JP2005271394A - 射出成形金型におけるコールドランナー装置のノズル構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 コールドランナー装置のノズル先端をキャビティへ側に対し成形材料の給送圧により圧接させるようにして、対接状態の調整を殆ど不要にし、ゴム等の成形材料の洩れを防止し、段替え作業を容易に行えるようにする。
【解決手段】 キャビティ11を形成する上下型12,13よりなる金型10と、コールドランナーブロック20と、ノズルブロック30を有し、ノズルブロックの構造として、ノズル本体31の内孔32に筒形ピース33を螺合手段により固着し、ゲート38を有するノズルピース35を筒形ピース33の内部に遊嵌し、下端部を下方に突出させて進退可能に設け、ノズルピース35の下端面をキャビティへの注入口15周辺に対し成形材料の給送圧により圧接させるようにする。
【選択図】 図2
【解決手段】 キャビティ11を形成する上下型12,13よりなる金型10と、コールドランナーブロック20と、ノズルブロック30を有し、ノズルブロックの構造として、ノズル本体31の内孔32に筒形ピース33を螺合手段により固着し、ゲート38を有するノズルピース35を筒形ピース33の内部に遊嵌し、下端部を下方に突出させて進退可能に設け、ノズルピース35の下端面をキャビティへの注入口15周辺に対し成形材料の給送圧により圧接させるようにする。
【選択図】 図2
Description
本発明は、主としてゴム製品の加硫成形に用いられる射出成形金型におけるコールドランナー装置のノズル構造に関するものである。
例えば、自動車等における防振ゴム部品やシフトレバーの関節部保護用のブーツ、その他の各種のゴム製品の加硫成形方法の一つとして、射出機ノズルから未加硫のゴム材料を射出し、これをランナー及びノズルを通じて金型内のキャビティに注入して加硫成形する方法が知られている。
この加硫成形においては、一般に、射出機ノズルから射出されるゴム材料をキャビティに給送するランナー内での給送停止中、すなわち1回の加硫成形毎の給送停止中の加硫の進行を防止する目的で、コールドランナー装置を備える射出成形金型が使用されている(例えば、下記特許文献1〜5等)。
コールドランナー装置を備える射出成形金型は、例えば図15に例示するように、成形用のキャビティ211を形成する開閉可能な上下両型212,213よりなる金型210と、前記上型212の上面に断熱材層228を介して締結され、射出機ノズルから射出されるゴム材料を前記キャビティ211に給送するコールドランナー221を形成するコールドランナーブロック220とを有し、前記コールドランナーブロック220の下面に、前記ゴム材料をコールドランナー221から前記キャビティ211に注入するためのノズルを構成するノズルブロック230が付設されている。
前記金型210の上下両型212,213には該金型210を加熱するための加熱媒体を通す流通路217が設けられている。一方、前記コールドランナーブロック220には、該ブロックを構成する上下のランナープレート222,223に冷却媒体を通す流通路227a,227bが設けられている。前記ノズルブロック230は、前記上型212の凹所214において周囲に所要の空間218を保有して、ノズル先端部230aのみを前記上型212における前記キャビティ211への注入口215の部分に対接させるようにしている。
前記の対接部においては、ノズル孔先端を前記注入口215に合致させて、かつゴム材料等の洩れを防止する必要がある。そのため、例えば図15のように前記上型212における凹所底面のキャビティ211への注入口215の部分を凹設し、該凹設部219に前記ノズル先端部230aを嵌合してその先端面を凹設部219の底面に対接させるようにしている。
特開平5−185473号公報
特開平5−269807号公報
特開平7−156200号公報
特開平9−70853号公報
特開2000−280293号公報
しかしながら、前記従来のコールドランナー装置におけるノズル構造は、ノズル先端部230aが前記ノズルブロック230と一体に固定されて設けられているために、前記コールドランナーブロック220を上型212に締結する際、ノズル先端部230aと前記上型212のキャビティ211への注入口215部分との対接状態等の調整が容易でなく、特に多数個取りの金型の場合にその調整に手間取り、調整が不完全な場合には、対接部からゴム材料の洩れが発生するおそれがあった。
