JP2005265911A - 光学装置およびこの光学装置を備えたプロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】フィールドレンズおよび偏光板を効率良く冷却できる光学装置を提供すること。
【解決手段】光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置と、この光変調装置に光束を照明する複数の光学部品と、これら複数の光学部品を収納し、それぞれの前記光学部品を所定の照明光軸上に配置する合成樹脂製の光学部品用筐体とを備える光学装置は、複数の光学部品に、光変調装置の照明光軸上の前段に配置され、光変調装置に入射する光束を平行化するフィールドレンズ418と、このフィールドレンズ418によって射出された光束のうち、所定方向の偏光光を透過して光変調装置に射出する偏光板442とが設けられ、光学部品用筐体には、フィールドレンズ418および偏光板442を一体的に保持し、光学部品用筐体とは別体として形成された金属製の保持枠7が設けられている。
【選択図】図5
【解決手段】光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置と、この光変調装置に光束を照明する複数の光学部品と、これら複数の光学部品を収納し、それぞれの前記光学部品を所定の照明光軸上に配置する合成樹脂製の光学部品用筐体とを備える光学装置は、複数の光学部品に、光変調装置の照明光軸上の前段に配置され、光変調装置に入射する光束を平行化するフィールドレンズ418と、このフィールドレンズ418によって射出された光束のうち、所定方向の偏光光を透過して光変調装置に射出する偏光板442とが設けられ、光学部品用筐体には、フィールドレンズ418および偏光板442を一体的に保持し、光学部品用筐体とは別体として形成された金属製の保持枠7が設けられている。
【選択図】図5
Description
本発明は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置と、この光変調装置に光束を照明する複数の光学部品と、これら複数の光学部品を収納し、それぞれの前記光学部品を所定の照明光軸上に配置する合成樹脂製の光学部品用筐体とを備える光学装置、および、この光学装置を備えたプロジェクタに関する。
従来、会議、学会、展示会等でのプレゼンテーションや、家庭での映画鑑賞等にプロジェクタが用いられている。このようなプロジェクタは、内部に光源と、この光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置と、この光変調装置に光束を照明する複数の光学部品と、これら光変調装置および複数の光学部品を内部に設定された照明光軸上の所定の位置に収納する光学部品用筐体とを備える光学装置が設けられ、この光学装置により光学像を形成し、拡大投写する。
このような光学装置において、光変調装置の前段には、該光変調装置に入射する光束を照明光軸に沿った平行光に変換するフィールドレンズと、このフィールドレンズおよび光変調装置の間に介装され、フィールドレンズから射出された光束のうち、所定方向の偏光光を透過して光変調装置に射出する偏光板とが設けられた光学装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような光学装置では、フィールドレンズおよび偏光板は、光学部品用筐体に設けられた部品収納部材(下部筐体)に形成された溝部にスライド式に嵌め込むことで、照明光軸上の所定位置に適切に配置される。
ここで、フィールドレンズおよび偏光板のうち、フィールドレンズは、光源から射出された光束が集中し、偏光板は、入射された光束の偏光軸を変換する際に、偏光板の偏光軸に沿った光束を透過し、その他の光束を吸収するため、それぞれ熱が発生しやすく、熱劣化が生じやすい。この問題は、プロジェクタの小型化・高輝度化により大きな問題となっており、このため、特許文献1に記載の光学装置では、下部筐体をアルミニウム等の金属製部材で形成することにより、フィールドレンズおよび偏光板の熱を部品収納部材に伝導させ、放熱することで、これらフィールドレンズおよび偏光板の冷却効率を向上させている。
しかしながら、特許文献1に記載の光学装置では、複数の光学部品が収納・配置される部品収納部材には、フィールドレンズおよび偏光板以外の他の光学部品から発生した熱も部品収納部材に伝導される。このため、部品収納部材が高温となり、部品収納部材と、フィールドレンズおよび偏光板との温度差が小さくなる。従って、これらフィールドレンズおよび偏光板からの熱の伝導が効率良く行われなくなり、フィールドレンズおよび偏光板が効果的に冷却されないという問題がある。
本発明の目的は、フィールドレンズおよび偏光板を効率良く冷却できる光学装置を提供することである。
本発明の光学装置は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置と、この光変調装置に光束を照明する複数の光学部品と、これら複数の光学部品を収納し、それぞれの前記光学部品を所定の照明光軸上に配置する合成樹脂製の光学部品用筐体とを備える光学装置であって、前記複数の光学部品には、前記光変調装置の前記照明光軸上の前段に配置され、該光変調装置に入射する光束を平行化するフィールドレンズと、このフィールドレンズによって射出された光束のうち、所定方向の偏光光を透過して前記光変調装置に射出する偏光板とが設けられ、前記光学部品用筐体には、前記フィールドレンズおよび偏光板を一体的に保持し、該光学部品用筐体とは別体として形成された金属製の保持枠が設けられていることを特徴とする。
ここで、保持枠を形成する金属としては、熱伝導率の高い部材、例えば、インバーおよび42Ni−Fe等の鉄−ニッケル合金、マグネシウム、アルミニウム、チタンおよびこれらの合金、炭素鋼、ステンレス等の金属を挙げることができる。
本発明によれば、金属製の保持枠により、フィールドレンズおよび偏光板は一体的に保持されるので、これら発熱量の多い光学部品で発生した熱を保持枠に伝導させて放熱することができる。ここで、フィールドレンズおよび偏光板は、光源から射出された光束が集中することとなり、また、偏光板は、所定方向以外の光束を反射および吸収するので、発熱量が甚大ではない。これに対し、これらフィールドレンズおよび偏光板を保持枠に保持させて放熱させることにより、これらフィールドレンズおよび偏光板の冷却効率を向上させることができ、製品寿命を延ばすことができる。また、これにより、安定した光学像形成を行うことができる。
