JP2005273628A - 横型回転圧縮機及び空気調和機 - Google Patents

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俊行 江原
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大 松浦
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Abstract

【課題】 歯車ポンプの低回転時における給油能力を確保しながら、高回転時における圧力過昇を防止することができる横型回転圧縮機及び空気調和機を提供する。
【解決手段】 回転軸16の回転圧縮機構部18側の端部に歯車ポンプ101を設けて成る横型ロータリコンプレッサ10において、歯車ポンプ101は、ハウジング90の歯車室92内に設けられた外歯車93Aとこの外歯車93A内に位置して回転軸16に嵌合された内歯車93Bとから成る歯車対93と、密閉容器12内下部よりオイルを汲み上げるためのオイル吸入通路112とを備え、内歯車93Bと外歯車93Aの噛み合わせ回転運動によって歯車対93にポンプ作用を生じさせ、オイル吸入通路112を経てオイル吸入部112より歯車室92にオイルを汲み上げ、オイル供給部95より回転軸16にオイルを供給すると共に、内歯車93Bの回転中心を、外歯車93Aの回転中心の垂直方向上側に配置する。
【選択図】図3

Description

本発明は、横型の密閉容器内に、回転軸にて駆動される回転圧縮機構部と、この回転軸の回転圧縮機構部側の端部に設けられた歯車ポンプとを備える横型回転圧縮機に関するものである。
従来の横型回転圧縮機は、密閉容器内に駆動要素としての電動要素と、この電動要素の側方に位置して電動要素の回転軸にて駆動される回転圧縮機構部とから構成されている。また、密閉容器の底部はオイル溜めとされており、当該オイル溜めから給油手段としての歯車ポンプにてオイルが汲み上げられて、圧縮機構部等にオイルが供給され、圧縮機構部等の摺動部の摩耗を防ぐと共に、圧縮室のシール性を向上させて、圧縮効率を確保していた。
ここで、前記歯車ポンプは回転軸の回転圧縮後部側の端部に設けられ歯車室内に外歯車と内歯車からなる歯車対を備え、内歯車の中央に形成された孔に前記回転軸を嵌合挿入して、回転軸より伝達される回転力を内歯車に伝達し、内歯車と外歯車のかみ合わせ回転運動により歯車対にポンプ作用を生じさせて、歯車ポンプを作動するものである。
そして、前記回転運動によりオイル吸入通路のオイル溜め内に開口した吸油口からの歯車室に吸い上げられたオイルは歯車対の回転運動により歯車室の中心部へと導かれて回転軸に形成されたオイル通路に供給される構成とされている。
(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−324781号公報
ところで、上述の歯車ポンプは回転軸の回転により、オイル溜めからオイルを汲み上げるため、回転軸が低速にて回転する低回転時には、オイル溜めから汲み上げられるオイル量が少なくなる。従って、歯車ポンプを回転軸が低回転であっても充分給油できるだけの能力とする必要があった。
しかしながら、上述の如く低回転であっても充分給油できる能力を確保すると、回転軸が高速にて回転する高回転時に歯車室ポンプの高圧側では圧力過昇状態となって、回転圧縮機の効率が低下するという問題が生じていた。
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、歯車ポンプの低回転時における給油能力を確保しながら、高回転時における圧力過昇状態を防止することができる横型回転圧縮機及び空気調和機を提供することを目的とする。
請求項1の発明の横型回転圧縮機は、横型の密閉容器内に、回転軸にて駆動される回転圧縮機構部と、この回転軸の回転圧縮機構部側の端部に設けられた歯車ポンプとを備え、歯車ポンプは、ハウジングの歯車室内に設けられた外歯車とこの外歯車内に位置して回転軸の回転圧縮機構部側に嵌合された内歯車とから成る歯車対と、密閉容器内下部よりオイルを汲み上げるためのオイル吸入通路とを備え、内歯車と外歯車の噛み合わせ回転運動によって歯車対にポンプ作用を生じさせ、オイル吸入通路を経てオイル吸入部より歯車室にオイルを汲み上げると共に、内歯車の回転中心を、外歯車の回転中心の垂直方向上側に配置したものである。
