JP2005264395A - 導電性繊維及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 密着性及び導電性に優れた導電性ポリマーを有する繊維の製造方法を提供すること。
【解決手段】 (1)5員環芳香族複素環構造又はアニリン構造を部分又は全体に有する化合物を用いて、超臨界流体中で繊維を処理する工程;及び(2)(1)で得られた繊維を酸化剤で処理して、繊維表面に上記化合物の重合体の皮膜を形成する工程を含む、導電性繊維の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、導電性繊維及びその製造方法に関する。
従来、導電性を有する繊維としては、金属繊維;合成繊維の表面に金属をめっきした繊維;金属、金属化合物、カーボンブラック等の導電性物質をポリマー内に練り込んだ繊維;更に、カーボンブラック、金属等の導電性粒子を分散させた重合体と非導電性の重合体を用いた複合繊維等がある。
しかし、金属繊維では、例えば、屈曲回復性がないため使用又は加工時の屈曲により導電性が低下するという問題がある。合成繊維の表面に金属をめっきした繊維では、多くの工程と高度の技術を要するために製造コストが高くなり、また、使用又は加工時の摩擦や屈曲により金属が剥離しやすいという問題がある。カーボンブラック等の導電性物質をポリマー内に織り込んだ繊維では、金属を添加したために製糸性、繊維の強度に問題がある。更には、カーボンブラック、金属等の導電性粒子を分散させた重合体と非導電性の重合体を用いた複合繊維では、導電性部分と非導電性部分とが剥離しやすいという問題がある。
これらの従来技術の問題に鑑みて、繊維を導電性ポリマーでコーティングする方法が考えられている。例えば、繊維をピロール溶液中に浸漬した後、酸化剤を用いてピロールを重合させる方法(例えば、特許文献1、2参照。)、繊維をアニリン溶液に浸漬した後、酸化剤等で処理する方法(例えば、特許文献3参照。)、繊維をピロール化合物及びアニリン化合物から選ばれた酸化重合し得る化合物の水溶液及び酸化剤で処理する方法(例えば、特許文献4参照。)、繊維を酸化剤を含む溶液中に浸漬した後、当該繊維にピロールを接触させることにより、繊維表面でピロールを重合させる方法(例えば、特許文献5-8参照。)、繊維を染料で染色した後、ピロールを含む溶液中に浸漬し、酸化剤を用いてピロールを重合する方法(例えば、特許文献9、10)等がある。
しかし、これらの方法により得られた繊維は、導電性が不十分であったり、導電性ポリマーが非常に容易に剥離したりするという問題がある。
特開昭62-282479号公報 特開平3-8872号公報 特開平2-53969号公報 特開平2-33381号公報 特開昭62-299575号公報 特開昭63-42972号公報 特開平1-266280号公報 特開平2-47369号公報 特開平3-294579号公報 特開平3-294580号公報
そこで、本発明は、上記した従来技術の現状に鑑み、密着性及び導電性に優れた導電性ポリマーを有する繊維及びその製造方法を提供することを主な目的とする。
本発明は、以下の通りである。
1.(1)5員環芳香族複素環構造又はアニリン構造を部分又は全体に有する化合物を用いて、超臨界流体中で繊維を処理する工程、及び
(2)(1)で得られた繊維を酸化剤で処理して、繊維表面に前記化合物の重合体の皮膜を形成する工程
を含む、導電性繊維の製造方法。
2.超臨界流体を形成する物質が、水、二酸化炭素、窒素、アンモニア、炭化水素類及びアルコール類からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む物質である上記項1記載の方法。
3.5員環芳香族複素環構造又はアニリン構造を部分又は全体に有する化合物が、ピロール、ピロール誘導体及びアニリンからなる群から選ばれる少なくとも一種である上記項1又は2に記載の方法。
4.酸化剤が、遷移金属塩化物、ハロゲン及びペルオキソ酸類からなる群から選ばれる少なくとも一種である上記項1〜3のいずれかに記載の方法。
5.上記項1〜4のいずれかに記載の方法により得られる導電性繊維。
6.上記項5記載の導電性繊維を含む繊維製品。
