JP2005272280A - 金属元素添加チタンオキシナイトライド前駆体及び金属元素添加チタンオキシナイトライド薄膜 - Google Patents

金属元素添加チタンオキシナイトライド前駆体及び金属元素添加チタンオキシナイトライド薄膜 Download PDF

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守 會澤
Yusuke Goto
裕介 後藤
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Abstract

【課題】チタンオキシナイトライド選択吸収膜の可視光吸収率を向上させ熱輻射率を低減させること。
【解決手段】チタンアルコキシドと含窒素配位子を結合させ、さらに、Nb、Y、Au、Ptのうち少なくとも一種類の金属元素を添加することによって金属元素が添加されたチタンオキシナイトライド前駆体を得る。前記金属元素添加チタンオキシナイトライド前駆体溶液を基材に塗布して熱処理することにより、金属元素添加チタンオキシナイトライド薄膜を得る。

Description

本発明は、太陽光集熱器に用いられる選択吸収膜に関する。
チタンオキシナイトライドは、酸化チタン及び窒化チタン間の中間化学生成物であり、その薄膜は、太陽光の波長の光はよく吸収するが、赤外光の波長の光は外に放射しない性質を持つ。この性質を利用して、チタンオキシナイトライドは太陽光集熱器の選択吸収膜等に広く用いられている。
従来より、チタンオキシナイトライド薄膜の製造方法として、イオンプレーティング法、スパッタリング法、真空蒸着法等の乾式法が知られており、特許文献1に開示されている。
一方、湿式法のひとつであるゾル−ゲル法により、チタンオキシナイトライド薄膜を形成することが検討されている。チタンアルコキシドをアルコール等の溶媒に溶解したものを加熱処理して、チタンオキシナイトライドの前駆物質であるチタン含有酸化物を含む溶液を調製し、その溶液を基材にコーティングした後、アンモニアガス中で加熱することにより窒化させ、チタンオキシナイトライド薄膜を形成する方法が、特許文献2に開示されている。
また、酸化チタンと尿素の粉末との混合物を溶媒に溶解してチタンオキシナイトライド前駆体溶液を調製し、その溶液を基材にコーティングした後、不活性ガス又はアンモニアガス中で加熱することにより、チタンオキシナイトライド薄膜を形成する方法が、特許文献3に開示されている。
再公表特許WO01−010552号公報 特開2003−190809号公報 特開2002−154823号公報
これらの従来の方法では、難易度はそれぞれ異なるが、何れの方法であってもチタンオキシナイトライドという化学組成の薄膜は得られる。しかし、太陽光集熱器の選択吸収膜に必要な光学特性である、高い可視光吸収率と低い熱輻射率が十分実現されていなかった。選択吸収膜の光学特性が化学組成だけでは決まらないことは、特表平9−507095号公報によっても明らかである。
本発明は、上記の点に鑑み、従来よりも高い可視光吸収率と低い熱輻射率を具えたチタンオキシナイトライド薄膜を提供することを目的とする。
本発明は、チタンテトラアルコキシドと含窒素配位子を結合させ、さらに、Nb、Y、Au、Ptのうち少なくとも一種類以上の金属元素を添加することによって得られる、金属元素添加チタンオキシナイトライド前駆体及び、前記金属元素添加チタンオキシナイトライド前駆体を基材に塗布して熱処理することにより得られる金属元素添加チタンオキシナイトライド薄膜により、前記の課題を解決した。
前記チタンテトラアルコキシドに対する前記金属元素のモル比は、0.005以上0.5以下の範囲内が好適である。
本発明によれば、チタンオキシナイトライドに金属元素を添加することにより、チタンオキシナイトライドのバンド構造が変化する。結果として、可視光の吸収率が高まり、赤外領域における熱輻射が抑制されるようになる。
金属元素は、溶媒に溶解しやすいように金属錯体として供給される。従って、チタンオキシナイトライド前駆体に上記金属を添加混合した場合でも、ベースとなるコーティング液の特性を変化させることなく光学特性を改良することができる。
