以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図5は本発明に係る画像形成装置の第1実施形態を示す図である。
図1および図2において、画像形成装置は、文字等の画像を作成・出力する例えば、パーソナルコンピュータPCに接続して利用するものであり、そのパーソナルコンピュータPCに接続された制御ユニット10が、用紙搬送装置20および画像記録装置30を統括制御することにより、記録用紙(記録媒体)に画像を形成してプリントアウトする。
制御ユニット10は、装置本体内に搭載される回路基板上に構築されたコントローラ部11およびエンジン制御部12により構成されており、これらは予め準備されているプログラムに従って各種のデータ処理制御や装置各部の駆動制御を実行する。
簡単に説明すると、コントローラ部11は、不図示のCPUがメモリ内に格納されている処理プログラムに従って各種処理手順を実行することにより、パーソナルコンピュータPCのプリンタドライバとの間で印字命令などの各種情報をやり取りするとともに、記録用紙に印字などして画像形成するテキスト等の画像データを受け取って不図示のメモリ内に一時記憶する。このコントローラ部11は、パーソナルコンピュータPCから受け取る画像データ(画像情報信号)がレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の所謂、RGBデータであることから、これらを印刷可能なイエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の所謂、YMCKデータの画像データに変換しつつ、メモリ内から読み出してエンジン制御部12に受け渡す。
エンジン制御部12は、CPU13がROM14内に格納されている制御プログラムに従って、コントローラ部11から例えば、ページ単位で画像データを受け取って本体メモリ15内に一時記憶するとともに、RAM16をワークエリアとして使用しつつ用紙搬送装置20および画像記録装置30との間で各種情報をやり取りすることにより、その画像データに基づく画像を記録用紙に形成する。また、このときに、CPU13は、この画像形成制御を実行する際には、内蔵するタイマー機能(計時手段)13aにより各種処理時間などを計時することにより、装置各部を最適に動作させる。
なお、図2中、I/Oインターフェース17は、各種情報をやり取り可能に、コントローラ部11、用紙搬送装置20および画像記録装置30と、エンジン制御部12と、の間を接続している。D/Aコンバータ18およびA/Dコンバータ19は、エンジン制御部12がコントローラ部11、用紙搬送装置20および画像記録装置30との間でやり取りするその各種情報をそれぞれで処理することができるように、デジタル信号をアナログ信号に変換したり、アナログ信号をデジタル信号に変換する。
用紙搬送装置20は、用紙カセット21、排紙テーブル22、ピックアップローラ23、搬送ローラ対24、レジストローラ対25、切換ローラ対26、排紙ローラ対27、および、反転ローラ対28、29に加えて、画像記録装置30の構成要素でもある中間転写ベルト34と、転写ローラ35と、定着ローラ対36とにより構築されている。この用紙搬送装置20は、用紙カセット21内に積載する複数枚の記録用紙を一枚ずつ分離・搬送して画像記録装置30の画像の記録形成位置Pに給送することにより、その記録用紙の片面側または両面側に受け取った文字等の画像データを記録形成させた後に、この画像形成済みの記録用紙を装置外に搬出して排紙テーブル22上に積載する。
簡単に説明すると、ピックアップローラ23は、用紙カセット21内の昇降板21a上に積載されている記録用紙に圧接回転することにより、その記録用紙を引き出すとともに不図示の分離手段と協働して一枚ずつに分離し搬送経路fに給送する。搬送ローラ対24は、その記録用紙を挟持搬送して下流側のレジストローラ対25のニップ部に先端を突き当てることによりスキューを矯正する。このレジストローラ対25は、その記録用紙を画像の記録形成位置Pに画像記録装置30の動作に同期するように挟持して給送する。
この画像の記録形成位置Pでは、中間転写ベルト34と転写ローラ35が、給送されてきた記録用紙を挟持しつつ回転することにより搬送するとともに、その記録用紙の一面側に画像を記録形成する。また、定着ローラ対36が、その記録用紙を挟持しつつ回転することによりさらに下流側へと搬送するとともに、その記録用紙上に画像を定着させる。
