JP2005269969A - 植栽土壌及びその製造方法 - Google Patents

植栽土壌及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005269969A
JP2005269969A JP2004087064A JP2004087064A JP2005269969A JP 2005269969 A JP2005269969 A JP 2005269969A JP 2004087064 A JP2004087064 A JP 2004087064A JP 2004087064 A JP2004087064 A JP 2004087064A JP 2005269969 A JP2005269969 A JP 2005269969A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
soil
soluble polymer
water content
added
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004087064A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3927551B2 (ja
Inventor
Masahito Mori
雅人 森
Hiroshi Takahashi
弘 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2004087064A priority Critical patent/JP3927551B2/ja
Publication of JP2005269969A publication Critical patent/JP2005269969A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3927551B2 publication Critical patent/JP3927551B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A30/00Adapting or protecting infrastructure or their operation
    • Y02A30/24Structural elements or technologies for improving thermal insulation
    • Y02A30/254Roof garden systems; Roof coverings with high solar reflectance
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B80/00Architectural or constructional elements improving the thermal performance of buildings
    • Y02B80/32Roof garden systems

Landscapes

  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)
  • Cultivation Of Plants (AREA)

Abstract

【課題】建設汚泥や浚渫底泥を改質して緑化基盤材としてリサイクルする。
【解決手段】建設汚泥に故紙破砕物を投入して撹拌し、水溶性高分子物質を添加して撹拌し、2価及び/又は3価の金属塩を添加して混合し、次にこれを乾燥させて団粒固化させ、次にこれを解砕する。水溶性高分子物質に被覆された粒子の解砕された面が露出していることにより、保水力がpF試験による値で20(%)以上となり、保肥力が陽イオン交換容量で22(me/100g)以上であり、法面等の緑化基盤材として優れた性質を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、従来は多大な費用をかけて産業廃棄物として処理しなければならなかった建設汚泥や浚渫底泥を改質処理し、緑化基盤材として有用な植栽土壌にリサイクルすることができる植栽土壌の製造方法と、この製造方法によって得られる保水力と保肥力、軽量性、団粒化に優れた緑化基盤材に最適な植栽土壌に関するものである。
