JP2005271149A - 吸着式ワーク搬送装置 - Google Patents

吸着式ワーク搬送装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005271149A
JP2005271149A JP2004089120A JP2004089120A JP2005271149A JP 2005271149 A JP2005271149 A JP 2005271149A JP 2004089120 A JP2004089120 A JP 2004089120A JP 2004089120 A JP2004089120 A JP 2004089120A JP 2005271149 A JP2005271149 A JP 2005271149A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
workpiece
vacuum
suction
posture
vacuum pad
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004089120A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4281594B2 (ja
Inventor
Atsushi Ishikawa
敦 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Fuso Truck and Bus Corp
Original Assignee
Mitsubishi Fuso Truck and Bus Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Fuso Truck and Bus Corp filed Critical Mitsubishi Fuso Truck and Bus Corp
Priority to JP2004089120A priority Critical patent/JP4281594B2/ja
Publication of JP2005271149A publication Critical patent/JP2005271149A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4281594B2 publication Critical patent/JP4281594B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】本発明は、ワークの形状や姿勢がバキュームパッドによる吸着に影響を与えるような状況が生じたとしても、搬送作業を続行させる吸着式ワーク搬送装置を提供する。
【解決手段】本発明の吸着式ワーク搬送装置は、バキュームパッド15a〜15cで、複数種のワーク2a〜2d,3a〜3dの中から、求むワークを吸着してワークを取出すワーク取出し時に、バキュームパッド15a〜15cの密着性の良否を判定する判定手段38を設け、密着性が否と判定されたとき、バキュームパッド15a〜15cによるワークの取出しを一時休止し、該バキュームパッド15a〜15cの姿勢を定姿勢に整えてから、再びワークの取出しに復帰させる措置手段38を設けた。これにより、たとえバキュームパッド15a〜15cに密着不良が生じても、ワーク搬送作業が停滞することなく、搬送作業を続行させるようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、バキュームパッドを用いてワーク置き部のワークを吸着搬送してワーク受渡し部へ受け渡す吸着式ワーク搬送装置に関する。
自動車のボディを組み立てる工場では、一つのラインで多くの車種を混在させてボディを組み立てることが行われている。そのため、このような工場では、混在生産が効率よく進められるよう、車種毎に車体部品を組み立てるための段取り作業の一つとして、プレス加工に製作されたボディ各部のプレート部材(ワーク)を仕様別(複数種)に積み重ねて所定の場所に置き、同ワーク置き場(ワーク置き部)で、バキュームパッドを用いたハンドリング装置で、車種の生産状況に合わせて、仕様別のプレート部材の中から、車種毎の生産に必要なプレート部材を選択して取出し、次工程へ移行させる車種別の仮置き台(ワーク受渡し部)へ、順次、吸着搬送させることが行われている。
こうしたワークの取出しから受渡し部までのワークの搬送は、あらかじめ自動車の生産計画によって設定されたワークの選択情報にしたがい、自動で行われる。
ところで、ボディ各部の部材は、車種や装着場所によってかなり形状が異なるうえ、乱雑に積み重ねられて上層部では大きく傾斜していることが多い。
そのため、ワーク搬送装置では、首振り自在なバキュームパッドを用いて、バキュームパッドと接するプレート部材の板面部分(被吸着部)の形状が多少異なっても、あるいはプレート部材が乱雑に積み重ねられてプレート部材の姿勢が変化しても、プレート部材の吸着が行えるようにすることが試みられている。近時では、特許文献1などにも示されているようにスプリング部材で、バキュームパッドを定姿勢となるよう、一定の方向へ付勢することも行われている。
