JP2005270983A - 金属帯の製造方法およびその製造設備 - Google Patents

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Masaharu Ikeda
雅晴 池田
Mitsuhiko Kobayashi
満彦 小林
Masashi Hoshino
将史 星野
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Abstract

【要 約】
【課 題】 金属帯幅方向両エッジに形成された「返り」がある場合でも、異物除去ロールの表面損傷を抑えつつ、薄物の金属帯表面の異物を除去することができ、しかも、異物除去コストの上昇を抑えることが可能な金属鋼帯の製造方法を提供する。
【解決手段】 上下で一組とした粘着性を有する異物除去ロールを少なくとも二組、金属帯長さ方向に位置させて、該異物除去ロールをそれぞれ上下から金属帯表面に接触させて、該異物除去ロールにより、金属帯幅方向における両エッジ部分を除く部分の金属帯表面に付着している異物を除去する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金属帯の製造技術に関し、特にレベラーロールにより形状矯正を行う必要がある薄物の金属帯表面に付着した異物を効果的に除去することができる金属帯の製造技術に関する。
金属帯、例えばステンレス冷延鋼帯は、一般的に図9に示す工程を経て製造される。コイル状製品は、幅調整を行う装置を設置した精整ラインで幅調整を行って製造され、シート状製品は、スリッターラインで幅調整を行った後、レベラーシャーラインなどでシートに切断して製造される。そのうちでも形状が厳しく要求される薄物製品に対しては、精整ラインに設置したテンションレベラー装置により形状矯正を行う。
図10には、鋼帯101長さ方向に金属製のレベラーロール100Aを12本配置したテンションレベラー装置100を示した。テンションレベラー装置100では、張力が付与された鋼帯101を通板すると、金属製のレベラーロール100Aにより鋼帯101に繰り返し曲げ、曲げ戻しが施される結果、耳伸びや腹伸びなどが矯正され、平坦な製品が得られる。
このような金属製のレベラーロール100Aにより形状矯正を行う際、図11のようにステンレス冷延鋼帯101の表面に極小さい異物200(金属帯を巻取る際に使用する合紙からの紙粉や脱スケールする際に使用したナイロンブラシに起因する短繊維など)が付着していた場合には、異物200が金属製のレベラーロール100Aにより鋼帯表面に押し込まれ、図12-1、図12-2に示すようにして押し込み疵201を発生させたり、図13-1、図13-2に示すようにして程度の悪い打ち込み疵202を発生させたりする場合があった。200A、200Bは鋼帯表面に押し込まれた異物を示す。合紙からの紙粉やナイロンブラシに起因する短繊維などの異物起因の押し込み疵201もしくは打ち込み疵202の大きさは0.1〜1.0mmのものが多い。
上述したような押し込み疵201や打ち込み疵202は極微小とはいえ、製品上、好ましくないため、レベラーロール100Aにより形状矯正を行う前に図14に示すようにステンレス冷延鋼帯101を挟んで上下から形状の粘着性を有する異物除去ロール102、103を鋼帯表面に接触させて異物200を除去していた(特許文献1〜3)。
特開平6−15374号公報 特開平5−50125号公報 特開平3−155413号公報
前記粘着性を有する異物除去ロール102、103は、粘着性を有するゴム層を表面に形成したロールであり、ステンレス冷延鋼帯の工程生産に用いるには以下のような問題があった。
なお、従来の粘着性を有する異物除去ロール102、103は、そのロール胴長Lが鋼帯幅寸法を超え、フラットなロール表面プロフィールを持つロールであり、異物除去時、図14に示す如く、一組の異物除去ロール102、103を鋼帯表面の全幅にわたり接触させていた。このため当初、粘着性を有する一組の異物除去ロール102、103による異物除去効果が認められるものの、
(i) 鋼帯幅方向両エッジ101A、101Bと接触するロール表面に損傷が生じやすく、一度、損傷の発生したロールは再使用できないために、異物除去コストが高くなってしまう。