土とは、主として岩石の風化作用によってできた比較的粒径の小さい粒の集合体であり、土質工学でいう「土」は、地盤を構成するあらゆる材料を含んでいるため、岩塊から粘度に至るまで、その粒子の大きさも広範囲であり、また、構成する材料も純粋な鉱物から産業廃棄物までいろいろな種類のものを含んでいる。例えば、建設汚泥、有機物含有量の多い河川、湖沼、運河、海域などに堆積したヘドロ(浚渫底泥)等が含まれる。したがって、その挙動はきわめて複雑で変化に富んでいる。
上述した土でも、建設汚泥と浚渫底泥は高含水比状態を呈し、建設汚泥は本来地盤を形づくっていた土が建設工事の過程で泥状となった場合が多く、また浚渫底泥は有機物を含む土が河川等で自然に堆積して泥状となったものであり、有害物質などを含有する例は極めて稀である。
しかしながら、建設汚泥は、建設工事に伴って発生する掘削汚泥や微細な泥状土などであり、そのままでは盛土などに直接流用できない。このため、現状ではごく一部で再利用されるものを除き、大部分は産業廃棄物である「汚泥」として中間処理施設で脱水処理を行ない、あるいは直接最終処分場に持ち込まれている。しかし、脱水作業は水処理施設も含めて多大な設備と費用を要し、また作業には広い面積の土地が必要である。このような事情は、前記ヘドロ(浚渫底泥)においても同様である。
さらに、高含水比状態にある建設汚泥や浚渫底泥をこのように多大な費用をかけて産業廃棄物として改質処理し、含水比を低下させて粒子状にしたとしても、それだけで直ちに再利用が現実に可能となるものではなく、改良土として実際に再利用する場合には、その用途に具体的に適合した最適な条件で改質処理を行い、再利用の用途に適合した最適な改良土の性質を実現しなければ有効なリサイクルが実現できないことは言うまでもない。
そこで本願発明者等は、高含水比状態にある産業廃棄物としての建設汚泥や浚渫底泥を改質処理して流動性を消失させることにより改良土として再利用する技術的可能性を開くに止まらず、再利用の用途を特に近年需要の高い緑化基盤材に定め、改質処理した後に得られる改良土が特に緑化基盤材に適した性質を有する植栽土壌となるような特殊な製造方法を案出することを課題とした。
すなわち、本発明は、建設汚泥、浚渫底泥のような高含水比の土を改質処理して緑化基盤材として最適な保水力や保肥力、軽量性、団粒化等の性質を備えた植栽土壌を製造する製造方法と、かかる製造方法によって製造した特定の機能を有する植栽土壌を提供することを目的としている。
請求項1に記載された植栽土壌の製造方法は、建設汚泥及び/又は浚渫底泥に、繊維質物質と水溶性高分子物質と金属塩を添加して混合し、次にこれを乾燥させて団粒固化させ、次にこれを解砕することを特徴とする。
請求項2に記載された植栽土壌の製造方法は、建設汚泥及び/又は浚渫底泥に故紙破砕物を添加して混合し、次にこれに水溶性高分子物質を添加して混合し、次にこれに2価及び/又は3価の金属塩を添加して混合し、次にこれを乾燥させて団粒固化させ、次にこれを解砕することを特徴としている。
請求項3に記載された植栽土壌の製造方法は、請求項2記載の植栽土壌の製造方法において、前記建設汚泥と前記浚渫底泥の含水比が100%以上500%以下であることを特徴としている。
請求項4に記載された植栽土壌の製造方法は、請求項3記載の植栽土壌の製造方法において、前記建設汚泥及び/又は浚渫底泥の含水比(%)と、全体量1m3 に対する前記故紙破砕物の添加量(kg)の組み合わせが、含水比100(%)に対して添加量50〜70(kg)、含水比200(%)に対して添加量70〜80(kg)、含水比300(%)に対して添加量80〜90(kg)、含水比400(%)に対して添加量85〜100(kg)、含水比500(%)に対して添加量90〜110(kg)であり、
前記建設汚泥及び/又は浚渫底泥のすべての含水比(%)において、全体量1m3 に対する前記水溶性高分子物質の添加量(kg)が1.2(kg)であり、かつ全体量1m3 に対する前記金属塩の添加量(kg)が8.6(kg)であることを特徴としている。
請求項5に記載された植栽土壌の製造方法は、請求項2又は3又は4記載の植栽土壌の製造方法において、前記故紙破砕物の大きさが20mm以下であることを特徴としている。
請求項6に記載された植栽土壌は、建設汚泥及び/又は浚渫底泥に故紙破砕物と水溶性高分子物質と2価及び/又は3価の金属塩を添加して混合し、これを乾燥して団粒固化させた後に解砕することにより、前記建設汚泥及び/又は前記浚渫底泥の固形成分と前記故紙破砕物と前記金属とを含み、前記水溶性高分子物質に被覆された粒子の解砕された面が露出していることを特徴としている。
