JP2005271708A - 自動車のシート格納構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 自動車のシート格納構造において、シートの格納操作に要する操作力を軽減させる。
【解決手段】 シート80を、上段フロアパネル11に位置する使用位置から、車両前方Fに向けてスライド変位させて、シート80の前部81aを下段フロアパネル12の上方に突出させるスライド機構部20と、スライド機構部20により車両前方Fに変位されたシート80を、シート80の前部81aが下段フロアパネル12に落とし込まれ、かつシート80の後部81bが跳ね上げられるように、回動させる回動機構部30とを備え、回動機構部30の回動中心31はフロアパネル10に対して固定されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、自動車のシート格納構造に関し、詳細には、着座可能の使用位置と折り畳まれた格納位置との間でのシートの変位動作の改良に関する。
従来より、自動車の車室内に設けられた乗員用シート(以下、単にシートという。)のうち運転席を除く他のシートは、荷物の載置空間を広げる等の目的のために、折り畳んで格納することが行われている。
このような折畳みの形式としては、シートバックとシートクッションとを分離して両者を別々に格納する形式や、シートバックをシートクッション側に重ね倒して、両者を一体的に格納する形式などがある。
ここで、シートバックをシートクッションに重ね倒した上で両者を一体的に格納する形式としては、第2列以後のシートに関して、シートクッションの前端部を回動中心として、シートバックが重ね合わされたシートクッションを車両前後方向の前方に跳ね上げ、前席のシートバック背面側に立て掛けるように倒立させた状態に格納する構造が提案されている(特許文献1,2)。
特開平9−86245号公報 特開平9−142189号公報
しかし、特許文献1,2による技術は、シートを跳ね上げるために、シートクッションおよびシートバックからなるシート全体の重量に相当する操作力を要し、格納操作に大きな労力が必要であった。
本来、上述したシート格納構造は、利用者の利便性のために装備されるものであるが、利用の都度、上述した労力を要すると、有効に利用されることがなくなり、無駄な装備となる虞がある。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、シートの格納操作に要する操作力を軽減させることができる自動車のシート格納構造を提供することを目的とするものである。
本発明に係る自動車のシート格納構造は、シートを、その使用位置から車両前方にスライド変位させて、シートの重心と回動中心とを近づけたうえで、その回動中心回りにシートを回動させることにより、回動操作に要する操作力を軽減させたものである。
すなわち、本発明に係る自動車のシート格納構造は、車室内のフロアが、車両前方側が低く車両後方側が高くなる段差を有し、前記車室内に配設された乗員用シートを、前記段差の高い上段側において着座可能状態とされた使用位置と、前記段差の低い下段側において倒立状態とされた格納位置との間で、変位させるシート格納構造であって、前記シートを、前記使用位置から車両前方に向けてスライド変位させて、前記シートの前部を、前記下段の上方に突出させるスライド機構部と、前記スライド機構部により前記車両前方に変位された前記シートを、該シートの前部が前記段差の低い側に落とし込まれ、かつ該シートの後部が跳ね上げられるように、回動させる回動機構部とを備え、前記回動機構部の回動中心は前記フロアに対して固定されていることを特徴とする。
本発明に係る自動車のシート格納構造によれば、シートは、使用位置から格納位置に至るに際し、スライド機構部によって、車両前方へスライド変位されて、その重心が車両の前方に変位する。
一方、回動機構部の回動中心はフロアに対して固定されているため、シートが車両前方にスライド変位するのに伴って、このシートの重心位置は、使用位置(着座可能状態)にあるときよりも、回動機構部の回動中心に近づく。
ここで、シートを回動中心回りに回動させるのに要する操作力は、モーメントの釣合い条件により、回動中心からシートの重心までの車両前後方向に沿った距離が短くなるにしたがって小さくなる。
よって、本発明に係る自動車のシート格納構造によれば、シートを、使用位置からそのまま回動させる従来のシート格納構造に比べて、シートを格納位置に格納するのに要する操作力を軽減させることができる。
以下、本発明の自動車のシート格納構造に係る最良の実施形態について、図面を用いて説明する。
図1,2は、自動車の車室に配された第2列目の乗員用シート80を、車体の側方から視た図であり、図1(a)に示す使用位置と、図2(b)に示す格納位置との間で、シート80を変位させる本発明の一実施形態に係るシート格納構造を示すものである。
ここで、本実施形態のシート格納構造は、車室のフロアパネル10は車両前方F側が低く車両後方R側が高くなる段差を有し、シート80は、この段差の上段側のフロアパネル11(以下、上段フロアパネル11という。)において、乗員が着座可能の使用位置となり、この段差の下段側のフロアパネル12(以下、下段フロアパネル12という。)において、倒立状態とされた格納位置となる。