また、金属製の保持枠は、合成樹脂製の光学部品用筐体とは別体として形成・配置されているので、他の光学部品で発生した熱による保持枠の高温化を抑えることができる。これにより、他の光学部品の熱により保持枠の温度が上昇して、保持枠とフィールドレンズおよび偏光板との温度差が小さくなり、保持枠への熱伝導効率が低下するのを抑えることができる。従って、フィールドレンズおよび偏光板の熱伝導効率を高めることができるので、これらフィールドレンズおよび偏光板の冷却をより効果的に行うことができる。
さらに、保持枠によりフィールドレンズおよび偏光板が保持されるので、これらフィールドレンズおよび偏光板の相対位置の位置決めを容易に行うことができる。
さらに、保持枠によりフィールドレンズおよび偏光板が保持されるので、これらフィールドレンズおよび偏光板の相対位置の位置決めを容易に行うことができる。
本発明では、前記光変調装置は、複数設けられ、それぞれの前記光変調装置の前段には、前記フィールドレンズおよび偏光板がそれぞれ設けられ、前記保持枠は、複数の前記フィールドレンズおよび偏光板を一体的に保持することが好ましい。
本発明によれば、それぞれの光変調装置の前段に設けられたフィールドレンズおよび偏光板を均質に冷却することができる。ここで、フィールドレンズおよび偏光板に入射される光束の波長および光量によって、フィールドレンズおよび偏光板の温度はそれぞれ異なる。これらフィールドレンズおよび偏光板を保持枠で一体的に保持することにより、それぞれのフィールドレンズおよび偏光板を均質に冷却することができる。
本発明によれば、それぞれの光変調装置の前段に設けられたフィールドレンズおよび偏光板を均質に冷却することができる。ここで、フィールドレンズおよび偏光板に入射される光束の波長および光量によって、フィールドレンズおよび偏光板の温度はそれぞれ異なる。これらフィールドレンズおよび偏光板を保持枠で一体的に保持することにより、それぞれのフィールドレンズおよび偏光板を均質に冷却することができる。
本発明では、前記保持枠は、筒状に形成され、前記複数の光変調装置と対向し、これらを囲む側壁と、前記フィールドレンズおよび偏光板の取り付け位置に応じて前記側壁を切り欠いて形成された開口部とを備えていることが好ましい。
本発明によれば、側壁を切り欠いて開口部を形成することにより、保持枠の構造を簡素化することができるとともに、保持枠の製造工程を簡素化することができる。また、保持枠を筒状に形成することにより、保持枠の一方の開口から流入し、フィールドレンズ、偏光板および保持枠を冷却した空気は、他方の開口から排気されることとなり、保持枠がこれらを冷却する冷却空気の流路を形成することとなる。従って、これらフィールドレンズ、偏光板および保持枠の冷却効率を向上することができる。
本発明によれば、側壁を切り欠いて開口部を形成することにより、保持枠の構造を簡素化することができるとともに、保持枠の製造工程を簡素化することができる。また、保持枠を筒状に形成することにより、保持枠の一方の開口から流入し、フィールドレンズ、偏光板および保持枠を冷却した空気は、他方の開口から排気されることとなり、保持枠がこれらを冷却する冷却空気の流路を形成することとなる。従って、これらフィールドレンズ、偏光板および保持枠の冷却効率を向上することができる。
本発明のプロジェクタは、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成して、前記光学像を拡大投写するプロジェクタであって、前述の光学装置を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、前述の光学装置と略同じ効果を奏することができる。すなわち、フィールドレンズおよび偏光板を効果的に冷却できるので、製品寿命を延ばすことができるとともに、光学像の形成を安定化することができる。さらに、このようなフィールドレンズおよび偏光板を冷却するために冷却空気を送風する送風装置を設けた場合、フィールドレンズおよび偏光板の冷却効率の向上に伴い、冷却空気の送風量および送風圧を低減できるので、プロジェクタの低騒音化を図ることができる。
以下、本発明に係るプロジェクタを図面に基づいて説明する。
(1)プロジェクタの主な構成
図1は、本発明に係るプロジェクタ1を上方から見た概要斜視図、図2は、図1の状態からアッパーケース21を外した分解斜視図である。
プロジェクタ1は、全体略直方体形状の外装ケース2と、プロジェクタ1内に滞留する熱を冷却する冷却ユニット3と、光源から射出された光束を光学的に処理して画像情報に対応した光学像を形成する光学装置としての光学ユニット4とを備えて構成されている。
なお、図2において、具体的な図示を省略するが、外装ケース2内の光学ユニット4以外の空間には、電源ブロックやランプ駆動回路等が収納される。
外装ケース2は、それぞれ金属で構成され、プロジェクタ1の天面、前面、および側面をそれぞれ構成するアッパーケース21と、プロジェクタ1の底面、側面、および背面をそれぞれ構成するロアーケース22とで構成されている。これらのケース21,22は互いにねじで固定されている。
(1)プロジェクタの主な構成
図1は、本発明に係るプロジェクタ1を上方から見た概要斜視図、図2は、図1の状態からアッパーケース21を外した分解斜視図である。
プロジェクタ1は、全体略直方体形状の外装ケース2と、プロジェクタ1内に滞留する熱を冷却する冷却ユニット3と、光源から射出された光束を光学的に処理して画像情報に対応した光学像を形成する光学装置としての光学ユニット4とを備えて構成されている。
なお、図2において、具体的な図示を省略するが、外装ケース2内の光学ユニット4以外の空間には、電源ブロックやランプ駆動回路等が収納される。
外装ケース2は、それぞれ金属で構成され、プロジェクタ1の天面、前面、および側面をそれぞれ構成するアッパーケース21と、プロジェクタ1の底面、側面、および背面をそれぞれ構成するロアーケース22とで構成されている。これらのケース21,22は互いにねじで固定されている。
アッパーケース21は、上面部211と、その周囲に設けられた側面部212と、背面部213と、正面部214で形成されている。
上面部211には、後述する色合成光学装置44の上方に位置し、冷却ユニット3によって外部から冷却空気を吸引するための吸気口211Aが設けられている。
