JP2006328610A - 導電性繊維及びその製造方法 - Google Patents

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照夫 堀
Tomoyuki Mita
朋幸 三田
Hirobumi Yanagisawa
博文 柳澤
Miya Yui
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Abstract

【課題】本発明は、密着性及び耐久性に優れた導電性ポリアニリン被膜を有する繊維及びその製造方法を提供する。
【解決手段】下記の工程を含む導電性繊維の製造方法:
(1)超臨界又は亜臨界二酸化炭素流体中、5〜35 MPaの圧力下、繊維を重合可能なアニリン化合物で処理する工程、及び
(2)(1)で得られた繊維を酸化剤で処理して、繊維表面に導電性ポリアニリン被膜を形成する工程。
【選択図】なし

Description

本発明は、導電性繊維及びその製造方法に関する。
従来、導電性を有する繊維としては、金属繊維;合成繊維の表面に金属をめっきした繊維;金属、金属化合物、カーボンブラック等の導電性物質をポリマー内に練り込んだ繊維;更に、カーボンブラック、金属等の導電性粒子を分散させた重合体と非導電性の重合体を用いた複合繊維等が知られている。
しかし、これらの繊維はいずれも以下のような問題点を有している。たとえは、金属繊維では、屈曲回復性がないため使用又は加工時の屈曲により導電性が低下するという問題があった。合成繊維の表面に金属をめっきした繊維では、多くの工程と高度の技術を要するために製造コストが高くなり、また、使用又は加工時の摩擦や屈曲により金属が剥離しやすいという問題があった。導電性物質をポリマー内に練り込んだ繊維では、優れた導電性を発現するためには導電性物質を多量に入れる必要があり、繊維の強度が低下し、また細繊化が困難である。しかも、発現抵抗率は、導電性物質の添加量に依存するが、急激に抵抗率が変化するなど制御が困難であるという問題がある。更には、導電性粒子を分散させた重合体と非導電性の重合体を用いた複合繊維では、導電性部分と非導電性部分とが剥離しやすいという問題がある。
これらの従来技術の問題に鑑みて、繊維表面にπ電子共役系有機重合体被膜を形成する方法が考えられている。
例えば、繊維をピロール溶液中に浸漬した後、酸化剤を用いてピロールを重合させる方法(例えば、特許文献1,2等)、繊維をアニリン溶液に浸漬した後、酸化剤等で処理する方法(例えば、特許文献3等)、繊維をピロール化合物及びアニリン化合物から選ばれた酸化重合し得る化合物の水溶液及び酸化剤で処理する方法(例えば、特許文献4等)、繊維を酸化剤を含む溶液中に浸漬した後、当該繊維にピロールを接触させることにより、繊維表面でピロールを重合させる方法(例えば、特許文献5〜8等)、繊維を染料で染色した後、ピロールを含む溶液中に浸漬し、酸化剤を用いてピロールを重合する方法(例えば、特許文献9、10等)等がある。
しかし、これらの方法により得られた繊維は、導電性が不十分であったり、導電性ポリマーが非常に容易に剥離したりするという問題がある。
特開昭62-282479号公報 特開平3-8872号公報 特開平2-53969号公報 特開平2-33381号公報 特開昭62-299575号公報 特開昭63-42972号公報 特開平1-266280号公報 特開平2-47369号公報 特開平3-294579号公報 特開平3-294580号公報
本発明は、密着性及び耐久性に優れた導電性ポリアニリン被膜を有する繊維及びその製造方法を提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記の問題点に鑑み鋭意研究を重ねた結果、超臨界又は亜臨界二酸化炭素流体中で、繊維を重合可能なアニリン化合物で処理した後、酸化剤で処理して得られる導電性ポリアニリンで被覆された導電性繊維が、上記の目的を達成できることを見出し、さらに研究を重ねることにより本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の導電性繊維及びその製造方法を提供する。