本発明の導電性繊維の製造方法は、超臨界流体中で、繊維を5員環芳香族複素環構造又はアニリン構造を部分又は全体に有する化合物で処理し、得られた繊維を酸化剤で処理することを特徴とする。
導電性ポリマーを形成する化合物
本発明において使用する、導電性ポリマーを形成する化合物は、5員環芳香族複素環構造又はアニリン構造を部分又は全体に有する化合物である(以下、「ポリマー前駆体」ということがある。)。その種類は、酸化によって重合し、その重合体が導電性を有することができれば限定されない。
5員環芳香族複素環構造を部分又は全体に有する化合物としては、ピロール、チオフェン、フラン、イソインドール、イソベンゾフラン、イソベンゾチオフェン、これらの誘導体等が挙げられる。これらの誘導体としては、N-メチルピロール、3-メチルピロール、3-メチルチオフェン、3-メチルフラン、3-メチルインドール、ピロール2量体等が挙げられるが、これらに限定されない。
また、アニリン構造を部分又は全体に有する化合物としては、アニリン、オルト位及び/又はメタ位が、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン;メチル、エチル等のアルキル基;メトキシ、エトキシ等のアルコキシ;フェニル、トリル等のアリールにより置換されたアニリン化合物が挙げられる。
上記ポリマー前駆体の中でも、ピロール、ピロール2量体、N-メチルピロール、3-メチルピロール等のピロール誘導体及びアニリンが好ましい。空気中で皮膜が変質せず、安定しているからである。これらの化合物は、一種を単独で使用することもできるし、二種以上を組み合わせて使用することできる。
酸化剤
本発明において使用する酸化剤としては、上記ポリマー前駆体を重合して導電性ポリマーを形成することができる限り限定されない。
例えば、塩化第二鉄、塩化第二銅等の遷移金属塩化物;過マンガン酸、過マンガン酸塩等の過マンガン酸類;三酸化クロム等の酸化クロム類;硝酸銀等の硝酸塩類;塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン;過酸化水素、過酸化ベンゾイル等の過酸化物;ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸カリウム等のペルオキソ酸類;次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム等の次亜塩素酸類;酸化銀等の金属酸化物類等が挙げられる。
これらの中でも、遷移金属塩化物、ハロゲン、ペルオキソ酸類は、ドーパントとしての作用も有するため酸化剤としてより好ましい。また、上記酸化剤は、一種を単独で使用することもできるし、二種以上を併用することもできる。
超臨界流体
超臨界流体とは、臨界温度及び臨界圧力を超えた温度及び圧力下の流動体をいう。超臨界流体は、高い溶解性と高い拡散性を有しており、例えば、微細な構造の細部にまで浸透しやすいという利点がある。また、超臨界流体は、圧力を下げる等すれば気体となり、それにより容易に溶解物を分離することができるという利点もある。
従って、本発明では、上記ポリマー前駆体を溶解させる溶媒として、超臨界流体を使用する。また、本発明においては、超臨界流体とは、超臨界流体の状態だけでなく、亜臨界流体の状態及びこれらの状態に近い状態も含むものとする。
本発明における超臨界流体を形成する物質としては、水、二酸化炭素、窒素、アンモニア、炭化水素類、アルコール類等が挙げられる。炭化水素類としては、エタン、プロパン、エチレン、プロパン、プロピレン、ブタン、ヘキサン等が挙げられ、アルコール類としては、メタノール、エタノール等が挙げられる。これらの物質の臨界温度及び臨界圧力を以下の表1に例示する。
このような物質は、臨界温度以上及び臨界圧力以上の条件下において超臨界流体となるので、使用する物質に応じて適宜条件を設定すればよい。上記物質の中でも、二酸化炭素を用いるのが好ましい。容易に超臨界流体になり、また、引火性、爆発性がなく、安全だからである。さらに、二酸化炭素は、繊維に多量に吸尽されて、繊維を膨張させる効果(特に、非極性の疎水性素材で、その効果が大きい)を有する点においても有利である。
上記物質は、一種を単独で使用することもできるし、二種以上を組み合わせて使用することできる。さらに、本発明の効果を損なわなければ、上記物質の他に一般に溶媒として使用されているものを共溶媒として使用することも可能である。共溶媒を使用する量は限定されず、例えば、溶解させる物質の種類、量等に応じて適宜選択することができる。
