JP2005264505A - 杭打ちの施工管理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 容易かつ安価に実施できる杭打ちの施工管理方法を提供すること。
【解決手段】 杭4の貫入量62及びリバウンド量61を計測しておこなう杭打ちの施工管理方法において、杭4の周面41に直交して突出する反射板1を取り付け、前記反射板1と所定の間隔を置いた上方または下方に設置したレーザー変位計2によって前記反射板1との距離を逐次計測してレコーダ3に記録し、計測した結果から杭の貫入量及びリバウンド量を求めておこなう方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、杭の支持力を確認するために杭の貫入量及びリバウンド量を計測しておこなう杭打ちの施工管理方法に関するものである。
鋼管杭や既製杭の頭部を油圧ハンマやディーゼルハンマで叩いて地盤に打ち込む打込み杭工法においては、杭の先端が支持地盤に到達したと予想される地点から、逐次、打撃による杭の貫入量及びリバウンド量を計測して杭の支持力を確認する。
この貫入量及びリバウンド量を計測する方法として、最も古くから行われている方法は、杭の表面に貼り付けた記録紙に鉛筆を突き立てて上下動する杭の変位を記録する方法である。
また、特許文献1に開示されているように、杭の周面に目印を付けてその目印の動きを固体カメラで撮影し、撮影した目印の軌跡を解析することによって貫入量及びリバウンド量を計測する方法もある。
さらに、特許文献2〜4に開示されているように、杭の軸方向と直交する方向からレーザー光を照射して、移動する杭の周面からの散乱光の周波数が移動速度に比例してシフトするというドップラー効果を利用した杭の貫入量及びリバウンド量の計測方法もある。
特開平5−1418号公報 特開平9−41374号公報 特開平9−228370号公報 特開平10−160446号公報
前記した従来の杭打ちの施工管理方法にあっては、次のような問題点がある。
<1>記録紙と鉛筆によって記録する方法では、作業員がハンマの下に立つことになり、安全上の問題がある。また、水中に打設される場合や、構造物下で作業員が入り込むスペースがない場合は実施できない。
<2>特許文献1に開示されている方法では、杭の周面を側方の離れた場所から撮影することになるため、視界の悪い場合は適用できない。また、水上から杭を打設する場合は固体カメラを船舶に設置することになるが、船舶が動揺すると目印が固定カメラの視界から外れて撮影できなくなる。
<3>特許文献2〜4に開示されている方法では、杭の側方からレーザー光を照射する。このため、杭とレーザー発信機の間に障害物がある場合は測定ができない。
上記のような課題を解決するために、本発明の杭打ちの施工管理方法は、杭の貫入量及びリバウンド量を計測しておこなう杭打ちの施工管理方法において、杭の周面に直交して突出する反射板を取り付け、前記反射板と所定の間隔を置いた上方または下方に設置したレーザー変位計によって前記反射板との距離を逐次計測してレコーダに記録し、計測した結果から杭の貫入量及びリバウンド量を求めておこなう方法である。ここで、前記反射板と前記レーザー変位計の間隔は25〜75cmの範囲に設定するのが好ましい。
本発明の杭打ちの施工管理方法は、上記した課題を解決するための手段により、次のような効果の少なくとも一つを得ることができる。
<1>杭から突出する反射板を取り付けることによって、杭の軸方向の変位を比較的安価なレーザー変位計で計測することができる。
<2>反射板を着脱自在に構成することで、計測のし易い場所を選択することができ、容易かつ高精度の計測が可能になる。
<3>水中に埋没した杭の変位も計測することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
<1>レーザー変位計
レーザー変位計2は、レーザー光23を対象物に照射して、その反射光を受光素子24で捉えることによって対象物との距離を測定する変位計である。その原理は三角測量を応用したものであって、投光用半導体レーザー22と受光用のCCD素子またはPSD(光位置検出素子)によって構成する。
レーザー変位計2の半導体レーザー22から投光されたレーザー光23は、投光レンズ25を通って対象物(反射板1)の表面で拡散反射する。そして、その反射光の一部を受光レンズ26で集光して受光素子24(CCD素子またはPSD)上に結像させる(図2参照)。このため、反射板1の位置が変化すると拡散反射光の集光する角度が変化し、受光素子24上の位置が移動する。この移動を検出することによって反射板1の変位量を測定する。
特に、受光素子24にCCD素子を使用した場合、高精度な変位測定が可能になる。PSDは、結像の光量波形の重心を位置として認識するため、対象物の反射率や面粗度などの表面状態の影響によって受光量波形に変形が発生し、測定値に誤差を生じる可能性がある。これに対してCCD素子は、受光量波形のピーク値を検出することができるので、表面位置を正確に捉えて高精度な変位測定が可能になる。
