JP2005272575A - 難燃性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物 - Google Patents

難燃性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2005272575A
JP2005272575A JP2004086544A JP2004086544A JP2005272575A JP 2005272575 A JP2005272575 A JP 2005272575A JP 2004086544 A JP2004086544 A JP 2004086544A JP 2004086544 A JP2004086544 A JP 2004086544A JP 2005272575 A JP2005272575 A JP 2005272575A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
polyphenylene ether
methyl
molecular weight
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004086544A
Other languages
English (en)
Inventor
Junichi Nakabashi
順一 中橋
Fumiki Murakami
史樹 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Chemicals Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Chemicals Corp filed Critical Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority to JP2004086544A priority Critical patent/JP2005272575A/ja
Publication of JP2005272575A publication Critical patent/JP2005272575A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】分子量分布を拡げた成形流動性、耐薬品性が高いポリフェニレンエーテル樹脂を、耐衝撃強度を低下させることなく難燃化する。
【解決手段】GPCで測定したPS換算数平均分子量(Mn)が13000〜20000かつ分子量分布(Mw/Mn)=2.6〜3.5であるポリフェニレンエーテル(a)およびホスファゼン化合物(b)からなる難燃性樹脂組成物
【選択図】選択図なし

Description

本発明は、成形流動性、耐薬品性に優れ、成形品破損がない難燃性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物に関する。
エンジニアリング樹脂の中で、ポリフェニレンエーテル樹脂は、耐熱性が高く、寸法安定性が良い特徴によって、電子・電気用途、OA機器用途、自動車用途などに広く使われている。
これら用途では、難燃性が要求され、難燃剤を添加したポリフェニレンエーテル樹脂組成物が使用されることも多い。
ポリフェニレンエーテル樹脂の難燃化は、一般にリン酸エステル、もしくは縮合燐酸エステルを難燃剤として添加して達成している。特に成形加工時の熱安定性の観点から、最近は、縮合リン酸エステルが主流となっている。
また、一方で、ポリフェニレンエーテル樹脂はTgが高い非晶性樹脂であるため、成形流動性に難点があり、成形流動性を高くすることが強く求められる樹脂である。成形流動性を高めるためには、分子量を単純に低くすると耐薬品性が低下するため、通常は、分子量分布を拡げる手法がとられる。これによって、耐薬品性を低下させずに成形流動性を高めることができる。しかし、この手法によっても、成形品破損が発生することが問題となっている。
ポリフェニレンエーテル樹脂の難燃剤としてホスファゼン化合物を使用することは知られていた(特許文献1。)。しかし、分子量分布が広いポリフェニレンエーテル樹脂をホスファゼン化合物で難燃化することにより、成形流動性、耐薬品性に優れ、成形品破損がない難燃性樹脂組成物が得られることは知られていなかった。
特開昭60−58461号公報
分子量分布を拡げた成形流動性、耐薬品性が高いポリフェニレンエーテル樹脂で、成形品破損が発生しない難燃性樹脂組成物を提供する。
本発明者らは、鋭意検討した結果、
GPC測定で測定したPS換算数平均分子量(Mn)が13000〜20000、かつ分子量分布(Mw/Mn)=2.6〜3.5であるポリフェニレンエーテル(a)およびホスファゼン化合物(b)からなる難燃性樹脂組成物が、成形流動性、耐薬品性に優れ、成形品破損がない難燃性樹脂組成物であることを見出し、本発明にいたった。
本発明の難燃性樹脂組成物は、成形流動性、耐薬品性に優れ、成形品破損がない難燃性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物である。
本発明で用いられる成分(a)ポリフェニレンエーテルとしては、一般式(1)及び/または(2)で表される繰り返し単位を有する単独重合体、あるいは共重合体が用いられる。
Figure 2005272575
Figure 2005272575
(ここで、R、R、R、R、R、Rは独立に炭素1〜4のアルキル基、アリール基、水素を表す。但し、R、Rは同時に水素ではない。)
