JP2005264746A - カーエアコン用圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 冷媒ガスの吸入動作を実施し、作動室の容積を減少させて冷媒ガスの圧縮及び吐出動作を実施する圧縮機構と、圧縮機構を収容するケーシング(24)とを具備し、ケーシングは、ボルトを介してエンジンルーム内の装着位置に固定される取り付け部(10)を有し、取り付け部は、その内部に、ボルトの断面形状とは異なる断面非円形状の鋳抜きピンを用いて形成されたボルト挿通用の鋳抜き孔と、この鋳抜き孔の長手方向の一部に非円形の形態を残して穴加工され、ボルトが嵌合される嵌合部(15)とを有するインロー(11)を含むよう構成する。
【選択図】 図3
Description
そして、該圧縮機は、そのケーシングの外面に、自動車のエンジンルーム内の装着位置にボルトで固定される取り付け部を備えている(特許文献1、2)。
このボス部100は、同図(a)のVII-VII線矢視断面図(同図(b))に示される如く、ボルトが挿入される円形状の挿入口120(径寸法a)を有する部分130、内周面が全周に亘って加工されたボルト嵌合部分150(径寸法b<a)や装着位置500に対面する部分170を備えたインロー110を有している。なお、当該挿入口120の径寸法aは、ボルト呼び径に応じて決定され、ボルトヘッドのフランジの大きさよりも十分に小さくされる。また、当該嵌合部分150の径寸法bは雌ねじ510に螺合されるボルト呼び径に対して必要なクリアランスを付加して決定される。
更に、請求項3記載の発明では、インローは、装着位置に対面し、非円形状の出口を有するマウント側部を含むことを特徴としている。
更にまた、請求項4記載の発明では、入出口は楕円形状であることを特徴としている。
更に、請求項6記載の発明では、嵌合部は、インローの長手方向の略中央位置から任意の位置にずらして配置されていることを特徴としている。
更にまた、請求項7記載の発明では、取り付け部は、ケーシングの外面に複数個設けられていることを特徴としている。
また、請求項2記載の発明によれば、嵌合部のうちボルトに嵌合されない部分は、インローの長手方向でボルト挿入側部の非円形状に連なる鋳抜き孔として形成され、穴加工時における切りくずは非円形の形状部分からも外部に掃き出され易くなるので、インローの加工精度の向上を図ることができる。
また、請求項5記載の発明によれば、嵌合部の花弁を有する部分では穴加工による切削加工量がなくなる一方で、花弁を有しない部分ではボルト係合量を確保することができ、この場合にも、製造コストの削減やその省エネ化の他、取り付け位置の精度向上をも満たすことになる。
更にまた、請求項7記載の発明によれば、エンジンの装着位置に確実に固定することができ、圧縮機の取り付け位置の精度がより一層向上する。
図1は、第1実施形態に係るカーエアコン用圧縮機を示す。
当該圧縮機4は、ハウジング20を備えた回転式のスクロール型圧縮機である。ハウジング20は駆動ケーシング22及び圧縮ケーシング(ケーシング)24を有し、駆動ケーシング22は圧縮ケーシング24に向けて大径となる段付きの筒形状をなし、それぞれ開口した両端を有する。一方、圧縮ケーシング24は駆動ケーシング22の大径端に向けて開口したカップ形状をなし、その開口端が駆動ケーシング22の大径端に気密に嵌合され、複数の連結ねじ28を介して駆動ケーシング22に連結されている。
ところで、図2は図1の圧縮機4を回転軸30の回転方向に90°回転させて示した正面図であり、この正面図に示されるように、上記スクロールユニット52を備えた圧縮ケーシング24には、その外面の適宜位置に4個のボス部(取り付け部)10を有している。これらボス部10は圧縮ケーシング24とともにアルミ等の鋳造によって一体的に成型された直付けタイプの取り付け部である。そして、圧縮機4はボス部10に図示しないボルトを挿通し、エンジンルーム内の所定の装着位置に固定される。
鋳抜きピン70は、各ボス部10内にボルト挿入側部13からとマウント側部17からとに別々に挿入され、それぞれ花弁形状部74Aの先端を回転軸30の軸線に向けて、換言すれば圧縮ケーシング24の中心軸に向けて配置させる。そして、各鋳抜きピン70は鋳型に溶湯を流し込み圧縮ケーシング24をボス部10とともに鋳造した後に引き抜かれる。次いで、鋳抜きピン70を用いて形成された鋳抜き孔に対し、穴加工を施すことでインロー11が形成される。なお、上記鋳抜きピン70の形状は、断面非円形状の部分を備えるものであれば良く、全長に亘って断面非円形状をなす図示の形状に特に限定されるものではない。
更に、花弁形状部14a、14b、14cでの穴加工による切削加工量が少なくなる一方で、ボルト嵌合部15の周方向に配置された切削面にてボルトを拘束できるので、圧縮機の取り付け位置の精度要求にも応ずることができる。
なお、ボルト嵌合部15においてd’寸法とd寸法とを同一に設定することが可能である。図3(b)の断面図で見たときのd’寸法側のボルト嵌合部15の内周の穴加工部分の長さ(加工範囲)は、花弁形状部14aに関するテーパーを大きくすることで、d寸法側の穴加工部分の長さ(加工範囲)よりも短くなり、ボス部の長手方向(軸方向)でも切削量を低減できる(図4(b))。しかも、この場合には、結果としてボルトを拘束できる範囲を従来に比して長く設定可能となり、圧縮機の装着に要する力をインロー11のより長い範囲で担うことができる。
当該ボス部10Aもまた、ボルトの断面形状とは異なる断面非円形状を備えた鋳抜きピンを使用して形成されたインロー11Aを備えている。
更に、図6は、本発明の第3実施形態を示すものである。当該実施形態もまた、インローの形状の点を除き、前記第1及び第2実施形態と同一の構成からなることから、このインローの構成について詳細に説明する。
このようなボス部10によっても、花弁形状部14f〜14kの存在により穴加工による切削加工量を従来に比して減らすことが可能となる。この場合にも、加工範囲であるボルト嵌合部15Bにはその周方向で見て、切削面との間に花弁形状部14f〜14kの存在により緻密な層を有する鋳肌表面が残存する。
当該実施形態のボルト嵌合部15Bは、マウント側部17Bにより近付けて構成されている。このように加工範囲を任意にずらすことにより、前記取り付け位置の精度の向上や洩れ耐性の悪化を防止できる。
