JP2005270863A - 電極触媒の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 より高い触媒活性を有する電極触媒の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、導電性担体に白金微粒子を還元担持させる電極触媒の製造方法において、導電性担体が分散されたpH1〜7の塩化白金酸溶液に、ヒドラジンを1pH/min以下の添加速度で添加することにより、前記溶液の25℃以下におけるpHを2〜8とする工程を含むことを特徴とする電極触媒の製造方法、を提供することにより上記課題を解決する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電極触媒の製造方法に関し、より詳細には高い触媒活性を有する電極触媒の製造方法に関する。
近年、エネルギー・環境問題を背景とした社会的要求や動向と呼応して、常温でも作動し高出力密度が得られる固体高分子型燃料電池が電気自動車用電源、定置型電源として注目されている。固体高分子型燃料電池は、フィルム状の固体高分子膜からなる電解質層を用いるのが特徴である。
かような固体高分子型燃料電池では、電極触媒により、アノードでは燃料の水素ガスをプロトンに変え、カソードでは酸素を還元して電解質層を通ってきたプロトンと結びつき水となる。このようにして、固体高分子型燃料電池は、化学反応により得られた反応エネルギーから電気エネルギーを直接得るものである。
燃料電池には高い性能を長期に亘って示すことが求められ、自動車用電源では5000時間、定置用電源では4万時間とも言われている。そのため、前記触媒には高い触媒活性および耐久性を有することが必要とされる。前記電極触媒としては、多孔質のカーボン粒子などの導電性担体に、白金または白金合金などの触媒金属を担持したものが一般的に用いられている。
カーボン粒子に白金が担持された電極触媒の製造方法は、従来では、所望量の白金塩および導電性担体を含む溶液に還元剤を添加した後、40〜100℃に加熱処理することにより白金を還元担持させる方法が一般的に用いられていた。さらに、カーボン粒子に白金合金が担持された電極触媒を製造するには、白金の還元担持を行った後に、さらに所望する金属の塩および還元剤を添加する方法などが用いられていた。
上述した従来の方法では、白金の還元担持の際に、白金微粒子の分散性が低下したり、均一な粒径を有する白金微粒子を得るのが困難となる恐れがあった。前記電極触媒の耐久性および触媒活性などを考慮すると、導電性担体上に担持される白金微粒子は高分散かつ均一に担持されるのが望ましく、前記電極触媒の製造方法は更なる改善を依然として所望されている。
そこで、本発明が目的とするところは、白金微粒子を均一に高分散担持することで、より高い触媒活性を有する電極触媒の製造方法を提供することである。
本発明者らは、白金微粒子の粒径や分散状態は、還元担持の際の加熱温度に影響され易いことに着目して鋭意検討した結果、室温以下であっても白金塩として塩化白金酸を用い、還元剤としてヒドラジンを用いた場合、所定のpH領域でヒドラジンを所定の添加速度で添加することにより、上記課題が解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、導電性担体に白金微粒子を還元担持させる電極触媒の製造方法において、導電性担体が分散されたpH1〜7の塩化白金酸溶液に、ヒドラジンを1pH/min以下の添加速度で添加することにより、前記溶液の25℃以下におけるpHを2〜8とする工程を含むことを特徴とする電極触媒の製造方法である。
白金微粒子の還元担持は、従来では40〜100℃程度に加熱しながら行われていたのに対し、本発明の方法によれば室温以下の温度で行うことが可能となった。これにより、本発明の方法は加熱工程を必要としないため、簡易かつ経済的な方法により電極触媒の調製が行え、さらに、白金の還元反応を均一に行うことができ導電性担体に白金微粒子を均一かつ高分散状態で担持することができる。
従って、本発明の方法によれば、高い触媒活性を発電開始初期から長期に亘って示すことができる電極触媒が得られる。
本発明は、導電性担体に白金微粒子を還元担持させる電極触媒の製造方法において、導電性担体が分散されたpH1〜7の塩化白金酸溶液に、ヒドラジンを1pH/min以下の添加速度で添加することにより、前記溶液の25℃以下におけるpHを2〜8とする工程を含むことを特徴とする電極触媒の製造方法である。