実開平4−42395号
ところで、バキュームパッドは、スプリング部材で付勢される構造でも、首振り方向に変位した後は完全には戻らず、若干、変位は残る傾向にある。この変位は、バキュームパッドの姿勢が大きく姿勢するにしたがい大きくなりやすい。このため、例えば仮置き台に受け渡した後におけるバキュームパッドの吸着面の姿勢が、その後のワーク置き場で受取るプレート部材の被吸着部分をなす板面形状や板面の姿勢とで大きく異なるような場合、次回のプレート部材の吸着を妨げ吸着不良を発生させるおそれがある。
ところが、プレート部材を搬送する装置は、設定された選択情報にしたがって、自動で稼動する自動機なので、プレート部材をバキュームパッドで吸着する際、上記の如く密着不良が生じると、バキュームパッドとプレート部材の板面部分との間から空気(大気)が吸込まれ、プレート部材を持ち上げるのに必要な吸着力が確保されない(吸着不良)。このため、プレート部材の搬送作業がその時点から進まなくなったり、途中でプレート部材がバキュームパッドから離れてしまうなどの問題が生ずるおそれがある。
そこで、本発明の目的は、ワークの形状や姿勢がバキュームパッドによる吸着に影響を与えるような状況が生じたとしても、吸着搬送を続行させることができる吸着式ワーク搬送装置を提供することにある。
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、求むワークを吸着してワークを取出すワーク取出し時、バキュームパッドとワークとの密着性の良否を判定する判定手段と、密着性が否と判定されたとき、バキュームパッドによるワークの受取りを一時休止し、該バキュームパッドの姿勢を定姿勢に整えてから、再びワークの受取りに復帰させる措置手段とを設けて、ワークの搬送作業が途中で滞るのを防ぐようにした。
請求項2に記載の発明は、さらに密着性の判定として、ワークを吸着するときに与えられる負圧が所定の圧力値に達したか否かから、バキュームパッドの密着性の良否を判定する手法を採用した。
請求項3に記載の発明は、さらにバキュームパッドの姿勢の整え方として、上面に基準となる姿勢を定める基準面を有した姿勢補正台を用い、該姿勢補正台の基準面にバキュームパッドの吸着面を押付けることにより、バキュームパッドの姿勢を基準面にならう姿勢に補正するようにした手法を採用した。
請求項1に記載の発明によれば、ワークをバキュームパッドで取出す際、バキュームパッドに密着不良が生じたことが検出されると、ワークの取出しを一時休止し、その間に、密着不良の要因となるバキュームパッドの姿勢を定姿勢に整えて、再び同バキュームパッドによるワークの取出しを再開させるから、たとえワークの形状や姿勢によりバキュームパッドが密着不良を生じても、搬送作業を続行させることができる。
したがって、無人の自動機でありながら、バキュームパッドの密着不良の発生を防ぎつつ、良好にワーク搬送装置を稼動させることができる。
請求項2の発明によれば、上記効果に加え、簡単な構造で、バキュームパッドの密着不良を検出することができるといった効果を奏する。
請求項3の発明によれば、上記効果に加え、簡単な構造で、密着不良の要因となるバキュームパッドの姿勢を正すことができるといった効果を奏する。
[一実施形態]
以下、本発明を図1〜図13に示す一実施形態にもとづいて説明する。
図1は例えば自動車の生産計画にしたがって複数種のワークを次工程に送り込む吸着式のワーク搬送装置を示し、同図中1は例えば工場の床面上の一部に設定されたワーク取出し域を示す。ワーク取出し域1上には、例えばプレス加工系で成形を終えたプレート部材、具体的には、例えば仕様毎に大きさや形状が異なるレールルーフインナー部材2a〜2d(例えばワイド車の右側、左側、スタンダード車の右側、左側など:本願のワークに相当)が、種類別に専用の横長の台車2(本願のワーク置き部に相当)に積み重ねられた状態で置かれている。この他、仕様毎に大きさや形状が異なるクロスメンバーリンホース部材3a〜3d(例えばスタンダードの左ハンドル車、右ハンドル車、ワイドの左ハンドル車、右車など:本願のワークに相当)も、種類別に専用の縦長の台車3(本願のワーク置き部に相当)に積み重ねられた状態で置かれている。これら台車2,3が、互いに隣接して配置され、ワーク取出し域1を占めている。
ワーク取出し域1の周りの床面には、例えば台車2の近くに位置して、車種別に分けたレールルーフインナー専用(例えばスタンダード+ワイド車の右側、左側)の仮置き台5a,5b(本願のワーク受渡し部に相当)が設置されている。また例えば台車3の近くの床面には、車種別に分けたクロスメンバーリンホース専用(例えばワイドの左右ハンドル車、スタンダードの左右ハンドル車)の仮置き台6a,6b(本願のワーク受渡し部に相当)が設置されている。そして、これら各所定の場所に設置した仮置き台5a,5b,6a,6bを基点として、次工程の車種別のワーク組立ライン(図示しない)が始まるようにしてある。