請求項7に記載された植栽土壌は、請求項6記載の植栽土壌において、前記水溶性高分子物質に被覆された粒子の解砕された面が露出していることにより、保水力がpF試験による値で20(%)以上であり、保肥力が陽イオン交換容量で22(me/100g)以上であることを特徴としている。
請求項1に記載された植栽土壌の製造方法によれば、前記建設汚泥及び/又は前記浚渫底泥の固形成分が前記故紙破砕物と前記金属とを含んで団粒化した粒状の植栽土壌が得られるが、各粒子は前記水溶性高分子物質に被覆されており、製造時に行った解砕工程によって該粒子の解砕された面が露出して水分を吸い易くかつ吸った水分を内部に保持し易い構造になっているので、pF試験による値で20(%)以上の保水力を示し、また陽イオン交換容量で22(me/100g)以上の保肥力を示す等、緑化基盤材に最適な性質を有している。
請求項2に記載された植栽土壌の製造方法によれば、各添加物の添加順序と、乾燥工程と、解砕工程とを所定の順序に定めて行うので、上記効果が確実に得られる。
請求項3に記載された植栽土壌の製造方法によれば、請求項2記載の植栽土壌の製造方法の効果を、含水比が100%以上500%以下の前記建設汚泥及び前記浚渫底泥について得ることができる。
請求項4に記載された植栽土壌の製造方法によれば、請求項3記載の植栽土壌の製造方法において、前記建設汚泥及び/又は浚渫底泥の含水比(%)と、全体量1m3 に対する前記故紙破砕物の添加量(kg)の組み合わせを最適に定めるとともに、前記水溶性高分子物質の添加量(kg)と前記金属塩の添加量(kg)を最適な値に定めたので、請求項3記載の植栽土壌の製造方法の効果を確実に得ることができる。
請求項5に記載された植栽土壌の製造方法によれば、請求項2又は3又は4記載の植栽土壌の製造方法による効果を、さらに確実に実現することができる効果がある。
請求項6乃至7に記載された植栽土壌は、前記建設汚泥及び/又は前記浚渫底泥の固形成分が前記故紙破砕物と前記金属とを含んで団粒化した粒状の植栽土壌であって、各粒子は前記水溶性高分子物質に被覆されており、製造時に行った解砕工程によって該粒子の解砕された面が露出して水分を吸い易くかつ吸った水分を内部に保持し易い構造になっているので、pF試験による値で20(%)以上の保水力を示し、また陽イオン交換容量で22(me/100g)以上の保肥力を示す等、緑化基盤材に最適な性質を有している。
本発明に係る植栽土壌の製造方法を説明する。本例では、以下に示すような具体的な条件で製造を行った結果、後に示すように植栽土壌として顕著な優れた効果を有する植栽土壌を得ることができた。
1.本発明の植栽土壌の製造工程について
まず建設汚泥を貯泥槽に投入する。貯泥槽内に繊維状物質として故紙破砕物を投入して撹拌する。故紙破砕物は汚泥中の自由水を吸水する。貯泥槽内に水溶性高分子物質を添加して撹拌する。次に、これに2価及び/又は3価の金属塩を添加して混合する。水溶性高分子物質が泥土の粒子表面の吸着水と反応するとともに架橋作用により粒子が結合する。この際、前記金属塩は、微細な土粒子の荷電中和−フロック化(団粒化促進)の作用を及ぼす。次にこれを乾燥させて団粒固化させ、さらにこれに機械的せん断応力を加えて解砕する。土の各粒子は解砕された破断面が露出して水分を吸い易くかつ吸った水分を内部に保持し易い構造になる。
本例において使用する建設汚泥は、含水比が100%以上500%以下のものを対象とする。
また、故紙破砕物としては、前述した新聞紙の故紙等の他、天然又は合成の各種の故紙が使用できる。これら故紙破砕物については、その形状は細片状、小片状、糸状、布状等の各種の形状であってよく、例えば20mm以下の大きさであると好適な結果が得られる。添加量については、建設汚泥の含水比に応じて 水溶性高分子物質及び2価又は3価の金属塩の添加量との相乗効果が大きなものとなるように、実験的に図1に示すように定めた。
すなわち、図1に示すように、前記建設汚泥の含水比(%)と、全体量1m3 に対する前記故紙破砕物の添加量(kg)の組み合わせは、含水比100(%)に対して添加量50〜70(kg)、含水比200(%)に対して添加量70〜80(kg)、含水比300(%)に対して添加量80〜90(kg)、含水比400(%)に対して添加量85〜100(kg)、含水比500(%)に対して添加量90〜110(kg)である。