(ii) 異物起因の押し込み疵や打ち込み疵には、異物除去装置を設置した精整工程由来のものと、精整工程より前の工程で付着した異物によるものとがあるが、その区別は困難であり、精整ラインのなるべく出側近くに異物除去ロール異物除去装置を設置すべきとの考えもあるが、精整ラインの出側近くに異物除去装置を設置した場合には、幅調整後のステンレス冷延鋼帯101に普通、図15に示す如き「返り」301が形成されているので、よりロール表面に損傷が発生しやすく、早期に異物除去ロールを交換せざるを得なくなり、異物除去コストが上昇してしまう。
(iii) 損傷の発生した異物除去ロール102、103を再使用した場合には、ロール表面の損傷部300から剥離した粘着性を有するゴムのゴム屑が異物として鋼帯表面に付着して、精整工程由来の新たな異物発生源になる恐れがある。
(iv) 精整ラインを通過するステンレス冷延鋼帯101の鋼帯幅がロール胴長Lを上回る場合、ロール胴長Lを上回った部分は異物非除去部分となってしまうことになるが、従来の異物除去装置では鋼帯幅に対応することが困難である。
本発明は、上記従来技術の問題点を解消し、金属帯幅方向両エッジに形成された「返り」がある場合でも、異物除去ロールの表面損傷を抑えつつ、薄物の金属帯表面の異物を除去することができ、しかも、異物除去コストの上昇を抑えることが可能な金属帯の製造方法およびその製造設備を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
1. レベラーロールにより形状矯正を行う前に金属帯の表面に付着している異物を、粘着性を有する異物除去ロールを用いて除去する金属帯の製造方法において、上下で一組とした粘着性を有する異物除去ロールを少なくとも二組、金属帯長さ方向に位置させて該異物除去ロールをそれぞれ上下から金属帯表面に接触させて、該異物除去ロールにより、金属帯幅方向における両エッジ部分を除く部分の前記金属帯表面に付着している異物を除去することを特徴とする金属帯の製造方法。
2. 前記異物除去ロールを、一方のロール胴端部に先細りテーパー部分が形成され、それ以外のロール胴長方向部分にはフラットなロール表面プロフィールが形成され、かつフラットな該ロール表面が金属帯幅方向における両エッジ部を除く部分で前記金属帯表面と接触するロールとし、前記金属帯表面に付着している異物を除去することを特徴とする上記1.に記載の金属帯の製造方法。
3. 前記異物除去ロールを、ロール胴長方向にわたりフラットなロール表面プロフィールが形成され、かつ該ロール表面が金属帯幅方向における両エッジ部を除く部分で前記金属帯表面と接触するロールとし、前記金属帯表面に付着している異物を除去することを特徴とする上記1.に記載の金属帯の製造方法。
4. レベラーロールにより形状矯正を行う前に金属帯の表面に付着している異物を、粘着性を有する異物除去ロールを用いて除去するための異物除去装置を設置した金属帯の製造設備であって、金属帯の精整ラインの幅調整装置以降、巻取装置に至る途中に、金属帯幅方向における両エッジ部を除く部分の金属帯表面を金属帯幅方向に少なくとも二つに区分し、区分された少なくとも一つの金属帯幅方向部分と、この部分に隣接する他方の区分の金属帯幅方向の一部分をあわせた金属帯表面とロール表面が接触するように上下で一組とした粘着性を有する異物除去ロールを少なくとも二組、金属帯長さ方向に組み込んだ異物除去装置を設置したことを特徴とする金属帯の製造設備。
5. 前記異物除去ロールを、一方のロール胴端部に先細りテーパー部分が形成され、それ以外のロール胴長方向部分にはフラットなロール表面プロフィールが形成され、かつフラットな該ロール表面が金属帯幅方向における両エッジ部を除く部分で前記金属帯表面と接触するロールとしたことを特徴とする上記4.に記載の金属帯の製造設備。
6. 前記異物除去ロールを、ロール胴長方向にわたりフラットなロール表面プロフィールが形成され、かつ該ロール表面が金属帯幅方向における両エッジ部を除く部分で前記金属帯表面と接触するロールとしたことを特徴とする上記4.に記載の金属帯の製造設備。
本発明によれば、金属帯幅方向両エッジに形成された「返り」がある場合でも、異物除去ロールの表面損傷を抑えつつ、金属帯表面の異物を除去することができる。また、本発明によれば、ロール表面の損傷を抑えることができるから、異物除去ロールを洗浄した後、再使用することができ、異物除去コストの上昇を抑えることが可能である。