また図1に示されるように仮置き台5a,5bと仮置き台6a,6bとの中間の床面には、吸着式のハンドリング装置8が設置されている。このハンドリング装置8は、例えば旋回台9a、一対の回動アーム9b、伸縮アーム9cおよび回転アーム9dなどによって、前後左右方向、上下方向、旋回方向、回転方向などといった各方向に操作部10を移動可能とした産業用ロボット11(本願のハンドリング機構に相当)が用いられている、そして、この産業用ロボット11の操作部10に、フレーム部材12を介して、吸着部13が組付けてある。さらに述べれば吸着部13には、図1に示されるように例えばフレーム部材12の最下位に横方向に延びる支持フレーム14を設け、この支持フレーム14の各部、例えば中間と両端部の三個所に、バキュームパッド15a〜15cを設け、フレーム部材12の中間部に配設されたフレーム部分12aに、バキューム力を発生させるバキュームユニット16を設けた構造が用いられている。このバキューム系の構造が図2に示されている。
同構造について説明すると、バキュームパッド15a〜15cには、いずれも支持用台座17に、真空圧供給用の管体18をスライド可能に組付け、この管体18の先端部に、口金19を介して、自在継手、例えば通孔(図示しない)が形成されたボールジョイント20を設け、このボールジョイント20に、バキュームパッド15a〜15cを構成する部品、例えばスカート部21aで周りが囲まれたゴム製の吸着パッド体21を首振り可能に支持させた構造が用いられている。そして、支持用台座17が、いずれもフレーム部材12の各部下側に支持され、図1および図2に示されるようにいずれも吸着パッド体21の吸着面22を下側に向けている。また口金19と吸着パッド体21との間には、吸着パッド体21の姿勢が定位置へ戻るよう、スプリング部材24が介装されている。なお、25は、スプリング部材24の座を形成するべく、口金19に固定されたスプリング座部材、26は同スプリング座部材25を口金19との間で挟み付けて固定する固定部材を示す。また支持用台座17と固定部材26との間には、吸着パッド体21を下方へ突き出させるための、スプリング部材23が介装されている。
もちろん、吸着パッド体21の内部は、ボールジョイント20に形成した通孔(図示しない)を介して、管体18に連通させてある。
バキュームユニット16には、真空圧供給系として、例えばバキュームパッド15a〜15c毎に管体18の供給口(図示しない)に接続された回路、具体的には例えばフィルター28およびエジェクタで構成される真空発生器29が順に介装された真空圧発生路30と、各真空発生器29をエアーバルブ31を介してエアー供給源(図示しない)に接続した加圧エアー供給路32とを組み合わせた構造が用いられている。また真空圧解除系には、それぞれフィルター28と真空発生器29との間の流路部分を、逆止弁33およびエアーバルブ34が順に介装された加圧エアー供給路35を介して、エアー供給源(図示しない)に接続してなる構造が用いられている。つまり、エアーバルブ34で各加圧供給路35を「閉」に、エアーバルブ31を「開」にすると、エジェクタに供給される加圧エアーにより発生する負圧が、各バキュームパッド15a〜15c(吸着パッド体21)へ与えられる。またエアーバルブ34の切替え操作により、逆止弁33を通じて、加圧エアーを真空発生器29の負圧出口へ供給すると、バキュームパッド15a〜15bの負圧が解除されるようにしてある。
このバキュームユニット16の各部や、上記産業用ロボット11の各部や、各種スイッチ類が、制御盤37に収められたコントロールユニット38(例えばマイクロコンピュータや周辺回路により構成されるもの)に接続されている。そして、このコントロールユニット38で行われる制御により、入力される車種の生産計画にしたがって、バキュームユニット16および産業用ロボット11の各部の動作が制御され、ワーク搬送に必要な動きが実行されるようにしている。このために、例えばコントロールユニット38には、
・車種の生産状況に合わせて、台車2のレールルーフインナー部材2a〜2dや台車3のクロスメンバーリンホース部材3a〜3dの中から選択する機能、
・同選んだ部材の吸着に使用するバキュームパッド15a〜15cを選択する機能、
・産業用ロボット11の動作で、選んだ最上位部材の上面の所定位置(吸着搬送に適した位置)に、選択したバキュームパッド15a〜15cを接触させる機能、
・エアーバルブ31 ,32の動作により、密着させたバキュームパッド内部に真空圧を与えて搬送に必要な吸着力を確保した後、同真空力を保持する機能、
・産業用ロボット11の動作により、吸着した部材を持ち上げ、同部材の次工程の始めとなる仮置き台の上面へ搬送する機能、
・エアーバルブ34の動作により、バキュームパッド内部の真空圧を開放して、仮置き台へ搬送されてきた部材を受け渡す機能、