この後に、切換ローラ対26および排紙ローラ対27は、その定着ローラ対36からの記録用紙を排紙テーブル22上に搬出して積載する。これにより、記録用紙は、一面側を画像の記録形成面として、画像記録装置30による画像の記録形成位置Pに給送されて片面に画像形成された後に、排紙テーブル22上に排紙される。
このときに、用紙搬送装置20は、その記録用紙の両面に画像形成する両面モードがエンジン制御部12に指示されている場合には、排紙ローラ対27が排紙テーブル22上に搬出した記録用紙の後端部を挟持する位置で一時停止した後に切換ローラ対26と共に逆転駆動することにより、片面側に画像を記録形成した記録用紙を反転経路rに送り出す。
この後に、反転ローラ対28、29は、その記録用紙を挟持して反転経路r内に通紙・搬送することにより、片面側への画像形成時における後端側を逆に先端側として、表裏を反転させた記録用紙を搬送経路fに再度給送してレジストローラ対25に受け渡す。これにより、記録用紙は、他面側(画像の記録形成されていない一面側)を画像の記録形成面として、画像記録装置30による画像の記録形成位置Pに再度給送されて両面に画像形成された後に、排紙テーブル22上に排紙される。
一方、画像記録装置30は、露光ユニット31と、感光体カートリッジ32と、現像ロータリーユニット33と、中間転写ベルト34と、転写ローラ35と、定着ローラ対36と、を備えている。この画像記録装置30は、用紙搬送装置20により搬送されて画像の記録形成位置Pに給送されてきた記録用紙の片面側または両面側に、受け取った文字等の画像データを電子写真方式により記録形成する。
簡単に説明すると、露光ユニット31は、内装するレーザ光走査装置(ポリゴンミラー)31aが受け取った画像データに基づいて感光体カートリッジ32内の感光体ドラム32aの表面にレーザ光を選択的に照射して露光走査することにより、その画像データに基づく静電潜像をその感光体ドラム32aの表面上に形成(作像)する。現像ロータリーユニット33は、この感光体ドラム32a上の静電潜像をイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、ブラック(K)のトナーにより現像する各色毎の現像カートリッジ37(図中には、37y、37m、37c、37kと図示)を収納しており、静電潜像を形成する画像データに応じた現像カートリッジ37を感光体ドラム32aに対向させて収容するトナーを付着させることによりその静電潜像をトナー現像する。
中間転写ベルト34は、例えば、モノクロ画像の場合、感光体ドラム32a上に形成されたブラック(K)のトナーによるトナー像を受け取って、そのベルト表面に記録用紙上に転写するトナー画像(トナー像)を保持する。また、この中間転写ベルト34は、カラー画像の場合、感光体ドラム32a上に形成されたイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)のトナーによるトナー像を順次に(順序はこれに限らない)重ねるように受け取って、そのベルト表面に記録用紙上に転写するカラーのトナー画像を形成して保持する。転写ローラ35は、この中間転写ベルト34との間(画像の記録形成位置P)に給送されてきた記録用紙を挟むように圧接(ニップ)して挟持搬送することにより、そのトナー画像を記録用紙に転写させる。なお、トナーは部材間のバイアス電圧に従って現像カートリッジ37から感光体ドラム32aや中間転写ベルト34を介して記録用紙に乗り移ることはいうまでもない。
定着ローラ対36は、トナー画像が転写されて画像の記録形成位置Pから搬送されてきた記録用紙を加熱圧接することによりそのトナー画像を定着させるとともにその記録用紙をさらに下流側へと挟持搬送する。これにより、記録用紙は、受け取った画像データに基づくモノクロ画像またはカラー画像が片面側または両面側に記録形成(定着)され、このような動作を繰り返すことにより、複数枚に連続して画像を記録形成することができる。
なお、感光体ドラム32aは、中間転写ベルト34に転写した後に残留するトナーが不図示のクリーニング装置により除電されて回収され、この後に、帯電器により現像ロータリーユニット33の現像カートリッジ37からトナーを受け取って付着させる電位に帯電される。また、中間転写ベルト34も同様に、除電・帯電されてトナーの転写(付着)・回収が繰り返される。さらに、この回収時に飛散するトナーは、吸引ファン38が排気ダクト39を介して装置本体側を吸引することにより、その排気ダクト39に取り付けられているフィルタ39aで捕集する。