側面部212(正面から見て右側面)には、冷却ユニット3によって、プロジェクタ1内部で温められた空気を排出するための排気口212Aが設けられている。
上面部211には、後述する色合成光学装置44の上方に位置し、冷却ユニット3によって外部から冷却空気を吸引するための吸気口211Aが設けられている。
側面部212(正面から見て右側面)には、冷却ユニット3によって、プロジェクタ1内部で温められた空気を排出するための排気口212Aが設けられている。
背面部213には、具体的な図示は省略するが、コンピュータ接続用の接続部や、ビデオ入力端子、オーディオ機器接続端子等の各種の機器接続用端子が設けられており、該背面部213の内側には、映像信号等の信号処理を行う信号処理回路が実装されたインターフェース基板が配置されている。
正面部214には、切欠部214Aが形成されており、前記ロアーケース22と組み合わされた状態で、円形の開口部2Aを形成し、この開口部2Aから、外装ケース2内部に配置された光学ユニット4の一部が、外部に露出している。この開口部2Aを通して光学ユニット4で形成された光学像が射出され、スクリーン上に画像が表示される。
正面部214には、切欠部214Aが形成されており、前記ロアーケース22と組み合わされた状態で、円形の開口部2Aを形成し、この開口部2Aから、外装ケース2内部に配置された光学ユニット4の一部が、外部に露出している。この開口部2Aを通して光学ユニット4で形成された光学像が射出され、スクリーン上に画像が表示される。
ロアーケース22は、底面部221と、その周囲に設けられた側面部222と、背面部223と、正面部224で形成されている。
底面部221には、図示は省略するが、前述の光学ユニット4の下方に位置し、後述する光源装置を着脱する開口部が形成されており、該開口部には、ランプカバーが嵌め込み式で着脱可能に設けられている。
正面部224には、切欠部224Aが形成され、前記アッパーケース21と組み合わされた状態で、前述の切欠部214Aと連続して円形の開口部2Aを形成する。
底面部221には、図示は省略するが、前述の光学ユニット4の下方に位置し、後述する光源装置を着脱する開口部が形成されており、該開口部には、ランプカバーが嵌め込み式で着脱可能に設けられている。
正面部224には、切欠部224Aが形成され、前記アッパーケース21と組み合わされた状態で、前述の切欠部214Aと連続して円形の開口部2Aを形成する。
冷却ユニット3は、プロジェクタ1の内部に形成される冷却流路に冷却空気を送り込み、プロジェクタ1内で発生する熱を冷却するものであり、光学ユニット4の光源装置411の近傍に位置し、アッパーケース21の上面部211に形成された吸気口211Aから冷却空気を導入し、光学ユニット4内およびプロジェクタ1内の空気を引き寄せ、アッパーケース21の側面部212に形成された排気口212Aから温められた空気を排出するシロッコファン31を備えて構成されている。
光学ユニット4は、光源装置411から射出された光束を、光学的に処理して画像情報に対応した光学像を形成するユニットであり、図2に示すように、ロアーケース22の右側の側面部222から背面部223に沿って、さらに、左側の側面部222に沿って正面部214へと延びる平面略L字形状を有している。
具体的な図示は省略するが、この光学ユニット4は、電源ケーブルを通して電力が供給され、供給された電力を該光学ユニット4の光源装置411に供給するための電源装置と電気的に接続している。
また、この光学ユニット4の上方には、画像情報に応じた光学像を投写するために、画像情報を取り込んで制御および演算処理等を行い、後述する光変調装置となる各液晶パネル51R,51G,51Bを制御する制御基板が配置される。
具体的な図示は省略するが、この光学ユニット4は、電源ケーブルを通して電力が供給され、供給された電力を該光学ユニット4の光源装置411に供給するための電源装置と電気的に接続している。
また、この光学ユニット4の上方には、画像情報に応じた光学像を投写するために、画像情報を取り込んで制御および演算処理等を行い、後述する光変調装置となる各液晶パネル51R,51G,51Bを制御する制御基板が配置される。
(2)光学系の詳細な構成
図3は、光学ユニット4を上方から見た全体斜視図である。
図4は、光学ユニット4内の光学系を模式的に示す平面図である。
光学ユニット4は、図4に示すように、インテグレータ照明光学系41、色分離光学系42、リレー光学系43、色合成光学系としての色合成光学装置44、および投写レンズ46と、これら光学部品41〜46を収納する光学部品用筐体47とを備えている。
図4において、インテグレータ照明光学系41は、色合成光学装置44を構成する3枚の液晶パネル51(赤、緑、青の色光毎にそれぞれ液晶パネル51R,51G,51Bと示す)の画像形成領域をほぼ均一に照明するための光学系であり、光源装置411と、第1レンズアレイ412と、第2レンズアレイ413と、偏光変換光学素子414と、重畳レンズ415とを備えている。
図3は、光学ユニット4を上方から見た全体斜視図である。
図4は、光学ユニット4内の光学系を模式的に示す平面図である。
光学ユニット4は、図4に示すように、インテグレータ照明光学系41、色分離光学系42、リレー光学系43、色合成光学系としての色合成光学装置44、および投写レンズ46と、これら光学部品41〜46を収納する光学部品用筐体47とを備えている。
図4において、インテグレータ照明光学系41は、色合成光学装置44を構成する3枚の液晶パネル51(赤、緑、青の色光毎にそれぞれ液晶パネル51R,51G,51Bと示す)の画像形成領域をほぼ均一に照明するための光学系であり、光源装置411と、第1レンズアレイ412と、第2レンズアレイ413と、偏光変換光学素子414と、重畳レンズ415とを備えている。
これらのうち、光源装置411は、放射状の光線を射出する光源ランプ416と、この光源ランプ416から射出された放射光を反射する楕円面鏡417と、光源ランプ416から射出され楕円面鏡417により反射された光を平行光とする平行化凹レンズ411Aとを備える。なお、平行化凹レンズ411Aの平面部分には、図示しないUVフィルタが設けられている。また、光源ランプ416としては、ハロゲンランプやメタルハライドランプ、高圧水銀ランプが多用される。さらに、楕円面鏡417および平行化凹レンズ411Aの代わりに、放物面鏡を用いてもよい。
