JP2005268821A - セラミックス回路基板及びこれを用いたパワー半導体モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】 はみ出し部を持ったセラミックス回路基板のクラック防止、曲げ強度向上、短絡防止等を図ること。
【解決手段】 セラミックス基板の少なくとも一方の面に複数の回路パターンに沿ったろう材層を形成し、当該ろう材層を介して金属板を接合し、当該金属板の不要部分をエッチング処理することにより前記金属板からなる回路パターンを形成すると共に、前記金属板の外縁からはみ出した前記ろう材層によるはみ出し部を形成したセラミックス回路基板において、前記はみ出し部の最大面粗さRmaxが5〜50μmであるセラミックス回路基板である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、特にパワー半導体モジュールに使用されるセラミックス回路基板に係わり、セラミックス基板の少なくとも一方の面にろう材層を介して回路パターンを形成する金属板を接合したセラミックス回路基板及びそのろう材に関するものである。
近年、電動車両用インバータとして高電圧、大電流動作が可能なパワー半導体モジュール(IGBTモジュール)が用いられている。パワー半導体モジュールに使用される基板としては、窒化アルミニウムや窒化ケイ素からなるセラミックス基板上に銅板やアルミニウム板等の金属板(以下、銅板を例に説明する。)を接合したセラミックス回路基板が広く使用されている。例えばセラミックス基板の一方の面に半導体チップ等を搭載して回路となす銅板を接合し、他方の面には放熱用の銅板を接合して形成されている。前記回路用銅板側には回路部となる回路パターンに沿ってエッチング処理する等して、複数の銅板からなる金属回路パターンを形成し、セラミックス回路基板が構成される。
セラミックス基板と銅板を一体に接合する手段としては、Cu−CuO等の共晶液相を利用してセラミックス基板上に銅板を直接接合する、いわゆる銅直接接合法(DBC法:Direct Bonding Copper 法)や、MoやWなどの高融点金属をセラミックス基板上に焼き付けて形成する高融点金属メタライズ法、及び4A族元素や5A族元素のような活性金属を含むろう材層をセラミックス基板上に塗布形成し、銅板との間に介在させ押圧力を掛けながら適切な温度で熱処理して両者を接合する活性金属法などが用いられている。これらDBC法や活性金属法により得られるセラミックス回路基板は、いずれも単純構造で熱抵抗が小さく、大電流型や高集積型の半導体チップに対応できる等の利点を有している。
また、銅板回路パターンの形成手段としては、予めプレス加工やエッチング加工により得た回路パターン形状の銅板を、ろう材層を介してセラミックス基板上に接合する直接搭載法や、セラミックス基板のほぼ全面にろう材層を形成し、これを覆うように銅板を接合し、その後パターニングした銅板の不要部分をろう材層ごとエッチング処理して金属回路パターンを形成する多段エッチング法、また或いは、目的とする回路パターン形状に沿ってろう材層を塗布形成し、後は前記多段エッチング法と同様に銅板の不要部分をエッチング処理して金属回路パターンを形成するろう材パターン印刷とエッチング法を併用した方法(以下、パターン印刷エッチング法と表記)等がとられている。
近年のパワー半導体モジュールにおいては、高出力化、高集積化が急速に進行し、セラミックス回路基板に繰り返しかかる熱応力がより増大する傾向にある。この熱応力に耐えれなくなるとセラミックス基板の反りやクラック等の不具合が発生する。従来、上述したセラミックス基板と金属板との接続手段のうち、高強度・高封着性等が得られることから、AgとCuとの共晶組成(72質量%Ag−28質量%Cu)を有する共晶ろう材にTi等の活性金属を添加したろう材ペーストを用いた活性金属法が一般に使用されている。しかし、この活性金属法において前記パターン印刷エッチング法を採用した場合、共晶組成であるがゆえに固液共存域がなく、融点温度以上では、存在する全てのろう材が溶融し、これが回路パターン間の非接合部分まで流れ出し、隣合う回路パターンが接触して短絡不良を起こすことがある。このようなことから、熱応力に耐えられるセラミックス回路基板の接続構造や絶縁性の保証について以下のような提案がなされている。
特許文献1には、セラミックス基板のクラックの発生を抑えることを目的とし、窒化アルミニウム焼結体あるいは窒化ケイ素焼結体からなるセラミックス基板の少なくとも一面にAg、Cu、Tiを含有するろう材層を介して金属板を接合するもので、ろう材層が金属板の端部から金属板の厚みの0.1〜1.0倍以下の範囲ではみ出した、いわゆるはみ出し部を形成することが望ましいと記載されている。
特許文献2には、セラミックス基板のクラックの防止と曲げ強度の改善を目的とし、窒化アルミニウム焼結体あるいは窒化ケイ素焼結体からなるセラミックス基板にAg、Cu、Tiを含有するろう材層を介して金属板を接合するもので、金属板をエッチング処理して回路パターンを形成し、この回路パターンの側面よりも外方にろう材層がはみ出すように上記と同様にはみ出し部を形成すること、また金属回路パターンの側面を滑らかな曲面状に傾斜して形成することが記載されている。
特許文献3には、接合熱処理中のろう材の流れ出しを防止するために、40〜80重量%のAgと、20〜60重量%のCuおよびTi、Zr、Hf等の活性金属粉末を含む混合粉末よりなるろう材を用いており、このろう材を構成する活性金属粉末中における粒径5μm以下の粒子の割合を5重量%以下に制御することが効果的であると記載されている。
特許文献4には、セラミックス基板に対する熱衝撃が小さく、接合時の歪を抑えることができるろう材を開示しており、50〜85重量%のAgと、1〜5重量%のTiと、0.1〜7.5重量%のInと、残部Cuからなるセラミックス用ろう材について記載されている。
特開平10−190176号公報 特開平11−340598号公報 特開平11−29371号公報 特開平6−107471号公報
