JP2005273698A - 自動調心ころ軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面損傷型の剥離を防止して、自動調心ころ軸受の寿命を長くする。
【解決手段】ころ3の材料として、珪素(Si)の含有率がSUJ2よりも高い0.6質量%以上2.0質量%以下の合金鋼を使用する。転動面の表層部の硬さをビッカース硬さ(Hv)で650以上とする。表層部の残留オーステナイト量を20体積%以下とする。転がり面の表面粗さを、内輪1および外輪2よりもころ3が小さくなるようにする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、自動調心ころ軸受に関する。
転がり軸受の一つである自動調心軸受は、一方の軌道が球状であることによって、両軌道の中心軸間の角ミスアライメントおよび角運動に適応できる軸受である。そのうち、転動体として凸面ころを用いたものが自動調心ころ軸受である。
自動調心ころ軸受は、「ころ」の公転軸と自転軸が平行でないため、転動体と内外輪との間で生じるスピン滑りが、玉軸受よりも大きい。また、玉軸受と比較して接触楕円が大きくなるため、差動滑りも大きくなる。よって、自動調心ころ軸受には、スピン滑りや差動滑りによって発生する接線力に起因した、表面損傷型の剥離が生じやすい。
下記の特許文献1には、内輪と「ころ」との接触部の滑り摩擦係数を、外輪と「ころ」との間の接触部の滑り摩擦係数よりも小さくすることにより、自動調心ころ軸受の寿命を長くすることが記載されている。なお、特許文献1には、自動調心ころ軸受の材料についての記載はない。
一方、転がり軸受用の材料としては、高炭素クロム軸受鋼第2種(SUJ2)や、SCR420、SCM420、SAE4320H等の肌焼き鋼が挙げられる。SUJ2を用いる場合には、内輪、外輪、転動体を、SUJ2製の素材を所定形状に加工した後、焼入れ焼戻し処理を施して、硬さをHv650〜800としている。また、肌焼き鋼を用いる場合には、内輪、外輪、転動体を、各種肌焼き鋼製の素材を所定形状に加工した後、浸炭または浸炭窒化処理を施して、表面硬さをHv650〜800、芯部硬さをHv300〜400としている。自動調心ころ軸受も同様の方法で製造されている。
特公昭57−61933号公報
本発明の課題は、使用する材料を特定することにより、表面損傷型の剥離を防止して、自動調心ころ軸受の寿命を長くすることにある。
上記課題を解決するために、本発明は、内輪、外輪、および「ころ」の少なくともいずれかは、珪素(Si)の含有率が0.6質量%以上2.0質量%以下、炭素(C)の含有率が0.15質量%以上1.3質量%以下、クロム(Cr)の含有率が0.1質量%以上3.0質量%以下、マンガン(Mn)の含有率が0.15質量%以上2.0質量%以下、モリブデン(Mo)の含有率が2.0質量%以下、酸素(O)の含有率が12ppm以下、残部が鉄(Fe)および不可避的不純物である合金鋼からなる素材を所定形状に加工した後、硬化熱処理を施すことにより得られ、その転がり面の表層部の硬さがビッカース硬さ(Hv)で650以上であり、前記表層部の残留オーステナイト量が20体積%以下であり、軌道輪よりも「ころ」の方が、転がり面の表面粗さが小さいことを特徴とする自動調心ころ軸受を提供する。
本発明はまた、「ころ」は、珪素(Si)の含有率が0.6質量%以上2.0質量%以下、炭素(C)の含有率が0.15質量%以上1.3質量%以下、クロム(Cr)の含有率が0.1質量%以上3.0質量%以下、マンガン(Mn)の含有率が0.15質量%以上2.0質量%以下、モリブデン(Mo)の含有率が2.0質量%以下、酸素(O)の含有率が12ppm以下、残部が鉄(Fe)および不可避的不純物である合金鋼からなる素材を所定形状に加工した後、硬化熱処理を施すことにより得られ、転動面の表層部の硬さがビッカース硬さ(Hv)で650以上であり、前記表層部の残留オーステナイト量が20体積%以下であり、軌道輪よりも「ころ」の方が、転がり面の表面粗さが小さいことを特徴とする自動調心ころ軸受を提供する。
