での相対関係検出処理に従って実行される。
そして、この第12の実施形態での投射表示装置88においては、前記表示情報に特定の情報を付加する特定情報付加手段192を有する点が上記説明した第11の実施形態の構成とは異なっている。なお、本実施形態では、上記第11の実施形態同様、外部のPC190内の特定情報付加手段192で特定情報付加処理が実行される例で説明しているが、これに限定されるものではなく、当該特定情報付加手段192を、投射表示装置88内部に備えた構成としてもよい。
この特定情報付加手段192は、特定情報付加処理が実行されると、まず、原図記憶部I/F180のR/Wトリガを「R」に指定して、原図記憶部100の内容を原図内容端子に読み出すようになっている。そして、表示情報での利用者に対して指示したい所定の位置に予め書込みを指定されている特定情報(例えば表示マーク)を表示情報に重ねた表示情報を生成する。そして、特定情報付加手段192は、R/Wトリガを「W」にして、原図内容端子を介して特定情報を含んだ表示情報を原図記憶部100に書込み可能に構成されている。
このような構成によれば、表示情報中の所定の位置に特定情報(表示マーク)を表示することができる。そのため、例えば複雑な構造物や、見慣れない対象において、関心のある特定の個所に特定情報を表示すれば瞬時に当該箇所を指摘したり把握することができる。また、例えば、検査すべき部位の指示や、部品等の取り付け位置の指示などを、当該特定情報を設定することによって、より効率良く行える。また、特定個所に関する参考情報等をその部位の近くに特定情報として併せて表示することができる。
なお、上記特定情報付加処理において、特定情報は原図記憶部100の特定個所に静的に設定するだけではなく、一定時間毎に特定情報を「書込む・元に戻す」の処理を繰り返すことにより、点滅表示(ブリンク)させるように構成してもよい。
さらに、上記特定情報付加手段192は、単に表示マーク(特定情報)を表示する例で説明したが、これに限定されるものではなく、例えば投射表示面における所定のセンサ(例えば温度計など)の計測値分布等を特定情報として表示させる構成とすることが可能である。
詳しくは、特定情報付加手段192は、投射表示面80における位置情報と、その位置での所定のセンサからの計測値分布(計測値)とを特定情報として受け取るように構成する。そして、原図記憶部100における点の座標(x′,y′,0)と、それに対応する投射表示面80での点の座標(X,Y,Z)との上記変換式を使って、所定のセンサからの計測値分布(計測値)の投射表示面80における位置情報(X,Y,Z)を原図記憶部100における座標(x′,y′,0)に変換する。そして、点(X,Y,Z)における計測値を座標(x′,y′,0)に設定することにより、原図記憶部100の表示情報に当該特定情報を加えた画像情報を生成するように構成する。そして、この内容を、原図記憶部I/F180の原図内容端子から、R/Wトリガを「W」に指定して、原図記憶部100に書込む処理を実行する構成とする。
このような構成によれば、検証対象の表面に、所定のセンサの計測値分布を加えて、直接構造物に投射表示できるので、例えば構造物の部分毎の目に見えない情報を把握し易くなるという効果がある。ここで、所定のセンサの計測値分布としては、例えば、熱・電磁波・荷重(ストレス)などの物理量を例示できる。
また、上記所定のセンサの出力に替えて、アプリケーションプログラムからの出力を使った特定情報とし、原図記憶部の表示情報に当該特定情報を加えた画像情報するように構成することもできる。このような構成によれば、アプリケーションプログラムが作り出した画像が、投射表示面において実寸で表示される。したがって、有限要素解析や各種シミュレーションの結果を直接構造物に投射表示できるので、構造物の部分毎の目に見えない情報を把握し易くなる。すなわち、例えば非破壊検査による物理量等を直接構造物に投射表示することもできるので、構造物の目に見えない中身の状態を透視するがごとく分かり易く説明することができるという効果もある。
なお、本発明に係る投射表示装置は、上記例示した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能であることは勿論である。
