JP2005272376A - 3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸の環状アセタール保護体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】より効率的に工業的に有利に3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸の環状アセタール保護体を製造する方法を提供すること。
【解決手段】一般式(I)で示される3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸を酸触媒の存在下に一般式(II)で示されるジオール化合物と反応させることにより、一般式(III)で示される環状アセタールモノエステル誘導体および一般式(IV)で示される環状アセタールジエステル誘導体の混合物を得、次いで該混合物に塩基を作用させることを特徴とする一般式(V)で示される3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸の環状アセタール保護体の製造方法。
【化1】
(式中の各記号は明細書中で定義したとおり)
【選択図】なし
【解決手段】一般式(I)で示される3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸を酸触媒の存在下に一般式(II)で示されるジオール化合物と反応させることにより、一般式(III)で示される環状アセタールモノエステル誘導体および一般式(IV)で示される環状アセタールジエステル誘導体の混合物を得、次いで該混合物に塩基を作用させることを特徴とする一般式(V)で示される3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸の環状アセタール保護体の製造方法。
【化1】
(式中の各記号は明細書中で定義したとおり)
【選択図】なし
Description
本発明は、3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸の環状アセタール保護体を製造する方法に関する。本発明により得られる3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸の環状アセタール保護体は、例えば、アデノシンアンタゴニストとして有益なキサンチン誘導体の中間体である光学活性3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸誘導体の合成中間体として有用である(特表平7−509492号公報参照)。
従来、3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸の環状アセタール保護体を製造する方法として、(1)3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸をメチルエステル化し、ジオール誘導体により3位のカルボニル基を保護した後、メチルエステル基を加水分解する方法が知られている(特許文献1参照)。
また、3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸またはそのエステルを製造する方法として、(2)シクロペンタノン−2,3,5−トリカルボン酸トリメチルエステルまたはシクロペンタノン−2,4,4−トリカルボン酸トリメチルエステルを強酸性水溶液で処理して加水分解させ、次いで脱炭酸させる方法(例えば、非特許文献1、特許文献2参照)、(3)シクロペンタノン−2,3,5−トリカルボン酸−3−モノメチルエステルを加熱処理して脱炭酸させる方法(例えば、非特許文献2参照)、(4)2−シアノシクロペンタノン−3−カルボン酸エステル誘導体を強酸性水溶液で処理して加水分解させ、次いで脱炭酸させる方法(例えば、非特許文献3参照)、(5)シクロペンテノンをtert−ブチルジメチルシリルオキシトリフラートとホルムアルデヒドジメチルヒドラゾンを作用させた後、脱シリル化して3−オキソシクロペンタン−1−カルボクスアルデヒドジメチルヒドラゾンを得、次いで該3−オキソシクロペンタン−1−カルボクスアルデヒドジメチルヒドラゾンをジョーンズ試薬とオゾンにより酸化する方法(例えば、非特許文献4参照)、(6)シクロペンテノンをパラジウム触媒の存在下にカルボニル化させて3−オキソシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジエステルを得、次いで該3−オキソシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジエステルを塩基性条件下に加水分解してジカルボン酸とした後、脱炭酸させる方法(例えば、非特許文献5参照)が知られている。
上記の方法(1)は、3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸のメチルエステル化の際に、3位カルボニル基がジメチルアセタール化されてしまうため、強酸性水溶液によりアセタール基をカルボニル基に戻す必要があり、原料の3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸からメチルエステル化、脱アセタール化、加水分解の3工程を経て環状アセタール保護体が製造されることになり、非効率的であり、工業的に実施するには問題がある。
また、上記の方法(2)は、強酸性水溶液を大量に用いており、後処理時の廃棄物が多く、環境に与える負荷が大きい。方法(3)は、原料であるシクロペンタノン−2,3,5−トリカルボン酸−3−モノメチルエステルを製造する際に、汎用性の低いジメトキシテトラクロロシクロペンタジエンを用い、かつパラジウムやマンガンなどの有害な金属試剤を用いている。方法(4)は、猛毒の青酸ソーダを用いている。方法(5)は、極めて有害で取扱いの困難なヒドラゾン誘導体やオゾンを用いている。方法(6)は、高価な金属触媒を用いており、またジエステル誘導体を2当量以上の水酸化ナトリウムを用いて加水分解して中和した後、脱炭酸させており、非効率的である。このように、方法(2)〜(6)はいずれも工業的に実施するには不利である。
本発明の目的は、より効率的に工業的に有利に3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸の環状アセタール保護体を製造する方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸の環状アセタール保護体を製造する際の新規な中間体を提供することにある。
本発明の他の目的は、3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸の環状アセタール保護体を製造する際の新規な中間体を提供することにある。