などを実行するプログラムが設定されている。これにより、台車2,3上のレールルーフインナー部材2a〜2d,クロスメンバーリンホース部材3a〜3dといったワークの中から、現在、生産に求められるワークをバキュームパッド15a〜15cで一枚だけ吸着搬送して、次工程の開始地点となる仮置き台5a,5b,6a,6bへ受け渡せるようにしている。なお、レールルーフインナー部材2a〜2dの板面上の各点Y,Z、クロスメンバーリンホース部材3a〜3dの各点X〜Zは、バキュームパッド15a〜15cで吸着される部分(被吸着部分)を示している。ここで、レールルーフインナー部材2a〜2dは、いずれもバキュームパッド15b,15cで吸着され、クロスメンバーリンホース部材3a,3bは、いずれもバキュームパッド15a,15bで吸着され、クロスメンバーリンホース部材3c,3dは、いずれもバキュームパッド15a,15cで吸着されるものとしている。
このときのバキュームパッド15a〜15cがワークに接触したかの検出を行うために、図2に示されるように支持フレーム14には、バキュームパッド15a〜15c毎、バキュームパッド15a〜15cが接触により変位したことを検出するセンサ、ここでは管体18が所定リフトしたときの後端位置を検出する近接スイッチ39が設けてある。なお、39aは近接スイッチ39を支持フレーム14に支持するためのブラケットを示す。またワークを持ち上げたり搬送したりするのに必要な吸着力が確保されたかの検出を行うために、図2に示されるようにバキュームユニット16の真空圧発生路30の負圧発生側、例えばフィルター28の入口側には、供給される負圧が所定圧力値に達すると信号が出力されるセンサ、例えば圧力スイッチ40が設けてある。
さらにコントールユニット38には、上記に加え、
・レールルーフインナー部材2a〜2d,クロスメンバーリンホース部材3a〜3dなどワークの取出し時にバキュームパッド15a〜15cとワークとの密着性を検出する機能、具体的にはワークの取出し時、圧力スイッチ40からの出力信号の有無から、バキュームパッド15a〜15cの密着性の良否を判定する機能、
・ワークの取出し時、例えば所定時間を経過しても、圧力スイッチ40からの出力信号が確認されないときは、制御盤37に設けてある報知ランプ42(例えば赤色ランプなど)を点灯させる機能、
・さらに同時にワークの取出しを一時休止し、その間、バキュームパッド15a〜15cの姿勢(傾き)を整える機能、具体的には産業用ロボット11の動作により、例えば台車2と産業用ロボット11との間に設置した姿勢補正台43の上面に形成してある基準面43a(基準となる定姿勢に定める面)に3つのバキュームパッド15a〜15c(吸着パッド体21)の吸着面22を上側から押付ける機能(具体的には管体18の軸線方向が基準面43aに対して直交する方向からバキュームパッド15a〜15cを基準面43aへ押付ける機能)、(本願の措置手段に相当)
・押付けによりパッド姿勢の補正が終えたら、再びワーク取出し工程に復帰させ、ワークの吸着搬送を再開させる機能(本願の措置手段に相当)
などを実行するプログラムが設定されていて、万一、ワークの形状や姿勢などでパッド姿勢が変化して、バキュームパッド15a〜15cに吸着不良が発生しても、ワーク搬送装置の稼動が不用意に停止しない措置を講じている。
この吸着式のワーク搬送装置の制御内容が図3のフローチャートに示され、この間の作業の状況が図4〜図7に示され、さらにこの間のバキュームパッド15a〜15cの稼動状況が図8〜図13に示されている。
このワーク搬送装置の作用について図3のフローチャートにしたがって説明すれば、ワーク搬送装置が、今、例えばクロスメンバーリンホース部材3dを仮置き台6bへ搬送する状況になったとする。
ここで、ハンドリング装置8は、図8に示されるように例えば産業用ロボット11の近くに設けた原点位置を確認するために、当初、原点位置確認用センサ、例えばリミットスイッチ44を支持フレーム14でオンさせる位置で待機している。
このとき、図3に示されるようにコントロールユニット38から、ワークを搬送させるべく、ワーク搬送装置の起動信号が出力されると(ステップS1)、エアーバルブ31、34を「開」にする(ステップS3)。
ついで、産業用ロボット11の各部が制御され、ステップS4に示されるように待機位置のバキュームパッド15a〜15cを、例えば図4中のA矢印、B矢印のように移動させて、台車3上のクロスメンバーリンホース部材3dの直上へ導く。むろん、バキュームパッド15a,15cは、クロスメンバーリンホース部材3dの被吸着部分となるX点,Z点と合致する地点に位置決められる。
その後、図9に示されるようにバキュームパッド15a〜15cは、産業用ロボット11により下降される。これにより、図10に示されるように各バキュームパッド15a〜15cの吸着面22が、積み重ねられている最上位のクロスメンバーリンホース部材3dのX点およびZ点の板面部分に接触し始める。ここで、バキュームパッド15a〜15cは、首振り可能であるから、各X,Y点の形状や姿勢にならうよう傾きながら、スカート部21aの全体がX点およびZ点の板面部分と接触する(ステップS5)。これにより、各バキュームパッド15a〜15cは、各X,Y点の形状に合わせてワークと密着していく。