そして、使用位置においては、図1(a)に示す通り、シート80の腰掛け部であるシートクッション部81の全体が上段フロアパネル11上に配置された状態となっている。
このシートクッション部81の内部には、図3の斜視透視図に示すように、シートクッション部81の骨格をなすシートライザ83とシートフレーム84とが組み込まれている。シート80の背もたれ部であるシートバック部82にも同様にシートフレームが組み込まれているが、図示を省略している。
そして、このシート格納構造は、シート80を図1(a)の使用位置から車両前方Fに向けてスライド変位させて、図2(a)に示すように、シート80の前部81aを下段フロアパネル12の上方に突出させるスライド機構部20と、スライド機構部20により車両前方Fに変位されたシート80を、図2(b)に示すように、このシート80の前部81aが下段フロアパネル12に落とし込まれ、かつシート80の後部81bが跳ね上げられるように、回動させる回動機構部30とを備え、回動機構部30の回動中心31はフロアパネル10に対して固定されている構成である。
ここで、スライド機構部20は、図3,4に示すように、シートライザ83の下部に固定され、このシート80の車両前後方向に沿って延設されたアッパーレール22(シート側レール)と、図4のA−A線断面である図5に示すように、コロ23を介してアッパーレール22と係合し、アッパーレール22を車両前後方向に摺動可能とするロアレール21(シート側レール)とを備えている。なお、図4において、二点鎖線で示したアッパーレール22は、シート80の使用位置における状態を表し、実線で示したアッパーレール22は、シート80をスライド機構部20によるスライド範囲の前端に位置した状態を表している。
ここで、スライド機構部20によるシート80のスライド範囲は、図2(a)に示すように、そのスライド範囲の前端において、シート80の重心位置Gが後述する回動中心31の位置よりも車両前方Fに位置するように設定されている。
具体的には、スライド範囲の前端におけるシート80の重心位置Gは、車両前後方向に沿った長さLGだけ、回動中心31よりも車両前方Fに位置している。
回動機構部30は蝶番状に形成されており、蝶番の一方の板状体に相当する下板32は、図4,5に示す通り、上段フロアパネル11に固定され、他方の板状体に相当する上板33は、ロアレール21の前部の下面に固定されている。
なお、上板33は、ロアレール21に予め溶着されることによりロアレール21に固定されており、下板32は、図5に示すように、上段フロアパネル11の凹部11aの背面側に予め溶着されたウェルドナット13に、ワッシャ15を介してボルト14を螺合することによって、この上段フロアパネル11に固定されている。
蝶番のヒンジ部に相当する回動中心31は、上段フロアパネル11と下段フロアパネル12とを接続する壁部フロアパネル18と、上段フロアパネル11との切替え部の近傍に配置されており、上板33が上段フロアパネル11に固定された下板32に対して、回動中心31回りに回動することにより、ロアレール21およびアッパーレール22が回動し、シート80は車両前方Fへの転動が可能となっている。
一方、ロアレール21の後端部は、図4に示すように、スライド機構部20によってスライド範囲の前端まで変位されたシートクッション部81の下面の後端よりも後方Rに突出しない長さに設定されている。
また、このロアレール21の後端部には、上段フロアパネル11に設けられたストライカピン16と係合して、ロアレール21が回動するのを阻止する回動ロック機構40が備えられている。
この回動ロック機構40は、図6に示すように、軸41によってロアレール21に対して回転可能に軸支され、この回転可能範囲で、先端フック部42aがストライカピン16に係脱するカムレバー42と、このカムレバー42をストライカピン16に係合する回転方向に付勢する図示しないスプリングと、ロアレール21が上方に回動した状態から降下する際に、カムレバー42がストライカピン16に係合する位置に適切に降下するように、ストライカピン16の周面に沿ってロアレール21をガイドするガイド板43とを備えている。
一方、シートクッション部81には、この回動ロック機構40のロック状態を解除してロアレール21の回動を許容する回動ロック解除機構50が設けられている。
この回動ロック解除機構50は、操作部と作動部とからなる。作動部は、図6に示すように、アッパーレール22およびシートライザ83の後端部に設けられており、アッパーレール22およびシートライザ83の後端部にリベット締結された台座51と、略L字形状を呈し、このL字の縦部と横部との交差部に通された軸53回りに回動可能のカムプレート54と、このカムプレート54の一端に止着されたケーブル55とを備えている。
なお、ケーブル55は、後述する操作部に作用した操作力を変位として伝達するものであり、アウターケーシング55bの端部は、台座51に固定されたケーブル受け部52に係止され、インナーケーブル55aの端部がカムプレート54に止着されている。