本発明者らは従来法の問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸をまずジオールで3位カルボニル基を保護し、得られる3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸の3位がジオールで保護されたモノエステル体およびジエステル体を加水分解することにより、2工程で3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸の環状アセタール保護体を製造できること、またシクロペンタノン−2,3,5−トリカルボン酸メチルエステルなどの3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸誘導体を酸触媒の存在下に反応させることにより3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸が得られ、該3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸をそのままジオールと反応させることにより、工業的に効率良く3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸の環状アセタール保護体を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、一般式(I)
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 およびR7 はそれぞれ水素原子、アルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表す。)
で示される3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸[以下、これを3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸(I)と称する]を酸触媒の存在下に一般式(II)
で示される3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸[以下、これを3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸(I)と称する]を酸触媒の存在下に一般式(II)
(式中、R8 、R9 、R10、R11、R12およびR13はそれぞれ水素原子、アルキル基もしくは置換基を有していてもよいアリール基を表すか、またはそれらが結合する炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、nは0または1を表す。)
で示されるジオール化合物[以下、これをジオール化合物(II)と称する]と反応させることにより、一般式(III)
で示されるジオール化合物[以下、これをジオール化合物(II)と称する]と反応させることにより、一般式(III)
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 、R10、R11、R12、R13およびnは前記定義のとおりである。)
で示される環状アセタールモノエステル誘導体[以下、これを環状アセタールモノエステル誘導体(III)と称する]および一般式(IV)
で示される環状アセタールモノエステル誘導体[以下、これを環状アセタールモノエステル誘導体(III)と称する]および一般式(IV)
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 、R10、R11、R12、R13およびnは前記定義のとおりである。)
で示される環状アセタールジエステル誘導体[以下、これを環状アセタールジエステル誘導体(IV)と称する]の混合物を得、次いで該混合物に塩基を作用させることを特徴とする、一般式(V)
で示される環状アセタールジエステル誘導体[以下、これを環状アセタールジエステル誘導体(IV)と称する]の混合物を得、次いで該混合物に塩基を作用させることを特徴とする、一般式(V)
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 、R10、R11、R12、R13およびnは前記定義のとおりである。)
で示される3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸の環状アセタール保護体[以下、これを3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸環状アセタール保護体(V)と称する]の製造方法である。
で示される3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸の環状アセタール保護体[以下、これを3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸環状アセタール保護体(V)と称する]の製造方法である。
本発明は、一般式(VI)
(式中、R6 およびR7 は前記定義のとおりであり、R14は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表し、X1 、X2 、X3 、X4 およびX5 は、それらのうちの少なくとも一つは一般式−CO2 R15で示される基を表し、他は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表し、R15は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表す。)
で示される3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸誘導体を水および酸触媒の存在下に反応させることにより3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸(I)を得、次いで得られた3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸(I)にジオール化合物(II)と反応させることにより、環状アセタールモノエステル誘導体(III)および環状アセタールジエステル誘導体(IV)の混合物を得、次いで該混合物に塩基を作用させることを特徴とする、3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸環状アセタール保護体(V)の製造方法である。
で示される3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸誘導体を水および酸触媒の存在下に反応させることにより3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸(I)を得、次いで得られた3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸(I)にジオール化合物(II)と反応させることにより、環状アセタールモノエステル誘導体(III)および環状アセタールジエステル誘導体(IV)の混合物を得、次いで該混合物に塩基を作用させることを特徴とする、3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸環状アセタール保護体(V)の製造方法である。