以上のように、本発明では、インローの鋳肌表面や切削面の設定自由度を現状よりも増やすべく、インローの形状の改良を図っている。
すなわち、非円形の鋳抜き孔を形成しているので、インローの周方向の総加工量が低減し、圧縮機の製造コストの削減を図ることができる。しかも、可能な限り薄い加工代で済むインローが形成されることから、圧縮機の品質改善をも図ることができる。
以上で本発明の各実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
しかし、本発明は必ずしもこの形態に限定されるものではなく、インローの挿入口及び出口は、圧縮機の装着等の各種要求に応じて、いずれか一方が非円形状であっても良く、この場合にも、圧縮機の装着に要する力は、ボルト嵌合部に担わせることが可能になるとともに、穴加工時における切りくずは、非円形の形状部分からも外部に掃き出され易くなるので、インローの加工精度の向上を図ることができる。挿入口及び出口のいずれか一方を非円形状にする場合には、断面非円形状の鋳抜きピンと従来の断面円形状の鋳抜きピンとの2本の鋳抜きピンを用いるか、又は断面非円形状の1本の鋳抜きピンを用いて鋳抜き孔が形成される。鋳抜きピンの断面を非円形状にすることでそのテーパーを大きくすることが可能になり、1本の鋳抜きピンで済ませれば生産性の更なる向上に繋がる。
更に、本発明は、上記実施形態の如く回転式のスクロール型圧縮機に必ずしも限定されるものではなく、例えば往復式の斜板型圧縮機など、自動車のエンジンに取り付けられる容積形の各種のカーエアコン用圧縮機に適用することができ、この場合にも圧縮機の生産性の向上及びそのコスト削減や取り付け性の向上に貢献できる。
10、10A、10B、10C ボス部(取り付け部)
11、11A、11B、11C インロー
12、12A、12B、12C 挿入口(入口)
13、13A、13B、13C ボルト挿入側部
14a〜14c、14f〜14k 花弁形状部
14d、14e 楕円形状部
15、15A、15B、15C ボルト嵌合部(嵌合部)
16、16A、16B、16C 出口
17、17A、17B、17C マウント側部
24 圧縮ケーシング(ケーシング)
52 スクロールユニット(圧縮機構)
54 可動スクロール
56 固定スクロール
58 圧縮室(作動室)
Claims (8)
- 冷媒ガスの吸入動作を実施し、作動室の容積を減少させて前記冷媒ガスの圧縮及び吐出動作を実施する圧縮機構と、
該圧縮機構を収容するケーシングとを具備し、
該ケーシングは、ボルトを介してエンジンルーム内の装着位置に固定される取り付け部を有し、
該取り付け部は、その内部に、前記ボルトの断面形状とは異なる断面非円形状の鋳抜きピンを用いて形成されたボルト挿通用の鋳抜き孔と、この鋳抜き孔の長手方向の一部に前記非円形の形態を残して穴加工され、前記ボルトが嵌合される嵌合部とを有するインローを含むことを特徴とするカーエアコン用圧縮機。 - 前記インローは、非円形状の入口を有するボルト挿入側部を含むことを特徴とする請求項1に記載のカーエアコン用圧縮機。
- 前記インローは、前記装着位置に対面し、非円形状の出口を有するマウント側部を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のカーエアコン用圧縮機。
- 前記入出口は、楕円形状であることを特徴とする請求項2又は3に記載のカーエアコン用圧縮機。
- 前記入出口は、3枚以上の花弁形状であることを特徴とする請求項2又は3に記載のカーエアコン用圧縮機。
- 前記嵌合部は、前記インローの長手方向の略中央位置から任意の位置にずらして配置されていることを特徴とする請求項1に記載のカーエアコン用圧縮機。
- 前記取り付け部は、前記ケーシングの外面に複数個設けられていることを特徴とする請求項1に記載のカーエアコン用圧縮機。
- 前記圧縮機構は、固定スクロール及び可動スクロールを備え、該可動スクロールの旋回運動により前記作動室の容積を減少させて前記冷媒ガスの圧縮及び吐出動作を実施することを特徴とする請求項1に記載のカーエアコン用圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004074388A JP2005264746A (ja) | 2004-03-16 | 2004-03-16 | カーエアコン用圧縮機 |
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JP2004074388A JP2005264746A (ja) | 2004-03-16 | 2004-03-16 | カーエアコン用圧縮機 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US20110127652A1 (en) * | 2007-01-15 | 2011-06-02 | Zycube Co., Ltd. | Three-dimensional semiconductor integrated circuit device and method of fabricating the same |
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2004
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US20110127652A1 (en) * | 2007-01-15 | 2011-06-02 | Zycube Co., Ltd. | Three-dimensional semiconductor integrated circuit device and method of fabricating the same |
US8907459B2 (en) * | 2007-01-15 | 2014-12-09 | Zycube Co., Ltd. | Three-dimensional semiconductor integrated circuit device and method of fabricating the same |
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