JP2005268547A - 光電変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】p型層又はn型層に高濃度の炭素を添加させることなく、高い光電変換効率が得られる光電変換装置を提供すること。
【解決手段】本発明の光電変換装置は、半導体からなる第1導電型層、微結晶半導体からなるi型層、半導体からなる第2導電型層をこの順に積層して構成された光電変換層を備え、第1導電型層及び第2導電型層の少なくとも一方は、炭素原子を含有した微結晶シリコンからなる炭素含有層である。
発明者は、第1導電型層及び第2導電型層の少なくとも一方を、炭素原子を含有した微結晶シリコンで形成することにより、上記半導体層に含まれる炭素量が少ない場合、例えば、炭素原子の濃度が0.1〜9.8原子%である場合であっても、高い光電変換効率が得られることを見出し、本発明の完成に到った。
【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換装置の高効率化技術に関するものである。
太陽電池市場の拡大に伴い、低コスト化を図る次世代太陽電池技術として、薄膜シリコン太陽電池が注目されている。該薄膜シリコン太陽電池は、ガラス基板やステンレス基板などの上に、プラズマCVD法などにより、膜厚数μm程度のシリコン薄膜を堆積させることにより形成される。したがって、シリコン使用量が低減できるだけでなく、一回の製膜で大面積の太陽電池を形成できるので、低コスト化が可能になるのである。また、薄膜シリコン半導体層は500℃以下の低温プロセスで形成できるため、1500℃以上の温度を必要とするバルク結晶系太陽電池と比較して、製造時の投入エネルギーを大幅に低減することができる。
上記薄膜シリコン太陽電池の光電変換層は、一般的に、水素化アモルファスシリコンや水素化微結晶シリコンなどの半導体薄膜により形成される。
以上述べてきたように、上記薄膜シリコン太陽電池は、大面積同時形成や投入エネルギー低減効果により、低コスト化が可能であるという利点を持ちながらも、現実的にはバルク結晶系太陽電池と比較して大きく市場拡大するには到っていない。その主要因は、バルク結晶系太陽電池と較べて低い光電変換効率であると考えられる。すなわち、太陽電池の光電変換効率は低くなればなるほど、同発電容量をまかなうための太陽電池モジュール枚数が増加し、それとともに設置コストも増大するため、低コストの薄膜シリコン太陽電池を用いているにも関わらず、システム価格が必ずしもバルク結晶系太陽電池より低くならないという問題がある。したがって、薄膜シリコン太陽電池の本格普及のためには高効率化が重要な課題である。
薄膜シリコン太陽電池の高効率化のために用いられる従来技術の一つに、太陽電池の光入射面側の半導体層(以下、窓層とよぶ)のワイドバンドギャップ化が挙げられる。上記薄膜シリコン太陽電池は、窓層のバンドギャップを広げることにより、該層における光吸収損失の低減による短絡電流密度の増加と、拡散電位の増加による開放電圧の増加が得られるので、光電変換効率を高めることができる。上記のような窓層のワイドバンドギャップ化に関する従来技術として、特許文献1に記載の薄膜太陽電池が挙げられる。当該文献記載の薄膜太陽電池は、p型導電性のp型層、実質的に真性なi型層、n型導電性のn型層を積層してなる少なくとも一つのpin接合を含む光電変換層と、その光電変換層の光入射側に備えられた導電性で、且つ光透過性の第1電極と、その第1電極と対向する面に備えられた第2電極とを有する薄膜光電変換素子において、pin接合を構成するi型層が、微結晶シリコン又は微結晶シリコンゲルマニウムからなり、これと接するp型層、n型層の少なくとも一方が、微結晶シリコンカーバイドと微結晶シリコンとの混晶であることを特徴とする。
微結晶シリコンカーバイドのバンドギャップは、微結晶シリコンのバンドギャップよりも大きいため、p型層又はn型層での光吸収が減少し、光電変換効率が向上する。
特開2002−16271号公報
従来の薄膜太陽電池では、微結晶シリコンカーバイドを含有させたことによるワイドバンドギャップ効果を発生させるには、微結晶シリコンカーバイドと微結晶シリコンとの混晶の炭素量を少なくとも10原子%以上の高い濃度にする必要がある(特許文献1の段落9参照。)。
しかし、炭素量を10原子%以上にすると、微結晶シリコンカーバイドを含む層とi型層との間で、バンドギャップの不連続とミスマッチが大きくなるため、キャリア・ライフタイムが短い高濃度欠陥領域が形成され、却って、光電変換効率が低下する場合がある。 また、上記高濃度欠陥領域の発生を抑えるために、微結晶シリコンカーバイドを含む層とi型層との間に、炭素を含まない微結晶シリコン層又は炭素濃度を徐々に減らした界面層を挿入するという方法がある(特許文献1の段落7、8参照。)。しかし、該界面層の形成には、大面積に亘って均一に非常に薄い薄膜を形成する技術が必要であるため、作製プロセスコストの増大や歩留まりの低下を引き起こすため、上記のような界面層を用いずに光電変換効率を向上させることが望ましい。