ポリフェニレンエーテル樹脂の単独重合体の代表例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−14−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテルポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−n−ブチル−1,4−フェニレ
ン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エーテル、等のホモポリマーが挙げられる。
この中で、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルが好ましく、特開昭63−301222号公報等に記載されている、2−(ジアルキルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニットや2−(N−アルキル−N−フェニルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニット等を部分構造として含んでいるポリフェニレンエーテルは特に好ましい。
ここでポリフェニレンエーテル共重合体とは、フェニレンエーテル構造を主単量単位とする共重合体である。その例としては、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体、2,6−ジメチルフェノールとo−クレゾールとの共重合体あるいは2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノール及びo−クレゾールとの共重合体、2,6−ジメチルフェノールと下記一般式(3)で示されるビスフェノールとの共重合体等がある。
Figure 2005272575
(ここで、R、R、R、R10は独立に炭素1〜4のアルキル基、アリール基、水素原子を表す。また、式中Xは、−C(CH−、−SO−、−S−、又は−O−を、式中yは0又は1を表す)
本発明においては、ポリフェニレンエーテルの一部または全部に、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、水酸基、無水ジカルボキル基などの反応性官能基を、グラフト反応や、共重合など何らかの方法で導入した編成ポリフェニレンエーテル樹脂も本発明の目的を損なわない範囲で使用できる。
ポリフェニレンエーテルの一部又は全部を、不飽和カルボン酸又はその官能的誘導体で変性された変性ポリフェニレンエーテルは、特開平2−276823号公報、特開昭63−108059号公報、特開昭59−59724号公報等に記載されており、例えばラジカル開始剤の存在下または非存在下において、ポリフェニレンエーテルに不飽和カルボン酸やその官能的誘導体を溶融混練し、反応させることによって製造される。あるいは、ポリフェニレンエーテルと不飽和カルボン酸やその官能的誘導体とをラジカル開始剤存在下または非存在下で有機溶剤に溶かし、溶液下で反応させることによって製造される。
不飽和カルボン酸又はその官能的誘導体としては、例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ハロゲン化マレイン酸、シス−4−シクロヘキセン1,2−ジカルボン酸、エンド−シス−ビシクロ(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸などや、これらジカルボン酸の酸無水物、エステル、アミド、イミドなど、さらにはアクリル酸、メタクリル酸などや、これらモノカルボン酸のエステル、アミドなどが挙げられる。また、飽和カルボン酸であるが変性ポリフェニレンエーテルを製造する際の反応温度でそれ自身が熱分解し、本発明で用いる官能的誘導体となり得る化合物も用いることができ、具体的にはリンゴ酸、クエン酸などが挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明で用いるポリフェニレンエーテルは、GPCで測定したPS換算数平均分子量(Mn)耐薬品性の点から13000以上、成形流動性の点から20000以下である。好ましくは、15000〜18000である。また、分子量分布(Mw/Mn)は、成形流動性と耐薬品性のバランスから2.6以上、3.5以下、好ましくは2.8〜3.1である。
GPCの測定は、ポリフェニレンエーテル0.05gをクロロホルム50mlに溶解し、カラム温度40℃で、283nmの波長光の吸収を測定する。
本発明で用いられる成分(c)スチレン系樹脂とは、スチレン系化合物、スチレン系化合物と共重合可能な化合物をゴム質重合体存在または非存在下に重合して得られる重合体である。
スチレン系化合物の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン等が挙げられ、最も好ましいのはスチレンである。また、スチレン系化合物と共重合可能な化合物としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル化合物類;無水マレイン酸等の酸無水物等が挙げられ、スチレン系化合物とともに使用される。共重合可能な化合物の使用量は、スチレン系化合物との合計量に対して20重量%以下が好ましく、さらに好ましくは15重量%以下である。
また、ゴム質重合体としては共役ジエン系ゴムあるいは共役ジエンと芳香族ビニル化合物との共重合体あるいはエチレン−プロピレン共重合体系ゴム等が挙げられる。具体的には特に、ポリブタジエンおよびスチレン−ブタジエン共重合体が好ましい。また、不飽和ゴム質重合体を用いる場合に、部分的に水添したゴムを用いることは好ましい。該スチレン系樹脂の具体例としては、ポリスチレンおよびゴム補強ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)およびゴム補強スチレン−アクリロニトリル共重合体(ABS樹脂)、その他のスチレン系共重合体等が挙げられる。特に好ましいのは、ポリスチレンおよびゴム補強ポリスチレンである。