請求項2の発明の横型回転圧縮機は、横型の密閉容器内に、回転軸にて駆動される回転圧縮機構部と、この回転軸の回転圧縮機構部側の端部に設けられた歯車ポンプとを備え、歯車ポンプは、ハウジングの歯車室内に設けられた外歯車とこの外歯車内に位置して回転軸の回転圧縮機構部側に嵌合された内歯車とから成る歯車対と、密閉容器内下部よりオイルを汲み上げるためのオイル吸入通路とを備え、内歯車と外歯車の噛み合わせ回転運動によって歯車対にポンプ作用を生じさせ、オイル吸入通路を経てオイル吸入部より歯車室にオイルを汲み上げると共に、横軸をX、縦軸をY、内歯車の歯の中心までの半径をr、外歯車の歯の中心までの半径をR、圧力上昇時の外歯車の縦方向への偏位をY0とした場合に、
(X−A/2)2+Y2=r2
(X+B/2)2+(Y+Y0)2=R2
(A+B)2+Y02=(R−r)2
の関係式が成り立つ(X,Y)位置に前記オイル吸入部を配置したものである。
請求項3の発明の空気調和機は、上記各発明の横型回転圧縮機を用いて冷媒回路が構成されたものである。
請求項1の発明の横型回転圧縮機によれば、低回転時には外歯車の自重を利用して内歯車と外歯車の隙間を無くしてポンプ作用を生じさせることで、給油量を確保することができるようになる。更に、請求項1の発明によれば、セットピンを用いること無く、位置決めを容易に行うことができるようになる。
請求項2の発明の横型回転圧縮機によれば、オイル吸入部の位置を設定することで、例えば、内歯車と回転軸間のクリアランスを外歯車と歯車室間のクリアランスより小さくすることで、高回転時になったとき、クリアランス分、内歯車と外歯車が偏位することにより、オイル吸入部とオイル供給部とが歯車室内で連通するようになる。これにより、歯車ポンプは低圧と高圧がバイパスして高回転時における圧力過昇を防止することができるようになる。
また、請求項3の如く横型回転圧縮機を空気調和機に用いた場合、オイルの安定供給が可能となるため、特に、この横型回転圧縮機を車両等に積載する場合、傾いてオイルが片寄ってしまっても、安定的をオイルを供給でき、空気調和機の信頼性の向上、及び性能の維持を図ることができるようになる。
次に、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明の横型回転圧縮機の実施例として、第1及び第2の回転圧縮要素32、34を備えた内部中間圧型の横型多段(2段)圧縮式ロータリコンプレッサ10の縦断側面図を示している。
図1において、実施例のロータリコンプレッサ10は二酸化炭素(CO2)を冷媒とする内部中間圧型の横型2段圧縮式ロータリコンプレッサで、このロータリコンプレッサ10は横長円筒状の容器本体12Aと、この容器本体12Aの端部開口を閉塞するように取り付けられた略椀状のエンドキャップ12Bとから成る横型の密閉容器12を備え、当該密閉容器12の底部をオイル溜めとしている。この密閉容器12内にはステータ22とロータ24から成る当該ロータリコンプレッサ10の駆動要素としての電動要素14と、この電動要素14の側方に位置して電動要素14の回転軸16にて駆動される第1の回転圧縮要素32(1段目)及び第2の回転圧縮要素34(2段目)からなる回転圧縮機構部18が収納されている。尚、実施例のロータリコンプレッサ10は車両用の空気調和機として使用されるものである。
前記電動要素14は密閉容器12の内周面に沿って環状に取り付けられたステータ22と、このステータ22の内側に若干の間隔を設けて挿入設置されたロータ24とから成る。このロータ24は中心を通り密閉容器12の軸心方向(横方向)に延在する回転軸16に固定されている。
ステータ22は、ドーナッツ状の電磁鋼板を積層した積層体26と、この積層体26の歯部に直巻き(集中巻き)方式により巻装されたステータコイル28を有している。そして、前記ロータ24もステータ22と同様に電磁鋼板の積層体30で形成されている。