また、加硫成形対象のゴム製品のサイズや形状変更のための段替えにおいては、前記のノズル先端部230aの対接部の調整が容易でないため、ゴム材料等の洩れが生じ易くなり、トラブル発生の原因にもなっていた。
さらに、ノズル部分の掃除は、プレス装置から加硫金型を取り外した上で、コールドランナーブロック220とノズルブロック230とを分解して行う必要があり、その作業に手数がかかるものであった。
本発明は、上記に鑑みてなしたものであり、主としてゴム製品等の成形品を加硫成形するための射出成形金型におけるコールドランナー装置のノズル構造として、従来の固定式ノズルに代えてノズル先端部を可動式のノズルピースとし、成形材料の給送圧を利用してノズル先端をキャビティへの注入口周辺に確実に圧接させるようになし、その対接状態の調整を容易にあるいは不要にして、ゴム等の成形材料の洩れを防止でき、しかも段替え作業を容易に行えるようにしたものであり、さらにはノズル部分の掃除も容易に行えるようにしたものである。
上記の課題を解決する本発明は、成形用キャビティを形成する上下両型を含んでなる金型と、該金型の前記上型の上面に断熱材層を介して取り付けられて射出機ノズルから射出される成形材料を給送するコールドランナーを形成するコールドランナーブロックとを有し、前記コールドランナーブロックの下面に、前記成形材料を前記コールドランナーから前記金型の前記キャビティに注入するためのノズルを構成するノズルブロックとからなる射出成形金型において、前記ノズルブロックは、前記コールドランナーに連続する内孔を有しかつ前記コールドランナーブロックの下面に固定されたノズル本体の下部内に、絞り形状のオリフィスよりなるゲートを有するノズルピースが、その先端部を突出させた状態で成形材料の給送方向に進退可能に保持せしめられてなり、該ノズルピースの下端面が成形材料の給送圧により前記上型におけるキャビティへの注入口周辺に対して圧接せしめられるように構成されてなる、コールドランナー装置のノズル構造を特徴とする。
この構成のノズル構造によれば、ノズル先端部のノズルピースは、ノズル本体に対して成形材料の給送方向に進退可能に保持されているため、前記金型の上型にコールドランナーブロックを取り付ける際には、前記ノズルピースの先端面が前記上型におけるキャビティへの注入口周辺に対して完全に接していなくても、成形時には、該ノズルピースが成形材料の給送圧に押されて進出することにより、その先端面がキャビティへの注入口周辺に対して完全にかつ強く圧接せしめられるので、ゴム洩れが生じるおそれがない。
またそのため、コールドランナーブロックと上型とを締結する組み立て時、あるいは段替えによる組み立ての際に、前記ノズルピースの先端面を上型のキャビティへの注入口周辺に密に対接させる必要がなくなり、その対接状態の調整等が殆どもしくは全く不要となり、組み立て作業及び段替え作業が極めて容易に行えることになる。
前記のコールドランナー装置のノズル構造において、ノズルブロックのノズル本体の内孔には、筒形ピースがその下端部をノズル本体より下方に突出させた状態で螺合手段により固着され、該筒形ピースの内部に前記ノズルピースが遊嵌されて、成形材料の給送方向に進退自在に遊嵌されて保持され、該ノズルピースの先端部が前記筒形ピース下端より下方に突出せしめられてなるものとすることができる。
この場合、前記ノズルピースの組込みが容易になる上、ノズル部分を掃除する際は、コールドランナーブロックから金型を取り外し、前記筒形ピースを前記ノズル本体から螺合操作により抜脱するだけでよく、プレス装置にコールドランナーブロックを残したままでノズル部を分解し掃除できる。また、ノズルピースの取替も前記同様に容易に行える。
前記のコールドランナー装置のノズル構造において、前記筒形ピースは、その下端開口部の口径が上側部分よりやや径小で、該下端開口部の内側に段部が形成されており、該筒形ピースに遊嵌されたノズルピースは、その下部が前記下端部開口に遊嵌できるように上部より径小に形成され、前記上部と下部との間の段差部が前記筒形ピース内周の段部に係合することにより下方への変位が規制されるように設けられている。これにより、前記ノズルピースは筒形ピースから下方に抜脱することなく保持される。
