JP2005273084A - ポリ乳酸モノフィラメント - Google Patents

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敦 小田嶋
Yoshitoki Mori
義斉 森
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Abstract

【課題】 耐擦過性に優れ、製織性が良好なポリ乳酸モノフィラメントを得る。
【解決手段】 ポリ乳酸からなるモノフィラメントであり、繊維長10μmあたりの繊維表面上に、長手方向に対して直角に畝を1〜5個有し、耐擦過試験ラビングテストが500回以上であることを特徴とするポリ乳酸モノフィラメント。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリ乳酸モノフィラメントに関する。更に詳しくは、耐摩耗性、寸法安定性に優れ、整経、製織工程において削れがなく、実用上問題なく使用することができるポリ乳酸モノフィラメントに関する。
近年、産業廃棄物が環境を汚染するのを防止するために、生分解性素材を用いることが注目されており、その中でも特にポリ乳酸系重合体からなる生分解性繊維が注目されている。
生分解性繊維は、ティーバッグや生ゴミ水切りネットやコンポスト用バッグのような生活衛生資材などの分野において要望が強く、開発が望まれているが、生分解性繊維は一般に強度や耐熱性、耐摩耗性に劣るものが多く、工業的に安価に製造することが困難なものが多い。
ポリ乳酸は、耐摩耗性がポリエステル系樹脂のなかでは比較的劣るが、安価に樹脂が得られ、実用的な強度と耐熱性を有する成型物を製造することが可能な生分解性樹脂であり、ポリ乳酸を使用した生活衛生資材用途の織物に使用するモノフィラメントが種々提案されている。
乳酸系樹脂を押出成形してなるフィラメントの表面に親油性の潤滑剤を付して多段延伸してなるモノフィラメントが提案されている(特許文献1参照)が、多段延伸して得られたモノフィラメントは、延伸媒体との擦過時間が必然的に長くなることから製糸段階で繊維表面が削れたり、整経、製織段階においても繊維表面が削れ、得られた織物は削れたフィブリルが織り込まれて品位が低下するといった問題があった。
また、数平均分子量5万〜10万のポリ乳酸を用い、寸法安定性に優れたティーバッグ用モノフィラメントが提案されている(特許文献2参照)が、該モノフィラメントは繊維長手方向の表面には畝が全く無く、擦過物に対して摩擦が高いことから、整経、製織工程において削れが発生し易く、削れたフィブリルが織物に織り込まれて品位が低下する問題があった。
特開2000−192370号公報(請求項5、請求項10) 特開2001−131826号公報(第2項)
従来問題であった、整経、製織時の削れを抑制し、かつ実用上十分な品位の織物に適した繊維を提供することである。
前記課題を解決するための本発明は、ポリ乳酸からなるモノフィラメントであり、繊維長10μmあたりの繊維表面上に、長手方向に対して直角に畝を1〜5個有し、耐擦過試験ラビングテストが500回以上であることを特徴とするポリ乳酸モノフィラメントである。
本発明は、整経、製織工程において削れが発生し品位が低下する問題を解決し、生活衛生資材用途の織物に使用するのに適したポリ乳酸モノフィラメントを提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のポリ乳酸モノフィラメントは、L−乳酸とD−乳酸の光学異性体の共重合体を主成分とし、このうち、L−乳酸の光学純度が95.0〜99.5%であることが好ましい。このL−乳酸とD−乳酸の比率は、耐熱性や生分解性に影響する要因であり、L−乳酸の純度がこの範囲よりも小さいと結晶性および融点が低下して耐熱性の劣った繊維となり易く、生分解速度が高くなり易い。また、L−乳酸の純度がこの範囲より大きいと結晶性が過剰に高くなり易く、生分解性に劣った繊維となり易い。
本発明に用いるポリ乳酸の平均分子量は5万〜10万が好ましく、かつ純度95.0%〜99.5%のL−乳酸からなるポリ乳酸であれば分繊工程や製織工程でのモノフィラメントの強度が維持できるほか、適度な生分解性が得られることから好ましい。
