JP2005155578A - スクロール型流体機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】 可動スクロールの回転阻止機構の耐久性及び生産性の向上を図ることができるスクロール型流体機械を提供する。
【解決手段】 回転阻止機構 (10)は、駆動ケーシングと可動スクロールとの間に介装され、可動スクロールの自転を拘束させる拘束部材(11)と、駆動ケーシングに突設されて拘束部材に係合される固定側ピンと、可動スクロールに突設されて拘束部材に係合され、拘束部材により規制されつつ固定側ピンの軸心周りに旋回する旋回側ピンと、拘束部材と固定側ピンとの間、及び拘束部材と旋回側ピンとの間での摺動を軽減する摺動影響低減手段(16)とを含むよう構成する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、スクロール型流体機械に係り、例えば自動車用空調システムを構成する冷凍回路のための圧縮機として好適なスクロール型流体機械に関する。
この種のスクロール型流体機械、つまり、スクロール型圧縮機は冷凍回路に備えられ、例えば自動車ではエンジンルーム内に配置される。より具体的には、圧縮機はエンジンルームと車室との間を区画するインストルメントパネル内に配置された蒸発器に循環管路の復路を介して接続され、この循環回路の往路には凝縮器及び膨張弁が介挿される。
そして、この圧縮機はスクロールユニット、すなわち、固定及び可動スクロールを備えており、可動スクロールを固定スクロールに対して旋回させることにより作動ガスを上記循環管路の復路から吸い込んで圧縮し、この圧縮した作動ガスを凝縮器に向けて吐出する。
この可動スクロールの旋回運動を行うためには、駆動ケーシングに回転自在に支持された回転軸周りの可動スクロールの公転を妨げることなく、可動スクロールの自転を阻止する必要がある。そこで、この自転を阻止する回転阻止機構としては駆動ケーシングと可動スクロールとの間にその自転を拘束させる複数の拘束部材を設け、これら拘束部材を駆動ケーシング及び可動スクロールの双方にピン結合させたスクロール型圧縮機(特許文献1)が知られている。
特開2000−230487号公報(段落番号0029〜0031、図2等)
図7は上記圧縮機の拘束部材を示す。当該拘束部材110には、可動スクロールから突設されたピンが係合する旋回側係合孔130と、駆動ケーシングから突設されたピンが係合する固定側係合孔120とを並設的に有する。この旋回側係合孔130及び固定側係合孔120は、可動スクロール側の旋回側端面190Rから駆動ケーシング側の固定側端面190Fに亘ってそれぞれ拘束部材110を別個独立して貫通している。換言すれば、旋回側係合孔130と固定側係合孔120との間には、旋回側端面190Rから固定側端面190Fに亘って閉塞する閉塞領域部180が備えられている。
ところで、可動スクロールの旋回運動中における自転阻止は、可動スクロールに突設されたピンが拘束部材を伴い、駆動ケーシングに突設されたピンの周りに旋回することで達成される。よって、可動スクロールに突設されたピンと旋回側係合孔130との間、及び駆動ケーシングに突設されたピンと固定側係合孔120との間には摺動による熱が発生する。つまり、各ピンが全周に亘って拘束されて摺動するので、その摺動熱が非常に高くなり、回転阻止機構の耐久性が低下してしまうとの問題がある。また、各ピンが全周に亘って拘束される形状ではピン周りの潤滑が不足することになる。この点も摺動熱の抑制の妨げとなる。
すなわち、前記従来の技術では、拘束部材とピンとの摺動に伴う影響などについて格別な配慮がなされていない。
