JPH09158865A - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

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Publication number
JPH09158865A
JPH09158865A JP31778795A JP31778795A JPH09158865A JP H09158865 A JPH09158865 A JP H09158865A JP 31778795 A JP31778795 A JP 31778795A JP 31778795 A JP31778795 A JP 31778795A JP H09158865 A JPH09158865 A JP H09158865A
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JP
Japan
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slide bearing
scroll
rotation restraint
thrust slide
pressure chamber
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Pending
Application number
JP31778795A
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English (en)
Inventor
Teruyuki Akazawa
輝行 赤澤
Sadao Kawahara
定夫 河原
Kunio Iwanami
國雄 岩波
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、スラストすべり軸受面に積極的に
オイルを供給し、良好な潤滑状態を実現し、摺動損失の
少ない高性能、かつ高信頼性のスクロール圧縮機の提供
を目的とするものである。 【解決手段】 固定鏡板5の外周付近でハウジング1内
部を高圧室22と低圧室23に仕切り、低圧室23を形
成するフロントハウジング2と高圧室22を形成するリ
アケーシング3の二分割構成にし、回転拘束部品19を
フロントハウジング2内に形成した台座部20に固定さ
せ、冷媒ガスを回転拘束部品19の側面付近のフロント
ハウジング2に位置させた吸入口28から回転拘束部品
19の内環空間30に吸入させたスクロール圧縮機。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、空調機、冷凍機
等に使用されるスクロール圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の圧縮機は、小形軽量、高効率、低
騒音などの観点からスクロール圧縮機が主流になってき
ている。スクロール圧縮機は多くの特許や文献に開示さ
れ、その動作原理は良く知られている。
【0003】典型的なスクロール型圧縮機の構造の従来
例として、特公昭58−19875号公報に開示された
ボール継ぎ手構造の例を図11に示す。
【0004】圧縮機ハウジング101の後端部に固定鏡
板103の上に渦巻ラップ104を形成した固定スクロ
ール102が固定され、複数個の圧縮作業空間105を
構成するように旋回鏡板107の上に渦巻ラップ108
が形成された旋回スクロール106が噛み合わせられて
いる。旋回鏡板107の背面上に円筒状のボス109が
形成され、その内部に旋回軸受110を配設している。
【0005】旋回駆動機構は、まず、ドライブシャフト
114が圧縮機ハウジング101に回転可能に支持され
ており、ドライブシャフト114の旋回スクロール10
6側の端部にある偏心延出した駆動ピン115は、旋回
軸受110に挿入された偏心ブッシュ111と連結して
いて、ドライブシャフト114からの旋回駆動力を旋回
スクロール106に伝達させている。
【0006】一方、ドライブシャフト114への回転力
の伝達は、軸封装置117を介して圧縮機ハウジング1
01外に突出したドライブシャフト114の端部に取り
付けられた電磁クラッチ118により外部駆動源(例え
ば自動車エンジン、図示せず)の回転をベルト等の伝達
手段(図示せず)を介して行われる。
【0007】旋回鏡板107の上には高硬度の鋼製の旋
