JP2005264746A - カーエアコン用圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ボルトを介してエンジンルームの装着位置に取り付けられるケーシングの取り付け部において、そのインローの総加工量を減らすとともに、洩れ耐性の悪化を防止することができるカーエアコン用圧縮機を提供する。
【解決手段】 冷媒ガスの吸入動作を実施し、作動室の容積を減少させて冷媒ガスの圧縮及び吐出動作を実施する圧縮機構と、圧縮機構を収容するケーシング(24)とを具備し、ケーシングは、ボルトを介してエンジンルーム内の装着位置に固定される取り付け部(10)を有し、取り付け部は、その内部に、ボルトの断面形状とは異なる断面非円形状の鋳抜きピンを用いて形成されたボルト挿通用の鋳抜き孔と、この鋳抜き孔の長手方向の一部に非円形の形態を残して穴加工され、ボルトが嵌合される嵌合部(15)とを有するインロー(11)を含むよう構成する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、カーエアコン用圧縮機に係り、詳しくは、ボルトを介して車体の装着位置に取り付けられるカーエアコン用圧縮機に関する。
この種のカーエアコン用圧縮機は、ベルトやクラッチを介してエンジンから駆動力を受け、蒸発器にて車室内の熱を奪って気化した低温・低圧の冷媒ガスを吸入及び圧縮し、高温・高圧になった冷媒ガスを凝縮器に送り出すように構成される。
そして、該圧縮機は、そのケーシングの外面に、自動車のエンジンルーム内の装着位置にボルトで固定される取り付け部を備えている(特許文献1、2)。
特開平7−332266号公報(段落番号0038、図3、4等) 特開平9−203388号公報(段落番号0013、図1等)
上記公報では、スクロール型のカーエアコン用圧縮機が示されており、装着位置への取り付け部として、装着位置に直接的にボルト固定されるボス部が設けられている。この直付けタイプのボス部はケーシングとともに鋳造で成型される。ボス部には、その長手方向に向かうに連れて小径となる断面円形状の鋳抜きピンを用いて鋳抜き孔が形成されており、この鋳抜き孔に対し、穴加工を施してインロー(inlay)が構成されている。このように鋳抜きピンを用いるのは、所定の位置精度の要求に応ずるために、インローに対する切削加工代を可能な限り減らすためである。
図7は、当該圧縮機のボス部の拡大図である。
このボス部100は、同図(a)のVII-VII線矢視断面図(同図(b))に示される如く、ボルトが挿入される円形状の挿入口120(径寸法a)を有する部分130、内周面が全周に亘って加工されたボルト嵌合部分150(径寸法b<a)や装着位置500に対面する部分170を備えたインロー110を有している。なお、当該挿入口120の径寸法aは、ボルト呼び径に応じて決定され、ボルトヘッドのフランジの大きさよりも十分に小さくされる。また、当該嵌合部分150の径寸法bは雌ねじ510に螺合されるボルト呼び径に対して必要なクリアランスを付加して決定される。
ここで、上記鋳抜きピンには、一般にその長手方向に向かって小径となる抜きテーパーが必須である。よって、例えば断面円形状の一本の鋳抜きピンを用いる場合には、ボス部の長さが長くなるに連れて装着位置に近い側の鋳抜き孔の部分がより小径となる。つまり、当該装着位置に近付くに連れて切削加工の加工代が大きくなってしまう。一方、このボス部の加工代を減らすべく当該装着位置に近い側の鋳抜き孔の部分を大径にすれば、挿入口の寸法が過度に大きくなり、上記ボルトヘッドのフランジに対する受け面部分を十分に確保できない。換言すれば、断面円形状の一本の鋳抜きピンを用いると、インローの総加工量を減らすことができないとの問題がある。
ここで、前記図7のように断面円形状の二本の鋳抜きピンを用いて装着位置500に対面する部分側からも同様に鋳抜く場合には、大きなテーパーの鋳抜きピンの使用が可能になり、インローの加工代を減らすことが可能になる。しかし、この場合にもボス部100の嵌合部分150には切削加工を施すことになるので、この嵌合部分150(図中加工範囲と示す)とスクロールを配置させるケーシングインロー260との間に存在する薄肉部分270で加工代が大きくなってしまうことに留意しなければならない。すなわち、当該嵌合部分150では、緻密な鋳肌表面層の残存量がより少なくなり、ケーシング240の強度が低下して洩れ耐性を悪化させるという問題が生ずるのである。