上述したようにセラミックス回路基板については、従来にも増して熱応力や熱サイクルに対する十分な接合強度と耐久性が要求されている。この点で、特許文献1及び特許文献2に開示された発明は、セラミックス基板にろう材層を介して金属回路板を接続するときに、この金属板の端面(側面)から所定長さのろう材層のはみ出し部を設けることにより、セラミックス基板と金属回路板端面との接合面における熱応力の集中を緩和できることが開示されており、さらに、金属回路板の端面を滑らかな曲面状に傾斜させることにより熱応力の集中がさらに緩和できることを示している。確かにはみ出し部を設けることによる効果は期待できるものである。しかしながら、一方で昨今のセラミックス回路基板においては、集積密度の向上も要求されており、例えば銅板間の間隔は耐電圧によって異なるものの概ね1.0mm以下で±0.1mm程度の精度が要求され、さらに狭くすることが求められている。このように狭い間隔を精度を保ってエッチング処理すること自体が困難になるが、特にパターン印刷エッチング法の場合は、接合時のろう材層の液相化と押圧力との影響でろう材の流れ出し現象が生じ易く短絡不良を招きやすい。特許文献1及び特許文献2には、このような問題の認識および解決手段について何ら言及されていない。
特許文献3によれば、活性金属粉末の粒径を制御することにより、ろう材の流れ出しを防止できるとある。具体的には添加したTi粉末のうち粒径5μm以下の粉末を5重量%以下に抑えることが効果的であるというもので、比較的微細な粒子の含有量を抑えることによって余剰な活性金属粉末の流れ出しを防止出来ることにある。しかしながら、本願発明者らの研究によれば、接合時の熱処理によりろう材層の表面には鱗状の凹凸が形成され、回路形成のための銅板を接合する際に、銅板とろう材層及びろう材層とセラミック基板のそれぞれの界面において、この鱗状の凹凸に起因するミクロポアが多く残存することが分かった。これにより接合強度が弱まること、また凹凸の形成と共にはみ出し部の外縁線がにじむように拡がり、回路パターン縁部に形成するろう材はみ出し部の、いわゆる直線性が悪くなると言う問題が新たに見受けられた。そして活性金属粉末の粒径を小さくすると、熱処理過程で生成するろう材融液中をTi成分が容易に拡散して、窒化物セラミックス基板の場合、表面部のN成分と反応してTiN相を形成しながら拡大し、これに付随してAg−Cu成分が拡大する現象が起こる。したがって、活性金属粉末の粒径を制御することは、TiN相形成の制御、しいてはろう材成分の流れ出しを制御することが可能となる。しかしながら、これらの不具合は活性金属粉末の粒径制御との関係で相関はとられているが、少なくとも表面の凹凸の抑制や直線性についてのあり方等について何ら言及していない。
また、特許文献4はAg−Cu−In−Ti系のろう材に係わるものであるが、上述した活性金属法によるパターン印刷エッチング手段を用いた場合、銅板の不要部分をエッチングする際に、ろう材層に含まれるCuもアタックされ溶出現象が起こる。Ag−Cu−In−Ti系ろう材のミクロ組織は、Ag−Cu―Ti系ろう材のAg−Cu共晶組織と異なり、Ag−In層(Ag−rich相)、Cu−In層(Cu−rich相)に分離した組織となる。即ち、はみ出し部を構成するAg−Cu−In−Ti合金層のうちCu−rich相部分のみが溶けてしまい層内にボイドを生成したり、不連続な島状の溶出部を形成し、本来のはみ出し部の応力緩和効果を発現できなくなる。したがって、ろう材層中のAg−rich相の割合を多くすることが肝要であると考えられる。しかし、特許文献4にはこのようなはみ出し部の形態について何ら言及していない。
本発明は以上のような問題点に鑑みてなされたもので、セラミックス基板のクラック防止と曲げ強度向上ができると共に、短絡防止を図るためのはみ出し部を持ったセラミックス回路基板およびパワー半導体モジュールを提供することを目的とする。
本発明のセラミックス回路基板は、パターン印刷エッチング法により金属板のエッチングとはみ出し部の形成を同時に行ったときセラミックス基板上に形成されるろう材はみ出し部について以下の知見を得たものである。
第1の発明は、セラミックス基板の少なくとも一方の面に複数の回路パターンに沿ったろう材層を形成し、当該ろう材層を介して金属板を接合し、当該金属板の不要部分をエッチング処理することにより前記金属板からなる回路パターンを形成すると共に、前記金属板の外縁からはみ出した前記ろう材層によるはみ出し部を形成したセラミックス回路基板において、前記はみ出し部の最大面粗さRmaxが5〜50μm、望ましくは20〜40μmであるセラミックス回路基板である。
第2の発明は、セラミックス基板の少なくとも一方の面に複数の回路パターンに沿ったろう材層を形成し、当該ろう材層を介して金属板を接合し、当該金属板の不要部分をエッチング処理することにより前記金属板からなる回路パターンを形成すると共に、前記金属板の外縁からはみ出した前記ろう材層によるはみ出し部を形成したセラミックス回路基板において、前記はみ出し部の境界線における凹所と凸所との距離が10〜100μm、望ましくは30〜80μmであるセラミックス回路基板である。
第3の発明は、セラミックス基板の少なくとも一方の面に複数の回路パターンに沿ったろう材層を形成し、当該ろう材層を介して金属板を接合し、当該金属板の不要部分をエッチング処理することにより前記金属板からなる回路パターンを形成すると共に、前記金属板の外縁からはみ出した前記ろう材層によるはみ出し部を形成したセラミックス回路基板において、前記はみ出し部におけるろう材層の残留率が80%以上であるセラミックス回路基板である。ここで、前記はみ出し部におけるろう材層においてAg−rich相がCu−rich相よりも多く占めることが望ましい。
本発明のセラミックス回路基板は、前記セラミックス基板は窒化ケイ素質焼結体からなり、前記金属板が銅板であることが望ましい。
また、本願発明は上記したセラミックス回路基板の一方の面に接合した金属板に半導体チップを搭載し、前記セラミックス基板の他方の面に放熱板を接合したパワー半導体モジュールである。