回側レース119と旋回側リテーナ120が配置され、
圧縮機ハウジング101の前部の内壁に設けた段部12
1の上に固定側レース122と固定側リテーナ123が
配置され、この両レースと両リテーナで多数個の鋼製の
ボール124を軸方向と旋回半径方向に挟持して旋回鏡
板107に掛かるスラスト力の支承と旋回スクロール1
06の自転を拘束している。
【0008】図11に示される従来のスクロール圧縮機
においては、スラスト力支承部品と自転拘束部品を兼ね
るボール継ぎ手119、120、122、123、12
4を採用しているが、ボールの不均一な転動によって常
時大きな作動音が発生し、また旋回スクロール106の
スラスト力をボール124とボール124を挟持するレ
ース部材119、122で支えるため、剛性と硬度が高
い鋼材を選定しなくてはならず、そのため重量が増加す
る問題がある。
【0009】これらの問題に対して、ボール継ぎ手よ
り、軽量で旋回スクロールの旋回運動に対して軸受面に
不均一な動きのない低騒音な平板状のスラストすべり軸
受の採用によってこれらの課題を解決している。
【0010】この従来例として、実開平4−87380
号公報に開示された例を挙げ、図12を参照して説明す
る。
【0011】旋回スクロール202の旋回駆動機構は図
11を例として上記に示した従来例と同じ構成である。
【0012】さて圧縮機本体の外郭を形成する圧縮機ハ
ウジング203はカップ状ケース204とフロント環状
プレート205と筒状部材206の3部材から構成され
ている。
【0013】固定スクロール201と噛み合い圧縮室2
09を形成する旋回スクロール202に掛かるスラスト
力を支承するスラストすべり軸受207はフロント環状
プレート205内端面に配置されている。旋回スクロー
ル202の自転拘束はオルダムリング208により、実
現されており、オルダムリング208の第一の一対のキ
ー208aは旋回スクロール202の旋回鏡板背面の第
一の径方向の一対のキー溝202dにそれぞれ挿入さ
れ、さらに第一の径方向とは直角に角度をとる第二の一
対のキー(図示しない)はフロント環状プレート205
内端面の第二の径方向の一対のキー溝(図示しない)に
それぞれ挿入されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図12に示さ
れる従来例のスクロール圧縮機において、特にカーエア
コン用圧縮機のような冷媒に混合したオイルミストによ
り潤滑をさせるオイル供給構成においては、スラストす
べり軸受面の摺動抵抗が大きくなり、性能の低下や焼き
付きを招くという課題があった。
【0015】本発明は、上記従来例の課題を解決するも
ので、スラストすべり軸受面で機械損失の少ない高性能
な、かつ高信頼性を有するスクロール圧縮機の提供を目
的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の第1の技術的手段は、冷媒ガスを回転拘束部
品の側面付近のフロントハウジングに位置させた吸入口
から前記回転拘束部品の内環空間に吸入させたものであ
る。
【0017】本発明の第2の技術的手段は、第1の技術
的手段を加え、回転拘束部品に内環空間に連通する複数
個の連通穴を形成し、スラストすべり軸受面にスラスト
すべり軸受側端面から前記連通穴の相対する位置に通路
穴を形成したものである。
【0018】本発明の第3の技術的手段は、第1の技術
的手段を加え、回転拘束部品の外周側面に前記回転拘束
部品の内環空間に連通する複数個の切り欠き溝を設け、
スラストすべり軸受の前記切り欠き溝の相対する位置に
切り欠き通路を形成したものである。
【0019】本発明の第4の技術的手段は、第3の技術
的手段を加え、スラストすべり軸受に形成した切り欠き
通路の近傍上に衝突板を設けたものである。
【0020】本発明の第5の技術的手段は、第4の技術
的手段を加え、衝突板をフロントハウジングの内壁面に
形成した環状溝に係合させたC形止め輪としたものであ
る。
【0021】本発明の第6の技術的手段は、第1の技術
的手段を加え、回転拘束部品の外周側面に前記回転拘束
部品の内環空間に連通する複数個の切り欠き溝を設け、
スラストすべり軸受の前記切り欠き溝の相対する位置に
多孔穴を設けたものである。
【0022】本発明の第7の技術的手段は、第6の技術
的手段を加え、スラストすべり軸受に形成した多孔穴の
近傍上に衝突板を設けたものである。