ついで、ステップS6に示されるようにコントロールユニット38は、各近接スイッチ39から出力される信号、すなわち支持用台座17から上側へ突き出る各管体18の端部を検出する信号から、バキュームパッド15a〜15cがワークに接触したことを確認する。これにより、ステップS7のように接触OKの判定が行われる。
すると、コントロールユニット38は、同信号を受けて、ステップS8に示されるようにエアーバルブ34を作動させ、バキュームパッド15bだけには吸着作用が生じないよう、バキュームパッド15bに対してだけ「開」で、他は「閉」にする。これにより、真空発生器30から発生する負圧は、バキュームパッド15aと15cにだけに作用する。
このとき、バキュームパッド15a,15cは、適切にワークに密着されているとすると、ステップS9に示されるようにバキュームパッド15a,15cの内部が次第に真空化する。続いて、ワークを吸着搬送するのに必要な吸着力が生じるまで、真空化が進むと、ステップS10に示されるように圧力スイッチ40から信号が出力される。
すると、コントロールユニット38は、ステップS11に示されるようにバキュームパッド15a、15cとワークとの間で密着性が確保されたことを示すOK信号を出力する。同信号を受けると、続けてエアーバルブ31,34の全てを「閉」にして、ステップS12に示されるようにバキュームパッド15a,15c内の圧力を保持する。これにより、吸着搬送に必要な吸着力が確保される。
ついで、産業用ロボット11により、バキュームパッド15a〜15cを上昇させ、ステップS13に示されるようにクロスメンバーリンホース部材3dを吸着したまま、持ち上げる。これにより、図11に示されるようにクロスメンバーリンホース部材3dは、一枚だけ、台車3から取出される。
続いて、産業用ロボット11により、図4中のC矢印のようにクロスメンバーホース部材3dを吸着したまま、次工程となる仮置き台6bへ搬送して、図12に示されるように仮置き台6bの直上へクロスメンバーリンホース部材3dを位置決める。その後、上記持ち上げるときと反対の操作、すなわち近接スイッチ39から信号が出力されるまで、バキュームパッド15a〜15cを下降させてクロスメンバーリンホース部材3dを仮置き台6bの上面に載せてから、エアーバルブ34を「開」にして、バキュームパッド15a,15c内の真空圧を逃がす。すると、バキュームパッド15a,15cによるクロスメンバーリンホース部材3dの拘束は解かれ(吸着力が無くなることによる)、クロスメンバーリンホース部材3dは仮置き台6bへ受け渡される。これにより、図3中のステップS14に示されるように次工程へのワーク搬送が行われる。
このクロスメンバーリンホース部材3dの搬送の後、種類の異なるワークの搬送、例えばレールルーフインナー部材2aを仮置き台5aへ搬送する状況になったとする。
このときには、産業用ロボット11により、バキュームパッド15a〜15cが、原点を確認する位置から、図5中のA矢印、D矢印のように移動して、先のワーク搬送のときと同様、順次、レールルーフインナー部材2aの直上へ導く工程、下降工程、バキュームパッド15a〜15cをレールルーフインナー部材2aのY点、Z点の板面部分に接触させる工程、同板面部分にバキュームパッド15b,15cを吸着させる工程、吸着搬送に必要な吸着力を確保する工程、図5中のE矢印のように仮置き台5aへ搬送させる工程、搬送したレールルーフインナー部材2aを仮置き台5aへ受け渡す工程が行われる。
このようにして1台の吸着式ハンドリング装置8で、種々のワークの吸着搬送が行われる。こうしたワークの切替えの際(例えばクロスメンバーリンホース部材3dの搬送からレールルーフインナー部材2aの搬送へ切替えるとき)、ステップS9,S10の吸着工程において、例えばバキュームパッド15b,15cに密着不良が生じることがある。密着不良は、バキュームパッド15a〜15cは、首振り可能となっているために、例えば前回の仮置き台6bに受渡した後のバキュームパッド15b,15cの姿勢が、例えば受け渡したクロスメンバーリンホース部材3dの形状や姿勢の影響を受けて、元に戻らず、かなり傾いたり、バキュームパッド15b,15cの傾きが、その後に搬送するレールルーフインナー部材2aの被吸着部分の姿勢と大きく異なったりするなどを要因に、スカート部22の一部が内側に折り込まれる挙動を生じさせてしまうことによる。むろん、スプリング部材25でバキュームパッド15a〜15cを戻す方向に付勢しているときでも、完全には元の姿勢には戻らないために、起こりうる。
このようなバキュームパッド15b,15cの密着不良が生ずると、バキュームパッド15b,15cに真空発生器29から発生する真空圧を与えても、バキュームパッド15b,15cとワーク、例えばレールルーフインナー部材2aの板面部分との間から空気(大気)が吸込まれる。このため、このままでは、バキュームパッド15b,15c内にはワークを吸着搬送するのに必要な真空圧は確保できない。