本発明のセラミックス回路基板によれば、はみ出し部の凹凸が抑制されている、また、はみ出し部の直線性が改善されている、さらに、はみ出し部が多く残留していると言う特徴的な構成を有するものである。これによってパワー半導体モジュール用セラミックス回路基板として用いると、半導体素子の作動に伴う繰り返し熱サイクルによって基板にクラックが発生することが少なく、短絡不良もなく、耐熱衝撃性ならびに耐熱サイクル性を著しく向上することができる。
本願発明者らは上記課題を解決するにあたり、先ずセラミックス基板と金属板とを接合するセラミックス基板用ろう材についての望ましい形態を検討した。その結果、下記するろう材を一例として挙げることができる。
即ち、Ag−Cu−In−Ti系のろう材を母材とした合金粉末において、適度な粒径と粒度分布のAg粉末粒子を適切な量だけ後添加することで、金属板接合前の熱処理で生成されるろう材層表面の鱗状凹凸を緩和できること、並びにろう材層の直線性を改善できること、さらにはエッチング処理におけるCu成分溶出によるはみ出し部への影響を最小限に抑えられることができるろう材として、Ag:85〜55質量%、In:5〜25質量%、Ti:0.2〜2.0質量%、残部Cu及び不可避不純物からなる平均粒子径15〜40μmの合金粉末に、さらに平均粒子径1〜15μmのAg粉末粒子を5〜30質量%添加したものが挙げられる。
後添加するAg粉末は、平均粒子径1〜15μmを5〜30質量%の範囲で添加するものであるが、さらに望ましくは3〜5μmのAg粉末を10〜20質量%である。平均粒子径が1μm未満では合金粉末とAg粉末の粒径差が大きくなり、ろう材ペースト中でのAg粉末の分散状態が不均一となり、スクリーン印刷後の印刷パターンむらが生じるなどの不具合が生じる。15μmを超えるとAg粉末と合金粉末との融点の差が顕著となり、溶融不均一となって好ましくない。また5質量%未満では、ろう材層表面の鱗状凹凸を緩和する効果がなく、また30質量%を超えると、ろう材層表面の鱗状凹凸を緩和する効果を発現することはできるが、金属板(Cu板)中に拡散するAg成分が多くなり、金属板表面を伝わって流れ出すろう材の拡がり挙動を抑制することができなくなる。また、Ag成分の過剰添加は溶融温度の上昇を招くため好ましくない。
また、前記Ag−Cu−In−Ti系合金粉末の平均粒径は15〜40μmであって、これら合金粉末粒子間の間隙を埋めるように前記1〜15μmのAg粉末粒子が充填していることで効果が高まる。また、前記ろう材において、Ag粉末粒子の平均粒子径d50を1〜15μmとし、このときd10を0.2〜0.5μm、d90を10〜25μmとして粒度分布を調整することが望ましい。これは、図1に示す様に、合金粉末単独では粉末間の空隙が多く(図1(B)参照)、これに上記仕様のAg粉末を添加することで、ろう材の充填密度を向上することができ、特に、添加するAg粉末の粒度分布を限定することで、ろう材の最密充填を達成することができる。これらの効果によりペースト印刷時の塗布量の制御、ろう付け過程での粒子間の反応性促進が達成できる。これらは、いずれも金属板とセラミックス基板の接合強度を強化し、ひいては熱衝撃に対する接合信頼性が向上する点で必要である。
以下、実施例により本発明を説明するが、それら実施例により本発明が限定されるものではない。
先ず、ろう材について説明する。本発明のろう材は、母材合金がAg−Cu−In−Tiの4元系であって、質量%でAgを85〜55質量%、Inを5〜25質量%、Tiを0.2〜2.0質量%、Cuを35〜20質量%及び不可避不純物から組成されたものである。合金粉末の作製は、ガスアトマイズ法により平均粒径d50値が50μmとなる様に噴霧し、50μm以上の粉末は篩分けによりカットし、50μmアンダーの粉末を用いるもので、ここでは合金粉末の平均粒子径d50は28μmである。また、合金粉末の作製は、低コストの水アトマイズ法でも可能であるが、活性金属として作用するTiの酸化を防止するため、この場合、合金粉末中の酸素量を0.5質量%以下に制御することが肝要である。
混合粉末中(合金粉末と添加したAg粉末)に占めるInおよびTiを除いた、AgとCuの組成比は、AgとCuの合計重量を100質量%(AgとCuで100%)としたとき、Agを95〜75質量%、Cuを5〜25質量%が好ましい。この組成比の範囲では、加熱冷却後のろう材表面部の凹凸形状の抑制に効果があり、更には、Ag−Cu状態図における共晶組成(72%Ag−28%Cu)よりもAg−rich側の固液共存組成域において、処理温度を任意に選択することで、接合処理時の融液量を調整することができ、これにより、ろう材の流れ出し現象を抑制することが可能となる。ここで用いられるAg−Cu−In−Tiからなる合金粉末は、スクリーン印刷を行う場合のパターン印刷精度や接合する銅板への流れ出しを抑制する上で平均粒径40μm以下が好ましく、10〜30μm程度のものがより好適である。
活性金属としては、周期律表第IVa族に属する元素を用いることができ、一般にはチタン、ジルコニウム、ハフニウムが用いられる。この中でも特にチタンは窒化アルミニウム基板や窒化ケイ素基板との反応性が高く、接合強度を非常に高くすることができるため本発明ではチタン(Ti)を用いている。さらにチタンの水素化物、即ち水素化チタンを用いれば、接合工程中における酸素の影響による酸化が起こり難くなり、より好適な接合状態が得られる。これは水素化チタンが接合工程での加熱処理によって初めて水素を放出して活性な金属チタンとなり、これが窒化アルミニウム基板や窒化ケイ素基板と反応するためである。更に、これら活性金属成分を予め合金粉末中に含有させると、Ag−Cu―In−Tiの比が均一となり、加熱昇温時において、基板あるいは金属板に印刷されたろう材粉末の局所的な溶融むらが抑制でき、しいてはろう材融液中を拡散するTiを容易に制御することができるため、望ましい。AgとCuおよびInの合計量100質量部(重量部に相当)に対する活性金属粉末の添加量は、活性金属粉末による窒化アルミニウム基板/窒化ケイ素基板−ろう材−銅板の間の接合強度を十分に保つためには、0.2〜2.0質量%が好ましい。より好ましくは0.6〜1.5質量%である。