本発明で用いる水溶性高分子物質とは、天然高分子、半合成高分子、合成高分子物質があるが、前述した例において使用した水溶性高分子物質としては、例えば、主成分をポリアクリル系ポリマーとする合成水溶性ポリマー粉末(pH7〜8、水分10±2%、嵩比重0.6〜0.7、真比重1.4〜1.5)などが使用できる。水溶性高分子物質については、対象土1m3 に対して1kg以上の割合、例えば図1に示すように1.2kgを添加するのが望ましい。
前述した例において使用した2価及び/又は3価の金属塩としては、例えば、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、ポリ塩化アルミニウム(PAC)などが使用できる。金属塩については、前記建設汚泥のすべての含水比(%)において、対象土1m3 に対して8kg以上の割合、例えば図1に示すように8.6kgを添加するのが望ましい。
前記工程では、土に故紙破砕物を加えて混合した後にさらに水溶性高分子物質を添加して混合し、次にこれに2価及び/又は3価の金属塩を添加して混合し、そしてこれを乾燥させて団粒固化しているので、適度な圧縮強度と大きな破壊ひずみを有する団粒固化した改良土が得られるが、機械的剪断応力により解砕された断面において、各成分を含んで水溶性高分子物質で被覆された土の粒子の断面が露出するので、水分等を吸収し易くかつ内部に保持し易くなり、優れた保水性が得られた。
2.本発明の植栽土壌の性質について
次に、本例の製造方法により得られた植栽土壌の緑化基盤材に適した性質について説明する。まず、本例で得られた土は、上述したように緑化基盤材に適した大きな保水力を有している。
水が不足すると作物は萎れ、それを放置しておくと枯れてしまう。しかしながら、水を過剰にやると根腐れが起きて作物の生育が悪くなる。作物を良好に育成するには、排水をよくすると共に、保水力のある土を使用することが重要である。
植木鉢には赤玉土という直径5〜10mmの赤土が使用されるが、これは1つ1つの球の水持ちが4〜5日間あり、玉と玉の隙間があるので排水性が良い。また鹿沼土が使用されることもあるが、これも排水性が良く、しかも保水性が大きい。桜島大根は子供の頭ほどの大きさになるが、この大根がこれほど大きくなるのは桜島火山口から噴出した軽石の地帯にでき、このい軽石は排水が良く、保水力と保肥力が著しく良いからである。
排水性だけを考慮すれば砂を使えば良いが、砂は保水力がないのでいつも灌水をしておかなければならない。保水力があれば作物の育成が良いし、また水の節約の上からも、灌水労力の軽減からも大切である。
植物に利用される水は、主として毛管水と呼ばれる土の中の毛管孔隙中に保持される水である。これはpF試験によって求められpF1.5〜3.8の範囲において、本例の植栽土壌は図2に示すように20.6%〜36.3%の高い数値を示し、同図に示す比較例1〜5の保水力0.6%〜10.4%に比べて約2〜60倍の値となった。
なお、pF試験とは、通常地下水面より上の不飽和状態の土がその間隙に保持できる水分量を表し、吸引法他の測定方法で行われ、浸透圧を無視して吸引圧Sを水柱の高さh(cm)として表す。
pF=log10(S/γw )=log10
但しγw :水の単位体積重量、S:吸引圧
通常、pFと含水比の関係をグラフ化してpF=1.5〜3.8の範囲での含水比の差を保水力(%)として表す。
また、本例の植栽土壌によれば、上述した高い保水力が時間の経過に従って衰えることがなく、常に比較的多量の保水量を維持することができる。すなわち、図3に示すように、本例の植栽土壌は、他の比較例に比べて土1リットル当たりの保水量(cc)が大きいが、時間が経過して保水量が減っても比較例に対する相対的な優位性に変化はない。
次に、本例で得られた植栽土壌は緑化基盤材に適した大きな保肥力を有している。
保肥力とは土の養分保持力を言い、保水力と同じく粘土の多い土や腐植の多い土は保肥力が大きい。しかし、これらの量よりも粘土や腐植の質によって支配される傾向がある。保肥力の大小は陽イオン交換容量(CEC値)で表すのが普通である。陽イオン交換容量(CEC値)は、土壌の塩基類の保持能力を示すものであり、表示方法はme/100g あるいはcmol(+)/kgとし、1リットル又は100ml当たりに体積換算した数値を併記する。
本例の植栽土壌の保肥力を比較例1〜7と共に図4に示す。本例に属す4つの例は22.8〜30.8(me/100g )の範囲内に集中しているが、比較例は、比較例3の「腐食のすこぶる多い黒ボク土」が例外的に35であったのを除けば、比較例1,2,4〜7は8.4〜20程度と、低い範囲内に分散している結果となった。