カムプレート54は、操作部に操作力が作用していないときは、図6の実線で示した状態(図示において、反時計回り方向)に付勢されており、このとき、カムプレート54と、カムレバー42とは、互いに接触しないため、相互に作用することはない。
一方、操作部に操作力が作用しているときは、インナーケーブル55aが二点鎖線で示すように変位し、このインナーケーブル55aの変位によって、カムプレート54が軸53回りに図示時計回りに回動し、このときカムプレート54の、インナーケーブル55aが止着されていない側の端部の周面が、二点鎖線で示すように、カムレバー42の周面に当接しつつ、カムレバー42の付勢力に抗して、カムレバー42の先端フック部42aがストライカピン16から離れる方向に、このカムレバー42を図示反時計回りに回動させる。
この結果、カムレバー42とストライカピン16との係合が外れて、回動ロック機構40のロック状態が解除され、ロアレール21の回動が許容される。
一方、回動ロック解除機構50の操作部は、図1〜3に示すように、シートクッション部81の後端部に設けられており、図7および8にその詳細を示すように、シートフレーム84に設けられた台座84aに軸支されて、軸57回りに回動可能とされた操作ハンドル56によって構成されている。
この操作ハンドル56の一端には、作動部まで延びたケーブル55のインナーケーブル55aの他端が止着されており、アウターケーシング55bの他端は、台座84aに固着されたケーブル受け部84cに係止されている。
また、操作ハンドル56は、操作力が作用していないときは、図示実線位置方向に付勢されており、このとき、付勢方向のストッパ84bに突き当てられて、図示実線位置の状態を維持している。なお、この操作ハンドル56に操作力が作用していない実線位置の状態は、図6に示した作動部の実線位置の状態に対応している。
一方、操作ハンドル56に図示上方Uへの操作力が作用して、操作ハンドル56が軸57回りに回動して、図示二点鎖線位置に至ると、この操作ハンドル56に止着されたインナーケーブル55aが、図示二点鎖線位置まで変位し、このインナーケーブル55aの変位により、図6に示した作動部に操作力が伝達される。このとき作動部は、図6の二点鎖線で示した状態となり、回動ロック機構40のロック状態が解除される。
ここで、回動ロック機構40のロック状態を解除するために、操作ハンドル56に図示上方Uに向けてロック解除操作力が加えられたとき、操作ハンドル56が回動変位する方向は、シート80を回動中心31回りに回動させて格納位置に格納させる操作力を、この操作ハンドル56に加える方向と略一致している。
なお、回動ロック解除機構50はアッパーレール22の後端部に設けられ、一方、回動ロック機構40は、ロアレール21の後端部に設けられているが、ロアレール21の後端部は、スライド機構部20によってスライド範囲の前端まで変位されたシートクッション部81の下面の後端よりも後方に突出しない長さに設定されているため、回動ロック解除機構50の作動部は、シート80がスライド範囲の前端に位置している状態でのみ、図6に示す状態すなわち回動ロック機構40にロック解除力を伝達し得る状態となり、シート80がスライド範囲の他の位置、例えばスライド範囲の後端部にあるときや、スライド範囲の中間位置にあるとき等、スライド範囲の前端以外の位置にあるときは、操作ハンドル56に操作力を作用させても、回動ロック解除機構50が回動ロック機構40のロック状態を解除することはない。
また、本実施形態のシート格納構造には、スライド機構部20によるシート80のスライド可能状態を阻止するスライドロック機構60(図3)が設けられている。
このスライドロック機構60は、スライド機構部20によるシート80のスライド範囲の任意の位置で、ロアレール21に対するアッパーレール22の摺動をロックし、またはこのロックを解除する機構であり、その詳細は、図8(a)、同図(b)、および図9に示すように、シートクッション部81の左右両側にそれぞれ対応して設けられた2つのロアレール21の相対向する側壁部に、このロアレール21の長手方向に沿って所定の間隔を以て形成された多数のラッチ孔21aと、先端のラッチ63aが、このラッチ孔21aに進入した位置とラッチ孔21aから離脱した位置との間で変位可能とされ、進入した位置方向に付勢されたラッチアーム63と、シートフレーム84に支持された複数のブラケット64によって、シートライザ83と略平行に、かつ軸回りに回転可能に支持され、この回転によって、ラッチアーム63を、ラッチ孔21aに進入した位置とラッチ孔21aから離脱した位置との間で変位させるロック・解除操作棒62と、一方のラッチアーム63(図示においては、車両の左側のラッチアーム63)の変位を他方のロアレール21側に配設されたラッチアーム63(図示においては、車両の右側のラッチアーム63)に連動させるリンク機構とを備えている。
ここで、ロック・解除操作棒62の前後両端にはそれぞれ、この操作棒62を軸回りの回転させる操作力を加えるレバー61,61が固着されている。