そして、現像ロータリーユニット33は、図3に示すように、感光体ドラム32a表面の静電潜像をトナー現像する現像カートリッジ37が、回転軸33aを中心に回転する区画フレーム33bにより区画されている収納位置内に複数収納(装着)されることにより構成されている。この現像ロータリーユニット33は、エンジン制御部12のCPU(制御手段)13がコントローラ部11を介して受け取ったパーソナルコンピュータPCからの画像データを含む印字命令に基づいて回転軸33aを中心に回転させることにより、感光体ドラム32aに対向させる現像カートリッジ37を切り換えて、記録用紙の片面または両面に転写して画像形成するトナー像を現像する。
例えば、この画像形成装置は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、ブラック(K)の各色トナーを収容する現像カートリッジ37y、37m、37c、37kを現像ロータリーユニット33内に収納するとともに、この現像ロータリーユニット33を回転させて感光体ドラム32a上の静電潜像を現像する現像カートリッジ37を、その各色収容トナーを色重ねしたり選択するように切り換えることにより、カラー画像から単色画像までを形成可能な装置として利用することができる。
また、この画像形成装置は、すべての現像カートリッジ37内に同色のトナーを収容して現像ロータリーユニット33に収納しても画像形成可能に構成されており、例えば、同色のブラック(K)のトナーを収容する4本の現像カートリッジ37kを装着することができる。この場合には、現像ロータリーユニット33を回転して感光体ドラム32a上の静電潜像を現像する現像カートリッジ37kを順次に切り換えてモノクロ画像を形成する専用機として利用することができ、例えば、受け取った画像データに応じて現像カートリッジ37kを適宜切り換えて快適な画像形成動作を実行することができる。
詳細には、現像カートリッジ37は、容器37aと、現像ローラ37bと、供給ローラ37dと、仕切り板37eと、を備えている。容器37aは、現像ロータリーユニット33の区画フレーム33bにより区画された各収納空間(位置)内に収納可能に相似形状に形成されてトナーを収容する。現像ローラ37bは、現像ロータリーユニット33の回転軸33aから離隔する容器37aの外周側に回転可能に支持されており、供給ローラ37dから受け渡されるトナーを対向する感光体ドラム32aに付着させる。供給ローラ37dは、現像ロータリーユニット33の回転軸33a側で現像ローラ37bに隣接するように容器37aに回転可能に支持されており、その現像ローラ37bに圧接回転することにより周囲のトナーを磨耗帯電させて供給する。仕切り板37eは、供給ローラ37dを囲うように設置されており、回転軸33a側の空間と供給ローラ37dの設置空間の回転方向上部を連通させる状態で容器37a内のトナーの収容空間を仕切っている。
この構成により、現像カートリッジ37は、仕切り板37eにより仕切られた容器37aの外周側の空間内のトナーを供給ローラ37dが圧接回転する現像ローラ37bに供給する。また、この現像カートリッジ37は、現像ロータリーユニット33が図3における反時計回り方向に90度ずつ回転して180度回転したときには、容器37aの回転軸33a側および供給ローラ37d側の収容トナーを仕切り板37eの上部(図3中における下方)で一緒にした後に、さらに90度ずつ回転することにより容器37a内の収容トナーを攪拌してリフレッシュさせるとともに、その収容トナーを現像ローラ37bに供給可能に供給ローラ37d側に集める。すなわち、このように回転する現像ロータリーユニット33に装着する現像カートリッジ37においては、その回転により収容トナーが供給ローラ37d側に攪拌されつつ補給されるので、収容トナーを攪拌・補給などする調整動作を行うための調整装置(所謂、アジテータ装置やオーガー装置)を適宜省略することができる。ただし、この現像カートリッジ37は、調整装置を省略する場合には、少なくとも現像ローラ37bに供給するトナーが供給ローラ37dの周囲からなくなる前に、例えば、トナーカウンターによるカウント値、画像のドット数、積算する現像動作(画像形成)時間、積算する現像枚数、あるいは実測するトナーの残量などにより検出するトナーの使用量が予め設定されている値を超えたときに、現像ロータリーユニット33を回転させてトナーの補給・攪拌動作を行う必要がある。