また、上記拘束部材は、一般的にその本体に旋回側係合孔130や固定側係合孔120を孔加工して得られるが、孔加工には手間が係り、拘束部材の生産性の向上が図れないとの問題も生じる。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、可動スクロールの回転阻止機構の耐久性及び生産性の向上を図ることができるスクロール型流体機械を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するべく、請求項1記載のスクロール型流体機械は、駆動ケーシング及び圧縮ケーシングを有するハウジングと、駆動ケーシング内を延び、駆動ケーシングに軸受を介して回転自在に支持された回転軸と、圧縮ケーシング内に収容され、回転軸により駆動されて作動ガスの吸込、圧縮及び吐出の一連のプロセスを実施するスクロールユニットとを具備し、スクロールユニットは、回転軸により駆動されて固定スクロールの軸心周りに公転旋回運動される可動スクロールと、可動スクロールの公転旋回運動を妨げることなく可動スクロールの自転を阻止する回転阻止機構とを含み、回転阻止機構は、駆動ケーシングと可動スクロールとの間に介装され、可動スクロールの自転を拘束させる拘束部材と、駆動ケーシングに突設されて拘束部材に係合する固定側ピンと、可動スクロールに突設されて拘束部材に係合し、拘束部材により規制されつつ固定側ピンの軸心周りに旋回する旋回側ピンと、拘束部材と固定側ピンとの間、及び拘束部材と旋回側ピンとの間での摺動を軽減する摺動影響低減手段とを含むことを特徴としている。
また、請求項2記載の発明では、拘束部材は、固定側ピンが係合する固定側係合孔と、旋回側ピンが係合する旋回側係合孔とを有し、摺動影響低減手段は、拘束部材に設けられ、固定側係合孔と旋回側係合孔との間をその孔径の幅で連通させる長孔連通部を含むことを特徴としている。
更に、請求項3記載の発明では、拘束部材は、固定側ピンが係合する固定側係合孔と、旋回側ピンが係合する旋回側係合孔とを有し、摺動影響低減手段は、拘束部材に設けられ、固定側係合孔と旋回側係合孔との間をその孔径よりも小なる幅で連通させるスリット部を含むことを特徴としている。
更にまた、請求項4記載の発明では、摺動影響低減手段は、スリット部内に設けられ、孔の深さ方向でスリット部内を部分的に埋設した閉塞領域部を更に備えることを特徴としている。
また、請求項5記載の発明では、閉塞領域部は、拘束部材の可動スクロールに対面する旋回側端面から孔の深さ方向に向けて略中間の深さ位置までに亘って設けられることを特徴としている。
更に、請求項6記載の発明では、閉塞領域部は、孔の深さ方向で略中間の深さ位置から拘束部材の可動スクロールに対面する旋回側端面及び駆動ケーシングに対面する固定側端面との間にそれぞれ所定の間隔を残して設けられることを特徴としている。
したがって、請求項1記載の本発明のスクロール型流体機械によれば、拘束部材に係合された旋回側ピンが同じく拘束部材に係合された固定側ピン周りに旋回するにあたり、摺動影響低減手段がこれらの間に生ずる摺動に関する影響、例えば、摺動に伴う熱や摩耗による影響を低減することから、可動スクロールの回転阻止機構の耐久性が向上する。従って、スクロール型流体機械の信頼性向上に寄与できる。
また、請求項2記載の発明は、固定側ピン及び旋回側ピンには可動スクロールの公転旋回運動に伴う引張力がこれらのピンを互いに離間させる方向にしか生じないことに鑑みたものである。そして、請求項2記載の発明によれば、長孔連通部により固定側係合孔と旋回側係合孔とがその孔径の幅で連通されているので、長孔連通部に対面する固定側ピンや旋回側ピンの部分、つまり、互いに向かい合う半周分のピン部分からは摺動に伴う熱を良好に発散させることができる。また、当該ピン部分ではその潤滑も良好に行われ、この点からも摺動に関する各種の影響を低減させることが可能となる。
しかも、上述の固定側係合孔、長孔連通部及び旋回側係合孔の形状は、孔加工に寄らずに焼結、鍛造やプレス加工などで少ない行程で成型することができる。よって製造コストの低減を図ることができる。
更に、請求項3記載の発明によれば、この場合にも、上記引張力を考慮することなく、スリット部を介して放熱及び潤滑を行え、摺動に関する各種の影響を低減させることができる。また、この形状も製造コストの低減に繋がる。
