JP2005271650A - 車両用電子機器の取り付け構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車両用電子機器とインストルメントパネルとのクリアランスの調整作業を削減できる車両用電子機器の取り付け構造を提供する。
【解決手段】 車両用電子機器(30)を収納すべく車室内に向けて開口する開口部(12)、及び、開口部に連なるとともに外方向に向けて拡開し、車室内にて視認面(16)を有する開口周縁部(14)を備えた枠体(10)と、枠体に接合されるインパネ本体部(2)、及び、視認面に乗員側から対向し、視認面の外周縁を施蓋するインパネ開口端部(7)を備えたインストルメントパネル(1)とから構成される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、車両用電子機器の取り付け構造に係り、詳しくは、インストルメントパネルに用いられて好適な車両用電子機器の取り付け構造に関する。
車室内において乗員の前方側にはインストルメントパネルが設けられる。このインストルメントパネルには、種々の計器類などが配置されており、特に、運転席と助手席との間には、乗員の操作に応じて作動させる車両用電子機器が取り付けられている。
この車両用電子機器には、例えば、CDプレーヤ、MDプレーヤ、カセットデッキ及びラジオ等のオーディオの他、エアコン、ナビゲーション、タコグラフや車間距離警報モニタに用いられる各ユニット、並びに各種の操作スイッチ等が該当する。また、この車両用電子機器とともに小物入れやカップホルダ等を設ける場合もあり、これら車両用電子機器等(以下、電子機器とする)は適宜選択される。
そして、これら電子機器をインストルメントパネルに確実に組み込むための車両用電子機器の取り付け構造の技術が提案されている(特許文献1)。
特開平11−5496号公報(図3等)
ところで、上述の電子機器は一般に樹脂製のケース内に収納され、このケースは金属製のブラケットを介してインストルメントパネルの本体部(インパネコア)側に接合されている。また、インストルメントパネルは、その車室側から本体部に接続される正面部を備える他、この正面部を更に覆う化粧パネルを別途備えており、当該化粧パネルは正面部にクリップで接続されている。
そして、電子機器が収納されたケースをブラケットに接合し、このブラケットを本体部や正面部に接合した後に、上記化粧パネルが上記ケースやブラケットを遮蔽している。これは、特に金属製のブラケットが乗員に視認されないようにするためである。つまり、電子機器と化粧パネルとの位置関係が重要であり、これにより、乗員には、電子機器、電子機器と化粧パネルの端部とのクリアランス、及び化粧パネルを認識させ、ブラケット等を認識させない。
しかしながら、電子機器と化粧パネルとは、ケース及びブラケットの2部品を経由して隣り合って配置されている。よって、化粧パネルを組み付けるまではブラケット等を確実に遮蔽できるか否かは不明であり、しかも、電子機器の取り付け作業において、電子機器と化粧パネルの端部とのクリアランスの調整作業が別途必要になるとの問題がある。
また、そのクリアランスの大きさによっては調整自体が困難になってしまうという問題も生ずることになる。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、車両用電子機器とインストルメントパネルとのクリアランスの調整作業を削減できる車両用電子機器の取り付け構造を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するべく、請求項1記載の車両用電子機器の取り付け構造は、車両用電子機器を収納すべく車室内に向けて開口する開口部、及び、開口部に連なるとともに外方向に向けて拡開し、車室内にて視認面を有する開口周縁部を備えた枠体と、枠体に接合されるインパネ本体部、及び、視認面に乗員側から対向し、この視認面の外周縁を施蓋するインパネ開口端部を備えたインストルメントパネルとから構成されることを特徴としている。
また、請求項2記載の発明では、枠体は箱状に形成されることを特徴としている。
従って、請求項1記載の本発明における車両用電子機器の取り付け構造によれば、車両用電子機器を収納する枠体がインパネ本体部に接合されるとともに、この枠体自体が乗員に視認されて意匠面として機能する開口周縁部を備えている。よって、従来の如く車両用電子機器と化粧パネルの端部とのクリアランスを調整すべく、金属製のブラケットをインストルメントパネルで遮蔽する必要が無い。換言すれば、車両用電子機器を枠体に収納した時点で上記クリアランスの調整作業が終了しているのである。この結果、従来に比して車両用電子機器の取り付けに関する工数が削減され、作業の効率化を図ることができる。