前記ノズルピースは、前記ゲートより上側のノズル孔部分が、該ゲートより下方側のノズル孔部分より大きいテーパ状(即ち、開き角度(勾配)が大きいテーパ状)をなしているものが好ましい。このように構成されていると、ノズルピースが成形材料の給送圧を受け易く、ノズルピースを確実に進出させることができ、前記のように、注入口周辺に対し確実に圧接させることができる。
前記のコールドランナー装置のノズル構造においては、前記ノズルブロックが冷却媒体の流通部を備え、該流通部が前記内孔の周りを螺旋状に旋回する流路により形成されていてもよい。ノズルブロックを冷却するための冷却媒体用流通部としては、単に前記内孔の周りを取り囲む筒状空間部により形成することもできるが、この場合、冷却媒体が筒状空間部の軸方向上端部のみをシートカットするように流れてしまい、筒状空間部の軸方向全体で均一に冷却されないおそれがある。このような場合に、流通部を上記のように内孔の周りを螺旋状に旋回する流路により構成することにより、流通部を設けた軸方向の全体で均一に冷却することができ、ノズルブロック内における不所望なゴムの加硫進行を防止することができる。
本発明のノズル構造によれば、ノズル先端部をノズル本体とは別の可動式のノズルピースに構成して、成形材料の給送圧を利用してその先端面をキャビティへの注入口周辺に対し確実に強く圧接させるようにしたことにより、構造が簡単で、組み立て時の対接部の調整が殆どもしくは全く不要で、組み立て作業が容易になり、ゴム等の成形材料の洩れを確実に防止できる。また段替え作業も容易に行えるものとなる。
特に、ノズル本体の内孔に対し螺合手段により固着した筒形ピースに前記ノズルピースを遊嵌した構成とすることにより、ノズルピースの組込みが極めて容易になり、ノズル部分の掃除も容易に行えるものとなる。
以下に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明するが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
第1の実施形態は、自動車のスタビライザーブッシュとして使用される二層構造ブッシュに関するものである。この二層構造ブッシュAは、図9及び図10に示すように筒形のブッシュであって、スタビライザーバーが貫通する内孔部a1を有するとともに、胴部外形が、車体取付面に対する当接面となる平坦面a2と該平坦面a2に連続する略U字形周面a3とよりなる。このブッシュAは、摺動性の高いゴム材料よりなる内層ゴムA2と、この内層ゴムA2より剛性や硬度が高くて強度のあるゴム材料よりなる外層ゴムA1とより形成されたものであり、その軸方向両端部にそれぞれフランジa4、a4が設けられている。a5はスタビライザーバーに対する装着用のカット部を示す。
第1の実施形態は、自動車のスタビライザーブッシュとして使用される二層構造ブッシュに関するものである。この二層構造ブッシュAは、図9及び図10に示すように筒形のブッシュであって、スタビライザーバーが貫通する内孔部a1を有するとともに、胴部外形が、車体取付面に対する当接面となる平坦面a2と該平坦面a2に連続する略U字形周面a3とよりなる。このブッシュAは、摺動性の高いゴム材料よりなる内層ゴムA2と、この内層ゴムA2より剛性や硬度が高くて強度のあるゴム材料よりなる外層ゴムA1とより形成されたものであり、その軸方向両端部にそれぞれフランジa4、a4が設けられている。a5はスタビライザーバーに対する装着用のカット部を示す。
このブッシュAを製造する製造装置は、図6及び図7に概略を示すように、上記外層ゴムA1を成形する第1の成形ステージ101と、内層ゴムA2を成形する第2の成形ステージ102と、成形品(ブッシュA)を脱型する脱型ステージ103と、第1及び第2の成型ステージ101,102間に設けられて脱型ステージ103に連なる下型移動ステージ104と、後述する移送台車のための引き込みステージ105と、脱型した製品を回収する製品回収部107とを備えてなる。