【0023】本発明の第8の技術的手段は、第7の技術
的手段を加え、衝突板をフロントハウジングの内壁面に
形成した環状溝に係合させたC形止め輪としたものであ
る。
【0024】本発明の第9の技術的手段は、冷媒ガスの
吸入口をスラストすべり軸受面近傍のフロントハウジン
グに位置させたものである。
【0025】本発明の第10の技術的手段は、第9の技
術的手段を加え、スラストすべり軸受もしくは、旋回鏡
板背面に10ミクロンメートル以下の放射溝を形成した
ものである。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明は第1の技術的手段によれ
ば、冷媒ガスを回転拘束部品の内環空間に供給すること
で、冷媒ガスはスラストすべり軸受面を通過して両渦巻
ラップ間で形成される圧縮作業空間に導かれるため、オ
イルミストは冷媒ガスの流れとともに強制的にスラスト
すべり軸受面上に引き込まれる。したがって、スラスト
すべり軸受面は定常的に良好な潤滑状態を実現し、旋回
スクロールの摺動抵抗を軽減することが可能になる。
【0027】また、これによりスラストすべり軸受面の
オイル分離効果が高まり、圧縮作業空間内に入り込むオ
イル量が低減され、体積効率が向上する。
【0028】本発明は第2の技術的手段によれば、第1
の技術的作用に加え、回転拘束部品に設けた複数個の連
通穴とスラストすべり軸受面に設けた通路穴によって、
冷媒ガスは圧縮室にスムーズに流入するので、吸入損失
が少なく性能が良好となる。
【0029】本発明は第3の技術的手段によれば、第1
の技術的作用に加え、複数個の切り欠き溝と切り欠き通
路からなる吸入通路を回転拘束部品の最外周位置に確保
するため、旋回鏡板背面の旋回運動による吸入通路面積
の遮断の影響を受けにくく、さらなる吸入損失の低減が
図られる。
【0030】本発明は第4の技術的手段によれば、第3
の技術作用に加え、スラストすべり軸受の切り欠き通路
を通過した冷媒ガスが、圧縮作業空間に吸い込まれる前
に切り欠き通路の近傍上に設けた衝突板に冷媒ガスを衝
突させ、オイルミストを衝突板で分離することによっ
て、衝突板のオイルがスラストすべり軸受面に落下し、
スラスト部へのオイルの供給量が増し、より潤滑性を向
上させ、摺動損失を低減する。
【0031】本発明は第5の技術的手段によれば、第4
の技術作用に加え、衝突板をフロントハウジングの内壁
面に形成した環状溝に係合させたC形止め輪で実現する
ことで、組立性を良好にし、安価にできる。
【0032】本発明は第6の技術的手段によれば、第1
の技術作用に加え、切り欠き溝を通過したオイルミスト
は、スラストすべり軸受面に形成した多孔穴により、オ
イルの分離効果とスラスト摺動面へのオイル誘い込み効
果を高めることができ、摺動損失の低減による機械効率
の大幅な向上が期待できる。
【0033】本発明は第7の技術的手段によれば、第6
の技術作用に加え、スラストすべり軸受の多孔穴を通過
した冷媒ガスを、多孔穴の近傍上に設けた衝突板に衝突
させ、冷媒ガスからオイルミストを衝突板で分離するこ
とにより、オイルを衝突板からスラストすべり軸受面に
供給し、より摺動損失の低減を図る。
【0034】本発明は第8の技術的手段によれば、第7
の技術手段に加え、衝突板をフロントハウジングの内壁
面に形成した環状溝に係合させたC形止め輪で実現する
ことで、組立性を良好にし、安価にできる。
【0035】本発明は第9の技術的手段によれば、冷媒
ガスの吸入口をスラストすべり軸受面近傍の前記フロン
トハウジングに形成させ、オイルミストをスラストすべ
り軸受に直接供給することにより、スラストすべり軸受
の潤滑効果を高め、摺動損失を低減し、機械効率の向上
を図ることができる。
【0036】本発明は第10の技術的手段においては、
第9の技術手段に加え、スラストすべり軸受もしくは、
旋回鏡板背面に10ミクロンメートル以下の放射溝を形
成することにより、軸受あるいは旋回鏡板背面に供給さ
れたオイルが放射溝で油膜圧力が発生し、流体軸受効果
が期待できる。
【0037】
【実施例】本発明の第1の技術的手段を用いた一実施例
として、図1にスクロール圧縮機の断面図を示す。
【0038】低圧力が作用するフロントハウジング2と
高圧力が作用するリアケーシング3からなる圧縮機ハウ
ジング1の内部に固定スクロール4と複数個の圧縮作業
空間10を形成するように旋回スクロール7が相互に噛
み合わされている。