また、第1レンズアレイ412、第2レンズアレイ413、および偏光変換光学素子414は、一体的に組み合わされて筐体内に設置固定される。
第1レンズアレイ412は、光軸方向から見てほぼ矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。各小レンズは、光源ランプ416から射出される光束を、複数の部分光束に分割している。各小レンズの輪郭形状は、液晶パネル51の画像形成領域の形状とほぼ相似形をなすように設定されている。
第1レンズアレイ412は、光軸方向から見てほぼ矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。各小レンズは、光源ランプ416から射出される光束を、複数の部分光束に分割している。各小レンズの輪郭形状は、液晶パネル51の画像形成領域の形状とほぼ相似形をなすように設定されている。
第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412と略同様な構成を有しており、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。この第2レンズアレイ412は、重畳レンズ415とともに、第1レンズアレイ412の各小レンズの像を液晶パネル51上に結像させる機能を有している。
偏光変換光学素子414は、第2レンズアレイ413と重畳レンズ415との間に配置されるとともに、第2レンズアレイ413と一体でユニット化されている。このような偏光変換光学素子414は、第2レンズアレイ413からの光を1種類の偏光光に変換するものであり、これにより、色合成光学装置44での光の利用効率が高められている。
具体的に、偏光変換光学素子414によって1種類の偏光光に変換された各部分光は、重畳レンズ415によって最終的に色合成光学装置44の液晶パネル51R,51G,51B上にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネルを用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源ランプ416からの光のほぼ半分を利用することができない。
そこで、偏光変換光学素子414を用いることにより、光源ランプ416からの射出光をほぼ1種類の偏光光に変換し、色合成光学装置44での光の利用効率を高めている。なお、このような偏光変換光学素子414は、たとえば特開平8−304739号公報に紹介されている。
そこで、偏光変換光学素子414を用いることにより、光源ランプ416からの射出光をほぼ1種類の偏光光に変換し、色合成光学装置44での光の利用効率を高めている。なお、このような偏光変換光学素子414は、たとえば特開平8−304739号公報に紹介されている。
色分離光学系42は、2枚のダイクロイックミラー421,422と、反射ミラー423とを備え、ダイクロイックミラー421,422によりインテグレータ照明光学系41から射出された複数の部分光束を赤、緑、青の3色の色光に分離する機能を有している。
リレー光学系43は、入射側レンズ431、リレーレンズ433、および反射ミラー432、434を備え、色分離光学系42で分離された色光、赤色光を液晶パネル51Rまで導く機能を有している。
この際、色分離光学系42のダイクロイックミラー421では、インテグレータ照明光学系41から射出された光束の青色光成分が反射するとともに、赤色光成分と緑色光成分とが透過する。ダイクロイックミラー421によって反射した青色光は、反射ミラー423で反射し、フィールドレンズ418Bを通って青色用の液晶パネル51Bに達する。このフィールドレンズ418Bは、第2レンズアレイ413から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の液晶パネル51G,51Rの光入射側に設けられたフィールドレンズ418G,418Rも同様である。
ダイクロイックミラー421を透過した赤色光と緑色光のうちで、緑色光はダイクロイックミラー422によって反射し、フィールドレンズ418Gを通って緑色用の液晶パネル51Gに達する。一方、赤色光はダイクロイックミラー422を透過してリレー光学系43を通り、さらにフィールドレンズ418Rを通って赤色光用の液晶パネル51Rに達する。なお、赤色光にリレー光学系43が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ418Rに伝えるためである。
なお、リレー光学系43には、3つの色光のうち、赤色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、青色光を通す構成としてもよい。
なお、リレー光学系43には、3つの色光のうち、赤色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、青色光を通す構成としてもよい。
色合成光学装置44は、3枚の光変調素子としての液晶パネル51R,51G,51Bと、色合成光学素子としてのクロスダイクロイックプリズム54と、各液晶パネル51R,51G,51Bとクロスダイクロイックプリズム54との間に配置された光学変換素子としての偏光板53とを備えている。
3枚の液晶パネル51R,51G,51B、これらの光束入射側にある偏光板442、および光束射出側にある偏光板53は、色分離光学系42で分離された複数の色光を、色光毎に画像情報に応じて変調するものである。クロスダイクロイックプリズム54は、3枚の液晶パネル51R,51G,51Bで変調された各色光を、光束入射端面54Aから導入して合成し、光束射出端面54Bから射出するものである。
投写レンズ46は、クロスダイクロイックプリズム54から射出された光束を、スクリーン上に拡大投写する。
3枚の液晶パネル51R,51G,51B、これらの光束入射側にある偏光板442、および光束射出側にある偏光板53は、色分離光学系42で分離された複数の色光を、色光毎に画像情報に応じて変調するものである。クロスダイクロイックプリズム54は、3枚の液晶パネル51R,51G,51Bで変調された各色光を、光束入射端面54Aから導入して合成し、光束射出端面54Bから射出するものである。
投写レンズ46は、クロスダイクロイックプリズム54から射出された光束を、スクリーン上に拡大投写する。