本発明は、係る事情に鑑みてなされてものであり、p型層又はn型層に高濃度の炭素を添加させることなく、高い光電変換効率が得られる光電変換装置を提供するものである。
本発明の光電変換装置は、半導体からなる第1導電型層、微結晶半導体からなるi型層及び半導体からなる第2導電型層をこの順に重ねて有する光電変換層を備え、第1導電型層及び第2導電型層の少なくとも一方は、炭素原子を含有した微結晶シリコンからなる炭素含有層である。
発明者は、第1導電型層及び第2導電型層の少なくとも一方を、炭素原子を含有した微結晶シリコンからなる炭素含有層とすることにより、炭素含有層に含まれる炭素量が少ない場合、例えば、炭素原子の濃度が0.1〜9.8原子%である場合であっても、高い光電変換効率が得られることを見出し、本発明の完成に到った。
本発明によれば、炭素含有層に含まれる炭素量が少ない場合であっても、高い光電変換効率が得られる。さらに、炭素含有層に含まれる炭素量が少ないため、炭素含有層とi型層との間における、バンドギャップの不連続又はミスマッチが小さい。従って、両層の間に、界面層などを設ける必要がなく、簡易に、かつ、安価で、光電変換効率が高い光電変換装置を得ることができる。
また、炭素含有層は、微結晶シリコンで形成される。一般的に、微結晶シリコンは、微結晶シリコンカーバイドなどと比べて、低い温度で形成することができる。そのため、本発明の光電変換装置は、少ないエネルギーで製造することができる。さらに、光電変換層を低融点のプラスチック基板などの安価な基板上に形成することが可能になるので、製造コストの低減につながる。
また、本発明によれば、炭素含有層の炭素原子の濃度を0.1〜9.8原子%にすることにより、光電変換効率が高い光電変換装置を得ることができる。
本発明の光電変換装置は、半導体からなる第1導電型層、微結晶半導体からなるi型層及び半導体からなる第2導電型層をこの順に重ねて有する光電変換層を備え、第1導電型層及び第2導電型層の少なくとも一方は、炭素原子を含有した微結晶シリコンからなる炭素含有層である。
本発明の光電変換装置は、具体的には、例えば、以下の態様で実施される。
1.スーパーストレート型構造
1−1.一般的事項
本発明の第1の実施形態に係る光電変換装置は、透光性基板上に、透明導電層、上記の光電変換層及び裏面電極をこの順に重ねて備える。この場合、透光性基板側が光入射面となる。また、光電変換層と裏面電極との間に裏面透明導電層を備えることが好ましい。
1−2.透光性基板
透光性基板としては、ガラス板、ポリイミド若しくはポリビニルなどの耐熱性を有する透光性樹脂、又はそれらが積層されたものなどが好適に用いられるが、光透過性が高く光電変換装置全体を構造的に支持し得るものであれば特に限定されない。また、それらの表面に金属膜、透明導電膜、又は絶縁膜などを被覆したものであってもよい。
1−3.透明導電層
透明導電層は、透明導電性の材料からなり、例えば、ITO、酸化錫又は酸化亜鉛などの透明導電性膜を単層又は積層させたものを用いることができる。透明導電層は、電極としての役割を担っているので、電気伝導性が高い方が好ましく、微量の不純物を添加することで電気伝導性を向上させたものを用いることもできる。透明導電層の製造方法としては、スパッタリング法、CVD法、電子ビーム蒸着法、ゾルゲル法、スプレー法及び電析法などの公知の方法が挙げられる。また、透明導電層の表面に凹凸形状が形成されていることが望ましい。この凹凸によって、透光性基板側から入射した入射光を散乱・屈折させて光路長を伸ばすことができるので、光電変換層内での光閉じ込め効果が高まり短絡電流の向上が期待できる。上記凹凸の形成方法としては、一旦透明導電層を堆積させたのちにエッチング法やサンドブラストのような機械加工により形成する方法のほかに、透明導電層製膜時に膜材料の結晶成長により形成される表面凹凸を利用する方法、結晶成長面が配向しているために規則的な表面凹凸が形成されることを利用する方法などを用いてもよい。
膜材料の結晶成長時に形成される凹凸を利用した基板として、白板ガラス上にCVD法により酸化錫層を堆積させた基板(商品名Asahi−U)を基板として用い、さらに該基板上に、スパッタリング法で酸化亜鉛層を堆積させてもよい。この場合、後に光電変換層を形成する際に、上記酸化錫層がプラズマによる損傷を受けるのを防止することができるので、より好ましい。
1−4.光電変換層
1−4−1.一般的事項
光電変換層は、透明導電層上に形成される。光電変換層は、半導体からなる第1導電型層、微結晶半導体からなるi型層、半導体からなる第2導電型層をこの順に重ねて有する。また、第1導電型層及び第2導電型層の少なくとも一方は、炭素原子を含有した微結晶シリコンからなる。ここで、「微結晶」とは、結晶相とアモルファス相とが混在した状態を意味する。従って、「微結晶シリコン」とは、結晶シリコンとアモルファスシリコンとが混在した状態を意味する。また、「炭素原子を含有した微結晶シリコン」とは、微結晶シリコン中に炭素原子が含有されている状態を意味する。言い換えると、これは、シリコンカーバイドの結晶相を実質的に含まない状態を意味する。この状態は、例えば、上記炭素原子を含有した微結晶シリコンのラマン散乱スペクトルを観測したとき、シリコンカーバイド結晶中のシリコン−カーボン結合に帰属されるピークが実質的に検出されないことによって確認することができる。この状態は、また、X線回折法においてシリコンカーバイド結晶構造に帰属される回折ピークが実質的に検出されないことによって確認してもよい。