第1の成形ステージ101には、外層ゴムA1成形用の第1上型110が不図示のプレス装置により上下動可能に設けられ、また第2の成形ステージ102には、内層ゴムA2を成形する第2上型12が不図示のプレス装置により上下動可能に設けられている。
この製造装置は、ブッシュAの外周形状に対応した型孔を上面側に有する下型13を備える。また、この下型13を、第1の成形ステージ101から第2の成形ステージ102に移動させ、更に脱型ステージ103に移動させるために、第1及び第2の成形ステージ101,102にはそれぞれ下型スライド装置191,192が設けられ、また、下型移動ステージ104には下型13を脱型ステージ103に移送でき、かつ第1の成形ステージ101から第2の成形ステージ102への移送を許容する移送台車140が設けられている。
この製造装置では、第1の成形ステージ101において、下型13の上面に対し外層成形用の第1の上型110を型閉め接合して外層ゴムA1を加硫もしくは半加硫成形する。
図8は、この第1の成形ステージ101における成形時の状態を図示したものであり、このステージではホットランナーからキャビティ内にゴム材料を注入する。詳細には、第1の上型110の下面には中子ピン111が突設されており、下型13との接合時に、中子ピン111を下型13の型孔81に挿入することにより型孔81の内周面との間に外層ゴムA1用のキャビティが形成される。そして、キャビティに対してゴム材料を注入するランナー184が第1の上型110と下型13との接合部に設けられ、第1の上型110の上面の接合口部114から上型110を貫通するスプルー115を通り、更にランナー184を経て上記キャビティ内にゴム材料が注入され、これにより外層ゴムA1が成形されるようになっている。
そして、この成形後に、成形された外層ゴムA1を型孔に残存させたまま第1の上型110を下型13より分離して、下型13を第2の成形ステージ102に移送する。
次いで、第2の成形ステージ102において、内層成形用の第2の上型12を下型13の上面に対し型閉め接合して、外層ゴムA1の内側に積層するように内層ゴムA2を加硫成形する。この成形後に、内外層ゴムよりなる成形品Aを下型13に残存させたまま第2の上型12を下型13より分離して、下型13を脱型ステージ103に移送する。
そして、脱型ステージ103において、脱型装置106により成形品Aを下型13より取り出した後、下型13を第1の成形ステージ101に移送する。以上の工程を繰り返すことにより、ブッシュAが製造される。
本実施形態の特徴とする点は、上記第2の成形ステージ102にあり、以下にその詳細について図1〜5に基づき説明する。
図1において、10は上記内層ゴムA2を成形するためのキャビティ11を有する金型、20は未加硫ゴム等の成形材料を給送するコールドランナー21を形成するコールドランナーブロック、30はノズルブロックである。
この金型10は、上記第2の上型12と下型13とにより開閉可能に設けられており、上型12が不図示のプレス装置にコールドランナーを介して連結される可動側金型として構成されている。
この上型12の上面には、コールドランナーブロック20側のノズルブロック30を配置するための凹所14が設けられており、該凹所14の底面に前記キャビティ11への成形材料の注入口15が設けられている。なお、図3に示すように、凹所14の底面における注入口15の部分には凹設部29が設けられ、この凹設部29内に後述するノズルピース35の先端部が嵌り込むようになっている。
図2に示すように、上型12の下面には中子ピン16が突設されており、下型13との接合時に、中子ピン16を下型13の型孔81に挿入されることにより、第1の成形ステージ101において成形された外層ゴムA1の内周面との間に内層ゴムA2用のキャビティ11が形成される。なお、キャビティ11は、一つの金型10での取り数に応じて複数設けられており、この実施形態では8個設けられている(図7参照)。
上型12には、加熱媒体を通す流通路17が設けられており、該流通路17に加熱媒体(例えば約180℃)を通すことにより上型12は加熱され、この熱によりキャビティ11内に注入されたゴム材料の加硫がなされる。なお、下型13はプレス装置に付設された熱盤(図示せず)により加熱される。