本発明は、式(VII)
で示される2−(2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルオキシカルボニル)−8,8−ジメチル−6,10−ジオキサスピロ[4.5]デカンである。
本発明は、式(VIII)
で示される2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジイル−ジ(8,8−ジメチル−6,10−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート)である。
本発明によれば、3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸環状アセタール保護体(V)をより効率的に工業的に有利に製造することができる。
また、本発明によれば、3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸環状アセタール保護体(V)をより効率的に工業的に有利に製造することができる方法を与える新規な中間体が提供される。
また、本発明によれば、3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸環状アセタール保護体(V)をより効率的に工業的に有利に製造することができる方法を与える新規な中間体が提供される。
上記の一般式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 、R10、R11、R12、R13、R14、R15、X1 、X2 、X3 、X4 およびX5 がそれぞれ表すアルキル基は、直鎖状、分岐状または環状のいずれでもよく、その炭素数は1〜12であるものが好ましい。アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。また、R8 、R9 、R10、R11、R12およびR13は、それらが結合する炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、かかる環としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどのシクロアルカンが挙げられる。
また、R14、R15、X1 、X2 、X3 、X4 およびX5 が表すアルキル基は置換基を有していてもよく、かかる置換基としては、例えば、フェニル基、トリル基、メトキシフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ニトロフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、フリル基、チエニル基などの炭素数が4〜15であり、窒素、酸素、硫黄などのヘテロ原子を環構造に任意に含んでいてもよいアリール基;フェノキシ基、クロロフェノキシ基、ブロモフェノキシ基、ニトロフェノキシ基、ナフチルオキシ基、ピリジルオキシ基、フリルオキシ基、チエニルオキシ基などの炭素数が4〜15であり、窒素、酸素、硫黄などのヘテロ原子を環構造に任意に含んでいてもよいアリールオキシ基;水酸基;メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ベンジルチオ基、アリルチオ基などの直鎖状、分岐状または環状の炭素数が1〜15であるアルキルチオ基;フェニルチオ基、トリルチオ基、メトキシフェニルチオ基、クロロフェニルチオ基、ブロモフェニルチオ基、ニトロフェニルチオ基、ナフチルチオ基、ピリジルチオ基、フリルチオ基、チエニルチオ基などの炭素数が4〜15であり、窒素、酸素、硫黄などのヘテロ原子を環構造に任意に含んでいてもよいアリールチオ基などが挙げられる。
R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 、R10、R11、R12、R13、R14、R15、X1 、X2 、X3 、X4 およびX5 がそれぞれ表すアリール基としては、炭素数6〜10のアリール基が好ましく、例えばフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。これらのアリール基は置換基を有していてもよく、かかる置換基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基;トリフルオロメチル基;塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基;ニトロ基;フェニル基、p−メトキシフェニル基などのアリール基などが挙げられる。
まず、3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸誘導体(VI)を水および酸触媒の存在下に反応させることにより3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸(I)を得る工程について説明する。
本工程において、3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸誘導体(VI)においてX1 、X2 、X3 、X4 およびX5 が表す一般式−CO2 R15で示される基は加水分解を受け、次いで脱炭酸されるが、該3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸誘導体(VI)が有する−CO2 R14で示される基は、加水分解されるが脱炭酸されることはない。
本工程において、3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸誘導体(VI)においてX1 、X2 、X3 、X4 およびX5 が表す一般式−CO2 R15で示される基は加水分解を受け、次いで脱炭酸されるが、該3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸誘導体(VI)が有する−CO2 R14で示される基は、加水分解されるが脱炭酸されることはない。
3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸誘導体(VI)としては、例えば、シクロペンタノン−2,4,4−トリカルボン酸メチルエステル、シクロペンタノン−2,3,5−トリカルボン酸メチルエステルなどが使用される。