本発明でいう成分(b)ホスファゼン化合物とは、以下である。
Figure 2005272575
n=3〜15の環状ホスファゼンが好ましく、特にn=3、4の6員環及び8員環を全ホスファゼン化合物中に80重量%以上含有する環状ホスファゼン化合物が好ましい。さらには置換基R及びRがアリール基である環状ホスファゼン化合物が好ましい。最も好ましいのは、R、Rがフェニル基であるフェノキシホスファゼンである。
置換基R、Rとしては特に制限はないが、一例として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert-ブチル基、n−ペンチル基、イソアミル基、n−ヘキシル基などの直鎖又は分岐したアルキル基、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などの無置換フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2−(n−プロピル)フェニル基、3−(n−プロピル)フェニル基、4−(n−プロピル)フェニル基、2−イソプロピルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、2−(n−ブチル)フェニル基、3−(n−ブチル)フェニル基、4−(n−ブチル)フェニル基、2−(2−メチルプロピル)フェニル基、3−(2−メチルプロピル)フェニル基、4−(2−メチルプロピル)フェニル基、2−tert−ブチルフェニル基、3−tert−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、2−(n−ペンチル)フェニル基、3−(n−ペンチル)フェニル基、4−(n−ペンチル)フェニル基である。
また、2−(1−メチルブチル)フェニル基、3−(1−メチルブチル)フェニル基、4−(1−メチルブチル)フェニル基、2−(2−メチルブチル)フェニル基、3−(2−メチルブチル)フェニル基、4−(2−メチルブチル)フェニル基、2−(3−メチルブチル)フェニル基、−(3−メチルブチル)フェニル基、−(3−メチルブチル)フェニル基、2−(1,1−ジメチルプロピル)フェニル基、3−(1,1−ジメチルプロピル)フェニル基、4−(1,1−ジメチルプロピル)フェニル基、2−(2,2−ジメチルプロピル)フェニル基、3−(2,2−ジメチルプロピル)フェニル基、4−(2,2−ジメチルプロピル)フェニル基、2−(1,2−ジメチルプロピル)フェニル基、3−(1,2−ジメチルプロピル)フェニル基、4−(1,2−ジメチルプロピル)フェニル基、4−ドデシルフェニル基、2−フェニルフェニル基、3−フェニルフェニル基、4−フェニルフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基である。
また、3−エトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基などの一置換フェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2−エチル−3−メチルフェニル基、2−エチル−4−メチルフェニル基、2−エチル−5−メチルフェニル基、2−エチル−6−メチルフェニル基、3−エチル−2−メチルフェニル基、3−エチル−4−メチルフェニル基、3−エチル−5−メチルフェニル基、5−エチル−2−メチルフェニル基、4−エチル−2−メチルフェニル基、4−エチル−3−メチルフェニル基、2−メチル−3−n−プロピルフェニル基、2−メチル−4−n−プロピルフェニル基、2−メチル−5−n−プロピルフェニル基、2−メチル−6−n−プロピルフェニル基、3−メチル−2−n−プロピルフェニル基である。
また、3−メチル−4−n−プロピルフェニル基、3−メチル−5−n−プロピルフェニル基、5−メチル−2−n−プロピルフェニル基、4−メチル−2−n−プロピルフェニル基、4−メチル−3−n−プロピルフェニル基、2−メチル−3−イソプロピルフェニル基、2−メチル−4−イソプロピルフェニル基、2−メチル−5−イソプロピルフェニル基、2−メチル−6−イソプロピルフェニル基、3−メチル−2−イソプロピルフェニル基、3−メチル−4−イソプロピルフェニル基、3−メチル−5−イソプロピルフェニル基、5−メチル−2−イソプロピルフェニル基、4−メチル−2−イソプロピルフェニル基、4−メチル−3−イソプロピルフェニル基、2−メチル−3−n−ブチルフェニル基、2−メチル−4−n−ブチルフェニル基、2−メチル−5−n−ブチルフェニル基、2−メチル−6−n−ブチルフェニル基、3−メチル−2−n−ブチルフェニル基、3−メチル−4−n−ブチルフェニル基、3−メチル−5−n−ブチルフェニル基、5−メチル−2−n−ブチルフェニル基、4−メチル−2−n−ブチルフェニル基、4−メチル−3−n−ブチルフェニル基、2−(2−メチルプロピル)−3−メチルフェニル基、2−(2−メチルプロピル)−4−メチルフェニル基、2−(2−メチルプロピル)−5−メチルフェニル基、2−(2−メチルプロピル)−6−メチルフェニル基、3−(2−メチルプロピル)−2−メチルフェニル基である。