以下、図1〜3に示すような異物除去ロールを二組、組み込んだ本発明の第1実施の形態に係る異物除去装置6について説明する。
第1実施の形態に係る異物除去装置6は、一組の異物除去ロール2、3と、もう一組の異物除去ロール4、5を備え、異物除去ロール2、3と、異物除去ロール4、5とは、それぞれ、金属帯、例えばステンレス冷延鋼帯1(以下単に、鋼帯1ともいう)を挟んで上下に配置されている。
上流側の一組のロール2、3は、図2に示す如く、鋼帯1を挟んで上、下のロール表面形状が同じとされ、一方のロール胴端部に先細りテーパー部分が形成され、それ以外のロール胴長方向部分にはフラットなロール表面プロフィールが形成されている。テーパー長さaのテーパー部分は、鋼帯幅方向エッジ1Aから鋼帯幅方向内側に所定範囲だけ非接触となるように形成されている。他方のロール端は、鋼帯幅方向エッジ1Bより異物非除去部分の許容幅cだけ内側に位置している。
一方、下流側の一組のロール4、5は、図3に示す如く、鋼帯1を挟んで上、下のロール表面形状が同じとされてはいるが、上流側の一組のロール2、3とは異なって、他方のロール胴端部に先細りテーパー部分が形成され、それ以外のロール胴長方向部分にはフラットなロール表面プロフィールが形成されている。一方のロール端は、鋼帯幅方向エッジ1Aより異物非除去部分の許容幅cだけ内側に位置している。テーパー部分は、鋼帯幅方向エッジ1Bから鋼帯幅方向内側に所定範囲だけ非接触となるように形成されている。
この第1実施の形態に係る異物除去装置6に組み込むための粘着性を有する異物除去ロール2、3、4、5としては、ロール胴長(有効ロール胴長EL+テーパー長さa)にわたり粘着性を有するゴム層を表面に形成したロールとすることが好ましい。
この理由は、先細りテーパー部分が形成されていることで、表面プロフィールの変化を小さくすることができるから、粘着性を有するゴム層の損傷を抑制することができ、ロール寿命を伸ばすことができるからである。なお、上流側の一組のロール2、3のテーパー形状と下流側の一組のロール4、5のテーパー形状は同じでも、あるいは異なっていてもよい。有効ロール胴長ELは、フラットなロール表面プロフィールが形成されているロール胴長方向部分の長さを示す。また、鋼帯表面と接触するロール表面を、フラットなロール表面プロフィールとする理由は、鋼帯幅方向にロール表面を均一に押し付けることを可能にするためである。
ここで、有効ロール胴長ELは、図2、図3に示すように、ロール表面が異物非除去部分の許容幅cに相当する鋼帯幅方向における両エッジ部を除く部分で鋼帯表面と接触するように精整ラインを通過する鋼帯幅に対応させて決めることが重要である。なお、有効ロール胴長は、鋼帯幅方向両エッジ部分を除く、範囲内で設定すればよい。
また、異物非除去部分の許容幅cは、精整ラインの特性や幅調整の際に生じる「返り」の影響などを考慮し、鋼帯幅方向両エッジ1A、1Bがロール表面と接触しないように設定することが重要である。許容幅cに相当する鋼帯幅方向両エッジ部分は、異物が付着したままの状態となる可能性があるから、異物非除去部分の許容幅cはできるだけ小さく設定するのが好ましい。
このように各異物除去ロールは、異物非除去部分の許容幅cに相当する鋼帯幅方向における両エッジ部を除く部分で鋼帯表面と接触する有効ロール胴長ELのロールとされている。
このような異物除去ロールを二組、鋼帯長さ方向位置に組み込んだ第1実施の形態に係る異物除去装置6の作用・効果について図7-1により説明する。図7-1は、異物除去時の鋼帯上面に関し、鋼帯長さ方向位置で異物が除去された範囲を斜線で示した模式図である。鋼帯下面も同様であるので図示を省略した。
図7-1中、14は上流側の一組のロール2、3との接触位置を示し、15は下流側の一組のロール4、5との接触位置を示す。11の範囲は、上流側の一組のロール2、3により異物を除去した範囲を示し、12の範囲は、下流側の一組のロール4、5により異物を除去した範囲を示す。13の範囲は二組のロールによる重複異物除去範囲を示す。