ここで、コントロールユニット38は、ステップS10に示されるように例えば所定時間、圧力スイッチ40を通じて、バキュームパッド15b,15c内が、吸着搬送に必要な圧力値に達するか否かを検出している。密着不良が生じていると、所定の時間を経過しても所定の圧力値には達しないから、密着性が否であると判定して、ステップS15へ進み、吸着搬送ができない旨を示すNG信号を出力する。
すると、コントロールユニット38は、ステップS16に示されるように制御盤37の報知ランプ42を点灯させて、吸着搬送が行えなくなった状況であることを作業者に報知する。と同時にワーク取出し工程を一時休止して、ステップS17に示されるようにバキュームパッド15a〜15cの姿勢を補正する作業を行う。
具体的には、まず、図6に示されるように産業用ロボット11により、バキュームパッド15a〜15cを、レールルーフインナー部材2aの直上から、同図中のF矢印のように姿勢補正台43の基準面43aへ移動させ、図13に示されるように同基準面43aの直上に位置決める。なお、位置決めは、管体18の軸線が水平方向に延びる基準面43aと直交する向きになるよう行う。
ついで、産業用ロボット11は、バキュームパッド15a〜15cを、近接スイッチ39で検出されるまで下降させ、図13に示されるようにバキュームパッド15a〜15cの先端(吸着面33)を基準面43aに押付ける。これにより、不要に傾いたバキュームパッド15a〜15cの姿勢は、基準面43aとならう適正な姿勢に補正され、密着不良を招いていたバキュームパッド15a〜15cは整えられる。
基準面43aに対する押付けを終えたバキュームパッド15a〜15cは、コントロールユニット38による産業用ロボット11の制御により、図6中のG矢印のように姿勢補正台43から、再びレールルーフインナー部材2aの直上へ戻り、休止していたワーク取出し工程を再開させる。
これにより、吸着不良の要因となっていたバキュームパッド15b,15cの姿勢は、元の良好な密着性をもたらす姿勢に回復(調整)されているから、その後はバキュームパッド15a〜15cによるワーク搬送は良好に行われる。なお、再開されるに伴い、報知ランプ42は消灯する。
むろん、図7に示されるようにクロスメンバーリンホース部材3dを吸着する際に、バキュームパッド15a〜15cの密着不良が検出された場合も、H矢印、I矢印のように姿勢補正台43で姿勢を正した後、再びバキュームパッド15a〜15cによるクロスメンバーリンホース部材43の吸着工程を再開させればよい。
したがって、たとえワークの形状や姿勢がバキュームパッド15a〜15cに影響を与えて密着不良を起こしても、ワーク搬送装置が停止したままとならず、速やかにワークの搬送作業を続行させることができる。それ故、無人の自動のワーク搬送装置でありながら、良好にワーク搬送装置を稼動させることができる。
しかも、バキュームパッド15a〜15cの密着性の判定には、ワークを吸着するときに与えられる真空圧が所定値に達するか否かで行うようにしたので、簡単である。
そのうえ、バキュームパッド15a〜15cの姿勢の整え方は、姿勢補正台43の基準面43aにバキュームパッド15a〜15cの吸着面22を押付けるだけなので、簡単である。
なお、本発明は上述した一実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施しても構わない。例えば一実施形態には、平板状のワークを用いた例を挙げているが、これに限らず、他の形状のワークでもよいことはいうまでもない。
本発明の一実施形態に係る吸着式ワーク搬送装置の全体の概略構成を示す斜視図。 同装置のバキューム系を説明するための図。 同装置のワーク搬送に係る制御を示すフローチャート。 同装置でワーク取出し部のワークをワーク受渡し部まで搬送する経路を示す斜視図。 異なるワーク取出し部のワークをワーク受渡し部まで搬送する経路を示す斜視図。 同ワークの搬送を実行する際に生じたバキュームパッドの密着性を回復させる仕方を説明するための斜視図。 同じく異なるワークの場合を示す斜視図。 ワーク受取り部のワークをワーク受渡し部まで搬送するときにおけるハンドリング装置の原点状態を示す正面図。 バキュームパッドがワーク取出し部へ向う状態を示す正面図。 同じくハンドリング装置によりバキュームパッドでワーク取出し部のワークを吸着するときを示す正面図。 同じくハンドリング装置でワークを持ち上げたときを示す正面図。 同じくハンドリング装置で吸着されたワークをワーク受渡し部へ受け渡すときを示す正面図。 密着不良は生じたバキュームパッドの姿勢を直すときを説明するための正面図。
符号の説明
2a〜2d,3a〜3d…レールルーフインナー部材,クロスメンバーリンホース部材(ワーク)、2,3…台車(ワーク置き部)、5a,5b,6a,6b…仮置き台(ワーク受渡し部)、8…ハンドリング装置、15a〜15c…バキュームパッド、38…コントロールユニット(判定手段)、39…近接スイッチ、40…圧力スイッチ、43…姿勢補正台、43a…基準面。

