JP2005265453A - 直流計測型光ファイバセンサ - Google Patents

直流計測型光ファイバセンサ Download PDF

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Abstract

【課題】 光源部変動の影響を受けない光ファイバセンサを得ること。
【解決手段】 周波数変調のレーザ光を出力する光源1と、レーザ光が入力される光ファイバ干渉計2と、光フィアバ干渉計の出力から変換された電気信号から2つ以上の高調波成分を抽出し、高調波成分同士の振幅比を算出し、振幅比より変調指数を算出する算出手段6、7、8と、変調指数より経路差を算出する経光路差算出手段12と、レーザ光が入力される標準干渉計3と、標準干渉計の出力から変換された電気信号から2つ以上の高調波成分を抽出し、高調波成分同士の振幅比を算出し、振幅比より変調指数を算出し、変調指数と予め設定された光源部変動前の変調指数から光源の変動量を算出し、変動量で前記変調指数を除算して光源変動を除去するよう補正された変調指数を経路差算出手段に出力するようにした補正手段6〜11とを備えたものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、圧力や温度等の直流信号を計測するための光ファイバセンサ、特に光源部変動の影響を受けない直流計測型光ファイバセンサに関するものである。
従来の直流計測型光ファイバセンサで、圧力、温度などの絶対計測を行う場合、光源部からの正弦波状に周波数変調したレーザ光をセンサとなる光ファイバ干渉計へ入力し、干渉光からレーザ変調周波数の1次と3次(又は2次と4次)高調波成分同士の振幅比を求め、測定量により変化する干渉計の光路差とレーザ光の最大周波数偏移にそれぞれ比例する変調指数を算出し、その変調指数より光路差を算出するようにしたものである。
特開2000−111361号公報(第1頁、図1)
上述した従来の直流計測型光ファイバセンサでは、計測結果である変調指数が干渉計の光路差以外にレーザ光の最大周波数偏移にも比例するため、レーザ光を出力する光源部の変動、即ち光源部の電流や温度の変動が直接誤差に影響する。
通常はこのような変動を抑えるために、LDモジュールは電流制御、温度制御が行われている。また、変調信号のレベル変動も十分小さくする必要がある。
しかし、直流計測型光ファイバセンサに要求されるこれら3つのパラメータの変動幅は非常に小さくするように実現するためには、高級な回路が必要であり、設計が難しく高コストとなる。また、これらを解決しても、LDモジュール単体の温度特性(活性層とサーミスタの間の熱抵抗などで発生)や、長期的な劣化による発振波長の変動は残るので、事実上永久的に安定な光源部の実現は困難である。
このため、直流計測型光ファイバセンサの光源部は、一定温度の室温に設置し、定期的な校正を必要とするという問題点があった。
本発明の直流計測型光ファイバセンサは、周波数変調されたレーザ光を出力する光源と、光源から出力されるレーザ光が入力される光ファイバ干渉計と、光フィアバ干渉計の出力を電気信号に変え、その電気信号から2つ以上の高調波成分を抽出し、その高調波成分同士の振幅比を算出し、算出された振幅比より変調指数を算出する算出手段と、変調指数より光ファイバ干渉計の経路差を算出する経路差算出手段とを備えた直流計測型光ファイバセンサにおいて、光源から出力されるレーザ光が入力される標準干渉計と、標準干渉計の出力を電気信号に変え、その電気信号から2つ以上の高調波成分を抽出し、その高調波成分同士の振幅比を算出し、その振幅比より変調指数を算出し、その変調指数と予め設定された光源部変動前の変調指数から光源の変動量を算出し、その変動量で該振幅比より算出された変調指数を除算して光源変動を除去するよう補正された変調指数を前記経路差算出手段に出力するようにした補正手段とを備え構成されている。
本発明の直流計測型光ファイバセンサによれば、光源部の変動により算出されるセンサの変調指数計測値が変動することにより、光ファイバセンサにリファレンスの標準干渉計を追加し、補正手段が標準干渉計の出力を電気信号に変え、その電気信号から2つ以上の高調波成分を抽出し、その高調波成分同士の振幅比を算出し、その振幅比より変調指数を算出し、その変調指数と予め設定された光源部変動前の変調指数から光源の変動量を算出し、その変動量で該振幅比より算出された変調指数を除算して光源変動を除去するよう補正された変調指数を経路差算出手段に出力するようにしたので、ハード的には標準干渉計を1つ追加するだけで、計測結果を直接補正できるので、LDを制御する個々のパラメータの変動に神経質になる必要な無く、LDの長期変動に対しても完全に補正することができ、制御回路の温度特性やLD単体の温度特性或いは劣化など、光源部のあらゆる変動を半永久的に補正できる直流計測システムの実現が期待できるという効果がある。
実施の形態1.