コールドランナーブロック20は、後述のようにコールドランナー21を形成する上下2枚のランナープレート22,23からなり、前記下側のランナープレート23の下面に断熱材層28を介して前記の金型10の上型12が取り付けられている。詳細には、上型12に設けた連結用ブロック51aと、コールドランナーブロック20に設けた連結用ブロック51bとを、両者を貫通するピン51cにより結合することで、上型12の上面にコールドランナーブロック20が固定されている。また、前記断熱材層28は、ノズルブロック30が付設配置される前記凹所14の開口に相当する部分が切除されている。
図2に示すように、上側のランナープレート22には、その中央部の上面に、射出機のノズル(図示せず)が接合される接合口部24が設けられ、この接合口部24からプレート22の下面に貫通するスプルー25が設けられている。
そして、この上側のランナープレート22の下面と、これに接合される下側のランナープレート23の上面とに相対応してランナー用溝21a,21bが形成され、該ランナー用溝21a,21bが前記両プレートの接合により合致せしめられることにより、前記スプルー25から連続するコールドランナー21として形成されている。すなわち前記スプルー25の下端は前記ランナー用溝21aにおいて開口している。前記コールドランナー21は、前記金型10の各キャビティ11への注入口15の上方に対応する位置において上下方向に貫通するランナー孔26に連続している。これら上下ランナープレート22,23には、それぞれ前記コールドランナー21の周辺に、該コールドランナー21を所定の温度に冷却するための冷却媒体(例えば約70℃)を通す流通部27a、27bが設けられており、前記コールドランナー21を低温に保持できるようになっている。
前記のノズルブロック30は、コールドランナーブロック20の下面、すなわち前記下側のランナープレート23の下面の断熱材層28が切除されている部分において、前記凹所14におけるキャビティ11への注入口15と対応位置するように付設されている。このノズルブロック30の外周部には、上型12からの熱を遮断するために、前記凹所14の側面との間に所要の空間18を保有している。
このノズルブロック30は、前記ランナープレート23の下面にボルト等の固定手段(不図示)により固定され、かつ前記コールドランナー21とランナー孔26を経て連続する内孔32を有するノズル本体31の下部内に、成形材料の給送方向となる下方に向かって突出してかつ進退自在に保持されたノズルピース35が設けられてなり、後述する絞り形状のゲートを有するノズルピース35が前記金型10の上型12における凹所14の注入孔15の周辺に対し成形材料の給送圧で圧接せしめられるように設けられている。
具体的には、図3,4に示すように、前記ノズル本体31の上下方向の内孔32に対し下方開口側より挿入されてかつ螺合手段により固着されて下端部33aがノズル本体31より下方に突出した状態の筒形ピース33を備えており、前記ノズルピース35は、該筒形ピース33の内部にその上端から摺動可能に遊嵌されて成形材料の給送方向につまり図の上下方向に進退可能に保持されている。通常、前記ノズルピース35はその下端部が前記筒形ピース33の下端より下方に突出した状態に保持される。
前記筒形ピース33は、その下端開口部の内径が上部側部分の内径より径小で、該下端開口部の内側に段部34が形成されている。一方、前記ノズルピース35は、その下部35bが前記筒形ピース33の下端開口部に遊嵌できるように上部35aより径小に形成されており、前記上部35aが前記筒形ピース33の上部側部分に摺動可能に嵌合し、下部35bが前記下端開口部に摺動可能に嵌合した状態において前記上部35aと下部35bとの間の段差部36が前記筒形ピース内周の段部34に係合することにより、それ以上の下方進出方向の変位が規制されるように保持されており、これにより下方には抜脱しないようになっている。前記ノズルピース35の前記筒形ピース33への組込みは、筒形ピース33をノズル本体31から抜脱した状態で行う。