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、ボルトを介してエンジンルームの装着位置に取り付けられるケーシングの取り付け部において、そのインローの総加工量を減らすとともに、洩れ耐性の悪化を防止することができるカーエアコン用圧縮機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するべく、請求項1記載のカーエアコン用圧縮機は、冷媒ガスの吸入動作を実施し、作動室の容積を減少させて冷媒ガスの圧縮及び吐出動作を実施する圧縮機構と、圧縮機構を収容するケーシングとを具備し、ケーシングは、ボルトを介してエンジンルーム内の装着位置に固定される取り付け部を有し、取り付け部は、その内部に、ボルトの断面形状とは異なる断面非円形状の鋳抜きピンを用いて形成されたボルト挿通用の鋳抜き孔と、この鋳抜き孔の長手方向の一部に非円形の形態を残して穴加工され、ボルトが嵌合される嵌合部とを有するインローを含むことを特徴としている。
また、請求項2記載の発明では、インローは、非円形状の入口を有するボルト挿入側部を含むことを特徴としている。
更に、請求項3記載の発明では、インローは、装着位置に対面し、非円形状の出口を有するマウント側部を含むことを特徴としている。
更にまた、請求項4記載の発明では、入出口は楕円形状であることを特徴としている。
また、請求項5記載の発明では、入出口は3枚以上の花弁形状であることを特徴としている。
更に、請求項6記載の発明では、嵌合部は、インローの長手方向の略中央位置から任意の位置にずらして配置されていることを特徴としている。
更にまた、請求項7記載の発明では、取り付け部は、ケーシングの外面に複数個設けられていることを特徴としている。
また、請求項8記載の発明では、圧縮機構は、固定スクロール及び可動スクロールを備え、可動スクロールの旋回運動により作動室の容積を減少させて冷媒ガスの圧縮及び吐出動作を実施することを特徴としている。
したがって、請求項1記載の本発明のカーエアコン用圧縮機によれば、インローのうち非円形状で形成される嵌合部では、ボルトに嵌合される部分と嵌合されない部分とが存在し、穴加工による切削加工量を減らすことが可能となる。すなわち、ボルトに嵌合されない部分では、インローの総加工量の低減に寄与することができ、製造コストの削減やその加工を部分的に省略できることによる省エネ化を図ることができる。
更に、切削加工による加工代が少なくなれば、緻密な層を有する鋳肌表面の残存量が多くなり、加工によって表面側に現れる鋳巣を起因として洩れ耐性が悪化してしまうことを防止できる。
また、請求項2記載の発明によれば、嵌合部のうちボルトに嵌合されない部分は、インローの長手方向でボルト挿入側部の非円形状に連なる鋳抜き孔として形成され、穴加工時における切りくずは非円形の形状部分からも外部に掃き出され易くなるので、インローの加工精度の向上を図ることができる。
更に、請求項3記載の発明によれば、この場合にも、嵌合部のうちボルトに嵌合されない部分は、インローの長手方向でマウント側部の非円形状に連なる鋳抜き孔として形成され、穴加工時における切りくずは非円形の形状部分からも外部に掃き出され易くなるので、インローの加工精度の向上を図ることができる。なお、この非円形状の入出口は、圧縮機の装着に関する各種要求に応じてボルト挿入側部若しくはマウント側部のいずれか一方か、又はこれらの双方に設けられていても良い。
更にまた、請求項4記載の発明によれば、嵌合部の長径側の円部分では穴加工による切削加工量がなくなる一方で、短径側の円部分ではボルト係合量を確保することができ、製造コストの削減やその省エネ化の他、取り付け位置の精度向上をも満たすことになる。
また、請求項5記載の発明によれば、嵌合部の花弁を有する部分では穴加工による切削加工量がなくなる一方で、花弁を有しない部分ではボルト係合量を確保することができ、この場合にも、製造コストの削減やその省エネ化の他、取り付け位置の精度向上をも満たすことになる。
更に、請求項6記載の発明によれば、穴加工を必要とする部分を任意の位置に設定することが可能となり、例えばエンジン装着位置に近付ければ圧縮機がより強固に固定され、圧縮機の取り付け位置の精度が向上する。
更にまた、請求項7記載の発明によれば、エンジンの装着位置に確実に固定することができ、圧縮機の取り付け位置の精度がより一層向上する。