(動作)の説明
図1は本発明の実施の形態1の直流計測型光ファイバセンサの構成を示すブロック図である。
この実施の形態1の直流計測型光ファイバセンサは、PGCホモダイン方式の周波数変調を加えたレーザ光を出力する光源1と、光源1から出力された光信号が入力される複数の光ファイバセンサ部2aを有するセンサアレイ部2と、センサアレイ部2の1つの光ファイバセンサ部2aと同様の構成を有し、該光ファイバセンサ部2aが外的変動を受けない標準干渉計3と、センサアレイ部2及び標準干渉計3から光信号が入力されるO/E変換器4とを備えている。
このセンサアレイ部2及び標準干渉計3の光ファイバセンサ部2aはセンシングアーム及びリファレンスアームと、両アームの末端には設けられたミラーとを有し、入力されたレーザ光が両アームを通過した後にミラーで反射され、再び両アームを通過して戻り、外部に出力されるように構成されている。かかるセンサアレイ部2及び標準干渉計3は多重化接続されている。
更に、その直流計測型光ファイバセンサは、センサアレイ部2及び標準干渉計3から光信号が入力されるO/E変換器4と、O/E変換器4からの電気信号を各チャンネル毎に切り出すチャンネル(ch)分割手段5と、チャンネル分割手段5から切り出された各チャンネル毎の電気信号から2つ以上の高調波成分を抽出する複数の高調波成分抽出手段6と、これら高調波成分抽出手段6から出力される高調波成分同士の振幅比をそれぞれ算出する複数の振幅比算出手段7と、これら振幅比算出手段7から出力される振幅比よりセンサの変調指数Cを算出する複数のセンサ変調指数算出手段8と、1つの高調波成分抽出手段6と1つの振幅比算出手段7とを用いて標準干渉計2の変調指数Cを算出する標準干渉計変調指数算出手段9と、標準干渉計変調指数算出手段9から出力される標準干渉計2の現在の変調指数の計測値から光源の変動量Mを算出する変動量算出手段10と、これらセンサ変調指数算出手段8から出力されるセンサの変調指数計測値を変動量算出手段10から出力される変動量Mによりそれぞれ除算して光源変動を除去するよう補正された変調指数Cを算出する複数の光源変動補正手段11と、これら光源変動補正手段11より出力される補正された変調指数Cから経路差を算出する複数の経路差算出手段12とを備えて構成されている。
(動作)の説明
上述した構成の直流計測型光ファイバセンサは、光源1から変調周波数f0 、最大周波数偏移fcに周波数変調されたレーザ光が出力される。そのレーザ光はセンサアレイ部2及び標準干渉計3に入力され、それぞれからの戻り干渉光はO/E変換器4に入力される。時分割あるいは波長分割によって多重化されている光信号は、O/E変換器4で電気信号に変換され、既知のチャンネル分割手段5で各チャンネル毎の信号に分割される。各チャンネル信号は下記の(1)式で表される。
I=A+Bcos(Ccos2πf0t+φ) ・・・(1)
ここで、C=2πνdnΔL/co である。
但し、n:光ファイバのコアの実効屈折率、co:真空中の光速度、νd:レーザの最大周波数変位、AとBはレーザ光の振幅等に依存する定数である。
上記(1)式をベッセル関数で展開すると、下記の(2)式で表すことができる。
I=A+BJ0(C)cosφ
+Σ{2BJ2m−1(C)sinφcos(2m−1)2πf0t
+2BJ2m(C)cosφcos2m2πf0t} ・・・(2)
各高調波抽出手段6では、O/E変換器4から出力された電気信号よりレーザ変調周波数の1次高調波成分および3次高調波成分を抽出する。高調波抽出手段6はDFTやatan法で用いられる同期検波によるアナログ処理等の公知の手段で構成される
高調波成分の抽出により、下記の(3)式で表されるm次高調波成分の振幅Zmが求められる。
Zm−1=BJ2m−1(C)sinφ
Zm =BJ2m (C)cosφ ・・・(3)
振幅比算出手段7では、高調波抽出手段6から出力された1次高調波成分の振幅Z1と、3次高調波成分の振幅Z3との振幅比X1、3を下記の(4)式に基づき算出する。
Xm,m+2=Jm(C)/Jm+2(C) ・・・(4)
こうして、変調指数Cにのみ依存する量である振幅比Xが求められる。
振幅比Xは1次と3次だけに限らず、sinφを含む奇数高調波同士あるいはcosφを含む偶数高調波同士に振幅比を算出しても同様の結果が得られる。ただし、より高次のベッセル関数を使用する場合、感度やダイナミックレンジ等は悪化することになる。