本発明の自動調心ころ軸受は、前記硬化熱処理として、浸炭窒化処理と焼入れ焼戻し処理を行い、前記表層部の窒素(N)含有率が0.05質量%以上0.8質量%以下、炭素(C)含有率が0.7質量%以上2.5質量%以下となっていることが好ましい。
本発明の自動調心ころ軸受では、内輪、外輪、および「ころ」の少なくともいずれかの材料として、または「ころ」の材料として、珪素(Si)の含有率がSUJ2よりも高い0.6質量%以上2.0質量%以下の合金鋼を使用することにより、自動調心ころ軸受に特有の表面損傷型の剥離が低減できる。その理由を以下に述べる。
珪素は、耐熱性および焼戻し軟化抵抗性を向上させる非常に有効な元素であるとともに、窒素(N)と結合して窒化物を形成し易い元素である。
そのため、珪素の含有率が高い合金鋼を用いることにより、接触する部材間の真実接触部(実際に接触して荷重を支えている部分)に発生する塑性変形を抑制する効果が高くなるとともに、浸炭窒化処理を施した場合に表層部に分散析出する窒化物量が多くなる。ここで、表層部に分散析出している窒化物は、接触する相手部材との凝着力を低減する作用を有する。そのため、珪素の含有率が高い合金鋼を用い、浸炭窒化処理を行うことで、接触する相手部材との凝着力を低減する効果が高くなる。これらの効果(塑性変形の抑制効果と凝着力の低減効果)により、自動調心ころ軸受の内外輪および「ころ」に生じる表面損傷が低減できる。
そして、硬化熱処理として浸炭窒化処理と焼入れ焼戻し処理を行う場合には、前述の「凝着力の低減効果」が実質的に得られるようにするために、表層部の窒素(N)含有率を0.05質量%以上とする。ただし、表層部の窒素(N)含有率を過度に高くしても得られる効果は飽和する。また、表層部の窒素(N)含有率が高過ぎると、研削性が低くなって生産性が低減し、コストが増大する。これらを考慮して、窒素(N)含有率の上限値を0.8質量%とした。
また、硬化熱処理として浸炭窒化処理と焼入れ焼戻し処理を行う場合には、表層部の炭素(C)含有率を0.7質量%以上2.5質量%以下とすることにより、転がり面(内外輪の軌道面、「ころ」の転動面)として必要な表面硬さ(Hv650以上)を確保しながら、結晶粒界に沿って粗大なセメンタイト(その存在により寿命が短くなる)が析出することを防止できる。
本発明の自動調心ころ軸受では、内輪、外輪、および「ころ」の少なくともいずれかの転がり面(または、「ころ」の転動面)の、表層部の残留オーステナイト量を20体積%以下としている。これは、残留オーステナイトの存在により、転がり面に生じた圧痕に起因する応力集中を緩和する効果が得られる一方、残留オーステナイトが20体積%を超えると寿命向上効果が得られなくなるためである。
本発明の自動調心ころ軸受では、軌道輪よりも「ころ」の方が、転がり面の表面粗さが小さい。これにより、スピン滑りや差動滑りによって発生する接線力が小さくなるため、表面損傷型の剥離が低減できる。
本発明の自動調心ころ軸受では、内輪、外輪、および「ころ」の少なくともいずれか、または「ころ」について、使用する合金鋼と表層部の硬さおよび残留オーステナイト量を特定している。
ここで、「ころ」についてのみ特定すれば、内輪と「ころ」との間および外輪と「ころ」との間の両方で表面損傷が低減できるが、内輪のみについて特定すると、内輪と「ころ」との間では表面損傷が低減できるが、外輪と「ころ」との間では表面損傷が低減できない。同様に、外輪のみについて特定すると、外輪と「ころ」との間では表面損傷が低減できるが、内輪と「ころ」との間では表面損傷が低減できない。