さて、本実施例においては、上記母材合金粉末に対しさらに平均粒子径1〜15μmのAg粉末粒子を5〜30質量%添加したものである。これらの規定理由は上述の通りであるが、さらに、Ag粉末粒子は粒度分布が均一であることが望ましく、平均粒子径d50を1〜15μmとするにはd10を0.2〜0.5μm、d90を10〜25μmとすることが適している。ここで、Ag粉末粒度分布について規定しているのは、d10が0.2μm未満では、Ag粉末の反応性が高くなり、ろう材の流れ出し現象を制御することが困難となり、回路部潰れ、および銅板表面へのAg−In成分の流れ出しが頻発する不具合を招来するからである。一方、d90が25μm超では、スクリーン印刷後のAg−Cu−In−Ti合金の間隙を、Ag粉末にて、充填することができず、ろう付け後のボイド生成に大きく関与する、またろう材印刷量を制御することが困難となる。さらに、Ag粉末自身は、合金粉末よりも高融点であるため、特に粗大粒子は反応性が劣り、一部Ag粉末粒子の溶け残り箇所が多くなり、この際にはろう付け処理後の密着強度の低下を招く。以上のことより、添加するAg粉末粒子の粒度分布は、d10を0.2〜0.5μm、d90を10〜25μmであることが望ましい。
d10を0.2〜0.5μm、d90を10〜25μmで図1(A)は平均粒子径5μmのAg粉末粒子を15%添加した後のろう材粒子の形態を示し、図1(B)はAg粉末が無添加状態のろう材粒子の形態を示している。両図とも左側が100倍のSEM写真、右側が1000倍のSEM写真である。両者を比較して分かるように(B)では30〜50μmサイズの母材合金粒子との間に黒く見える隙間(ペースト有機成分)が全体に渡って見られるが、(A)ではAg粉末の添加によって前記隙間部分が埋められて、ろう材粉末の充填密度が高まった状態にある。このことが後述するろう材層表面の凹凸の緩和や外縁部の直線性の改善等に有効に作用していると考えている。
Ag粒子の粒径及びこの混合粉末中のAg粉末の重量割合は、液相沈降法を用いることで容易に測定することが可能である。なお液相沈降法では、粉末の形態が異形な場合には長径と短径の区別がつかず平均値を粒径とみなしてしまうが、本明細書では、この平均値を粒径とみなすこととし、粒径についての長径、短径の区別はしない。又、本特許での粒径は凝集粒径ではなく一次粒径を指す。これは粉末を超音波で溶媒中に分散させることで容易に測定することが可能となる。
また、図1で示した様に、ろう材ペーストを基板あるいは銅板に印刷した後、観察倍率1000倍にて観察したSEM像について、単位面積当たりの合金粉末および添加したAg粉末の割合を、面積率にて評価することが可能である。また、同様の粒径のAg粉末およびAg−Cu−In−Ti合金粉末との判別には、エネルギー分散型X線分析装置(EDX)の併用によりCu成分の有無を面分析により評価することで可能となる。
また、ろう材原料粉末を構成するAg粉末と合金粉末の混合方法としては、各成分を粉末の状態でボールミル、アトライター等の撹拌機を用いて混合したり、有機溶媒、バインダーを配合し、ボールミル、プラネタリーミキサー、三本ロールミル等を使って混合し、ペースト状にすることもできる。一般的には、金属粉末状で基板にパターンを形成することは難しいのでペースト状に混練して使用することが望ましい。ペースト状にする際、有機溶剤としてはメチルセルソルブ、エチルセルソルブ、イソホロン、トルエン、酢酸エチル、テレピネオール、ジエチレンングリコール・モノブチルエーテル、テキサノール等が用いられ、バインダーとしては、ポリイソブチルメタクリレート、エチルセルロース、メチルセルロース、アクリル樹脂等の高分子化合物が用いられる。
良好なろう材のパターンをスクリーン印刷するためには、ペーストの粘度を20〜200Pa・sに制御することが好ましい。ペースト中の有機溶剤を全ペースト中の5〜15質量%、バインダーを1〜5質量%の範囲で配合することにより、印刷性の優れたペーストを得ることができる。加えて、上記範囲でバインダーを配合することにより、印刷後の脱脂工程におけるバインダーの除去が速やかに行われ好適である。又、ペーストとする場合、各成分の分散性をよくするために分散剤を添加することもできる。また、ろう材層の印刷膜厚は20〜80μmであることが良好な接着強度を発現させるために好ましい。
また、窒化アルミニウムや窒化ケイ素基板との接合に供される金属板としては、前記ろう材が接合でき且つ金属板の融点がろう材融点よりも高ければ特に制約はない。一般的には、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、銀、銀合金、ニッケル、ニッケル合金、ニッケルメッキを施したモリブデン、ニッケルメッキを施したタングステン、ニッケルメッキを施した鉄合金等を用いることが可能である。この中でも銅を金属部材として用いることが、電気的抵抗及び延伸性、高熱伝導性(低熱抵抗性)、マイグレーションが少ない等の点から最も好ましい。
また、アルミニウムを金属部材として用いることは、電気的抵抗、高熱伝導性(低熱抵抗性)は、銅に劣るものの、アルミニウムが持つ塑性変形性を利用して、冷熱サイクルに対する実装信頼性を有する点で好ましい。
その他にも電気的抵抗を重視すれば銀を用いることも好ましく、また電気的特性よりも接合後の信頼性を考慮する場合にはモリブデンやタングステンを用いれば、該金属の熱膨張率が窒化アルミニウム、窒化ケイ素に近いことから接合時の熱応力を小さくすることができるので好ましい。
次に、セラミックス回路基板の構成例を図2に示す。図2において7は厚さ0.3〜0.6mm、熱伝導率70W/m・K以上の窒化ケイ素焼結体からなるセラミックス基板(以下、窒化ケイ素基板を例にする。)である。窒化ケイ素基板7の一方の面(主面)には、銅板3、4、5が例えば上述したろう材からなるろう材層8、9、10を介して接合されている。一方、窒化ケイ素基板7の他方の面(下面)には、放熱用の平板状の銅板11がろう材層12を介して接合されている。ろう材層8、9、10及び12は、各銅板3、4、5及び銅板11の外周端面から所定量だけはみ出したはみ出し部20を形成している。このはみ出し部のはみ出し長さLは、少なくとも0.2mm以上、好ましくは0.3〜1.2mmとすることにより窒化ケイ素基板7と銅板3、4、5及び銅板11の端面部に集中する熱応力を緩和させることができる。また、銅板3、4、5及び銅板11の端面の全周には傾斜面3a、4a、5a及び11aが形成されている。この傾斜面の傾斜角度は30°〜60°に設定し曲面状に形成しても良い。尚、傾斜面3a、4a、5aは銅板接合後のエッチング処理により形成し、銅板11の傾斜面11aは予め銅板11をプレス加工する際に同時に形成したものである。