前述の各光学系41〜44は、図3に示すように、合成樹脂製の光学部品用筐体47内に収容されている。光学部品用筐体47は、底面、前面、および側面をそれぞれ構成する部品収納部材48と、この部品収納部材48の上部開口を閉塞する蓋状部材49とで構成されている。このうち、部品収納部材48は、光源装置411を収納する光源装置収納部61と、光学部品412〜415,42,43を収納する光学部品収納部62とで構成されている。また、部品収納部材48には、光学部品用筐体47とは別体として形成され、フィールドレンズ418および偏光板442を保持する保持枠7が、光学部品収納部62の所定の位置に配置されている。
光源装置収納部61は、図示を省略するが、下方が開放され、かつ、内側面に矩形状の開口部611を有する箱形形状を有している。光源装置411は、光源装置収納部61の下方から挿入され、固定板612に載置固定されることにより、光源装置収納部61に収納される。
固定板612の一部は切欠かれており、この固定板612と光源装置収納部61に形成された開口部611とにより、光源装置411の前方部分が閉塞状態となり、後方部分が吹き抜け状態となっている。
この光源装置411の前方部分における閉塞状態により、光源装置411から射出される光束を外部に漏洩することを防止することができ、後方部分における吹き抜け状態により、光源装置収納部61内部に光源装置411に発生する熱が滞留しないような構造となっている。
この光源装置411の前方部分における閉塞状態により、光源装置411から射出される光束を外部に漏洩することを防止することができ、後方部分における吹き抜け状態により、光源装置収納部61内部に光源装置411に発生する熱が滞留しないような構造となっている。
図5には、光学部品収納部62の部分拡大図が示されている。
光学部品収納部62は、図3および図5に示すように、箱状に形成された内部に、前述の光学部品412〜415,42,43を位置決め固定するための溝部621と、投写レンズ46が設置される投写光学系設置部622と、光学部品収納部62の底面に沿って形成された延出部623とを備えている。
このうち、延出部623は、図5に示すように、光学部品用筐体47とは別体として設けられた保持枠7が載置される部分であり、色合成光学装置44が収納される位置に形成された略矩形の開口624の4角のうち、光束入射側の2つの角から、内側に向かって水平方向に延出して形成されている。
光学部品収納部62は、図3および図5に示すように、箱状に形成された内部に、前述の光学部品412〜415,42,43を位置決め固定するための溝部621と、投写レンズ46が設置される投写光学系設置部622と、光学部品収納部62の底面に沿って形成された延出部623とを備えている。
このうち、延出部623は、図5に示すように、光学部品用筐体47とは別体として設けられた保持枠7が載置される部分であり、色合成光学装置44が収納される位置に形成された略矩形の開口624の4角のうち、光束入射側の2つの角から、内側に向かって水平方向に延出して形成されている。
図6には、保持枠7の概要斜視図が示されている。
図5および図6に示すように、保持枠7は、フィールドレンズ418および偏光板442を保持する平面視略凸状の金属製部材である。この保持枠7は、側壁71によって水平方向(図6中XおよびZ軸方向)の周囲が囲まれた筒状に形成され、上端および下端(図6中Y軸方向)に開口71A,71Bが形成されており、前述の色合成光学装置44を囲むように配置される。
なお、保持枠7は、本実施形態では、アルミニウムにより形成されているが、電気亜鉛メッキ鋼板、インバー等の鉄−ニッケル合金、マグネシウム合金、アルミニウム合金等によって形成してもよい。
図5および図6に示すように、保持枠7は、フィールドレンズ418および偏光板442を保持する平面視略凸状の金属製部材である。この保持枠7は、側壁71によって水平方向(図6中XおよびZ軸方向)の周囲が囲まれた筒状に形成され、上端および下端(図6中Y軸方向)に開口71A,71Bが形成されており、前述の色合成光学装置44を囲むように配置される。
なお、保持枠7は、本実施形態では、アルミニウムにより形成されているが、電気亜鉛メッキ鋼板、インバー等の鉄−ニッケル合金、マグネシウム合金、アルミニウム合金等によって形成してもよい。
保持枠7には、上方から見て、最も長い辺を有する面に、色合成光学装置44により合成された光束が透過する開口7A1を有する光束射出側の側面7Aが形成され、この他の3面に、それぞれ光学素子保持部7R,7G,7Bが形成されている。
光学素子保持部7Bは、反射ミラー423に対向する位置に形成され、青色光が入射されるフィールドレンズ418Bおよび偏光板442Bが位置決め固定される。
また、光学素子保持部7Gは、ダイクロイックミラー422に対向する位置に形成され、緑色光が入射されるフィールドレンズ418Gおよび偏光板442Gが位置決め固定される。
同様に、光学素子保持部7Rは、反射ミラー434に対向する位置に形成され、赤色光が入射されるフィールドレンズ418Rおよび偏光板442Rが位置決め固定される。これら光学素子保持部7B,7G,7Rは、保持枠7に一体的に形成されている。これにより、保持枠7の構造および製造工程を簡素化することができる。
光学素子保持部7Bは、反射ミラー423に対向する位置に形成され、青色光が入射されるフィールドレンズ418Bおよび偏光板442Bが位置決め固定される。
また、光学素子保持部7Gは、ダイクロイックミラー422に対向する位置に形成され、緑色光が入射されるフィールドレンズ418Gおよび偏光板442Gが位置決め固定される。
同様に、光学素子保持部7Rは、反射ミラー434に対向する位置に形成され、赤色光が入射されるフィールドレンズ418Rおよび偏光板442Rが位置決め固定される。これら光学素子保持部7B,7G,7Rは、保持枠7に一体的に形成されている。これにより、保持枠7の構造および製造工程を簡素化することができる。
光学素子保持部7Bは、照明光軸方向(図6中Z軸方向)から見て上方に開口し、フィールドレンズ418Bおよび偏光板442Bの取り付け位置に応じて側壁71を切り欠いて形成された略U字状の開口部7BAを備えている。また、光学素子保持部7Bには、開口部7BAの周囲に形成され、フィールドレンズ418Bが上方からスライド式に嵌め込まれる溝部7B1と、この溝部7B1に保持されるフィールドレンズ418Bの光束入射面を押さえる押さえ部7B2と、側壁71の青色光射出側に形成された偏光板基準面7B3と、光学素子保持部7Bの下端略中央から照明光軸とは反対方向に突出して形成された突出部7B4とが形成されている。