また、3−(2−メチルプロピル)−4−メチルフェニル基、3−(2−メチルプロピル)−5−メチルフェニル基、3−(2−メチルプロピル)−6−メチルフェニル基、4−(2−メチルプロピル)−2−メチルフェニル基、4−(2−メチルプロピル)−3−メチルフェニル基、2−(3−メチルプロピル)−3−メチルフェニル基、2−(3−メチルプロピル)−4−メチルフェニル基、2−(3−メチルプロピル)−5−メチルフェニル基、2−(3−メチルプロピル)−6−メチルフェニル基、3−(3−メチルプロピル)−2−メチルフェニル基、3−(3−メチルプロピル)−4−メチルフェニル基、3−(3−メチルプロピル)−5−メチルフェニル基、3−(3−メチルプロピル)−6−メチルフェニル基、4−(3−メチルプロピル)−2−メチルフェニル基、4−(3−メチルプロピル)−3−メチルフェニル基、2−メチル−3−tert−ブチルフェニル基、2−メチル−4−tert−ブチルフェニル基、2−メチル−5−tert−ブチルフェニル基、2−メチル−6−tert−ブチルフェニル基、3−メチル−2−tert−ブチルフェニル基、3−メチル−4−tert−ブチルフェニル基、3−メチル−5−tert−ブチルフェニル基、5−メチル−2−tert−ブチルフェニル基、4−メチル−2−tert−ブチルフェニル基である。
さらにまた、4−メチル−3−tert−ブチルフェニル基等の二置換フェニル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基等の多置換フェニル基等が挙げられ、これらホスファゼン化合物を得るための参考文献および合成例は、特公平3−73590号公報、特開平9−71708号公報、特開平9−183864号公報、特開平11−181429号公報及び特許第3053617号等に開示されている。
さらに、これらの化合物は特開平11−181429号公報に開示されている技術により、フェニレン基、ビフェニレン基などであって、下記式(5)に示す化合物
Figure 2005272575
(式中Xは、−C(CH−、−SO−、−S−、または−O−を、yは0又は1を表す)からなる群より選ばれた化合物とホスファゼン化合物を加熱することによって架橋されていても良いが、架橋されていないものの方が、加工流動性などの点で好ましい。これらの架橋構造を有するホスファゼン化合物は、具体的にはジクロルホスファゼンオリゴマーにフェノールのアルカリ金属塩および芳香族ジヒドロキシ化合物のアルカリ金属塩を反応させることにより製造される。これらのアルカリ金属塩は、ジクロルホスファゼンオリゴマーに対して理論量よりもやや過剰に添加される。
これらのホスファゼン化合物は一種単独で用いても、二種以上の混合物として用いても良い。また、n=3の六員環ホスファゼン単独で用いても、n=4以上の多員環ホスファゼンとの混合物として用いても良い。
ホスファゼン化合物は、式(4)で示される化合物を90%以上含有していれば、その他不純物を含有していても、本発明の効果を損なわない限り問題ない。不純物としては、原料のフェノール、その誘導体、クロロホスファゼンのクロルを全部までは、置換しきらず、1〜数個クロルが残ったもの、アルカリ金属塩、水分、副生物である鎖状ホスファゼン化合物、大環状ホスファゼン化合物などである。
本発明組成物の成分配合比は、以下の通りである。
ポリフェニレンエーテルとスチレン系樹脂との配合比(重量)は、組成物の難燃性の確保、また耐熱性、寸法安定性の観点から5/95以上、100/0、好ましくは10/90〜90/10、さらに好ましくは20/80〜80/20である。
ホスファゼン化合物の配合量は、本発明の樹脂組成物を難燃化するに足る量で良い。ポリフェニレンエーテルとスチレン系樹脂の合計100重量部に対して、1〜40重量部、好ましくは3〜30重量部、さらに好ましくは、5〜20重量部である。
本発明の樹脂組成物は、何らかの方法で架橋することもできる。例えば、ジビニルベンゼンを添加したり、予めPPEを変性してアリル基含有PPEとしたりして、これを加熱して熱架橋反応によって架橋する方法、また、PPEを変性して、アミノ基、カルボキシル基、無水ジカルボキシル基、エポキシ基などを含有するPPEとし、これにポリアミン、ポリカルボン酸、その他の架橋剤を添加して架橋する方法などがある。
本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、一般に樹脂に添加される添加剤を添加することができる。例えば、ガラス繊維、ガラスフレーク、カオリンクレー、タルク、マイカ等の無機充填剤やその他の繊維状、非繊維状補強剤。また、耐衝撃付与剤としてゴム状重合体、例えばスチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体およびそれらの水素添加物などの熱可塑性エラストマー。更に他の特性を付与するため、本発明の効果を損なわない範囲で他の添加剤、例えば可塑剤、酸化防止剤、及び紫外線吸収剤などの安定剤、帯電防止剤、離型剤、染顔料、あるいはその他の樹脂を添加することができる。樹脂の例としては、エンジニアリング樹脂であるポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、汎用樹脂であるポリエチレン、ポリプロピレン、スーパーエンプラである液晶ポリエステルなどが挙げられるがこれらに限定されない。また、従来から知られた各種難燃剤および難燃助剤、例えば結晶水を含有する水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等のアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物、ホウ酸亜鉛化合物、スズ酸亜鉛化合物、メラミン、メラミンシアヌレート、メラム、メロンなどの窒素系難燃剤さらにはシリカ、カオリンクレー、タルクなどの無機ケイ素化合物を添加して更なる難燃性の向上も可能である。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、特に限定するものではない。熱可塑性樹脂においては、2軸押出機、1軸押出機、加熱ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機を用いて混練製造することができる。その中でも押出機による混合が、生産性の面で好ましい。混合温度は、ベース樹脂の好ましい加工温度に従えばよい。