続いて、本発明をセラミックス回路基板の製造方法と共に説明する。
平均粒子径が0.2〜3.0mmの窒化ケイ素粉末:96質量%に対し、MgO:3質量%、および Y:1質量%の焼結助剤を添加した混合粉末を作製した。次に、アミン系の分散剤を2質量%添加したエタノール・ブタノール溶液を満たしたボールミルの樹脂製ポット中に、前記混合粉末および粉砕媒体の窒化ケイ素製ボールを投入し、48時間湿式混合した。次に、前記ポット中の混合粉末:83.3質量%に対しポリビニル系の有機バインダー:12.5質量%および可塑剤(ジメチルフタレ−ト):4.2質量%を添加し、次いで48時間湿式混合し、シート成形用スラリーを得た。この成形用スラリーを脱泡、溶媒除去により粘度を調整後、ドクターブレード法によりグリーンシートを成形した。次に、成形したグリーンシートを空気中400〜600℃で2〜5時間加熱することにより前記有機バインダー成分を十分に脱脂(除去)し、次いで脱脂体を0.9MPa(9気圧)の窒素雰囲気中で1900℃×5時間焼成し、50μm/inch以上の反りが生じた場合について、同窒素雰囲気中で1800℃×5時間の反り直し熱処理を行い、その後室温に冷却した。得られた窒化ケイ素焼結体シートをサンドブラスト処理により表面性状を調整し、縦50mm×横30mm×厚さ0.63mmの窒化ケイ素基板を得た。
次に、図3に示すように、窒化ケイ素基板7の主面にスクリーン印刷により上述したろう材ペーストを予め設計された回路パターン形状に沿ってその厚さが30〜50μmになる様に所定メッシュを選定して塗布し、ろう材層8、9、10を形成する。このとき、窒化ケイ素基板7の主面にろう材を塗布する範囲は、銅板3、4、5を接合する範囲よりはみ出し部長さLほど外側にはみ出すようにする。また、ペーストを均一に塗布することが重要であるが、塗布方法としてはスクリーン印刷法、メタルマスク印刷法、ロールコート法、吹き付け、転写等の任意の方法が考えられる。一般的にはスクリーン印刷法が最も簡便で採用しやすい。尚、ペースト中に粗大粒があるとスクリーンの目詰まり等が発生して所望のパターンに印刷できない場合があるので、粗大な粉末は含まないようにする。より微細な配線パターンを印刷する場合には細かいメッシュのスクリーンを使用しなければならず、より目詰まりも発生しやすいので、例えば、#300メッシュのスクリーンを使用する場合には、粉末の最大粒径を50μm以下に制御することが好適である。
ペーストを塗布した後は一般的には脱脂を行い、バインダー成分を除去する。脱脂中の加熱温度、時間等の処理条件についてはバインダー成分によって種々異なるが、処理中の雰囲気については窒素中、アルゴン中のような非酸化雰囲気もしくは真空中での処理を行えば、活性金属が酸化されることなく好適である。また酸化雰囲気であっても、酸素量を制限することで活性金属が必要以上に酸化されなければ、微量酸素濃度中やウエット雰囲気での脱脂を行っても好適な接合状態を得ることができる。ここでウエット雰囲気とは非酸化雰囲気ガスを水、又は湯中を通した後、処理室に送気することにより形成した雰囲気である。ただし、活性金属の効果を発現するには、ろう材粉末の酸素量は0.5質量%以下にすることが肝要である。
また、ろう材ペースト用のバインダー選定により、別途脱脂プロセスを設けることなくろう付け処理の昇温過程で、所定温度にて保持することで、脱脂・ろう付け処理を同時に行うことができる。この場合、バインダー選定が重要となるが、例えば、αテネピネオールを溶媒とし、ポリイソブチルメタクリレート、ジエチレンングリコール・モノブチルエーテルを用いた場合、高真空下熱処理においても、灰化カーボンが残存することなく、接合強度が得られる。本発明では、脱脂・ろう付けの同時処理を行っている。
次に、ろう材層が銅板と窒化ケイ素基板との間に配置されるように部材同士を重ねる。即ち、ろう材層8、9、10を塗布した窒化ケイ素基板7の主面上に、各銅板3、4、5の端面全周からろう材層8、9、10が間隔Lほどはみ出るように位置合わせをしながら、ろう材層を覆うように長方形状の回路用銅板を載置する。一方の窒化ケイ素基板7の他面(下面)には、同じくろう材層がはみ出るように放熱用銅板11を載置し、それぞれ加圧状態で保持する。
次に、回路用銅板と放熱用銅板を載置した窒化ケイ素基板7を所定温度と時間に渡って熱処理した後、冷却することにより、図4のように窒化ケイ素基板7に回路用銅板と放熱用銅板を強固にろう材層を介して接合する。
尚、ろう材が窒化ケイ素基板と銅板を十分に濡らし、また、回路パターン潰れがなく、回路端部に位置するろう材はみ出し部を形成するため、更に両者の熱膨張の違いからくる残留応力による耐熱衝撃性の低下を防止するためには、接合温度は700〜800℃が好ましい。また、雰囲気については真空中で処理を行うことが活性金属粉末及び銅粉末、銅板が酸化されることが無く良好な接合状態を得ることができ、特に10−2Pa以下の真空度で接合することが望ましい。さらに接合時に適度な荷重をかけることで銅板とろう材および窒化ケイ素基板とろう材がより確実に接触でき、良好な接合状態が得られる。重さとしては20〜150g/cmの荷重を採用できる。
さて、ここで上記熱処理によるろう材層の影響について調べた。金属板を接合しないままの熱処理後のろう材層を観察した写真を図5に示す。図5(A)は本発明によるろう材を用いたもので、平均粒子径5μmのAg粉末粒子を15%添加したろう材層の表面性状を示している。図5(B)は従来例であって同じろう材であるがAg粉末を添加していないろう材層の表面性状である。両図とも左側が1.7倍の実体顕微鏡写真、右側が13.5倍の拡大写真である。このようにAg粒子無添加の(B)では鱗状の凹凸が表面全体に生成されており、その最大表面粗さRmaxは50〜80μmに達している。尚、このような凹凸は金属板を接合した場合にも同様に現われるので、粗さを確認する際は、金属板からのはみ出し部、即ち外縁部の粗さを測定すれば良い。また、このろう材層について金属板とセラミックス基板の接合強度を評価するためにピ−ル強度試験を行った。ピ−ル強度試験は、銅板の一端部が基板の外部に5mm程度突出するように、また、接合面積を10mm×10mmとして接合し、これを90度上方に引張り上げるのに要する長さ単位当りの力を評価した。この方法により金属板とセラミックス基板の密着強度試験を行ったところ、ピール強度は10(kN/m)以下となり密着強度が弱いことが確認された。