従来の方法では、後述の比較例1に記載する通り、白金塩の溶液と導電性担体との混合液にエタノールなどの比較的還元性の低い還元剤を添加した後、40〜100℃に加熱することにより還元剤の活性を高めて白金粒子の還元速度の調整を行っていた。かような方法では、局部的に加熱温度の高低が生じて加熱温度にムラが生じ易く、これに起因して還元反応が不均一となり、得られる白金微粒子の担持量や分散状態に悪影響が生じる恐れがあったと考えられる。
しかしながら、本発明の方法では、図1の調製工程図に示すように、塩化白金酸(HPtCl)およびヒドラジン(N)を用いて、塩化白金酸溶と導電性担体との混合液にヒドラジンを添加した後、白金微粒子の還元反応を所定のpH域で行う。すなわち、塩化白金酸溶液を用いたヒドラジンの還元反応は、混合液のpHが2〜8の範囲においては室温以下であっても白金微粒子の還元反応が進行することが判明した。従って、かような方法によれば、加熱工程が必要なく、白金の還元反応が均一に行える。さらに、ヒドラジンの添加速度の調整などにより、析出する白金微粒子の粒径の調整も可能である。よって、本発明によれば、加熱工程を省略でき、白金微粒子を導電性担体に所望の粒径で、均一に高分散担持させることが可能となった。
以下、本発明の触媒の製造方法に関し、順を追って説明する。
まず、塩化白金酸溶液に導電性担体を分散する。前記導電性担体としては、カーボンを主成分とするものが好ましく用いられ、具体的には、BET比表面積が50m/g以上、好ましくは250〜1,600m/gの導電性カーボンが挙げられる。より具体的には、ケッチェンブラック、ブラックパール、グラファイト化カーボン、グラファイト化ブラックパール、および、これらを高温にて黒鉛化処理を施したもの等が挙げられる。また、前記導電性担体は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ溶液で、該担体表面の付着物を洗浄してもよい。
前記塩化白金酸溶液は、塩化白金酸を、水、エタノール、ブタノールなどの溶媒に混合することにより得られる。
上述した通り、室温以下、具体的には25℃以下の温度条件下では、白金微粒子の還元反応はヒドラジンを添加した後の塩化白金酸溶液のpHが2〜8の範囲内で主に進行する。従って、25℃以下における、導電性担体を分散した後の前記塩化白金酸溶液のpHは1〜7、好ましくは1〜3とする。前記塩化白金酸溶液のpHが1未満であると白金の析出反応が起こり難く、担持されない場合があり、pHが7を超えるとヒドラジンが添加された際の還元反応が急激に進行し、析出する白金微粒子の粗大化を招くなどの恐れがあるため望ましくない。
本発明の方法によれば、室温以下で還元反応を進行させることができるため、前記塩化白金酸溶液の温度は、25℃以下、好ましくは10℃以下であって、前記溶液が氷結しない程度の温度範囲とするのがよい。
前記導電性担体を分散した後の前記塩化白金酸溶液における白金の濃度は、0.001〜1質量%、特に0.001〜0.01質量%とするのが好ましい。塩化白金酸の濃度が、0.001質量%未満では所望の白金担持量を得るために用いる塩化白金酸溶液量が多くなる恐れがあり経済的に好ましくなく、1質量%を超える場合にはヒドラジンが添加された際の還元反応が急激に起こる恐れがあるため好ましくない。
本発明の方法において、次に、前記導電性担体が分散された前記塩化白金酸溶液に、ヒドラジンを添加する。ヒドラジンは、塩基性の無機化合物で常温では液体であり、強い還元力を有している。従って、ヒドラジンによる還元は、未還元の白金量を低下させることができ、仕込み値により近い白金担持量が得られるため、未還元の白金の回収作業を省略することが可能である。
また、従来のエタノールを用いた方法では導電性担体の細孔内部にまで白金粒子が担持されるが、かような細孔内部の白金粒子は電極反応に寄与することができない。しかしながら、ヒドラジンを用いて所定の速度で添加する本発明の方法によれば、導電性担体の表面のみに白金粒子を担持することができ細孔内部にはほとんど担持されないため、より高活性な電極触媒が得られる。
前記塩化白金酸溶液にヒドラジンを添加した際に、還元反応を緩やかに進行させて析出する白金微粒子の粗大化を抑制するために、ヒドラジンの濃度は低い方が望ましい。しかしながら、ヒドラジンの濃度が低すぎると調製工程の時間を不要に長くする恐れがある。これらを考慮して、ヒドラジンの濃度は、0.01〜1質量%程度にするのがよい。