更にまた、請求項4記載の発明によれば、閉塞領域部では、スリット部を埋めて固定側係合孔と旋回側係合孔とを部分的に連通させない領域とすることから、連通領域では、ピンや拘束部材の放熱良好化及びピンの潤滑性良好化が図られる。一方、連通させない領域では拘束部材の強度向上を図ることができる。更に、この場合には固定側ピン及び旋回側ピンをより多くの面で支持できる。つまり、各ピン間の位置精度要求される場合にも好適に応ずることができる。
また、請求項5記載の発明によれば、可動スクロールではその自転運動が規制されつつ公転運動が行われることから、仕様により旋回側ピンには固定側ピンに比して複雑な力が生じ得る。しかし、可動スクロールに対面するスリット部の略半分を連通させない領域として構成させるので、可動スクロール側に対面する拘束部材の強度要求に応ずることができる。よって、放熱や潤滑を維持しつつ上記複雑な力にも好適に対応可能となる。
更に、請求項6記載の発明によれば、スリット部の駆動ケーシング及び可動スクロールに対面する部分を連通させる領域とし、換言すれば、スリット部の深さの略中間部分だけを連通させない領域として構成させるので、拘束部材をその重心位置での強度化を図り、バランスの良好な拘束部材を構成させることができる。
以下、図面により本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るスクロール型流体機械を示す。
当該流体機械4は、ハウジング20を備えた回転式のスクロール型圧縮機である。ハウジング20は駆動ケーシング22及び圧縮ケーシング24を有し、駆動ケーシング22は圧縮ケーシング24に向けて大径となる段付きの筒形状をなし、それぞれ開口した両端を有する。一方、圧縮ケーシング24は駆動ケーシング22の大径端に向けて開口したカップ形状をなし、その開口端が駆動ケーシング22の大径端に気密に嵌合され、複数の連結ねじ28を介して駆動ケーシング22に連結されている。
駆動ケーシング22内には回転軸30が配置され、この回転軸30もまた段付き形状なし、一端側の小径軸部32と、他端側の大径端部34とを有する。小径軸部32は駆動ケーシング22の小径端から突出し、その突出端には駆動ディスク42がナット44を介して取り付けられている。駆動ディスク42は電磁クラッチ46を介して駆動プーリ48に連結されており、駆動プーリ48はプーリ軸受50を介して駆動ケーシング22に回転自在に支持されている。
大径端部34はニードル軸受36を介して駆動ケーシング22に回転自在に支持されている。また、回転軸30の小径軸部32もまたボール軸受38を介して駆動ケーシング22に回転自在に支持されている。更に、駆動ケーシング22内にはボール軸受38とニードル軸受36との間にリップシール40が配置されており、このリップシール40は回転軸30の小径軸部32に相対的に摺接し、駆動ケーシング22内を気密に区画している。
そして、電磁クラッチ46がオン作動されたときには、電磁クラッチ46は駆動プーリ48と駆動ディスク42とを一体的に連結し、駆動ディスク42、すなわち、回転軸30を駆動プーリ48とともに一方向に回転させる。これに対し、電磁クラッチ46がオフ作動されたときには、電磁クラッチ46は駆動プーリ48と駆動ディスク42との間の連結を解除し、駆動プーリ48から回転軸30の動力の伝達を断つ。
ここで、圧縮ケーシング24にはスクロールユニット52が収容され、このスクロールユニット52は可動スクロール54及び固定スクロール56を備えている。これら可動スクロール54及び固定スクロール56は互いに噛み合うような渦巻きラップ54a,56aを有し、これら渦巻きラップ54a,56aは互いに協働し、シールを介して圧縮室58を形成する。この圧縮室58は可動スクロール54の旋回運動により、渦巻きラップ54a,56aの径方向外周側から中心に向けて移動し、この際、その容積が減少される。