センサ変調指数算出手段8では、振幅比算出手段7から出力される振幅比X1、3より変調指数Cを算出する。変調指数Cの算出は公知の方法により行い、例えば、(4)式の逆関数に相当する変換関数あるいは変換テーブルにより変調指数Cが算出される。
標準干渉計3の変調指数Cについても、上述の如くセンサアレイ部2で求めたのと全く同様の手順で求める。
そして、センサアレイ部2についてセンサ変調指数算出手段8により求められるセンサの変調指数をCm(ch1をCm1、Ch2をCm2…)とし、標準干渉計3について標準干渉計変調指数算出手段9により求められる標準干渉計3の変調指数はCSIとする。
また、光源部が変動する前の標準干渉計3の変調指数C0を求めておき、その変調指数C0を記憶エリアに保存しておく。
変動量算出手段10では、標準干渉計変調指数算出手段9から出力されるリアルタイムの標準干渉計3の変調指数計測値CSIを、あらかじめ記憶しておいた初期の光源部が変動する前の標準干渉計変調指数計測値C0で除算することで変動量Mを算出する。
その変動量Mを求める式を下記の(5)式として示す。
M=CSI/C0 ・・・(5)
光源変動補正手段11は、センサ変調指数算出手段8より出力される各センサの変調指数計測値Cmを、変動量算出手段10より出力されるMで除算することにより、光源部の変動が補正された変調指数を出力する。その変調指数を下記の(6)式で求める。
C1=Cm1/M
C2=Cm2/M ・・・(6)


経路差算出手段12は、補正済みの変調指数から、テーブル参照法などを用いて圧力や温度などの計測量に比例する経路差ΔLを算出する。
このようにして算出された経路差ΔLを用いて深度センサに応用する場合には、P(水圧から生じるセンサ加重圧力)=s(比例係数)×Y(変位)により、光路差ΔLは変位Yの関数であることを利用して既知の比例係数(センシング機構部分のスティフネス)より加重圧力Pを算出し、深度を求めることができる。
(効果)の説明
本発明の実施の形態1によれば、光源部の変動により算出されるセンサの変調指数計測値が変動することにより、センサアレイ部2の他にリファレンスの標準干渉計3を追加し、変動量算出手段10が標準干渉計3の計測値から光源部の変動による変調指数計測値の変動量を求め、光源変動補正手段11がその変動量でセンサの変調指数計測値を除算することにより、光源部の変動の影響を除去したセンサの変調指数を求め、その変調指数を光路差算出手段12に出力するようにしたものである。
これを具体的に式を用いて説明する。
センサの変調指数Cmは、片道経路差ΔL、レーザーの最大周波数偏移νd、屈折率n、真空中の光速c0とすると、
C=2πνdΔLn/co ・・・(7)
のように表すことができ、センサの光路差ΔLとレーザーの最大周波数偏移νdに比例する。νdが変動する前の標準干渉計3の変調指数を計測しておき、C0とする。
C0=2πνdΔLSIn/co ・・・(8)
ここで、ΔLSIは標準緩衝経3の経路差である。光源が変動して、最大周波数偏移がνd+Δνdになったとする。このときのセンサの変調指数計測値は、
Cm=2π(νd+Δνd)ΔLn/co ・・・(9)
となる。一方標準干渉計3の変調指数計測値も、
CSI=2π(νd+Δνd)ΔLSI/co ・・・(10)
と変化する。標準干渉計の変調指数計測値((10)式)と変調指数初期計測値((8)式)から、以下のように変動量Mを求める。
M=CSI/Co=νd+Δνd/νd ・・・(11)
センサ計測値Cm((8)式)を変動量Mで除算すると、
C=Cm/M=2π(νd+Δνd)ΔLn/co・νd/νd+Δνd)
2πνdΔLn/co ・・・(12)
となり、最大周波数偏移が変動する前の値に補正し、光源部の変動の影響を除去したセンサの変調指数を求めることができる。この変調指数を光路差算出手段12に出力するようにしたものである。
従って、この補正方法は、ハード的には標準干渉計3を1つ追加するだけで、計測結果を直接補正できるので、LDを制御する個々のパラメータの変動に神経質になる必要な無く、LDの長期変動に対しても完全に補正することができる。
以上のようにして、制御回路の温度特性やLD単体の温特、あるいは劣化など、光源部のあらゆる変動を半永久的に補正できる直流計測システムの実現が期待できる。
実施の形態2.