保肥力が低いと肥料分の流出による無駄が多くなるため、1回の施肥量を少なくして施肥回数を多くするか、緩効性の肥料を使用する必要があるが、本例の植栽土壌のように陽イオン交換容量(CEC値)が大きいと、塩基類(肥料分)の保持能力(保肥力)が高く、保肥力が高いと肥料分が植物に有効に利用される。
次に、本例で得られた植栽土壌は緑化基盤材に適した大きな軽量性を有している。
土壌空気量(土壌中に含まれる空気量)が多ければ土壌の通気性や透水性が良くなり、作物は湿害を受けにくくなる。一般に作物育成にとって望ましい土壌空気量は20%以上と言われている。この数値よりも少ない場合は、粗大有機物の施用や耕運を行って土壌空気量を増やし、土壌を膨軟にする必要がある。
現地で採取した自然状態の土壌を測定したものを現地容積重といい、実験室内での風乾細土容積重とは区別される。現地仮比重とは100cm3 の採土管で自然状態の土を採取し、乾燥後の土壌の重量を測定して100で除して求める値である。
図5に示すように、比較例1〜4の土の現地容積重は60〜140以上にもなり、特に圧密を受けた土壌の容積重量は大きくなり、比較例2の黒ボク土で80g/100cm3以上、比較例4の非黒ボク土で140g/100cm3以上にもなり、排水が不良になるが、本例の植栽土壌によれば平均で約50g/100cm3程度と非常に軽く、通気性や透水性が良く緑化基盤材に適している。また、本例の植栽土壌によれば現地仮比重も0.45と比較例に比べて非常に小さく、前記容積重量とともに本例の軽量性を示している。
また、本例の植栽土壌は、水分を内部に閉じ込めた状態で団粒化しているため、外部の水に接触しても溶けだしにくく、公園などの植栽土壌として使用しても、降雨時などに土が溶け出して環境を汚染するといった不都合が生じるおそれはない。
さらに、以上説明したような本例の植栽土壌の特性に鑑みれば、公園などに用いる単なる緑化基盤材としてのみならず、法面の緑化基盤材や、屋上の緑化基盤材に使用することができる。また、荒廃した自然や農耕地を回復させるために積極的に使用することもできる。例えば、火山活動などによって火山灰の泥流土で山林や農耕地が覆われた場合、この泥流土を前述した本発明の方法で処理して保水性の良好な団粒化した土とすれば、降雨などによる流出のおそれがなく、また高い保水性・保肥性によって植生の回復も円滑に進むことが期待できる。また、本発明は、沖縄などで問題となっている赤水問題、即ち山の赤土が雨水とともに海に流れ込んで当該海域を汚染する問題に対する対策としても効果がある。
3.施工事例
ここで、本例の植栽土壌の施工事例1〜4 (実証例1〜4)について説明する。
(1)施工事例1
特殊堤防修景工事において、植栽用花壇に基盤材として本発明の植栽土壌を入れた。比較例として、他の植栽用花壇に、緑化土として購入した樹皮堆肥、珪藻土焼成粒、山砂を入れた。8月に両土に樹種へデラ、ナツズタを植栽し、11月に観察したところ、本発明の植栽土壌では生育が良好であったのに対し、比較例の土では枯死していた。
(2)施工事例2
鉱山鉱害防止工事において、法面の緑化基盤材として本発明の植栽土壌を用いたところ、植物の生育は良好であった。
(3)施工事例3
河川自然災害防止築堤の護岸工事において、法面の緑化基盤材として本発明の植栽土壌を用いたところ、植物の生育は良好であった。
(4)施工事例4
法面の緑化基盤材としての比較実験として、樹皮堆肥 (バーク堆肥)と本発明の植栽土壌を用いたところ、本発明の植栽土壌に植えた植物の方がバーク堆肥の植物に比べ生育がはるかに良好であった。
以上説明した実施の形態では建設汚泥を一原料としていたが、その代わりに浚渫底泥を用いても良いし、建設汚泥と浚渫底泥の両方を用いても良い。
以上説明したように、本発明の実施の形態である植栽土壌の製造方法と当該製造方法によって製造した植栽土壌によれば、特に保水性・保肥性・軽量性・団粒化に優れているので、従来産業廃棄物として高コストで処理しなければならなかった建設汚泥や浚渫底泥を低いコストで植栽土壌としてリサイクルできるという効果が得られる。
本発明の実施の形態の植栽土壌における建設汚泥の含水比(%)と故紙破砕物の添加量(kg/ m3 )の対応関係と、水溶性高分子物質と金属塩の添加量を示す表図である。 本発明の実施の形態の植栽土壌と比較例の土壌について保水力を示す表図である。 本発明の実施の形態の植栽土壌と比較例の土壌について、土の単位量当たりの保水量と経過時間との関係を示す図である。 本発明の実施の形態の植栽土壌と比較例の土壌について保肥力を示す表図である。 本発明の実施の形態の植栽土壌と比較例の土壌について軽量性を示す表図である。