酸触媒としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸;メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファスルホン酸などの有機酸;アンバーリスト15(東京有機化学工業株式会社製)、アンバーライトIR−118(東京有機化学工業株式会社製)などの酸型イオン交換樹脂などが使用されるが、これらの中でも、反応温度、操作性、触媒の経済性などを考慮すれば、塩酸、硫酸またはp−トルエンスルホン酸を使用するのが好ましい。酸触媒の使用量は、3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸誘導体(VI)に対して0.001〜100モル%の範囲であるのが好ましく、反応の効率を考慮すれば0.1〜10モル%の範囲であるのがより好ましい。
水の量は、3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸誘導体(VI)に対して0.5〜100重量倍の範囲であるのが好ましく、1〜10重量倍の範囲であるのがより好ましい。
反応は有機溶媒の存在下に行うことができる。有機溶媒としては、反応に悪影響を与えない限り特に限定されるものではなく、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、石油エーテル、ベンゼンなどの炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジブチルエーテルなどのエーテル;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、1−オクタノールなどのアルコール;またはこれらの混合物などが使用される。有機溶媒の使用量は、3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸誘導体(VI)に対して0.1〜100重量倍の範囲であるのが好ましく、1.0〜10重量倍の範囲であるのがより好ましい。
反応温度は、20〜200℃の範囲であるのが好ましく、50〜120℃の範囲であるのがより好ましい。反応時間は、0.1〜30時間の範囲であるのが好ましく、1〜10時間の範囲であるのがより好ましい。
このようにして得られた3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸(I)を含む反応混合物を、酸触媒を含有したままで次工程の反応に付すか、水を共沸脱水などの方法により除去した後に次工程の反応に付すことができる。
次に、3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸(I)を酸触媒の存在下にジオール化合物(II)と反応させる工程について説明する。
ジオール化合物(II)としては、例えば、エチレングリコール、2,3−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、ヒドロベンゾイン、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、cis-1,2−シクロヘキサンジオール、cis-1,2−シクロペンタンジオール、1−フェニル−1,2−エタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−フェニル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。ジオール化合物(II)の使用量は、3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸(I)に対して0.5〜10モル当量の範囲であるのが好ましく、1.0〜5当量の範囲であるのがより好ましい。
ジオール化合物(II)としては、例えば、エチレングリコール、2,3−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、ヒドロベンゾイン、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、cis-1,2−シクロヘキサンジオール、cis-1,2−シクロペンタンジオール、1−フェニル−1,2−エタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−フェニル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。ジオール化合物(II)の使用量は、3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸(I)に対して0.5〜10モル当量の範囲であるのが好ましく、1.0〜5当量の範囲であるのがより好ましい。
酸触媒としては、前工程で使用した酸触媒がそのまま使用される。酸触媒としては、通常のエステル化反応に用いられる酸であれば特に制限はなく、例えば、硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸;メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファスルホン酸などの有機酸;アンバーリスト15(東京有機化学工業株式会社製)、アンバーライトIR−118(東京有機化学工業株式会社製)などの酸型イオン交換樹脂などが挙げられる。これらの酸触媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。これらの中でも、反応温度、操作性、触媒の経済性などを考慮すれば、硫酸またはp−トルエンスルホン酸を使用するのが好ましい。酸触媒の使用量は、3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸(I)に対して0.001〜100モル%の範囲であるのが好ましく、反応の効率を考慮すれば0.1〜10モル%の範囲であるのがより好ましい。
反応は溶媒の存在下に行うのが好ましい。溶媒としては、反応に悪影響を与えない限り特に制限されないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレンなどの芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、ジグリムなどのエーテルなどが挙げられる。これらのうち、脂肪族炭化水素または芳香族炭化水素を使用するのが好ましく、特にトルエンまたはシクロヘキサンを使用するのが好ましい。溶媒は単独で、または2種以上を組合わせて使用してもよい。溶媒の使用量は、3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸(I)に対して0.5〜1000倍重量の範囲であるのが好ましい。
反応の進行に伴い水が生成するが、これを除去しながら反応を行うことにより、高収率で環状アセタールモノエステル誘導体(III)および環状アセタールジエステル誘導体(IV)の混合物を得ることができる。水を除去する方法としては、特に限定されないが、水と共沸する溶媒を使用し、溶媒と共沸させて系外に留出させる方法、系内にモレキュラーシーブスなどの反応に悪影響を与えない脱水剤を共存させる方法などが採用される。