また、外輪軌道の表面粗さを内輪軌道の表面粗さより粗くすると、自動調心ころ軸受の寿命が長くなることが知られている。これに従って外輪軌道の表面粗さを粗くすると、「ころ」の転動面が損傷を受け易くなる傾向がある。そのため、「ころ」の方を表面損傷し難い構成にしておくことが望ましい。
これらのことから、使用する合金鋼と表層部の硬さおよび残留オーステナイト量を「ころ」についてのみ特定することにより、内輪と外輪の両方について特定した場合と同等以上の寿命向上効果が得られる。したがって、使用する合金鋼と表層部の硬さおよび残留オーステナイト量を「ころ」についてのみ特定することにより、表面損傷型の剥離が低減された自動調心ころ軸受を安価に得ることができる。
なお、自動調心ころ軸受にかかる荷重がラジアル荷重のみの場合は、使用する合金鋼と表層部の硬さおよび残留オーステナイト量を固定輪についてのみ特定してもよい。前記場合に「ころ」および回転輪に対しては、繰り返し剪断応力が全体に分散されて加わるが、固定輪に対しては一部に集中して加わる。つまり、固定輪の方の条件が厳しいため、「ころ」および回転輪ではなく固定輪について特定することで、寿命延長効果が効率良く得られる。
前述のように、本発明の自動調心ころ軸受では、内輪、外輪、および「ころ」の少なくともいずれかの材料として、または「ころ」の材料として、珪素(Si)の含有率がSUJ2よりも高い0.6質量%以上2.0質量%以下の合金鋼を使用している。この合金鋼の珪素(Si)以外の含有率については、一般的な転がり軸受の場合と同じ理由で限定されている。その理由を以下に述べる。
〔炭素(C)の含有率が0.15質量%以上1.3質量%以下〕
炭素は、基地をマルテンサイト化して強度を高くする作用を有する元素である。合金鋼の炭素含有率が0.15質量%未満であると、素材として必要な強度が得られないだけでなく、転がり面として必要な硬さ(Hv650以上)を得る目的で浸炭または浸炭窒化処理を行う場合に、処理時間がかかって生産コストが高くなる。
合金鋼の炭素含有率が1.3質量%を超えると、転動疲労寿命を低下させる原因となる粗大な炭化物が素材中に形成され易い。
〔クロム(Cr)の含有率が0.1質量%以上3.0質量%以下〕
クロムは、焼入れ性や焼戻し軟化抵抗性を向上させるために有効な元素であり、基地を強化して転動疲労寿命特性を向上することができる。また、微細で硬度の高い炭化物を形成して、耐摩耗性を向上する作用も有する。また、浸炭窒化処理をする場合に、浸炭窒化層の炭素濃度を高くする効果も有する。クロムの含有率が0.1質量%未満であると、これらの効果が実質的に得られない。
クロムの含有率が3.0質量%を超えると、表面に不動態膜が形成されて、浸炭窒化がされ難くなる。
〔マンガン(Mn)の含有率が0.15質量%以上2.0質量%以下〕
マンガンは、製鋼時の脱酸剤および脱硫剤として有効な元素であり、焼入れ性向上効果も有する。マンガンの含有率が0.15質量%未満であると、これらの効果が実質的に得られない。
マンガンの含有率が2.0質量%を超えると、非金属介在物が多量に形成されるとともに、素材の鍛造性、被削性等の機械加工性が低下する。
〔モリブデン(Mo)の含有率が2.0質量%以下〕
モリブデンは、クロムと同様に、焼入れ性や焼戻し軟化抵抗性を向上させるために有効な元素であり、微細で硬度の高い炭化物を形成して、耐摩耗性を向上する作用も有する。モリブデンの含有率が2.0質量%を超えると、製鋼時に粗大な炭化物が形成されて、寿命が低下する。また、含有率が2.0質量%を超えると、得られる効果が飽和して、コストが嵩むだけである。