また、リンク機構は、シートフレーム84に固着された台板85と、台板85に軸支された回動片68と、回動片68の両端と各ラッチアーム63,63とを連結するリンク棒66,67とを備えた構成である。
そして、ラッチアーム63のラッチ63aが、ロアレール21のいずれかのラッチ孔21aに進入した位置にあるとき、アッパーレール22とロアレール21との間でのスライドは阻止され、シート80の車両前後方向へのスライドがロックされる。
一方、前後いずれかのレバー61に操作力が加えられると、操作棒62が軸回りに回転し、ラッチアーム63がこの操作棒62回りに回転変位して、ラッチ63aが付勢力に抗してラッチ孔21aから離脱する。この一方のラッチ63aの回転変位は、リンク棒66、回動片68およびリンク棒67を介して、他方のラッチアーム63に伝達され、この他方のラッチアーム63もブラケット64に設けられた軸65を中心として回転変位し、このラッチアーム63のラッチ63aが他方の側のロアレール21のラッチ孔21aから離脱する。
これにより、アッパーレール22とロアレール21とのロック状態は解除され、この解除状態にある期間中は、アッパーレール22をロアレール21に対して自在に前後スライドさせることができる。
そして、スライド範囲のうち所望とする位置において、レバー61に加えていた操作力を除去する(レバー61から手を離す)と、ラッチアーム63は付勢力により、ラッチ63aがラッチ孔21aに進入する方向に回転し、その所望とする位置に形成されたラッチ孔21aにラッチ63aが進入して、アッパーレール22はロアレール21に対してロック状態とされ、前後スライドが阻止される。
次に、本実施形態に係るシート格納構造の作用について説明する。
まず、図1(a)に示すように、上段フロアパネル11上において、乗員が着座可能の使用位置とされているとき、シート80は、スライド機構部20によるスライド範囲のうち後端に位置している。このとき、アッパーレール22の後端は、ロアレール21の後端よりも車両後方Rに位置しており、両レール21,22の後端同士の、車両前後方向の位置はずれている。
またこのとき、アッパーレール22はスライドロック機構60によって、ロアレール21に対してスライド変位が阻止されている。すなわち、アッパーレール22と一体的に変位するシートクッション部81に設けられたラッチアーム63のラッチ63aが付勢力により、図9に示すように、ロアレール21のラッチ孔21aと噛合して、アッパーレール22とロアレール21との相対的なスライド変位が規制されている。
一方、回動機構部30の下板32は、図5に示すように、上段フロアパネル11に締結固定されており、回動機構部30の上板33は回動機構部30単体では下板32に対して回動中心31回りに回動可能であるが、図1(a)に示した使用位置においては、上板33はスライド機構部20のロアレール21の前端部に固定され、かつこのロアレール21の後端部は、回動ロック機構40によりフロアパネル10に係合しているため、上板33は下板32に対して回動するのを阻止されている。
すなわち、回動ロック機構40のカムレバー42が付勢力により、図6の実線で示す位置に付勢され、カムレバー42の先端フック部42aが上段フロアパネル11のストライカピン16に係合して、上板33と下板32との相対的な回動変位が規制されている。
したがって、ロアレール21が回動することはなく、このロアレール21と摺動可能に係合したアッパーレール22およびアッパーレール22に固定されたシート80も回動することはない。
なお、この状態で回動ロック解除機構50の操作ハンドル56を操作しても、ロアレール21とアッパーレール22との両後端同士の位置はずれているため、回動ロック解除機構50から回動ロック機構40に対して、回動ロック状態を解除させる操作力が伝達されることはない。
したがって、この使用状態で、乗員等使用者が誤って操作ハンドル56を上方に引き上げる誤操作を行ったときであっても、回動ロック状態が解除されることがない。そして、このような不用意な操作中に偶発的に車両に急制動が掛って、シート80に、車両前方Fへの慣性力が作用しても、回動ロック状態が維持されているため、シート80が慣性力で前方Fに転動するのを防止している。
なお、ロアレール21はアッパーレール22よりも短いため、使用位置においては、ロアレール21はアッパーレール22の前側半分程度のみを支持しているに過ぎない。このため、シート80の重量やこのシート80に乗員が着座したとき、ロアレール21に大きなモーメントが作用することになる。そこで、図3に示すように、シートフレーム84の後部には、上段フロアパネル11に当接し、スライド機構部20によってシート80がスライドしたとき上段フロアパネル11に当接しながら転がる滑りコロ87を設けるのが好ましい。
このように、滑りコロ87を設けることにより、シート80の重量および着座した乗員の重量を、シート80の後側部分でも支持することができ、ロアレール21に作用する荷重を軽減するとともに、シート80をバランスよく支持することができる。