前記回転軸16の回転圧縮機構部18側の端部には容積型オイルポンプの歯車ポンプ101が設けられている。この歯車ポンプ101は、密閉容器12内に封入された潤滑用のオイルを回転圧縮機構部18等の摺動部に供給し、摩耗を防止すると共に、シリンダ38、40(圧縮室)のシール性を向上して、圧縮効率を確保するためのものである。
ここで、当該歯車ポンプ101の構造について図2乃至図4を用いて説明する。歯車ポンプ101は、ステンレス等の金属製材料にて構成されており、ハウジング90の歯車室92内に設けられた外歯車93Aとこの外歯車93A内に位置して回転軸16に取り付けられた内歯車93Bとからなる歯車対93と、密閉容器12下部よりオイルを汲み上げるためのオイル吸入通路112とを備えている。
前記歯車室92内には、前記オイル吸入通路112と連通し、当該オイル吸入通路112の吸油口113からのオイルを歯車室92内に吸入するためのオイル吸入部94が設けられたと低圧側92Lと、後述するポンプ作用により昇圧されたオイルを回転軸16内に形成されたオイル通路84へと供給するためのオイル供給部95が設けられた高圧側92Hとが形成されている。
前記歯車対93は歯車室92内の径方向に少許間隔を存して、回転可能に収容されている。即ち、外歯車93Aと歯車室92の間には所定のクリアランスが構成されている。外歯車93Aの中心は歯車室92の中心とほぼ一致する位置とされている。歯車対93の内歯車93Bの中心にはDカット形状の孔111が形成されており、この孔111内には回転軸16の回転圧縮機構部18側の端部が挿入されている。この内歯車93Bの回転中心は外歯車93Aの回転中心の垂直方向上側となるように配置されている。このため、内歯車93Bは外歯車93A内に当該外歯車93Aの内面の上側と当接し、下側と離れるようなかたちで配置されている。これにより、回転軸16が低速で回転する低回転時には外歯車93Aの自重を利用して、内歯車93Bと外歯車93Aの隙間を無くし、ポンプ作用を生じさせることができるようになる。更に、係る構成とすることで、セットピン等を用いることなく容易に位置決めをすることができるようになる。また、内歯車93Bの孔111は回転軸16の径より若干大きく形成されているため、内歯車93Bと回転軸16の間には径方向にクリアランスが構成される。
そして、前記内歯車93Bと外歯車93Aの噛み合わせ回転運動によって歯車対93にポンプ作用を生じさせ、オイル吸入通路112を経てオイル吸入部94より歯車室92にオイルを汲み上げ、オイル供給部95より前記回転軸のオイル通路84にオイルを供給する構成とされている。
ここで、本発明の歯車ポンプ101のオイル吸入部94は、横軸をX、縦軸をY、内歯車93Bの歯の中心までの半径をr、外歯車93Aの歯の中心までの半径をR、圧力上昇時の前記外歯車93Aの縦方向への偏位をY0とした場合に、
(X−A/2)2+Y2=r2
(X+B/2)2+(Y+Y0)2=R2
(A+B)2+Y02=(R−r)2
の関係式が成り立つ(X,Y)位置に配置されている。
また、当該歯車ポンプ101では、内歯車93Bと回転軸16間のクリアランスを前記外歯車93Aと歯車室92間のクリアランスより小さくなるように設定している。即ち、内歯車93Bと回転軸16間のクリアランスをA、前記外歯車93Aと歯車室92間のクリアランスをBとした場合に、B>Aとしている。
このようにオイル吸入部94を上述の式に基づく位置に配置すると共に、内歯車93Bと回転軸16間のクリアランスを外歯車93Aと歯車室92間のクリアランスより小さく設定することで、回転軸16が高回転となった場合に、各クリアランス分、内歯車93Bと外歯車93Aは偏位するので、オイル吸入部94とオイル供給部95とが歯車室92内で連通するようになる。
即ち、歯車ポンプ101の歯車対93の回転運動により、昇圧したオイルによって、内歯車93Bは低圧側92L(前記X軸のプラス側)へ外歯車93Aは高圧側92H(X軸のマイナス側)に偏位して、オイル吸入部94とオイル供給部95とが歯車室92内で連通するようになる。これにより、歯車ポンプ101は低圧と高圧がバイパスする。