この図から明らかなように、第1実施の形態に係る異物除去装置6によれば、上流側と下流側の二組のロールをそれぞれ上下から鋼帯表面に接触させて、異物非除去部分の許容幅cに相当する鋼帯幅方向における両エッジ部を除く部分の鋼帯表面に付着している異物を除去するようにしているから、たとえ、異物除去装置6を精整ラインのスリット装置またはトリミング装置以降、テンションレベラー装置より前に設置した場合でも、ロール表面の損傷を抑えつつ、金属帯表面の異物を除去することができる。
また、第1実施の形態に係る異物除去装置6によれば、上下で一組とした粘性を有する異物除去ロールを二組、鋼帯長さ方向に組み込んで、異物除去を行うため、異物除去ロールの組数が従来に比べて増えるが、ロール表面の損傷を抑えることができるから、異物除去ロールを洗浄した後、再使用することができ、異物除去コストの上昇を抑えることが可能である。
ところで、第1実施の形態に係る異物除去装置6は、図7-1に示した如く、上流側の一組のロール2、3は、許容幅cに相当する範囲を除いて、鋼帯幅方向エッジ1Bから鋼帯幅方向中央までの鋼帯表面およびその部分と隣接する鋼帯幅方向部分の一部範囲の鋼帯表面と接触するロール表面をもつ。また下流側の一組のロール4、5は、許容幅cに相当する範囲を除いて、鋼帯幅方向エッジ1Aから鋼帯幅方向中央までの鋼帯表面およびその部分と隣接する鋼帯幅方向部分の一部の鋼帯表面と接触するロール表面をもつ。なお、図7-1で、Wは、許容幅cに相当する鋼帯幅方向における両エッジ部を除く部分の幅を示す。
このようなロール表面をもつ異物除去ロールを二組、鋼帯長さ方向に組み込んだ異物除去装置6とする理由は、精整ラインを通過する鋼帯1の鋼帯幅に対応するためである。
例えば精整ラインにおいて、鋼帯1より鋼帯幅の広い鋼帯1’を製造する場合について、図2、3を参照しつつ、図7-2を用いて説明する。図7-2でW’は、許容幅cに相当する鋼帯幅方向における両エッジ部を除く部分の幅を示す。
鋼帯1より鋼帯幅の広い鋼帯1’の異物除去処理を行うには、鋼帯幅方向エッジ1B’に対応させて、上流側の一組のロール2、3を矢印7方向(図2参照)にシフトし、反対側の鋼帯幅方向エッジ1A’に対応させて、矢印8方向(図3参照)にシフトする。
異物除去装置6によれば、二組のロールをそれぞれ鋼帯幅に応じてロール軸方向にシフトした場合、上流側の一組のロール2、3により異物を除去した範囲11と、下流側の一組のロール4、5により異物を除去した範囲12は変化しない。従って、二組のロールによる重複異物除去範囲13は幅が狭い鋼帯1の場合に比べ狭くなるものの、広幅の鋼帯1’に対応するすることができ、二組のロールにより鋼帯幅方向における両エッジ部を除く部分の鋼帯表面に付着している異物を除去することができる。
なお、鋼帯1より幅の狭い鋼帯を製造する場合には、二組のロールをそれぞれ図2、3の矢印7、8と反対方向にシフトすればよい。
第1実施の形態に係る異物除去装置6と同様な作用効果を発揮させる装置としては、図4〜図6に示すような第2実施の形態に係る異物除去装置6’とすることもできる。
第2実施の形態に係る異物除去装置6’には、ロール胴長方向にわたりフラットなロール表面プロフィールが形成され、かつロール表面が鋼帯幅方向における両エッジ部を除く部分で鋼帯表面と接触するロール胴長Lのロールが二組、鋼帯長さ方向に組み込まれている。なお、dは上流側での異物除去ロール2’、3’との非接触部分を示し、eは下流側での異物除去ロール4’、5’との非接触部分を示す。
また、各異物除去ロール2’、3’、4’、5’は、異物除去装置6に組み込んだロールと同様、ロール胴長Lにわたり粘着性を有するゴム層を表面に形成したロールとすることが好ましい。異物除去装置6または6’は、テンションレベラー装置により形状矯正を行う前に異物を除去する必要があるから、テンションレベラー装置が設置される箇所より上流側で、かつステンレス冷延鋼帯の精整ラインの幅調整装置以降、巻取装置に至る途中に設置する。異物除去装置6または6’を精整ラインの幅調整装置以降に設置する理由は、当該、精整ラインにおける異物付着を避けるため、できるだけラインの下流側に設置するためである。
本発明に係る金属帯、例えばステンレス冷延鋼帯の製造方法においては、上下で一組とした粘着性を有する異物除去ロールを少なくとも二組、鋼帯長さ方向位置に組み込んだ異物除去装置を用い、少なくとも二組の異物除去ロールをそれぞれ上下から鋼帯表面に接触させて、少なくとも二組の異物除去ロールにより、鋼帯幅方向における両エッジ部を除く部分の前記鋼帯表面に付着している異物を除去する。
