JP2005270460A - 電磁誘導加熱用の金属製真空二重容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 真空排気用のろう付けの位置は、金属製真空二重容器の載置面から熱影響を受けない離れた位置とすることにより、電磁誘導加熱による急激な温度変化に対しても、排気孔を真空封止するガラス製ろう材等の割れの発生を防止するとともに、金属製の内外両容器間の真空部を破壊する虞れも解消すること。
【解決手段】 底板10を有する金属製の内容器20と金属製の外容器21とで囲まれた内部空間23を、排気孔31を介して真空排気した後に排気孔31をろう材32で真空封止して真空断熱層24とした電磁誘導加熱用の金属製真空二重容器において、ろう付け部35は、金属製真空二重容器1を電磁調理器等の加熱装置3上に載置したときに、誘導加熱コイルによる磁界の影響を受けないように、金属製真空二重容器1の載置面より所定距離L1(L2)離間した位置に設けてあることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電磁調理器等の加熱装置上に載置されて加熱されるマグカップ、鍋、ケトル、ポット、コップなどの金属製真空二重容器に関する。更に詳しく言えば、その金属製真空二重容器の真空封止構造に関するものである。
従来より、ホテルや旅館などには、例えば湯沸かし用等の電磁調理器を置いており、この電磁調理器上にマグカップやポット等の一重のステンレス鋼製の加熱容器を載置し、該電磁調理器の誘導加熱コイルで発生した磁界によって前記加熱容器を誘導加熱して湯等の内容物を加熱するようになっている。
この場合、上記マグカップ等の加熱容器は、一重のステンレス鋼製の容器で構成されているため、該加熱容器全体が熱くなり、加熱中に該加熱容器の側面に誤って手を触れると火傷する恐れがあった。また、底面から加熱された熱が側面を経て加熱容器全体に伝導されて放熱される結果、保温力が劣り熱効率が悪かった。
この改善策としては、特開2004−16741号公報(特許文献1)の[図4]に示された金属製真空二重容器を使用すれば、上記欠点は解消されよう。
上記特許文献1の金属製真空二重容器は、有底形状の内容器を底部開口の外容器内に挿入して両者の上部開口部を溶接などで接合し、次に銅又はアルミ箔や加熱金属板やスペーサを前記内容器の底板と外容器の底板間に介装して、前記外容器の底板を外容器の本体に溶接して接合し、その後、上部開口部を除く全周に形成された内外両容器間の断熱空間を真空排気して、内容器の底板と外容器の底板との間の断熱空間を圧縮するものである。
しかしながら、この特許文献1の図4においては、内外両容器間の断熱空間を真空排気するための排気孔の形成位置などは何ら開示されていない。また、同特許文献1の図1〜図3においては、外容器側壁下部にチップ管を設けて、これで断熱空間を真空排気する構成としていると共に、外容器の底板下方より加熱するものであるから、チップ管部が外容器の底板よりの伝導熱により熱影響を受けるという問題があった。
また、図9に示すものは、本願出願人が提案した、電気ポット等の金属製真空二重容器の一部の縦断面図を示すものであり、この金属製真空二重容器は、金属製の内容器01と金属製の外容器02とを口部で接合して二重容器を構成し、内外両容器01,02の下端部内に本願出願人が案出した環状リング03を溶接などにより接合するとともに、この環状リング03に形成された真空排気用の排気孔04を介して内外両容器間に形成される空間部を真空排気した後、該排気孔04をろう材(例えばガラス製ろう材など)の溶け込みで封止して、前記内外両容器01、02間を真空断熱空間05とするものである。
この図9に示す排気孔04は、内外両容器01,02の下端部に形成されているため、排気孔04を封止したろう付け部が、加熱源である電磁調理器等の誘導加熱コイルによる磁界の影響を受ける。すなわち、内外両容器がステンレス鋼の場合は、電磁誘導加熱による急激な温度上昇等の温度変化に対して膨張収縮して対応できる。しかしながら、排気孔封止用のガラス製ろう材は、内外両容器のステンレス鋼より熱膨張率が小さいので、急激な温度変化による膨張収縮に追従できない。従って、図9に示す如く、加熱源の磁界の影響を受け易い内容器01の底板06近くにあるガラス製ろう材は、急激な温度変化による膨張収縮に追従できないため、該ガラス製ろう材に割れ(クラック)が生じる場合があり、それに起因して真空が破壊する虞れがあった。