また、歯車室92の高圧側92Hには外歯車93Aを押圧するバネ部材98が設けられている。即ち、歯車室92の高圧側92Hには拡張部99が形成されており、この拡張部99にはバネ部材98が設けられている。このバネ部材98は常には外歯車93Aが拡張部99側に移動しないように外歯車93Aを歯車室92側(X軸のプラス側)に押圧すると共に、歯車室92内の高圧側92Hが所定圧力に上昇すると、バネ部材98が歯車室92内の高圧側92Hの圧力及び外歯車93Aにより拡張部99側(X軸のマイナス側)に押されて変形する。
これにより、外歯車93Aが拡張部99側に移動するため、オイル吸入部94とオイル供給部95とが歯車室92内で連通するようになる。従って、高回転時において上述の低圧と高圧のバイパスがより確実に起こるようになり、より一層確実に高圧側92Hの圧力過昇を解消、若しくは、未然に回避することができるようになる。また、バネ部材98のバネ定数を変えるだけで、低圧と高圧のバイパス量を容易にコントロールすることが可能となる。
以上の如く、歯車室92の高圧側92Hに外歯車93Aを押圧するバネ部材98を設けることにより、低回転時のポンプ作用確保と高回転時の自動バイパス運転をバネ部材98で確実に行うことができるようになるものである。
更に、外歯車93Aの比重をオイルの2倍以上としている。これにより、前述の外歯車93Aの自重による効果を確実に得ることが可能となる。
尚、歯車ポンプ101は、ハウジング90の歯車室92内に歯車対93を設置した状態で、中心部に回転軸16を挿入するための孔が形成されたドーナッツ形状の蓋部材96で歯車室92の開口を覆い、周囲を図示しないネジ等で締結、若しくは、溶接した後、蓋部材96に形成された孔に回転軸16の回転圧縮機構部18側の端部を挿入接続して、内歯車93Bの孔111に嵌合挿入した状態で蓋部材96を回転圧縮機構部18の第1の回転圧縮要素32のカバー68にスポット溶接、又は、ボルト止めすることにより取り付けられる。
一方、前記第1及び第2の回転圧縮要素32、34は、それぞれ中間仕切板36の両側(図1では左右)に配置された圧縮室としてのシリンダ38、40と、180度の位相差を有して回転軸16に設けられた偏心部42、44に嵌合され、シリンダ38、40内を偏心回転するローラ46、48と、これらローラ46、48にそれぞれ当接してシリンダ38、40内をそれぞれ低圧室側と高圧室側に区画するベーン50、52と、シリンダ38の電動要素14側の開口面及びシリンダ40の電動要素14とは反対側(オイルポンプ101側)の開口面をそれぞれ閉塞して回転軸16の軸受を兼用する支持部材54、56とから構成されている。
そして、シリンダ38、40には図示しない吸込ポートにてシリンダ38、40内部の低圧室側とそれぞれ連通する図示しない吸込通路が形成されている。また、シリンダ38と連通する吸込通路はバッフル板100の回転圧縮機構部18側の密閉容器12内に開口しており、ここから第2の回転圧縮要素34にバッフル板100の回転圧縮機構部18側の冷媒ガスが吸い込まれるように構成されている。
また、前記支持部材54の電動要素14側は一部が凹陥されており、この凹陥部をカバー66で塞ぐことにより、吐出消音室62が形成されている。また、支持部材56の電動要素14側とは反対側は一部が凹陥されており、この凹陥部をカバー68で塞ぐことにより、吐出消音室64が形成されている。これら吐出消音室62、64はそれぞれ図示しない吐出ポートを介してシリンダ38、40の高圧側92Hと連通している。
そして、吐出消音室64と密閉容器12内は、シリンダ38、40や中間仕切板36、支持部材54、バッフル板100を貫通して電動要素14側に開口する連通路120にて連通されており、この連通路120の端部には中間吐出管121が立設され、この中間吐出管121から第1の回転圧縮要素32で圧縮された中間圧の冷媒ガスを密閉容器12内の前記バッフル板100の電動要素14側に吐出させるように構成している。このとき、冷媒ガス中には第1の回転圧縮要素32に供給されたオイルが混入しているが、このオイルもバッフル板100のの電動要素14側に吐出されることになる。ここで、冷媒ガス中に混入したオイルは冷媒ガスから分離して密閉容器12内底部のオイル溜めに溜まる。