一方、(A)の本発明のろう材層からは鱗状の凹凸は解消され、はみ出し部となる外縁部の最大表面粗さRmaxは15〜20μmの範囲に低減されている。図5における鱗状の凹凸部について、波長分散型X線分析装置(WDX)を用い成分分析を行った結果、凹部では主成分がCu−Ti相からなり、また、凸部はAg−In相およびCu−In相からなり、Ti添加量が多い程、凹部の生成頻度が大きくなることが判明した。つまりこれは冷却過程では、融点の高いCu−Ti相が最初に析出し、温度低下と共に収縮が起こる。続いてAg−In相およびCu−In相が析出するが、これらは低融点のInを含むため、Cu−Ti相よりも低温度領域まで液相を維持する。このため、Ag−In相およびCu−In相とCu−Ti相の間で収縮差が生じ、凹凸形状となってしまうのである。そこで、本発明ではAg−Cu−In−Ti合金粉末にAg粉末を添加することで、比較的融点の高いAg−In相を析出させ、先に析出するCu−Ti相との収縮差を抑制することに効果があると考えたものである。また、Cu−Ti相の生成は、合金粉末中のTi量、ならびに、合金粉末とAg粉末を混合した場合のAg/Cu比に大きく関与し、Ti量が多い程、Ag/Cu比が低い、すなわちCu含有量が多い程、鱗状の凹凸部の生成頻度が高くなる。したがって、この鱗状の凹凸部を抑制するには、例えばAg粉末添加によりAg/Cu比を高くすること、また、Ti量を0.2〜2.0質量%に制御することが肝要であることが分かった。
さて、図5(A)についても同様に密着強度を確認したところピール強度は20(kN/m)超となり密着強度が向上することも確認された。これらのことより鱗状の凹凸部が密着強度に強く関与しており、定量的にははみ出し部の最大表面粗さRmaxが5〜50μmの範囲にあれば十分な密着強度を確保できることが分かった。例えば、5μm未満とする場合には、合金粉末中のIn量を低減することで可能となるが、この場合、Ag−Cu合金の共晶温度の780℃以下での冷却過程で瞬時に液相凝固が起こり、局所的な核生成が起こり不均一凝固が進む。この過程では収縮挙動にも局所的な差異が発生し、ろう材と銅板間に引け巣が発生しやすく平均径0.5mm超の大きなボイドを残留させてしまう。この大きなボイドは回路基板としては致命的な欠陥であり、高電圧負荷時はリーク電流が生じ絶縁性低下を招来する。したがって、十分な密着強度を確保ならびに、回路基板の絶縁耐圧を維持するためには、鱗状の凹凸部の粗さはRmaxを5〜50μmに制御することが好ましい。
Ag粒子の平均粒径と添加量による凹凸面の粗さ、密着強度の相関を下記する実施例に示す。
また、ろう材層の外縁部がにじむように広がる現象についても観察した。図6に示すようにろう材層の外縁部を拡大すると凹部と凸部を繰り返したうねりの状態を呈している。本発明におけるうねりとは、例えば、図6に示すように、任意の実体顕微鏡観察像において、単位長さ(mm)における凹部と凸部との最大差の距離Hにて表す。このうねりを測定したところ上記図5(B)の場合が100μm超であったところ、図5(A)においては50μm以下に収まっていることが確認された。この結果も上記で説明したAg−Cu−In−Ti合金粉末にAg粉末を添加したことによる効果であると考えられる。ここで、このうねりが100μm超では、セラミックス回路基板の回路パターン幅、絶縁間隔を制御することが困難となり、特に、微細なパターン構成には対応できない。また、ろう材はみ出し部によるセラミックス基板への応力集中を充分に緩和することができない。また上記で説明した凹凸部の形成度合いにも大きく関与する。これらのことよりうねりは、10μm〜100μmであることが好ましい。
これら本発明によるAg粒子の平均粒径と添加量によるうねりの相関についても下記する実施例に示す。
次に、エッチング処理について説明する。エッチングレジストは、熱硬化型およびUV硬化型を用いることができる、インクタイプとシートタイプがある。前者の塗布方法は、スクリーン印刷法であり、回路形成は所望のパターンを印刷マスクの形状により種々設計可能である。後者は、金属板表面にコートし、続いて露光、現像により所望のレジストパターンを形成する。続いて、銅板を上下面に接合した試料をエッチングする。エッチング装置は、ベルトコンベヤーで搬送し、エッチング液を上下方向から噴霧する仕様となっている。また、銅板のエッチング液は、塩化第2鉄(FeCl3)溶液(46.5Be)を用い、液温を50℃に設定した。エッチングの処理時間は、回路側の銅版の厚さに依存し、例えば、厚み1.0mmの場合には、60分程度の時間を要する。
ここで、上記エッチング処理によるはみ出し部の影響について調べた。エッチング処理後のはみ出し部を観察した写真を図7に示す。図7(A)は本発明による平均粒子径5μmのAg粉末粒子を15%添加したろう材層のはみ出し部の上面写真である。図7(B)は本発明による平均粒子径5μmのAg粉末粒子を3%添加したろう材層のはみ出し部の上面写真である。図7(C)は従来例であってAg粉末を添加していないろう材層のはみ出し部の上面写真である。図中白く見えるのがろう材層が残留している部分であり、主としてAg−In相である。また、黒く見えるのがCu−In相がエッチング剤により溶出してしまった部分である。Cu−In相の溶出量は、エッチング条件に影響を受けるが、特に、ろう材層表面部にCu−In相が位置する場合には、この箇所より選択的に溶出が進行する。ここで、ろう材層残留率とは、ろう材はみ出し部のSEM観察像について、(1)エッチング後のろう材残余分を(2)Cu板とろう材との境界線からろう材先端部までと、幅方向で囲まれる面積で徐した百分率の値であり、例えば、図7(A)では、直接倍率100倍にて観察したSEM像に対して、白色のろう材残余部の面積を□で囲まれた部分の面積で除し、面積割合にて示した値である。