また、開口周縁部が乗員に視認可能な状態に構成され、従来の如く車両用電子機器と化粧パネルの端部とが金属製のブラケット等を経由して隣接しないので、車室内の装飾性を維持できる。
更に、請求項2記載の発明によれば、車両用電子機器が箱状の枠体に収納されることから、車両用電子機器の取り付け構造の剛性が向上し、軋み等の異音を抑制できる。
以下、図面により本発明の実施形態について説明する。
当該図示の車両用電子機器の取り付け構造はトラックやバスの大型車両に用いられ、その車両の車室内において乗員の前方側にはインストルメントパネル1が設けられている。このインストルメントパネル1は、車幅方向に延出され、例えば樹脂製の柔軟な表皮材で構成されており、この表皮材の裏面に所定肉厚のウレタンフォーム等のスポンジ状部材を設けて一体成形されている。そして、インストルメントパネル1は鋼板製の図示しないリーンフォースメント部材で補強される。このリーンフォースメント部材は図示しないキャブボディに固定されている。
インストルメントパネル1は、インパネ本体部(インパネコア)2及びインパネ正面部6から構成されている。このインパネ本体部2は、運転席から助手席に至って配置され、種々の計器類や通風口などが設けられている。乗員は表示板4を介して各種の運転状態を把握する。一方、このインパネ正面部6は、インパネ本体部2を乗員側から覆うものであり、クリップ等を介してインパネ本体部2に接合されている。そして、インストルメントパネル1は、表示板4を配設させた運転席側ではステアリングコラム8を跨いで設置されている。
インパネ正面部6の運転席と助手席との間には開口部分が設けられており、この開口部分に枠体10が配設される。この枠体10にはオーディオ用ユニットを始めとする各種の車両用電子機器や小物入れ等(以下、電子機器とする)が収納される。
当該枠体10の詳細は図2に示される。この枠体10は、樹脂で構成され、2つの枠本体部11,11から構成されている。各枠本体部11は、箱状に形成されており、車室内に向けて開口する開口部12を備えている。この開口部12は四角形状に形成されている。また、この開口部12には、該開口部12に連なるとともに車両前方側に向けて延出された四角形状の胴部24が設けられている。この胴部24の車両前方側の端部分には四角形状の開口部27が形成され、更に、胴部24の側面部分には電子機器を締結させるボルト締結部26が設けられている。
なお、本実施形態においては、枠本体部11には4組のボルト締結部26が配置され、開口部12から車両前方側に向けて収納される電子機器を4段に重ねて収納することが可能に構成されている。
一方、上記開口部12には開口周縁部14が設けられている。この開口周縁部14は、開口部12に乗員側で連なるとともに外方向に向けて拡開して構成されている。より具体的には、開口周縁部14は、開口部12を形成する四角形の各辺に沿って車幅方向及び車両上下方向に延出される乗員視認面部(視認面)16を備えている。
更に、この開口周縁部14は、その側面部分にて乗員視認面部16から車両前方側に延出される枠体結合部を備えている。当該枠体結合部は、枠本体部11を並設させる場合に用いられるものであり、枠本体部11毎に乗員側に向けて凹部を備えた枠体結合凹部18と、車両前方側に向けて凹部を備えた枠体結合凹部19とを1つずつ備えている。
つまり、本実施形態の如く2つの枠本体部11を車幅方向に並設させる場合には、一方の枠本体部11の枠体結合凹部18と、他方の枠本体部11の枠体結合凹部19との各凹形状の底部分が互いに密着するように結合させる。
また、この開口周縁部14は、その上下面部分にて乗員視認面部16から車両上下方向に延出されるインパネ本体締結部20,22をそれぞれ備えている。
そして、インストルメントパネル1と枠体10とは、まず、電子機器を搭載した枠体10をインパネ本体部2に当接させ、開口周縁部14のインパネ本体締結部22の位置にて乗員側からボルトを挿入し、枠体10をインパネ本体部2に固定する(図3(b))。なお、開口周縁部14のインパネ本体締結部20においても同様に固定する。
次いで、図示しないクリップを用い、インパネ正面部6を乗員側からインパネ本体部2に接続すると、同図(a)に示されるように、インパネ正面部6のインパネ開口端部7が開口周縁部14の視認面16に対向する。なお、このインパネ開口端部7と視認面16とは当接させない。当接させ続けることに伴う車両走行時の異音を防止するためである。
これにより、インパネ開口端部7は視認面16の外周縁を、換言すれば、視認面16を車両上下方向及び車幅方向に亘って部分的に施蓋することになる。