特開2004−16741号公報
本発明は、上記従来例の有する問題点を解決しようとするものであり、真空排気用のろう付けの位置は、金属製真空二重容器の載置面から熱影響を受けない(加熱源の磁界の影響を受けない)離れた位置とすることにより、電磁誘導加熱による急激な温度変化に対しても、排気孔を真空封止するガラス製ろう材等の割れの発生を防止するとともに、金属製の内外両容器間の真空部を破壊する虞れも解消する、電磁誘導加熱用の金属製真空二重容器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載の電磁誘導加熱用の金属製真空二重
容器は、底板を有する金属製の内容器と金属製の外容器とで囲まれた内部空間を、排気孔を介して真空排気した後に該排気孔をろう材で真空封止して真空断熱層とした電磁誘導加熱用の金属製真空二重容器において、前記ろう付け部は、該金属製真空二重容器を電磁調理器等の加熱装置上に載置したときに、誘導加熱コイルによる磁界の影響を受けないように、該金属製真空二重容器の載置面より所定距離離間した位置に設けてあることを特徴とする(請求項1参照)。
ここで、「金属製真空二重容器の載置面より所定距離」とは、該金属製真空二重容器を電磁調理器等の加熱装置に載置したときに、誘導加熱コイルによる磁界の影響を受けない距離を言う。つまり、誘導加熱コイルによる磁界の影響を受けない距離の基準面は、図1や図2の如く底部材があって底板が没入している場合には底部材下面を、また図7の如く底部材を設けていないときには底板下面を基準面とする。或いは図3で示す電磁調理器等の加熱装置3の受プレート61などの加熱装置3への載置面を基準面とする場合も含む広義のものである。
また、本願発明の請求項2に記載の電磁誘導加熱用の金属製真空二重容器は、底板を有する金属製の内容器と金属製の外容器とで二重容器構造とし、前記金属製の内容器の下端部は金属製の外容器の下端部より長く垂設するとともに、前記金属製真空二重容器の載置面の水平線上より上方の離間位置に設けた前記金属製の外容器の下端部と、該金属製の外容器の下端部近辺が対向する金属製の内容器との間であって、容器本体を加熱装置上に載置したときに磁界の影響を受けない位置に環状リングを設け、前記金属製の内容器と環状リングと金属製の外容器とで囲まれた空間は、少なくとも前記環状リングに設けた排気孔を介して真空排気した後に、該排気孔をろう材で真空封止して真空断熱層とし、前記金属製の外容器下部と環状リングと金属製の内容器下部との間に環状段部を形成してあることを特徴とする(請求項2参照)。
この場合に、前記環状段部には底部材を設ける(請求項3参照)方が良い。また、前記底部材に把手を連結することもできる。
前記金属製の内容器の底板の下面側には底板カバーを設けること(請求項4参照)もできる。
請求項1の発明によれば、真空排気後にろう材を溶融して排気孔を真空封止するろう付け部は、金属製真空二重容器の載置面より加熱装置の誘導加熱コイルによる磁界の影響を受けない所定距離離間した位置に設けているから、電磁誘導加熱による急激な温度変化に対して、ガラス製ろう材等及びその周辺の温度上昇が緩やかになるので、膨張収縮率の違いによるガラス製ろう材等の割れの発生が防止できるとともに、内外両容器間の真空部を破壊する虞れも解消できる。
請求項2の発明によれば、金属製の内容器の下端部を金属製の外容器の下端部より長く垂設するとともに、加熱装置からの磁界の影響を受けない位置に環状リングを設け、この環状リングに設けた排気孔を真空排気した後にろう材で真空封止するろう付け部とするものであるから、前記請求項1に記載した効果と同様の効果を有する。
また、ろう付け部となる排気孔は小寸法の環状リングに形成するものであるから、従来の如く大寸法の金属製の内容器又は金属製の外容器に形成する排気孔の場合に比べて、加工し易いなどの利点がある。
加えて、金属製の内容器と環状リングと金属製の外容器とで囲まれた空間は、真空炉内において、環状リングに設けた排気孔を介して真空排気した後に、該排気孔をろう材で真空封止して真空断熱層としてなるものであるから、環状リングの取付位置を適宜に変更することにより真空断熱層の高さ(長さ)を任意に設定することができるばかりか、内外両容器の空間に環状リングを嵌合など設けるだけで真空断熱層が簡単にできる。