本発明で用いるチタンオキシナイトライド前駆体は、特願2004−207において提案されたものを用いる。すなわち、チタンテトラアルコキシドに含窒素配位子を結合させることにより、チタンオキシナイトライド前駆体を合成する。 前記チタンオキシナイトライド前駆体の製造工程については、特願2004−207中に詳述されているので、ここでは簡単に説明する。
まず、チタンテトラアルコキシドを溶媒に溶解させて、チタンアルコキシド溶液を調製する。前記チタンテトラアルコキシドとしては、チタンイソプロポキシド、チタンエトキシド、チタンプロポキシド、チタン-n-ブトキシド、チタン-iso-ブトキシド、チタン-sec-ブトキシド、チタン-ter-ブトキシド等が使用できる。溶媒としては、アルコール類が好ましく、例えば、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、エトキシエタノール等が用いられる。
次に、前記チタンテトラアルコキシド溶液に、含窒素配位子を含む組成物を撹拌しながら添加する。窒素配位子を含む組成物は、尿素、アミノアルコール、ピペリジン、1,2,4,トリアゾール等が用いられる。これらの化合物は、酸素原子に対する窒素原子のモル比が1以上の窒素化合物である。アミノアルコールの種類は、前記モル比が1以上であれば特に限定されないが、好適には2アミノ1プロパノール(イソプロパノールアミン)、3アミノ1プロパノール(プロパノールアミン)が用いられる。
これらの窒素配位子を含む組成物は、1種類又はこれらのうち数種類を混合して用いることができる。
前記含窒素配位子の組成物をチタンテトラアルコキシド溶液に混合した後、この溶液を80℃で2時間、撹拌・加熱・還流する。例として、含窒素配位子の組成物として、3アミノ1プロパノール(プロパノールアミン)を単独で用いた場合、この工程において、次のような反応が生じる。
(RO)3TiOR + HO-(CH2)3-NH2 → (RO)3TiO-(CH2)3-NH2 + ROH
前記反応式において、Rはアルキル基である。窒素配位子(プロパノールアミ ン) 中の窒素はチタンに対して配位結合し、チタンオキシナイトライド前駆体 である(RO)3TiO-(CH2)3-NH2が合成される。この工程により、チタンテトラアル コキシド溶液に窒素の導入が行われ、酸窒化物であるチタンオキシナイトライド前駆体が合成される。
上記の工程により製造されたチタンオキシナイトライド前駆体に、金属有機化合物を添加することによって、チタンオキシナイトライド薄膜の光学特性が一層向上することが、本発明者らによって見出だされた。
添加する金属元素は、Nb、Y、Au、Ptが好適である。これらの金属は、金属塩、カルボキシレート、β-ジケトナート等の金属錯体として供給される。これら金属錯体はチタンオキシナイトライド前駆体と必ずしも化学的に反応する必要はなく、少なくとも均一な溶液を形成して分子レベルで共存するだけで十分である。
前記金属元素の添加量は、チタンオキシナイトライドの出発原料であるチタンアルコキシド中のTi元素に対するモル比で、0.05程度が望ましい。金属元素の添加割合がこれより少なくても悪影響はないが、前記モル比が0.005を下回ると、チタンオキシナイトライドのバンド構造が殆ど影響を受けず、光学特性の向上にはつながらない。
一方、チタンアルコキシド中のTi元素に対する前記金属元素のモル比が0.5を超えると、添加金属の酸窒化膜としての特性が顕著に現れるため、チタンオキシナイトライドとしての特性が失われ、目的とする光学的特性を満足することはできない。
前記金属が添加されたチタンオキシナイトライド前駆体溶液を室温まで冷却後、減圧濃縮を行なうことにより、反応副生成物の2プロパノール(イソプロパノール)を溜去する。最後に、コーティング溶媒を加えて濃度調整を行い、金属元素添加チタンオキシナイトライド前駆体溶液が得られる。