上述した可動スクロール54の旋回運動を達成するため、可動スクロール54の基板60は駆動ケーシング22側に向けて突出するボス62を有しており、このボス62は偏心ブッシュ66に回転自在に支持されている。この偏心ブッシュ66はクランクピン68に支持され、このクランクピン68は回転軸30の大径端部34から偏心して突出している。したがって、回転軸30の回転に伴い、クランクピン68及び偏心ブッシュ66を介して可動スクロール54が旋回運動することなる。
また、偏心ブッシュ66にはこの偏心ブッシュ66と大径端部34との間に挟持されるようにしてカウンタウエイト70が連結ピン71を介して取り付けられており、このカウンタウエイト70は複数の大小の円弧状プレートを重ね合わせて構成され、可動スクロール54の旋回運動に対するバランスウエイトとなる。
固定スクロール56は圧縮ケーシング24内にて固定され、その基板78が圧縮ケーシング24内を圧縮室58側と吐出室80とに仕切っている。基板78にはその中央に圧縮室58に連なる吐出孔82が形成され、この吐出孔82はリード弁84により開閉される。このリード弁84はその弁押さえ86とともに基板78の外面にボルトを介して取り付けられている。なお、図示されていないが、圧縮ケーシング24の周壁には圧縮室58及び吐出室80にそれぞれ連通する吸込口及び吐出口が形成されており、吸込口は前述した循環管路の復路に接続され、吐出口は循環管路の往路に接続されている。
そして、上記圧縮機4では、回転軸30の回転に伴い、クランクピン68及び偏心ブッシュ66を介して可動スクロール54が旋回運動する。この際、可動スクロール54の自転は回転阻止機構10の働きにより阻止された状態にある。この結果、可動スクロール54はその旋回姿勢を一定に維持した状態で固定スクロール56に対して旋回運動し、この旋回運動は循環管路の往路から吸込口を通じて圧縮室58内に作動ガスを吸い込み、この吸い込んだ作動ガスの圧縮を行い、そして、圧縮された作動ガスをリード弁84を通じて吐出室80内に吐出する一連のプロセスを実施し、この後、圧縮作動ガスは吐出室80から吐出口を通じて循環管路の往路に供給される。
上記回転阻止機構10は駆動ケーシング22の大径端と可動スクロール54の基板60との間に介装される拘束部材11を備えている。拘束部材11は駆動ケーシング22及び可動スクロール54とピン結合される。可動スクロール54には旋回側ピン15を突設させるピン嵌合孔54hが設けられている。一方、駆動ケーシング22にも固定側ピン14を突設させるピン嵌合孔22hが設けられている。これらピン嵌合孔54h及びピン嵌合孔22hはそれぞれ等間隔に4つずつ設けられる。
そして、上記回転阻止機構10の詳細は図2及び図3に示されており、回転阻止機構10は小判状の拘束部材11に、ピン嵌合孔54hに嵌合させた旋回側ピン15及びピン嵌合孔22hに嵌合させた固定側ピン14をそれぞれ係合して構成される。
拘束部材11は、固定側端面19Fが駆動ケーシング22に対面し、旋回側端面19Rが可動スクロール54に対面して配置される。拘束部材11には、固定側ピン14の突出部分が係合する固定側係合孔12及び旋回側ピン15の突出部分が係合する旋回側係合孔13が備えられ、これら各係合孔12、13は拘束部材11の長手方向に離間している。そして、本実施形態の拘束部材11には、固定側係合孔12と旋回側係合孔13とをその孔径の幅で連通させる長孔連通部(摺動影響低減手段)16が設けられている。
可動スクロール54が固定スクロール56の軸心周りに公転されるとき、旋回側ピン15は拘束部材11により規制されながら固定側ピン14の周りで旋回される。この際、拘束部材11には、固定側ピン14と固定側係合孔12との係合部分及び旋回側ピン15と旋回側係合孔13との係合部分にその旋回運動に伴う引張力が、固定側ピン14及び旋回側ピン15を互いに離間させる方向に生ずる。