溝部7B1には、照明光軸方向および照明光軸に直交する方向(図6中X軸およびY軸方向)に、フィールドレンズ418Bを位置決めするZ軸位置基準面7B1Z、X軸位置基準面7B1XおよびY軸位置基準面7B1Yが形成されている。このうち、X軸位置基準面7B1Xは、互いのX軸位置基準面7B1Xが対向するように形成されている。
押さえ部7B2は、光学素子保持部7Bの溝部7B1が形成される側壁71において、幅方向(X軸方向)の一方の光束入射側に突出して形成されている。この押さえ部7B2とZ軸位置基準面7B1Zとにより、フィールドレンズ418Bの照明光軸方向(Z軸方向)の位置決めがされる。
すなわち、フィールドレンズ418Bが、開口部7BAに嵌合されるように、溝部7B1にスライド式に嵌め込まれる際に、フィールドレンズ418BのZ軸方向の位置は、溝部7B1に形成されたZ軸位置基準面7B1Zと押さえ部7B2の光束射出側の面によって規定され、X軸方向の位置は、対向して形成されたX軸位置基準面7B1Xによって規定される。なお、Y軸方向の位置は、Y軸位置基準面7B1Yに当接されるフィールドレンズ418Bの自重により規定される。これにより、光学素子保持部7Bにおけるフィールドレンズ418Bの位置決めが正しく行われる。なお、フィールドレンズ418Bの固定については、接着剤等により行われる。
偏光板基準面7B3は、偏光板442Bの照明光軸方向(Z軸方向)の位置決め面であり、偏光板442Bの光束入射面のX軸方向両端が当接される。この偏光板基準面7B3への偏光板442Bの取り付けは、前述のフィールドレンズ418Bと同様に、接着剤等によって行われる。
突出部7B4は、保持枠7を光学部品収納部62に載置する際の位置決めを行う部分であり、光学部品収納部62に形成された図示しない凹部に嵌合されて、保持枠7の位置決めが行われる。
これにより、フィールドレンズ418Bおよび偏光板442の位置決め固定を容易に行うことができる。すなわち、保持枠7に対してフィールドレンズ418Bおよび偏光板442を位置決め固定するので、これらフィールドレンズ418および偏光板442の位置決めの際の相対位置を決めやすくすることができる。従って、これら光学部品418B,442の位置決め固定を容易に行うことができる。
なお、緑色光が入射される位置に形成された光学素子保持部7G、および、赤色光が入射される位置に形成された光学素子保持部7Rについても、光学素子保持部7Bと略同じ構成を備えており、ここでは説明を省略する。
これによれば、それぞれのフィールドレンズ418R,418G,418Bおよび偏光板442R,442G,442Bは、保持枠7に一体的に保持されるので、これら光学部品418,442で発生した熱を、保持枠7に伝導させて放熱することができる。このため、光学部品418,442を均質に冷却することができ、それぞれの光学部品418,442の温度を均一に保つことができる。従って、光学像の形成を安定化することができる。
保持枠7を形成する側壁71の上端面には、面外方向に突出する突起72が4つ形成されている。これらの突起72は、蓋状部材49に形成された図示しない凹部に嵌合される。これにより、保持枠7が蓋状部材49に固定されるとともに、保持枠7の上方が覆われる。
このような構成の保持枠7によれば、保持枠7に当接および位置決め固定されるフィールドレンズ418および偏光板442の熱を保持枠7に伝導させることができるので、放熱面積を大きくして、これら光学部品418,442の冷却効率を向上することができる。ここで、保持枠7は、アルミニウムにより形成されているので、フィールドレンズ418および偏光板442の熱を保持枠7に速やかに伝導させることができ、これら光学部品418,442の冷却効率を一層向上することができる。従って、光学部品418,442の冷却を効果的に行うことができるので、熱による破損、変形および劣化を抑えて、製品寿命を延ばすことができるとともに、光学像の形成を安定して行うことができる。
また、保持枠7は、合成樹脂製の光学部品用筐体47とは別体としてアルミニウムにより形成されているので、光学部品用筐体47を構成する光学部品収納部62の熱の影響を受けにくくすることができる。すなわち、光学部品収納部62には、光学部品412〜415,42,43が位置決めされており、これら光学部品の熱が伝導され、高温となる場合がある。これに対し、保持枠7は、光学部品収納部62に別体として形成され、配置されるので、光学部品412〜415,42,43の熱が光学部品収納部62を介して保持枠7に伝導されにくくすることができる。ここで、光学部品収納部62に伝導された熱がさらに保持枠7に伝導されると、保持枠7とフィールドレンズ418および偏光板442との温度差が小さくなり、これら光学部品418,442の熱が保持枠7に伝導されにくくなる。従って、光学部品収納部62と別体として保持枠7を形成することにより、保持枠7へのフィールドレンズ418および偏光板442の熱の伝導効率を向上して、これらの冷却効率を一層向上することができる。
さらに、フィールドレンズ418、偏光板442および保持枠7を冷却した空気は、保持枠7の下端の開口71Bから上端の開口71Aに向かって流れる上昇気流を発生させる。このため、保持枠7を冷却した空気は、停滞することなく流通することとなるので、保持枠7の冷却効率を向上し、ひいてはフィールドレンズ418および偏光板442を効率よく冷却することができる。
また、前述のように、保持枠7の側壁71により、色合成光学装置44の周囲は覆われているので、フィールドレンズ418、偏光板422および保持枠7を冷却しつつ、保持枠7内を流通する冷却空気は、色合成光学装置44をも冷却する。この冷却に供された空気は、前述のように、停滞することなく開口71Aから流出される。従って、側壁71によって、色合成光学装置44の冷却空気の流路が形成されるので、色合成光学装置44の冷却効率を向上することができる。
また、前述のように、保持枠7の側壁71により、色合成光学装置44の周囲は覆われているので、フィールドレンズ418、偏光板422および保持枠7を冷却しつつ、保持枠7内を流通する冷却空気は、色合成光学装置44をも冷却する。この冷却に供された空気は、前述のように、停滞することなく開口71Aから流出される。従って、側壁71によって、色合成光学装置44の冷却空気の流路が形成されるので、色合成光学装置44の冷却効率を向上することができる。