ここで、本発明における畝とは、図1に示した様に繊維の長手方向に対して凹凸が交互に連続した縞模様の凸部が畝部分である。該畝の幅は、繊維表面における凹凸間の長さが0.5〜1.5μmのものである。本発明のポリ乳酸モノフィラメントは繊維長10μmあたりの繊維表面上に畝が1〜5個であることが必要である。畝が1〜5個あれば整経、製織工程におけるガイドやオサ等の擦過による白粉の低減や繊維間の耐擦過性に優れ、0個では工程での擦過によりフィブリルが生じ、糸切れや品位が低下する。また畝が5個を超えると、繊維表面にクラックが生じ易くなり糸切れや品位が低下する。より好ましくは2〜4個である。
本発明におけるラビングテストとは、繊維/繊維間の耐擦過性を測定するものであり、一定負荷条件で繊維/繊維を擦過し糸切れするまで擦り合わせた回数を測定するものである。ラビングテストにて擦り合わせた回数が500回以上であれば、擦過による削れや糸切れなく整経、製織工程で安定した加工性が得られる。一方、500回を下回ると、整経、製織工程で削れや糸切れが多発する。より好ましくは600回以上である。
本発明におけるポリ乳酸モノフィラメントは、破断強度は3.0cN/dtex以上であれば、整経、製織工程等における加工時の糸切れが発生しにくく、寸法安定性も優れることから好ましい。また、本発明のポリ乳酸モノフィラメントは、沸収が20%以下であれば製織工程において優れた寸法安定性が得られることから好ましい。
本発明におけるポリ乳酸モノフィラメントを得るためには繊維長手方向と直角に畝を有しない通常のポリ乳酸繊維の製造工程における延伸温度よりも10〜60℃低い温度で延伸することが好ましい。例えば50〜90℃、好ましくは60〜80℃で延伸すれば良い。また、熱セット温度は製糸安定性、収縮特性から寸法安定性を考慮すれば、115℃〜125℃とすることが好ましい。
本発明におけるポリ乳酸モノフィラメントを得るためには直接紡糸延伸法にて一段延伸することが製糸段階で繊維にダメージを最小限に抑えることができることから好ましい。
本発明において、得られたポリ乳酸モノフィラメントの繊度は11dtex〜44dtexであれば、特にティーバッグ等に加工した際の抽出機能が優れていることから好ましい。また破断伸度は20%以上40%以下であれば、整経、製織工程で張力変動が生じても糸切れなく安定して加工できることから好ましい。
以下実施例より本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに何等限定されるものではない。なお、実施例中の各特性値は以下の方法を用いて測定した。
1.畝個数
畝の数は、走査型電子顕微鏡(SEM)にて繊維表面を観察して10μmあたりの個数を数えた。
2.ラビングテスト
直径50mmの滑車回転板とその軸部が荷重25g一定に付与されて水平方向に移動する装置を用いて、繊維は滑車回転板を旋回後、互いに2.5回ねじり、繊維に撚りを与えた状態でストローク長3cm、ストローク速度40回/分で繊維/繊維の擦過を行い、切断するまでのストローク回数を10回計測して、その平均値を耐擦過性とした。この値が大きい程、耐擦過性が優れていることを示す。
3.強度
オリエンテックス社製テンシロン引張試験機を用い、初期試料長20cm、引張速度2cm/分で測定した。
4.沸収
得られたモノフィラメントを周長1.125mのかせ取り機で20回巻き取ってかせを作り、0.09cN/dtex荷重下で初長L0を求める。次に無荷重下沸水中で30分間処理した後、風乾する。次いで0.09cN/dtex荷重下で処理後の長さLBを求め次式で算出する。この方法で3回測定したときの平均値を沸収値とした。
沸収(%)=[(L0−LB)/L0]×100
5.製織性
得られたポリ乳酸繊維1フィラメント1kg満管品を用いてスルーザー型織機で経・緯密度200メッシュ(350本/インチ(2.54cm))、回転数250rpmで平織物を5回製織し、製織糸切れやオサの汚れが進行して正常な製織を維持出来ず、停機せざるを得なくなった時点までの製織長の平均を求め、製織長100m以上を合格とした。
実施例1
光学純度98.0%のポリ−L−乳酸をエクストルーダー型溶融紡糸機に供給し、紡糸温度230℃で溶融し、濾過層を通過させた後、直径0.5mmの紡糸孔を4孔有する口金から吐出し、繊維を冷却固化した後、水系油剤を給油装置で付与させてから、速度980m/分の一対の冷ローラーで糸条を引き取った後、速度1000m/分、温度85℃の加熱ローラーで引き取り、加熱ローラーと加熱延伸ローラーとの間で延伸倍率3.8倍で延伸し120℃で熱セット後、巻き取り速度4000m/分で巻量5.0kgのドラム状パッケージを得た後、分繊速度400m/分で分繊し、繊度25dtex、強度3.5cN/dtex、沸収15%、畝の個数=3個/10μmを有するポリ乳酸モノフィラメントを得た。得られたモノフィラメントを上述した方法でラビングテストした結果、糸切れまでの擦り合わせた回数は580回であった。