反応温度は、20〜200℃の範囲であるのが好ましく、50〜150℃の範囲であるのがより好ましい。反応時間は、3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸(I)、ジオール化合物(II)、酸触媒の種類および溶媒の種類、使用量比ならびに反応温度によっても異なるが、0.5〜30時間の範囲であるのが好ましい。
このようにして得られる環状アセタールモノエステル誘導体(III)および環状アセタールジエステル誘導体(IV)は、そのまま次の工程に付してもよいし、精製して付してもよい。精製方法としては、特に制限されるものではないが、再結晶またはシリカゲルクロマトグラフィーなどの有機化合物の分離・精製に通常用いられる方法が採用される。
次に、環状アセタールモノエステル誘導体(III)および環状アセタールジエステル誘導体(IV)に塩基を作用させることにより加水分解する工程について説明する。
塩基としては、通常の加水分解に用いられる塩基であれば特に制限はないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属水酸化物などが使用される。塩基の使用量は、3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸(I)に対して1.0〜10モル当量の範囲であるのが好ましく、1.5〜5当量の範囲であるのがより好ましい。
塩基としては、通常の加水分解に用いられる塩基であれば特に制限はないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属水酸化物などが使用される。塩基の使用量は、3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸(I)に対して1.0〜10モル当量の範囲であるのが好ましく、1.5〜5当量の範囲であるのがより好ましい。
加水分解反応を速やかに進行させる目的でアルコールを反応系に添加することができる。アルコールとしては、その種類に特に制限はないが、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ヘキサノール、1−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノールなどの飽和脂肪族第1級アルコール;2−プロパノール、2−ブタノール、シクロヘキサノールなどの飽和脂肪族第2級アルコールなどが使用される。アルコールの使用量は、環状アセタールモノエステル誘導体(III)および環状アセタールジエステル誘導体(IV)に対して0.5〜10倍重量の範囲であるのが好ましく、1.0〜3倍重量の範囲であるのがより好ましい。
反応温度は、−20〜100℃の範囲であるのが好ましく、0〜80℃の範囲であるのがより好ましい。反応時間は、環状アセタールモノエステル誘導体(III)および環状アセタールジエステル誘導体(IV)の種類、混合比、塩基および溶媒の種類、使用量比ならびに反応温度によっても異なるが、0.5〜30時間の範囲であるのが好ましい。
反応後、3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸環状アセタール保護体(V)を分離する際に、酸による中和処理を行う必要がある。酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸;メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、安息香酸などの有機酸が使用される。酸の使用量は、中和時のpHが3以上を保持することが好ましく、4以上を保持するのがより好ましい。
このようにして得られる3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸環状アセタール保護体(V)は、通常の有機化合物の分離・精製に用いられる方法により分離・精製することができる。例えば、反応混合液を酸により中和処理した後、酢酸エチルなどの有機溶媒で抽出し、抽出液を濃縮し、得られる粗生成物をシリガゲルクロマトグラフィー、再結晶などにより精製する。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
実施例1
温度計、マグネチックスターラ、ディーンシュターク型水分定量受器および冷却管を装備した内容量200mlの反応器に、トルエン100ml、3−オキソシクロペンタンカルボン酸(6.4g、50mmol)、ネオペンチルグリコール(10.9g、105mmol)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(0.095g、0.55mmol)を仕込んだ。得られた溶液をトルエン還流下、2時間加熱攪拌して共沸脱水させた。その後、反応混合物を20℃以下に冷却し、飽和重曹水50mlを添加した。反応混合物を静置して分液させ、水層のpHが7以上であることを確認した後、有機層を分離した。有機層を減圧下に濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、2−(2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルオキシカルボニル)−8,8−ジメチル−6,10−ジオキサスピロ[4.5]デカン10.8g(収率72%)および2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジイル−ジ(8,8−ジメチル−6,10−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート)5.96g(収率24%)を得た。
温度計、マグネチックスターラ、ディーンシュターク型水分定量受器および冷却管を装備した内容量200mlの反応器に、トルエン100ml、3−オキソシクロペンタンカルボン酸(6.4g、50mmol)、ネオペンチルグリコール(10.9g、105mmol)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(0.095g、0.55mmol)を仕込んだ。得られた溶液をトルエン還流下、2時間加熱攪拌して共沸脱水させた。その後、反応混合物を20℃以下に冷却し、飽和重曹水50mlを添加した。反応混合物を静置して分液させ、水層のpHが7以上であることを確認した後、有機層を分離した。有機層を減圧下に濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、2−(2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルオキシカルボニル)−8,8−ジメチル−6,10−ジオキサスピロ[4.5]デカン10.8g(収率72%)および2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジイル−ジ(8,8−ジメチル−6,10−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート)5.96g(収率24%)を得た。
