JP2005264233A - 剪断作業性に優れた低鉄損方向性電磁鋼板 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、同文献に記載された(1)式にならってヤング率の大きな張力材料を使用したり、張力被膜厚みを増した場合は、剪断作業性が極めて劣るところに問題があった。すなわち、変圧器等に使用するには電磁鋼板を剪断加工することが必須であり、剪断作業性に劣る電磁鋼板に剪断を繰り返し行うと、剪断刃の損耗が顕著に現れ、極端な場合には鋼板割れにまで発展することになる。また、同文献に記載された(1)式は、被膜張力を増すために被膜形成温度を上昇させることも教示しているが、鋼板の軟化等の問題からいずれの手法においても概ね1000℃を大きく超える成膜温度を採用することは困難であるし、成膜に際して電気並びに電子機器類が装置に近接して用いられる、 PVDなどの手法では、概ね 600℃を超える成膜は物理的に困難である。
すなわち、本発明の要旨は、次の通りである。
1.フォルステライト被膜のない方向性電磁鋼板の表裏面に張力被膜を形成した電磁鋼板であって、片面の被膜を除去することで生じる鋼板の反り値から求めた圧延方向における張力被膜の張力が、下記(I)式に従って算出される張力の 1.2倍以上、かつ6MPa 以上であることを特徴とする剪断作業性に優れた低鉄損方向性電磁鋼板。
記
2.前記張力被膜の上に絶縁被膜を有することを特徴とする上記1に記載の剪断作業性に優れた低鉄損方向性電磁鋼板。
ここでフォルステライト被膜のないとは、焼鈍分離剤を用いない、もしくは、フォルステライト被膜が形成されない焼鈍分離剤組成とすることでフォルステライトの形成を抑止するかフォルステライト被膜を除去した状態をいう。
さて、鋼板片面にのみ張力被膜が存在する場合は、図1に示すように、鋼板は一定の曲率で反りを生じる。
このとき、曲率半径:Rは、鋼板長:L(=2Rsin(θ/2))および反り高さ:X(=R(1-cos(θ/2)))より、鋼板長Lに比べて反り高さXが十分に小さい範囲において、次式(II)により求めることができる。
R=(L2+4X2)/8X ………(II)
そして、地鉄表面の被膜張力Σは、上式(II)より求めた曲率半径R、ヤング率などから次式(III)により求めることができる。
Σ=E・ε=E・(d/2R) ………(III)
ここで、
ε:地鉄表面歪(板厚中央でε=0)
d:鋼板厚み
E:地鉄長手方向のヤング率(E<100>=143GPa)
ちなみに、一般的な膜物質のヤング率および熱膨張係数については、図2に示す値を用いた。
まず、ドライコーティング法にてセラミック膜を形成する場合の成膜条件について鋭意研究した。特に、 HCD(Hollow Cathode Discharge)法での窒化チタン成膜について、バイアス電圧、基板温度および基板洗浄の影響などを詳しく検討した。なお、該セラミック被膜の上に、絶縁被膜を付与することを前提に検討した。絶縁被膜には、コロイダルシリカを含有するリン酸マグネシウムから成る被膜を用い、約2μm 厚で塗布して 800℃で焼き付ける方法をとった。実験手法は、上記特許文献3に示されるものである。
この従来知見を参考に、Tiが十分に窒化あるいは酸化されるように反応ガス(窒素あるいは酸素)の分圧を高めた上で、真空度、基板温度、成膜前の基板洗浄(ボンバードメント)条件、反応ガスのイオン化率、試料-ターゲット間の距離、試料の微粒子ショットブラストによる影響等を種々検討し、適正化する実験を詳細に行った。
本発明に従う張力被膜は、Goss方位の粒からなる方向性電磁鋼板に施すことにより効果を発現するため、方向性電磁鋼板が得られれば任意の製法を用いてよいが、一般には次の方法で製造される。
まず、公知の方向性電磁鋼成分に成るスラブを熱間圧延に供するが、ここでのスラブ加熱は、高温で行ってもよいが、概ね1280℃以下のスラブ加熱を用いる方法(インヒビターを用いない方法および途中窒化法を含む)が好適に適用される。その後、スラブは熱間圧延にて 1.8〜3.0mm厚程度の熱延板とする。その際、必要に応じて熱延板焼鈍を行うことができる。