すなわち、固定側ピン14及び旋回側ピン15の向かい合う方向では、上記離間させる方向に比して引張力に対する強度が拘束部材11に特に求められないのである。例えば、本実施形態の如く4つの回転阻止機構10を備える場合には、駆動ケーシング22の最外周側近傍に位置する回転阻止機構10が主として上記引張力を受ける(図2)。そして、各回転阻止機構10は可動スクロールの旋回に伴って上記引張力を順次受け渡している。
このように、当該実施形態の回転阻止機構10によれば、旋回側ピン15が固定側ピン14の周りに旋回する際に、長孔連通部16に対面する固定側ピン14や旋回側ピン15の部分からは摺動に伴う摺動熱を効率良く発散させる。また、長孔連通部16を介して固定側ピン14や旋回側ピン15の潤滑が行われる。よって、摺動に伴う熱や摩耗による影響が低減され、回転阻止機構の耐久性が向上する。
しかも、上述の旋回側係合孔13、長孔連通部16及び固定側係合孔12を有する拘束部材11の形状は板材から打ち抜き加工により得られるから、その生産性が向上し、製造コストを低減できる。
ところで、固定側係合孔と旋回側係合孔とはスリットで連通させても良い。具体的には、図4に示すように拘束部材11Aには、固定側係合孔12Aと旋回側係合孔13Aとをその孔径よりも小なる幅で連通させるスリット部(摺動影響低減手段)16Aを設ける。
これにより、スリット部16Aでは摺動が断たれることになり、上記引張力を考慮せずに、スリット部16Aに対面する固定側ピン14や旋回側ピン15の部分からは摺動熱の放熱や潤滑が行える。よって、この場合にも摺動に伴う熱や摩耗による影響が低減され、回転阻止機構の耐久性が向上する。そして、この回転阻止機構の耐久性向上は拘束部材の薄肉化や安価材料への変更が達成可能となり、製造コストのより一層の低減に繋がる。更に、圧縮機4の組み立て時には各ピンの位置が定まっており、その生産性の向上を図ることができる。しかも、旋回時における各ピンの位置精度も向上する。
また、上記スリットの一部を孔の深さ方向で見て埋め込んでも良い。つまり、スリット部には連通領域と連通させない領域とを設け、ピンや拘束部材の放熱及び潤滑を図る役割と拘束部材の強度向上やピンの位置精度の向上を図る役割とを備えさせることができる。
具体的には、まず図5に示すように、スリット部(摺動影響低減手段)16Bを備えた拘束部材11Bには、旋回側端面19Rから固定側係合孔12B及び旋回側係合孔13Bの深さ方向に向けて略中間の深さ位置に至るまで閉塞領域部(摺動影響低減手段)17Bを設ける構成である。
これにより、圧縮機の仕様などによって旋回側ピンの方に複雑な力が生じたとしても、閉塞領域部17Bでは拘束部材11Bの強度向上が図られる。一方、閉塞領域部17Bのないスリット部分では依然として摺動熱の放熱や潤滑が可能となる。
また、図6に示すように、スリット部(摺動影響低減手段)16Cを備えた拘束部材11Cには、固定側係合孔12C及び旋回側係合孔13Bの深さ方向で略中間の深さ位置から旋回側端面19R及び固定側端面19Fまでには至らない深さ位置、換言すれば、拘束部材11Cの重心の周囲にのみ、連通させない閉塞領域部(摺動影響低減手段)17Cを設ける構成である。
これにより、当該略中間の深さ位置近傍の閉塞領域部17Cでは拘束部材11Cの強度向上が図られるし、拘束部材11Cがより安定して回転する。一方、閉塞領域部17Cのないスリット部分では依然として摺動熱の放熱や潤滑が可能となる。
以上で本発明の一実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、上記実施形態では4つの拘束部材を等間隔に配置させているが、本発明は必ずしもこの個数や位置が特定されている実施形態に限定されるものではない。