上記第1導電型層または第2導電型層中の炭素原子の含有量は、二次イオン質量分析(SIMS)により求めることができる。また、「炭素原子を含有した」には、微量の炭素原子が含有されている場合、例えば、0.01原子%より小さい濃度で炭素原子が含有されている場合は、含まれない。また、用語「微結晶シリコン」及び「アモルファスシリコン」は、それぞれ、当該分野で一般的に使われる、水素化微結晶シリコン及び水素化アモルファスシリコンを含むものとする。
1−4−2. 第1導電型層及び第2導電型層
1−4−2−1.一般的事項
第1導電型層及び第2導電型層は、それぞれn型及びp型、又はこの逆の導電型の半導体からなる層である。p型層の導電性決定元素としては、ボロン、アルミニウム又はガリウムなどの不純物原子を用いることができる。n型層の導電性決定元素としては、リン、窒素又は酸素などの不純物原子を用いることができる。
また、第1導電型層及び第2導電型層の一方は、炭素原子を含有した微結晶シリコンからなる炭素含有層である。この場合、炭素含有層に含まれる炭素量が少ない場合であっても、高い光電変換効率が得られる。高い光電変換効率が得られる理由は、必ずしも明らかでないが、炭素含有層のバンドギャップが広がって拡散電位が増加すること、炭素原子を含むアモルファス相による結晶粒界の界面パッシベーション及び炭素含有層/i型層界面パッシベーションの効果により界面再結合が低減すること、などが考えられる。また、従来技術と比較して低炭素濃度で開放電圧向上効果が現れるので、不純物添加による欠陥密度の増加が少ないこと、不純物添加による導電型決定元素の活性化効率の低下を抑制できること、不純物添加による炭素含有層中のアモルファス相の比率の増加を抑制できること、及びi型層とのバンドギャップの不連続性を抑制するための界面層を必要としないことなどの利点(低濃度の炭素添加の効果)がある。
また、第1導電型層及び第2導電型層の他方は、半導体からなり、具体的には、シリコン、シリコンに炭素が添加されたSix1-x又はゲルマニウムが添加されたSixGe1-xなどからなる。この層は、多結晶、微結晶又はアモルファスである。また、この層は、好ましくは、微結晶シリコン又はアモルファスシリコンからなり、さらに好ましくは、炭素原子を含有した微結晶シリコンからなる。
1−4−2−2.炭素濃度
また、炭素含有層は、その中に含まれる炭素原子の濃度(以下、「炭素濃度」という。)が0.1〜9.8原子%であることが好ましい。この場合に、特に高い光電変換効率が得られるからである。
また、炭素含有層は、その中に含まれる炭素濃度が3.3〜9.8原子%であることが好ましい。この場合、さらに大きな開放電圧向上効果を得ることができ、その結果、さらに高い光電変換効率が得られるからである。炭素濃度が3.3原子%以上の場合は、上述の拡散電位の増加及び界面再結合低減などの効果が相乗的に現れるため、さらに高い開放電圧を得ることができ、その結果、さらに高い光電変換効率を得ることができると考えられる。
1−4−2−3.水素濃度
また、炭素含有層は、その中に含まれる水素原子の濃度(以下、「水素濃度」という。)が5〜15原子%であることが好ましい。5原子%よりも低い場合、光電変換効率が低下する。これは、微結晶シリコンのバンドギャップが小さくなること、透過率が低くなること、及び水素原子によるパッシベーション効果が十分得られないことなどの理由により、開放電圧、短絡電流密度及び形状因子が減少するためであると考えられる。また、15原子%よりも高い場合も光電変換効率が低下する。これは、微結晶シリコン中に過剰に入り込んだ水素原子によってシリコンの原子配列が乱されるなどの理由によると考えられる。ここで上記水素濃度とは、二次イオン質量分析(SIMS)により求めた値である。
1−4−2−4.形成温度
炭素含有層は、90〜250℃で形成されることが好ましい。90℃より低い場合、プラズマ中の原子状水素によるエッチング効果が生じ易くなり、このため、炭素含有層を均一に形成することが困難になるからである。また、250℃より高い場合、微結晶シリコン中から水素の脱離が生じ易くなり、さらに、微結晶シリコン成長表面における水素被覆率の低下により結晶相の体積分率が低下するからである。また、炭素含有層は、シリコンカーバイドの結晶相を含む必要がないため、とりわけ高温にしなければならない理由はない。
また、炭素含有層の形成温度を変化させることで、炭素含有層の水素濃度を容易に制御でき、温度を90〜250℃とすることにより、炭素含有層の水素濃度を5〜15原子%とすることができる。
1−4−3.i型層
i型層は、特に不純物を添加していない微結晶半導体からなり、好ましくは、微結晶シリコンからなる。ただし、実質的に真性な半導体であれば、少量の不純物元素が含まれていてもよい。また、i型層は、炭素が添加されたSix1-x、又はゲルマニウムが添加されたSixGe1-xなどからなってもよい。