Claims (3)

  1. 複数種のワークが種類毎に積み重ねられて置かれたワーク置き部と、
    それぞれ所定の場所に設けられた複数のワーク受渡し部と、
    吸着に必要な負圧が与えられる首振り自在なバキュームパッドを有し、該バキュームパッドを各方向に自在に操作可能としたハンドリング装置とを有し、
    前記ワーク置き部から、求むワークを、前記バキュームパッドの吸着で取出し、同ワークを所定の場所のワーク受渡し部へ搬送可能とした吸着式ワーク搬送装置であって、
    前記ワークの取出し時、前記バキュームパッドと前記ワークとの密着性の良否を判定する判定手段と、
    前記密着性が否と判定されたとき、前記バキュームパッドによるワークの取出しを一時休止し、該バキュームパッドの姿勢を定姿勢に整えてから、再びワークの取出しに復帰させる措置手段と
    を有することを特徴とする吸着式ワーク搬送装置。
  2. 前記判定手段は、前記バキュームパッドのワーク吸着時、与えられる負圧が所定の圧力値に達したか否かから、バキュームパッドの密着性の良否を判定することを特徴とする吸着式ワーク搬送装置。
  3. 前記措置手段は、上面に基準となる姿勢を定める基準面を有した姿勢補正台を有し、該姿勢補正台の基準面に前記バキュームパッドの吸着面を押付けて、バキュームパッドの姿勢を基準面にならう姿勢に補正するようにしてあることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の吸着式ワーク搬送装置。
JP2004089120A 2004-03-25 2004-03-25 吸着式ワーク搬送装置 Expired - Lifetime JP4281594B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004089120A JP4281594B2 (ja) 2004-03-25 2004-03-25 吸着式ワーク搬送装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004089120A JP4281594B2 (ja) 2004-03-25 2004-03-25 吸着式ワーク搬送装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005271149A true JP2005271149A (ja) 2005-10-06
JP4281594B2 JP4281594B2 (ja) 2009-06-17