本発明の第1の実施形態を示す全体構成図である。 図1の表示制御回路を示すブロック図である。 図2の表示制御回路におけるコントローラで実行する表示制御処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態を示す表示制御回路のブロック図である。 第2の実施形態におけるコントローラで実行する表示制御処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態を示す表示制御回路のブロック図である。 第3の実施形態におけるコントローラで実行する表示制御処理手順を示すフローチャートである。 第3の実施形態における表示状態を示す説明図である。 本発明の第1〜第3の実施形態の変形例を示す表示制御回路のブロック図である。 本発明の第4の実施形態を示す表示制御回路のブロック図である。 第4の実施形態におけるコントローラで実行する表示制御処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第5の実施形態を示す表示制御回路のブロック図である。 本発明の第6の実施形態を示す表示制御回路のブロック図である。 投射表示面の傾斜角補正を行う場合の特性線図である。 投射表示機構の変形例を示す構成図である。 本発明に係る投射表示装置の第7の実施形態の構成を説明するための説明図である。 本発明の第7の実施形態での投射表示面の一例を説明するための説明図である。 本発明の第7の実施形態での描画制御部の機能を説明するための座標系を示す説明図である。 本発明の第7の実施形態での描画制御部の処理を説明するフローチャートである。 本発明の第8の実施形態での描画制御部の処理を説明するフローチャートである。 本発明の第9の実施形態での投射表示装置の構成を説明するための説明図である。 本発明の第9の実施形態での投射表示面の構成を説明するための説明図である。 本発明の第9の実施形態での描画制御部の処理を説明するフローチャートである。 本発明の第10の実施形態での投射表示装置の構成を説明する説明図である。 本発明の第11の実施形態での投射表示装置の構成を説明する説明図である。 本発明の第12の実施形態での投射表示装置の構成を説明する説明図である。
符号の説明
1…投射表示装置、2…把持部、3…円筒状ケース体、4…点光源、5…液晶パネル、6…防塵ガラス、7…投射表示面、8…支持枠、9…回転軸、10…駆動モータ、11…ロータリエンコーダ、12、12A〜12C…レーザ距離センサ、21…表示制御回路、22…画像メモリ、23…液晶ドライバ、24…表示用RAM、25…モータ駆動回路、26…操作部、31…支持枠、32…駆動モータ、33…ロータリエンコーダ、35…ジャイロコンパス、41…非接触ICタグ、42…無線通信器、51…全地球測位システム、52…リーダライタ、61…CCDカメラ、62…パーソナルコンピュータ、71…画像メモリ、72…コントローラ、73…レーザ発振器、74…主走査ポリゴンミラー、75…副走査ポリゴンミラー、80…投射表示面、88…投射表示装置、90…筐体、100…原図記憶部、150…レーザポインタ(参照基準点指定手段)、151…計測指示ボタン、160…距離測定部I/F、170…マーク検出部I/F、180…原図記憶部I/F、190…PC(パーソナルコンピュータ)、191…相対関係検出手段、192…特定情報付加手段、200…描画制御部、210…第一の参照基準点、220…第二の参照基準点、230…第三の参照基準点、240…第四の参照基準点、300…描画面、400…点光源、500…ハーフミラー、600…集光レンズ、700…撮像面、800…距離測定部、900…マーク検出部

Claims (22)

  1. 表示情報を記憶する表示情報記憶手段と、該表示情報記憶手段で記憶している表示情報を任意の投射表示面に投射表示する投射表示手段と、該投射表示手段で、表示情報を投射表示する際に表示情報の投射表示面での表示寸法を所望倍率に調整する倍率調整手段とを備えたことを特徴とする投射表示装置。
  2. 表示情報を記憶する表示情報記憶手段と、該表示情報記憶手段で記憶している表示情報を任意の投射表示面に投射表示する投射表示手段と、前記投射表示面との距離を測定する距離測定手段と、該距離測定手段で測定した距離に基づいて表示情報を実寸で表示する倍率調整手段とを備えていることを特徴とする投射表示装置。