項1.下記の工程を含む導電性繊維の製造方法:
(1)超臨界又は亜臨界二酸化炭素流体中、5〜35 MPaの圧力下、繊維を重合可能なアニリン化合物で処理する工程、及び
(2)(1)で得られた繊維を酸化剤で処理して、繊維表面に導電性ポリアニリン被膜を形成する工程。
項2.前記重合可能なアニリン化合物が、無置換アニリン、或いは、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基及びアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種で置換されたアニリン化合物である項1に記載の製造方法。
項3.前記酸化剤が、遷移金属塩化物、過マンガン酸類、酸化クロム類、硝酸塩類、ハロゲン、過酸化物、ペルオキソ酸類、次亜塩素酸類及び金属酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一種である項1又は2に記載の製造方法。
項4.項1〜3のいずれかに記載の製造方法により得られる導電性繊維。
項5.項4に記載の導電性繊維を含む繊維製品。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の導電性繊維の製造方法は、超臨界又は亜臨界二酸化炭素流体中で、重合可能なアニリン化合物を用いて繊維を処理した後、得られた繊維を酸化剤で処理して繊維表面に導電性ポリマー(ポリアニリン)被膜を形成することを特徴とする。
繊維
本発明に用いられる繊維は、天然繊維、再生繊維、半合成繊維、合成繊維等のどの繊維を使用してもよい。また、これらの繊維は、フィラメント(モノフィラメント、マルチフィラメント、異型断面糸、中空糸、複合糸等)、紡績糸、織物、編物、不織布等として用いることができる。本明細書において、これらも繊維として含むものとする。
天然繊維としては、(1)綿、カポック、パンヤ等の種子毛繊維;麻、大麻、黄麻等のジン皮繊維;マニラ麻、サイザル麻、ニュージーランド麻等の葉脈繊維;ヤシ繊維;い草;麦わら等の植物繊維、(2)まゆ繊維;羊毛、山羊毛、カシミヤ等の獣毛繊維;羽毛繊維;クモ絹等の動物繊維が挙げられる。
再生繊維としては、セルロース系再生繊維のレーヨン(ビスコースレーヨン)、キュプラ(銅アンモニアレーヨン)、ポリノジック等が挙げられる。
半合成繊維としては、アセテート、トリアセテート、プロミックス等が挙げられる。
合成繊維としては、ナイロン、ポリエステル、アクリル、アラミド、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ビニリデン、ポリエチレン、ポリクラール、フッ素樹脂、生分解性樹脂等を挙げることができる。
これらの繊維は、一種を単独で使用することもできるし、二種以上を組み合わせて使用することもできる。本発明では、上記の繊維の中でも、半合成繊維又は合成繊維を使用するのが好ましい。これらの繊維は、二酸化炭素を用いた超臨界又は亜臨界流体中では、膨張しやすく繊維内部にまでアニリンが浸透しやすくなるからである。
重合可能なアニリン化合物
本発明において使用する重合可能なアニリン化合物は、アニリン構造を部分又は全体に有する化合物であればよく、酸化によって重合し、その重合体が導電性を有するものであれば特に限定されない。
具体的には、無置換アニリン、或いは、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基及びアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種で置換されたアニリン化合物が挙げられる。ハロゲン原子は、塩素、臭素、ヨウ素等が例示され、アニリンのオルト位及び/又はメタ位に置換されているものが好ましい。アルキル基は、C1−3のアルキル基が好ましく、具体的にはメチル、エチル等が例示される。アルコキシ基は、C1−3アルコキシ基が好ましく、具体的にはメトキシ、エトキシ等が例示される。アリール基は、フェニル、トリル等が例示される。
より好ましい重合可能なアニリン化合物としては、無置換アニリン、ハロゲン原子置換アニリン等が挙げられる。