さらに、金属製の内容器の下端部は金属製の外容器の下端部より長く垂設して、金属製真空二重容器(容器本体)の側面だけを真空断熱層としているから、底部からの誘導加熱の際の伝導熱が金属製真空二重容器(容器本体)の側面に伝わり難いため、金属製真空二重容器(容器本体)の側面の高温化が防止でき、加熱中に金属製真空二重容器(容器本体)の側面に誤って手が触れても火傷することが防止できる。
また、金属製の外容器下部と環状リングと金属製の内容器下部との間に環状段部を形成しているから、上記請求項1に記載の効果がより一層達成できる。
請求項3の発明によれば、前記環状段部に底部材を設けることにより、この底部材によって、内容器の下端部と一重の内容器の底板との溶接部、及び環状リングと内容器及び外容器との溶接部を隠すことができるとともに、この底部材に把手を連結できる利点がある。
請求項4の発明によれば、金属製の内容器の底板下面側には底板カバーを設けてあるので、電磁調理器等の加熱装置に該金属製真空二重容器を載置した場合に、底部から誘導加熱した際に底板などの熱変形が起こり難いとか、底板の補強になるとか、テーブルなどに載置する場合の脚部ともなるなどの利点がある。
本発明の第1実施例を図1〜図6に基づいて以下に説明する。
図1は内外両容器の下部に取り付けた底部材の一部を省略した電磁誘導加熱用の金属製真空二重容器の縦断面図、図2は図1の一部を拡大した部分拡大縦断面図、図3は内外両容器の下部に底部材全部を取り付けるとともに、電磁調理器(加熱装置)上に載置した電磁誘導加熱用の金属製真空二重容器の縦断面図、図4は底部材に把手を連結した状態を示す部分を縦断した側面図、図5は底部材の斜視図、図6は電磁誘導加熱用の金属製真空二重容器に天蓋を被蓋した全体の側面図である。
図1〜図4、図6で、1は電磁誘導加熱用の金属製真空二重容器であって、この実施例ではマグカップを例示しているが、ポットやコップや鍋などの他の金属製真空二重容器にも適用することができる。
この電磁誘導加熱用の金属製真空二重容器(以下、金属製真空二重容器と略称することもある)1は、例えばステンレス鋼のSUS304系等の非磁性体の金属からなる内容器20及び外容器21とで二重容器構造とし、前記金属製の内容器20の下端部は金属製の外容器21の下端部より長く垂設するとともに、該金属製の内容器20の下端部には、例えばステンレス鋼のSUS430系等で誘導加熱される磁性体からなる一重の金属製の底板10を溶接22などにより接合している。なお、前記金属製の底板10は、ステンレス鋼のSUS304系その他の金属でも加工することによって用いることができるし、また二重の内容器20及び外容器21はステンレス鋼のSUS430系その他の金属でも加工することによって用いることができる。
金属製真空二重容器1の載置面、つまり金属製の内容器20の底板10下面又は底部材40下面の水平線F1、F2上より上方の離間位置に設けた前記金属製の外容器21の下端部と、該金属製の外容器21の下端部近辺が対向する金属製の内容器20との間であって、容器本体2を電磁調理器等の加熱装置3(図3参照)上に載置したときに、その加熱装置3の誘導加熱コイルによる磁界の影響を受けない位置に環状リング30を設ける。つまり、前記金属製の内容器20及び外容器21で囲まれた空間23は当初は底部のみが開口されており(図1、図2参照)、この底部開口を環状リング30で閉塞する。この場合、環状リング30を上下方向に適宜移動することにより、真空断熱層24の上下方向の長さを調節することができる。
そして、環状リング30と内容器20及び外容器21とも溶接33などにより結合してある。このように構成されているので、真空断熱層24の低部位置に対応する外容器21の下部と環状リング30と金属製の内容器20下部(底板10も含む)との間には環状段部34が形成される。なお、溶接33の形成位置は溶接22の形成位置よりも高い位置に形成されているのは勿論である。
前記金属製の内容器20と環状リング30と金属製の外容器21とで囲まれた空間23(最終的には真空断熱層24と同一となるものである。)は、真空加熱炉(図示せず)内において、これらの内容器20と環状リング30と外容器21のいずれか(本実施例では環状リング30)に設けた排気孔31を介して真空排気した後に、ろう材などの封孔材32で該排気孔31を真空封止して真空断熱層24としてなるものである。
上記ろう材による真空封止工程を説明すると、先ず、ろう材32を溶融点以下の温度で環状リング30に形成された排気孔31を介して空間23を真空排気して所定の真空度とする。その後、ろう材32を溶融点以上に昇温して同ろう材32を溶融して排気孔31に進入させる。排気孔31に進入したろう材32は毛細管現象により排気孔31の周壁内部を封止する。