また、請求項8記載の発明によれば、スクロール型流体機械に適用すれば、取り付け部のインローとスクロールを配置させるケーシングインローとの間に存在する薄肉部分の最適化を図ることが可能になり、洩れ耐性の悪化が特に防止できる。
以下、図面により本発明の実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態に係るカーエアコン用圧縮機を示す。
当該圧縮機4は、ハウジング20を備えた回転式のスクロール型圧縮機である。ハウジング20は駆動ケーシング22及び圧縮ケーシング(ケーシング)24を有し、駆動ケーシング22は圧縮ケーシング24に向けて大径となる段付きの筒形状をなし、それぞれ開口した両端を有する。一方、圧縮ケーシング24は駆動ケーシング22の大径端に向けて開口したカップ形状をなし、その開口端が駆動ケーシング22の大径端に気密に嵌合され、複数の連結ねじ28を介して駆動ケーシング22に連結されている。
駆動ケーシング22内には回転軸30が配置され、この回転軸30もまた段付き形状なし、一端側の小径軸部32と、他端側の大径端部34とを有する。小径軸部32は駆動ケーシング22の小径端から突出し、その突出端には駆動ディスク42が取り付けられている。駆動ディスク42は電磁クラッチ46を介して駆動プーリ48に連結されており、駆動プーリ48はプーリ軸受50を介して駆動ケーシング22の小径端に回転自在に支持されている。
そして、電磁クラッチ46がオン作動されたときには、電磁クラッチ46は駆動プーリ48と駆動ディスク42とを一体的に連結し、駆動ディスク42、すなわち、回転軸30を駆動プーリ48とともに一方向に回転させる。これに対し、電磁クラッチ46がオフ作動されたときには、電磁クラッチ46は駆動プーリ48と駆動ディスク42との間の連結を解除し、駆動プーリ48から回転軸30の動力の伝達を断つ。
ここで、圧縮ケーシング24には、そのカップ状の開口に連なるケーシングインロー26の内側にスクロールユニット(圧縮機構)52が収容され、このスクロールユニット52は可動スクロール54及び固定スクロール56を備えている。これら可動スクロール54及び固定スクロール56は互いに噛み合うような渦巻きラップ54a,56aを有し、これら渦巻きラップ54a,56aは互いに協働し、シールを介して圧縮室(作動室)58を形成する。この圧縮室58は可動スクロール54の旋回運動により、渦巻きラップ54a,56aの径方向外周側から中心に向けて移動し、この際、その容積が減少される。
上述した可動スクロール54の旋回運動を達成するため、可動スクロール54の基板60は駆動ケーシング22側に向けて突出するボス62を有しており、このボス62は偏心ブッシュ66に回転自在に支持されている。この偏心ブッシュ66はクランクピン68に支持され、このクランクピン68は回転軸30の大径端部34から偏心して突出している。したがって、回転軸30の回転に伴い、クランクピン68及び偏心ブッシュ66を介して可動スクロール54が旋回運動することなる。
固定スクロール56は圧縮ケーシング24内にて固定され、その基板78が圧縮ケーシング24内を圧縮室58側と吐出室80とに仕切っている。基板78にはその中央に圧縮室58に連なる吐出孔82が形成され、この吐出孔82はリード弁84により開閉される。このリード弁84はその弁押さえ86とともに基板78の外面にボルトを介して取り付けられている。
そして、上記圧縮機4では、固定スクロール56に対する可動スクロール54の旋回運動により圧縮室58の容積を減少させて冷媒ガスの圧縮及び吐出動作が実施される。
ところで、図2は図1の圧縮機4を回転軸30の回転方向に90°回転させて示した正面図であり、この正面図に示されるように、上記スクロールユニット52を備えた圧縮ケーシング24には、その外面の適宜位置に4個のボス部(取り付け部)10を有している。これらボス部10は圧縮ケーシング24とともにアルミ等の鋳造によって一体的に成型された直付けタイプの取り付け部である。そして、圧縮機4はボス部10に図示しないボルトを挿通し、エンジンルーム内の所定の装着位置に固定される。