【0039】固定スクロール4は固定鏡板5の一面上に
渦巻ラップ6を延出し、旋回スクロール7は旋回鏡板8
の一面上に渦巻ラップ9を延出し、旋回鏡板8の渦巻ラ
ップ9の延出面とは反対側の旋回鏡板8背面の中央部に
円筒状ボス11が突設されており、このボス11の内部
に旋回軸受12(ニードルベアリング)を配設圧入して
いる。
【0040】旋回スクロール7に旋回駆動力を伝達する
旋回駆動機構は、圧縮機ハウジング1内の主軸受14お
よび副軸受15にドライブシャフト13が回転可能に支
持されており、ドライブシャフト13の旋回スクロール
7側の端部にある偏心軸16と、旋回軸受12に挿入さ
れた偏心ブッシュ17とが連結して、ドライブシャフト
13からの旋回駆動力を旋回スクロール7に与えてい
る。
【0041】旋回スクロール7はオルダムリング18に
よってその自転を阻止されながら旋回運動のみをする。
オルダムリング18はその環状体の端面に互いに平行な
一対のキー18aが形成され、これとほぼ90゜ずれた
位置にある互いに平行な一対のキー18bが形成されて
いる。キー18aは旋回スクロール7の旋回鏡板8の背
面に形成された一対のキー溝8aに摺動自在に嵌入さ
れ、もう一対のキー18bはフロントハウジング2内の
円環状の台座部20に固定され、このキー18bと対応
して形成された一対のキー溝(図示せず)が形成された
円筒状の回転拘束部品19に摺動自在に嵌入されてい
る。この円筒状の回転拘束部品19によりオルダムリン
グ18はドライブシャフト13の軸に直角な一方向のみ
に運動を拘束されている。また、円筒状の回転拘束部品
19の端面上に平板状のスラストすべり軸受21を配設
し、スラストすべり軸受21を介して、旋回スクロール
7の旋回鏡板8の背面を支承させている。このとき、ス
ラストすべり軸受21は切り欠き部40を回転拘束部品
19の切り欠き溝41に係合させ、回転を阻止させてい
る。
【0042】固定スクロール4の固定鏡板5の外周部分
に圧縮機ハウジング1内部を高圧室22と低圧室23と
仕切るシール部材としてOリング24が挿入されてい
る。この固定スクロール4の固定鏡板5背面に備えられ
た締結脚25をボルト27によって吐出口26を有する
前記リアケーシング3の開口部に締結している。
【0043】吸入口28は回転拘束部品19の側面付近
に形成されている。冷媒ガスは回転拘束部品19の側面
付近の前記フロントハウジング2に位置させた吸入口2
8を通って、回転拘束部品19の内環空間30に供給さ
れ、その後、スラストすべり軸受21面を通過して両渦
巻ラップ6、9間で形成される圧縮作業空間10に吸い
込まれる。この際、冷媒ガスに含まれるオイルミスト
は、積極的にスラストすべり軸受21面に引き込まれる
ため、スラストすべり軸受21面は良好な潤滑性を確保
し、摺動損失の軽減が得られるとともに信頼性が向上す
る。
【0044】また、これによりスラストすべり軸受21
面でのオイル分離効果が高まり、圧縮作業空間10内に
入り込むオイル量が低減され、体積効率の向上が図られ
る。
【0045】次に、本発明の第2の技術的手段を用いた
一実施例を図2に示す主要部品図を参照しながら説明す
る。
【0046】回転拘束部品19にスラストすべり軸受2
1側面から内環空間30に連通する複数個の連通穴31
を設け、さらにスラストすべり軸受21に連通穴31の
相対する位置にする通路穴32を形成する。内環空間3
0に吸入された冷媒ガスは連通穴31と通路穴32を通
って圧縮室にスムーズに流入するので、吸入損失が少な
く性能が良好となる。
【0047】本発明の第3の技術的手段を用いた一実施
例を図3に示す主要部品図を参照しながら説明する。
【0048】回転拘束部品19の外周側面に回転拘束部
品19の内環空間30に連通する複数個の切り欠き溝3
3を設け、スラストすべり軸受21の切り欠き溝33の
相対する位置に切り欠き通路34を形成することで、切
り欠き溝33と切り欠き通路34からなる吸入通路を回
転拘束部品19の最外周位置に確保するため、旋回鏡板
8の旋回運動による吸入通路面積の遮断の影響を受けに
くく、より吸入損失の低減が図られ、高い体積効率を実
現できる。
【0049】次に、本発明の第4の技術的手段を用いた
一実施例を図4に示す部分拡大断面図を参照しながら説
明する。
【0050】スラストすべり軸受21に形成した切り欠
き通路34の近傍のフロントハウジング2の内壁面にボ
ルト42により固定された衝突板36を設け、回転拘束