これらの化合物は、一種を単独で使用することもできるし、二種以上を組み合わせて使用することできる。
酸化剤
本発明において使用する酸化剤は、上記重合可能なアニリン化合物を重合して導電性ポリマーを形成できるものであれば特に限定されない。
例えば、塩化第二鉄、塩化第二銅等の遷移金属塩化物;過マンガン酸、過マンガン酸塩等の過マンガン酸類;三酸化クロム等の酸化クロム類;硝酸銀等の硝酸塩類;塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン;過酸化水素、過酸化ベンゾイル等の過酸化物;ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸カリウム等のペルオキソ酸類;次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム等の次亜塩素酸類;酸化銀等の金属酸化物類等が挙げられる。
これらの酸化剤の中でも、遷移金属塩化物、ハロゲン、ペルオキソ酸類は、ドーパントとしての作用も有するためより好ましい。また、上記酸化剤は、一種を単独で使用することもできるし、二種以上を併用することもできる。
超臨界又は亜臨界流体
本発明では、重合可能なアニリン化合物を溶解させる溶媒として、超臨界又は亜臨界の二酸化炭素流体を使用する。
超臨界流体とは、臨界温度及び臨界圧力を超えた温度及び圧力下の流動体をいう。超臨界流体は、高い溶解性と高い拡散性を有しており、例えば、微細な構造の細部にまで浸透しやすいという利点がある。また、超臨界流体は、圧力を下げる等すれば気体となり、それにより容易に溶解物を分離することができるという利点もある。
本発明における二酸化炭素の臨界温度は、304.21 Kであり、臨界圧力は7.3825 MPaである。本発明における二酸化炭素の超臨界又は亜臨界とは、温度が20〜150℃程度、好ましくは25〜80℃程度、圧力が5〜35MPa程度、好ましくは7〜25MPa程度である。
本発明において二酸化炭素を用いるのは、容易に超臨界又は亜臨界流体になり、また、引火性、爆発性がなく、安全だからである。さらに、二酸化炭素は、繊維に多量に吸尽されて、繊維を膨張させる効果(特に、非極性の疎水性素材で、その効果が大きい)を有する点においても有利である。
通常、超臨界又は亜臨界二酸化炭素が用いられるが、必要に応じ他の超臨界流体(例えば、エタン等)を組み合わせて使用することもできる。さらに、本発明の効果を損なわなければ、二酸化炭素の他に一般に溶媒として使用されているものを共溶媒として使用することも可能である。共溶媒を使用する量は限定されず、例えば、溶解させる物質の種類、量等に応じて適宜選択することができる。
繊維の処理
本発明の導電性繊維の製造方法では、まず、超臨界又は亜臨界の二酸化炭素流体中において、繊維を重合可能なアニリン化合物で処理する。具体的には、超臨界又は亜臨界の二酸化炭素流体中において、繊維を該アニリン化合物と接触させる。このときの処理条件は、繊維に対する高い密着性、優れた導電性等を有する導電性被膜が得られる条件であれば特に限定されない。
本発明における好ましい製造方法の具体例の一つとしては、高圧容器に、繊維及び重合可能なアニリン化合物を入れておき、そこに二酸化炭素流体をその臨界圧力以上になるように添加し、容器内の温度を臨界温度以上に設定する方法が挙げられる。容器内の温度は、二酸化炭素を容器内に充填する前に臨界温度以上に設定することもできるし、二酸化炭素を充填させながら又は充填させた後に臨界温度それ以上まで徐々に上昇させることも可能である。
超臨界二酸化炭素流体中で、繊維へのアニリン処理を行う際の圧力条件としては5〜35 MPa程度、さらに好ましくは7〜20Mpaを例示できる。圧力が低いと超臨界二酸化炭素流体中への溶解度が小さくなり、逆に圧力が高いと超臨界二酸化炭素流体へのアニリン溶解度は大きくなるものの、それ故繊維側への収着が十分でない場合があるからである。
高圧容器の材質は、二酸化炭素の臨界点以上の温度及び圧力に十分に耐え得るようなものであれば、限定されない。また、高圧容器のサイズについても限定されず、目的や条件の応じて適宜選択することができる。