Figure 2005264395
繊維
本発明に用いられる繊維は、天然繊維、再生繊維、半合成繊維、合成繊維のどの繊維を使用してもよい。また、これらの繊維は、フィラメント(モノフィラメント、マルチフィラメント、異型断面糸、中空糸、複合糸等)、紡績糸、織物、編物、不織布等として用いることができる。本明細書において、これらも繊維として含むものとする。
天然繊維としては、(1)綿、カポック、パンヤ等の種子毛繊維;麻、大麻、黄麻等のジン皮繊維;マニラ麻、サイザル麻、ニュージーランド麻等の葉脈繊維;ヤシ繊維;い草;麦わら等の植物繊維、(2)まゆ繊維;羊毛、山羊毛、カシミヤ等の獣毛繊維;羽毛繊維;クモ絹等の動物繊維が挙げられる。
再生繊維としては、セルロース系再生繊維のレーヨン(ビスコースレーヨン)、キュプラ(銅アンモニアレーヨン)、ポリノジック等が挙げられる。
半合成繊維としては、アセテート、トリアセテート、プロミックス等が挙げられる。
合成繊維としては、ナイロン、ポリエステル、アクリル、アラミド、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ビニリデン、ポリエチレン、ポリクラール、フッ素樹脂、生分解性樹脂等を挙げることができる。
これらの繊維は、一種を単独で使用することもできるし、二種以上を組み合わせて使用することもできる。本発明では、上記の繊維の中でも、半合成繊維又は合成繊維を使用するのが好ましい。これらの繊維は、超臨界流体、特に二酸化炭素を用いた超臨界流体により、膨張しやすいからである。
繊維の処理
本発明の導電性繊維の製造方法では、まず、超臨界流体中において、繊維をポリマー前駆体で処理する。このときの処理条件は、繊維に対する高い密着性、優れた導電性等を有する導電性皮膜が得られる限り限定されない。
本発明における好ましい方法の具体例の一つとしては、高圧容器に、繊維及びポリマー前駆体を添加しておき、そこに超臨界流体を形成する物質をその臨界圧力以上になるように添加し、容器内の温度を臨界温度以上に設定する方法がある。容器内の温度は、超臨界流体を形成する物質を容器内に充填する前に臨界温度以上に設定することもできるし、超臨界流体を形成する物質を充填させながら又は充填させた後に臨界温度以上まで徐々に上昇させることも可能である。
高圧容器の材質は、溶媒物質の臨界点以上の温度及び圧力に十分に耐え得るようなものであれば、限定されない。また、高圧容器のサイズについても限定されず、目的や条件の応じて適宜選択することができる。
使用するポリマー前駆体の量は、後の酸化剤による処理により所望の導電性皮膜が得られる限り限定されない。例えば、繊維1gあたり、ポリマー前駆体を0.005〜5g程度、好ましくは0.05〜3g程度用いることができる。この範囲のポリマー前駆体を使用することにより、所望の効果を有する導電性繊維が得られるからである。ポリマー前駆体の量が繊維の量に対して過剰の場合、余ったポリマー前駆体は再利用することができる。
さらに、繊維をポリマー前駆体で処理する時間も所望の導電性皮膜が得られる限り限定されない。繊維の種類、繊維の量に対して用いるポリマー前駆体の量等に応じて適宜選択することができる。例えば、1〜120分程度、好ましくは5〜60分程度とすればよい。また、必要に応じて撹拌下に処理を行ってもよく、高圧容器を振盪してもよい。
繊維をポリマー前駆体で処理した後、高圧容器中の溶媒物質を容器内から徐々に排出し、処理された繊維を取り出せばよい。このようにして得られた繊維は、次に、酸化剤で処理すればよい。この処理により、ポリマー前駆体が重合し、繊維表面に導電性の皮膜を形成することができる。
酸化剤を溶解する溶媒としては限定されないが、水を使用すればよい。水としては、水道水、蒸留水、超純水等を使用することができ、蒸留水、超純水が塩素を含まない点で好ましい。
酸化剤の濃度は、ポリマー前駆体が十分に重合される限り限定されず、酸化剤の種類等に応じて適宜選択することができる。例えば、塩化第二鉄の場合、0.02〜3.0mol/L 程度、好ましくは0.04〜2.0mol/L程度とすればよい。