加えて、光学装置としての光学ユニット4を構成するフィールドレンズ418、偏光板442および色合成光学装置44の冷却効率が向上するので、これらを冷却する冷却空気を送風する冷却ユニット3を構成するシロッコファン31による送風量および送風圧を低減することができる。これによれば、シロッコファン31の稼動を抑えて、シロッコファン31の稼動音を低減することができるとともに、風切音を低減することができる。従って、プロジェクタ1の低騒音化を向上することができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態では、それぞれ赤、緑、青の色光が入射されるフィールドレンズ418R,418G,418Bおよび偏光板442R,442G,442Bは、保持枠7によって一体的に保持されるとしたが、フィールドレンズ418Rおよび偏光板442R、フィールドレンズ418Gおよび偏光板442G、フィールドレンズ418Bおよび偏光板442Bのうちのいずれか、または、2つを保持する構造としてもよい。
前記実施形態では、それぞれ赤、緑、青の色光が入射されるフィールドレンズ418R,418G,418Bおよび偏光板442R,442G,442Bは、保持枠7によって一体的に保持されるとしたが、フィールドレンズ418Rおよび偏光板442R、フィールドレンズ418Gおよび偏光板442G、フィールドレンズ418Bおよび偏光板442Bのうちのいずれか、または、2つを保持する構造としてもよい。
図7には、前記実施形態における保持枠7の変形である保持枠8の概要斜視図が示されている。
図7に示すように、保持枠8は、照明光軸方向(図7中Z軸方向)から見て上方に向かってが開口した略U字状の金属製部材であり、フィールドレンズ418および偏光板442をそれぞれ1つずつ保持する。すなわち、保持枠8は、前述の保持枠7の光学素子保持部7R,7G,7Bに相当する。また、この保持枠8は、保持枠7と同様に、光学部品用筐体47とは別体として形成されており、光学部品用筐体47を構成する部品収納部材48の光学部品収納部62の所定位置に配置・固定される。
なお、保持枠8は、前述の保持枠7と同じ材料を採用して形成することができる。
図7に示すように、保持枠8は、照明光軸方向(図7中Z軸方向)から見て上方に向かってが開口した略U字状の金属製部材であり、フィールドレンズ418および偏光板442をそれぞれ1つずつ保持する。すなわち、保持枠8は、前述の保持枠7の光学素子保持部7R,7G,7Bに相当する。また、この保持枠8は、保持枠7と同様に、光学部品用筐体47とは別体として形成されており、光学部品用筐体47を構成する部品収納部材48の光学部品収納部62の所定位置に配置・固定される。
なお、保持枠8は、前述の保持枠7と同じ材料を採用して形成することができる。
以下、保持枠8が、青色光が入射されるフィールドレンズ418Bおよび偏光板442Bを保持するとして説明する。
保持枠8には、前述の光学素子保持部7R,7G,7Bと同様に、フィールドレンズ418Bが嵌合される開口部8Aと、この開口部8Aの周囲に形成され、該フィールドレンズ418Bがスライド式に嵌め込まれる溝部81と、この溝部81に保持されるフィールドレンズ418Bの光束入射面を押さえる押さえ部82と、偏光板442Bの光束入射面が当接される偏光板基準面83と、保持枠8の下端略中央から照明光軸とは反対方向に突出して形成された突出部84とが形成されている。なお、開口部8A、溝部81、押さえ部82、偏光板基準面83の構成、および、これら部位によるフィールドレンズ418Bおよび偏光板442Bの保持は、前述の光学素子保持部7Bの開口部7BA、溝部7B1、押さえ部7B2、偏光板基準面7B3の構成、および、これら部位によるフィールドレンズ418Bおよび偏光板442Bの保持と略同じであるので、説明を省略する。また、突出部84は、突出部7B4と同様に、光学部品収納部62に形成された図示しない凹部に嵌合され、保持枠8の位置決めを担う部分である。
保持枠8には、前述の光学素子保持部7R,7G,7Bと同様に、フィールドレンズ418Bが嵌合される開口部8Aと、この開口部8Aの周囲に形成され、該フィールドレンズ418Bがスライド式に嵌め込まれる溝部81と、この溝部81に保持されるフィールドレンズ418Bの光束入射面を押さえる押さえ部82と、偏光板442Bの光束入射面が当接される偏光板基準面83と、保持枠8の下端略中央から照明光軸とは反対方向に突出して形成された突出部84とが形成されている。なお、開口部8A、溝部81、押さえ部82、偏光板基準面83の構成、および、これら部位によるフィールドレンズ418Bおよび偏光板442Bの保持は、前述の光学素子保持部7Bの開口部7BA、溝部7B1、押さえ部7B2、偏光板基準面7B3の構成、および、これら部位によるフィールドレンズ418Bおよび偏光板442Bの保持と略同じであるので、説明を省略する。また、突出部84は、突出部7B4と同様に、光学部品収納部62に形成された図示しない凹部に嵌合され、保持枠8の位置決めを担う部分である。
このような保持枠8によれば、前述の保持枠7と略同様の効果を奏することができる。
すなわち、保持枠8に保持されるフィールドレンズ418Bおよび偏光板442Bの熱は、金属製の保持枠8に伝導されるので、これら光学部品418B,442Bの放熱面積を拡大して効果的に冷却することができ、熱による破損、変形および劣化を防ぐことができる。また、これにより、光学像形成を安定化することができる。
また、保持枠8は、合成樹脂製の光学部品用筐体47とは別体として金属で形成されているので、光学部品用筐体47に伝導される他の光学部品からの熱が保持枠8に伝導されにくくすることができる。これにより、保持枠8が高温化して、保持枠8と、フィールドレンズ418Bおよび偏光板442Bとの温度差が小さくなるのを抑え、これら光学部品418B,442Bの熱伝導を効率良く行うことができる。従って、フィールドレンズ418Bおよび偏光板442Bを一層効果的に冷却することができる。
すなわち、保持枠8に保持されるフィールドレンズ418Bおよび偏光板442Bの熱は、金属製の保持枠8に伝導されるので、これら光学部品418B,442Bの放熱面積を拡大して効果的に冷却することができ、熱による破損、変形および劣化を防ぐことができる。また、これにより、光学像形成を安定化することができる。