Family

ID=35171333

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004089120A Expired - Lifetime JP4281594B2 (ja) 2004-03-25 2004-03-25 吸着式ワーク搬送装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4281594B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010069542A (ja) * 2008-09-16 2010-04-02 Ihi Corp バラ積みピッキング装置におけるワークピッキング方法
JP2013215833A (ja) * 2012-04-06 2013-10-24 Central Uni Co Ltd ピッキング装置
JP2019081208A (ja) * 2017-10-30 2019-05-30 株式会社東芝 情報処理装置及びロボットアーム制御システム

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103288039B (zh) * 2013-05-24 2015-12-02 中国科学院自动化研究所 微零件装配系统及相应的在线装配方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010069542A (ja) * 2008-09-16 2010-04-02 Ihi Corp バラ積みピッキング装置におけるワークピッキング方法
JP2013215833A (ja) * 2012-04-06 2013-10-24 Central Uni Co Ltd ピッキング装置
JP2019081208A (ja) * 2017-10-30 2019-05-30 株式会社東芝 情報処理装置及びロボットアーム制御システム
JP7062406B2 (ja) 2017-10-30 2022-05-16 株式会社東芝 情報処理装置及びロボットアーム制御システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP4281594B2 (ja) 2009-06-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2011014582A (ja) 電子部品用搬送装置
JP2005060063A (ja) 湾曲ガラス板の積載方法および装置
JP4268318B2 (ja) 基板搬送装置および基板搬送方法
JP2018052682A (ja) 移載装置
JP4281594B2 (ja) 吸着式ワーク搬送装置
CN112775577A (zh) 一种自动焊接钢结构的生产线及其使用方法
WO2003037576A1 (fr) Appareil et procede de transfert de substrat
JPH10163683A (ja) 回路部品搬送装置
JP4903207B2 (ja) ロボットを用いた車両用パネル調整システム及びプロセス
JP3995865B2 (ja) ワーク搬送装置
JP2009071029A (ja) 部品実装用装置の台車位置決め機構及び部品実装用装置用の台車
KR960006348B1 (ko) Nc 루터 자동 가공 시스템
CN213916933U (zh) 一种上料装置
JPH06263275A (ja) 板材の一枚捲り方法および一枚捲り装置
CN212197398U (zh) 一种自动移载翻面机构及喷印系统
JP2013129037A (ja) 吸着搬送方法及び板材吸着搬送装置
JPH10163692A (ja) 回路部品搬送装置
JPH038628A (ja) 板金加工機の板材供給装置
JP2003212340A (ja) 複層ガラスの搬送方法およびその方法の実施に使用する搬送用治具
JP2010232704A (ja) 電子回路組立方法および電子回路組立システム
JPH0547898A (ja) 部品吸着搬送装置とその運転方法
JP2000141048A (ja) シーム溶接装置
JP2851586B2 (ja) 自動二輪車用フレームの製造装置とフレーム保持装置
CN212024080U (zh) 汽车挡风玻璃移载装置及汽车组装生产线
JP2008227134A (ja) 部品実装装置及び基板搬送方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070112

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080619

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080715

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080910

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090224

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090309

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4281594

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120327

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120327

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130327

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140327

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250