スルーザー型織機で上述した方法で製織したが、糸切れ停台発生までの製織長は220mと製織性は良好で、得られた織物は実用上問題はなかった。
実施例2
加熱ローラーの温度を80℃とすること以外は実施例1と同様に繊度25detx、強度3.1cN/dtex、沸収17%、の個数=5個/10μmの畝を有するポリ乳酸モノフィラメントを得た。得られたモノフィラメントを実施例1と同様の方法でラビングテストしたが、糸切れまでの擦り合わせた回数は565回であった。
実施例1と同様の方法で製織したが、糸切れ定台発生までの製織長は190mと製織性は実施例1に比べてやや劣るものの、得られた織物は実用上問題はなかった。
実施例3
加熱ローラーの温度を90℃とすること以外は実施例1と同様に繊度25detx、強度3.7cN/dtex、沸収18%、畝の個数=1個/10μmの畝を有するポリ乳酸モノフィラメントを得た。得られたモノフィラメントをラビングテストしたが、糸切れまでの擦り合わせた回数は510回であった。
実施例1と同様の方法で製織したが、糸切れ定台発生までの製織長は130mと製織性は実施例1に比べてやや劣るものの、得られた織物は実用上問題はなかった。
比較例1
加熱ローラーの温度を102℃とすること以外は実施例1と同様に繊度25detx、強度4.2cN/dtex、沸収16%、畝の個数=0個/10μmの縞を有するポリ乳酸モノフィラメントを得た。得られたモノフィラメントをラビングテストしたが、糸切れまでの摺り合わせた回数は405回であった。
実施例1と同様の方法で製織したが、工程ガイドやオサ上に白粉が多量付着し、糸切れ定台発生までの製織長は90mと製織性は不良で、得られた織物には工程で発生した白粉が織り込まれ品位も不良であった。
比較例2
加熱ローラーの温度を65℃とすること以外は実施例1と同様に繊度25detx、強度3.0cN/dtex、沸収19%、畝の個数=8個/10μmの畝を有するポリ乳酸モノフィラメントを得た。得られたモノフィラメントをラビングテストしたが、糸切れまでの擦り合わせた回数は330回であった。
実施例1と同様の方法で製織したが、工程ガイドやオサ上に白粉が多量付着し、糸切れ定台発生までの製織長は75mと製織性は不良で、得られた織物には工程で発生した白粉が織り込まれ品位も不良であった。
比較例3
加熱ローラーの温度を60℃とすること以外は実施例1と同様に繊度25detx、強度2.8cN/dtex、沸収17%、畝の個数=12個/10μmの畝を有するポリ乳酸モノフィラメントを得た。得られたモノフィラメントをラビングテストしたが、糸切れまでの摺り合わせた回数は215回であった。
実施例1と同様の方法で製織したが、工程ガイドやオサ上に白粉が多量付着し、糸切れ定台発生までの製織長は55mと製織性は不良で、得られた織物には工程で発生した白粉が織り込まれ品位も不良であった。
結果をまとめて表1に示す。
Figure 2005273084
繊維表面上の畝を説明する模式図。
符号の説明
1:畝部分

Claims (3)

  1. ポリ乳酸からなるモノフィラメントであり、繊維長10μmあたりの繊維表面上に、長手方向に対して直角に畝を1〜5個有し、耐擦過試験ラビングテストが500回以上であることを特徴とするポリ乳酸モノフィラメント。
  2. 引張強度が3.0cN/dtex以上、沸収が20%以下であることを特徴とする請求項1記載のポリ乳酸モノフィラメント。
  3. 直接紡糸延伸法によってポリ乳酸繊維を製造するに際して、50〜90℃で一段延伸した後、115〜125℃で熱セットすることを特徴とする請求項1または2記載のポリ乳酸モノフィラメントの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009144258A (ja) * 2007-12-11 2009-07-02 Teijin Fibers Ltd ポリ乳酸直接延伸糸およびその製造方法

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