また、保持枠8は、合成樹脂製の光学部品用筐体47とは別体として金属で形成されているので、光学部品用筐体47に伝導される他の光学部品からの熱が保持枠8に伝導されにくくすることができる。これにより、保持枠8が高温化して、保持枠8と、フィールドレンズ418Bおよび偏光板442Bとの温度差が小さくなるのを抑え、これら光学部品418B,442Bの熱伝導を効率良く行うことができる。従って、フィールドレンズ418Bおよび偏光板442Bを一層効果的に冷却することができる。
さらに、保持枠8は、フィールドレンズ418Bおよび偏光板442Bを保持し、光学部品収納部62に配置されるので、これらフィールドレンズ418Bおよび偏光板442Bの相対位置を決めやすくすることができ、これら光学部品418B,442Bの位置決めを容易にすることができる。
上記の例では、保持枠8は、青色光が入射されるフィールドレンズ418Bおよび偏光板442Bを保持するとしたが、赤色光または緑色光が入射されるフィールドレンズ418および偏光板442を保持するようにしてもよい。これによれば、保持枠8は、1つのフィールドレンズ418および1つの偏光板442を保持するので、冷却の必要性および光学ユニット4の内部構造等の条件に合わせて、赤、緑、青の色光が入射するフィールドレンズ418および偏光板442のうち、いずれかの色光が入射されるフィールドレンズ418および偏光板442を保持する構造とすることができ、高温化が著しいフィールドレンズ418および偏光板442を効果的に冷却することができるとともに、光学ユニット4の構造を簡素化することができる。
さらに、図7中一点鎖線で示すように、保持枠8のX軸方向両端部から、照明光軸方向(Z軸方向)に延出する延出部85が形成されている構造としてもよい。このような延出部85は、偏光板442の後段に配置される液晶パネル51の側面を覆うように形成することができる。この場合、延出部85が、液晶パネル51を冷却する冷却空気の流路となるので、液晶パネル51の冷却効率も向上することができる。
前記実施形態では、3つの液晶パネル51を用いたプロジェクタの例のみを挙げたが、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクタにも適用可能である。この場合、前述のように、それぞれの液晶パネル51の前段に配置されたフィールドレンズ418および偏光板442のすべてを一体的に保持するように保持枠を構成してもよい。また、各色光ごとに保持枠を設ける構成としてもよい。
前記実施形態では、光変調装置として液晶パネル51を用いたが、マイクロミラーを用いたデバイスなど、液晶以外の光変調装置を用いてもよい。
さらに、前記実施形態では、液晶パネルに、光入射面と光射出面とが異なる透過型の液晶パネルを用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の液晶パネルを用いてもよい。
加えて、前記実施形態では、スクリーンを観察する方向から投写を行なうフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投写を行なうリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
さらに、前記実施形態では、液晶パネルに、光入射面と光射出面とが異なる透過型の液晶パネルを用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の液晶パネルを用いてもよい。
加えて、前記実施形態では、スクリーンを観察する方向から投写を行なうフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投写を行なうリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
本発明は、プロジェクタに利用できる他、フィールドレンズおよび偏光板を備えた光学装置を備える光学機器に利用することができる。
1…プロジェクタ、4…光学ユニット(光学装置)、7,8…保持枠、44…色合成光学装置(色合成光学系)、47…光学部品用筐体、51(51R,51G,51B)…液晶パネル(光変調装置)、54…クロスダイクロイックプリズム(色合成光学素子)、71…側壁、7BA,8A…開口部、411…光源装置(光源)、418(418R,418G,418B)…フィールドレンズ(光学部品)、442(442R,442G,442B)…偏光板(光学部品)。
Claims (4)
- 光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置と、この光変調装置に光束を照明する複数の光学部品と、これら複数の光学部品を収納し、それぞれの前記光学部品を所定の照明光軸上に配置する合成樹脂製の光学部品用筐体とを備える光学装置であって、
前記複数の光学部品には、前記光変調装置の前記照明光軸上の前段に配置され、該光変調装置に入射する光束を平行化するフィールドレンズと、このフィールドレンズによって射出された光束のうち、所定方向の偏光光を透過して前記光変調装置に射出する偏光板とが設けられ、
前記光学部品用筐体には、前記フィールドレンズおよび偏光板を一体的に保持し、該光学部品用筐体とは別体として形成された金属製の保持枠が設けられていることを特徴とする光学装置。 - 請求項1に記載の光学装置において、
前記光変調装置は、複数設けられ、
それぞれの前記光変調装置の前段には、前記フィールドレンズおよび偏光板がそれぞれ設けられ、
前記保持枠は、複数の前記フィールドレンズおよび偏光板を一体的に保持することを特徴とする光学装置。 - 請求項2に記載の光学装置において、
前記保持枠は、筒状に形成され、前記複数の光変調装置と対向し、これらを囲む側壁と、前記フィールドレンズおよび偏光板の取り付け位置に応じて該側壁を切り欠いて形成された開口部とを備えていることを特徴とする光学装置。 - 光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成して、前記光学像を拡大投写するプロジェクタであって、
請求項1から請求項3のいずれかに記載の光学装置を備えていることを特徴とするプロジェクタ。
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2004
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