さらに、中間転写ベルト34は、現像されたトナー像を受け渡される一次転写が成されるように感光体ドラム32aに対向する一次転写プーリ51と、受け渡されたトナー像を記録形成位置Pの記録用紙に受け渡す二次転写が成されるように転写ローラ35に対向する二次転写プーリ52と、この二次転写プーリ52の反対側に配置されて従動回転する従動プーリ53と、位置ずれ等を起こさないようにテンションを掛けるテンションプーリ54、55とに巻き掛けられたエンドレスベルト状に形成されている。この中間転写ベルト34は、例えば、一側辺側に平面方向外方に突出するシム34a(図4に図示)などが配設されており、このシム34aをセンサ56が一回転毎に検出することにより、エンジン制御部12のCPU13が感光体ドラム32aの回転や記録用紙の搬送と同期するように回転駆動を制御する。これにより、中間転写ベルト34は、転写ローラ35に対向する画像の記録形成位置Pに搬送されてきた記録用紙に対面するとともに、感光体ドラム32aに対面する経路を繰り返し循環するように回転駆動して、その感光体ドラム32a上に形成された各色トナーによるトナー像を受け取って、画像の記録形成位置Pの記録用紙に転写する。
このように、中間転写ベルト34が循環回転するのに対して、現像ロータリーユニット33は、特に、カラー画像を形成する際には、トナー像を現像する現像カートリッジ37を順次に切り換える必要がある。このため、この中間転写ベルト34は、カラー画像を形成可能に設計する記録用紙のサイズが、例えば、Aサイズに設定されている場合には、図4(a)に示すように、A4サイズの記録用紙に転写するトナー像A4を保持するとともに、このトナー像A4の後端と先端との間が回転移動する間に(記録用紙の後端と先端との間、所謂、紙間に)現像カートリッジ37の切換動作が完了する期間Tを確保する必要がある。このことから、中間転写ベルト34は、A4サイズのトナー像A4の長さに加えて、その期間Tに相当する時間以上の回転移動期間を確保する領域Tを備えるベルト長に形成されている。
言い換えると、現像ロータリーユニット33に4本の現像カートリッジ37kを装着して、この中間転写ベルト34にモノクロのトナー像を連続形成して記録用紙に転写する場合には、同様に、Aサイズの記録用紙では、図4(a)に示すように、先後の記録用紙に転写するトナー像A4の後端と先端との間の領域Tが回転移動する期間T内に、現像カートリッジ37kを切り換えることができる。このため、A4サイズの記録用紙にモノクロ画像を形成する場合でも、現像カートリッジ37kは、中間転写ベルト34の一回転毎(現像毎、記録用紙毎)に切り換えて感光体ドラム32a上の静電潜像を現像して画像形成することができる。
その一方で、現像カートリッジ37kを現像毎に切り換えないのであれば、図4(b)に示すように、モノクロ画像であれば中間転写ベルト34の領域T内にもトナー像を保持させて記録用紙に転写し画像形成することもできる。例えば、A4サイズよりも副走査方向に多少長めのリーガルサイズの記録用紙でも、その記録用紙に転写するモノクロのリーガルサイズのトナー像Lを現像して中間転写ベルト34に保持させて画像形成することができる。
このことから、この画像形成装置は、現像ロータリーユニット33に4本の現像カートリッジ37kが装着されてモノクロ画像を形成する専用機として利用される場合に、用紙カセット21にセットしたA4サイズよりも大きなリーガルサイズの記録用紙を画像の記録形成位置Pに搬送して画像形成することができるように設計されており、受け取った画像データを記録形成する記録用紙のサイズに応じて現像カートリッジ37kの切換動作を適宜行って快適な画像形成動作を実行する。
また、現像カートリッジ37には、不揮発性メモリ42と、現像側コネクタ43とが個々に内蔵されており、現像ロータリーユニット33側には、制御側コネクタ44が配置されている。不揮発性メモリ42は、製造番号等の識別情報と共に、収容するトナーの色や製造年月日や消費量などの各種情報を書換可能に記憶する。現像側コネクタ43は、それぞれ不揮発性メモリ42に接続されて記憶する情報の読出や書換を行う。制御側コネクタ44は、現像ロータリーユニット33の外周に移動しないように配置されており、いずれかの現像カートリッジ37の現像側コネクタ43に対面するときに、各種情報を非接触通信してやり取りする。これにより、制御ユニット10のエンジン制御部12は、現像ロータリーユニット33の収納位置に収納された現像カートリッジ37の有無や位置と共に、その現像カートリッジ37のトナーの色情報などの各種情報を適宜把握して、最適な現像カートリッジ37の切換制御を含む画像形成制御を実行する。