ヒドラジンを添加した後の前記塩化白金酸溶液のpHは2〜8とする。前記塩化白金酸溶液のpHが、2未満では白金の還元反応を十分に進行させることができない恐れがあり、8を超えた場合には白金の還元反応はほぼ終了している恐れがありそれ以上のヒドラジンの添加は経済的に好ましくない。
上述の通り、還元反応は溶液のpHが2〜8の範囲において主に進行することから、ヒドラジンを添加した後の前記塩化白金酸溶液の最終的なpHは8以下とするのが好ましい。
ヒドラジンは前記塩化白金酸溶液に、1pH/min以下の添加速度で添加する。ヒドラジンの添加による前記塩化白金酸溶液のpHの上昇は、白金微粒子が析出する速度とほぼ等しい。白金微粒子の析出する速度が速すぎると、白金微粒子のシンタリングを招いたり、また、白金微粒子は先に析出している白金微粒子上に連鎖的に析出し易く白金微粒子が連鎖状に連なって粗大化する傾向がある。そのため、還元反応速度を調整しながら白金微粒子を析出させる必要がある。また、ヒドラジンの添加速度を1pH/min以下で調整することにより、析出する白金微粒子の粒径の調整をも容易に行うことができる。
特に、ヒドラジンを添加した前記塩化白金酸溶液のpHが2〜6の範囲では、白金の還元反応が急激に起こる傾向がある。従って、前記pH範囲において析出する白金微粒子のシンタリング、粗大化などを抑制するために、ヒドラジンの添加速度の調製が特に重要となる。
そこで、前記塩化白金酸溶液のpHが2〜6の範囲では、ヒドラジンの添加速度を0.5pH/min以下、好ましくは0.1pH/min以下で添加するのがよい。
本発明の方法において、前記塩化白金酸溶液に超音波、プラズマ、電磁波などを照射した後に、もしくは、これらを照射しながら、ヒドラジンの添加を行ってもよい。なかでも、前記塩化白金酸溶液に超音波を照射しながらヒドラジンの添加を行うのが好ましい。超音波による物理的エネルギーを供給することで、シンタリングなどを抑制して、析出した白金微粒子の高分散状態を維持することができる。超音波の照射エネルギー量は、特に限定されないが、2MHz以下、好ましくは100kHz〜1MHzの周波数とするのがよい。
さらに、本発明の方法において、析出する白金微粒子のシンタリングを抑制することを目的として、ヒドラジンを添加する前記塩化白金酸溶液に、TritonX(ナカライテスク社製)などの分散剤が添加されていてもよい。前記分散剤を添加することにより、白金微粒子のシンタリングの抑制の他、導電性担体の分散性の向上も図れるため好ましい。
前記分散剤の添加量は、多すぎても、少なすぎても所望するほどの効果が得られない恐れがあり、白金微粒子の粗大化を招く。特に多すぎる場合には得られる電極触媒中に残存して前記分散剤の除去工程が必要となる恐れがある。そのため、これらを考慮して前記分散剤の添加量は、使用したカーボン粉末に対して、0.01〜1質量%、好ましくは0.01〜0.5質量%程度とするのがよい。
また、白金微粒子の粗大化を抑制するために、前記分散剤の他、一酸化炭素ガスなどを前記塩化白金酸溶液に流入しながらヒドラジンの添加を行ってもよい。一酸化炭素ガスなどは白金微粒子の表面に吸着し易いため、バブリングなどをしながら流入させることにより、析出した白金微粒子の粗大化を効果的に抑制することができる。
前記一酸化炭素ガスの流量は特に制限はなく、連続して導入されていればよい。また、、酸素などを含むエアー等のガスを排除または導入しない程度の流量とするとよい。好ましくは、前記塩化白金酸溶液における一酸化炭素濃度が飽和状態となる程度である。
さらに、導電性担体の分散性の向上および白金微粒子のシンタリングの抑制などのために、前記塩化白金酸溶液にエタノール、メタノール、などの水溶性有機溶媒が添加されていてもよい。前記水溶性有機溶媒の添加量は、所望する効果が得られるように適宜決定すればよい。
上述の通りにして、導電性担体に白金微粒子の還元担持を行った後は、前記担体を溶液からろ過などにより分離した後、洗浄、乾燥することにより電極触媒が得られる。乾燥方法は、例えば自然乾燥、ロータリーエバポレーター、送風乾燥機、ドラムドライヤーによる乾燥などを適宜用いることができる。乾燥条件は、使用する方法に応じて適宜選択すればよいが、40〜80℃、6〜12時間程度で十分である。