1−4−4.形成方法
光電変換層の各層は、CVD法(常圧CVD、減圧CVD、プラズマCVD、熱CVD、ホットワイヤーCVD又はMOCVD法など)などで形成することができる。CVD法により各層を形成する場合に使用するシリコン含有ガスとしては、SiH4又はSi26などシリコン原子を含むものであれば特に限定されないが、一般的にSiH4を用いる場合が多い。上記シリコン含有ガスとともに使用される希釈ガスとしては、H2、Ar又はHeなどを用いることができるが、アモルファスシリコン又は微結晶シリコンの形成時にはH2を用いる場合が多い。また、p型層又はn型層形成時には、上記シリコン含有ガス及び希釈ガスとともにドーピングガスを使用し、該ドーピングガスは目的とする型の導電性決定元素を含むガスであれば特に限定されないが、一般的にp型導電性決定元素がボロンである場合はB26を、n型導電性決定元素がリンである場合はPH3を用いる場合が多い。上記プラズマCVD法により光電変換層を形成する際に、基板温度、圧力、ガス流量及びプラズマへの投入電力などの製膜パラメータを適切に制御することで、アモルファス相と結晶相の存在比率を制御することが可能である。また、炭素含有層形成時に使用する炭素含有ガスとしては、炭化水素(CH4又はC26など)などの炭素原子を含むものを用いることができる。
1−5.裏面透明導電層
光電変換層上に、好ましくは、裏面透明導電層が形成される。この場合、入射光に対する光閉じ込め向上効果や光反射率向上効果が得られる。また、裏面電極に含まれる元素の光電変換層への拡散を抑制することができる。裏面透明導電層は、1−3で述べた透明導電層と同様の材料及び製法にて形成することができる。
1−6.裏面電極
裏面電極は、導電層が少なくとも1層以上あればよく、光反射率が大きく導電率が高い程好ましい。裏面電極は、光電変換層上に、又は裏面透明導電層上に形成される。裏面電極は、可視光反射率の高い銀、アルミニウム、チタン若しくはパラジウムなどの金属材料、又はこれらの合金などで形成することができる。裏面電極は、CVD法、スパッタリング法、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、スプレー法又はスクリーン印刷法などで形成することができる。裏面電極は、光電変換層で吸収されなかった光を反射して再度光電変換層に戻すため、光電変換効率の向上に寄与する。
1−7.その他
スーパーストレート型光電変換装置は、通常、透明導電層が形成された透光性基板上に、第1導電型層、i型層及び第2導電型層をこの順に重ねて備える。第1導電型層及び第2導電型層の何れが炭素含有層であってもよいが、第1導電型層が炭素含有層であることが好ましい。入射光は、第1導電型層、i型層及び第2導電型層をこの順で通過するので、第1導電型層が炭素含有層であることにより、炭素含有層を設けた効果が大きくなるからである。
また、本発明によれば、第1導電型層の炭素含有量を少なくすることができるので、第1導電型層の結晶化率を高くすることができる。第1導電型層はi型層を形成する際の下地層となるが、第1導電型層の結晶化率を高くすることによって、その上に形成されるi型層の結晶化率も高くすることができ、その結果、光電変換効率を向上させることができる。
すなわち、第1導電型層は、窓層として優れ、かつ下地層として優れている。従来は、このような層を形成することができなかったので、本発明は、特に、スーパーストレート型光電変換装置において優れた効果をもたらす。
なお、第1導電型層及び第2導電型層の両方が炭素含有層であることが好ましい。この場合、上記効果に加え、第2導電型層を炭素含有層としたことにより、さらなる光電変換効率の向上が期待できる。
なお、結晶化率Ic/Iaは、(1)測定対象となる層を露出させ、(2)その層の表面にアルゴンイオンレーザー(514.5nm)を約10mWで照射し、(3)そのラマン散乱スペクトルを測定して得られた、520cm-1付近にある結晶半導体のピーク高さをIc、480cm-1付近にある非晶質半導体のピーク高さをIaとし、(4)IcとIaのそれぞれのピーク強度比Ic/Iaを求める工程を備える方法によって、求めることができる。なお、結晶化率は、微結晶半導体層に含まれる結晶半導体部分の体積分率と正の相関がある。
測定対象となる層は、その上層を斜め研磨法などで除去することにより、露出させることができる。
2.スーパーストレート型構造(積層型)
2−1.構成、作用
本発明の第2の実施形態に係る光電変換装置は、透光性基板上に、透明導電層、複数の光電変換層(各光電変換層は、上記記載のものである。)及び裏面電極をこの順に重ねて備える。また、光電変換層と裏面電極との間に裏面透明導電層を備えることが好ましい。 また、上下に隣接する2つの光電変換層間には、中間層が形成されていることが好ましい。複数の光電変換層は、例えば、基板側から第1の光電変換層及び第2の光電変換層をこの順に重ねて備える。