なお、使用位置におけるシート80の重心位置Gは、上段フロアパネル11の上方にあり、しかも、回動中心31に対して車両後方R側に位置しているため、シート80の自重によって、回動機構30を回動させることはない。
次に、シート80に設けられた周知のリクライニングボタン88を操作すると、図1(b)に示すように、シートバック部82がシートクッション部81に折り重なるように倒される。そして、スライドロック機構60を解除操作して、シート80が車両前方Fにスライドされる(図2(a))。
すなわち、図8,9に示すように、ラッチアーム63に作用する付勢力に抗してレバー61をロック解除方向に回転操作すると、このレバー61に固定されたロック・解除操作棒62が回転し、これによって、一方のラッチアーム63のラッチ63aが、ロアレール21のラッチ孔21aから離脱するとともに、このラッチアーム63の動きはリンク棒66、回動片68およびリンク棒67を介して他方のラッチアーム63に伝達され、この他方のラッチアーム63のラッチ63aが、ロアレール21のラッチ孔21aから離脱し、スライドロック状態が解除されて、アッパーレール22はロアレール21に対してスライド変位可能となる。
次いで、このスライド変位可能の状態を維持しつつ、すなわちレバー61を回転させた状態を維持しつつ、シート80に車両前方Fへの操作力を作用させて、シート80を、図2(a)に示すようにスライド範囲の前端までスライド変位させる。
このシート80のスライド変位は、アッパーレール22がロアレール21に対して車両前方Fにスライド変位することによって行われる。そして、スライド変位後は、レバー61を回転操作した状態に維持する必要はなく、解放してもよい。
シート80がスライド範囲の前端に位置した状態においては、アッパーレール22の後端位置とロアレール22の後端位置とが略一致し、図6に示すように、回動ロック機構40と回動ロック解除機構50とが対面し、回動ロック解除機構50による回動ロック解除の操作力が回動ロック機構40に伝達可能の位置関係となる。
また、シート80がスライド範囲の前端に位置した状態においては、シート80の重心位置Gは、回動機構部30の回動中心31よりも車両前方Fに突出した状態となっている。
ここで、使用者が、回動ロック解除機構50の操作ハンドル56を上方Uに向けて操作力を加えると、図7に示すように、操作ハンドル56が軸57回りに、二点鎖線で示した位置まで回動変位し、これによって、ケーブル55のインナーケーブル55aがアウターケーシング55bから引き出されるように変位する。
そして、このインナーケーブル55aの変位は、図6に示したカムプレート54を二点鎖線で示した位置まで回動変位させ、カムプレート54は、この回動変位の過程で、その周面が、回動ロック機構40のカムレバー42の周面に当接しつつ、このカムプレート54の周面形状とカムレバー42の周面形状とによって規定されるカム動作で、カムレバー42を、実線で示した回動ロック状態の位置から、二点鎖線で示す位置に回動変位させる。
この二点鎖線で示した位置においては、カムレバー42の先端フック部42aは、上段フロアパネル11に設けられたストライカピン16から離脱しているため、ロアレール21の後端における固定が解除されたこととなり、ロアレール21は、その前端が、回動機構部30の上板33に固定されたのみの状態となる。
ここで、シート80の重心は、回動中心31よりも車両前方Fに位置しているため、シート80には、回動中心31に関して、図示反時計回りのモーメント、すなわちシート80の前部81aが下段フロアパネル12に落とし込まれ、かつシート80の後部81bが跳ね上げられるように転動(回動)されるモーメントが作用する。この結果、シート80は、図2(b)に示すように、下段フロアパネル11において倒立状態となり、この倒立状態が、シート80の格納位置における格納状態となる。
なお、フロアパネル10の上段フロアパネル11と下段フロアパネル12とを繋ぐ壁部フロアパネル18に、ゴム等弾性材料で形成されたストッパ18を設けるとともに、格納位置におけるシート80のシートフレーム84の、ストッパ17に対向する部分に、このストッパ17と突き当てられるストッパ受け部86を設けるのが好ましい。
このように、ストッパ17およびストッパ受け部86を設けた構成のシート格納構造によれば、シート80が、図2(a)に示した位置から同図(b)に示した格納位置に転動したとき、格納位置におけるシート80の運動エネルギを適切に吸収することができ、フロアパネル10やシート80に無用な損傷を与える虞を回避することができる。
また、シート80が格納位置へ転動するときの勢いを緩和するために、上板33と下板32とに架け渡すように、粘性抵抗を利用したショックアブソーバ34を設けるのも好ましい。この場合、ショックアブソーバ34は、シート80を格納位置に保持する保持部材としても機能しうる。
もちろん、シート80を格納位置に保持する保持部材を別途設けた構成としてもよく、そのような保持部材としては、上板33と下板32とに架け渡して、両板33,32の間の角度間隔を保持する支持棒や、操作ハンドル56とこのシート80よりも車両前方Fに位置する前席あるいはダッシュボート等とを繋ぐ掛け紐などの形態を採用すればよい。