なお、前記筒型ピース33は、ノズル本体31の内孔32に対し、下端開口部の側から挿入してピン等の手段により下方に抜脱しないように固定することも可能であるが、実施上は、図のように筒形ピース33を前記内孔32に対し螺合手段により脱着可能に設けておくのが、該筒形ピース33の脱着操作が容易になり好ましい。図の37は筒形ピース33の螺合部分を示す。前記筒形ピース33の下端部33aの外形は、六角形等の多角形に形成しておくのが、螺合操作の容易性等の点から望ましい。
いずれにしても、金型10の上型12をコールドランナーブロック20の下面に締結したときは、図3に示すように、前記ノズルピース35の先端部が、ノズル本体31あるいは前記筒形ピース33の下端より所要長さ下方に突出して、上型12における注入口15の周辺に対接して、かつ該ノズルピース35の外周の前記段差部36と前記筒形ピース内周の段部34との間に間隔を有した状態となるように設けられる。
前記ノズルピース35は、その内側のノズル孔の所要個所に絞り形状のオリフィスよりなるゲート(コールドゲート)38が設けられており、加硫成形後の成形品の脱型の際、成形品が該ゲート38の部分で切断できるようになっている。そして、前記ゲート38より上部側のノズル孔部分39aは、該ゲート38より下部側のノズル孔部分39bより大きいテーパ状、例えば開き角度が30°前後のテーパ状をなして、かつ該ノズル孔部分39aの上端部の口径が前記ノズル孔部分39bの下端部の口径より径大(約2〜6倍)に形成されており、これにより、ノズルピース35が、成形材料の給送圧を充分に受けることができて、注入口周辺に対しより強く圧接できるようになっている。
また、前記ノズル本体31の外周部には、冷却媒体の流通部40が設けられており、該ノズルブロック30を冷却できるようになっている。この流通部40は、上記内孔32の周りを螺旋状に旋回しながら軸方向に広がる流路により形成されている。
より詳細には、図3に示すように、ノズル本体31は、内孔32を中空部とする中空円柱状の内側部材31aと、これを取り囲む外側部材31bとからなり、該内側部材31aの外周面に螺旋状の溝52が形成され、この内側部材31aの外周面に外側部材31bをシール状態に嵌めることにより、内側部材31aと外側部材31bとの間に前記溝52によって上記螺旋状の流通部40が形成されている。該流通部40は、ノズル本体31の上部から螺旋状に旋回しながら下方に延び、ノズル本体31の下部の折返し部52aで折り返されて、往路と交差しないように螺旋状に旋回しながら上方に延びて形成されている。また、流通部40は前記ゲート38付近よりも上部側に設けられており、前記ゲート38より上部側のノズル構成部分を確実に冷却できるように設けられている。そして、図2に示すように、流通部40の両端40a,40aが下側のランナープレート23に設けられた冷却媒体の流通部27b,27bと、接続流通路53,53を介して接続されている。
なお、上記の実施例では、ノズルブロック30をノズル本体31と、筒形ピース33と、ノズルピース35との組み合わせからなる場合を示したが、筒形ピースを省略して、ノズルピース35をノズル本体31の内孔に対して成形材料の給送圧により進退可能に変位可能に設けて実施することも可能であるが、ノズルピース35の組込みの容易性から、図示する実施例のように、筒形ピース33を利用するのが好ましい。
上記した実施形態の射出成形金型におけるコールドランナー装置のノズル構造によれば、ノズルブロック30の先端部のノズルピース35は、ノズル本体31に螺合手段により固着された筒形ピース33に遊嵌されて成形材料の給送方向に進退可能に保持されているため、キャビティ11を形成する金型10の上型12にコールドランナーブロック20を締結した際には、前記ノズルピース35が自重で筒形ピース33の下部側に降下して先端部が下方に突出するとともに、その先端面が前記上型12におけるキャビティへ11の注入口15周辺に対接する。
このとき、前記ノズルピース35の先端面が前記注入口15周辺に完全に対接していなくても、成形時には、図5のように該ノズルピース35が成形材料50の給送圧に押されて進出方向に変位することにより、その先端面がキャビティ11への注入口15周辺に対して完全にかつ強く圧接せしめられる。そのため、未加硫ゴム等の成形材料50の洩れが生じるおそれがない。ゴム洩れ等を生じさせることなく加硫成形できる。