  3. 表示情報を記憶する表示情報記憶手段と、該表示情報記憶手段で記憶している表示情報を任意の投射表示面に投射表示する投射表示手段と、前記投射表示面との距離を測定する距離測定手段と、該距離測定手段で測定した距離に基づいて前記投射表示手段での投射表示軸線に対する投射表示面の相対傾斜角を算出する投射表示面傾角算出手段と、該投射表示面傾角算出手段で算出した投射表示面の相対傾斜角及び前記距離に基づいて前記投射表示面に表示情報を実寸で表示する倍率調整手段とを備えていることを特徴とする投射表示装置。
  4. 表示情報を記憶する表示情報記憶手段と、該表示情報記憶手段で記憶している表示情報を任意の投射表示面に投射表示する投射表示手段と、前記投射表示面に形成された参照基準点との距離、方位、俯仰角度を測定する位置関係測定手段と、該位置関係測定手段で測定した距離、方位、俯仰角度に基づいて前記投射表示手段での投射表示軸線に対する投射表示面の相対傾斜角を算出する投射表示面傾角算出手段と、前記位置関係測定手段で測定した方位に基づいて表示情報の表示方向を調整する表示方向調整手段と、前記表示情報に含まれている基準点を前記参照基準点に一致させると共に、前記投射表示面傾角算出手段で算出した投射表示面の相対傾斜角に基づいて当該投射表示面に前記表示方向調整手段で表示方向が調整された表示情報を実寸で表示する倍率調整手段とを備えていることを特徴とする投射表示装置。
  5. 前記投射表示面に形成された識別コードを読取る識別コード読取手段と、該識別コード読取手段で読取った識別コードに基づいて前記表示情報記憶手段に記憶されている表示情報を選択して前記投射表示手段に供給する表示情報選択手段とを備えていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1つに記載の投射表示装置。
  6. 前記識別コードは、光学的に読取り可能に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の投射表示装置。
  7. 前記識別コードは、非接触ICタグに格納され、前記識別コード読取手段は非接触ICタグに対して無線通信が可能な無線通信器で構成されていることを特徴とする請求項5に記載の投射表示装置。
  8. 基準点を含む表示情報と各々の基準点に対応する参照基準点毎の識別コードとを記憶する表示情報記憶手段と、該表示情報記憶手段で記憶している表示情報から設定したい基準点を含む表示情報を選択する表示情報選択手段と、該表示情報選択手段で選択した表示情報を任意の投射表示面に投射表示する投射表示手段と、前記設定したい基準点に対応する参照基準点の識別コードを表示すると共に前記投射表示面に固定可能な表示体を形成する識別コード表示体形成手段とを備えていることを特徴とする投射表示装置。
  9. 前記投射表示手段は、表示情報選択手段で選択した表示情報を投射表示面に投射表示する際に、参照基準点位置を他の表示情報から識別可能な形態で表示するように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の投射表示装置。
  10. 表示情報を記憶する表示情報記憶手段と、該表示情報記憶手段で記憶している表示情報を任意の投射表示面に投射表示する投射表示手段と、前記投射表示面との距離を測定する距離測定手段と、該距離測定手段で測定した距離に基づいて表示情報を実寸で表示する倍率調整手段と、投射表示面の配置情報を取得する配置情報取得手段と、該配置情報取得手段で取得した配置情報に基づいて前記表示情報記憶手段に記憶している表示情報を修正する表示情報修正手段とを備えていることを特徴とする投射表示装置。
  11. 前記投射表示手段は、光源と、光源から照射光が照射され、当該照射光を表示情報に応じて変調する液晶パネルと、該液晶パネルを透過した光を外部に投射する投射レンズとで構成されていることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1つに記載の投射表示装置。