〔酸素(O)の含有率が12ppm以下〕
酸素は、転動疲労寿命を短くする原因となる酸化物系介在物を形成する元素である。12ppmを超えて含有すると、酸化物系介在物が形成され易くなる。
本発明の自動調心ころ軸受によれば、内輪、外輪、および「ころ」の少なくともいずれかの材料として、または「ころ」の材料として、珪素(Si)の含有率がSUJ2よりも高い0.6質量%以上2.0質量%以下の合金鋼を使用することにより、自動調心ころ軸受に特有の表面損傷型の剥離が防止されて、寿命が長くなる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に示す構造の自動調心ころ軸受を、以下の方法で作製した。この自動調心ころ軸受は、内輪1、外輪2、ころ3、保持器4、およびつば5からなる。外輪2には油溝21および油穴22が設けてある。また、この自動調心ころ軸受の寸法は、外径が100mm、内径が55mm、幅が25mmである。
Figure 2005273698
ころ3の素材として、上記表1に示す各組成の合金鋼からなる素材を用意した。なお、各合金鋼の酸素含有率は12ppm以下である。そして、各素材を旋削加工した後、硬化熱処理を行い、次いで仕上げの研削加工を行うことにより、転動面の表面粗さをRaで0.05μmとした。これにより、表層部が下記の表2に示す特性となっている「ころ」を得た。
なお、表層部の窒素含有率および炭素含有率はEPMA分析装置を用いて、表面から10μmとなる深さ位置で測定した。残留オーステナイト量(γR )は、X線回折装置による測定結果に基づいて算出した。表層部の硬さは、「JIS Z 2244」のビッカース硬さ試験方法に準拠して測定した。
硬化熱処理は以下の方法で行った。
サンプルNo. 1〜5,13では、「ずぶ焼き入れ」後に焼戻しを行った。すなわち、温度820〜860℃で40分間保持した後に、油焼入れを行い、次いで、150〜320℃で2時間保持する焼戻しを行った。
サンプルNo. 6〜10,14では、浸炭窒化処理後に焼入れ、焼戻しを行った。すなわち、先ず、RXガス+エンリッチガス+アンモニアガスの雰囲気で、温度870〜950℃で4〜6時間保持する浸炭窒化処理を行った。次に、温度820〜860℃で40分間保持した後に油焼入れを行った。次に、150〜320℃で2時間保持する焼戻しを行った。
サンプルNo. 11,12,15では、浸炭処理後に焼入れ、焼戻しを行った。すなわち、先ず、RXガス+エンリッチガスの雰囲気で、温度870〜950℃で4〜6時間保持する窒化処理を行った。次に、温度820〜860℃で40分間保持した後に油焼入れを行った。次に、150〜320℃で2時間保持する焼戻しを行った。
内輪1と外輪2については、SUJ2からなる素材を各形状に加工した後、温度820〜860℃で40分間保持した後に、油焼入れを行い、次いで、240〜270℃で2時間保持する焼戻しを行った。次いで、仕上げの研削加工を行うことにより、軌道面の表面粗さをRaで0.1〜0.5μmとした。これにより、表層部の硬さをHv650以上、残留オーステナイト量を5体積%以下とした。
このようにして得られた内輪1、外輪2、ころ3と、通常品の保持器4およびつば5を用い、自動調心ころ軸受を組み立て、寿命試験を行った。
寿命試験は、荷重(P/Cr):0.45(Fr:Fa=4:1)、回転速度:2500min-1、潤滑油:VG32の条件で回転させることで行い、剥離が生じるまでの回転時間を寿命として測定した。そして、従来品(「ころ」がSUJ2製)に相当するNo. 13の寿命を「1」とした寿命比を算出した。その値も表2に併せて示す。
Figure 2005273698