また、酸化剤で処理する際の酸化剤水溶液の温度も限定されない。例えば、室温(25℃程度)〜80℃程度、好ましくは室温〜60℃程度とすればよい。さらに、繊維の処理時間も、ポリマー前駆体が十分に重合される限り限定されない。例えば、繊維を5〜120分程度、好ましくは15〜60分程度酸化剤溶液に浸漬すればよい。必要に応じて、撹拌下に浸漬してもよい。
モノマーが重合したことは、例えば、繊維の色の変化を観察することによって確認することができる。例えば、モノマーとしてピロールを使用する場合、ピロールが重合してポリピロールになると、繊維表面が黒色に変化するので、重合したことが確認できる。また、導電性皮膜が形成されたことは、電気抵抗率を測定することにより確認することができる。
このようにして得られた繊維は、必要に応じて洗浄、乾燥、染色等の処理を行うこともできる。また、本発明で得られる繊維の性質を損なわない限り、柔軟剤、撥水剤、撥油剤、抗菌剤、防腐剤、香料、顔料、消臭剤等で処理することもできる。
導電性皮膜
上記のようにして得られた導電性皮膜は、繊維の輪郭に沿って、均一且つ強固に密着している。従って、繊維を折り曲げてこすり合わせても、当該導電性皮膜は容易には剥離しない。また、洗濯に対して高い耐性を有する。
本発明の方法によれば、2μm以下程度、好ましくは1μm以下程度の薄い皮膜を形成することができる。また、本発明で得られた繊維の断面積全体に対する、導電性ポリマーが占める割合は、20%以下程度、より好ましくは10%以下程度とすることができる。このような薄い皮膜を形成することにより、繊維自体の性質を損なうことなく、導電性を付与することができる。
更に、本発明の導電性皮膜を有する繊維は、優れた導電性を有する。例えば、100000Ω/□程度以下、好ましくは10000Ω/□程度以下の表面電気抵抗率を得ることができる。しかし、この表面電気抵抗値は、この範囲に限られず、繊維の処理に使用するポリマー前駆体の量、当該ポリマー前駆体の重合度等を調節することにより、上記の範囲外の値にも調節可能である。
電気抵抗値の測定方法は限定されない。例えば、市販の電気抵抗計を用いて、サンプルに電圧をかけ、サンプルに流れる電流を検出し、オームの法則により表面電気抵抗率を換算する方法が挙げられる。
繊維製品
上記のようにして得られた導電性繊維は、導電性を必要とする又は導電性を有することが好ましいあらゆる分野で使用することができる。
例えば、本発明の導電性繊維は、防塵作業服に使用することができる。当該防塵作業服は、精密機械、機械部品、電子工業、写真、食品、医薬品、化粧品、病院、コンピューター室等の分野において使用でき、機器破損、計測不良、雑音等を防止する効果、防塵効果等を有する。
また、本発明の導電繊維は、制電手袋にも使用することができる。当該制電手袋は、プラスチック、紙、合成繊維、合成皮革、ゴム製品等の製造及び加工の分野において使用でき、電撃防止等の効果を有する。
本発明の導電性繊維は、制電毛布にも使用することができる。当該制電毛布は、病院、ホテル、車両、船舶、寒冷地等において使用でき、電撃ショックの防止、引火爆発の防止等の効果を有する。
本発明の導電性繊維は、制電カーペットにも使用することができる。当該制電カーペットは、ホテル、病院、ボーリング場、一般ビル等において使用でき、電撃防止、汚れ防止等の効果を有する。
本発明の導電性繊維は、制電縫糸にも使用することができる。当該制電縫糸は、一般外衣(スカート、ワンピース等)、下着類等に使用でき、静電気によるまつわりつきの防止、脱着時の不快感の防止等の効果を有する。
本発明の導電性繊維は、制電バグフィルタにも使用することができる。当該制電バグフィルタは、粉体を扱う化学、食品、医薬品等の分野において使用でき、目詰まり防止、粉塵爆発防止等の効果を有する。
本発明の導電性繊維は、防爆型作業服にも使用することができる。当該防爆型作業服は、石油精製、タンカー、ガソリンスタンド、塗装、石油化学、石炭産業等の分野で使用でき、引火爆発防止等の効果を有する。
本発明の導電性繊維は、除電装置にも使用することができる。当該除電装置は、繊維、プラスチック、フィルム、紙、印刷、ゴム、食品等の製造及び加工の分野で使用でき、除電により工程トラブルを除去することができる。
本発明の導電性繊維は、導電作業服にも使用することができる。当該導電作業服は、電力会社、電気工事会社等において使用でき、静電誘導障害防止等の効果を有する。