使用する重合可能なアニリン化合物の量は、後の酸化剤による処理により所望の導電性被膜が得られる範囲であればよく、例えば、繊維1gあたり、重合可能なアニリン化合物を0.005〜5g程度、好ましくは0.05〜3g程度用いることができる。この範囲の重合可能なアニリン化合物を使用することにより、所望の効果を有する導電性繊維が得られる。重合可能なアニリン化合物の量が繊維の量に対して過剰の場合、余った該アニリン化合物は再利用することができる。
さらに、繊維を重合可能なアニリン化合物で処理する時間も所望の導電性被膜が得られる限り限定されない。繊維の種類、繊維の量に対して用いるアニリン化合物の量等に応じて適宜選択することができる。例えば、1〜120分程度、好ましくは5〜60分程度とすればよい。また、必要に応じて撹拌下に処理を行ってもよく、高圧容器を振盪してもよい。繊維を重合可能なアニリン化合物で処理した後、高圧容器中の溶媒物質を容器内から徐々に排出し、処理された繊維を取り出せばよい。
得られた繊維は、次に酸化剤で処理される。具体的には、この繊維を酸化剤の溶液に接触(浸漬)させればよい。必要に応じて、撹拌下に浸漬してもよい。この処理により、繊維表面のアニリン化合物が重合し、繊維表面に導電性ポリマーであるポリアニリン被膜が形成される。
酸化剤を溶解する溶媒としては限定されないが、典型的には水を使用すればよい。水は、水道水、蒸留水、超純水等を使用することができるが、蒸留水、超純水が好適である。
酸化剤の濃度は、重合可能なアニリン化合物が十分に重合される程度であればよく、酸化剤の種類等に応じて、通常、0.01〜6.0mol/L程度の範囲から適宜選択できる。例えば、塩化第二鉄の場合、0.02〜3.0mol/L 程度、好ましくは0.04〜2.0mol/L程度とすればよい。
また、酸化剤で処理する際の酸化剤水溶液の温度も特に限定はない。例えば、0℃程度〜80℃程度、好ましくは0〜60℃程度とすればよい。
さらに、繊維の酸化剤との処理時間も、重合可能なアニリン化合物が十分に重合される程度であればよい。該アニリン化合物の重合が完了したことは、例えば、繊維の色の変化を観察することによって確認することができる。例えば、該アニリン化合物が重合してポリアニリンになると、繊維表面が黒色、暗緑色に変化するので、重合したことが確認できる。従って、繊維の酸化剤との処理時間は、例えば、5〜120分程度、好ましくは15〜60分程度であればよい。また、導電性被膜が形成されたことは、電気抵抗率を測定することにより確認することができる。
このようにして得られた繊維は、必要に応じて洗浄、乾燥、染色等の処理を行うこともできる。また、本発明で得られる繊維の性質を損なわない限り、柔軟剤、撥水剤、撥油剤、抗菌剤、防腐剤、香料、顔料、消臭剤等で処理することもできる。
導電性被膜
本発明の製法で製造される導電性被膜は、繊維に対し強固に密着し、繊維の輪郭に沿った均一な被膜を形成し、しかも形成された被膜は緻密でピンホールがないという特徴を有している。
本発明の製造方法において、超臨界処理された繊維では、繊維の表面だけでなく、繊維の表面近傍の内部にまで重合可能なアニリン化合物が浸透している。そして、その後の酸化処理で形成される導電性被膜(ポリアニリン被膜)は、繊維表面上だけでなく繊維表面近傍の内部にまで形成されている。そのため、導電性被膜(ポリアニリン被膜)は繊維に対し極めて高い密着性を有しているのである。
従って、繊維を折り曲げてこすり合わせても、当該導電性被膜は容易には剥離することはなく、しかも洗濯に対して高い耐性を有している。
本発明の製法によれば、導電性繊維における導電性被膜の厚さを、通常2μm程度以下の範囲に制御することができる。特に1μm以下程度の薄い被膜をも形成することができる点で特筆すべきである。そのため、本発明で得られた導電性繊維の断面積全体に対する、導電性被膜(ポリアニリン被膜)が占める割合は、20%程度以下、好ましくは10%程度以下とすることができる。このような薄い被膜を形成することにより、繊維自体の性質を損なうことなく、導電性を付与することができる。