従って、鋼帯幅方向両エッジに形成された「返り」がある場合でも、異物除去ロールの表面損傷を抑えつつ、金属帯表面の異物を除去することができる。また、本発明に係るステンレス冷延鋼帯の製造方法では、異物除去装置に組み込む異物除去ロールの組数が従来に比べて増えるが、ロール表面の損傷を抑えることができるから、異物除去ロールを洗浄した後、再使用することができ、異物除去コストの上昇を抑えることが可能である。
図8-1に示すようなスリッターラインに本発明を適用した。スリッターラインは、ペイオフリール21とテンションリール22間に設置したスリット装置23によりステンレス鋼帯20の幅調整を行う精整ラインである。この精整ラインのスリット装置23以降であってテンションリール22に至る途中のできるだけ出側近くの適切な箇所であるルーパーとベルトブライドル間に上述した本発明に係る異物除去装置6を設置した。異物除去装置6には、有効ロール胴長ELが1300mm、テーパー部分の長さaが200mm、テーパー量が半径当たりテーパー部分の長さaに対して1mmであるロール径が100mmの粘着性を有する異物除去ロールを上下で一組とし、2組組み込んだ。
スリット装置23で幅調整を行った後、異物除去装置6により、板厚hが0.5〜0.6mmで、幅が1015mmのフェライト系ステンレス鋼帯20の異物除去処理を行い、発明例とした。異物除去処理は、異物非除去部分の許容幅cを0.5mmとし、上下それぞれのロール押し込み量(ロール表面を鋼板表面に接触させたときを0とし、それから上下のロールを互いに接近させて、押し込んだ量)を1mmとして行った。粘着性を有する異物除去ロールとしては、粘着ゴムロール(テクノロール株式会社製)を用いた。
その結果、発明例では、20コイル(平均15ton/コイル)処理しても、ロール表面に損傷がなく、これらの異物除去ロールは洗浄することにより、再使用することができた。また、異物除去処理を行ったフェライト系ステンレス鋼帯20は、その後テンションレベラー装置を設置したレベラーシャーラインを通してシート状製品としたが、シート状製品には、押し込み疵や打ち込み疵が発生していなかった。
一方、ロール胴長Lが1500mm、ロール径が100mmのフラットなロール表面プロフィールを持つ上下一組の異物除去ロールを用いて、ロール表面を鋼帯表面全幅にわたり接触させて行っていた従来の場合には、3コイル処理(平均15ton/コイル)した時点で鋼帯エッジ部の接触したロール表面に損傷が発生していた。また、従来の方法では、損傷が発生した異物除去ロールをそのまま再使用した場合、通算して5コイル目を処理している途中でロール表面の損傷部から剥離した異物が発生した。
なお、図8-2に示すようなステンレス冷延鋼帯のテンションレベラーラインに異物除去装置6を設置する際には、トリミング装置33以降であってテンションレベラー装置34に至る途中の適切な箇所として、上流側の張力付与装置35とテンションレベラー装置34間に設置することができる。このテンションレベラー装置34には、ステンレス鋼帯30に張力を付与する張力付与装置35(4本ブライドル構成)が備えられ、また、図示したステンレス冷延鋼帯の精整ラインには、ペーパー巻取装置36が設置されている。
本発明の第1実施の形態に係る異物除去装置を説明する概略側面図である。 図1のX1−X1矢視断面図である。 図1のX2−X2矢視断面図である。 本発明の第2実施の形態に係る異物除去装置を説明する概略側面図である。 図4のX3−X3矢視断面図である。 図4のX4−X4矢視断面図である。 本発明にかかる異物除去方法を説明する図である。 本発明にかかる異物除去方法を説明する図である。 本発明を適用したスリッターラインの全体構成を示す概略図である。 本発明を適用して好適なテンションレベラーラインの全体構成を示す概略図である。 ステンレス冷延鋼帯の製造工程を示すフロー図である。 金属製レベラーロールにより形状矯正を行うテンションレベラー装置の概略図である。 テンションレベラー装置通過前の金属帯上の異物を示す図である。 テンションレベラー装置通過後の金属帯上の異物を示す図である。 異物起因の押し込み疵を示す図である。 テンションレベラー装置通過後の金属帯上の他の異物を示す図である。 異物起因の打ち込み疵を示す図である。 従来の異物除去装置における異物除去ロールの問題点を説明する図である。 金属帯幅方向エッジに形成された返りを示す金属帯幅方向断面図である。