図7においてろう材層の残留率は(A)88%、(B)68%、(C)55%である。ここで、ろう材層とは、Ag−In相とCu−In相から構成され、塩化第2鉄溶液によるエッチングでは、Cu−In相が選択的に溶出する。したがって、ろう材はみ出し部のエッチング残留物は主としてAg−In相である。これらの状況から分かるようにAg粒子を添加しない場合は、ろう材を構成するCu−In相の比率が高く、この相は、エッチング液の塩化第2鉄溶液によるアタックを受け易く溶出頻度が高くなることが分かった。したがって、エッチング溶液のアタックによるろう材の溶出量を抑制するためには、耐エッチング性に優れるAg−In相の比率を高くし、また、エッチング溶液の侵入防止のため、鱗状の凹凸形状の発生を抑制することが重要である。これらはAg粒子を後添加し、比較的大きな母材合金粒子間に比較的小さなAg粒子を介在させて密度を高めて得られる効果である。尚、添加するAg粒子の平均粒径と添加量によるろう材層の残留率の相関については下記する実施例に示す。
以下、実施例と比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。
(実施例)
例えば、Ag:58.8質量%、Cu:27.5質量%、In:12.5質量%、Ti:1.2質量%及び不可避不純物からなる合金粉末、100重量部に対し、下表1に示すAg粒子粉末を添加し、全ペーストに占める割合でα−テネピネオール6質量%、ジエチレンングリコール・モノブチルエーテル5質量%、ポリイソブチルメタクリレート5質量%、分散剤0.1質量%を配合したのちプラネタリーミキサーを用いて混合を行い、120Pa・sのペーストを作成した。使用した母材合金粉末の平均粒径は30μmであった。
このペーストを縦50mm×横30mm×厚さ0.63mm寸法の窒化ケイ素質焼結体製の基板上にスクリーン印刷により図3のようなパターンで厚み25μmではみ出し部Lが0.3mmとなるように塗布した。ここで、ろう材はみ出し量を0.25mm以上を設計値としているが、これは、金属回路板端部付近のセラミックス基板への応力集中を緩和する効果が最大となる値であり、この場合、応力集中を約60%に低減できる。
この後、120℃×30分大気中で乾燥し、続いて、回路用銅板−窒化ケイ素基板−放熱用銅板と重ねた後、70g/cmの荷重をかけながら真空中(10−2Pa)、760℃×10分保持の熱処理を施して銅板と窒化ケイ素基板の接合を行った。用いた銅板の板厚は、エッチング後の回路基板の反り、ならびにはんだリフロー後のモジュール実装形状、さらには、回路基板と放熱基板(例えば、Cu、Cu−W、Mo、Cu−Cu0、Al−SiC等)のはんだ不良欠陥の防止を考慮して、回路側が1.0mmt、放熱側を0.8mmtとした。その後、図4のパターンとするためにエッチング公差を考慮したレジストパターンの印刷、不要部分の銅部材の除去を行い各々のセラミックス回路基板を作製した。
それぞれのセラミックス回路基板の銅板間の間隙へのろう材の流れ出しを観察し、また超音波探傷機で接合状態を観察した。さらに、接合した銅板を窒化ケイ素基板に対して90°方向に引っ張り、ピール強度を測定して密着強度とした。また、はみ出し部の外縁部の最大面粗さRmax(表面凹凸)と、最外縁のうねり量H及びはみ出し部のろう材層の残留率をそれぞれ測定した。
(比較例)
ろう材ペーストの作製、窒化ケイ素基板への印刷、ろう付け条件等は上記実施例と同様に行い、表1の試料No.31〜41に示す合金粉末及びAg粉末添加した。これらについて上記と同様に表面粗さ、密着強度、うねり量、ろう材層残留率を測定した。
Figure 2005268821
注記(1):接合後のCu板表面にろう材流れ有り
注記(2):回路パターン潰れ有り
表1の実施例No.1〜24より以下の知見が得られた。
Ag:85〜55質量%、In:5〜25質量%、Ti:0.2〜2.0質量%、残部Cu及び不可避不純物からなる平均粒子径1〜40μm合金粉末に、さらに平均粒子径1〜15μmのAg粉末粒子を5〜30質量%添加した場合、スクリーン印刷後の印刷パターンむらが生じるなどの不具合がなく、ろう材層表面の鱗状凹凸を緩和する効果が確認できた。また、Ag−Cu−In−Ti系合金粉末の平均粒径は15〜40μmであって、これに上記仕様のAg粉末を添加することで、ろう材の充填密度を向上することができ、特に、添加するAg粉末の粒度分布を規定することで、ろう材の最密充填を達成することができた。これらによりペースト印刷時の塗布量の制御、ろう付け過程での粒子間の反応性促進が達成できる。よって、銅板とセラミックス基板の接合強度を強化することが可能となった。
回路基板のピ−ル強度を測定したところ、いずれも20(kN/m)以上の高い接合強度を有することが確認できた。また、ろう材層表面の凹凸の緩和、ろう材層の拡がりの抑制、外縁部の直線性の改善、またろう材に含まれるCuの溶出を防止することができ、これによりセラミックス基板のろう材はみ出し部の外縁部におけるRmaxはいずれも50μm以下で22〜44μmであった。さらに外縁部の境界線におけるうねりも100μm以下でほとんどが50μm以下のものであった。また、ろう材層の残留率についても80%以上となっているので、ろう付け後の回路パターン潰れの防止作用、更にはろう材はみ出し部の応力緩和の作用を発現することができ、量産性に優れ、かつ耐冷熱サイクル性に優れるセラミックス回路基板の製造が容易になった。
これに対し、表1の比較例のNo.31〜41より以下の知見が得られた。
No.31は、合金粉末中のAg含有量が85%超の90%であり、ろう付け接合後の銅板表面にろう材の流れ出しが生じる不具合があった。
No.32は、合金粉末中のAg含有量が55%未満の50%であり、Cu含有量が多く、ろう材と銅板との接合強度が低下するため、密着強度が15.0(kN/m)に低下した。また、ろう材組成中のCu含有量が増大するため、エッチング後のはみ出し部のろう材層の残留率も低下し、73%となった。