また、導電性担体表面に担持させた触媒金属の合金化などをする場合には、焼成を行うのが好ましい。場合によっては、乾燥工程を行わずに、焼成工程において乾燥させることとしてもよい。前記焼成は、200〜950℃、1〜4時間程度で十分である。また、前記焼成は、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気下において行うのが好ましい。
上述した方法により導電性担体上に析出する白金微粒子の平均粒径は、1〜5nmが好ましい。これは、塩化白金酸溶液に添加するヒドラジンの添加速度などを変えることにより容易に調整できる。
また、前記白金微粒子の担持量は、触媒に対して1〜50質量%、特に1〜30質量%程度となるように調整するのが好ましい。前記担持量が1質量%未満であると所望する触媒活性を有する電極触媒が得られない恐れがあり、50質量%を超えると担持量が多すぎて白金微粒子が重なりあって析出する恐れがあり、却って触媒活性が低下する。
さらに、本発明の方法では、導電性担体に予め卑金属および/または貴金属が担持されているものを用いてもよい。このように、予め卑金属および/または貴金属が担持された導電性担体を用いて、上述した方法により白金微粒子の還元担持を行うと、予め担持された金属の付近や表面に選択的に白金微粒子を高分散担持し易くなるためである。
前記卑金属としては特に限定されないがチタニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、およびニッケル、またはこれらの合金よりなる群から選ばれる少なくとも1種などが挙げられる。白金の他に前記卑金属などが担持されると得られる電極触媒の活性をより高めることができる。また、触媒活性および触媒の安定性を高めるために白金と卑金属とは合金化されているのが好ましく、本発明の方法によれば予め担持された金属の表面や付近に選択的に白金微粒子を還元担持でき、白金と卑金属とを合金化するのに好適な状態で担持させることができる。これにより、合金化する際の焼成温度を低くすることができ、焼成による触媒金属のシンタリングなどを抑制でき、高い触媒活性を有する電極触媒が得られる。
次に、前記貴金属としては、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、イリジウムおよびオスミウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種などが挙げられる。なかでも、白金微粒子の析出は、同じ貴金属すなわち白金上に担持され易い。従って、前記貴金属のなかでも白金が好ましく挙げられる。これにより、上述した方法により析出した白金微粒子の担持量を多くすることができる。
導電性担体に予め卑金属および/または貴金属を担持するには、特に限定されず、含浸法、共沈法、競争吸着法などの各種公知技術を用いて行えばよい。例えば、含浸法を用いて予め導電性担体にコバルトを担持するには、硝酸コバルトの水溶液などに導電性担体を浸漬・含浸させた後、焼成を行い酸化コバルトやコバルト(メタル)を導電性担体に担持させればよい。さらに、コバルトを予め担持させた導電性担体を用いて、上述した方法と同様にして白金微粒子の還元担持を行えば、コバルトと白金とが近接して高分散担持させることができる。
導電性担体に予め担持する卑金属および/または貴金属の担持量は、触媒に対して30質量%以下、特に10質量%以下とするのが好ましい。かような範囲であれば、上述した方法を用いて、白金微粒子が所望の粒径で、均一に高分散担持された電極触媒を得ることができる。
予め担持させた卑金属および/または貴金属と後工程により担持された白金微粒子は、得られる電極触媒の活性、安定性などを高めるために焼成により合金化するのが好ましい。前記焼成方法は特に限定されず、上述した通りである。
上述した本発明の方法によれば、室温以下で導電性担体に白金微粒子の還元担持を行うことができるだけでなく、還元反応を均一にすることができるため析出する白金微粒子の粒径を均一にすることができる。さらに、ヒドラジンの添加速度を所定の範囲内で調整することにより、白金微粒子の粒径制御を容易に調整することができる。従って、本発明の方法によれば、加熱工程が必要ないため簡易かつ経済的な方法で、高い触媒活性を反応開始初初期から長期に亘って示すことができる電極触媒が得られる。
前記電極触媒の用途としては、前記電極触媒が好適に使用できるのであれば特に制限はないが、好ましくは燃料電池用電極触媒として用いる。燃料電池の種類としては、所望する電池特性がえられるのであれば特に限定されないが、実用性・安全性などの観点から固体高分子型燃料電池として用いるのが好ましい。