前述したバッフル板100は、密閉容器12内を電動要素14側と回転圧縮機構部18側とに区画して差圧を構成するためのものであり、密閉容器12の容器本体12A上方に取り付けられたターミナル20の下側に位置して、密閉容器12内面(容器本体12Aの内面)と僅かな隙間を存して設けられている。当該バッフル板100は、密閉容器12内を区画する円盤状の区画部103と、この区画部103の周囲から電動要素14側に延在する周壁部104とから構成されており、周壁部104の先端(周壁部104の電動要素14側の端部)を電動要素14のステータ22にスポット溶接又はボルト止め固定することにより取り付けられている。尚、前記ターミナル20は、電動要素14に電力を供給するためのものであり、密閉容器12の容器本体12A上方に形成された円形の取付孔12D内に取り付けられている。
そして、第1の回転圧縮要素32で圧縮され、密閉容器12内のバッフル板100の電動要素14側に吐出された中間圧の冷媒ガスは、バッフル板100と密閉容器12の内面との間に形成された隙間を通って回転圧縮機構部18側に流入することになるが、係るバッフル板100の存在により、密閉容器12内にはバッフル板100の電動要素14側の圧力が高く、回転圧縮機構部18側が低い差圧が構成されることになる。
また、区画部103の周囲から電動要素14側に延在する周壁部104を設けることで、当該ロータリコンプレッサ10が電動要素14側に大きく傾斜した場合、オイル溜めに位置する周壁部104の存在により、バッフル板100の電動要素14側に溜まるオイル量が少なくなるため、その分、バッフル板100の回転圧縮機構部18側のオイルレベル(油面)を上昇させることができる。これにより、ロータリコンプレッサ10が電動要素14側に傾斜する状況下でもバッフル板100の回転圧縮機構部18側のオイル吸入通路112の吸油口113がオイル中に浸漬されるようになり、オイル供給を行うことが可能となる。
また、この周壁部104には切欠部105が形成されている。この切欠部105はバッフル板100が取り付けられた際、前記ターミナル20に対応する位置に形成されており、この切欠部105内にターミナル20の端子や図示しない配線等が位置する。即ち、バッフル板100の周壁部104に形成された切欠部105により、ターミナル20の端子や配線の取り回しが阻害されず、且つ、絶縁距離も確保することができるようになる。これにより、ターミナル20をバッフル板100に対応する位置となる密閉容器12の上方に取り付けることが可能となり、メンテナンス性の向上を図ることができるようになる。また、ターミナル20をバッフル板100に対応する位置の密閉容器12(容器本体12A)に取り付けることで、ターミナル20の取り付けを従来のエンドキャップ12Bから容器本体12Aの上方に変更することによるロータリコンプレッサ10の全長の拡大も回避することができるようになる。
更に、バッフル板100は切欠部105近傍の部分の周壁部104と密閉容器12の内面間の間隙は、他の部分の周壁部104(切欠部105近傍以外の部分の周壁部104)と密閉容器12内面との間隙よりも狭くされている。
即ち、切欠部105を形成することで、当該切欠部105からも冷媒の流通が成されるようになるため、密閉容器12内面とバッフル板100の周壁部104の間の間隙を従来の如く他の部分の周壁部104と密閉容器12内面と同じ間隙とすると、切欠部105により差圧が有効に構成されなくなってしまう。
このため、バッフル板100の回転圧縮機構部18側のオイルレベルを充分に確保できなくなってしまう。特に、二酸化炭素(CO2)などの密度の高い冷媒を使用した場合には、冷媒ガスの流速が遅く、通路抵抗が小さいため、他の冷媒と比べて差圧が構成され難くなり、切欠部105形成による影響は著しく、最悪の場合、差圧が殆ど構成されない恐れもある。
しかしながら、切欠部105近傍の周壁部104と密閉容器内12内面の間隙を他の部分の周壁部104と密閉容器12内面との間隙よりも狭くすることで、切欠部105付近の通路抵抗が増大し、差圧が構成されるようになる。