具体的には、エンジン制御部12のCPU13は、電源投入後にはROM14内の制御プログラムに従って各種制御動作を実行するようになっており、電源投入時や現像カートリッジ37の交換時には、コネクタ43、44を介する非接触通信を行うことにより、現像ロータリーユニット33の収納位置における現像カートリッジ37の有無を本体メモリ15内に保持(記憶)する。また、このCPU13は、コネクタ43、44を介して各現像カートリッジ37の不揮発性メモリ42内に書き込まれている各種情報を順次に読み出して、現像カートリッジ37毎の位置情報やトナーの色情報や消費量(残量)などを本体メモリ15内に保持する。さらに、このCPU13は、画像形成動作中や画像形成終了後には、その画像形成により消費したトナー量などの各種情報をコネクタ43、44を介して各現像カートリッジ37の不揮発性メモリ42内に書き込んで書き換える。
このとき、CPU13は、現像ロータリーユニット33にイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、ブラック(K)の各色トナーを収容する現像カートリッジ37y、37m、37c、37kがセットされたことを把握している場合には、一般的な画像形成制御を実行して、コントローラ部11から送られてきた画像データに応じて現像ロータリーユニット33を回転させることにより、カラー画像や単色画像を記録用紙の片面または両面に記録形成する。言い換えると、現像ロータリーユニット33に装着された各色トナーの現像カートリッジ37は、画像データの印字命令を受ける度に、その画像データに基づく画像の種別に応じて適宜切り換えられて動作する。これにより、現像カートリッジ37y、37m、37c、37kでは、現像ロータリーユニット33の回転に伴って現像ローラ37bに収容トナーを供給する供給ローラ37dにも適宜収容トナーが補給される。
一方、CPU13は、現像ロータリーユニット33にブラック(K)のトナーを収容する4本の現像カートリッジ37kが装着されてモノクロ画像を形成する専用機として利用されることを把握している場合には、受け取った画像データを記録形成する記録用紙のサイズに応じて現像カートリッジ37kを切り換える画像形成制御を実行して、コントローラ部11から送られてきた画像データに応じたモノクロ画像を用紙カセット21にセットされた記録用紙の片面または両面に記録形成する。
例えば、図5のフローチャートに示すように、コントローラ部11からモノクロ画像の画像データの印字命令を受け取ると(ステップS11)、現像ロータリーユニット33を回転させて次の現像カートリッジ37kを感光体ドラム32aに対向する現像位置に移動させて切り換えた後に(ステップS12)、受け取った画像データを印字する記録用紙のサイズがA4サイズ以下であるか否かを確認して(ステップS13)、記録用紙がB5などのA4サイズ以下の場合には、カラー画像を形成する場合と同様に、一枚の記録用紙毎に現像ロータリーユニット33を90度回転させて現像位置の現像カートリッジ37kを切り換える画像形成モードのカラーシーケンスを選択する(ステップS14)。一方、この記録用紙がA4サイズを越える場合には、リーガルサイズ以下であるか否かを確認して(ステップS15)、記録用紙がリーガルサイズ以下の場合には、モノクロ画像を連続形成する場合と同様に、現像ロータリーユニット33を回転させることなく現像位置の現像カートリッジ37kを固定する画像形成モードのモノクロシーケンスを選択する(ステップS16)。さらに、記録用紙がリーガルサイズをも越える場合には、設計範囲外で画像形成不能であることから、印字不可能であることをパーソナルコンピュータPCに報知する処理を行って、この画像形成制御を終了する(ステップS17)。
この記録用紙のサイズの確認の後に、受け取った画像データを印字するための用紙搬送装置20や画像記録装置30の駆動制御を開始して記録用紙の片面または両面に画像形成する(ステップS18)。
次いで、この記録用紙毎の印字処理が終了する度に、受け取った画像データの印字処理は完了したか否かを確認して(ステップS19)、完了していた場合には、このままこの画像形成制御を終了する。