またそのため、コールドランナーブロック20と上型12との締結による組み立て時、あるいは段替えによる組み立ての際に、前記ノズルピース35の先端面を上型12のキャビティ11への注入口15周辺に密に対接させる必要がなくなり、その対接状態の調整等が殆どもしくは全く不要となり、組み立て作業及び段替え作業が極めて容易に行えることになる。また、上型12の注入口15の位置が同じであれば、異なる上型に対しても同じコールドランナーブロックを使用することができ、即ち、コールドランナーブロックの共通化が図られる。
しかも前記のノズルピース35は、ノズル本体31の内孔32に螺合手段により固着された筒形ノズル33に遊嵌されているだけで、成形材料の給送圧を利用するものであるため、可動式のノズルピースにするための構造が簡単で、前記ノズルピース35の組込みが容易になり、コスト安価に製作できる上、ノズル部分を掃除する際は、コールドランナーブロック20から金型10を取り外し、前記筒形ピース33を前記ノズル本体31から螺合操作により抜脱するだけでよく、プレス装置にコールドランナーブロック20を残したままでノズル部を分解し掃除できる。また、同様に、ノズルピース35の取替も容易に行える。
更にまた、ノズルブロック30を冷却するための冷却媒体の流通部40を上記のように内孔32の周りを螺旋状に旋回させて設けたことにより、ノズルブロック30を軸方向で均一に冷却することができる。特に、本実施形態のブッシュAの内層ゴムA2には加硫の速いゴム配合が用いられる場合があり、そのような場合に、ノズルブロック30での冷却ムラが生じると、ゲート38より上部側でゴム材料の加硫が進行し、ノズル詰まりを生じるおそれがあるが、上記本実施形態のような螺旋状の流通部40とすることにより、冷却効率が向上し、このような不具合を解消することができる。
なお、上記した本実施形態では、第1の成形ステージ101においてホットランナーからキャビティ内にゴム材料を注入するようにしたが、この第1の成形ステージ101においても、第2の成形ステージ102と同様にコールドランナー装置を用いてゴム材料を注入するようにしてもよい。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について図11〜14に基づき説明する。この第2の実施形態は、自動車等の車両のシフトレバー接続部の保護カバー等に使用する蛇腹状のゴム製ブーツに関するものであり、射出成形金型10aの基本構成は、上記した第1の実施形態における第2の成形ステージ102の金型10と同様である。従って、第1の実施形態と同じ符号を付した箇所は、特に説明しない限り、同じ構成を有するものとして説明を省略する。
次に、第2の実施形態について図11〜14に基づき説明する。この第2の実施形態は、自動車等の車両のシフトレバー接続部の保護カバー等に使用する蛇腹状のゴム製ブーツに関するものであり、射出成形金型10aの基本構成は、上記した第1の実施形態における第2の成形ステージ102の金型10と同様である。従って、第1の実施形態と同じ符号を付した箇所は、特に説明しない限り、同じ構成を有するものとして説明を省略する。
第2の実施形態の金型10aは、プレス装置(図示せず)にコールドランナーを介して連結される可動側金型としての上型12と、固定側金型としての下型13と、中子型54とからなり、これらを型合わせしたとき、上記ブーツを成形するためのキャビティ11が形成されるようになっている。キャビティ11は、通常、一つの金型10での取り数(例えば4個取り等)に応じて、複数(図の場合は2つ)のキャビティ11が設けられる。
そして、この実施形態では、ノズル本体31の外周部に設けられた冷却媒体の流通部56が、上記第1の実施形態の流通部40のように螺旋状に設けるのではなく、前記内孔32の周りを取り囲む筒状空間部により形成されている。詳細には、ノズル本体31の外周面に軸方向において一定深さの凹部58が設けられ、この凹部58を塞ぐようにその外周に筒状部材60を被せることにより、軸方向で厚みが一定の円筒状空間部によりなる流通部56が形成されている。
この場合、低コストに流通部56を形成することができるというメリットがあるため、キュアの遅いゴム配合の場合であれば、ノズルブロック30内における不所望なゴムの加硫進行を防ぎながら、低コストなコールドランナー装置の提供が可能となる。なお、この第2の実施形態のノズルブロック30においても、第1の実施形態と同様の螺旋状の流通部40を設けることもできる。