部品19の内環空間30に供給された冷媒ガスが、切り
欠き溝33と切り欠き通路34を抜け、冷媒ガスに含ま
れるオイルミストが衝突板36で衝突分離し、オイルを
スラストすべり軸受21面に落とし、オイル供給量が増
し、潤滑性を向上させ、軸受21面の機械効率を向上さ
せる。
【0051】本発明の第5の技術的手段を用いた一実施
例を図5に示す部分拡大断面図を参照する。
【0052】衝突板をフロントハウジング2の内壁面に
形成した環状溝37に係合させたC形止め輪38で実現
することで、組立性を良好にし、安価にできる。
【0053】本発明の第6の技術的手段を用いた一実施
例を図6の主要部品図を参照しながら説明する。
【0054】回転拘束部品19の外周側面に回転拘束部
品19の内環空間30に連通する複数個の切り欠き溝3
3を設け、スラストすべり軸受21の切り欠き溝33の
相対する位置に多孔穴35を設けることで、切り欠き溝
33を通過したオイルミストは、スラストすべり軸受2
1面に形成した多孔穴35により、オイルの分離効果と
スラスト摺動面へのオイル誘い込み効果が高まり、軸受
21面におけるオイル供給量が増し、摺動損失の低減に
よる機械効率の大幅な向上が実現できる。
【0055】本発明の第7の技術的手段を用いた一実施
例を図7に部分拡大断面図を示す。スラストすべり軸受
21の多孔穴35を通過した冷媒ガスを、多孔穴35の
近傍のフロントハウジング2の内壁面に設けた衝突板3
6に衝突させ、冷媒ガスに含まれるオイルミストをボル
ト42により固定された衝突板36で分離させることに
よって、オイルを衝突板36からスラストすべり軸受面
25に供給し、より高い摺動損失の低減効果が期待でき
る。
【0056】次に、本発明の第8の技術的手段を用いた
一実施例を図8に部分拡大断面図を示す。
【0057】衝突板をフロントハウジング2の内壁面に
形成した環状溝37に係合させたC形止め輪38で実現
することで、組立性を良好にし、安価にできる。
【0058】本発明は第9の技術的手段を用いた一実施
例を図9に示す部分断面図を参照する。
【0059】冷媒ガスの吸入口28をスラストすべり軸
受21面近傍のフロントハウジング2に形成させ、オイ
ルミストをスラストすべり軸受21に直接供給すること
により、スラストすべり軸受21の潤滑効果を高め、摺
動損失を低減し、機械効率を高める。
【0060】次に、本発明は第10の技術的手段を用い
た一実施例を図10に示す主要部品の平面図を参照して
説明する。
【0061】スラストすべり軸受21もしくは、旋回鏡
板8背面に10ミクロンメートル以下の放射溝39を形
成し、軸受21あるいは旋回鏡板8背面に供給されたオ
イルが放射溝39で油膜圧力が形成し、流体軸受効果が
得られる。
【0062】なお、本発明を開放型の車両用のスクロー
ル圧縮機の実施例について説明したが、本発明は、この
ような実施例に限定されるものではなく、電動機を内蔵
する密閉型圧縮機など、本発明の範囲内で種々の設計が
可能であることは言うまでもない。
【0063】
【発明の効果】本発明の第1の技術的効果は、スラスト
すべり軸受背部の回転拘束部品の内環空間に冷媒を吸入
させ、スラスト面を通過させて圧縮室に流入させる構成
により、スラストすべり軸受面へのオイル供給効果を高
め、摺動損失を低減して、高性能化および高信頼化を図
る。
【0064】また、スラストすべり軸受面のオイル分離
効果を高め、圧縮室に入り込むオイル量が軽減するた
め、体積効率による性能の向上を得る。
【0065】本発明の第2の技術的効果は、回転拘束部
品およびスラストすべり軸受にガス通路穴を形成させ、
圧縮室へのスムーズな流入経路の確保により、吸入損失
を低減させ、圧縮室へのスムーズな流入経路の確保によ
り、吸入損失を低減させ、性能向上を図ることができ
る。
【0066】本発明の第3の技術的効果は、切り欠き溝
と切り欠き通路からなる吸入通路を回転拘束部品の最外
周位置に確保するため、旋回鏡板背面の旋回運動による
吸入通路面積の遮断の影響を受けにくく、さらなる吸入
損失の低減が図られ、性能向上を図る。
【0067】本発明の第4の技術的効果は、切り欠き通
路の近傍上に設けた衝突板に冷媒ガスを衝突させ、冷媒
ガスに含まれたオイルミストを衝突板で分離し、スラス
トすべり軸受面に供給し、より潤滑性を向上させ、摺動
損失を低減する。
【0068】本発明の第5の技術的効果は、衝突板をフ