環状リング30つまりろう付け部35は、容器本体2を電磁調理器等の加熱装置3上に載置したときに、加熱装置3に組み込まれた誘導加熱コイル68による磁界の影響を受けないように、金属製の真空二重容器1の載置面つまり底板10の下面の水平線F1上又は底部材40下面の水平線F2上より少なくとも誘導加熱コイル68による磁界の影響を受けない距離L1、L2だけ離間している。この距離L1、L2はできるだけ長い方が好ましいが、少なくとも5mm以上あればよい。前記誘導加熱コイル68による磁界の影響を受けない距離の基準面は、図1の如く底部材40があって底板10が没入している場合には底部材40の下面を、また底部材40を設けていないときには底板10下面を、底材40及び底板10の両下面が同一面の場合はその同一面を、それぞれ基準面とする。或いは電磁調理器等の加熱装置3の受プレート61などの加熱装置3への載置面を基準面とする場合も含む。
電磁調理器等の加熱装置3は、図3に示すように、収納凹部3a下面に受プレート61を備えた上カバー60と、上カバー60下部と一体的に結合された下カバー62とからなり、上下両カバー60,62間に形成された空間に半導体スイッチイング素子やダイオードブリッジ63やヒートシンク64等のワークコイル駆動回路等の制御基板65を設けてある。また、上カバー60の受プレート61の下部にはフェライトコア66を有するコイル台67を設け、このコイル台67の上面側には誘導加熱コイル(ワークコイル)68を設けてある。この誘導加熱コイル68の電磁誘導によって受プレート61上に載置した金属製真空二重容器1に渦電流を流し、該金属製真空二重容器1を発熱させて水などの内容物を加熱する。69,70はサーミスタである。
前述したように、金属製の外容器21下部と環状リング30と金属製の内容器20下部との間に環状段部34を形成してあり、この環状段部34には、図5に示すような底部材40を設けている(図1、図3、図4、図6参照)。この場合、前記底部材40は外容器21の下端部と嵌合して結合しており、しかも底部材40と内容器20及び底板10との間には環状空隙41を形成し、これにより加熱時に底板10から伝導熱が底部材40や外容器21に伝わらないようにしている。
前記底部材40は、前述したように、金属製の内容器20の下端部と底板10との溶接22部や、環状リング30と金属製の内容器20及び金属製の外容器21との溶接33部を隠す等の利点を有する。また、この底部材40の一部に把手42をビス43等の締結具で固定するとともに、内外両容器の製造工程時に取り付けた金具スポット44(図4参照)を介して把手42の側部を固定する。
なお、図1、図3、図4に示す36は真空断熱層24内のガスを吸着するためのゲッターである。また、排気孔31は、図1に仮想線で示すように真空断熱層24内において、外容器21側に形成してもよいし、又は図示しないが内容器20側に形成してもよい。この排気孔31はろう材(封孔材)の飛散防止のために突出させている。
図1に示す37は環状の凹部であって、これにより底板10の変形防止と加熱面積を大きくする役割を有する。
金属製の内容器20と外容器21とは、同一材料からなる1つの筒体をプレス加工などにより、又は同一材料からなる1枚の板を曲げ加工などにより成形されるが、その他の成形方法などでも製造できる。
例えば、本実施例に示す金属製真空二重容器を内巻により内外両容器20、21から製造する一例を以下に説明する。
先ず、ロール加工や押し出し加工により製作した必要長さで両端開口した非磁性体からなる金属製容器を用意する。次に、前記金属製容器の一端(下端)を固定治具で保持するとともに、他端(上端)を押込み治具で保持する。このとき把手42を取り付けるための金具スポット44を設ける。そして、前記押込み治具を上下動手段により下降して金属製容器を固定治具側に押し込む。この押し込み動作を続けることで上部で連続する二重の内容器20及び外容器21を形成するとともに、前記内容器20は外容器21より所定寸法長くする。次に、前記内容器20の一端には電磁調理器3上に載置されて誘導加熱される一重の磁性体のステンレス鋼等からなる金属製の底板10を溶接22等により結合する。