(構成)の説明
図2は本発明の実施の形態2の直流計測型光ファイバセンサの構成を示すブロック図、図3は同直流計測型光ファイバセンサの動作を示すフローチャートである。この実施の形態2の基本構成は実施の形態1と同様であるので、実施の形態1と同一の符号を付して重複した構成の説明を省略する。
この実施の形態2は、実施の形態1の光源の変動量算出手段10の後に光源の変動量算出手段10が算出した変動量Mを補正に用いるかどうかの判定を行う補正実施判定手段13を追加したものである。
(動作)の説明
この実施に形態2では、変動量算出手段10から出力される変動量Mmが、直前に補正用に使用した変動量Mに対して事前に決めておいた変動幅Δ以上の変化があるかどうかを補正実施判定手段13で判定し、Δを超える変動幅が合った場合のみ補正を実施する。実施の形態1では、変動量算出手段10から出力される変動量Mと補正に用いる変動量Mを区別しなかったが、この実施の形態2では便宜上、両者を上述のように区別する。
補正実施判定手段13が行う判定について図3に基づいて説明する。
まず、変動量Mmの算出を行う(ステップS2)。
次に、変動量Mが直前に補正で用いた変動量Mに対してどれくらいずれているかを、
|M−Mm|で求める(ステップS3)。|M−Mm|は、変動量の変動幅ということができる。
次に、予め設定された変動幅の閾値Δに対してステップS3で算出した変動量の変動幅(絶対値)が大きいか否かで判定する(ステップS4)。なお、この変動幅の閾値Δは標準干渉計3の予想し得る計測バラツキに基づいて設定される。
変動幅の閾値Δに対して変動量の変動幅が大きい場合は、次のステップS5に進み、補正用変動量を更新する。この場合、更新される補正用変動量はMmとなる。また、変動幅の閾値Δに対して変動量の変動幅が小さい場合は、更新せず、その前の変動量が用いられる。
(効果)の説明
標準干渉計3の変調指数やセンサの変調指数はあるバラツキを持って計測される。標準干渉計3の変調指数計測値から算出される変動量Mも同様のバラツキを持つことになる。バラツキのあるセンサの変調指数計測値をバラツキのある変動量Mで除算する実施の形態1のままでは、バラツキが増大してしまう。
そこで、この実施の形態2では、補正の実施に変動幅の閾値Δを設けて、変動幅の閾値Δ以上の変動があった場合のみ補正を実施してバラツキの増大を防止するようにしている。
なお、この変動幅の閾値Δは、標準干渉計3の計測バラツキ以上に設定する必要がある。このようにすることで、補正の分解能は低下するが、ある一定区間においては、補正前の処理精度を保つことができるようになる。
実施の形態3.
(構成)の説明
図4は本発明の実施の形態3の直流計測型光ファイバセンサの電動干渉計を示す構成図である。
この実施の形態3の基本構成は実施の形態1と同様であり、標準干渉計の構成が相違するだけなので、図4には標準干渉計の構成だけを示す。
この実施の形態3では、補正用の標準干渉計3に、圧電子を利用した電動干渉計を使用している。
この電動干渉計3は、圧電子31に光ファイバが巻かれたセンシングアーム及びリファレンスアーム32と、両アーム32の末端には設けられたミラー33とを有して構成されている。34は圧電子31に電圧を印加する電源、35はセンシングアーム及びリファレンスアーム32に設けられた光カプラである。
(動作)の説明
この実施の形態3の基本動作は実施の形態1又は実施の形態2と同じであるので、ここでは電動干渉計3の動作について説明する。
PGC信号は、上述した(1)式のような形で表せるが、この中の位相差φは、
φ=4πνΔLn/c0 ・・・(13)
と表せる。ここでνは光周波数である。圧電子に低周波の電気信号を加えると歪むので、圧電子に巻かれたファイバも歪みΔLが変化し、φが変化する。圧電子31のファイバ巻き数と、印加する電圧を適切に設定すると、φは±π以上の変化を繰り返すことができる。
このように、φは±π以上の変化を繰り返すことができるようにするためには、電動干渉計にデータ出力間隔に見合った振幅と周波数を与えることによって行われるが、適当な振幅と周波数の決定は次のようにして行われる。
累加回数のうちに2π以上の位相変化を与えれば十分な累加効果が得られので、例えば、累加回数200回で計測間隔が1秒間に50回とすると、累加が完了するのに実効上は4秒かかる。この4秒間に2π以上の位相変化を与えられるような周波数を設定する。また、振幅は以下のように決めます。
円筒型圧電子に巻かれた光ファイバコイルで形成されるマイケルソン干渉計の位相変化量Δφは、次式で表せる。