これにより、所望の差圧を得ることができるようになる。この差圧によって密閉容器12内底部のオイル溜めに貯溜されたオイルはバッフル板100の回転圧縮機構部18側に移動し、バッフル板100の電動要素14側より回転圧縮機構部18側のオイルレベルが上昇する。これにより、オイル吸入通路112の吸油口は支障無くオイル中に浸漬されるようになるので、歯車ポンプ101による回転圧縮機構部18の摺動部へのオイルの供給が円滑に行われるようになる。
尚、密閉容器12内に封入される潤滑油としてのオイルとしては、例えば鉱物油(ミネラルオイル)、アルキルベンゼン油、エーテル油、エステル油、PAG(ポリアルキルグリコール)等既存のオイルが使用される。そして、冷媒としては、地球環境にやさしく可燃性及び毒性等を考慮して自然冷媒である前述した二酸化炭素(CO2)を使用する。このように、自然冷媒である二酸化炭素を冷媒として使用することで環境問題にも寄与することができるようになる。
他方、前記密閉容器12の容器本体12Aの側面には、シリンダ40の図示しない吸込通路に対応する位置にスリーブ142が溶接固定されている(図5)。このスリーブ142内には冷媒導入管74の一端が挿入接続され、シリンダ40の吸込通路と連通する。
また、容器本体12Aの側面の吐出消音室62に対応する位置にはスリーブ143が形成されている。このスリーブ143内には冷媒吐出管76が挿入接続され、この冷媒吐出管76の一端は吐出消音室62と連通されており、第2の回転圧縮要素34のシリンダ38で圧縮され、図示しない吐出ポートを通って吐出消音室62に吐出された冷媒ガスが冷媒吐出管76から外部のガスクーラ154(放熱器)に供給される。更に、密閉容器12の底部には取付用台座110が設けられている。
次に、図5は本発明のロータリコンプレッサ10を用いて冷媒回路140が構成された車両用空気調和機の冷媒回路図である。この冷媒回路140は前記ロータリコンプレッサ10、ガスクーラ154、膨張弁155及び蒸発器157を順次環状に配管接続することにより構成されている。即ち、ロータリコンプレッサ10の冷媒吐出管76はガスクーラ154の入口に接続されている。ガスクーラ154を出た配管は膨張弁155を経て蒸発器157の入口に接続されている。また、蒸発器157の出口にはロータリコンプレッサ10の冷媒導入管74が接続されている。
以上の構成で次にロータリコンプレッサ10の動作を説明する。ターミナル20及び図示しない配線を介して電動要素14のステータコイル28に通電されると、電動要素14が起動してロータ24が回転する。この回転により回転軸16と一体に設けられた偏心部42、44に嵌合されたローラ46、48がシリンダ38、40内で偏心回転する。
また、回転軸16が回転すると、回転軸16により伝達される回転力が内歯車93Bに伝達し、内歯車93Bと外歯車93Aのかみ合わせ回転運動により歯車対93にポンプ作用が生じ、歯車ポンプ101が作動する。このとき、前述の如く内歯車93Bの回転中心を外歯車93Aの回転中心の垂直方向上側に配置したことと、外歯車93Aの比重をオイルの2倍以上としたことで、低回転時に外歯車93Aの自重を利用して内歯車93Bと外歯車93Aの隙間を無くし、確実にポンプ作用を生じさせることができるようになる。
これにより、低回転時における歯車ポンプ101による給油量を確実に確保することができるようになる。
一方、前述のポンプ作用により、密閉容器12内底部のオイル溜めのオイルが当該オイル溜めにて開口したオイル吸入通路112の吸油口113から汲み上げられて、オイル吸入部94から歯車室92内の低圧側92Lに吸入される。
そして、オイル吸入部94から歯車室92内に吸入されたオイルは、前述の内歯車93Bと外歯車93Aのかみ合わせ回転運動により歯車室92の高圧側92Hへと導かれて、中心部に形成されたオイル供給部95から回転軸16のオイル通路84へと供給される。このオイル通路84に供給されたオイルは、このオイル通路84を通って回転圧縮機構部18の摺動部等に供給される。