なお、シート80を格納位置から使用位置に戻す際には、まず支持棒等の保持部材を外して、シート80を図2(b)の位置から図2(a)の位置まで転動させながら持ち上げる。このとき、ロアレール21が上段フロアパネル11に向かって降下し、ロアレール21の後端に設けられた回動ロック機構40のガイド板43の周面が、ストライカピン16の周面に沿いながら降下するため、ストライカピン16に対して回動ロック機構40のカムレバー42が精度よく位置決めされるように、ロアレール21は降下する。
そして、シート80の滑りコロ87が上段フロアパネル11に着地したときに、操作ハンドル56に上方Uに向けた操作力が加えない限り、回動ロック機構40のカムレバー42の先端フック部42aが、付勢力によりストライカピン16に係合し、回動機構部30の回動がロックされた状態(図2(a)の状態)となる。
その後、レバー61に操作力を加えて、スライドロック機構60のスライドロック状態を解除し、シート80を車両後方Rにスライド変位させる(図1(b))。このようにして使用位置に戻された後は、リクライニングボタン88を操作してシートバック部82を起こし、乗員が着座可能の状態に復帰される。
なお、本実施形態においては、図1(b)、図2(a),(b)において、ヘッドレストの記載を省略しているが、シート80の格納操作の際には、シートバック部82からこのヘッドレストを取り外してシート80とは別体で保管してもよいし、ヘッドレストを図(a)に示した状態から反時計回りに略90°回転可能の構造あるいはシートバック部82の背面側に折畳み可能の構造を採用して、ヘッドレストをシートバック82と一体のまま、格納可能としてもよい。
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係る自動車のシート格納構造によれば、スライド機構部20によるシート80のスライド範囲は、スライド範囲の前端におけるシート80の重心位置Gが回動中心31の位置よりも車両前後方向の前方Fに位置するように設定されているため、シート80は、使用位置から格納位置に至るに際し、スライド機構部20によって、その重心位置Gが回動中心31の位置よりも長さLGだけ車両前方Fへ突出する。
一方、回動機構部30の回動中心31はフロアパネル10に対して固定されているため、シート80が車両前方Fにスライド変位するのに伴って、このシート80の重心位置Gは、使用位置(着座可能状態)にあるときよりも、回動機構部30の回動中心31に近づく。
そして、シート80を回動中心31回りに回動させるのに要する操作力は、モーメントの釣合い条件により、回動中心31からシート80の重心位置Gまでの車両前後方向に沿った距離が短くなるにしたがって小さくなるところ、重心位置Gは回動中心位置31よりも車両前方Fに突出しているため、シート80は自重により格納位置に回動する。
したがって、シート80を格納位置に回動させるための操作力を不要とすることができる。
また、スライド機構部20は、シート80の下面に、シート80の車両前後方向に沿って延設されたアッパーレール22と、アッパーレール22を車両前後方向に摺動可能にこのアッパーレール22と係合するロアレール21とを備え、ロアレール21は、アッパーレール22とともに回動中心31回りに回動可能に、その前端部が回動機構部30に支持されているため、簡単な構成でシート格納構造を実現することができる。
さらに、ロアレール21の後端部は、スライド機構部20によりスライド範囲の前端までシート80が変位された状態において、シート80の下面の後端よりも後方に突出しない長さに設定されているため、シート80が格納位置に格納されて倒立状態に保持されているとき、ロアレール21の後端部がシート80の後端から上方に突出することがない。
また、ロアレール21の後端部には、上段フロアパネル11と係合して、ロアレール21の回動を阻止する回動ロック機構40が備えられているため、車両の走行中等、不用意にロアレール21が回動して、シート80が転動するのを防止することができる。
さらに、回動ロック機構40による回動ロック状態を解除してロアレール21の回動を許容する回動ロック解除機構50がシート80に設けられ、この回動ロック解除機構50は、スライド機構部20によるシート80のスライド範囲のうち前端位置(所定位置)にシート80が位置した状態でのみ、回動ロック機構40にロック解除力を伝達するものであるため、スライド範囲の前端位置以外の位置において、回動ロック解除機構50が回動ロック機構40の回動ロック状態を不用意に解除するのを防止することができる。
なお、本実施形態のシート格納構造は、スライド範囲の前端におけるシート80の重心位置Gが、車両前後方向に沿った長さLGだけ、回動中心31よりも車両前方Fに位置しているものであるが、このLGの長さとしては、例えば10cm以内、好ましくは0cmすなわち車両前後方向に沿った方向に関して、スライド範囲の前端におけるシート80の重心位置Gと回動中心31とを一致させるのが適当である。