第1の光電変換層は光入射側に位置するため、裏面電極側に位置する第2の光電変換層には第1の光電変換層を透過した光のみが入射する。そのため、積層型構造にしたときの利点としては、入射光スペクトル領域を分割して受光させることができるので光の有効活用ができることと、高い開放電圧が得られることが挙げられる。上記効果を高めるために、光入射側である第1の光電変換層の禁制帯幅が第2の光電変換層の禁制帯幅より大きくなるように積層すれば、入射光のうち短波長光は第1の光電変換層で、長波長光は第2の光電変換層で吸収されるので、各波長域を有効に利用することができる。上記各光電変換層は、pinの接合方向が同一になるように積層される。これは光電変換層が3層以上の場合も同様である。
2−2.各構成要素
中間層を除く各構成要素の構造、製造方法などは、上述したものと同様である。
中間層は透明導電膜からなることが望ましい。中間層を設けることにより、基板側から第1の光電変換層に入射した光は、中間層にてその一部が反射され、残りの光は中間層を透過して第2の光電変換層に入射するので、各光電変換層への入射光量を制御できる。これにより、各光電変換層の光電流の値が均等化され、各光電変換層にて発生した光生成キャリアが積層型光電変換装置の短絡電流に無駄なく寄与できるため、結果として積層型光電変換装置の短絡電流を増加させ、光電変換効率を向上することができる。
3.サブストレート型構造
3−1.一般的事項
本発明の第3の実施形態に係る光電変換装置は、金属からなる基板上に、又は表面を金属で被覆した基板上に、上記の光電変換層、透明導電層及びグリッド電極をこの順に重ねて備える。この場合、グリッド電極側が光入射面となる。
3−2.基板
基板には、ステンレス鋼(SUS)又はアルミニウムなどの金属などの基板を用いることができる。また、基板には、ガラス、耐熱性の高分子フィルム(ポリイミド、PET、PEN、PES又はテフロン(登録商標)など)又はセラミックスなどを、金属などで被覆したものを用いてもよい。また、基板には、これらを積層したものを用いてもよい。
基板は、200℃程度の耐熱性を有するものであることが好ましい。基板は、好ましくは、厚さが0.1〜10mmである。また、基板は、その表面に凹凸を備えてもよい。また、基板には、絶縁膜、導電膜若しくはバッファ層などが形成されていてもよいし、又はこれらを組み合わせた複合層が形成されていてもよい。
3−3.光電変換層
基板上に光電変換層を形成する。光電変換層の構成及び製造方法などは、1−4で述べたものものと同様である。
3−4.透明導電層
光電変換層上に、透明導電層を形成する。透明導電層の構成及び製造方法などは、1−3で述べたものと同様である。
3−5.グリッド電極
透明導電層上に、好ましくは、グリッド電極を形成する。グリッド電極の構成及び製造方法などは、公知のものを用いることができる。
4.その他
本明細書において、「基板上に」という語句には、「保護膜又は絶縁膜などを介して基板上に」という場合なども含まれる。その他の「膜上に」又は「層上に」などの語句についても同様である。
また、「0.1〜9.8原子%」は、その範囲に、0.1原子%及び9.8原子%を含む。その他の範囲についても同様である。
(実施例1〜実施例8)
1.構造
図1は、本発明の実施例1〜実施例8に係る光電変換装置1の構造を示す断面図である。本実施例に係る光電変換装置1(スーパーストレート型)は、白板ガラス(商品名:Asahi−U)からなる透光性基板3上に、酸化亜鉛からなる透明導電層5、光電変換層7、酸化亜鉛からなる裏面透明導電層9及び銀からなる裏面電極11をこの順で備える。
また、光電変換層7は、それぞれ微結晶シリコンからなるp型層7a、i型層7b及びn型層7cをこの順に有し、p型層7aは、炭素原子を含有している。p型層7aの炭素濃度は、成膜条件によって変化し、0.002〜14.8原子%である。
2.実施例1〜実施例8に係る光電変換装置の製造
光電変換装置1は、以下の工程で製造した。
まず、白板ガラス(商品名:Asahi−U)からなる透光性基板3上に、マグネトロンスパッタリング法により、酸化亜鉛からなる透明導電層5を厚さ50nmで形成した。
次に、得られた基板上に、プラズマCVD法により、それぞれ微結晶シリコンからなる、p型層7a、i型層7b及びn型層7cをこの順に積層し、光電変換層7を形成した。
p型層7aは、原料ガスとしてSiH4、H2、B26及びCH4を用いた。H2/SiH4ガス流量比は150倍とし、B26/SiH4ガス流量比は、表1記載のように変化させた。CH4/SiH4ガス流量比についても、表1記載のように変化させ、そのときの膜中炭素濃度を表1に併記した。形成温度は140℃とした。なお、該膜中炭素濃度及び水素濃度は、上記p型層について二次イオン質量分析を行った結果得られた値(原子%)を記載した。また、p型層7aの結晶化率を測定した結果を表1に併記した。p型層7aは光活性層であるi型層7bに入射する光量を多くするためにp型層7aとしての機能を損なわない範囲で薄い方が望ましく、本実施例では30nmの膜厚とした。
i型層7bは、原料ガスとしてSiH4及びH2を用いた。H2/SiH4ガス流量比は80倍、膜厚2500nmとなるように形成した。形成温度は200℃とした。