符号の説明
1 鋼帯(ステンレス鋼帯)
1A、1B 鋼帯幅方向エッジ
h 板厚
2、3、4、5、2’、3’、4’、5’ 異物除去ロール(ロール)
6、6’異物除去装置
L ロール胴長
EL 有効ロール胴長
a テーパー部分の長さ
b 損傷部の幅
c 異物非除去部分の許容幅
d 上流側での異物除去ロールとの非接触部分
e 下流側での異物除去ロールとの非接触部分
11 上流側の一組の異物除去ロールにより異物を除去した範囲
12 下流側の一組の異物除去ロールにより異物を除去した範囲
13 二組の異物除去ロールによる重複異物除去範囲
14 上流側の異物除去ロールとの接触位置
15 下流側の異物除去ロールとの接触位置
W、W’ 鋼帯幅方向における両エッジ部を除く部分の幅
20、30 ステンレス鋼帯
21、31 ペイオフリール
22、32 テンションリール
23 スリット装置
33 トリミング装置
34 テンションレベラー装置
35 張力付与装置
36 ペーパー巻取装置
100 テンションレベラー装置
100A レベラーロール
101 鋼帯(ステンレス鋼帯)
101A、101B 鋼帯幅方向エッジ
200、200A、200B 異物
201 押し込み疵
202 打ち込み疵
102、103 異物除去ロール
300 損傷部
301 鋼帯幅方向エッジに形成された「返り」

Claims (6)

  1. レベラーロールにより形状矯正を行う前に金属帯の表面に付着している異物を、粘着性を有する異物除去ロールを用いて除去する金属帯の製造方法において、
    上下で一組とした粘着性を有する異物除去ロールを少なくとも二組、金属帯長さ方向に位置させて、該異物除去ロールをそれぞれ上下から金属帯表面に接触させて、該異物除去ロールにより、金属帯幅方向における両エッジ部分を除く部分の前記金属帯表面に付着している異物を除去することを特徴とする金属帯の製造方法。
  2. 前記異物除去ロールを、一方のロール胴端部に先細りテーパー部分が形成され、それ以外のロール胴長方向部分にはフラットなロール表面プロフィールが形成され、かつフラットな該ロール表面が金属帯幅方向における両エッジ部を除く部分で前記金属帯表面と接触するロールとし、前記金属帯表面に付着している異物を除去することを特徴とする請求項1に記載の金属帯の製造方法。
  3. 前記異物除去ロールを、ロール胴長方向にわたりフラットなロール表面プロフィールが形成され、かつ該ロール表面が金属帯幅方向における両エッジ部を除く部分で前記金属帯表面と接触するロールとし、前記金属帯表面に付着している異物を除去することを特徴とする請求項1に記載の金属帯の製造方法。
  4. レベラーロールにより形状矯正を行う前に金属帯の表面に付着している異物を、粘着性を有する異物除去ロールを用いて除去するための異物除去装置を設置した金属帯の製造設備であって、
    金属帯の精整ラインの幅調整装置以降、巻取装置に至る途中に、金属帯幅方向における両エッジ部を除く部分の金属帯表面を金属帯幅方向に少なくとも二つに区分し、区分された少なくとも一つの金属帯幅方向部分と、この部分に隣接する他方の区分の金属帯幅方向の一部分をあわせた金属帯表面とロール表面が接触するように上下で一組とした粘着性を有する異物除去ロールを少なくとも二組、金属帯長さ方向に組み込んだ異物除去装置を設置したことを特徴とする金属帯の製造設備。
  5. 前記異物除去ロールを、一方のロール胴端部に先細りテーパー部分が形成され、それ以外のロール胴長方向部分にはフラットなロール表面プロフィールが形成され、かつフラットな該ロール表面が金属帯幅方向における両エッジ部を除く部分で前記金属帯表面と接触するロールとしたことを特徴とする請求項4に記載の金属帯の製造設備。
  6. 前記異物除去ロールを、ロール胴長方向にわたりフラットなロール表面プロフィールが形成され、かつ該ロール表面が金属帯幅方向における両エッジ部を除く部分で前記金属帯表面と接触するロールとしたことを特徴とする請求項4に記載の金属帯の製造設備。
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