この表から分かるように、本発明の実施例に相当するNo. 1〜12の自動調心ころ軸受は、比較例に相当するNo. 13〜15の自動調心ころ軸受よりも寿命が長く、従来品に相当するNo. 13の自動調心ころ軸受の2.2〜3.5倍の寿命となっている。
また、同じ熱処理を行ったNo. 1〜5とNo. 13を比較すると、ころ3の素材として、珪素含有率が1.20〜2.00質量%である鋼材を用いたNo. 1〜5は、珪素含有率が0.23質量%である鋼材を用いたNo. 13の2.3〜2.6倍の寿命となっている。
No. 1〜12のうち浸炭窒化処理を行ったNo. 6〜10は、ずぶ焼入れを行ったNo. 1〜5および浸炭処理を行ったNo. 7,8よりも、寿命が長くなっている。これは、表層部に分散析出された窒化物による効果と考えられる。
以上の結果から、「ころ」の材料として、珪素の含有率が0.6質量%以上2.0質量%以下の合金鋼を使用することにより、珪素の含有率が0.19質量%以上0.23質量%以下の合金鋼を使用した場合と比較して、自動調心ころ軸受の寿命を長くできることが分かる。また、硬化熱処理として浸炭窒化処理を行って表層部の窒素含有率を0.05質量%以上0.8質量%以下にすることにより、寿命をより長くできることが分かる。
なお、この実施形態では、「ころ」を本発明の構成を満たすものとしているが、内輪および外輪を本発明の構成を満たすものとした場合にも同等の効果が得られる。
自動調心ころ軸受の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 内輪
2 外輪
21 油溝
22 油穴
3 ころ
4 保持器
5 つば

Claims (3)

  1. 内輪、外輪、および「ころ」の少なくともいずれかは、
    珪素(Si)の含有率が0.6質量%以上2.0質量%以下、炭素(C)の含有率が0.15質量%以上1.3質量%以下、クロム(Cr)の含有率が0.1質量%以上3.0質量%以下、マンガン(Mn)の含有率が0.15質量%以上2.0質量%以下、モリブデン(Mo)の含有率が2.0質量%以下、酸素(O)の含有率が12ppm以下、残部が鉄(Fe)および不可避的不純物である合金鋼からなる素材を所定形状に加工した後、硬化熱処理を施すことにより得られ、
    その転がり面の表層部の硬さがビッカース硬さ(Hv)で650以上であり、
    前記表層部の残留オーステナイト量が20体積%以下であり、
    軌道輪よりも「ころ」の方が、転がり面の表面粗さが小さいことを特徴とする自動調心ころ軸受。
  2. 「ころ」は、
    珪素(Si)の含有率が0.6質量%以上2.0質量%以下、炭素(C)の含有率が0.15質量%以上1.3質量%以下、クロム(Cr)の含有率が0.1質量%以上3.0質量%以下、マンガン(Mn)の含有率が0.15質量%以上2.0質量%以下、モリブデン(Mo)の含有率が2.0質量%以下、酸素(O)の含有率が12ppm以下、残部が鉄(Fe)および不可避的不純物である合金鋼からなる素材を所定形状に加工した後、硬化熱処理を施すことにより得られ、
    転動面の表層部の硬さがビッカース硬さ(Hv)で650以上であり、
    前記表層部の残留オーステナイト量が20体積%以下であり、
    軌道輪よりも「ころ」の方が、転がり面の表面粗さが小さいことを特徴とする自動調心ころ軸受。
  3. 硬化熱処理として、浸炭窒化処理と焼入れ焼戻し処理を行い、前記表層部の窒素(N)含有率が0.05質量%以上0.8質量%以下、炭素(C)含有率が0.7質量%以上2.5質量%以下となっている請求項1または2記載の自動調心ころ軸受。
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