スライド範囲の前端におけるシート80の重心位置Gが、回動中心31よりも車両前方Fに位置することにより、シート80は自重によって転動するため、シート80を格納する方向に転動させる操作に関する限り、このシート80の格納のために要する操作力を略0(ゼロ)にすることができ好ましいが、格納位置に格納されたシート80を使用位置の戻すために、シート80を水平状態まで引き上げる操作に関しては、スライド範囲の前端におけるシート80の重心位置Gが、回動中心31よりも車両前方Fに突出している長さが長い程、バランスをとりにくく、操作しにくいものとなる。
したがって、スライド範囲の前端におけるシート80の重心位置Gは、車両前後方向に沿った方向に関して、回動中心31に近い程好ましく、この観点から、長さLGは10cm以内、好ましくは0cmが適切である。
なお、本発明のシート格納構造においては、スライド範囲の前端におけるシート80の重心位置Gは、必ずしも回動中心31よりも車両前方Fに位置するものでなくてもよい。
すなわち、シート80の重心位置Gは、車両前方Fへスライド変位されることにより、使用位置にあるときよりも回動中心31に近づき、この回動中心31に近づくにしたがって、回動中心31に関するシート80の自重によるモーメントバランスは均衡し易くなり、転動に必要な操作力を小さくすることができる。
したがって、シート80を使用位置から車両前方Fにスライド操作し、シート80の重心位置Gと回動中心31との間の長さを、シート80が通常の着座可能位置である使用位置にあるときよりも短くした状態から、シート80を回動操作するシート格納構造であれば、重心位置Gが回動中心31よりも車両後方R側にある場合であっても、使用位置から全くスライド操作させることなく使用位置からそのまま回動させる従来のシート格納構造に比べて、シート80を格納位置に格納するのに要する操作力を軽減させることができるという効果を発揮する。
よって、本発明のシート格納構造は、シート80を使用位置から車両前方Fに向けてスライド変位させて、シート80の前部81aを下段フロアパネル12の上方に突出させるスライド機構部20と、スライド機構部20により車両前方Fに変位されたシート80を、シート80の前部81aが下段フロアパネル12に落とし込まれ、かつシート80の後部81bが跳ね上げられるように、回動させる回動機構部30とを備え、回動機構部30の回動中心31がフロアパネル10に対して固定されているものであれば足りる。
なお、スライド範囲の前端におけるシート80の重心位置Gが、回動中心31よりも車両前方Fに位置しない構成のシート格納構造であっても、シート80を格納位置に転動させるのに要する操作力を可能な限り軽減させるために、スライド範囲の前端におけるシート80の重心位置Gと回動中心31との間の車両前後方向に沿った長さは10cm以内であることが好ましい。
また、スライド範囲の前端におけるシート80の重心位置Gが、回動中心31よりも車両後方R側にあるものでは、上述したように、シート80を、回動中心31回りに回動させるのに、0(ゼロ)でない正の操作力が必要であるところ、回動ロック解除機構50は、回動ロック状態を解除する操作力が加えられる操作ハンドル56を有し、この操作力が加えられて変位する操作ハンドル56の変位方向(略上方U)が、シート80を格納位置に回動させる操作力を操作ハンドル56に加える方向(略上方U)と略一致するように、操作ハンドル56の変位方向が設定されているため、使用者は、操作ハンドル56に対して、略上方Uに操作力を加えるだけで、回動ロック機構40の回動ロック状態を解除する操作と回動ロック状態が解除された後にシート80を回動させる操作とを連続的に行うことができ、使用者に両操作の区別を意識させることがなく、しかも、回動ロック解除の操作力の勢いを、そのままシート80の回動操作力に使用することができるため、操作性を高めることができる。
また、上述した実施形態のシート格納構造は、シート80の重心位置Gを予め計測等により求めておくことによって、より有用性が高いものであるが、シート80の重心位置Gを正確に求めておかなくとも、例えば、スライド機構部20によるシート80のスライド範囲(長さL1)を、シート80(シートクッション81)の下面における車両前後方向に沿った長さL2(図4参照)の1/2以上に設定しておくことにより、上述した実施形態のシート格納構造と同様の効果を得ることができる。
すなわち、シート80の重心位置Gは、シートバック部82がシートクッション部81に折り畳まれた状態(図1(b))において、シート80(シートクッション81)の下面における車両前後方向に沿った長さL2の概略中央部に存在する。そして、回動中心31は、使用位置(スライド範囲の後端位置)におけるシート80の前端位置と略同一の位置に存在するため、スライド範囲の長さL1をシート80の長さL2の1/2以上に設定することにより、スライド範囲の前端位置にスライド変位されたシート80の重心位置Gは、回動中心31の近傍に存在することとなる。
したがって、このような構成のシート格納構造によっても、本発明のシート格納構造による効果を発揮することができる。