一方、完了していない場合には、使用する現像カートリッジ37kにトナー切れが発生する画像形成量を超えたか、また、現像カートリッジ37kを固定するモノクロシーケンスが選択されている場合には、供給ローラ37dの設置空間内に収容トナーを補給することなく画像形成動作を完了することのできる画像形成量を超えたかをチェックして、現像位置の現像カートリッジ37kを切り換える必要があるか否かを確認する(ステップS20)。
そして、その画像形成量を超えていない場合には、ステップS18に戻って、現像ロータリーユニット33を回転させることなく、同一の現像カートリッジ37kを使用しての印字処理を継続する。
また、その画像形成量を超えていて、同一の現像カートリッジ37kを使用して受け取った画像データの印字処理を完了することができない場合には、ステップS12に戻って、現像ロータリーユニット33を回転させて次の現像カートリッジ37kを現像位置に移動させる切換動作を行った後に、残っている画像データの印字処理を継続する。このとき、現像カートリッジ37kは、印字命令を受け取る毎に、また、A4サイズ以下の記録用紙の場合にはその記録用紙毎に切り換えられて使用されるので、できるだけ収容トナーを均等に消費することができるとともに、隣接する現像カートリッジ37kを現像位置に迅速に移動させることができることから、画像形成速度(所謂、スループット)をできるだけ維持することができる。
したがって、画像データを記録形成する記録用紙のサイズが、A4サイズ以下であるかリーガルサイズであるか否かに応じて、現像カートリッジ37kを切り換えての画像形成制御または現像カートリッジ37kを固定しての画像形成制御が選択実行されて、カラー画像ではA4サイズまで画像形成機能をそのままに、モノクロ画像ではリーガルサイズまでの記録用紙にも画像形成することができる。
このとき、モノクロ画像を形成する記録用紙がA4サイズまでの場合には、記録用紙毎(中間転写ベルトの一回転毎)に現像カートリッジ37kを切り換えて、収容トナーを攪拌・補充する調整動作を行いつつ、その記録用紙に画像形成することができる。また、モノクロ画像を形成する記録用紙がリーガルサイズの場合には、現像カートリッジ37kを切り換えることなく、現像カートリッジ37kの切換動作期間を確保するための中間転写ベルト34の領域T内にもトナー像を保持させて、その記録用紙に転写させて画像形成することができる。
このように本実施形態においては、ブラック(K)のトナーを収容する4本の現像カートリッジ37kを装着してモノクロ画像を形成する専用機として使用される場合には、中間転写ベルト34の長さを有効利用して画像形成することができ、A4サイズまでの記録用紙へのカラー画像の記録形成に加えて、リーガルサイズの記録用紙にモノクロ画像を記録形成することができる。また、現像カートリッジ37kは、現像ロータリーユニット33の回転による切換動作により収容トナーを攪拌・補給する調整動作が行われるので、その調整動作を行うための装置を省くことができる。したがって、画像形成の速度(所謂、スループット)や画質を損なうことなく、小型化やコスト低減を図りつつ、画像形成する記録用紙のサイズに対する要求にできるだけ応えることができる。
次に、図6は本発明に係る画像形成装置の第2実施形態を示す図である。なお、本実施形態では、上述実施形態と略同様に構成されているので、図面を流用して、同様な構成には同一の符号を付して特徴部分を説明する。
図1〜図4において、画像形成装置は、現像ロータリーユニット33にイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、ブラック(K)の各色トナーを収容する現像カートリッジ37y、37m、37c、37kが装着されてカラー画像からモノクロ画像を形成する機能が利用される場合にも、用紙カセット21にセットしたA4サイズよりも大きなリーガルサイズの記録用紙を画像の記録形成位置Pに搬送して、モノクロ画像に限って画像形成することができるように設計されている。
具体的には、図6のフローチャートに示すように、エンジン制御部12のCPU13は、コントローラ部11から画像データの印字命令を受け取ると(ステップS21)、受け取った画像データがカラー画像を記録形成するデータであるのと同時に、その画像データを印字する記録用紙のサイズがA4サイズ以下であるか否かを確認して(ステップS22)、この条件を満たす場合には、中間転写ベルト34の一回転毎に現像ロータリーユニット33を90度回転させて現像位置の現像カートリッジ37y、37m、37cを順次に切り換える画像形成モードのカラーシーケンスを選択する(ステップS23)。