ロントハウジングの内壁面に形成した環状溝に係合させ
たC形止め輪で実現することで、組立性を良好にし、安
価に、衝突板の摺動損失の低減効果を図ることができ
る。
【0069】本発明の第6の技術的効果は、切り欠き溝
を通過したオイルミストを、軸受面に形成した多孔穴に
より、オイルの分離効果とスラスト摺動面へのオイル誘
い込み効果を高め、摺動損失の低減による性能の大幅な
向上が得られる。
【0070】本発明の第7の技術的効果は、多孔穴の近
傍上に設けた衝突板に冷媒ガスを衝突させ、冷媒ガスに
含まれたオイルミストを衝突板で分離、軸受面に供給
し、良好な潤滑状態を実現することで摺動損失の低減を
図る。
【0071】本発明の第8の技術的効果は、衝突板をフ
ロントハウジングの内壁面に形成した環状溝に係合させ
たC形止め輪で実現することで、組立性を良好にし、安
価に、衝突板の摺動損失の低減効果を得ることができ
る。
【0072】本発明の第9の技術的効果は、吸入口を軸
受面近傍のフロントハウジングに形成させ、オイルミス
トを軸受面に直接供給することにより、軸受の潤滑効果
を高め、機械効率の向上を図る。
【0073】本発明の第10の技術的効果は、スラスト
すべり軸受もしくは、旋回鏡板背面に10ミクロンメー
トル以下の放射溝を形成することにより、軸受あるいは
旋回鏡板背面に供給されたオイルが放射溝で油膜圧力が
発生し、流体軸受効果による性能向上が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の技術手段を用いた本発明の一実施例を示
すスクロール圧縮機の断面図
【図2】(a)は第2の技術手段を用いた同スラストす
べり軸受の平面図 (b)は第2の技術手段を用いた同回転拘束部品の平面
図 (c)は第2の技術手段を用いた同回転拘束部品の断面
【図3】(a)は第3の技術手段を用いた同スラストす
べり軸受の平面図 (b)は第3の技術手段を用いた同回転拘束部品の平面
図 (c)は第3の技術手段を用いた同回転拘束部品の断面
【図4】第4の技術手段を用いた同要部部分拡大断面図
【図5】(a)は第5の技術手段を用いた同要部部分拡
大断面図 (b)は第5の技術手段を用いた同C形止め輪の平面図
【図6】(a)は第6の技術手段を用いた同スラストす
べり軸受の平面図 (b)は第6の技術手段を用いた同回転拘束部品の平面
図 (c)は第6の技術手段を用いた同回転拘束部品の断面
【図7】第7の技術手段を用いた同要部部分拡大断面図
【図8】(a)は第8の技術手段を用いた同要部部分拡
大断面図 (b)は第8の技術手段を用いた同C形止め輪の平面図
【図9】第9の技術手段を用いた同スクロール圧縮機の
断面図
【図10】(a)は第10の技術手段を用いた同スラス
トすべり軸受の正面図 (b)は第10の技術手段を用いた同旋回鏡板背面の正
面図
【図11】従来例を示すスクロール圧縮機の断面図
【図12】他の従来例を示すスクロール圧縮機の断面図
【符号の説明】
1 圧縮機ハウジング 2 フロントハウジング 3 リアケーシング 4 固定スクロール 5 固定鏡板 6 渦巻ラップ 7 旋回スクロール 8 旋回鏡板 9 渦巻ラップ 13 ドライブシャフト 18 オルダムリング 19 回転拘束部品 20 台座部 21 スラストすべり軸受 22 高圧室 23 低圧室 28 吸入口 30 内環空間 31 連通穴 32 通路穴 33 切り欠き溝 34 切り欠き通路 35 多孔穴 36 衝突板 37 環状溝 38 C形止め輪 39 放射溝

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧縮機ハウジング内に、固定鏡板の上に渦
    巻ラップを延出した固定スクロールと、旋回鏡板の上に
    渦巻ラップを延出した旋回スクロールと、前記圧縮機ハ
    ウジングに回転可能に支持したドライブシャフトと、前
    記ドライブシャフトからの駆動力を前記旋回スクロール
    に伝達する旋回駆動機構と、前記旋回スクロールの自転
    を拘束して旋回のみをさせるオルダムリングと、前記オ
    ルダムリングを前記ドライブシャフトの軸に直角な方向
    に往復運動させる円筒状の回転拘束部品と、前記回転拘
    束部品上に前記旋回スクロールに掛かるスラスト力を支
    える平板状のスラストすべり軸受とを備えたスクロール
    圧縮機において、前記固定スクロールの前記固定鏡板の
    外周付近で前記圧縮機ハウジング内部を高圧室と低圧室