本発明の一実施形態に係るスクロール型流体機械の断面構成図である。 図1のスクロール型流体機械における拘束部材等を備えた駆動ケーシングの正面図である。 (a)は図1の拘束部材の正面図であり、(b)は矢視断面図である。 (a)は他の実施例における拘束部材の正面図であり、(b)は矢視断面図である。 (a)は他の実施例における拘束部材の正面図であり、(b)は矢視断面図である。 (a)は他の実施例における拘束部材の正面図であり、(b)は矢視断面図である。 (a)は従来のスクロール型流体機械における拘束部材の正面図であり、(b)は矢視断面図である。
符号の説明
4 スクロール型流体機械
10 回転阻止機構
11、11A〜11C 拘束部材
12、12A〜12C 固定側係合孔
13、13A〜13C 旋回側係合孔
14 固定側ピン
15 旋回側ピン
16 長孔連通部(摺動影響低減手段)
16A スリット部(摺動影響低減手段)
16B スリット部(摺動影響低減手段)
16C スリット部(摺動影響低減手段)
17B 閉塞領域部(摺動影響低減手段)
17C 閉塞領域部(摺動影響低減手段)
19F 固定側端面
19R 旋回側端面
20 ハウジング
22 駆動ケーシング
24 圧縮ケーシング
30 回転軸
52 スクロールユニット
56 固定スクロール
54 可動スクロール

Claims (6)

  1. 駆動ケーシング及び圧縮ケーシングを有するハウジングと、
    前記駆動ケーシング内を延び、該駆動ケーシングに軸受を介して回転自在に支持された回転軸と、
    前記圧縮ケーシング内に収容され、前記回転軸により駆動されて作動ガスの吸込、圧縮及び吐出の一連のプロセスを実施するスクロールユニットとを具備し、
    該スクロールユニットは、
    前記回転軸により駆動されて固定スクロールの軸心周りに公転旋回運動される可動スクロールと、
    該可動スクロールの公転旋回運動を妨げることなく該可動スクロールの自転を阻止する回転阻止機構とを含み、
    該回転阻止機構は、
    前記駆動ケーシングと前記可動スクロールとの間に介装され、該可動スクロールの自転を拘束させる拘束部材と、
    前記駆動ケーシングに突設されて前記拘束部材に係合する固定側ピンと、
    前記可動スクロールに突設されて前記拘束部材に係合し、該拘束部材により規制されつつ前記固定側ピンの軸心周りに旋回する旋回側ピンと、
    前記拘束部材と前記固定側ピンとの間、及び前記拘束部材と前記旋回側ピンとの間での摺動を軽減する摺動影響低減手段とを含むことを特徴とするスクロール型流体機械。
  2. 前記拘束部材は、前記固定側ピンが係合する固定側係合孔と、前記旋回側ピンが係合する旋回側係合孔とを有し、
    前記摺動影響低減手段は、前記拘束部材に設けられ、前記固定側係合孔と前記旋回側係合孔との間をその孔径の幅で連通させる長孔連通部を含むことを特徴とする請求項1に記載のスクロール型流体機械。
  3. 前記拘束部材は、前記固定側ピンが係合する固定側係合孔と、前記旋回側ピンが係合する旋回側係合孔とを有し、
    前記摺動影響低減手段は、前記拘束部材に設けられ、前記固定側係合孔と前記旋回側係合孔との間をその孔径よりも小なる幅で連通させるスリット部を含むことを特徴とする請求項1に記載のスクロール型流体機械。
  4. 前記摺動影響低減手段は、前記スリット部内に設けられ、前記孔の深さ方向で前記スリット部内を部分的に埋設した閉塞領域部を更に備えることを特徴とする請求項3に記載のスクロール型流体機械。
  5. 前記閉塞領域部は、前記拘束部材の前記可動スクロールに対面する旋回側端面から前記孔の深さ方向に向けて略中間の深さ位置までに亘って設けられることを特徴とする請求項4に記載のスクロール型流体機械。
  6. 前記閉塞領域部は、前記孔の深さ方向で略中間の深さ位置から前記拘束部材の前記可動スクロールに対面する旋回側端面及び前記駆動ケーシングに対面する固定側端面との間にそれぞれ所定の間隔を残して設けられることを特徴とする請求項4に記載のスクロール型流体機械。
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