一方、この画像データがカラー画像でない場合や記録用紙がA4サイズを越える場合には、画像データがモノクロ画像であるのと同時に記録用紙がリーガルサイズであるか否かを確認して(ステップS24)、この条件を満たす場合には、現像ロータリーユニット33を回転させることなく現像位置の現像カートリッジ37kを固定する画像形成モードのモノクロシーケンスを選択する(ステップS25)。
さらに、画像データがカラー画像でも記録用紙がA4サイズを越える場合や、モノクロ画像でも記録用紙がリーガルサイズを越える場合には、設計範囲外で画像形成不能であることから、印字不可能であることをパーソナルコンピュータPCに報知する処理を行って、この画像形成制御を終了する(ステップS26)。
この画像データの確認の後に、受け取った画像データを印字するための用紙搬送装置20や画像記録装置30の駆動制御を開始して記録用紙の片面または両面に画像形成する(ステップS27)。
次いで、この記録用紙毎の印字処理が終了する度に、受け取った画像データの印字処理は完了したか否かを確認して(ステップS28)、完了していた場合には、このままこの画像形成制御を終了する。一方、完了していない場合には、ステップS27に戻って、印字処理を継続する。なお、このときに、使用する現像カートリッジ37にトナー切れが発生した場合には、この画像形成制御を中断するとともに、現像カートリッジ37を交換してトナーを補充する必要がある旨をパーソナルコンピュータPCに報知する処理を行うことはいうまでもない。
したがって、カラー画像ではA4サイズまで画像形成する機能をそのままに、モノクロ画像の画像データを記録形成する記録用紙のサイズがリーガルサイズ以下である場合には、現像カートリッジ37kを固定しての画像形成制御を選択実行して、現像カートリッジ37の切換動作期間を確保するための中間転写ベルト34の領域T内にもトナー像を保持させて、そのリーガルサイズまでの記録用紙にモノクロ画像を形成することができる。
このように本実施形態においては、現像カートリッジ37y、37m、37c、37kを装着してカラー画像やモノクロ画像を形成可能に使用される場合にも、中間転写ベルト34の長さを有効利用してモノクロ画像を形成することができ、上述実施形態と同様に、A4サイズまでの記録用紙へのカラー画像の記録形成に加えて、リーガルサイズの記録用紙にモノクロ画像を記録形成することができる。また、現像カートリッジ37y、37m、37c、37kは、現像ロータリーユニット33の回転による切換動作により収容トナーを攪拌・補給する調整動作が行われるので、その調整動作を行うための装置を省くことができる。したがって、画像形成の速度(所謂、スループット)や画質を損なうことなく、小型化やコスト低減を図りつつ、画像形成する記録用紙のサイズに対する要求にできるだけ応えることができる。
なお、上述の第1実施形態と第2実施形態は、別構成の画像形成装置として説明するが、双方の機能を備えていてもよいことはいうまでもない。また、判断基準とする記録用紙のサイズとしては、A4サイズとリーガルサイズに限るものではなく、例えば、B5サイズとA4サイズであってもよい。さらに、リーガルサイズの記録用紙の両面にモノクロ画像を形成する場合には、感光体ドラム32aや中間転写ベルト34を同期するように停止させる記録用紙の反転期間内に現像カートリッジ37kを切り換えることができるので、A4サイズの記録用紙と同様に、現像位置の現像カートリッジ37kを記録用紙毎に切り換えつつ画像形成するようにしてもよい。
また、上述第1実施形態では、4本の現像カートリッジ37kを現像ロータリーユニット33に装着してモノクロ画像を形成する専用機として使用される場合に、記録用紙毎(現像毎)に現像カートリッジ37kを切り換える画像形成制御を一例として説明するが、これに限るものではなく、一定量の画像形成を行ってから現像位置の現像カートリッジ37kを適宜切り換えるように制御してもよいことはいうまでもない。
さらに、上述第2実施形態では、現像カートリッジ37k内に収納トナーを攪拌・補給する調整動作を行う装置(例えば、アジテータ装置やオーガー装置)を省く場合を一例として説明するが、備えていてもよいことはいうまでもない。