    に仕切り、前記圧縮機ハウジング内の前記低圧室を形成
    するフロントハウジングと前記高圧室を形成するリアケ
    ーシングの二分割構成にし、前記回転拘束部品を前記フ
    ロントハウジング内に形成した円環状の台座部に固定さ
    せ、冷媒ガスを前記回転拘束部品の側面付近の前記フロ
    ントハウジングに位置させた吸入口から前記回転拘束部
    品の内環空間に吸入させたスクロール圧縮機。
  2. 【請求項2】回転拘束部品にスラストすべり軸受側端面
    から内環空間に連通する複数個の連通穴を形成し、スラ
    ストすべり軸受面の前記連通穴の相対する位置に通路穴
    を形成した請求項1記載のスクロール圧縮機。
  3. 【請求項3】回転拘束部品の外周側面に前記回転拘束部
    品の内環空間に連通する複数個の切り欠き溝を設け、ス
    ラストすべり軸受の前記切り欠き溝の相対する位置に切
    り欠き通路を形成した請求項1記載のスクロール圧縮
    機。
  4. 【請求項4】スラストすべり軸受に形成した切り欠き通
    路の近傍上に衝突板を設けた請求項3記載のスクロール
    圧縮機。
  5. 【請求項5】衝突板をフロントハウジングの内壁面に形
    成した環状溝に係合させた時C形止め輪とした請求項4
    記載のスクロール圧縮機。
  6. 【請求項6】回転拘束部品の外周側面に前記回転拘束部
    品の内環空間に連通する複数個の切り欠き溝を設け、ス
    ラストすべり軸受の前記切り欠き溝の相対する位置に多
    孔穴を設けた請求項1記載のスクロール圧縮機。
  7. 【請求項7】スラストすべり軸受に形成した多孔穴の近
    傍上に衝突板を設けた請求項6記載のスクロール圧縮
    機。
  8. 【請求項8】衝突板をフロントハウジングの内壁面に形
    成した環状溝に係合させたC形止め輪とした請求項7記
    載のスクロール圧縮機。
  9. 【請求項9】圧縮機ハウジング内に、固定鏡板の上に渦
    巻ラップを延出した固定スクロールと、旋回鏡板の上に
    渦巻ラップを延出した旋回スクロールと、前記圧縮機ハ
    ウジングに回転可能に支持したドライブシャフトと、前
    記ドライブシャフトからの駆動力を前記旋回スクロール
    に伝達する旋回駆動機構と、前記旋回スクロールの自転
    を拘束して旋回のみをさせるオルダムリングと、前記オ
    ルダムリングを前記ドライブシャフトの軸に直角な方向
    に往復運動させる円筒状の回転拘束部品と、前記回転拘
    束部品上に前記旋回スクロールに掛かるスラスト力を支
    える平板状のスラストすべり軸受とを備えたスクロール
    圧縮機において、前記固定スクロールの前記固定鏡板の
    外周付近で前記圧縮機ハウジング内部を高圧室と低圧室
    に仕切り、前記圧縮機ハウジング内の前記低圧室を形成
    するフロントハウジングと前記高圧室を形成するリアケ
    ーシングの二分割構成にし、前記回転拘束部品を前記フ
    ロントハウジング内に形成した円環状の台座部に固定さ
    せ、冷媒ガスの吸入口を前記スラストすべり軸受面近傍
    の前記フロントハウジングに位置させたスクロール圧縮
    機。
  10. 【請求項10】スラストすべり軸受もしくは、旋回鏡板
    背面に10ミクロンメートル以下の放射溝を形成した請
    求項9記載のスクロール圧縮機。
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Cited By (4)

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JP2000108649A (ja) * 1998-10-05 2000-04-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd スクロールコンプレッサ
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WO2018030065A1 (ja) * 2016-08-10 2018-02-15 サンデン・オートモーティブコンポーネント株式会社 スクロール型流体機械

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