そして、金属製の内容器20と外容器21で形成された空間23の底部開口を環状リング30で閉塞する。このとき環状リング30と内容器20及び外容器21とは溶接33で接合してある。更に、金属製の内容器20と外容器21と環状リング30とで囲まれた空間は、真空加熱炉内において、これら3者のいずれかに設けた排気孔31を介して真空排気した後に、ろう材等の封孔材で真空封止して真空断熱層24を形成する。排気孔31は本実施例では環状リング30に形成して、加工が容易であるようにしている。最後に、金属製の内外両容器20、21の下部(つまり環状段部34)には底部材40を取り付けて前記溶接(22)、(33)部等を隠すようにしている。
なお、底部材40には前述したように把手42をビス43等の締結具などで固定している。
本発明の金属製真空二重容器の製造方法は、前述の例に限定されるものではなく、適宜設計変更できる。
例えば、金属製の内容器20と外容器21と底板10とを別部材で構成し、前記金属製の内容器20と外容器21、金属製の内容器20と底板10とをそれぞれ溶接などで結合するとともに、環状リング30や真空断熱層24や底部材40などのその他の構成は図1や図4のように構成することもできる。
または、素材として許容されるのであれば、金属製の内容器20と外容器21と底板10とを同一素材からなる一枚の金属製板を用いて、深絞り加工等の適宜加工により、これら金属製の内容器20と金属製の外容器21と底板10とを一体に形成し、環状リング30や真空断熱層24や底部材40などのその他の構成は図1や図4のように構成することもできる。
本発明の第2実施例を図7に基づいて以下に説明する。
この第2実施例のものは、有底容器状に形成した金属製の内容器20と、この金属製の内容器20とは別体で該金属製の内容器20より短い金属製の外容器21とを用い、前記金属製の内容器20の底部を底板10とするとともに、前記金属製の外容器21の上下両端開口を径小として、その径小開口部21a、21bのうち上部径小開口部21aは金属製の内容器20の上端部20aと溶接80により接合するとともに、下部径小開口部21bは金属製の内容器20の下部位置(底板10より所定高さ位置)に同様に溶接81により接合している。そして、金属製の内外両容器20,21間の空間は第1実施例の場合と同様に真空断熱層24が形成され、その真空断熱層の低部位置25は、前記底板10の水平線F1上より少なくとも誘導加熱コイル68による磁界の影響を受けない距離L1だけ離間している。これにより金属製の底板10部を電磁調理器等の加熱装置3に載置したときに、真空断熱層24は誘導加熱コイル68による磁界の影響を受けないようにしている。そのため、金属製真空二重容器1の金属製の外容器21の側面が高温とならないので、手で触れても火傷を負うのを防止できるとともに、熱効率及び保温力が向上される。
この第2実施例の場合の真空断熱層24の形成方法などは第1実施例を参照するとよい。また、ゲッター36は金属製の内容器20側に設けることもできる。
この実施例の場合の排気孔31は、金属製真空二重容器1の載置面である底板10から加熱装置3の磁界の影響を受けない距離L1より遠い金属製の外容器21内側に設け、この排気孔31を介して真空排気した後に、該排気孔31をろう材32で真空封止して真空断熱層24としたものである。従って、この実施例の場合も本発明の有する効果を有する。
本発明の第3実施例を図8に基づいて以下に説明する。
この実施例のものは、金属製の金属製の内容器20、金属製の底板10、金属製の外容器21及び真空断熱層24などを前記第2実施例の図7と同様に設けている点では、図7の構成と同様であるが、この図8では、底板10の下面に環状凹部83を有する底板カバー82を溶接84等により結合している点で両者は異なる。この底板カバー82があるので、電磁調理器等の加熱装置3に該金属製真空二重容器1を載置した場合に、底部から誘導加熱した際に底板10などの熱変形が起こり難いとか、底板10の補強になるとか、テーブルなどに載置する場合の脚部ともなるなどの利点がある。
前記底板カバー82は、環状凹部83の代わりに、底板カバー82の上面に複数の陥没凹部(図示せず)を散点状に形成することもでき、その他の構成でもよい。
また、図7、図8で環状段部34に第1実施例で示したように底部材40を設けることができるし、その場合にこの底部材40と金属製の内容器20との間に第1実施例と同様に環状空隙41を設けることもできる。さらに底部材40に把手42を設けることもできる。