特に、固体高分子型燃料電池のカソードにおいては、強酸性電解質中で0.7V以上という貴電位状態となり担体表面に坦持された白金微粒子などの触媒金属が遊離してシンタリングなどを生じ易く、燃料電池の効率を低下させる場合がある。しかし、本発明の方法により得られた電極触媒は上述した特性を有することから、かようなカソードに特に好適に用いられる。
以下、本発明の実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
<実施例1>
0.1wt%HPtCl水溶液500gにカーボンブラック(ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製 ケッチェンブラックEC600JD:BET比表面積1270m/g)を0.5g投入し、超音波ホモジナイザーで10分間分散・混合し、分散溶液A(25℃、pH2)を調製した。次に、分散溶液Aに0.01wt%ヒドラジン水溶液を滴下速度0.1pH/minで滴下し、pH7となるまで滴下を行った。これを1時間攪拌後、ろ過して固形分を分離し、純水にて数回、洗浄した。さらに、80℃において8時間乾燥し、Pt(50質量%、平均粒径4.3nm)担持カーボン粉末Aを得た。
<実施例2>
0.04wt%HPtCl水溶液310gにカーボンブラック(ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製ケッチェンブラックEC600JD:BET比表面積1270m/g)を0.5g投入し、超音波ホモジナイザーで10分間分散・混合し、分散溶液B(25℃、pH2)を調製した。次に、分散溶液Bに0.01wt%ヒドラジン水溶液を滴下速度0.01pH/minで滴下し、pH7となるまで滴下を行った。これを1時間攪拌後、ろ過して固形分を分離し、純水にて数回、洗浄した。さらに、80℃において8時間乾燥し、Pt(20質量%、平均粒径3.2nm)担持カーボン粉末Bを得た。
<実施例3>
実施例2の調製工程において、分散溶液Bに0.01wt%ヒドラジン水溶液を滴下速度0.01pH/minで滴下する際、超音波ホモジナイザーにて分散溶液Bを分散させながらpH=7となるまで滴下を行い、これを1時間攪拌後、ろ過して固形分を分離し、純水にて数回、洗浄した。さらに、80℃において8時間乾燥し、Pt(20質量%、平均粒径2.7nm)担持カーボン粉末Cを得た。
<実施例4>
実施例2の調製工程において、分散溶液Bに0.01wt%ヒドラジン水溶液を滴下速度0.01pH/minで滴下する際、分散溶液BにCOをバブリングしながら導入することによりCO雰囲気下でpH7となるまで滴下を行い、これを1時間攪拌後、ろ過して固形分を分離し、純水にて数回、洗浄した。さらに、80℃において8時間乾燥し、Pt(20質量%、平均粒径2nm)担持カーボン粉末Dを得た。
<比較例1>
触媒金属粒子原料として白金濃度0.5wt%のジニトロジアミン白金硝酸塩水溶液200gにカーボンブラック(ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製ケッチェンブラックEC600JD:BET比表面積1270m/g)を1g投入し、超音波ホモジナイザーで1時間攪拌混合し、還元剤としてエタノール50mlを投入して1時間攪拌した。その後、30分で85℃まで加温し、85℃で6時間撹拌・混合して液色が無色透明になるまで還元反応を進行させた後、ろ過して固形分を分離し、純水にて数回、洗浄を実施した。さらに、80℃において8時間乾燥し、Pt(50質量%、平均粒径3nm)担持カーボン粉末Eを得た。
<各調製方法の処理条件>
実施例1から4の調製条件(参考に比較例1も記載した)を下記表1に示した。
Figure 2005270863
<電極触媒の性能評価>
MEA(Membrane Electrode Assembly:膜−電極接合体)を以下のような手順で作成した。
まず、各実施例及び比較例で調製したPt担持カーボン粉末A〜Eを電極触媒として、これに精製水とイソプロピルアルコールを加え、更に所定量のNafion(登録商標)溶液を加えてホモジナイザーで良く分散させ、更に脱泡操作を加えることによって触媒スラリーを作製した。これをガス拡散層(GDL)であるカーボンペーパー(東レ製 TGP−H−060)の片面にスクリーン印刷法によって所定量印刷し、60℃で24時間乾燥させることにより、ガス拡散層上にカソード触媒層を作製した。