2−(2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルオキシカルボニル)−8,8−ジメチル−6,10−ジオキサスピロ[4.5]デカン:
1H−NMRスペクトル(CDCl3 )δ:3.95(s,2H)、3.52−3.41(m,4H)、3.29(d,2H,J=7.3Hz)、3.00−2.85(m,1H)2.41−1.90(m,7H)、0.98(s,3H)、0.96(s,3H)、0.93(s,6H)
1H−NMRスペクトル(CDCl3 )δ:3.95(s,2H)、3.52−3.41(m,4H)、3.29(d,2H,J=7.3Hz)、3.00−2.85(m,1H)2.41−1.90(m,7H)、0.98(s,3H)、0.96(s,3H)、0.93(s,6H)
2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジイル−ジ(8,8−ジメチル−6,10−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート):
1H−NMRスペクトル(CDCl3 )δ:3.90(s,4H)、3.51−3.40(m,8H)、2.95−2.85(m,2H)、2.35−1.92(m,12H)、0.98(s、6H)、0.96(s、6H)、0.95(s、6H)
1H−NMRスペクトル(CDCl3 )δ:3.90(s,4H)、3.51−3.40(m,8H)、2.95−2.85(m,2H)、2.35−1.92(m,12H)、0.98(s、6H)、0.96(s、6H)、0.95(s、6H)
実施例2
温度計、マグネチックスターラ、ディーンシュターク型水分定量受器および冷却管を装備した内容量3Lの反応器に、トルエン1.5L、3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸(128g、1mol)、ネオペンチルグリコール(218.8g、2.1mol)およびp−トルエンスルホン酸(9.5g、50mmol)を仕込んだ。得られた溶液をトルエン還流下、2時間加熱攪拌して共沸脱水させた。その後、反応混合物を20℃以下に冷却し、飽和重曹水50mlを添加した。反応混合物を静置して分液させ、水層のpHが7以上であることを確認した後、有機層を分離した。有機層を減圧下に濃縮し、2−(2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルオキシカルボニル)−8,8−ジメチル−6,10−ジオキサスピロ[4.5]デカンおよび2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジイル−ジ(8,8−ジメチル−6,10−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート)の混合物350gを得た。
温度計、マグネチックスターラ、ディーンシュターク型水分定量受器および冷却管を装備した内容量3Lの反応器に、トルエン1.5L、3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸(128g、1mol)、ネオペンチルグリコール(218.8g、2.1mol)およびp−トルエンスルホン酸(9.5g、50mmol)を仕込んだ。得られた溶液をトルエン還流下、2時間加熱攪拌して共沸脱水させた。その後、反応混合物を20℃以下に冷却し、飽和重曹水50mlを添加した。反応混合物を静置して分液させ、水層のpHが7以上であることを確認した後、有機層を分離した。有機層を減圧下に濃縮し、2−(2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルオキシカルボニル)−8,8−ジメチル−6,10−ジオキサスピロ[4.5]デカンおよび2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジイル−ジ(8,8−ジメチル−6,10−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート)の混合物350gを得た。
得られた混合物を、温度計、マグネチックスターラおよび冷却管を装備した内容量2Lの反応器に移し、該混合物にメタノール(500ml)、水(500ml)を加えた。次いで、水酸化ナトリウム(60g、1.5mol)を徐々に加えて、内温が50℃になるように加熱し、2時間攪拌した。その後、反応混合物を減圧下に濃縮してメタノールを除去し、20%硫酸水溶液により水層のpHを4.0〜4.5の範囲におさまるように中和した。中和後の溶液にトルエン1Lを加えて室温にて30分攪拌した後、分液漏斗を用いて有機層と水層に分離した。有機層を水200mlで洗浄した後、減圧下に濃縮して、粗8,8−ジメチル−6,10−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−カルボン酸を得た。これをシクロヘキサンで再結晶することにより、8,8−ジメチル−6,10−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−カルボン酸173.3g(純度99%、3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸からの収率81%)を得た。
実施例3
温度計、マグネチックスターラ、滴下漏斗およびY字管を装備した内容量100mlの反応器に、水50mlおよびp−トルエンスルホン酸一水和物(0.19g、1mmol)を仕込んだ。得られた溶液を水が還流するまで加熱し、該溶液にシクロペンタノン−2,3,5−トリカルボン酸メチルエステル(25.8g、100mmol)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、反応で生成したメタノールと水を抜き取りながら、抜き取った量と同じ水を添加して釜内容量を保持して3時間反応させた。反応混合物は、ガスクロマトグラフィー分析の結果、3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸と3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸メチルの混合物[前者/後者=99.7/0.3(面積比)]であった。この反応混合物にトルエン50mlを用いて水を共沸脱水して除いた後、ネオペンチルグリコール(21.9g、210mmol)を追加した。得られた溶液をトルエン還流下、2時間加熱攪拌して共沸脱水させた。その後、反応混合物を20℃以下に冷却し、飽和重曹水50mlを添加した。反応混合物を静置して分液させ、水層のpHが7以上であることを確認した後、有機層を分離した。この有機層を減圧下に濃縮し、2−(2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルオキシカルボニル)−8,8−ジメチル−6,10−ジオキサスピロ[4.5]デカンおよび2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジイル−ジ(8,8−ジメチル−6,10−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート)の混合物38.9gを得た。