本発明の一実施形態に係るシート格納構造によるシートの格納作用を説明する要部側面図(その1)であり、(a)はシートの使用位置、(b)はシートバックを畳んだ状態、をそれぞれ示す。 図1に示したシート格納構造によるシートの格納作用を説明する要部側面図(その2)であり、(a)はシートがスライド範囲の前端に変位された状態、(b)はシートの格納状態、をそれぞれ示す。 図1,2に示したシート格納構造を示す透視斜視図である。 図3に示したシート格納構造における、図2(a)相当の状態のスライド機構部および回動機構部の位置関係を示す図である。 図4におけるA−A線断面を示す断面図である。 回動ロック機構と回動ロック解除機構との作用を説明する要部側面図である。 回動ロック解除機構の操作部である操作ハンドル周辺を示す要部側面図である。 スライドロック機構を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)における矢視Bによる図である。 スライドロック機構の要部を示す斜視図である。
符号の説明
10 フロアパネル
11 上段フロアパネル
12 下段フロアパネル
17 ストッパ
18 壁部フロアパネル
20 スライド機構部
21 ロアレール(フロア側レール)
22 アッパーレール(シート側レール)
30 回動機構部
31 回動中心
32 下板
33 上板
34 ショックアブソーバ
56 操作ハンドル
61 レバー
80 乗員用シート
81 シートクッション部
81a 前部
81b 後部
82 シートバック部
86 ストッパ受け部
88 リクライニングボタン
F 車両前方
R 車両後方
U 車両上方
G 重心
LG 回動中心と重心との距離

Claims (9)

  1. 車室内のフロアが、車両前方側が低く車両後方側が高くなる段差を有し、前記車室内に配設された乗員用シートを、前記段差の高い上段側において着座可能状態とされた使用位置と、前記段差の低い下段側において倒立状態とされた格納位置との間で、変位させるシート格納構造であって、
    前記シートを前記使用位置から車両前方に向けてスライド変位させて、前記シートの前部を前記下段の上方に突出させるスライド機構部と、前記スライド機構部により前記車両前方に変位された前記シートを、該シートの前部が前記段差の低い側に落とし込まれ、かつ該シートの後部が跳ね上げられるように、回動させる回動機構部とを備え、前記回動機構部の回動中心は前記フロアに対して固定されていることを特徴とする自動車のシート格納機構。
  2. 前記スライド機構部は、前記シートの下面に、該シートの車両前後方向に沿って延設されたシート側レールと、前記シート側レールを車両前後方向に摺動可能に該シート側レールと係合するフロア側レールとを備え、前記フロア側レールは、前記シート側レールとともに前記回動中心回りに回動可能に、その前端部が前記回動機構部に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の自動車のシート格納構造。
  3. 前記フロア側レールは、その後端部が、前記スライド機構部によりスライド範囲の前端まで変位された前記シートの下面の後端よりも後方に突出しない長さに設定されていることを特徴とする請求項2に記載の自動車のシート格納構造。
  4. 前記フロア側レールの後端部には、前記フロアの上段と係合して、該フロア側レールの回動を阻止する回動ロック機構が備えられていることを特徴とする請求項2または3に記載の自動車のシート格納構造。
  5. 前記回動ロック機構による回動阻止状態を解除して前記フロア側レールの回動を許容する回動ロック解除機構が前記シートに設けられ、前記回動ロック解除機構は、前記スライド機構部による前記シートのスライド範囲のうち所定位置に該シートが位置した状態でのみ、前記回動ロック機構にロック解除力を伝達するものであることを特徴とする請求項4に記載のシート格納構造。
  6. 前記回動ロック解除機構は、前記回動阻止状態を解除する操作力が加えられる操作部を有し、前記操作力が加えられて変位する前記操作部の変位方向が、前記シートを前記格納位置に回動させる操作力を前記操作部に加える方向と略一致するように、前記操作部の前記変位方向が設定されていることを特徴とする請求項5に記載のシート格納構造。
  7. 前記スライド機構部による前記シートのスライド範囲は、該スライド範囲の前端における前記シートの重心位置と前記回動中心の位置との車両前後方向に沿った離隔距離が10cm以内となるように設定されていることを特徴とする請求項1から6のうちいずれか1項に記載の自動車のシート格納構造。
  8. 前記スライド機構部による前記シートのスライド範囲は、該スライド範囲の前端における前記シートの重心位置が前記回動中心の位置よりも車両前後方向の前方に位置するように、設定されていることを特徴とする請求項1から6のうちいずれか1項に記載の自動車のシート格納構造。
  9. 前記スライド機構部による前記シートのスライド範囲は、前記シートの下面における車両前後方向に沿った長さの1/2以上であることを特徴とする請求項1から6のうちいずれか1項に記載の自動車のシート格納構造。

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