n型層7cは、原料ガスとしてSiH4、H2及びPH3を用いた。H2/SiH4ガス流量比は20倍とし、PH3/SiH4ガス流量比は、膜中リン濃度が0.01原子%となるように調節した。n型層7cの膜厚は20nmとした。形成温度は200℃とした。
次に、マグネトロンスパッタリング法により、厚さ50nmで、酸化亜鉛からなる裏面反射層9を形成した。次に、電子ビーム蒸着法により、厚さ500nmで銀からなる裏面電極11を形成し、スーパーストレート型構造で単接合型の光電変換装置1の製造を完了した。
3.比較例1に係る光電変換装置の製造
p型層7aを形成するのに用いる反応ガスにCH4ガスを含めずに、p型層7aを形成した。その他の条件は、実施例1と同様である。このp型層7aについて、上記実施例と同様の二次イオン質量分析を行った結果、炭素濃度及び水素濃度は、それぞれ0.002原子%及び10.0原子%であった。また、ラマンスペクトル測定から結晶化率は4.3であった。
4.試験結果
このようにして得られた光電変換装置について、AM1.5(100mW/cm2)照射条件下におけるセル面積1cm2の電流−電圧特性を測定した。結果を表1にまとめた。また、光電変換効率の炭素濃度依存性を図3に示した。なお、図3は、炭素含有層に含まれる炭素濃度と、光電変換効率との関係を示すグラフである。
Figure 2005268547
表1と図3から以下のことが分かる。p型層7a形成時にCH4ガスを使用しなかった比較例1のp型層7aが0.002原子%の炭素を含有することより、上記工程で使用したプラズマCVD装置の真空チャンバー内の脱ガス又は残存ガスとして存在する炭素不純物が、ごくわずかに形成時にp型層7a中に混入することを示している。
比較例1は開放電圧が0.500Vであるのに対し、炭素濃度が0.1原子%以上となるようにp型層7aを形成した実施例1〜8では、いずれもこの値を上回る開放電圧及び短絡電流密度が得られた。特に、実施例5で開放電圧の向上効果は最大となり、0.553Vの開放電圧が得られた。
実施例1〜実施例7において開放電圧、ひいては光電変換効率が向上した原因は、p型層7aのバンドギャップが広がって拡散電位が増加したこと、上記炭素原子を含むアモルファス相による結晶粒界の界面パッシベーション及びp/i型層7a、7b界面パッシベーションの効果により界面再結合が低減したこと、などの効果(炭素添加による光電変換効率向上効果)が得られたためであると考えられる。
炭素濃度が0.01原子%である実施例1は、炭素原子によるバンドギャップの増加、並びに結晶粒界及びp/i型層7a、7b界面のパッシベーション効果があまり得られない炭素濃度であるため、比較例1と比較して光電変換効率があまり変化しなかったと考えられる。すなわち、光電変換効率を大きく向上させるためには、p型層7a中の炭素濃度を0.1原子%以上とすることが好ましい。
また、炭素濃度が3.3原子%以上である実施例3〜実施例7では、炭素濃度が3.3原子%より低い実施例1及び2よりも、大きな開放電圧向上効果が得られており、もって光電変換効率の向上が大きい。その理由は、実施例3〜実施例7では、その炭素濃度が、炭素原子によるバンドギャップの増加並びに結晶粒界やp/i型層7a、7b界面及びパッシベーション効果が相乗的に現れる十分な量であったからであると考えられる。従って、光電変換効率をさらに大きく向上させるためには、p型層7a中の炭素濃度を3.3原子%以上とすることが好ましい。
また、炭素濃度が14.8原子%である実施例8は、その光電変換効率については、比較例1のものよりも低い。その原因は、形状因子が大きく低下していることから、炭素濃度が14.8原子%以上の場合には、i型層7bとの界面においてバンドギャップの不連続とミスマッチが大きくなるためであると考えられる。従って、光電変換効率を向上させるためには、p型層7a中の炭素濃度を9.8原子%以下とすることが好ましい。
(実施例9〜実施例12)
p型層7aを形成する際の成膜温度を表2記載のように変化させて、p型層7aを形成した。その他の条件は、実施例5と同様である。なお、図1は、本発明の実施例9〜実施例12に係る光電変換装置1の構造を示す断面図でもある。
このようにして得られた光電変換装置について、AM1.5(100mW/cm2)照射条件下におけるセル面積1cm2の電流−電圧特性を測定した。結果を表2にまとめた。また、光電変換効率の炭素濃度依存性を図4に示した。なお、図4は、炭素含有層に含まれる水素濃度と、光電変換効率との関係を示すグラフである。
Figure 2005268547
表2と図4から以下のことが分かる。p型層7aの水素濃度が3原子%である実施例9では開放電圧が0.508V、短絡電流密度が23.1mA/cm2、形状因子が0.701、変換効率が8.23%であるのに対し、水素濃度が5〜15原子%となるようにp型層7aを形成した実施例5、10及び11では、いずれにおいてもこの値を上回る開放電圧、短絡電流密度及び形状因子が得られ、光電変換効率が実施例9よりも大きくなった。この原因としては、実施例9は、その水素濃度が低いため、微結晶シリコンのバンドギャップが小さくなること、透過率が低くなること、及び水素原子によるパッシベーション効果が十分得られないことなどが考えられる。すなわち、上記炭素添加による光電変換効率向上効果を十分得るためには、p型層7aの水素濃度を5原子%以上とすることが好ましい。