また、50%Pt担持カーボンを電極触媒として用い、カソードと同様な方法を用いてガス拡散層上にアノード触媒層を作製した。
次に、これらのガス拡散層を用いて、それぞれの触媒層を内側にして電解質膜を挟持した後、120℃、0.2MPaで、3分間ホットプレスを行うことによってMEAを作製した。なお、得られたMEAは、アノード、カソードともにPt使用量を見かけの電極面積1cmあたり0.5mgとし、電極面積は300cmとした。また、電解質膜としてNafion112を用いた。
そして、このようにして作製したMEAを用いて燃料電池単セルの性能測定を行った。測定に際しては、アノード側に燃料として水素を供給し、カソード側には空気を供給した。両ガスとも供給圧力は大気圧とし、水素は80℃、空気は60℃で飽和加湿し、燃料電池本体の温度は80℃に設定し、水素利用率は70%、空気利用率は40%として、電流密度−セル電圧特性を調べた。その結果として、各実施例及び比較例に係る電極触媒を用いた単セルの質量活性を表2に示す。なお、表2において、「質量活性」とは電極触媒性能を示す指標のひとつであり、一般にセル電圧0.9VにおいてPt1gあたりの電流値である。質量活性の値が大きいほど電極触媒の性能が高いといえる。
Figure 2005270863
導電性担体上に白金を担持させる、本発明の調製工程図を示す。

Claims (14)

  1. 導電性担体に白金微粒子を還元担持させる電極触媒の製造方法において、
    導電性担体が分散されたpH1〜7の塩化白金酸溶液に、ヒドラジンを1pH/min以下の添加速度で添加することにより、前記溶液の25℃以下におけるpHを2〜8とする工程を含むことを特徴とする電極触媒の製造方法。
  2. 前記溶液の温度が10℃以下であることを特徴とする請求項1記載の電極触媒の製造方法。
  3. 前記溶液のpHが2〜6の範囲では、前記ヒドラジンを0.5pH/min以下の添加速度で添加することを特徴とする請求項1または2記載の電極触媒の製造方法。
  4. 前記ヒドラジンを0.1pH/min以下の添加速度で添加することを特徴とする請求項3に記載の電極触媒の製造方法。
  5. 前記ヒドラジンの濃度が、0.01〜1質量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電極触媒の調整方法。
  6. 前記塩化白金酸溶液における白金の濃度が0.001〜1質量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電極触媒の製造方法。
  7. 前記塩化白金酸溶液に超音波を照射しながら前記ヒドラジンを添加することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電極触媒の製造方法。
  8. 前記塩化白金酸溶液に、分散剤を0.01〜1質量%添加することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電極触媒の製造方法。
  9. 前記塩化白金酸溶液に、一酸化炭素を導入することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の電極触媒の調整方法。
  10. 前記導電性担体に予め貴金属および/または卑金属が担持されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の電極触媒の製造方法。
  11. 前記卑金属が、チタニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、またはこれらの合金から選択される少なくも一種であることを特徴とする請求項10に記載の電極触媒の製造方法。
  12. 前記貴金属が、白金であることを特徴とする請求項10または11に記載の電極触媒の製造方法。
  13. 前記貴金属および/または前記卑金属の担持量が、前記導電性担体に対して30質量%以下であることを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の電極触媒の製造方法。
  14. 前記塩化白金酸溶液が、水溶性有機溶媒を含むことを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の電極触媒の製造方法。
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