Δφ/VN=2×0.8×4π2d31Rm/λt ・・・(14)
V:印加電圧
N:巻き数
d31=−133×10−12(圧電定数の一例)
t=2×10−3(円筒肉厚の一例)
Rm=16×10−3(円筒平均半径の一例)
λ=1560×10−9(波長の一例)
(14)式より、Δφ=πとなる電圧Vπと巻き数の関係は、
Vπ=72.9/N ・・・(15)
となる。
ピエゾドライバーを使用しないで駆動するためには、位相を2π変動させるのに必要な電圧が、約10V以下(Vπは5V以下)になるようにする。試作したコイルは、20ターンで、計算上Vπ=3.6Vとなる。
(1)補正のリアルタイム性の向上について
振幅比算出手段7において、奇数次同士、又は偶数次同士の振幅比をとる場合、数式上はsinφ又はcosφは消えるので、理論的にはφに依存することなく変調指数Cを求めることができるが、sinφ又はcosφが小さいときにはSNが悪くなり、SNが悪くなると計測処理が不能となる。
そして、通常の干渉計の場合には、φは光源部の変動による温度変動などで非常にゆっくりと変化するので、sinφ又はcosφが小さくなってSNの悪くなるため、計測処理が不能となって補正のリアルタイム性が損なわれることになる。
これに対して、圧電子にファイバを巻くことにより構成した電動干渉計では、φが印加信号により変化するので、データ出力間隔に見合った振幅と周波数を与えることで、φの変化が表れるようになり、sinφ又はcosφが大きくなってSNが向上し、計測処理が不能となることがなくなって補正のリアルタイム性が確保できることとなった。
(2)累加効果の向上について
実施の形態2で説明した通り、バラツキを考慮して補正に変動幅の閾値を設けると補正の分解能が低下する。これを改善するためには、標準干渉計の計測精度を向上すればよいということになる。
上述した(1)式、(3)式は理想的な表現をしたが、実際はレーザーを変調するときに、求める変調指数に、変調信号と同期して発生するパワーの揺らぎである強度変調に起因する誤差と、レーザーの印加電圧対波長特性の非線形性により生じる変調歪み誤差などが存在し、測定される実際の変調指数は、次式で表される。
Cmsr=Creal・Δerror(φ(t)) ・・・(16)
ここで、Cmsrは測定される実際の変調指数、Crealは誤差の影響を受けない理想的な変調指数、Δerrorはφ(t)の関数で、これらの誤差である。
上記式のように、これらの誤差も位相φに依存する。よって、データ出力間隔よりφの変動速度が遅い場合や、停滞している場合には、sinφ又はcosφが小さくなってSNが悪くなる他に、φに依存する誤差のために計測結果に真値からの一方向への偏りが現れ、累加後でも誤差が増大する。
そこで、電動干渉計に加える信号の振幅と周波数と適切に設定すると、データの累加時間中に位相を±π以上回すことができ、φの変化が表れるようになり、sinφ又はcosφが大きくなってSNが向上し、また、累加時間中にφが±π以上回転することでφに依存する誤差による真値からの一方向への偏りが緩和されて累加効果の向上が期待できる。
(効果)の説明
この実施の形態2では、圧電子にファイバを巻くことにより構成した電動干渉計は、φが印加信号により変化するので、データ出力間隔に見合った振幅と周波数を与えることで、φの変化が表れるようになり、計測値の追従性が向上し、補正のリアルタイム性を確保することができる。
また、電動干渉計に加える信号の振幅と周波数と適切に設定すると、データの累加時間中に位相を±π以上回すことができ、計測処理が不能となることがなくなって累加効果の向上が期待できる。
従って、実施の形態3の電動干渉計を、実施の形態1の干渉計の代わりに用いれば、補正後のバラツキ増加を抑制でき、実施の形態2に適用すれば、変動幅の閾値Δを小さくでき、補正の分解能を上げることができる。
本発明の実施の形態1の直流計測型光ファイバセンサの構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態2の直流計測型光ファイバセンサの構成を示すブロック図である。 同直流計測型光ファイバセンサの動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態3の直流計測型光ファイバセンサの電動干渉計を示す構成図である。
符号の説明