本発明組成物の用途は、難燃性を要求される電子・電気部品、OA機器部品、自動車部品などであり、具体的には、プリント配線板、半導体用封止剤、アンテナ材、筐体、構造体、電線被覆、プリンター、FAX、CD−ROM、DVD−ROM、テレビ、デジタル録画機器などの部品に使用される。また、情報通信関係では、携帯電話、ETC、ナビゲーションシステム、家電・OA無線システムなど、情報処理関係では、高速演算するコンピュータ、パソコンなどがある。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
実施例および比較例で用いた各成分は以下のものである。
1.ポリフェニレンエーテル(PPE)
PPE1
30℃のクロロホルム溶液で測定したηsp/cが0.52のポリ−2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル。
40℃のクロロホルム溶液でGPCを使ってPS換算数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)を測定し、分子量分布Mw/Mnを計算して求めたところ、Mn=17800、Mw/Mn=2.93であった。
PPE2
30℃のクロロホルム溶液で測定したηsp/cが0.52のポリ−2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル。
40℃のクロロホルム溶液でGPCを使ってPS換算数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)を測定し、分子量分布Mw/Mnを計算して求めたところ、Mn=21700、Mw/Mn=2.37であった。
PPE3
30℃のクロロホルム溶液で測定したηsp/cが0.41のポリ−2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル。
40℃のクロロホルム溶液でGPCを使ってPS換算数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)を測定し、分子量分布Mw/Mnを計算して求めたところ、Mn=16800、Mw/Mn=2.06であった。
2.ゴム補強ポリスチレン(HIPS)
ゴム含量9%、30℃、トルエン溶液で測定したマトリックスポリスチレンのηsp/cが0.64、体積平均ゴム粒子径が1.5μmのゴム補強ポリスチレン。
3.ポリスチレン(PS)
トルエン溶液で測定したηsp/cが、0.8のポリスチレン。
4.フェノキシホスファゼン(FR1)
下記化学式(6)においてm=3が93.6wt%、m=4が4.0wt%、m≧5が2.4wt%であるようなフェノキシホスファゼン。
Figure 2005272575
(式中mは3以上の整数。Phはフェニル基。)
ビスフェノールAとフェノールを原料として合成される縮合リン酸エステル。
5.難燃剤(FR2)
下記化学式において、n=1である化合物を85.3wt%、n=2である化合物を12.6wt%含有する縮合リン酸エステル。
Figure 2005272575
6.レゾルシンと2,6−キシレノールを原料として合成される縮合リン酸エステル(FR3)
Figure 2005272575
7.トリフェニルホスフェート(TPP)(FR4)
Figure 2005272575
実施例、比較例における評価は以下の通り行った。必要な試験片は射出成形して作成した。
(1)難燃性
UL−94垂直燃焼試験に基づき、1/16インチ厚みの射出成形試験片を用いて測定し、10回接炎時の平均燃焼時間と燃焼時の滴下物による脱脂綿着火の有無を評価した。
(2)耐熱性
ASTM D648に従い、熱変形温度(HDT)を測定した。
(3)成形流動性
射出成形する時に、金型をフル充填するため必要な最低限の射出圧力を測定し、成形流動性の目安とした。
(4)耐薬品性
ASTM D638に準じた引張り強度測定用試験片(厚み3mm)をイソプロパノールとクロロホルムの3:2混合溶液に1%歪を与えた状態で30分浸漬し、浸漬前の引張り強度に対する浸漬後の引張り強度保持率を測定した。
(5)成形品破損
肉厚1.6mm、縦7mm、横70mm、高さ5mmの箱型成形品を1000個射出成形し、ビニル袋に入れて、高さ1mから、コンクリート床に落下させた。このとき、破損が認められた成形品数。
[実施例1、2、3、比較例1〜4]
各成分の表1、表2に示す割合および安定剤として、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト0.1重量部添加して混合し、加熱シリンダーの温度を300℃に設定したスクリュー直径25mmの二軸押出機に供給して、スクリュー回転数300rpmで溶融混合し、ストランドを冷却裁断して樹脂組成物ペレットを得た。
次に、得られた樹脂組成物ペレットを、射出成形により物性試験片を成形し、上記試験法により物性試験を行い、表1、2の結果を得た。