更に、本発明の製法では、導電性繊維の発現抵抗率を広範囲で制御できる、得られた導電性繊維はバラツキのない均一な導電性能を有しているという特徴も有している。その表面抵抗率は、例えば、1×105〜1×1012Ω/□程度である。この表面電気抵抗値は、繊維の処理に使用するポリマー前駆体の量、当該ポリマー前駆体の重合度等を調節することにより、上記の範囲で調節可能である。
電気抵抗値の測定方法は限定されない。例えば、市販の電気抵抗計を用いて、サンプルに電圧をかけ、サンプルに流れる電流を検出し、オームの法則により表面電気抵抗率を換算する方法が挙げられる。
繊維製品
上記のようにして得られた導電性繊維は、導電性を必要とする又は導電性を有することが好ましいあらゆる分野で使用することができる。
例えば、本発明の導電性繊維は、防塵作業服に使用することができる。当該防塵作業服は、精密機械、機械部品、電子工業、写真、食品、医薬品、化粧品、病院、コンピューター室等の分野において使用でき、機器破損、計測不良、雑音等を防止する効果、防塵効果等を有する。
本発明の導電性繊維は、制電手袋にも使用することができる。当該制電手袋は、プラスチック、紙、合成繊維、合成皮革、ゴム製品等の製造及び加工の分野において使用でき、電撃防止等の効果を有する。
本発明の導電性繊維は、制電毛布にも使用することができる。当該制電毛布は、病院、ホテル、車両、船舶、寒冷地等において使用でき、電撃ショックの防止、引火爆発の防止等の効果を有する。
本発明の導電性繊維は、制電カーペットにも使用することができる。当該制電カーペットは、ホテル、病院、ボーリング場、一般ビル等において使用でき、電撃防止、汚れ防止等の効果を有する。
本発明の導電性繊維は、制電縫糸にも使用することができる。当該制電縫糸は、一般外衣(スカート、ワンピース等)、下着類等に使用でき、静電気によるまつわりつきの防止、脱着時の不快感の防止等の効果を有する。
本発明の導電性繊維は、制電バグフィルタにも使用することができる。当該制電バグフィルタは、粉体を扱う化学、食品、医薬品等の分野において使用でき、目詰まり防止、粉塵爆発防止等の効果を有する。
本発明の導電性繊維は、防爆型作業服にも使用することができる。当該防爆型作業服は、石油精製、タンカー、ガソリンスタンド、塗装、石油化学、石炭産業等の分野で使用でき、引火爆発防止等の効果を有する。
本発明の導電性繊維は、除電装置にも使用することができる。当該除電装置は、繊維、プラスチック、フィルム、紙、印刷、ゴム、食品等の製造及び加工の分野で使用でき、除電により工程トラブルを除去することができる。
本発明の導電性繊維は、導電作業服にも使用することができる。当該導電作業服は、電力会社、電気工事会社等において使用でき、静電誘導障害防止等の効果を有する。
本発明の導電性繊維は、電磁波シールド基材にも使用することができる。当該電磁波シールド基材は、放送局、高周波ウェルダ、電子機器、精密機器等の分野において使用でき、電磁波障害防止、ペースメーカー保護等の効果を有する。特に、本発明の導電性繊維を用いて作った衣類により、心臓ペースメーカーを電磁波から守ることができるので好ましい。
本発明の導電性繊維は、また、面状発熱体にも使用することができる。当該面状発熱体は、ロードヒータ、ルーフヒータ、電気毛布、保温服等に使用でき、発熱による保温、凍結防止、融雪等の効果を有する。
本発明の導電性繊維は、導電性繊維の発現抵抗率を広範囲で制御できるという特徴を有していることから、複写機、ファクシミリ、プリンタに使用される帯電ブラシ、除電ブラシ、クリーニングブラシ等の導電性植毛製品に好適に使用できる。この場合、体積抵抗率が103〜108Ωcm程度になるように調節することか好ましい。
本発明の処理方法によれば、超臨界流体を用いるので、緻密でピンホールのない導電性被膜を有する導電性繊維が得られる。得られる導電性被膜は、繊維輪郭に沿って均一に被覆形成され、繊維に対する密着性が非常に優れている。また、得られる導電性繊維は、非常に導電性に優れている。さらに、本発明の処理方法では、導電性繊維の発現抵抗率を広い範囲で制御することも可能である。
以下、実施例を示し、本発明の特徴を一層明確にする。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