なお、図1、図3で、金属製の底板10の底面は底部材40の底面と同一平面とすることができる。このようにすれば、底板10の底面が電磁調理器等の加熱装置3の受プレート61に密着するので好ましい。
図7、図8において、金属製の内容器20と金属製の外容器21とを一体成形し、金属製の外容器21の下部径小開口部21bを金属製の内容器20の下部と溶接等で結合する構成も実施できる。また、この場合に、底板10部は第1実施例の場合と同様に、金属製の内容器20の胴体部と底板10部とを別体とし、該底板10を胴体部に溶接等により結合する構成も実施できる。
本発明は、マグカップ、鍋、ケトル、ポット、コップなどの金属製真空二重容器に適用される。また、これらの金属製真空二重容器は電磁調理器等の加熱装置3に載置されずに、それ自体が単独して使用される場合も含む。
金属製の内外両容器の下部に取り付けた底部材の一部を省略した金属製真空二重容器の第1実施例の縦断面図である。(実施例1) 図1の一部を拡大した部分拡大縦断面図である。(実施例1) 金属製の内外両容器の下部に底部材全部を取り付けるとともに、電磁調理器(加熱装置)上に載置した電磁誘導加熱用の金属製真空二重容器の縦断面図である。(実施例1) 底部材に把手を連結した状態を示す部分を縦断した側面図である。(実施例1) 底部材の斜視図である。(実施例1) 金属製真空二重容器に天蓋を被蓋した全体の側面図である。(実施例1) 本発明の第2実施例を示す一部縦断面図である。(実施例2) 本発明の第3実施例を示す一部縦断面図である。(実施例3) 本願出願人の提案に係る先行技術の金属製真空二重容器の一部縦断面図である。(先行技術)
符号の説明
1 金属製真空二重容器
2 容器本体
3 加熱装置(電磁調理器)
10 底板
20 金属製の内容器
21 金属製の外容器
22 溶接
24 真空断熱層
30 環状リング
31 排気孔
32 ろう材
33 溶接
34 環状段部
35 ろう付け部
40 底部材
41 環状空隙
42 把手
61 受プレート
68 誘導加熱コイル
80 溶接
81 溶接
82 底板カバー
83 環状凹部
L1 加熱装置の誘導加熱コイルによる磁界の影響を受けない距離(底板10下面 から)
L2 加熱装置の誘導加熱コイルによる磁界の影響を受けない距離(底部材40下 面から)

Claims (4)

  1. 底板を有する金属製の内容器と金属製の外容器とで囲まれた内部空間を、排気孔を介して真空排気した後に該排気孔をろう材で真空封止して真空断熱層とした電磁誘導加熱用の金属製真空二重容器において、
    前記ろう付け部は、該金属製真空二重容器を電磁調理器等の加熱装置上に載置したときに、誘導加熱コイルによる磁界の影響を受けないように、該金属製真空二重容器の載置面より所定距離離間した位置に設けてあることを特徴とする電磁誘導加熱用の金属製真空二
    重容器。
  2. 底板を有する金属製の内容器と金属製の外容器とで二重容器構造とし、前記金属製の内容器の下端部は金属製の外容器の下端部より長く垂設するとともに、前記金属製真空二重容器の載置面の水平線上より上方の離間位置に設けた前記金属製の外容器の下端部と、該金属製の外容器の下端部近辺が対向する金属製の内容器との間であって、容器本体を加熱装置上に載置したときに磁界の影響を受けない位置に環状リングを設け、前記金属製の内容器と環状リングと金属製の外容器とで囲まれた空間は、少なくとも前記環状リングに設けた排気孔を介して真空排気した後に、該排気孔をろう材で真空封止して真空断熱層とし、前記金属製の外容器下部と環状リングと金属製の内容器下部との間に環状段部を形成してあることを特徴とする電磁誘導加熱用の金属製真空二重容器。
  3. 前記環状段部には底部材を設けてある請求項2に記載の電磁誘導加熱用の金属製真空二重容器。
  4. 前記金属製の内容器の底板下面側には底板カバーを設けてある請求項1〜3のいずれかに記載の電磁誘導加熱用の金属製真空二重容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101064337B1 (ko) * 2008-04-01 2011-09-16 서덕용 가열이 가능한 단열용 이중 용기 및 그 제조방법
JP2012254202A (ja) * 2011-06-09 2012-12-27 Tiger Vacuum Bottle Co Ltd 電気ケトル
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