ボス部10の詳細は図3に示されており、その内部にはインロー11が設けられている。このインロー11は、ボルトの断面形状とは異なる断面非円形状の部分を有した鋳抜きピンを用いて鋳抜き孔を形成した後、鋳抜き孔の内面の一部を穴加工により円形の形状に形成して得られている。つまり、インロー11は、非円形状の挿入口12を有するボルト挿入側部13と、ボルトが嵌合されるボルト嵌合部(嵌合部)15と、非円形状の出口16を有し、図示しない装着位置に対面するマウント側部17とから構成されて、挿入口12及び出口16の非円形状はともに等間隔に配設された3枚の花弁形状部14a、14b、14cを有する。
このインロー11の形成には、図4(a)に示される断面非円形状の鋳抜きピン70が2本用いられる。これら鋳抜きピン70は、その基部71から先端72に向けてテーパー形状をなし、その横断面形状でみて周方向に等間隔に配設された3枚の花弁形状部74A、74B、74Cを有する。
鋳抜きピン70は、各ボス部10内にボルト挿入側部13からとマウント側部17からとに別々に挿入され、それぞれ花弁形状部74Aの先端を回転軸30の軸線に向けて、換言すれば圧縮ケーシング24の中心軸に向けて配置させる。そして、各鋳抜きピン70は鋳型に溶湯を流し込み圧縮ケーシング24をボス部10とともに鋳造した後に引き抜かれる。次いで、鋳抜きピン70を用いて形成された鋳抜き孔に対し、穴加工を施すことでインロー11が形成される。なお、上記鋳抜きピン70の形状は、断面非円形状の部分を備えるものであれば良く、全長に亘って断面非円形状をなす図示の形状に特に限定されるものではない。
上記ボルト挿入側部13は鋳抜きピン70の基部71の外周形状によって形成される。ここで、花弁形状部14b、14cでのボルト挿入側部13のc寸法(図3(b))は、ボルトヘッドのフランジの半径よりも十分に小さく、ボルト座面を十分に確保する大きさに設定される。一方、花弁形状部14aでのボルト挿入側部13のc’寸法は、ボルトヘッドのフランジの半径よりも大きく設定されても良い(寸法c’>c)。上記c寸法によってボルト座面は確保されているからである。
上記ボルト嵌合部15は、鋳抜きピン70の基部71に長手方向にて連なる部分の外周形状によって形成される。ボルト嵌合部15は、図3(b)に加工範囲として示され、圧縮機の取り付け位置を決定付けるための精度が要求される部分であることを鑑み、花弁形状部14a、14b、14cに基づく非円形の形態を残して穴加工を施して形成されている。このボルト嵌合部15のd寸法は、切削加工される部分であるので、ボルト呼び径に対して必要なクリアランスを付加した上述の径bの半分の値(b/2)に等しく設定される。
一方、ボルト嵌合部15のd’寸法は、花弁形状部74Aに関わるテーパーの大きさを変えることで任意の長さに設定可能であり、上記d寸法よりも大きく設定することもできる。d’寸法側で緻密な鋳肌表面を残すためである。すなわち、この場合には、ボルト嵌合部15とケーシングインロー26との間に位置する薄肉部分27が鋳肌表面となり、巣洩れ等に対して良好な仕様となる。
このように、ボルト嵌合部15では、花弁形状部14a、14b、14cの存在により、穴加工による切削加工量を従来に比して減らすことが可能となる。しかも、ボルト嵌合部15の周方向で見ると、切削面との間に花弁形状部14a、14b、14cが緻密な層を有する鋳肌表面として残存するので、切削加工によって鋳巣が表出されることもない。
更に、花弁形状部14a、14b、14cでの穴加工による切削加工量が少なくなる一方で、ボルト嵌合部15の周方向に配置された切削面にてボルトを拘束できるので、圧縮機の取り付け位置の精度要求にも応ずることができる。
また、穴加工時の切りくずは、花弁形状部14a、14b、14cからも外部に掃き出され易くなるので、インロー11の加工精度も悪化しない。
なお、ボルト嵌合部15においてd’寸法とd寸法とを同一に設定することが可能である。図3(b)の断面図で見たときのd’寸法側のボルト嵌合部15の内周の穴加工部分の長さ(加工範囲)は、花弁形状部14aに関するテーパーを大きくすることで、d寸法側の穴加工部分の長さ(加工範囲)よりも短くなり、ボス部の長手方向(軸方向)でも切削量を低減できる(図4(b))。しかも、この場合には、結果としてボルトを拘束できる範囲を従来に比して長く設定可能となり、圧縮機の装着に要する力をインロー11のより長い範囲で担うことができる。
次に、図5は本発明の第2実施形態を示すものである。当該実施形態では、インローの形状の点を除き、前記第1実施形態と同一の構成からなることから、このインローの構成について詳細に説明する。