No.33および34のAg粉末の無添加では、ろう材表面部の凹凸が50μm超、密着強度が20(kN/m)未満、ろう材はみだし端部のうねりが100μm超、ろう材層残留率が80%未満となった。
No.35は、Ag粉末の添加量が30%超であり、ろう付け接合後の銅板表面にろう材の流れ出しが生じる不具合があった。
No.36は、合金中のIn含有量が5%未満で、この場合ろう材の融点が上昇し、700℃〜800℃のろう付け処理では、未接合部が多く、密着強度は低下し16.0(kN/m)となった。
No.37は、合金中のIn含有量が25%超であり、この場合ろう材の融点が低下し、700℃〜800℃のろう付け処理では、回路パターンくずれがあり、また、ろう付け接合後の銅板表面にろう材の流れ出しが生じる不具合があった。更に、ろう材表面部の凹凸が50μm超、密着強度が20(kN/m)未満、ろう材はみだし端部のうねりが100μm超、ろう材残留率が80%未満となった。
No.38は、合金粉末中のTi含有量が0.2%未満であり、この場合ろう材層と窒化ケイ素基板の界面に形成されるTiN相量が欠乏するため、ピ−ル強度は低下し10.0(kN/m)となった。
No.39は、合金粉末中のTi含有量が2.5%超であり、この場合ろう材層中に脆性相のTi−Si相が形成されるため、ピ−ル強度は低下し15.0(kN/m)となった。
No.40は、合金粉末の平均粒径が10μm未満であるが、このとき、加熱過程でろう材粉末の反応性が高くなり、ろう付け接合後の銅板表面にろう材の流れ出しが生じる不具合があった。
No.41は、合金粉末の平均粒径が55μm超であり、この場合加熱過程でろう材粉末の反応性が悪く、700℃〜800℃のろう付け処理では、接合に充分なろう材融液を生じることができず、未接合部が多く、このときにもピ−ル強度は低下し、18.5(kN/m)となった。また、エッチング処理後のろう材残留率も76%に低下した。
本発明によれば、得られた接合部材は非印刷部へのろう材の流れ出しが無く、超音波探傷機による観察でも接合状態は良好であった。
上記実施例の回路基板に対し、3点曲げ強度の評価および耐冷熱サイクル試験を行った。その結果、曲げ強度が600MPa以上と大きく、回路基板の実装工程における締め付け割れおよびはんだ付け工程時の熱応力に起因するクラックの発生する頻度がほぼ見られなくなり、回路基板を使用した半導体装置の製造歩留まりを大幅に改善できることが実証された。また、耐熱サイクル試験は、−40℃での冷却を20分、室温での保持を10分および125℃における加熱を20分とする昇温/降温サイクルを1サイクルとし、これを繰り返し付与し、基板部にクラック等が発生するまでのサイクル数を測定した。その結果、3000サイクル経過後においても窒化ケイ素質焼結体製基板の割れや銅製回路板の剥離はなく、優れた耐久性と信頼性を兼備することが確認された。また、3000サイクル経過後においても耐電圧特性の低下は発生しなかった。
ろう材を構成する粒子形態を示すSEM写真であって、(A)は一実施例のろう材を示し、(B)は従来のAg粒子無添加の例を示す。 本発明のセラミックス回路基板の一実施形態を示す側面図である。 図2のセラミックス基板に塗布したろう材層を示す上面図である。 図3のセラミックス基板に銅板を接合した状態を示す上面図である。 セラミックス基板に銅板を接合する際の熱処理によるろう材層の態様を示し、(A)は本発明例、(B)は従来例である。 セラミックス基板に銅板を接合する際の熱処理によるろう材層の外縁部の直線性を示し、(A)は本発明例、(B)は従来例である。 銅板をエッチングした後のはみ出し部のろう材層の態様を示し、(A)(B)は本発明例、(C)は従来例である。
符号の説明
1:回路用金属板
3、4、5:金属(銅)板
3a、4a、5a:傾斜面
3b、4b、5b:半導体チップとの接合面
3c、4c、5c:セラミックス基板との接合面
7:セラミックス基板
8、9、10:ろう材層
11:金属(銅)板
12:ろう材層
20:はみ出し部

Claims (6)

  1. セラミックス基板の少なくとも一方の面に複数の回路パターンに沿ったろう材層を形成し、当該ろう材層を介して金属板を接合し、当該金属板の不要部分をエッチング処理することにより前記金属板からなる回路パターンを形成すると共に、前記金属板の外縁からはみ出した前記ろう材層によるはみ出し部を形成したセラミックス回路基板において、前記はみ出し部の最大面粗さRmaxが5〜50μmであることを特徴とするセラミックス回路基板。
  2. セラミックス基板の少なくとも一方の面に複数の回路パターンに沿ったろう材層を形成し、当該ろう材層を介して金属板を接合し、当該金属板の不要部分をエッチング処理することにより前記金属板からなる回路パターンを形成すると共に、前記金属板の外縁からはみ出した前記ろう材層によるはみ出し部を形成したセラミックス回路基板において、前記はみ出し部の境界線における凹所と凸所との距離が10〜100μmであることを特徴とするセラミックス回路基板。
  3. セラミックス基板の少なくとも一方の面に複数の回路パターンに沿ったろう材層を形成し、当該ろう材層を介して金属板を接合し、当該金属板の不要部分をエッチング処理することにより前記金属板からなる回路パターンを形成すると共に、前記金属板の外縁からはみ出した前記ろう材層によるはみ出し部を形成したセラミックス回路基板において、前記はみ出し部におけるろう材層の残留率が80%以上であることを特徴とするセラミックス回路基板。
  4. 前記はみ出し部におけるろう材層において、Ag−rich相がCu−rich相よりも多く占めることを特徴とする請求項3に記載のセラミックス回路基板。
  5. 前記セラミックス基板は窒化ケイ素質焼結体からなり、前記金属板が銅板であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のセラミックス回路基板。
  6. 前記請求項1〜5の何れかに記載のセラミックス回路基板の一方の面に接合した金属板に半導体チップを搭載し、前記セラミックス基板の他方の面に放熱板を接合したことを特徴とするパワー半導体モジュール。
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