他方、前記ローラ46、48の回転により、冷媒導入管74及び支持部材56に形成された図示しない吸込通路を経由して吸込ポートから第1の回転圧縮要素32のシリンダ40の低圧室側に低圧の冷媒ガスが吸入され、ローラ48とベーン52の動作により圧縮されて中間圧となり、シリンダ40の高圧室側より連通路120を経てバッフル板100の電動要素14側に吐出される。このとき、密閉容器12内のバッフル板100の電動要素14側に吐出された中間圧の冷媒ガス中には、第1の回転圧縮要素32に供給されたオイルが混入しており、このオイルは分離して密閉容器12内底部のオイル溜めに溜まる。
そして、冷媒ガスはバッフル板100の周壁部104と密閉容器12の内周との間に形成された隙間を通過してバッフル板100の回転圧縮機構部18側に流入する。このとき、冷媒ガスがバッフル板100の周壁部104と密閉容器12の内周との間に形成された隙間を通過すると云う作用により、バッフル板100の電動要素14側の圧力が回転圧縮機構部18側の圧力より高くなる。
この差圧により、密閉容器12内のオイルはバッフル板100の回転圧縮機構部18側に流入しやすくなるので、回転圧縮機構部18側の油面が上昇して、オイル吸入通路112の吸油口113をオイル中に浸漬させることができる。これにより、オイル吸入通路112の吸油口113から歯車ポンプ101内にオイルを確実に汲み上げることができるようになる。
更に、回転圧縮機構部18側に流入した中間圧の冷媒ガスは密閉容器12内の回転圧縮機構部18側に開口した前記吸込通路を経由して図示しない吸込ポートから上シリンダ38の低圧室側に吸入される。
第2の回転圧縮要素34に吸入された中間圧の冷媒ガスは、ローラ46とベーン50の動作により2段目の圧縮が行われて高温高圧の冷媒ガスとなり、高圧室側から図示しない吐出ポートを通り吐出消音室62に吐出される。吐出消音室62に吐出された冷媒ガスは、冷媒吐出管76を経てロータリコンプレッサ10の外部のガスクーラ154に流入する。
ガスクーラ154に流入した冷媒は、空冷方式により放熱した後、膨張弁155にて減圧され、蒸発器157に流入する。そこで冷媒は蒸発し、周囲の空気から吸熱することにより冷却作用を発揮して車内を冷却する。
尚、蒸発器157を出た冷媒は冷媒導入管74からロータリコンプレッサ10の第1の回転圧縮要素32に吸い込まれるサイクルを繰り返す。
一方、回転軸16が高速で回転する高回転時には歯車ポンプ101は歯車対93の回転運動により、前述の如くオイルの昇圧により歯車室92の高圧側92Hの圧力が非常に高くなる。これにより、前述のクリアタンス分、内歯車93Bが低圧側92L(X軸のプラス側)へ、外歯車93Aが高圧側92H(X軸のマイナス側)に偏位する。更に、歯車室92の高圧側92Hが所定の圧力より高くなると、前記バネ部材98が係る高圧と外歯車93Aにより拡張部99側(X軸のマイナス側)に強く押されて変形する。即ち、バネ部材98が外歯車93AをX軸のプラス側に押圧するバネの付勢力より、外歯車93Aと高圧側の圧力により押圧される力の方が強くなるため、バネ部材98が図4に示すように変形して、外歯車93Aが拡張部99側(X軸のマイナス側)に移動する(図4)。
係る外歯車93Aの移動により、オイル吸入部94とオイル供給部95とが歯車室92内で連通するようになり、歯車室92内の低圧と高圧とをバイパスすることができるようになる。これにより、歯車室92の高圧側92Hの圧力過昇状態を解消、若しくは、未然に回避することができるようになる。従って、作動動力を低減することができ、横型ロータリコンプレッサ10の効率の改善を図ることができるようになる。
このように、空気調和機に本発明のロータリコンプレッサ10を用いることで、オイルの安定供給が可能となる。特に、傾斜してオイルが片寄りし易い車両用の空気調和機に本発明のロータリコンプレッサ10を用いた場合、ロータリコンプレッサ10が傾いてもオイルを安定供給できるため、製品の長期に渡っての信頼性の確保や、性能の維持を図ることができる。