前記金属元素添加チタンオキシナイトライド前駆体溶液を基材にディップコーティングした後、電気炉を用いて不活性雰囲気にて約500℃で加熱する。この加熱処理時に前駆体中の炭素及び水素をとばして焼結させ、金属元素添加チタンオキシナイトライド薄膜を得る。本発明の金属元素添加チタンオキシナイトライド前駆体はすでに酸窒化物であり、十分に窒素が導入されているので、ここでは窒化を行わない。従って、アンモニアガスを使用する必要はなく、不活性雰囲気、且つ低温で加熱処理することができる。不活性ガスは、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスのうちいずれかを用いる。又は、これらの混合ガスを用いてもよい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜実施例4、比較例1〜比較例13)
リービッヒ冷却管、温度計及び撹拌子を具えた丸底四口フラスコを用いて、チタン原料と含窒素配位子の組成物を反応させた。すなわち、2アミノ1プロパノール(イソプロパノールアミン)4モルにチタンテトライソプロポキシド1モルを撹拌しながら添加し、80℃で2時間撹拌・加熱・還流した。ここに、表1に示した各種金属錯体0.05モルを添加し、さらに加熱・環流した。
この溶液を室温まで冷却後、減圧濃縮することにより反応副生成物の2プロパノール(イソプロパノール)を溜去して金属元素添加チタンオキシナイトライド前駆体を得た。
次に、この金属元素添加チタンオキシナイトライド前駆体溶液を基材にディップコーティングし、不活性雰囲気約500℃で加熱して金属元素添加チタンオキシナイトライド薄膜を得た。各金属添加チタンオキシナイトライド薄膜の可視光(波長範囲0.25〜1μm)吸収率と100℃における赤外光(波長2.5μm以上)輻射率(輻射エネルギー)を表1に示す。
(比較例14)
実施例1において、チタンテトライソプロポキシド溶液に金属錯体を添加せず、それ以外は実施例1と同様にして、金属元素添加チタンオキシナイトライド前駆体及び金属元素添加チタンオキシナイトライド薄膜を得た。金属元素添加チタンオキシナイトライド薄膜の可視光吸収率と100℃における赤外光輻射率(輻射エネルギー)を表1に示す。
(比較例15)
実施例1において、添加する金属錯体の量を、0.05モルから0.005モルに変え、それ以外は実施例1と同様にして、金属元素添加チタンオキシナイトライド前駆体及び金属添加チタンオキシナイトライド薄膜を得た。金属元素添加チタンオキシナイトライド薄膜の可視光吸収率と100℃における赤外光輻射率(輻射エネルギー)を表1に示す。
(比較例16)
実施例1において、添加する金属錯体の量を、0.05モルから0.5モルに変え、それ以外は実施例1と同様にして、金属元素添加チタンオキシナイトライド前駆体及び金属添加チタンオキシナイトライド薄膜を得た。金属元素添加チタンオキシナイトライド薄膜の可視光吸収率と100℃における赤外光輻射率(輻射エネルギー)を表1に示す。
Figure 2005272280
表1より、Nb、Y、Au、Ptが添加された実施例1〜4は、他の金属元素が添加された比較例1〜13と比べて、高い可視光吸収率と低い赤外光輻射率を示しており、良好な光学特性を有していることが分かる。
また、比較例15のように、チタンアルコキシドのTi元素に対する金属元素のモル比が0.005と極端に低い場合、チタンオキシナイトライドのバンド構造にほとんど変化がなく、本発明である実施例と比較して光学特性が向上しないことが分かる。
さらに、比較例16のように、チタンアルコキシドのTi元素に対する金属元素のモル比が0.5と極端に高い場合には、添加金属の特性が顕著に現れるため、チタンオキシナイトライドの光学特性が失われると考えられる。


Claims (3)

  1. チタンテトラアルコキシドと含窒素配位子を結合させ、さらに、Nb、Y、Au、Ptのうち少なくとも一種類以上の金属元素を添加することによって得られる、金属元素添加チタンオキシナイトライド前駆体。
  2. 前記チタンテトラアルコキシドに対する前記金属元素のモル比が0.005以上0.5以下の範囲内である、請求項1の金属元素添加チタンオキシナイトライド前駆体。
  3. 請求項1又は請求項2の金属元素添加チタンオキシナイトライド前駆体を基材に塗布して熱処理することにより得られる、金属元素添加チタンオキシナイトライド薄膜。




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