温度計、マグネチックスターラ、滴下漏斗およびY字管を装備した内容量100mlの反応器に、水50mlおよびp−トルエンスルホン酸一水和物(0.19g、1mmol)を仕込んだ。得られた溶液を水が還流するまで加熱し、該溶液にシクロペンタノン−2,3,5−トリカルボン酸メチルエステル(25.8g、100mmol)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、反応で生成したメタノールと水を抜き取りながら、抜き取った量と同じ水を添加して釜内容量を保持して3時間反応させた。反応混合物は、ガスクロマトグラフィー分析の結果、3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸と3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸メチルの混合物[前者/後者=99.7/0.3(面積比)]であった。この反応混合物にトルエン50mlを用いて水を共沸脱水して除いた後、ネオペンチルグリコール(21.9g、210mmol)を追加した。得られた溶液をトルエン還流下、2時間加熱攪拌して共沸脱水させた。その後、反応混合物を20℃以下に冷却し、飽和重曹水50mlを添加した。反応混合物を静置して分液させ、水層のpHが7以上であることを確認した後、有機層を分離した。この有機層を減圧下に濃縮し、2−(2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルオキシカルボニル)−8,8−ジメチル−6,10−ジオキサスピロ[4.5]デカンおよび2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジイル−ジ(8,8−ジメチル−6,10−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート)の混合物38.9gを得た。
得られた混合物を、温度計、マグネチックスターラおよび冷却管を装備した内容量2Lの反応器に移し、該混合物にメタノール(500ml)、水(500ml)を加えた。次いで、水酸化ナトリウム(60g、1.5mol)を徐々に加えて、内温が50℃になるように加熱し、2時間攪拌した。その後、反応混合物を減圧下に濃縮してメタノールを除去し、20%硫酸水溶液により水層のpHを4.0〜4.5の範囲におさまるように中和した。中和後の溶液にトルエン1Lを加えて室温にて30分攪拌した後、分液漏斗を用いて有機層と水層に分離した。有機層を水200mlで洗浄した後、減圧下に濃縮して、粗8,8−ジメチル−6,10−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−カルボン酸を得た。これをシクロヘキサンで再結晶することにより、8,8−ジメチル−6,10−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−カルボン酸16.05g(純度99%、シクロペンタノン−2,3,5−トリカルボン酸メチルエステルからの収率75%)を得た。
本発明により得られる3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸環状アセタール保護体(V)は、例えば、アデノシンアンタゴニストとして有益なキサンチン誘導体の中間体である光学活性3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸誘導体の合成中間体として有用である。
Claims (4)
- 一般式(I)
で示される3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸を酸触媒の存在下に一般式(II)
で示されるジオール化合物と反応させることにより、一般式(III)
で示される環状アセタールモノエステル誘導体および一般式(IV)
で示される環状アセタールジエステル誘導体の混合物を得、次いで該混合物に塩基を作用させることを特徴とする、一般式(V)
で示される3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸の環状アセタール保護体の製造方法。 - 一般式(VI)
で示される3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸誘導体を水および酸触媒の存在下に反応させることにより一般式(I)
で示される3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸を得、次いで得られた3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸に一般式(II)
で示されるジオール化合物と反応させることにより、一般式(III)
で示される環状アセタールモノエステル誘導体および一般式(IV)
で示される環状アセタールジエステル誘導体の混合物を得、次いで該混合物に塩基を作用させることを特徴とする、一般式(V)
で示される3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸の環状アセタール保護体の製造方法。
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WO2006120755A1 (ja) * | 2005-05-10 | 2006-11-16 | Kuraray Co., Ltd. | 3−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸の環状アセタール体の製造方法 |
JP2009512724A (ja) * | 2005-10-24 | 2009-03-26 | エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー | Favorskii転位による環状ケタール化ケトンの製造およびグルコキナーゼ活性化剤:70を製造するためのその使用 |
-
2004
- 2004-03-25 JP JP2004089689A patent/JP2005272376A/ja not_active Withdrawn
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