当該ボス部10Aもまた、ボルトの断面形状とは異なる断面非円形状を備えた鋳抜きピンを使用して形成されたインロー11Aを備えている。
具体的には、インロー11Aは、楕円形の挿入口12Aを有するボルト挿入側部13Aと、ボルトが嵌合されるボルト嵌合部15Aと、楕円形状の出口16Aを有し、装着位置に対面するマウント側部17Aとから構成されている。挿入口12Aはその長軸が楕円形状部14dは回転軸30の軸線、換言すれば圧縮ケーシング24の中心軸に向かう楕円形状をなしている。
上記ボルト嵌合部15Aは、図5(b)に加工範囲として示された部分であり、楕円形状部14d、14eに基づく非円形の形態を残して穴加工を施して形成されている。そして、当該実施形態では、ボルト嵌合部15Aがマウント側部17Aにより近付けて構成される。このように、インロー11Aは、ボルト挿入側とマウント側とで非対称に構成され、ボルト嵌合部15Aをインロー11Aの略中央部分から任意の位置にずらして配置させることができる。これは鋳抜きピンのテーパーの大きさを変えることで達成可能であり、加工範囲を任意にずらす、例えば本実施形態の如くマウント側部17Aに近付ければ、圧縮機の取り付け精度が向上するし、しかも、ケーシングインロー26の外周部分から遠ざければ、薄肉部分27が、加工面ではなく、鋳肌表面として残されることから洩れ耐性の悪化を防止できる。
また、穴加工時の切りくずは、楕円形状部14d、14eからも外部に掃き出され易くなるので、インロー11Aの加工精度も悪化しない。
更に、図6は、本発明の第3実施形態を示すものである。当該実施形態もまた、インローの形状の点を除き、前記第1及び第2実施形態と同一の構成からなることから、このインローの構成について詳細に説明する。
当該ボス部10Bのインロー11Bでは、その周方向に等間隔に配設された6枚の花弁形状部14f、14g、14h、14i、14j、14kからなる非円形状の挿入口12Bを有するボルト挿入側部13Bと、ボルトが嵌合されるボルト嵌合部15Bと、非円形状の出口16Bを有し、装着位置に対面するマウント側部17Bとから構成されている。
このようなボス部10によっても、花弁形状部14f〜14kの存在により穴加工による切削加工量を従来に比して減らすことが可能となる。この場合にも、加工範囲であるボルト嵌合部15Bにはその周方向で見て、切削面との間に花弁形状部14f〜14kの存在により緻密な層を有する鋳肌表面が残存する。
更に、花弁形状部14f〜14kは穴加工による切削加工量を少なくさせる一方で、切削面にてボルトを拘束することができ、この場合には圧縮機の取り付け位置の精度要求にも応ずることができる。
当該実施形態のボルト嵌合部15Bは、マウント側部17Bにより近付けて構成されている。このように加工範囲を任意にずらすことにより、前記取り付け位置の精度の向上や洩れ耐性の悪化を防止できる。
なお、花弁形状部の個数は、加工代とボルト拘束との兼ね合いで決定され、必ずしも3枚や6枚に限定されるものではなく、3枚以上にて適宜決定できる。
以上のように、本発明では、インローの鋳肌表面や切削面の設定自由度を現状よりも増やすべく、インローの形状の改良を図っている。
すなわち、非円形の鋳抜き孔を形成しているので、インローの周方向の総加工量が低減し、圧縮機の製造コストの削減を図ることができる。しかも、可能な限り薄い加工代で済むインローが形成されることから、圧縮機の品質改善をも図ることができる。
また、インローの軸方向については、穴加工が施される部分、すなわちボルト嵌合部の位置を任意に設定できるので、エンジンルーム内における圧縮機の取り付け位置精度の向上を図ることができる。更に、穴加工が施されない部分の位置をも任意に設定できることから、この点からも洩れの防止による圧縮機の品質改善に繋がることになる。
以上で本発明の各実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、上記各実施形態では、ボス部毎に2本の鋳抜きピンを用いて鋳抜き孔を形成しているので、鋳抜きピンに大きなテーパーを付けることが可能になり、穴加工による切削加工量を可能な限り減らすことができる。