1 光源、2 センサアレイ部、3 標準干渉計、4 O/E変換器、5 チャンネル分割手段、6高調波抽出手段、7 振幅比算出手段、8 センサ変調指数算出手段、9 標準干渉計用変調指数算出手段、10 変動量算出手段、11 光源変動補正手段、12 経路差算出手段。

Claims (5)

  1. 周波数変調されたレーザ光を出力する光源と、光源から出力されるレーザ光が入力される光ファイバ干渉計と、光フィアバ干渉計の出力を電気信号に変え、その電気信号から2つ以上の高調波成分を抽出し、その高調波成分同士の振幅比を算出し、算出された振幅比より変調指数を算出する算出手段と、変調指数より光ファイバ干渉計の経路差を算出する経路差算出手段とを備えた直流計測型光ファイバセンサにおいて、
    光源から出力されるレーザ光が入力される標準干渉計と、
    標準干渉計の出力を電気信号に変え、その電気信号から2つ以上の高調波成分を抽出し、その高調波成分同士の振幅比を算出し、その振幅比より変調指数を算出し、その変調指数と予め設定された光源部変動前の変調指数から光源の変動量を算出し、その変動量で該振幅比より算出された変調指数を除算して光源変動を除去するよう補正された変調指数を前記経路差算出手段に出力するようにした補正手段と、
    を備えたことを特徴とする直流計測型光ファイバセンサ。
  2. 周波数変調されたレーザ光を出力する光源と、光源から出力されるレーザ光が入力される少なくとも1つの光フィアバ干渉計と、光フィアバ干渉計の出力をO/E変換により電気信号に変えるO/E変換手段と、O/E変換手段から出力される電気信号を各チャンネル毎に切り出すチャンネル分割手段と、チャンネル分割手段から切り出された各チャンネル毎の電気信号から2つ以上の高調波成分を抽出する少なくとも1つの高調波成分抽出手段と、高調波成分抽出手段から出力される高調波成分同士の振幅比を算出する少なくとも1つの振幅比算出手段と、振幅比算出手段から出力される振幅比より変調指数を算出する少なくとも1つのセンサ変調指数算出手段と、変調指数より光ファイバ干渉計の経路差を算出する少なくとも1つの経路差算出手段とを備えた光ファイバセンサにおいて、
    光源から出力されるレーザ光が入力される標準干渉計と、
    標準干渉計の出力を前記O/E変換手段及び前記チャンネル分割手段を経て電気信号として切り出し、切り出した電気信号から2つ以上の高調波成分を抽出する標準干渉計用高調波成分抽出手段と、
    高調波成分抽出手段から出力される高調波成分同士の振幅比を算出する標準干渉計用振幅比算出手段と、
    標準干渉計用振幅比算出手段から出力される振幅比より変調指数を算出する標準干渉計用変調指数算出手段と、
    標準干渉計用変調指数算出手段から出力される変調指数と予め設定された光源部変動前の変調指数から光源の変動量を算出する変動量算出手段と、
    センサ変調指数算出手段から出力される変調指数を変動量算出手段から出力される変動量で除算して光源変動を除去するよう補正された変調指数を前記経路差算出手段に出力するようにした光源変動補正手段と、
    を備えたことを特徴とする直流計測型光ファイバセンサ。
  3. 前記変動量算出手段から出力される現在の変動量と直前に補正用に使用した変動量との差が予め設定された変動幅の閾値以上であるときに該現在の変動量を補正用変動量として前記補正手段又は前記光源変動補正手段に出力する補正実施判定手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の直流計測型光ファイバセンサ。
  4. 前記標準干渉計は圧電子に巻かれた光ファイバコイルで構成された電動干渉計であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の直流計測型光ファイバセンサ。
  5. 前記電動干渉計は圧電子にデータ出力間隔に見合った振幅と周波数を与えるように印加する電圧を設定したことを特徴とする請求項4記載の直流計測型光ファイバセンサ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008175746A (ja) * 2007-01-19 2008-07-31 Oki Electric Ind Co Ltd 干渉型光ファイバセンサシステムおよびセンシング方法
JP2009524064A (ja) * 2006-01-23 2009-06-25 ザイゴ コーポレーション 物体をモニタする干渉計システム

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