10…金型、11…キャビティ、12…上型、14…凹所、15…キャビティへの注入口、16…中子、17…加熱媒体の流通路、18…空間、20…コールドランナーブロック、21…コールドランナー、21a,21b…ランナー用溝、22,23…上下のランナープレート、24…口部材、25…スプルー、26…ランナー孔、27a,27b…冷却媒体の流通部、28…断熱材層、29…固定手段、30…ノズルブロック、31…ノズル本体、32…内孔、33…筒形ピース、33a…下端部、34…段部、35…ノズルピース、35a…上部、35b…下部、36…段差部、37…螺合部分、38…ゲート、39a,39b…上下のノズル孔部分、40…冷却媒体の流通部、50…成形材料
Claims (5)
- 成形用キャビティを形成する上下両型を含んでなる金型と、該金型の前記上型の上面に断熱材層を介して取り付けられて射出機ノズルから射出される成形材料を給送するコールドランナーを形成するコールドランナーブロックとを有し、前記コールドランナーブロックの下面に、前記成形材料を前記コールドランナーから前記金型の前記キャビティに注入するためのノズルを構成するノズルブロックが付設されてなる射出成形金型において、
前記ノズルブロックは、前記コールドランナーに連続する内孔を有するノズル本体の下部内に、絞り形状のオリフィスよりなるゲートを有するノズルピースが、その下端部を下方に突出させた状態で成形材料の給送方向に進退可能に保持されてなり、該ノズルピースの下端面が前記上型におけるキャビティへの注入口周辺に対して成形材料の給送圧により圧接せしめられることを特徴とする射出成形金型におけるコールドランナー装置のノズル構造。 - 前記ノズル本体の内孔には、筒形ピースがその下端部をノズル本体より下方に突出させた状態で螺合手段により固着され、該筒形ピースの内部に前記ノズルピースが遊嵌されて成形材料の給送方向に進退可能に保持されるとともに、該ノズルピースの下端部が前記筒形ピース下端より下方に突出せしめられてなることを特徴とする請求項1に記載の射出成形金型におけるコールドランナー装置のノズル構造。
- 前記筒形ピースは、その下端開口部の口径が上側部分よりやや径小で、該下端開口部の内側に段部が形成されており、該筒形ピースに遊嵌されたノズルピースは、その下部が前記下端開口部に遊嵌できるように上部より径小に形成され、前記上部と下部との間の段差部が前記筒形ピース内周の段部に係合することにより下方への変位が規制されるように設けられてなることを特徴とする請求項2に記載の射出成形金型におけるコールドランナー装置のノズル構造。
- 前記ノズルピースは、前記ゲートより上側のノズル孔部分が、該ゲートより下方側のノズル孔部分より大きいテーパ状なしている請求項1〜3のいずれかに記載の射出成形金型におけるコールドランナー装置のノズル構造。
- 前記ノズルブロックが冷却媒体の流通部を備え、該流通部が前記内孔の周りを螺旋状に旋回する流路により形成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の射出成形金型におけるコールドランナー装置のノズル構造。
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KR100778090B1 (ko) | 2006-11-14 | 2007-11-29 | 안중명 | Crb 금형 |
CN105581150A (zh) * | 2014-11-03 | 2016-05-18 | 重庆念记食品有限公司 | 肉片蒸屉脱模装置 |
CN107263812A (zh) * | 2017-07-07 | 2017-10-20 | 安徽宁国中鼎模具制造有限公司 | 一种改进型冷流道系统模具 |
-
2004
- 2004-03-24 JP JP2004087978A patent/JP2005271394A/ja not_active Withdrawn
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