<2>反射板
反射板1は、レーザー変位計2から照射されたレーザー光23を反射させるための対象物である。反射板1は、杭4の周面41に直交して突出するように取り付ける。
杭打ちの施工管理において計測する必要がある貫入量やリバウンド量は、杭4の軸方向の変位である。レーザー変位計2は、計測器に近づいたり遠ざかったりする対象物との距離を計測する機器であるため、杭4の変位に追従して移動する突起物を設ける必要がある。
そこで、杭4の周面41(杭の軸方向)に対して直交方向に突出する反射板1を杭4に取り付ける。反射板1は、杭4の周面41に溶接などで固定することもできるが、マグネット式の台座11等に取り付けて杭4に対して着脱自在に構成するのが好ましい。すなわち、杭4の支持地盤への打ち込み長さは、地盤の状態などによって変化するため、予め設定していた位置が必ずしも計測に適した位置になるとは限らない。また、貫入量が大きくなる場合は、反射板1の位置を盛り替えなければならない場合もある。このため反射板1には、杭4の周面41を傷つけずに容易に着脱が出来る取り付け手段を採用することが好ましい。
<3>レコーダ
杭4の貫入量やリバウンド量を測定する場合は、杭頭の打撃前から打撃後までの一定期間の杭4の変位を計測する必要がある。このため、レーザー変位計2で計測した計測値をレコーダ3に蓄積して、貫入量やリバウンド量の解析をおこなう。
以下、図面を参照しながら本発明の杭打ちの施工管理方法について説明する。
<1>計測装置の設置
例えば、水中に杭4を打設する場合、起重機船に取り付けたリーダに装着したハンマ5を使用して杭頭を打撃する。そして、杭4の先端が支持地盤に到達するあたり、または到達後に杭打ちを一旦中断し、反射板1を杭4の周面41に取り付ける。
レーダー変位計2は、起重機船のリーダや足場などのいずれかの部位に固定した設置台21に固定する。ここで、レーダー変位計2は、反射板1の上方または下方に25〜75cmの範囲で間隔を置いて設置するのが好ましい。なお、反射板1とレーダー変位計2の位置は相対的な位置であるため、先に取り付けた方に合わせてもう一方の位置を調整すればよい。
また、本発明で使用する計測装置は、反射板1とレーダー変位計2の間の屈折率が変化しなければ適用できるので、両方とも水中にある場合の計測も可能である。
<2>杭変位の計測
支持地盤付近まで打ち込んだ杭4の打撃中の変位を逐次計測する。計測した結果は図3に示したように経過時間と変位の関係で示すことができる。図3は、杭頭を10回打撃したときの記録である。図3のなかで突出した山が表示されている部分が1回の打撃に対する波形であり、その一つを拡大した図が図4である。
図4の波形を見ると、左側の一番高い山が打撃直後の山であり、2つ目の山を過ぎると徐々に減衰して山の高さが低くなることがわかる。この打撃後に収束する位置より高い山がリバウンド量61であり、打撃前の位置と収束時の位置の差が貫入量62となる。また、2番目の山と谷の差63は、反射板1またはレーザー変位計2を設置した設置台21の揺れであると考えられる。また、全体を通して発生している一番小さな波64は電気的なノイズと考えられる。
反射板1または設置台21の揺れによって生じる差63は変位としては大きいが、杭4の貫入量62やリバウンド量61の計測に影響を与えるものではない。また、起重機船の波浪による揺れの影響も、10回打撃した平均値をとる場合には無視できるものといえる。また、これらの影響が無視できない場合は、データ上で取除くことも可能である。
上記したような方法で求めた貫入量とリバウンド量によって杭4の支持地盤の支持力を確認し、杭の打ち込み深さを決定する杭打ちの施工管理をおこなうことができる。
本発明の杭打ちの施工管理方法の実施例の説明図 レーザー変位計の計測原理の説明図 本発明の杭打ちの施工管理方法において計測された杭の変位と経過時間の関係を示した図 1回の打撃前から打撃後の杭の変位と経過時間の関係を示した図
符号の説明
1・・・反射板
2・・・レーザー変位計
3・・・レコーダ
4・・・杭
61・・リバウンド量
62・・貫入量

Claims (2)

  1. 杭の貫入量及びリバウンド量を計測しておこなう杭打ちの施工管理方法において、
    杭の周面に直交して突出する反射板を取り付け、
    前記反射板と所定の間隔を置いた上方または下方に設置したレーザー変位計によって前記反射板との距離を逐次計測してレコーダに記録し、
    計測した結果から杭の貫入量及びリバウンド量を求めておこなう、
    杭打ちの施工管理方法。
  2. 請求項1に記載の杭打ちの施工管理方法において、
    前記反射板と前記レーザー変位計の間隔を25〜75cmとしたことを特徴とする、
    杭打ちの施工管理方法。
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