尚、本実施例では、歯車室92の高圧側92Hに拡張部99と外歯車93Aを押圧するバネ部材98を設けて、歯車室92の高圧側92Hが所定の圧力に上昇するとバネ部材98が変形して外歯車93Aが拡張部99側に移動するものとしたが、これに限らず、拡張部99及びバネ部材98を設けずに、請求項2の如く内歯車93Bと回転軸16間のクリアランスを外歯車93Aと歯車室92間のクリアランスより小さくするだけでも構わない。この場合にも、高回転時にクリアランス分内歯車93Bと外歯車93Aが変位することで、オイル吸入部94とオイル供給部95とが連通するため、高回転時の圧力過昇状態を解消、若しくは、未然に防ぐことができる。
尚、本実施例では、横型回転圧縮機を第1と第2の回転圧縮要素32、34を備えた2段圧縮式の横型ロータリコンプレッサ10で説明したが、これに限らず、密閉容器内に回転軸にて駆動される回転圧縮機構部と、この回転軸の回転圧縮機構部側に設けられた歯車ポンプとを備えた横型回転圧縮機であれば、スクロールタイプや斜板タイプの圧縮要素を備えた圧縮機など、どのようなものに適応しても本発明は有効である。
また、実施例では冷媒として二酸化炭素を使用するものとしたが、これに限らず、他の冷媒を使用した場合にも本発明は有効である。
本発明の一実施例の横型2段圧縮式ロータリコンプレッサの縦断側面図である。 図1の横型ロータリコンプレッサの歯車ポンプの歯車対を設置していない状態の断面図である。 図1の横型ロータリコンプレッサの歯車ポンプの歯車対を設置した状態の断面図である。 図1の横型ロータリコンプレッサの歯車ポンプの歯車室のバネ部材が変形した状態を示す図である。 図1の横型ロータリコンプレッサを備えた車両用空気調和機の冷媒回路図である。
符号の説明
10 横型2段圧縮式ロータリコンプレッサ
12 密閉容器
14 電動要素
16 回転軸
18 回転圧縮機構部
32 第1の回転圧縮要素
34 第2の回転圧縮要素
38、40 シリンダ
90 ハウジング
92 歯車室
93 歯車対
93A 外歯車
93B 内歯車
94 オイル吸入部
95 オイル供給部
96 蓋部材
98 バネ部材
99 拡張部
100 バッフル板
101 歯車ポンプ
111 孔
112 オイル吸入通路
113 吸油口
116 ガス溜まり
117 連通路
118 ガス抜き孔
140 冷媒回路

Claims (3)

  1. 横型の密閉容器内に回転軸にて駆動される回転圧縮機構部と、該回転軸の回転圧縮機構部側の端部に設けられた歯車ポンプとを備え、
    前記歯車ポンプは、ハウジングの歯車室内に設けられた外歯車と該外歯車内に位置して前記回転圧縮機構部側の回転軸に嵌合された内歯車とから成る歯車対と、前記密閉容器内下部よりオイルを汲み上げるためのオイル吸入通路とを備え、前記内歯車と外歯車の噛み合わせ回転運動によって前記歯車対にポンプ作用を生じさせ、前記オイル吸入通路を経てオイル吸入部より前記歯車室にオイルを汲み上げると共に、
    前記内歯車の回転中心を、前記外歯車の回転中心の垂直方向上側に配置したことを特徴とする横型回転圧縮機。
  2. 横型の密閉容器内に回転軸にて駆動される回転圧縮機構部と、該回転軸の回転圧縮機構部側の端部に設けられた歯車ポンプとを備え、
    前記歯車ポンプは、ハウジングの歯車室内に設けられた外歯車と該外歯車内に位置して前記回転圧縮機構部側の回転軸に嵌合された内歯車とから成る歯車対と、前記密閉容器内下部よりオイルを汲み上げるためのオイル吸入通路とを備え、前記内歯車と外歯車の噛み合わせ回転運動によって前記歯車対にポンプ作用を生じさせ、前記オイル吸入通路を経てオイル吸入部より前記歯車室にオイルを汲み上げると共に、
    横軸をX、縦軸をY、前記内歯車の歯の中心までの半径をr、前記外歯車の歯の中心までの半径をR、圧力上昇時の前記外歯車の縦方向への偏位をY0とした場合に、
    (X−A/2)2+Y2=r2
    (X+B/2)2+(Y+Y0)2=R2
    (A+B)2+Y02=(R−r)2
    の関係式が成り立つ(X,Y)位置に前記オイル吸入部を配置したことを特徴とする横型回転圧縮機。
  3. 請求項1又は請求項2の横型回転圧縮機を用いて冷媒回路が構成された空気調和機。
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