しかし、本発明は必ずしもこの形態に限定されるものではなく、インローの挿入口及び出口は、圧縮機の装着等の各種要求に応じて、いずれか一方が非円形状であっても良く、この場合にも、圧縮機の装着に要する力は、ボルト嵌合部に担わせることが可能になるとともに、穴加工時における切りくずは、非円形の形状部分からも外部に掃き出され易くなるので、インローの加工精度の向上を図ることができる。挿入口及び出口のいずれか一方を非円形状にする場合には、断面非円形状の鋳抜きピンと従来の断面円形状の鋳抜きピンとの2本の鋳抜きピンを用いるか、又は断面非円形状の1本の鋳抜きピンを用いて鋳抜き孔が形成される。鋳抜きピンの断面を非円形状にすることでそのテーパーを大きくすることが可能になり、1本の鋳抜きピンで済ませれば生産性の更なる向上に繋がる。
また、上記各実施形態では、圧縮ケーシングにボス部が4個設けられているが、圧縮機の装着の要求に応じてこの個数や位置を任意に変更可能である。
更に、本発明は、上記実施形態の如く回転式のスクロール型圧縮機に必ずしも限定されるものではなく、例えば往復式の斜板型圧縮機など、自動車のエンジンに取り付けられる容積形の各種のカーエアコン用圧縮機に適用することができ、この場合にも圧縮機の生産性の向上及びそのコスト削減や取り付け性の向上に貢献できる。
本発明の第1実施形態に係るカーエアコン用圧縮機の断面図である。 図1のカーエアコン用圧縮機の外観構成図である。 図1のカーエアコン用圧縮機におけるケーシングの取り付け部の拡大図であり、(a)は正面図、(b)は矢視断面図である。 (a)は図1の取り付け部の製造に用いられる鋳抜きピンの構成図であり、(b)は他の実施例による取り付け部の断面図である。 本発明の第2実施形態に係るケーシングの取り付け部の拡大図であり、(a)は正面図、(b)は矢視断面図である。 本発明の第3実施形態に係るケーシングの取り付け部の拡大図であり、(a)は正面図、(b)は矢視断面図である。 従来のケーシングの取り付け部の拡大図であり、(a)は正面図、(b)は矢視断面図である。
符号の説明
4 スクロール型圧縮機(カーエアコン用圧縮機)
10、10A、10B、10C ボス部(取り付け部)
11、11A、11B、11C インロー
12、12A、12B、12C 挿入口(入口)
13、13A、13B、13C ボルト挿入側部
14a〜14c、14f〜14k 花弁形状部
14d、14e 楕円形状部
15、15A、15B、15C ボルト嵌合部(嵌合部)
16、16A、16B、16C 出口
17、17A、17B、17C マウント側部
24 圧縮ケーシング(ケーシング)
52 スクロールユニット(圧縮機構)
54 可動スクロール
56 固定スクロール
58 圧縮室(作動室)

Claims (8)

  1. 冷媒ガスの吸入動作を実施し、作動室の容積を減少させて前記冷媒ガスの圧縮及び吐出動作を実施する圧縮機構と、
    該圧縮機構を収容するケーシングとを具備し、
    該ケーシングは、ボルトを介してエンジンルーム内の装着位置に固定される取り付け部を有し、
    該取り付け部は、その内部に、前記ボルトの断面形状とは異なる断面非円形状の鋳抜きピンを用いて形成されたボルト挿通用の鋳抜き孔と、この鋳抜き孔の長手方向の一部に前記非円形の形態を残して穴加工され、前記ボルトが嵌合される嵌合部とを有するインローを含むことを特徴とするカーエアコン用圧縮機。
  2. 前記インローは、非円形状の入口を有するボルト挿入側部を含むことを特徴とする請求項1に記載のカーエアコン用圧縮機。
  3. 前記インローは、前記装着位置に対面し、非円形状の出口を有するマウント側部を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のカーエアコン用圧縮機。
  4. 前記入出口は、楕円形状であることを特徴とする請求項2又は3に記載のカーエアコン用圧縮機。
  5. 前記入出口は、3枚以上の花弁形状であることを特徴とする請求項2又は3に記載のカーエアコン用圧縮機。
  6. 前記嵌合部は、前記インローの長手方向の略中央位置から任意の位置にずらして配置されていることを特徴とする請求項1に記載のカーエアコン用圧縮機。
  7. 前記取り付け部は、前記ケーシングの外面に複数個設けられていることを特徴とする請求項1に記載のカーエアコン用圧縮機。
  8. 前記圧縮機構は、固定スクロール及び可動スクロールを備え、該可動スクロールの旋回運動により前記作動室の容積を減少させて前記冷媒ガスの圧縮及び吐出動作を実施することを特徴とする請求項1に記載のカーエアコン用圧縮機。
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