分子量分布が2.6より小さいポリフェニレンエーテルを使用した組成物は、分子量を高くすると耐薬品性がよくなるものの成形流動性が悪く、分子量を低くすると成形流動性はよくなるものの耐薬品性が劣る。分子量分布が2.93のポリフェニレンエーテルおよびホスファゼン化合物を使用して初めて、成形流動性、耐薬品性が優れ、成形品破損がなく難燃性に優れた組成物が得られることが判る。
[比較例5]
実施例1の難燃剤のホスファゼン化合物(FR1)をトリフェニルホスフェート(FR4)に替えた以外は、実施例1と同様にしてポリフェニレンエーテル樹脂組成物を得た。成形時に金型が著しく汚染された。
Figure 2005272575
Figure 2005272575
本発明が提供する材料を使用することにより、ポリフェニレンエーテル樹脂が本来持っている特徴である寸法安定性、耐熱性を保持したまま、成形品破損がなく、高い難燃性を有しかつ成形流動性が高い材料を提供でき、各種の高い品質の成形部品を工業的に有利に生産できる。

Claims (3)

  1. GPCで測定したPS換算数平均分子量(Mn)が13000〜20000、かつ分子量分布(Mw/Mn)=2.6〜3.5であるポリフェニレンエーテル(a)およびホスファゼン化合物(b)からなる難燃性樹脂組成物。
  2. GPCで測定したPS換算数平均分子量(Mn)が13000〜20000、かつ分子量分布(Mw/Mn)=2.8〜3.1であるポリフェニレンエーテル(a)およびホスファゼン化合物(b)からなる請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
  3. さらに、スチレン樹脂(c)を加えてなる請求項1または2に記載の難燃性樹脂組成物。
JP2004086544A 2004-03-24 2004-03-24 難燃性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物 Pending JP2005272575A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004086544A JP2005272575A (ja) 2004-03-24 2004-03-24 難燃性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004086544A JP2005272575A (ja) 2004-03-24 2004-03-24 難燃性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005272575A true JP2005272575A (ja) 2005-10-06

Family

ID=35172593

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004086544A Pending JP2005272575A (ja) 2004-03-24 2004-03-24 難燃性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005272575A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3886053B2 (ja) 難燃剤組成物
JPH0995610A (ja) 難燃樹脂組成物
JP2007051147A (ja) 有機リン系化合物の製造方法
JPH06256607A (ja) 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物
JPH0733974A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP4790804B2 (ja) 難燃性成形組成物
JP2009521536A (ja) 難燃性熱可塑性樹脂組成物
JP2000086856A (ja) 難燃性を有する熱可塑性樹脂組成物
CN1748001A (zh) 无卤素阻燃热塑性树脂组合物
JP5794863B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP4050966B2 (ja) 樹脂組成物およびその製造方法
JP2006002005A (ja) 難燃性ポリアミド樹脂組成物
JP2005105009A (ja) 難燃性硬化性樹脂組成物
JP2005272575A (ja) 難燃性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物
KR101378865B1 (ko) 난연성 및 내충격성이 모두 우수한 폴리카보네이트 수지 조성물 및 이의 성형품
KR20010009845A (ko) 난연성을 갖는 열가소성 수지 조성물
US6797754B2 (en) Flame retardant styrenic compositions containing oxaphospholane compound as flame retardant
JP2004091748A (ja) 難燃性硬化性樹脂組成物
JPH06184357A (ja) 樹脂組成物
JP2004137491A (ja) 高周波数低誘電特性材料
JP5599135B2 (ja) 難燃ポリフェニレンエーテル樹脂組成物
JPH05209098A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH0820717A (ja) 良流動性難燃樹脂組成物
JP2002155179A (ja) 難燃樹脂組成物
JP4402255B2 (ja) ポリエーテル樹脂組成物