水素濃度が18原子%である実施例12は、その他の実施例よりも光電変換効率が低下していた。また、その形状因子が大きく低下した。この原因の一つとして、実施例12のp型層7aの水素濃度が高いため、微結晶シリコン中に過剰に入り込んだ水素原子によってシリコンの原子配列が乱され、欠陥を生成している可能性が考えられる。すなわち、上記炭素添加による光電変換効率向上効果を十分得るためには、p型層7aの水素濃度を15原子%以下とすることが望ましい。
また、p型層7aの水素濃度を18原子%まで増加させるためには、p型層7aの形成中に低温で多量の原子状水素を供給する必要があるが、そのような状態では基板上に十分な均一性をもったp型層を形成することは困難である。p型層7a形成温度を50℃としたことで18原子%の水素濃度を持つp型層7aが得られた実施例12においては、形状因子が大きく低下した。この原因の一つとしてp型層7aが基板上に不均一に形成された場所でリーク電流が発生した可能性が考えられる。p型層7a形成温度を90℃とした実施例11においてはp型層7aが基板上に均一に形成され、形状因子の大きな低下が見られていないことから、p型層7a形成温度は90℃以上とすることが望ましい。
p型層7aの形成温度が300℃である実施例9においては、実施例5、10及び11と比較して光電変換効率が低下している。この原因は、実施例9のp型層7a形成温度が高温であることに起因して微結晶シリコン中からの水素原子の脱離が生じやすくなること、及び微結晶シリコン成長表面における水素被覆率の低下により結晶相の体積分率が低下したことなどが考えられる。また、p型層7aは微結晶シリコンカーバイドの結晶相を含む必要がないため、p型層の形成温度をとりわけ高温にする必要はなく、したがってp型層7a形成温度は250℃以下とすることが望ましい。
よって、上述した5〜15原子%の水素濃度を持つp型層7aを形成するためにはp型層7a形成温度を90〜250℃にすることが望ましい。
以上の考察によれば、p型層7aの炭素濃度が0.1〜9.8原子%である場合に、p型層7aのワイドバンドギャップ化並びに結晶粒界及びp/i型層7a、7b界面のパッシベーション効果などにより、界面層を形成することなく光電変換効率の高い光電変換装置を得ることができる。従って、この場合、高効率化に加えて、低コスト化及び歩留まりの向上に大きく寄与することができると考えられる。
また、p型層7aの炭素濃度を3.3〜9.8原子%とすることで、さらに開放電圧が高く、従って、さらに光電変換効率の高い光電変換装置を得ることができるので望ましい。また、p型層7aの水素濃度が5〜15原子%の範囲であれば炭素原子添加効果を十分に得ることができるのでより望ましい。また、上記範囲の水素濃度を持つp型層7aを形成するために、形成温度を90〜250℃とすることが望ましい。
(実施例13及び実施例14)
1.構造
図2は、本発明の実施例13及び実施例14に係る光電変換装置13の構造を示す断面図である。本実施例に係る光電変換装置13は、白板ガラス(商品名:Asahi−U)からなる透光性基板3上に、酸化亜鉛からなる透明導電層5、第1の光電変換層17、第2の光電変換層27、酸化亜鉛からなる裏面透明導電層9及び銀からなる裏面電極11をこの順で積層してなる。
また、光電変換層17は、それぞれ微結晶シリコンからなるp型層17a、i型層17b及びn型層17cをこの順に積層して構成され、光電変換層27は、それぞれ微結晶シリコンからなるp型層27a、i型層27b及びn型層27cをこの順に積層して構成される。実施例13では、p型層17aは、炭素原子を含有しておらず、p型層27aは、炭素原子を含有している。実施例14では、p型層17a及び27aの両方が、炭素原子を含有している。
2.実施例13に係る光電変換装置の製造
実施例13に係る光電変換装置13は、以下の工程で製造した。
まず、白板ガラス(商品名:Asahi−U)からなる透光性基板3上に、マグネトロンスパッタリング法により、酸化亜鉛からなる透明導電層5を厚さ50nmで形成した。
次に、得られた基板上に、プラズマCVD法により、それぞれ微結晶シリコンからなる、p型層17a、i型層17b及びn型層17cをこの順に積層して光電変換層17を形成し、さらに、p型層27a、i型層27b及びn型層27cをこの順に積層して光電変換層27を形成した。
第1の光電変換層17についてはp型層17aの形成時にCH4ガスを使用せず、第2の光電変換層27についてはp型層27aの形成時にCH4ガスを使用した。
p型層17aは、原料ガスとしてSiH4、H2及びB26を使用し、H2/SiH4ガス流量比は5倍とし、B26/SiH4ガス流量比は膜中ボロン濃度が0.01原子%となるように調節した。p型層17aの膜厚は、20nmとした。