  12. 前記投射表示手段は、表示情報記憶手段に記憶されている表示情報に基づいて発振制御されるレーザ発振器と、該レーザ発振器から出力されるレーザ光を反射して水平方向に走査する主走査ポリゴンミラーと、該主走査ポリゴンミラーで反射されて偏向したレーザ光を反射して垂直方向に走査する副走査ポリゴンミラーとで構成されていることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1つに記載の投射表示装置。
  13. 少なくとも前記表示情報記憶手段及び投射表示手段が携帯容器内に収納された構成を有することを特徴とする請求項1乃至12の何れか1つに記載の投射表示装置。
  14. 一直線上にない少なくとも3点の基準点を設けた表示情報を記憶する表示情報記憶手段と、該表示情報記憶手段で記憶している表示情報を前記基準点にそれぞれ対応する参照基準点を設ける投射表示面に投射表示する投射表示手段と、前記投射表示面上の情報を撮像面上で撮像する撮像手段と、前記撮像面上の各参照基準点の撮像位置を測定する位置測定手段と、前記投射表示面上の各参照基準点と前記撮像手段の撮像面との距離を測定する距離測定手段と、前記位置測定手段で測定した位置情報と前記距離測定手段で測定した各参照基準点の距離情報とに基づいて、前記投射表示面上に投射する前記表示情報の基準点の表示と前記投射表示面上の参照基準点とが合致するような投射用の描画情報を、前記表示情報から変換する倍率調整手段とを備え、
    前記投射表示手段は、前記倍率調整手段で変換した描画情報を表示する投射用描画手段と、該投射用描画手段に表示された描画情報を前記投射表示面に投射する投射手段とを備えていることを特徴とする投射表示装置。
  15. 請求項14に記載の投射表示装置において、
    さらに、前記投射表示面上に複数の代表点を設定するとともに、当該複数の代表点と前記撮像手段の撮像面との距離を計測する代表点計測手段と、を備えており、
    前記倍率調整手段は、前記描画情報を、当該代表点ごとに計測された距離情報に基づいて、各代表点を含む投射表示面上の領域ごとに、前記表示情報から変換することを特徴とする投射表示装置。
  16. 一直線上にない少なくとも4点の基準点を設けた表示情報を記憶する表示情報記憶手段と、該表示情報記憶手段で記憶している表示情報を前記基準点にそれぞれ対応する参照基準点を設ける投射表示面に投射表示する投射表示手段と、前記投射表示面上の情報を撮像面上で撮像する撮像手段と、前記撮像面上の各参照基準点の撮像位置を測定する位置測定手段と、前記少なくとも4点の基準点および対応する少なくとも4点の参照基準点の位置情報から前記投射表示面上の各参照基準点と前記撮像手段の撮像面との距離を演算する距離演算手段と、前記位置測定手段で測定した位置情報と前記距離演算手段で演算した各参照基準点の距離情報とに基づいて、前記投射表示面上に投射する前記表示情報の基準点の表示と前記投射表示面上の参照基準点とが合致するような投射用の描画情報を、前記表示情報から変換する倍率調整手段とを備え、
    前記投射表示手段は、前記倍率調整手段で変換した描画情報を表示する投射用描画手段と、該投射用描画手段に表示された描画情報を前記投射表示面に投射する投射手段とを備えていることを特徴とする投射表示装置。
  17. 前記参照基準点は、当該参照基準点が設定されるべき前記投射表示面上での位置を指定する参照基準点指定手段によってそれぞれ動的に指定されることを特徴とする請求項14乃至16の何れか1つに記載の投射表示装置。
  18. 前記倍率調整手段は、前記投射表示面での表示が所望の倍率となるような描画情報を前記表示情報から変換することを特徴とする請求項14乃至17の何れか1つに記載の投射表示装置。
  19. 前記所望の倍率は、前記投射表示面での表示が実寸表示となる倍率であることを特徴とする請求項18に記載の投射表示装置。
  20. 前記表示情報に設定する検証点と、前記投射表示面である検証対象に前記検証点に対応する参照検証点との相対関係を検出する相対関係検出手段を有することを特徴とする請求項19に記載の投射表示装置。
  21. 前記表示情報に対して特定の情報を付加する特定情報付加手段を有することを特徴とする請求項19に記載の投射表示装置。
  22. 前記特定情報付加手段は、前記特定の情報として、前記投射表示面がもつ現在の情報を付加することを特徴とする請求項21に記載の投射表示装置。
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