(財)日本規格協会製の染色堅牢度試験用のポリエチレンテレフタレート(PET)織布を使用して実験を行った。内容積10mlの高圧容器に、この生地5cm×5cmとアニリン0.2mlを担持させたガラス濾紙を充填した。
そこに二酸化炭素を高圧容器に注入しながら、容器内の温度を40℃まで上昇させ、圧力が10MPaになるまで二酸化炭素を注入した。この状態を30分間維持した後、高圧容器中の二酸化炭素を徐々に排出した。
高圧容器から生地を取り出し、この生地を1N塩酸水溶液に過硫酸アンモニウムを加えて濃度1.0mol/lに調整した過硫酸アンモニウム溶液50ml中で、室温下30分浸漬した。その後、この生地を蒸留水で充分水洗し、乾燥して本発明の導電性繊維を得た。
実施例2
容器内の圧力を7.5MPaになるまで二酸化炭素を注入した以外は、実施例1と同様にして生地をアニリンで処理し、続いて酸化剤で処理して本発明の導電性繊維を得た。
実施例3
容器内の圧力を20MPaになるまで二酸化炭素を注入した以外は、実施例1と同様にして生地をアニリンで処理し、続いて酸化剤で処理して本発明の導電性繊維を得た。
実施例4
高圧容器から取りだした生地を、1N塩酸水溶液に過硫酸アンモニウムを加えて濃度1.0mol/lに調整した過硫酸アンモニウム溶液50ml中で、冷蔵庫内(2〜3℃程度、以下同じ)で30分浸漬したこと以外は、実施例1と同様にして本発明の導電性繊維を得た。
実施例5
高圧容器から取りだした生地を、1N塩酸水溶液に過硫酸アンモニウムを加えて濃度1.0mol/lに調整した過硫酸アンモニウム溶液50ml中で、冷蔵庫内で30分浸漬したこと以外は、実施例1と同様にして本発明の導電性繊維を得た。
実施例6
高圧容器から取りだした生地を、1N塩酸水溶液に過硫酸アンモニウムを加えて濃度1.0mol/lに調整した過硫酸アンモニウム溶液50ml中で、冷蔵庫内で30分浸漬したこと以外は、実施例1と同様にして本発明の導電性繊維を得た。
比較例1
アニリン溶液中にPET織布を30分浸漬後、1N塩酸水溶液に濃度1.0mol/lになるよう調整した過硫酸アンモニウム溶液50ml中で、冷蔵庫内で30分浸漬した。その後、蒸留水で充分水洗し、乾燥して導電性繊維を得た。
試験例1
上記実施例1〜6、比較例1で得られた導電性繊維について、表面電気抵抗率及び導電性被膜の密着性について評価した。表面電気抵抗率については、三菱化学社製のハイレスタHRSプローブを用いて測定した。導電性被膜の密着性については、サンプル生地と未処理生地の表面同士を摩擦させ、導電性被膜の密着性を観察した。「×」は塊状で導電性被膜の脱落が確認される場合、「○」は未処理生地上に粉体状の導電性被膜が若干確認される場合、「◎」は未処理生地上に粉体状の導電性被膜がほとんど確認されない場合を示す。結果を表1に示す。
Figure 2006328610
表1から、実施例1〜6の導電性繊維は、比較例1のものに対し、密着性及び外観の点で優れることが分かった。

Claims (5)

  1. 下記の工程を含む導電性繊維の製造方法:
    (1)超臨界又は亜臨界二酸化炭素流体中、5〜35 MPaの圧力下、繊維を重合可能なアニリン化合物で処理する工程、及び
    (2)(1)で得られた繊維を酸化剤で処理して、繊維表面に導電性ポリアニリン被膜を形成する工程。
  2. 前記重合可能なアニリン化合物が、無置換アニリン、或いは、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基及びアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種で置換されたアニリン化合物である請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記酸化剤が、遷移金属塩化物、過マンガン酸類、酸化クロム類、硝酸塩類、ハロゲン、過酸化物、ペルオキソ酸類、次亜塩素酸類及び金属酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法により得られる導電性繊維。
  5. 請求項4に記載の導電性繊維を含む繊維製品。
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