本発明の導電性繊維は、電磁波シールド基材にも使用することができる。当該電磁波シールド基材は、放送局、高周波ウェルダ、電子機器、精密機器等の分野において使用でき、電磁波障害防止、ペースメーカー保護等の効果を有する。特に、本発明の導電性繊維を用いて作った衣類により、心臓ペースメーカーを電磁波から守ることができるので好ましい。
本発明の導電性繊維はまた、面状発熱体にも使用することができる。当該面状発熱体は、ロードヒータ、ルーフヒータ、電気毛布、保温服等に使用でき、発熱による保温、凍結防止、融雪等の効果を有する。
本発明の処理方法によれば、超臨界流体を用いるので、緻密でピンホールのないコーティング層を有する繊維が得られる。得られるコーティング層は均一であり、繊維に対する密着性が非常に優れている。また、得られた繊維は、非常に導電性に優れている。
以下、実施例を示し、本発明の特徴を一層明確にする。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
(財)日本規格協会製の染色堅牢度試験用のポリエチレンテレフタレート(PET)織布を使用して実験を行った。この生地5cm×5cmとピロール0.5mlを担持させたガラス濾紙を、内容積10mlの高圧容器に入れた。
そこに二酸化炭素を注入しながら容器内の温度を40℃まで上昇させ、圧力が10MPaになるまで二酸化炭素を注入した。この状態を60分間維持した後、高圧容器中の二酸化炭素を徐々に排出した。
高圧容器から取り出した繊維を2.25mol/Lの塩化第二鉄水溶液に20分間浸漬し、得られた繊維を蒸留水で十分洗浄した後、乾燥した。
実施例2
容器内の温度を50℃まで上昇させ、容器内の圧力を15MPaにした以外は、実施例1と同様に繊維をピロールで処理した。その後、高圧容器から取り出した繊維を1.5mol/Lの塩化第二鉄水溶液に20分間浸漬し、得られた繊維を蒸留水で十分洗浄した後、乾燥した。
比較例1
ピロール溶液(99%以上、キシダ化学製 特級品)中に(財)日本規格協会製の染色堅牢度試験用のポリエチレンテレフタラート(PET)織布を60分浸漬し、2.25mol/Lの塩化第二鉄水溶液50mlに20分間浸漬した。その後、蒸留水で洗浄し、乾燥した。
試験例1
上記実施例1、2及び比較例1で得られた繊維の、表面電気抵抗率及び導電性皮膜の密着性について調べた。表面電気抵抗率については、三菱化学社製のロレスタAP四探針プローブを用いて測定した。導電性皮膜の密着性については、サンプル生地を折り曲げ、生地表面同士を摩擦させることにより、導電性皮膜の密着性を観察した。結果を表2に示す(「○」は密着性が優れていることを示し、「◎」は密着性が非常に優れていることを示す。)。
Figure 2005264395
表2から、本発明の方法で得られた導電性繊維は、導電性に優れることがわかる。また、本発明の方法で得られた繊維は、導電性皮膜の繊維に対する密着性が非常に高いことがわかる。

Claims (6)

  1. (1)5員環芳香族複素環構造又はアニリン構造を部分又は全体に有する化合物を用いて、超臨界流体中で繊維を処理する工程、及び
    (2)(1)で得られた繊維を酸化剤で処理して、繊維表面に前記化合物の重合体の皮膜を形成する工程
    を含む、導電性繊維の製造方法。
  2. 超臨界流体を形成する物質が、水、二酸化炭素、窒素、アンモニア、炭化水素類及びアルコール類からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む物質である請求項1記載の方法。
  3. 5員環芳香族複素環構造又はアニリン構造を部分又は全体に有する化合物が、ピロール、ピロール誘導体及びアニリンからなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項1又は2に記載の方法。
  4. 酸化剤が、遷移金属塩化物、ハロゲン及びペルオキソ酸類からなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の方法により得られる導電性繊維。
  6. 請求項5記載の導電性繊維を含む繊維製品。


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