そして、図4に示されるように、本実施形態の枠体10においては、運転席側の枠本体部11には、CDプレーヤ、MDプレーヤ、カセットデッキ及びラジオを備えたオーディオ用ユニット(車両用電子機器)30が上から1段目及び2段目に収納され、この3段目にはエアコン用ユニット(車両用電子機器)32が収納され、最下段である4段目には各種の操作スイッチ(車両用電子機器)34が収納されている。一方、助手席側の枠本体部11には、その上から1段目及び2段目に蓋付きの小物入れ36が収納され、この3段目にはカップホルダ38が、また、4段目には灰皿及びライタ40がそれぞれ収納されている。
以上のように、本実施形態の車両用電子機器の取り付け構造は、収納する側の部品の表面を乗員に視認される意匠面にする点に着目したものである。
そして、このインパネ本体部2に固定された上記収納する側の部品を枠体10とし、車両用電子機器は、その表面が枠体10の表面たる視認面16と同一面上となるように、枠体10内に組み付けられている。つまり、この枠体10は、従来のブラケット、ケース及び化粧パネルを併せ持つ部品として構成されているのである。
よって、当該取り付け構造では、車両用電子機器30等を枠体10に収納すれば、車両用電子機器30等とインパネ開口端部7との位置関係が不問となる。すなわち、図4に示されるように、車両用電子機器30等は、車幅方向において、開口部12と車両用電子機器30等との間に僅かな隙間を残しつつ、開口周縁部14の視認面16に囲まれており、そして、この視認面16の外周縁部分のみがインパネ正面部6に遮蔽されることになる。
従って、インパネ開口端部7及び車両用電子機器30等は互いの組み付け位置を問題にせず、その位置の誤差が問題にはならないことから、車両用電子機器30等とインパネ開口端部7とのクリアランスの調整作業が不要になる。この結果、従来の取り付け構造に比して車両用電子機器30等の取り付けに関する工数が削減され、作業の効率化が図られる。
また、車両用電子機器30等及び開口周縁部14の視認面16が既に乗員に視認可能な状態に構成されていることから、車室内の装飾性は維持可能となる。
更に、車両用電子機器30等を箱状の枠体10に収納しているので、車両用電子機器30等の取り付け構造の剛性が向上し、車両走行時等における軋み等の異音が抑制される。
以上で本発明の一実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、上記実施形態の枠体10は樹脂製で構成されているが、仮に金属製で構成されていたとしても、少なくとも視認面16が塗装されているのであれば、上記枠体は必ずしも樹脂製の構成に限定されるものではない。
また、枠体10は、2つの枠本体部11で構成される他、1つの枠本体部11で構成されていても良く、この場合にも上記と同様に、車両用電子機器30等とインパネ開口端部7とのクリアランスの調整作業が不要になり、作業の効率化が向上するとの効果を奏する。
更に、この枠体10内に収納される物品は、上述の車両用電子機器30に限定されない。すなわち、これら電子機器の他、ナビゲーション、タコグラフ、或いは車間距離警報モニタ等に用いられる各ユニット(車両用電子機器)を適宜選択して収納しても良い。また、小物入れやカップホルダ等のように、運転席と助手席との間に配置されて必要となる種々の物品も適宜選択して当然に収納できる。
本発明の一実施形態に係る車両用電子機器の取り付け構造を備えたインストルメントパネルの斜視図である。 図1における枠体の斜視図である。 (a)は図1のa−a線矢視断面図であり、(b)は図1のb−b線矢視断面図である。 図1の取り付け構造に対して車両用電子機器等を取り付けた正面図である。
符号の説明
1 インストルメントパネル
2 インパネコア(インパネ本体部)
6 インパネ正面部
7 インパネ開口端部
10 枠体
11 枠本体部
12 開口部
14 開口周縁部
16 視認面
20 インパネ本体締結部
22 インパネ本体締結部
30 オーディオ用ユニット(車両用電子機器)
32 エアコン用ユニット(車両用電子機器)
34 操作スイッチ(車両用電子機器)
36 小物入れ
38 カップホルダ
40 灰皿及びライタ

Claims (2)

  1. 車両用電子機器を収納すべく車室内に向けて開口する開口部、及び、該開口部に連なるとともに外方向に向けて拡開し、前記車室内にて視認面を有する開口周縁部を備えた枠体と、
    前記枠体に接合されるインパネ本体部、及び、前記視認面に乗員側から対向し、該視認面の外周縁を施蓋するインパネ開口端部を備えたインストルメントパネルと、
    から構成されることを特徴とする車両用電子機器の取り付け構造。
  2. 前記枠体は、箱状に形成されることを特徴とする請求項1に記載の車両用電子機器の取り付け構造。
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