ここで、磁区細分化のための溝形成を、最終冷間圧延から製品出荷までの任意の段階で行うことは、低鉄損化に有効であるので推奨される。また、磁区細分化は溝形成法に限らず歪付与法も有効である。
かくして得られた膜なしの方向性電磁鋼板の表裏面に、張力被膜を形成する。すなわち、例えば、 CVD法や PVD法のような蒸着法でセラミック被膜等を形成する。 CVD法としては、TiCl4 等の金属塩化物ガスと、もう一方の原料ガスとして、窒化物ならばN2 ,NH3 ,(CH3)3N ,(CH3)2NHガスなど、炭化物ならば CH4,CO,C2H4,C3H6,C3H8,C2H6,i-C5H12 などとを混合した雰囲気中で鋼板を加熱することによってセラミック被膜を得る。PVD 法としては、 HCD法やマグネトロンスパッタリング法、マルチアーク放電法が挙げられる。金属源は、蒸発用のターゲットより供給され、窒素や炭素は CVD法等と同様のガスを利用することが可能である。従来よく用いられる張力被膜処理液を塗布焼付する方法も利用可能だが、本発明で規定する6MPa 以上の被膜張力を得るためには、前記蒸着法を用いることが好ましい。
・ メインガスとして導入するAr流量:150cc/min
・ 反応ガスとして導入するN2流量:30cc/min(一定)
・ 膜厚が0.5μmになるように成膜時間を調整。
・ ターゲットに対する試料基板へのバイアス電圧印加:−40V
・ 反応ガスの窒素をマグネトロンスパッタリング法でイオン化処理
・ 成膜前に微粒子によるショットブラストを実施
・ 試料(鋼板)−ターゲット距離:400mm
次いで、鋼板の表面にアルキド系樹脂を主成分とするエッチングレジストインキをグラビアオフセット印刷により、非塗布部が圧延方向とほぼ直角な方向に幅 200μm および圧延方向の間隔4mmで線状に残存するように、塗布した後、 200℃で約20秒間焼き付けた。このときのレジスト厚は、2μm であった。このようにしてエッチングレジストを塗布した鋼板に、電解エッチングを施すことにより、幅 200μm および深さ20μm の線状の溝を形成したのち、有機溶剤中に浸漬してレジストを除去した。このときの電解エッチングは、NaCl電解液中で、電流密度10A/dm2および処理時間20秒間の条件で行った。
かくして得られた膜なし電磁鋼板に対し、 CVD法により窒化チタンを成膜した。窒化チタンの成膜に際しては、圧延方向にエプスタインサイズ(280mm×30mm)の試験片を採取し、TiCl4:1.0mass%+HCl:0.2mass%+N2 :35mass%+残余H2 の雰囲気中で成膜を行った。なお、成膜圧力:1気圧および成膜温度:1000℃である。
この際、試料には圧延方向に2MPa の引っ張り応力を印可しつつ片面あたり 0.3μm 厚の成膜を行ったのち、 900℃から 400℃まで液体窒素ミスト吹きつけで 2.2秒で急冷した。
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JP2004078542A JP2005264233A (ja) | 2004-03-18 | 2004-03-18 | 剪断作業性に優れた低鉄損方向性電磁鋼板 |
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JP (1) | JP2005264233A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010249616A (ja) * | 2009-04-14 | 2010-11-04 | Jfe Steel Corp | 方向性電磁鋼板の被膜張力の間接測定方法 |
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2004
- 2004-03-18 JP JP2004078542A patent/JP2005264233A/ja active Pending
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