Claims (7)

  1. 建設汚泥及び/又は浚渫底泥に、繊維質物質と水溶性高分子物質と金属塩を添加して混合し、次にこれを乾燥させて団粒固化させ、次にこれを解砕することを特徴とする植栽土壌の製造方法。
  2. 建設汚泥及び/又は浚渫底泥に故紙破砕物を添加して混合し、
    次にこれに水溶性高分子物質を添加して混合し、
    次にこれに2価及び/又は3価の金属塩を添加して混合し、
    次にこれを乾燥させて団粒固化させ、
    次にこれを解砕することを特徴とする植栽土壌の製造方法。
  3. 前記建設汚泥と前記浚渫底泥の含水比が100%以上500%以下であることを特徴とする請求項2記載の植栽土壌の製造方法。
  4. 前記建設汚泥及び/又は浚渫底泥の含水比(%)と、全体量1m3 に対する前記故紙破砕物の添加量(kg)の組み合わせが、含水比100(%)に対して添加量50〜70(kg)、含水比200(%)に対して添加量70〜80(kg)、含水比300(%)に対して添加量80〜90(kg)、含水比400(%)に対して添加量85〜100(kg)、含水比500(%)に対して添加量90〜110(kg)であり、
    前記建設汚泥及び/又は浚渫底泥のすべての含水比(%)において、全体量1m3 に対する前記水溶性高分子物質の添加量(kg)が1.2(kg)であり、かつ全体量1m3 に対する前記金属塩の添加量(kg)が8.6(kg)であることを特徴とする請求項3記載の植栽土壌の製造方法。
  5. 前記故紙破砕物の大きさが20mm以下であることを特徴とする請求項2又は3又は4記載の植栽土壌の製造方法。
  6. 建設汚泥及び/又は浚渫底泥に故紙破砕物と水溶性高分子物質と2価及び/又は3価の金属塩を添加して混合し、これを乾燥して団粒固化させた後に解砕することにより、前記建設汚泥及び/又は前記浚渫底泥の固形成分と前記故紙破砕物と前記金属とを含み、前記水溶性高分子物質に被覆された粒子の解砕された面が露出していることを特徴とする植栽土壌。
  7. 前記水溶性高分子物質に被覆された粒子の解砕された面が露出していることにより、保水力がpF試験による値で20(%)以上であり、保肥力が陽イオン交換容量で22(me/100g)以上であることを特徴とする請求項6記載の植栽土壌の植栽土壌。
JP2004087064A 2004-03-24 2004-03-24 植栽土壌及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3927551B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004087064A JP3927551B2 (ja) 2004-03-24 2004-03-24 植栽土壌及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004087064A JP3927551B2 (ja) 2004-03-24 2004-03-24 植栽土壌及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005269969A true JP2005269969A (ja) 2005-10-06
JP3927551B2 JP3927551B2 (ja) 2007-06-13