i型層17bは、原料ガスとしてSiH4及びH2を用いた。H2/SiH4ガス流量比は20倍、膜厚300nmとなるように形成した。
n型層17cは、原料ガスとしてSiH4、H2及びPH3を用いた。H2/SiH4ガス流量比は20倍とし、PH3/SiH4ガス流量比は、膜中リン濃度が0.01原子%となるように調節した。n型層17cの膜厚は、20nmとした。
第2の光電変換層27のp型層27a、i型層27b及びn型層27cの形成条件及び膜厚は、それぞれ実施例5と同一とした。したがって、p型層27aの膜中炭素濃度及び水素濃度は、それぞれ5.1原子%及び10原子%である。
次に、マグネトロンスパッタリング法により、厚さ50nmで、酸化亜鉛からなる裏面反射層9を形成した。次に、電子ビーム蒸着法により、厚さ500nmで銀からなる裏面電極11を形成し、スーパーストレート型構造で積層型の光電変換装置13の製造を完了した。
3.実施例14に係る光電変換装置の製造
本実施例においては、第1及び第2の光電変換層17、27のp型層17a、27aの両方の形成時に、CH4ガスを使用した。その他の条件は、実施例13と同様である。p型層17a形成時のH2/SiH4ガス流量比は5倍、B26/SiH4ガス流量比は膜中ボロン濃度が0.01原子%となるように調節し、CH4/SiH4ガス流量比は、膜中炭素濃度が5.1原子%となるように調節した。水素濃度は10.0原子%である。
4.比較例2に係る光電変換装置の製造
第1及び第2の光電変換層17、27のp型層17a、27aの形成するのに用いる反応ガスにCH4ガスを含めずに、p型層17a、27aを形成した。その他の条件は、実施例13と同様である。p型層27a形成時のH2/SiH4ガス流量比は150倍、B26/SiH4ガス流量比は膜中ボロン濃度が0.01原子%となるように調節した。
5.試験結果
このようにして得られた光電変換装置について、AM1.5(100mW/cm2)照射条件下におけるセル面積1cm2の電流−電圧特性を測定した。結果を表3にまとめた。
Figure 2005268547
第1及び第2の光電変換層17、27のp型層17a、27aがともに炭素原子をほとんど含有しない比較例2と比べて、第2の光電変換層27のp型層27aが5.1原子%の炭素原子を含有する実施例13は、開放電圧及び短絡電流密度が大きく、高い変換効率が得られた。これは、第2の光電変換層27が、p型層膜中に0.1〜9.8原子%の炭素原子及び5〜15原子%の水素原子を含有することにより、第2の光電変換層27において開放電圧及び短絡電流密度向上効果が得られたためであると考えられる。
さらに、第1及び第2の光電変換層17、27のp型層17a、27aがともに5.1原子%の炭素原子を含有する実施例14は、第2の光電変換層27に加えて第1の光電変換層17も開放電圧及び短絡電流密度向上効果が得られるため、実施例13より高い変換効率が得られた。
以上の考察によれば、第1及び第2の光電変換層17、27のp型層17a、27aに炭素原子を0.1〜9.8原子%含有させること、及び水素原子を5〜15原子%含有させることにより、積層型光電変換装置においても単層型光電変換装置と同様の開放電圧及び短絡電流密度の増加により、光電変換効率が向上することが明らかとなった。
本発明の実施例1〜実施例12に係る光電変換装置の構造を示す断面図である。 本発明の実施例13及び実施例14に係る光電変換装置の構造を示す断面図である。 炭素含有層に含まれる炭素濃度と、光電変換効率との関係を示すグラフである。 炭素含有層に含まれる水素濃度と、光電変換効率との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 単層型光電変換装置
3 透光性基板
5 透明導電層
7 光電変換層
9 裏面透明導電層
11 裏面電極
13 積層型光電変換層
17 第1の光電変換層
27 第2の光電変換層
7a、17a、27a p型層
7b、17b、27b i型層
7c、17c、27c n型層

Claims (6)

  1. 半導体からなる第1導電型層、微結晶半導体からなるi型層及び半導体からなる第2導電型層をこの順に重ねて有する光電変換層を備え、第1導電型層及び第2導電型層の少なくとも一方は、炭素原子を含有した微結晶シリコンからなる炭素含有層である光電変換装置。
  2. 炭素含有層は、その中に含まれる炭素原子の濃度が0.1〜9.8原子%である請求項1に記載の光電変換装置。
  3. 炭素含有層は、その中に含まれる炭素原子の濃度が3.3〜9.8原子%である請求項1に記載の光電変換装置。
  4. 炭素含有層は、その中に含まれる水素原子の濃度が5〜15原子%である請求項1〜3の何れか1つに記載の光電変換装置。
  5. 炭素含有層は、90〜250℃で形成される請求項1〜4の何れか1つに記載の光電変換装置。
  6. 透光性基板上に、透明導電層、請求項1〜5の何れか1つに記載の光電変換層及び裏面電極をこの順で重ねて備える光電変換装置。
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