Family

ID=35170271

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004087064A Expired - Fee Related JP3927551B2 (ja) 2004-03-24 2004-03-24 植栽土壌及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3927551B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008022724A (ja) * 2006-07-18 2008-02-07 Masahito Mori 植栽土壌及びその製造方法並びに緑化方法
JP2008187971A (ja) * 2007-02-06 2008-08-21 Masahito Mori 繊維質緑化基盤材及びその製造方法
JP2009159897A (ja) * 2008-01-08 2009-07-23 Masahito Mori 繊維質緑化基盤材及びその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008022724A (ja) * 2006-07-18 2008-02-07 Masahito Mori 植栽土壌及びその製造方法並びに緑化方法
JP2008187971A (ja) * 2007-02-06 2008-08-21 Masahito Mori 繊維質緑化基盤材及びその製造方法
JP2009159897A (ja) * 2008-01-08 2009-07-23 Masahito Mori 繊維質緑化基盤材及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3927551B2 (ja) 2007-06-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110079330A (zh) 制造土壤改良剂的组合物、土壤改良剂及土壤改良方法
JP2003052241A (ja) 植性用培地基材、植生用培地成形体及びその製造方法、植生用培地成形体ブロックを用いる緑化方法。
JP3581603B2 (ja) 土壌の改質・改良方法
JP2935408B2 (ja) 緑化・土壌安定化用無機質材料、それを用いた厚層基材種子吹付け工法または土壌安定化方法
JP3729673B2 (ja) 緑化基盤およびその造成法
JP3927551B2 (ja) 植栽土壌及びその製造方法
JP2001115454A (ja) 自然植生導入法面保護壁および自然植生導入法面保護工法
JP2005013973A (ja) 汚泥の固化処理材、それを用いる汚泥の処理方法及び汚泥固化物の再利用方法
JP3828737B2 (ja) 植栽土壌及びその製造方法
KR20070112919A (ko) 녹화ㆍ토양안정화용 무기질재료, 그것을 이용한두께층기재종자 분무공법 또는 토양안정화방법
JPH11146716A (ja) 傾斜地に作られた茶畑への施肥方法
US20230016469A1 (en) A fertilizer granule of polyhalite and potassium sulphate and a compaction process for the production thereof
JP3927552B2 (ja) 人工軽量土壌及びその製造方法
CN103962054B (zh) 一种风化粉状砒砂岩造粒方法
JP4380154B2 (ja) 泥土の固化方法
JP2004044378A (ja) 伐採樹木を植物成育基盤材として用いた客土吹付工法または厚層基材吹付工法
JP2008022724A (ja) 植栽土壌及びその製造方法並びに緑化方法
JPH0931457A (ja) 土壌改良材及びその用途
JP2005273209A (ja) 斜面緑化工法
JP3017961B2 (ja) 法面緑化工法
JP2005318891A (ja) 緑化用土壌および緑化用土壌の製造方法ならびに緑化用土壌を用いた緑化方法
RU2239619C2 (ru) Композиция органоминеральной смеси для озеленения на основе сапропеля и способ ее получения
JP4393089B2 (ja) 緑化資材、及び緑化資材を用いた植裁基盤
JP6414518B2 (ja) 粘性土の改質処理方法および造粒固化方法
JP5268263B2 (ja) 繊維質緑化基盤材及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060316

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060411

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060531

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070302

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100309

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100309

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130309

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160309

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees