JP2005264169A - 表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金およびその製造方法を提供する。
【解決手段】表面から1μm〜2mmの範囲内の厚さを有する軟磁性焼結合金表層部と軟磁性焼結合金内部とで構成されている軟磁性焼結合金であって、前記軟磁性焼結合金表層部にKおよび/またはNaが平均濃度で0.01〜1質量%含有していることを特徴とする表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金。
【選択図】 なし
【解決手段】表面から1μm〜2mmの範囲内の厚さを有する軟磁性焼結合金表層部と軟磁性焼結合金内部とで構成されている軟磁性焼結合金であって、前記軟磁性焼結合金表層部にKおよび/またはNaが平均濃度で0.01〜1質量%含有していることを特徴とする表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金。
【選択図】 なし
Description
この発明は、合金表面から1μm〜2mmの範囲内の厚さ部分で構成する軟磁性焼結合金表層部(以下、軟磁性焼結合金表層部という)と、軟磁性焼結合金表層部よりも内側にある軟磁性焼結合金内部(以下、軟磁性焼結合金内部という)とで構成されている軟磁性焼結合金であって、軟磁性焼結合金表層部にKおよび/またはNaを含有させることにより表面緻密性、寸法精度を向上させた軟磁性焼結合金に関するものであり、またその軟磁性焼結合金の製造方法に関するものである。
そして、この軟磁性焼結合金は、特に表面を高密度化することにより腐食環境に曝される軟磁性焼結合金の面積を少なくし、それによって耐食性を向上させ、またメッキなどの表面処理を容易にせしめたものであり、この軟磁性焼結合金を使用して作製した電磁機械部品、例えば、自動車用電動パワーステアリングのトルクセンサー、ステーターコア、ローターコア、ヨーク、検出リング、その他プランジャーなどは、従来の同一成分組成を有する軟磁性焼結合金を使用して作製した電磁機械部品と比較して優れた表面気密性、耐食性、メッキなどの表面処理性、寸法精度を有するものである。
そして、この軟磁性焼結合金は、特に表面を高密度化することにより腐食環境に曝される軟磁性焼結合金の面積を少なくし、それによって耐食性を向上させ、またメッキなどの表面処理を容易にせしめたものであり、この軟磁性焼結合金を使用して作製した電磁機械部品、例えば、自動車用電動パワーステアリングのトルクセンサー、ステーターコア、ローターコア、ヨーク、検出リング、その他プランジャーなどは、従来の同一成分組成を有する軟磁性焼結合金を使用して作製した電磁機械部品と比較して優れた表面気密性、耐食性、メッキなどの表面処理性、寸法精度を有するものである。
一般に、各種機械部品は、原料合金粉末にステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸リチウムなどの高級脂肪酸の金属塩を潤滑剤として混合したのち、これを成形金型のキャビティに充填しプレス成形することにより圧粉体を作製し、得られた圧粉体を燒結することにより製造することはすでに知られている。
しかし、原料合金粉末に従来の高級脂肪酸の金属塩を潤滑剤として混合した混合粉末を成形金型のキャビティに充填しプレス成形して得られた圧粉体は、内部に多量の潤滑剤が含まれているために高密度の圧粉体を作製することができず、この方法で得られた圧粉体を燒結して作製した焼結合金は、添加した潤滑剤が焼結合金内部に残留するので機械的強度を低下させる。
一方、圧粉体成形に使用する原料合金粉末に添加する潤滑剤を減らして潤滑剤の少ない圧粉体を作製し、この潤滑剤含有量の少ない圧粉体を燒結して機械的強度の優れた焼結合金を製造しようとすると、圧粉体に含まれる潤滑剤の量の不足により潤滑性が不足し、そのために成形された圧粉体の型抜きが困難になり、不良な圧粉体が発生して歩留まりが低下する。
そこで、この潤滑剤の減少に伴って発生する圧粉体型抜き不良を防止するために、100℃以上に加熱された金型のキャビティ内面に、高級脂肪酸の金属塩(例えば、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛)を溶媒に懸濁させた高級脂肪酸系潤滑剤を塗布し、金型の加熱によって溶媒は蒸発させ、それによって成形金型のキャビティ内面に高級脂肪酸の金属塩膜を形成し、この高級脂肪酸の金属塩膜が形成されたキャビティに通常より潤滑剤の少ない原料合金粉末を充填し600MPa以上の圧力でプレス成形して圧粉体を作製すると、圧粉体の表面にステアリン酸鉄の単分子膜のような高級脂肪酸の鉄塩の被膜が圧粉体表面に生成し、その結果、圧粉体と金型の間の摩擦力が減少し、圧粉体を抜出する圧力が減少して圧粉体を金型から簡単に取り出すことができ、また600MPa以上の高圧力で加圧成形するので高密度の圧粉体を製造できるとされている(特許文献1参照)。
この方法によると、得られた圧粉体は内部に含まれる潤滑剤の量が少ない高密度の圧粉体を得ることができ、さらに型抜けを容易に行なうことができるので金型からの抜出し圧力を減少させることができ、さらに圧粉体の型抜け時における破損が少ないなどの優れた効果があり、効率よく優れた圧粉体を製造し、得られた圧粉体を焼結することにより優れた燒結合金を製造することができると考えられる。
軟磁性金属粉末は、鉄粉末、Fe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末などが従来から一般に知られている。一層具体的に示すと、軟磁性金属粉末としての鉄粉末は純鉄粉末が知られており、
Fe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末としてNi:35〜85%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるニッケル基軟磁性合金粉末(例えば、Fe−49%Ni粉末)が知られており、
Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末としてはCr:1〜20%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるFe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末が知られており、
Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末としてはSi:0.1〜10%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるFe−Si系鉄基軟磁性合金粉末が知られている。
特許第3309970号明細書
しかし、原料合金粉末に従来の高級脂肪酸の金属塩を潤滑剤として混合した混合粉末を成形金型のキャビティに充填しプレス成形して得られた圧粉体は、内部に多量の潤滑剤が含まれているために高密度の圧粉体を作製することができず、この方法で得られた圧粉体を燒結して作製した焼結合金は、添加した潤滑剤が焼結合金内部に残留するので機械的強度を低下させる。
一方、圧粉体成形に使用する原料合金粉末に添加する潤滑剤を減らして潤滑剤の少ない圧粉体を作製し、この潤滑剤含有量の少ない圧粉体を燒結して機械的強度の優れた焼結合金を製造しようとすると、圧粉体に含まれる潤滑剤の量の不足により潤滑性が不足し、そのために成形された圧粉体の型抜きが困難になり、不良な圧粉体が発生して歩留まりが低下する。
そこで、この潤滑剤の減少に伴って発生する圧粉体型抜き不良を防止するために、100℃以上に加熱された金型のキャビティ内面に、高級脂肪酸の金属塩(例えば、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛)を溶媒に懸濁させた高級脂肪酸系潤滑剤を塗布し、金型の加熱によって溶媒は蒸発させ、それによって成形金型のキャビティ内面に高級脂肪酸の金属塩膜を形成し、この高級脂肪酸の金属塩膜が形成されたキャビティに通常より潤滑剤の少ない原料合金粉末を充填し600MPa以上の圧力でプレス成形して圧粉体を作製すると、圧粉体の表面にステアリン酸鉄の単分子膜のような高級脂肪酸の鉄塩の被膜が圧粉体表面に生成し、その結果、圧粉体と金型の間の摩擦力が減少し、圧粉体を抜出する圧力が減少して圧粉体を金型から簡単に取り出すことができ、また600MPa以上の高圧力で加圧成形するので高密度の圧粉体を製造できるとされている(特許文献1参照)。
この方法によると、得られた圧粉体は内部に含まれる潤滑剤の量が少ない高密度の圧粉体を得ることができ、さらに型抜けを容易に行なうことができるので金型からの抜出し圧力を減少させることができ、さらに圧粉体の型抜け時における破損が少ないなどの優れた効果があり、効率よく優れた圧粉体を製造し、得られた圧粉体を焼結することにより優れた燒結合金を製造することができると考えられる。
軟磁性金属粉末は、鉄粉末、Fe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末などが従来から一般に知られている。一層具体的に示すと、軟磁性金属粉末としての鉄粉末は純鉄粉末が知られており、
Fe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末としてNi:35〜85%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるニッケル基軟磁性合金粉末(例えば、Fe−49%Ni粉末)が知られており、
Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末としてはCr:1〜20%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるFe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末が知られており、
Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末としてはSi:0.1〜10%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるFe−Si系鉄基軟磁性合金粉末が知られている。
しかし、従来の固体粉末であるステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸リチウムなど固体状態の高級脂肪酸の金属塩を水中に懸濁した高級脂肪酸系潤滑剤を成形金型のキャビティ内面に塗布して得られた潤滑剤膜は、キャビティ内面に固体粉末膜として形成されるために成形金型のキャビティ内面に緻密な被膜が形成されず、またキャビティ内面に対する密着性も不十分であるなどの欠点があり、安定した潤滑剤膜の形成が困難であるところから、金属粉末の安定した金型成形は困難であるという課題があった。
そこで、本発明者らは、上述のような観点から、成形金型のキャビティ内面に一層緻密な潤滑剤膜を形成すべく研究を行っていたところ、
(a)溶媒に溶解可能なカリウム塩および/またはナトリウム塩を溶媒に溶解した溶液を作製し、この溶液を潤滑剤として、潤滑剤の溶媒が蒸発する温度以上に加熱された成形金型のキャビティ内面に塗布すると、成形金型は溶媒が蒸発する程度の高温に加熱されているので潤滑剤に含まれる溶媒は蒸発し、カリウム塩および/またはナトリウム塩が成形金型のキャビティ内面に晶出して成形金型のキャビティ内面にカリウム塩および/またはナトリウム塩の晶出膜を形成し、この成形金型のキャビティ内面に形成したカリウム塩および/またはナトリウム塩の晶出膜は極めて緻密な潤滑剤膜を形成することができ、また密着性に優れているので作業中に剥離することが少ない、
(b)前記カリウム塩および/またはナトリウム塩の晶出膜を形成した成形金型のキャビティに原料粉末である軟磁性粉末を充填し、プレス成形して得られた圧粉体は成形金型のキャビティ内面にカリウム塩および/またはナトリウム塩の晶出膜が形成されているために容易に型抜きすることができ、さらに得られた圧粉体の表面にはカリウム塩および/またはナトリウム塩が付着しており、この表面にカリウム塩および/またはナトリウム塩が付着した圧粉体を燒結すると、圧粉体表面にカリウム(以下、Kと記す)および/またはナトリウム(以下、Naと記す)を含むことにより酸化鉄被膜を還元して軟磁性粉末の表面を活性化させ、焼結体表面に開放気孔(焼結合金の表面から内部に連通している気孔)の極めて少ない表面緻密な軟磁性焼結合金が得られ、この表面緻密な軟磁性焼結合金は、大気中を始めとする腐食環境に曝される表面積が少なくなって耐食性が通常の焼結合金に比べて向上し、さらに表面緻密性が高いところからメッキなどの表面処理を均一に欠陥無く行え、寸法精度が優れていることから、各種の機械部品を製造するための部材として有効である、
(c)このようにして得られた表面緻密性、寸法精度に優れた焼結合金は、表面から1μm〜2mm(好ましくは、10μm〜0.5mm)の範囲内の深さ部分の焼結合金表層部にはKおよび/またはNaが0.01〜1質量%含まれている、
(d)前記表面から1μm〜2mm(好ましくは、10μm〜0.5mm)の範囲内の深さ部分の焼結合金表層部におけるK濃度およびNa濃度は、高精度分析を行うと、表面からの深さ位置および表面位置によって大きく検出されたり検出されなかったりして大きくばらつき、そのために焼結合金表層部におけるK濃度およびNa濃度は平均値で求めることが好ましい、
(e)原料合金粉末として、軟磁性合金粉末を使用した場合、表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金が得られ、この軟磁性焼結合金は合金表面から1μm〜2mmの範囲内の厚さ部分で構成する軟磁性焼結合金表層部(以下、軟磁性焼結合金表層部という)と前記軟磁性焼結合金表層部よりも内側にある軟磁性焼結合金内部(以下、軟磁性焼結合金内部という)とで構成されており、前記軟磁性焼結合金表層部にはカリウム(以下、Kと記す)およびナトリウム(以下、Naと記す)の内の1種または2種が平均濃度で0.01〜1質量%含有している含まれている、などの知見を得たのである。
(a)溶媒に溶解可能なカリウム塩および/またはナトリウム塩を溶媒に溶解した溶液を作製し、この溶液を潤滑剤として、潤滑剤の溶媒が蒸発する温度以上に加熱された成形金型のキャビティ内面に塗布すると、成形金型は溶媒が蒸発する程度の高温に加熱されているので潤滑剤に含まれる溶媒は蒸発し、カリウム塩および/またはナトリウム塩が成形金型のキャビティ内面に晶出して成形金型のキャビティ内面にカリウム塩および/またはナトリウム塩の晶出膜を形成し、この成形金型のキャビティ内面に形成したカリウム塩および/またはナトリウム塩の晶出膜は極めて緻密な潤滑剤膜を形成することができ、また密着性に優れているので作業中に剥離することが少ない、
(b)前記カリウム塩および/またはナトリウム塩の晶出膜を形成した成形金型のキャビティに原料粉末である軟磁性粉末を充填し、プレス成形して得られた圧粉体は成形金型のキャビティ内面にカリウム塩および/またはナトリウム塩の晶出膜が形成されているために容易に型抜きすることができ、さらに得られた圧粉体の表面にはカリウム塩および/またはナトリウム塩が付着しており、この表面にカリウム塩および/またはナトリウム塩が付着した圧粉体を燒結すると、圧粉体表面にカリウム(以下、Kと記す)および/またはナトリウム(以下、Naと記す)を含むことにより酸化鉄被膜を還元して軟磁性粉末の表面を活性化させ、焼結体表面に開放気孔(焼結合金の表面から内部に連通している気孔)の極めて少ない表面緻密な軟磁性焼結合金が得られ、この表面緻密な軟磁性焼結合金は、大気中を始めとする腐食環境に曝される表面積が少なくなって耐食性が通常の焼結合金に比べて向上し、さらに表面緻密性が高いところからメッキなどの表面処理を均一に欠陥無く行え、寸法精度が優れていることから、各種の機械部品を製造するための部材として有効である、
(c)このようにして得られた表面緻密性、寸法精度に優れた焼結合金は、表面から1μm〜2mm(好ましくは、10μm〜0.5mm)の範囲内の深さ部分の焼結合金表層部にはKおよび/またはNaが0.01〜1質量%含まれている、
(d)前記表面から1μm〜2mm(好ましくは、10μm〜0.5mm)の範囲内の深さ部分の焼結合金表層部におけるK濃度およびNa濃度は、高精度分析を行うと、表面からの深さ位置および表面位置によって大きく検出されたり検出されなかったりして大きくばらつき、そのために焼結合金表層部におけるK濃度およびNa濃度は平均値で求めることが好ましい、
(e)原料合金粉末として、軟磁性合金粉末を使用した場合、表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金が得られ、この軟磁性焼結合金は合金表面から1μm〜2mmの範囲内の厚さ部分で構成する軟磁性焼結合金表層部(以下、軟磁性焼結合金表層部という)と前記軟磁性焼結合金表層部よりも内側にある軟磁性焼結合金内部(以下、軟磁性焼結合金内部という)とで構成されており、前記軟磁性焼結合金表層部にはカリウム(以下、Kと記す)およびナトリウム(以下、Naと記す)の内の1種または2種が平均濃度で0.01〜1質量%含有している含まれている、などの知見を得たのである。
この発明は、かかる知見にもとづいて成されたものであって、
(1)軟磁性焼結合金表層部と軟磁性焼結合金表層部よりも内側にある軟磁性焼結合金内部とで構成されている軟磁性焼結合金であって、前記軟磁性焼結合金表層部にはKが含まれている表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、
(2)軟磁性焼結合金表層部と軟磁性焼結合金内部とで構成されている軟磁性焼結合金であって、前記軟磁性焼結合金表層部にはNaが含まれている表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、
(3)軟磁性焼結合金表層部と軟磁性焼結合金内部とで構成されている軟磁性焼結合金であって、前記軟磁性焼結合金表層部にはKおよびNaが含まれている表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、
(4)軟磁性焼結合金表層部と軟磁性焼結合金内部とで構成されている軟磁性焼結合金であって、軟磁性焼結合金表層部にはKが平均濃度で0.01〜1質量%含有している表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、
(5)軟磁性焼結合金表層部と軟磁性焼結合金内部とで構成されている軟磁性焼結合金であって、前記軟磁性焼結合金表層部にはNaが平均濃度で0.01〜1質量%含有している表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、
(6)軟磁性焼結合金表層部と軟磁性焼結合金内部とで構成されている軟磁性焼結合金であって、前記軟磁性焼結合金表層部にはKおよびNaの合計が平均濃度で0.01〜1質量%含有している表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、に特徴を有するものである。
(1)軟磁性焼結合金表層部と軟磁性焼結合金表層部よりも内側にある軟磁性焼結合金内部とで構成されている軟磁性焼結合金であって、前記軟磁性焼結合金表層部にはKが含まれている表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、
(2)軟磁性焼結合金表層部と軟磁性焼結合金内部とで構成されている軟磁性焼結合金であって、前記軟磁性焼結合金表層部にはNaが含まれている表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、
(3)軟磁性焼結合金表層部と軟磁性焼結合金内部とで構成されている軟磁性焼結合金であって、前記軟磁性焼結合金表層部にはKおよびNaが含まれている表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、
(4)軟磁性焼結合金表層部と軟磁性焼結合金内部とで構成されている軟磁性焼結合金であって、軟磁性焼結合金表層部にはKが平均濃度で0.01〜1質量%含有している表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、
(5)軟磁性焼結合金表層部と軟磁性焼結合金内部とで構成されている軟磁性焼結合金であって、前記軟磁性焼結合金表層部にはNaが平均濃度で0.01〜1質量%含有している表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、
(6)軟磁性焼結合金表層部と軟磁性焼結合金内部とで構成されている軟磁性焼結合金であって、前記軟磁性焼結合金表層部にはKおよびNaの合計が平均濃度で0.01〜1質量%含有している表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、に特徴を有するものである。
これら軟磁性焼結合金表層部と軟磁性焼結合金内部で構成されている軟磁性焼結合金は、具体的には、原料粉末として通常の、純鉄粉末、Fe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末を使用して製造される。
原料粉末として純鉄粉末を使用する場合は、軟磁性焼結合金内部は純鉄軟磁性合金焼結体からなり、軟磁性焼結合金表層部はKおよびNaの内の1種または2種の合計が平均濃度で0.01〜1質量%含有する純鉄軟磁性合金焼結体からなる表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金が得られ、
原料粉末としてFe−Ni系軟磁性合金粉末を使用する場合は、軟磁性焼結合金内部はNi:35〜85%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Ni系鉄基軟磁性合金焼結体からなり、軟磁性焼結合金表層部はNi:35〜85%を含有し、さらにKおよびNaの内の1種または2種の合計が平均濃度で0.01〜1質量%含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Ni系軟磁性合金焼結体からなる表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金が得られ、
原料粉末としてFe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末を使用する場合は、軟磁性焼結合金内部はCr:1〜20%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Cr系鉄基軟磁性合金焼結体からなり、軟磁性焼結合金表層部はCr:1〜20%を含有し、さらにKおよびNaの内の1種または2種の合計が平均濃度で0.01〜1質量%含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Cr系鉄基軟磁性合金焼結体からなる表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金が得られ、
原料粉末としてFe−Si系鉄基軟磁性合金粉末を使用する場合は、軟磁性焼結合金内部はSi:0.1〜10%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Si系鉄基軟磁性合金焼結体からなり、軟磁性焼結合金表層部はSi:0.1〜10%を含有し、さらにKおよびNaの内の1種または2種の合計が平均濃度で0.01〜1質量%含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Si系鉄基軟磁性合金焼結体からなる表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金が得られる。
原料粉末として純鉄粉末を使用する場合は、軟磁性焼結合金内部は純鉄軟磁性合金焼結体からなり、軟磁性焼結合金表層部はKおよびNaの内の1種または2種の合計が平均濃度で0.01〜1質量%含有する純鉄軟磁性合金焼結体からなる表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金が得られ、
原料粉末としてFe−Ni系軟磁性合金粉末を使用する場合は、軟磁性焼結合金内部はNi:35〜85%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Ni系鉄基軟磁性合金焼結体からなり、軟磁性焼結合金表層部はNi:35〜85%を含有し、さらにKおよびNaの内の1種または2種の合計が平均濃度で0.01〜1質量%含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Ni系軟磁性合金焼結体からなる表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金が得られ、
原料粉末としてFe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末を使用する場合は、軟磁性焼結合金内部はCr:1〜20%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Cr系鉄基軟磁性合金焼結体からなり、軟磁性焼結合金表層部はCr:1〜20%を含有し、さらにKおよびNaの内の1種または2種の合計が平均濃度で0.01〜1質量%含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Cr系鉄基軟磁性合金焼結体からなる表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金が得られ、
原料粉末としてFe−Si系鉄基軟磁性合金粉末を使用する場合は、軟磁性焼結合金内部はSi:0.1〜10%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Si系鉄基軟磁性合金焼結体からなり、軟磁性焼結合金表層部はSi:0.1〜10%を含有し、さらにKおよびNaの内の1種または2種の合計が平均濃度で0.01〜1質量%含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Si系鉄基軟磁性合金焼結体からなる表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金が得られる。
したがって、この発明は、
(7)軟磁性焼結合金内部は純鉄軟磁性合金焼結体からなり、軟磁性焼結合金表層部はKを平均濃度で0.01〜1質量%含有する純鉄軟磁性合金焼結体からなる表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、
(8)軟磁性焼結合金内部はNi:35〜85%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Ni系鉄基軟磁性合金焼結体からなり、
軟磁性焼結合金表層部は、Ni:35〜85%を含有し、さらにKを平均濃度で0.01〜1質量%含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Ni系鉄基軟磁性合金焼結体からなる表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、
(9)軟磁性焼結合金内部は、Cr:1〜20%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Cr系鉄基軟磁性合金焼結体からなり、
軟磁性焼結合金表層部は、Cr:1〜20%を含有し、さらにKを平均濃度で0.01〜1質量%含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Cr系鉄基軟磁性合金焼結体からなる表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、
(10)軟磁性焼結合金内部は、Si:0.1〜10%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Si系鉄基軟磁性合金焼結体からなり、
軟磁性焼結合金表層部は、Si:0.1〜10%を含有し、さらにKを平均濃度で0.01〜1質量%含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Si系鉄基軟磁性合金焼結体からなる表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、
(11)軟磁性焼結合金内部は純鉄軟磁性合金焼結体からなり、軟磁性焼結合金表層部はNaを平均濃度で0.01〜1質量%含有する純鉄軟磁性合金焼結体からなる表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、
(12)軟磁性焼結合金内部は、Ni:35〜85%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Ni系鉄基軟磁性合金焼結体からなり、
軟磁性焼結合金表層部は、Ni:35〜85%を含有し、さらにNaを平均濃度で0.01〜1質量%含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Ni系鉄基軟磁性合金焼結体からなる表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、
(13)軟磁性焼結合金内部は、Cr:1〜20%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Cr系鉄基軟磁性合金焼結体からなり、
軟磁性焼結合金表層部は、Cr:1〜20%を含有し、さらにNaを平均濃度で0.01〜1質量%含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Cr系鉄基軟磁性合金焼結体からなる表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、
(14)軟磁性焼結合金内部は、Si:0.1〜10%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Si系鉄基軟磁性合金焼結体からなり、
軟磁性焼結合金表層部は、Si:0.1〜10%を含有し、さらにNaを平均濃度で0.01〜1質量%含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Si系鉄基軟磁性合金焼結体からなる表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、
(15)軟磁性焼結合金内部は純鉄軟磁性合金焼結体からなり、軟磁性焼結合金表層部はKおよびNaの合計が平均濃度で0.01〜1質量%含有する純鉄軟磁性合金焼結体からなる表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、
(16)軟磁性焼結合金内部は、Ni:35〜85%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Ni系鉄基軟磁性合金焼結体からなり、
軟磁性焼結合金表層部は、Ni:35〜85%を含有し、さらにKおよびNaの合計が平均濃度で0.01〜1質量%含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Ni系鉄基軟磁性合金焼結体からなる表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、
(17)軟磁性焼結合金内部は、Cr:1〜20%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Cr系鉄基軟磁性合金焼結体からなり、
軟磁性焼結合金表層部は、Cr:1〜20%を含有し、さらにKおよびNaの合計が平均濃度で0.01〜1質量%含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Cr系鉄基軟磁性合金焼結体からなる表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、
(18)軟磁性焼結合金内部は、Si:0.1〜10%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Si系鉄基軟磁性合金焼結体からなり、
軟磁性焼結合金表層部は、Si:0.1〜10%を含有し、さらにKおよびNaの合計が平均濃度で0.01〜1質量%含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Si系鉄基軟磁性合金焼結体からなる表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、に特徴を有するものである。
(7)軟磁性焼結合金内部は純鉄軟磁性合金焼結体からなり、軟磁性焼結合金表層部はKを平均濃度で0.01〜1質量%含有する純鉄軟磁性合金焼結体からなる表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、
(8)軟磁性焼結合金内部はNi:35〜85%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Ni系鉄基軟磁性合金焼結体からなり、
軟磁性焼結合金表層部は、Ni:35〜85%を含有し、さらにKを平均濃度で0.01〜1質量%含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Ni系鉄基軟磁性合金焼結体からなる表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、
(9)軟磁性焼結合金内部は、Cr:1〜20%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Cr系鉄基軟磁性合金焼結体からなり、
軟磁性焼結合金表層部は、Cr:1〜20%を含有し、さらにKを平均濃度で0.01〜1質量%含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Cr系鉄基軟磁性合金焼結体からなる表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、
(10)軟磁性焼結合金内部は、Si:0.1〜10%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Si系鉄基軟磁性合金焼結体からなり、
軟磁性焼結合金表層部は、Si:0.1〜10%を含有し、さらにKを平均濃度で0.01〜1質量%含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Si系鉄基軟磁性合金焼結体からなる表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、
(11)軟磁性焼結合金内部は純鉄軟磁性合金焼結体からなり、軟磁性焼結合金表層部はNaを平均濃度で0.01〜1質量%含有する純鉄軟磁性合金焼結体からなる表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、
(12)軟磁性焼結合金内部は、Ni:35〜85%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Ni系鉄基軟磁性合金焼結体からなり、
軟磁性焼結合金表層部は、Ni:35〜85%を含有し、さらにNaを平均濃度で0.01〜1質量%含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Ni系鉄基軟磁性合金焼結体からなる表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、
(13)軟磁性焼結合金内部は、Cr:1〜20%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Cr系鉄基軟磁性合金焼結体からなり、
軟磁性焼結合金表層部は、Cr:1〜20%を含有し、さらにNaを平均濃度で0.01〜1質量%含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Cr系鉄基軟磁性合金焼結体からなる表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、
(14)軟磁性焼結合金内部は、Si:0.1〜10%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Si系鉄基軟磁性合金焼結体からなり、
軟磁性焼結合金表層部は、Si:0.1〜10%を含有し、さらにNaを平均濃度で0.01〜1質量%含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Si系鉄基軟磁性合金焼結体からなる表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、
(15)軟磁性焼結合金内部は純鉄軟磁性合金焼結体からなり、軟磁性焼結合金表層部はKおよびNaの合計が平均濃度で0.01〜1質量%含有する純鉄軟磁性合金焼結体からなる表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、
(16)軟磁性焼結合金内部は、Ni:35〜85%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Ni系鉄基軟磁性合金焼結体からなり、
軟磁性焼結合金表層部は、Ni:35〜85%を含有し、さらにKおよびNaの合計が平均濃度で0.01〜1質量%含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Ni系鉄基軟磁性合金焼結体からなる表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、
(17)軟磁性焼結合金内部は、Cr:1〜20%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Cr系鉄基軟磁性合金焼結体からなり、
軟磁性焼結合金表層部は、Cr:1〜20%を含有し、さらにKおよびNaの合計が平均濃度で0.01〜1質量%含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Cr系鉄基軟磁性合金焼結体からなる表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、
(18)軟磁性焼結合金内部は、Si:0.1〜10%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Si系鉄基軟磁性合金焼結体からなり、
軟磁性焼結合金表層部は、Si:0.1〜10%を含有し、さらにKおよびNaの合計が平均濃度で0.01〜1質量%含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Si系鉄基軟磁性合金焼結体からなる表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、に特徴を有するものである。
前記(1)〜(18)記載のこの発明の軟磁性焼結合金における軟磁性焼結合金表層部は、Kおよび/またはNaが含まれており、さらに表面における開放気孔(焼結合金の表面から内部に連通している気孔)が極めて少なく、開放気孔率が2%以下である。
したがって、この発明は、
(19)前記軟磁性焼結合金表層部の開放気孔率は2%以下である前記(1)〜(18)の内のいずれかに記載の表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、に特徴を有するものである。
開放気孔率は小さいほど好ましく、1%以下であることが一層好ましく、0.8%以下であることがさらに一層好ましい。
したがって、この発明は、
(19)前記軟磁性焼結合金表層部の開放気孔率は2%以下である前記(1)〜(18)の内のいずれかに記載の表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、に特徴を有するものである。
開放気孔率は小さいほど好ましく、1%以下であることが一層好ましく、0.8%以下であることがさらに一層好ましい。
この発明の前記(1)〜(18)記載の表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金は、各種の電磁機械部品の材料として使用することができ、特に耐食性または表面処理を必要とするステーターコア、ローターコア、自動車用電動パワーステアリングのトルクセンサー、ヨーク、検出リング、その他プランジャーなどの電磁機械部品の部材として使用される。
したがって、この発明は、
(19)前記軟磁性焼結合金表層部の開放気孔率は2%以下である前記(1)〜(18)の内のいずれかに記載の表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、
(20)前記(1)〜(19)記載の表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金からなる機械部品部材、
(21)前記(1)〜(19)記載の表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金からなる機械部品、
(22)前記機械部品はヨークである前記(21)記載の機械部品、
(23)前記機械部品はステーターコアまたはローターコアである前記(21)記載の機械部品、
(24)前記機械部品はプランジャーである前記(21)記載の機械部品、
(25)前記機械部品は検出リングである前記(21)記載の機械部品、に特徴を有するものである。
したがって、この発明は、
(19)前記軟磁性焼結合金表層部の開放気孔率は2%以下である前記(1)〜(18)の内のいずれかに記載の表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、
(20)前記(1)〜(19)記載の表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金からなる機械部品部材、
(21)前記(1)〜(19)記載の表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金からなる機械部品、
(22)前記機械部品はヨークである前記(21)記載の機械部品、
(23)前記機械部品はステーターコアまたはローターコアである前記(21)記載の機械部品、
(24)前記機械部品はプランジャーである前記(21)記載の機械部品、
(25)前記機械部品は検出リングである前記(21)記載の機械部品、に特徴を有するものである。
この発明の表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金における「軟磁性焼結合金表層部」とは、その厚さが軟磁性焼結合金の表面から1μm〜2mm範囲内にある部分である。軟磁性焼結合金表層部の厚さが1μm未満では表面緻密性および表面硬度の向上に格別な効果がなく、一方、これら軟磁性焼結合金表層部の厚さが2mmを越えるようになると、軟磁性焼結合金内部にまで液相焼結およびα相焼結が進行するところから寸法精度が低下し、好ましくないからである。
また、この発明の表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金における「軟磁性焼結合金内部」は、表面から1μm〜2mmの範囲内の厚さを有する軟磁性焼結合金表層部よりも内部の部分である。
この発明の表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金において、軟磁性焼結合金表層部におけるKおよびNaの内の1種または2種を合計で平均濃度が0.01質量%以上となるように定めたのは、これら成分の平均濃度が0.01質量%よりも少ないと、軟磁性焼結合金原料粉末の表面酸化膜を還元して活性化する効果が不十分であるところから緻密な表層部が得られなくなり、一方、軟磁性焼結合金表層部におけるこれら成分の平均濃度が1質量%を越えるほど高くすることは通常の焼結条件では不可能であり、また、特に表面緻密性が高くなることはない。したがって、この発明の表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金における軟磁性焼結合金表層部に含まれるKおよびNaの内の1種または2種を合計の平均濃度は0.01〜1質量%に定めた。この発明の表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金における軟磁性焼結合金表層部に含まれるNaまたはK濃度の内の1種または2種の合計の平均値は0.02〜0.5質量%含まれるようにするのが製造しやすく、製造効率の上で一層好ましい。
前記(1)、(4)、(7)、(8)、(9)または(10)記載の表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金は、成形金型のキャビティ内面に潤滑剤としての硫酸カリウム、亜硫酸カリウム、チオ硫酸カリウム、ドデシル硫酸カリウム、ドデシルベンゼン硫酸カリウム、食用青色1号、アスコルビン酸硫酸エステルカリウム、四ほう酸カリウム、珪酸カリウム、タングステン酸カリウム、酢酸カリウム、安息香酸カリウム、アスコルビン酸カリウム、ステアリン酸カリウム、硝酸カリウムおよび炭酸カリウムの内の1種または2種以上からなるカリウム塩の内の1種または2種以上からなるカリウム塩の膜を形成したのち、軟磁性粉末を成形金型のキャビティに充填しプレス成形することにより表面にカリウム塩が付着した圧粉体を作製し、得られた圧粉体を1000〜1400℃で燒結することにより製造することができる。
成形金型のキャビティ内面に前記カリウム塩の膜を形成するには、カリウム塩を溶媒(例えば水)に溶解した溶液を加熱した成形金型のキャビティ内面に塗布して溶媒(例えば水)を蒸発させ、潤滑剤としてカリウム塩を晶出させることにより形成する。この時、成形金型を加熱する温度は溶媒(例えば水)が蒸発する温度に加熱すればよいから、成形金型の加熱温度は100℃以上であれば良い。
成形金型のキャビティ内面に前記カリウム塩の膜を形成するには、カリウム塩を溶媒(例えば水)に溶解した溶液を加熱した成形金型のキャビティ内面に塗布して溶媒(例えば水)を蒸発させ、潤滑剤としてカリウム塩を晶出させることにより形成する。この時、成形金型を加熱する温度は溶媒(例えば水)が蒸発する温度に加熱すればよいから、成形金型の加熱温度は100℃以上であれば良い。
前記(2)、(5)、(11)、(12)、(13)または(14)記載の表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金は、成形金型のキャビティ内面に潤滑剤としての硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、食用黄色5号、アスコルビン酸硫酸エステルナトリウム、四ほう酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、タングステン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、硝酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムの内の1種または2種以上からなるナトリウム塩の膜を形成したのち、ステンレス鋼焼結合金原料粉末を成形金型のキャビティに充填しプレス成形することにより表面に前記ナトリウム塩が付着した表面のNa濃度の高い圧粉体を作製し、得られた圧粉体を1000〜1400℃で燒結することにより製造することができる。
成形金型のキャビティ内面に前記ナトリウム塩の膜を形成するには、ナトリウム塩を溶媒(例えば水)に溶解した溶液を加熱した成形金型のキャビティ内面に塗布して溶媒(例えば水)を蒸発させ、潤滑剤としてナトリウム塩を晶出させることにより形成する。この時、成形金型を加熱する温度は溶媒(例えば水)が蒸発する温度に加熱すればよいから、成形金型の加熱温度は100℃以上であれば良い。
成形金型のキャビティ内面に前記ナトリウム塩の膜を形成するには、ナトリウム塩を溶媒(例えば水)に溶解した溶液を加熱した成形金型のキャビティ内面に塗布して溶媒(例えば水)を蒸発させ、潤滑剤としてナトリウム塩を晶出させることにより形成する。この時、成形金型を加熱する温度は溶媒(例えば水)が蒸発する温度に加熱すればよいから、成形金型の加熱温度は100℃以上であれば良い。
前記(3)、(6)、(15)、(16)、(17)または(18)記載の表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金は、成形金型のキャビティ内面に潤滑剤としての前記カリウム塩とナトリウム塩の混合塩膜を形成したのち、軟磁性焼結合金原料粉末を成形金型のキャビティに充填しプレス成形することにより表面にカリウム塩とナトリウム塩の混合塩が付着した圧粉体を作製し、得られた圧粉体を1000〜1400℃で燒結することにより製造することができる。
成形金型のキャビティ内面に前記カリウム塩とナトリウム塩の混合塩膜を形成するには、前記カリウム塩とナトリウム塩の混合塩を溶媒(例えば水)に溶解した溶液を加熱した成形金型のキャビティ内面に塗布して溶媒(例えば水)を蒸発させ、潤滑剤としてカリウム塩とナトリウム塩の混合塩を晶出させることにより形成する。この時、成形金型を加熱する温度は溶媒(例えば水)が蒸発する温度に加熱すればよいから、成形金型の加熱温度は100℃以上であれば良い。
成形金型のキャビティ内面に前記カリウム塩とナトリウム塩の混合塩膜を形成するには、前記カリウム塩とナトリウム塩の混合塩を溶媒(例えば水)に溶解した溶液を加熱した成形金型のキャビティ内面に塗布して溶媒(例えば水)を蒸発させ、潤滑剤としてカリウム塩とナトリウム塩の混合塩を晶出させることにより形成する。この時、成形金型を加熱する温度は溶媒(例えば水)が蒸発する温度に加熱すればよいから、成形金型の加熱温度は100℃以上であれば良い。
前記(19)に記載されたこの発明の表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金、前記(20)に記載されたこの発明の表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金からなる機械部品部材、前記(21)に記載されたこの発明の表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金からなる機械部品、前記(22)〜(25)に記載されたこの発明の表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金からなる機械部品は、前記この発明の表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金の製造方法と同じ製造方法により製造することができる。
この発明の軟磁性燒結合金は、従来の同じ成分組成を有する軟磁性焼結合金に比べて表面における開放気孔率が小さいところから耐食性に優れ、またメッキなどの表面処理を施しやく、さらに寸法精度が優れるところから各種の機械部品用電磁気部材とすることができ、機械産業の発展に大いに貢献し得るものである。
直径:11mm、高さ:40mmを有するキャビティを有し、キャビティ内面を所定の温度に加熱することができる成形金型を用意した。さらに原料粉末として、
平均粒径:70μmを有する純鉄粉末、
平均粒径:90μmを有し、Ni:45%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるFe−Ni系軟磁性合金粉末、
平均粒径:50μmを有し、Cr:13%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるFe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末、
平均粒径:80μmを有し、Si:3%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるFe−Si系鉄基軟磁性合金粉末、を用意した。
平均粒径:70μmを有する純鉄粉末、
平均粒径:90μmを有し、Ni:45%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるFe−Ni系軟磁性合金粉末、
平均粒径:50μmを有し、Cr:13%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるFe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末、
平均粒径:80μmを有し、Si:3%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるFe−Si系鉄基軟磁性合金粉末、を用意した。
さらに、カリウム塩として、硫酸カリウム、亜硫酸カリウム、チオ硫酸カリウム、ドデシル硫酸カリウム、ドデシルベンゼン硫酸カリウム、食用青色1号、アスコルビン酸硫酸エステルカリウム、四ほう酸カリウム、珪酸カリウム、タングステン酸カリウム、酢酸カリウム、安息香酸カリウム、アスコルビン酸カリウム、ステアリン酸カリウム、硝酸カリウムおよび炭酸カリウムを用意し、
さらに、ナトリウム塩として硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、食用黄色5号、アスコルビン酸硫酸エステルナトリウム、四ほう酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、タングステン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、硝酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムを用意した。
これらを溶媒である水に異なる濃度で溶解させることにより、表1に示される潤滑剤A〜Uおよびa〜fを作製した。
さらに、ナトリウム塩として硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、食用黄色5号、アスコルビン酸硫酸エステルナトリウム、四ほう酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、タングステン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、硝酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムを用意した。
これらを溶媒である水に異なる濃度で溶解させることにより、表1に示される潤滑剤A〜Uおよびa〜fを作製した。
実施例1−1
予め成形金型のキャビティ内面の温度を150℃に保持したのち、キャビティ内面に表1に示される潤滑剤A〜Gおよびa〜bを異なる厚さで塗布し、水を蒸発させることによりキャビティ内面にカリウム塩である硫酸カリウム、亜硫酸カリウム、チオ硫酸カリウム、ドデシル硫酸カリウム、ドデシルベンゼン硫酸カリウム、食用青色1号、アスコルビン酸硫酸エステルカリウム、四ほう酸カリウム、珪酸カリウム、タングステン酸カリウム、酢酸カリウム、安息香酸カリウム、アスコルビン酸カリウム、ステアリン酸カリウム、硝酸カリウムおよび炭酸カリウムからなる異なる厚さを有する晶出層を形成した。
一方、これら晶出層を形成した成形金型のキャビティ内に先に用意した原料粉末である純鉄粉末を充填し、800MPaでプレス成形することにより表面にカリウム塩が付着した圧粉体を作製した。このようにして得られた圧粉体を真空雰囲気中、温度:1200℃で焼結し、軟磁性焼結合金表層部にKを含む本発明軟磁性焼結合金1〜7および比較軟磁性焼結合金1〜4を作製した。
予め成形金型のキャビティ内面の温度を150℃に保持したのち、キャビティ内面に表1に示される潤滑剤A〜Gおよびa〜bを異なる厚さで塗布し、水を蒸発させることによりキャビティ内面にカリウム塩である硫酸カリウム、亜硫酸カリウム、チオ硫酸カリウム、ドデシル硫酸カリウム、ドデシルベンゼン硫酸カリウム、食用青色1号、アスコルビン酸硫酸エステルカリウム、四ほう酸カリウム、珪酸カリウム、タングステン酸カリウム、酢酸カリウム、安息香酸カリウム、アスコルビン酸カリウム、ステアリン酸カリウム、硝酸カリウムおよび炭酸カリウムからなる異なる厚さを有する晶出層を形成した。
一方、これら晶出層を形成した成形金型のキャビティ内に先に用意した原料粉末である純鉄粉末を充填し、800MPaでプレス成形することにより表面にカリウム塩が付着した圧粉体を作製した。このようにして得られた圧粉体を真空雰囲気中、温度:1200℃で焼結し、軟磁性焼結合金表層部にKを含む本発明軟磁性焼結合金1〜7および比較軟磁性焼結合金1〜4を作製した。
従来例1
平均粒径5μmのステアリン酸リチウム粉末をアセトンに分散させた潤滑剤を実施例1で用意した150℃に加熱した成形金型のキャビティ内面に塗布し、アセトンを蒸発させることにより成形金型のキャビティ内面にステアリン酸リチウム層を形成したのち実施例1で用意した成分組成が純鉄粉末を充填し、800MPaでプレス成形することにより圧粉体を作製した。これら圧粉体を取り出して真空雰囲気中、温度:1200℃で焼結することにより従来軟磁性焼結合金1を作製した。
平均粒径5μmのステアリン酸リチウム粉末をアセトンに分散させた潤滑剤を実施例1で用意した150℃に加熱した成形金型のキャビティ内面に塗布し、アセトンを蒸発させることにより成形金型のキャビティ内面にステアリン酸リチウム層を形成したのち実施例1で用意した成分組成が純鉄粉末を充填し、800MPaでプレス成形することにより圧粉体を作製した。これら圧粉体を取り出して真空雰囲気中、温度:1200℃で焼結することにより従来軟磁性焼結合金1を作製した。
これら本発明軟磁性焼結合金1〜7、比較軟磁性焼結合金1〜4および従来軟磁性焼結合金1についてEPMAにより軟磁性焼結合金の軟磁性焼結合金表層部における平均K濃度をEPMAにより測定し、それらの測定結果を表2に示し、さらに開放気孔率および合金の密度および磁束密度を測定し、さらに寸法のバラツキを測定し、その結果を表2に示した。寸法のバラツキはサンプル20個中最大寸法と最小寸法の差を平均値で除したものと定義した。
表2に示される結果から、カリウム塩を溶媒に溶解した潤滑剤を使用して作製した本発明軟磁性焼結合金1〜7は、ステアリン酸リチウム粉末をアセトンに懸濁させた潤滑剤を使用して作製した従来軟磁性焼結合金1に比べて、密度がほぼ同等であっても、本発明軟磁性焼結合金1〜7はいずれも表面の開放気孔率が格段に小さくなっているところから、合金の表面が緻密であり、表面が腐食環境に曝されても腐食環境との接触面積が従来軟磁性焼結合金よりも少ないので耐食性に優れていることが分かる。また、メッキなどの表面処理が均一に欠陥無く施せることが分かる。さらに寸法のバラツキが小さく寸法精度に優れることも分かる。しかし、この発明の範囲から外れた値を有する比較軟磁性焼結合金1〜4は一部好ましくない特性が現れることが分かる。
実施例1−2
予め成形金型のキャビティ内面の温度を150℃に保持ししたのち、キャビティ内面に表1に示される潤滑剤H〜Nおよびc〜dを異なる厚さで塗布し、水を蒸発させることによりキャビティ内面にナトリウム塩である硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、食用黄色5号、アスコルビン酸硫酸エステルナトリウム、四ほう酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、タングステン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、硝酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムからなる異なる厚さを有する晶出層を形成した。
予め成形金型のキャビティ内面の温度を150℃に保持ししたのち、キャビティ内面に表1に示される潤滑剤H〜Nおよびc〜dを異なる厚さで塗布し、水を蒸発させることによりキャビティ内面にナトリウム塩である硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、食用黄色5号、アスコルビン酸硫酸エステルナトリウム、四ほう酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、タングステン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、硝酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムからなる異なる厚さを有する晶出層を形成した。
一方、これら晶出層を形成した成形金型のキャビティ内に先に用意した原料粉末である純鉄粉末を充填し、800MPaでプレス成形することにより表面にナトリウム塩が付着した圧粉体を作製した。このようにして得られた圧粉体を真空雰囲気中、温度:1200℃で焼結し、軟磁性焼結合金表層部にNaを含む本発明軟磁性焼結合金8〜14および比較軟磁性焼結合金5〜8を作製した。
これら本発明軟磁性焼結合金8〜14および比較軟磁性焼結合金5〜8の軟磁性焼結合金表層部における平均Na濃度をEPMAにより測定し、それらの測定結果を表3に示し、さらに開放気孔率および合金の密度および磁束密度を測定し、さらに寸法バラツキを測定し、その結果を表3に示した。寸法のバラツキはサンプル20個中最大寸法と最小寸法の差を平均値で除したものと定義した。
表3に示される結果から、ナトリウム塩を溶媒に溶解した潤滑剤を使用して作製した本発明軟磁性焼結合金8〜14は、ステアリン酸リチウム粉末をアセトンに懸濁させた潤滑剤を使用して作製した表2の従来軟磁性焼結合金1に比べて、密度がほぼ同等であっても、本発明軟磁性焼結合金8〜14はいずれも表面の開放気孔率が格段に小さくなっているところから、表面が緻密であり、さらに表面の腐食環境に接する表面積が少なくなるところから耐食性に優れていることが分かる。また、メッキなどの表面処理が均一に欠陥無く施せることが分かる。さらに寸法のバラツキが小さく寸法精度に優れることも分かる。しかし、この発明の範囲から外れた値を有する比較軟磁性焼結合金5〜8は一部好ましくない特性が現れることが分かる。
実施例1−3
予め成形金型のキャビティ内面の温度を150℃に保持ししたのち、キャビティ内面に表1に示される潤滑剤O〜Uおよびe〜fを異なる厚さで塗布し、水を蒸発させることによりキャビティ内面に、カリウム塩とナトリウム塩の混合塩からなる晶出層を形成した。
一方、これら晶出層を形成した成形金型のキャビティ内に先に用意した原料粉末である純鉄粉末を充填し、800MPaでプレス成形することにより表面にカリウム塩とナトリウム塩の混合塩層が付着した圧粉体を作製した。このようにして得られた圧粉体を真空雰囲気中、温度:1200℃で焼結し、軟磁性焼結合金表層部にKおよびNaを含む本発明軟磁性焼結合金15〜21および比較軟磁性焼結合金9〜12を作製した。
予め成形金型のキャビティ内面の温度を150℃に保持ししたのち、キャビティ内面に表1に示される潤滑剤O〜Uおよびe〜fを異なる厚さで塗布し、水を蒸発させることによりキャビティ内面に、カリウム塩とナトリウム塩の混合塩からなる晶出層を形成した。
一方、これら晶出層を形成した成形金型のキャビティ内に先に用意した原料粉末である純鉄粉末を充填し、800MPaでプレス成形することにより表面にカリウム塩とナトリウム塩の混合塩層が付着した圧粉体を作製した。このようにして得られた圧粉体を真空雰囲気中、温度:1200℃で焼結し、軟磁性焼結合金表層部にKおよびNaを含む本発明軟磁性焼結合金15〜21および比較軟磁性焼結合金9〜12を作製した。
これら本発明軟磁性焼結合金15〜21および比較軟磁性焼結合金9〜12の軟磁性焼結合金表層部における平均K濃度および平均Na濃度をEPMAにより測定し、それらの測定結果を表4に示し、さらに表面のロックウェル硬さ、開放気孔率および合金の密度および磁束密度を測定し、さらに寸法バラツキを測定し、その結果を表4に示した。寸法のバラツキはサンプル20個中最大寸法と最小寸法の差を平均値で除したものと定義した。
表4に示される結果から、カリウム塩とナトリウム塩の混合塩を溶媒に溶解した潤滑剤を使用して作製した本発明軟磁性焼結合金15〜21は、ステアリン酸リチウム粉末をアセトンに懸濁させた潤滑剤を使用して作製した表2の従来軟磁性焼結合金1に比べて、密度がほぼ同等であっても、本発明軟磁性焼結合金15〜21はいずれも表面の開放気孔率が格段に小さくなっているところから、表面が緻密であり、さらに表面の耐食性に優れていることが分かる。また、メッキなどの表面処理が均一に欠陥無く施せることが分かる。さらに寸法のバラツキが小さく寸法精度に優れることも分かる。しかし、この発明の範囲から外れた値を有する比較軟磁性焼結合金9〜12は一部好ましくない特性が現れることが分かる。
実施例2−1
予め成形金型のキャビティ内面の温度を150℃に保持ししたのち、キャビティ内面に表1に示される潤滑剤A〜Gおよびa〜bを異なる厚さで塗布し、水を蒸発させることによりキャビティ内面にカリウム塩である硫酸カリウム、亜硫酸カリウム、チオ硫酸カリウム、ドデシル硫酸カリウム、ドデシルベンゼン硫酸カリウム、食用青色1号、アスコルビン酸硫酸エステルカリウム、四ほう酸カリウム、珪酸カリウム、タングステン酸カリウム、酢酸カリウム、安息香酸カリウム、アスコルビン酸カリウム、ステアリン酸カリウム、硝酸カリウムおよび炭酸カリウムからなる異なる厚さを有する晶出層を形成した。
一方、これら晶出層を形成した成形金型のキャビティ内に先に用意した原料粉末であるFe−Ni系軟磁性粉末を充填し、800MPaでプレス成形することにより表面にカリウム塩が付着した圧粉体を作製した。このようにして得られた圧粉体を真空雰囲気中、温度:1200℃で焼結し、軟磁性焼結合金表層部にKを含む本発明軟磁性焼結合金22〜28および比較軟磁性焼結合金13〜16を作製した。
予め成形金型のキャビティ内面の温度を150℃に保持ししたのち、キャビティ内面に表1に示される潤滑剤A〜Gおよびa〜bを異なる厚さで塗布し、水を蒸発させることによりキャビティ内面にカリウム塩である硫酸カリウム、亜硫酸カリウム、チオ硫酸カリウム、ドデシル硫酸カリウム、ドデシルベンゼン硫酸カリウム、食用青色1号、アスコルビン酸硫酸エステルカリウム、四ほう酸カリウム、珪酸カリウム、タングステン酸カリウム、酢酸カリウム、安息香酸カリウム、アスコルビン酸カリウム、ステアリン酸カリウム、硝酸カリウムおよび炭酸カリウムからなる異なる厚さを有する晶出層を形成した。
一方、これら晶出層を形成した成形金型のキャビティ内に先に用意した原料粉末であるFe−Ni系軟磁性粉末を充填し、800MPaでプレス成形することにより表面にカリウム塩が付着した圧粉体を作製した。このようにして得られた圧粉体を真空雰囲気中、温度:1200℃で焼結し、軟磁性焼結合金表層部にKを含む本発明軟磁性焼結合金22〜28および比較軟磁性焼結合金13〜16を作製した。
従来例2
平均粒径5μmのステアリン酸リチウム粉末をアセトンに分散させた潤滑剤を実施例1で用意した150℃に加熱した成形金型のキャビティ内面に塗布し、アセトンを蒸発させることにより成形金型のキャビティ内面にステアリン酸リチウム層を形成したのち原料粉末として用意したFe−Ni系軟磁性粉末を充填し、800MPaでプレス成形することにより圧粉体を作製した。これら圧粉体を取り出して真空雰囲気中、温度:1200℃で焼結することにより従来軟磁性焼結合金2を作製した。
平均粒径5μmのステアリン酸リチウム粉末をアセトンに分散させた潤滑剤を実施例1で用意した150℃に加熱した成形金型のキャビティ内面に塗布し、アセトンを蒸発させることにより成形金型のキャビティ内面にステアリン酸リチウム層を形成したのち原料粉末として用意したFe−Ni系軟磁性粉末を充填し、800MPaでプレス成形することにより圧粉体を作製した。これら圧粉体を取り出して真空雰囲気中、温度:1200℃で焼結することにより従来軟磁性焼結合金2を作製した。
これら本発明軟磁性焼結合金22〜28、比較軟磁性焼結合金13〜16および従来軟磁性焼結合金2についてEPMAにより軟磁性焼結合金の軟磁性焼結合金表層部における平均K濃度をEPMAにより測定し、それらの測定結果を表8に示し、さらに開放気孔率、合金の密度、磁束密度および寸法バラツキを同様にして測定し、その結果を表5に示した。
表5に示される結果から、カリウム塩を溶媒に溶解した潤滑剤を使用して作製した本発明軟磁性焼結合金22〜28は、ステアリン酸リチウム粉末をアセトンに懸濁させた潤滑剤を使用して作製した従来軟磁性焼結合金2に比べて、密度がほぼ同等であっても、本発明軟磁性焼結合金22〜28はいずれも表面の硬さが高く、さらに表面の開放気孔率が格段に小さくなっているところから、表面が緻密であり、表面が腐食環境に曝されても腐食環境との接触面積が従来軟磁性焼結合金よりも少ないので耐食性に優れていることが分かる。また、メッキなどの表面処理が均一に欠陥無く施せることが分かる。さらに寸法のバラツキが小さく寸法精度に優れることも分かる。しかし、この発明の範囲から外れた値を有する比較軟磁性焼結合金13〜16は一部好ましくない特性が現れることが分かる。
実施例2−2
予め成形金型のキャビティ内面の温度を150℃に保持ししたのち、キャビティ内面に表1に示される潤滑剤H〜Nおよびc〜dを異なる厚さで塗布し、水を蒸発させることによりキャビティ内面にナトリウム塩である硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、食用黄色5号、アスコルビン酸硫酸エステルナトリウム、四ほう酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、タングステン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、硝酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムからなる異なる厚さを有する晶出層を形成した。
一方、これら晶出層を形成した成形金型のキャビティ内に先に用意した原料粉末であるFe−Ni系軟磁性粉末を充填し、800MPaでプレス成形することにより表面にナトリウム塩が付着した圧粉体を作製した。このようにして得られた圧粉体を真空雰囲気中、温度:1200℃で焼結し、軟磁性焼結合金表層部にNaを含む本発明軟磁性焼結合金29〜35および比較軟磁性焼結合金17〜20を作製した。
予め成形金型のキャビティ内面の温度を150℃に保持ししたのち、キャビティ内面に表1に示される潤滑剤H〜Nおよびc〜dを異なる厚さで塗布し、水を蒸発させることによりキャビティ内面にナトリウム塩である硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、食用黄色5号、アスコルビン酸硫酸エステルナトリウム、四ほう酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、タングステン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、硝酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムからなる異なる厚さを有する晶出層を形成した。
一方、これら晶出層を形成した成形金型のキャビティ内に先に用意した原料粉末であるFe−Ni系軟磁性粉末を充填し、800MPaでプレス成形することにより表面にナトリウム塩が付着した圧粉体を作製した。このようにして得られた圧粉体を真空雰囲気中、温度:1200℃で焼結し、軟磁性焼結合金表層部にNaを含む本発明軟磁性焼結合金29〜35および比較軟磁性焼結合金17〜20を作製した。
これら本発明軟磁性焼結合金29〜35および比較軟磁性焼結合金17〜20の軟磁性焼結合金表層部における平均Na濃度をEPMAにより測定し、それらの測定結果を表6に示し、さらに開放気孔率、合金の密度、磁束密度および寸法バラツキを測定し、その結果を表6に示した。
表6に示される結果から、ナトリウム塩を溶媒に溶解した潤滑剤を使用して作製した本発明軟磁性焼結合金29〜35は、ステアリン酸リチウム粉末をアセトンに懸濁させた潤滑剤を使用して作製した表5の従来軟磁性焼結合金2に比べて、密度がほぼ同等であっても、本発明軟磁性焼結合金29〜35はいずれも表面の硬さが高く、さらに表面の開放気孔率が格段に小さくなっているところから、表面が緻密であり、表面の腐食環境に接する表面積が少なくなるところから耐食性に優れていることが分かる。また、メッキなどの表面処理が均一に欠陥無く施せることが分かる。さらに寸法のバラツキが小さく寸法精度に優れることも分かる。しかし、この発明の範囲から外れた値を有する比較軟磁性焼結合金17〜20は一部好ましくない特性が現れることが分かる。
実施例2−3
予め成形金型のキャビティ内面の温度を150℃に保持ししたのち、キャビティ内面に表1に示される潤滑剤O〜Uおよびe〜fを異なる厚さで塗布し、水を蒸発させることによりキャビティ内面に、カリウム塩とナトリウム塩の混合塩からなる晶出層を形成した。
一方、これら晶出層を形成した成形金型のキャビティ内に先に用意した原料粉末であるFe−Ni系軟磁性粉末を充填し、800MPaでプレス成形することにより表面にカリウム塩とナトリウム塩の混合塩層が付着した圧粉体を作製した。このようにして得られた圧粉体を真空雰囲気中、温度:1200℃で焼結し、軟磁性焼結合金表層部にKおよびNaを含む本発明軟磁性焼結合金36〜42および比較軟磁性焼結合金21〜24を作製した。
予め成形金型のキャビティ内面の温度を150℃に保持ししたのち、キャビティ内面に表1に示される潤滑剤O〜Uおよびe〜fを異なる厚さで塗布し、水を蒸発させることによりキャビティ内面に、カリウム塩とナトリウム塩の混合塩からなる晶出層を形成した。
一方、これら晶出層を形成した成形金型のキャビティ内に先に用意した原料粉末であるFe−Ni系軟磁性粉末を充填し、800MPaでプレス成形することにより表面にカリウム塩とナトリウム塩の混合塩層が付着した圧粉体を作製した。このようにして得られた圧粉体を真空雰囲気中、温度:1200℃で焼結し、軟磁性焼結合金表層部にKおよびNaを含む本発明軟磁性焼結合金36〜42および比較軟磁性焼結合金21〜24を作製した。
これら本発明軟磁性焼結合金36〜42および比較軟磁性焼結合金21〜24の軟磁性焼結合金表層部における平均K濃度および平均Na濃度をEPMAにより測定し、それらの測定結果を表7に示し、開放気孔率、合金の密度、磁束密度および寸法バラツキを測定し、その結果を表7に示した。
表7に示される結果から、カリウム塩とナトリウム塩の混合塩を溶媒に溶解した潤滑剤を使用して作製した本発明軟磁性焼結合金36〜42は、ステアリン酸リチウム粉末をアセトンに懸濁させた潤滑剤を使用して作製した表5の従来軟磁性焼結合金2に比べて、密度がほぼ同等であっても、本発明軟磁性焼結合金36〜42はいずれも表面の開放気孔率が格段に小さくなっているところから、表面が緻密であり、したがって合金表面の耐食性が優れていることが分かる。また、メッキなどの表面処理が均一に欠陥無く施せることが分かる。さらに寸法のバラツキが小さく寸法精度に優れることも分かる。しかし、この発明の範囲から外れた値を有する比較軟磁性焼結合金21〜24は一部好ましくない特性が現れることが分かる。
実施例3−1
予め成形金型のキャビティ内面の温度を150℃に保持ししたのち、キャビティ内面に表1に示される潤滑剤A〜Gおよびa〜bを異なる厚さで塗布し、水を蒸発させることによりキャビティ内面にカリウム塩である硫酸カリウム、亜硫酸カリウム、チオ硫酸カリウム、ドデシル硫酸カリウム、ドデシルベンゼン硫酸カリウム、食用青色1号、アスコルビン酸硫酸エステルカリウム、四ほう酸カリウム、珪酸カリウム、タングステン酸カリウム、酢酸カリウム、安息香酸カリウム、アスコルビン酸カリウム、ステアリン酸カリウム、硝酸カリウムおよび炭酸カリウムからなる異なる厚さを有する晶出層を形成した。
一方、これら晶出層を形成した成形金型のキャビティ内に先に用意した原料粉末であるFe−Cr系鉄基軟磁性粉末を充填し、800MPaでプレス成形することにより表面にカリウム塩が付着した圧粉体を作製した。このようにして得られた圧粉体を真空雰囲気中、温度:1200℃で焼結し、軟磁性焼結合金表層部にKを含む本発明軟磁性焼結合金43〜49および比較軟磁性焼結合金25〜28を作製した。
予め成形金型のキャビティ内面の温度を150℃に保持ししたのち、キャビティ内面に表1に示される潤滑剤A〜Gおよびa〜bを異なる厚さで塗布し、水を蒸発させることによりキャビティ内面にカリウム塩である硫酸カリウム、亜硫酸カリウム、チオ硫酸カリウム、ドデシル硫酸カリウム、ドデシルベンゼン硫酸カリウム、食用青色1号、アスコルビン酸硫酸エステルカリウム、四ほう酸カリウム、珪酸カリウム、タングステン酸カリウム、酢酸カリウム、安息香酸カリウム、アスコルビン酸カリウム、ステアリン酸カリウム、硝酸カリウムおよび炭酸カリウムからなる異なる厚さを有する晶出層を形成した。
一方、これら晶出層を形成した成形金型のキャビティ内に先に用意した原料粉末であるFe−Cr系鉄基軟磁性粉末を充填し、800MPaでプレス成形することにより表面にカリウム塩が付着した圧粉体を作製した。このようにして得られた圧粉体を真空雰囲気中、温度:1200℃で焼結し、軟磁性焼結合金表層部にKを含む本発明軟磁性焼結合金43〜49および比較軟磁性焼結合金25〜28を作製した。
従来例3
平均粒径5μmのステアリン酸リチウム粉末をアセトンに分散させた潤滑剤を実施例1で用意した150℃に加熱した成形金型のキャビティ内面に塗布し、アセトンを蒸発させることにより成形金型のキャビティ内面にステアリン酸リチウム層を形成したのち原料粉末として用意したFe−Cr系鉄基軟磁性粉末を充填し、800MPaでプレス成形することにより圧粉体を作製した。これら圧粉体を取り出して真空雰囲気中、温度:1200℃で焼結することにより従来軟磁性焼結合金3を作製した。
平均粒径5μmのステアリン酸リチウム粉末をアセトンに分散させた潤滑剤を実施例1で用意した150℃に加熱した成形金型のキャビティ内面に塗布し、アセトンを蒸発させることにより成形金型のキャビティ内面にステアリン酸リチウム層を形成したのち原料粉末として用意したFe−Cr系鉄基軟磁性粉末を充填し、800MPaでプレス成形することにより圧粉体を作製した。これら圧粉体を取り出して真空雰囲気中、温度:1200℃で焼結することにより従来軟磁性焼結合金3を作製した。
これら本発明軟磁性焼結合金43〜49、比較軟磁性焼結合金25〜28および従来軟磁性焼結合金3についてEPMAにより軟磁性焼結合金の軟磁性焼結合金表層部における平均K濃度をEPMAにより測定し、それらの測定結果を表8に示し、さらに開放気孔率、合金の密度、磁束密度および寸法バラツキを測定し、その結果を表8に示した。
表8に示される結果から、カリウム塩を溶媒に溶解した潤滑剤を使用して作製した本発明軟磁性焼結合金43〜49は、ステアリン酸リチウム粉末をアセトンに懸濁させた潤滑剤を使用して作製した従来軟磁性焼結合金3に比べて、密度がほぼ同等であっても、本発明軟磁性焼結合金43〜49はいずれも表面の開放気孔率が格段に小さくなっているところから、表面が緻密であり、表面が腐食環境に曝されても腐食環境との接触面積が従来軟磁性焼結合金よりも少ないので耐食性に優れていることが分かる。また、メッキなどの表面処理が均一に欠陥無く施せることが分かる。さらに寸法バラツキが小さく寸法精度に優れることも分かる。しかし、この発明の範囲から外れた値を有する比較軟磁性焼結合金25〜28は一部好ましくない特性が現れることが分かる。
実施例3−2
予め成形金型のキャビティ内面の温度を150℃に保持ししたのち、キャビティ内面に表1に示される潤滑剤H〜Nおよびc〜dを異なる厚さで塗布し、水を蒸発させることによりキャビティ内面にナトリウム塩である硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、食用黄色5号、アスコルビン酸硫酸エステルナトリウム、四ほう酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、タングステン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、硝酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムからなる異なる厚さを有する晶出層を形成した。
一方、これら晶出層を形成した成形金型のキャビティ内に先に用意した原料粉末であるFe−Cr系鉄基軟磁性粉末を充填し、800MPaでプレス成形することにより表面にナトリウム塩が付着した圧粉体を作製した。このようにして得られた圧粉体を真空雰囲気中、温度:1200℃で焼結し、軟磁性焼結合金表層部にNaを含む本発明軟磁性焼結合金50〜56および比較軟磁性焼結合金29〜32を作製した。
予め成形金型のキャビティ内面の温度を150℃に保持ししたのち、キャビティ内面に表1に示される潤滑剤H〜Nおよびc〜dを異なる厚さで塗布し、水を蒸発させることによりキャビティ内面にナトリウム塩である硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、食用黄色5号、アスコルビン酸硫酸エステルナトリウム、四ほう酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、タングステン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、硝酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムからなる異なる厚さを有する晶出層を形成した。
一方、これら晶出層を形成した成形金型のキャビティ内に先に用意した原料粉末であるFe−Cr系鉄基軟磁性粉末を充填し、800MPaでプレス成形することにより表面にナトリウム塩が付着した圧粉体を作製した。このようにして得られた圧粉体を真空雰囲気中、温度:1200℃で焼結し、軟磁性焼結合金表層部にNaを含む本発明軟磁性焼結合金50〜56および比較軟磁性焼結合金29〜32を作製した。
これら本発明軟磁性焼結合金50〜56および比較軟磁性焼結合金29〜32の軟磁性焼結合金表層部における平均Na濃度をEPMAにより測定し、それらの測定結果を表9に示し、さらに開放気孔率、合金の密度、磁束密度および寸法バラツキを測定し、その結果を表9に示した。
表9に示される結果から、ナトリウム塩を溶媒に溶解した潤滑剤を使用して作製した本発明軟磁性焼結合金50〜56は、ステアリン酸リチウム粉末をアセトンに懸濁させた潤滑剤を使用して作製した表8の従来軟磁性焼結合金3に比べて、密度がほぼ同等であっても、本発明軟磁性焼結合金50〜56はいずれも表面の開放気孔率が格段に小さくなっているところから表面の腐食環境に接する表面積が少なく、したがって耐食性に優れていることが分かる。また、メッキなどの表面処理が均一に欠陥無く施せることが分かる。さらに寸法バラツキが小さく寸法精度に優れることも分かる。しかし、この発明の範囲から外れた値を有する比較軟磁性焼結合金29〜32は一部好ましくない特性が現れることが分かる。
実施例3−3
予め成形金型のキャビティ内面の温度を150℃に保持ししたのち、キャビティ内面に表1に示される潤滑剤O〜Uおよびe〜fを異なる厚さで塗布し、水を蒸発させることによりキャビティ内面に、カリウム塩とナトリウム塩の混合塩からなる晶出層を形成した。
一方、これら晶出層を形成した成形金型のキャビティ内に先に用意した原料粉末であるFe−Cr系鉄基軟磁性粉末を充填し、800MPaでプレス成形することにより表面にカリウム塩とナトリウム塩の混合塩層が付着した圧粉体を作製した。このようにして得られた圧粉体を真空雰囲気中、温度:1200℃で焼結し、軟磁性焼結合金表層部にKおよびNaを含む本発明軟磁性焼結合金57〜63および比較軟磁性焼結合金33〜36を作製した。
予め成形金型のキャビティ内面の温度を150℃に保持ししたのち、キャビティ内面に表1に示される潤滑剤O〜Uおよびe〜fを異なる厚さで塗布し、水を蒸発させることによりキャビティ内面に、カリウム塩とナトリウム塩の混合塩からなる晶出層を形成した。
一方、これら晶出層を形成した成形金型のキャビティ内に先に用意した原料粉末であるFe−Cr系鉄基軟磁性粉末を充填し、800MPaでプレス成形することにより表面にカリウム塩とナトリウム塩の混合塩層が付着した圧粉体を作製した。このようにして得られた圧粉体を真空雰囲気中、温度:1200℃で焼結し、軟磁性焼結合金表層部にKおよびNaを含む本発明軟磁性焼結合金57〜63および比較軟磁性焼結合金33〜36を作製した。
これら本発明軟磁性焼結合金57〜63および比較軟磁性焼結合金33〜36の軟磁性焼結合金表層部における平均K濃度および平均Na濃度をEPMAにより測定し、それらの測定結果を表10に示し、さらに開放気孔率、合金の密度、磁束密度および寸法バラツキを測定し、その結果を表10に示した。
表10に示される結果から、カリウム塩とナトリウム塩の混合塩を溶媒に溶解した潤滑剤を使用して作製した本発明軟磁性焼結合金57〜63は、ステアリン酸リチウム粉末をアセトンに懸濁させた潤滑剤を使用して作製した表8の従来軟磁性焼結合金3に比べて、密度がほぼ同等であっても、本発明軟磁性焼結合金57〜63はいずれも開放気孔率が格段に小さくなっているところから表面が緻密であり、したがって、合金表面の耐食性が優れていることが分かる。また、メッキなどの表面処理が均一に欠陥無く施せることが分かる。さらに寸法バラツキが小さく寸法精度に優れることも分かる。しかし、この発明の範囲から外れた値を有する比較軟磁性焼結合金33〜36は一部好ましくない特性が現れることが分かる。
実施例4−1
予め成形金型のキャビティ内面の温度を150℃に保持ししたのち、キャビティ内面に表1に示される潤滑剤A〜Gおよびa〜bを異なる厚さで塗布し、水を蒸発させることによりキャビティ内面にカリウム塩である硫酸カリウム、亜硫酸カリウム、チオ硫酸カリウム、ドデシル硫酸カリウム、ドデシルベンゼン硫酸カリウム、食用青色1号、アスコルビン酸硫酸エステルカリウム、四ほう酸カリウム、珪酸カリウム、タングステン酸カリウム、酢酸カリウム、安息香酸カリウム、アスコルビン酸カリウム、ステアリン酸カリウム、硝酸カリウムおよび炭酸カリウムからなる異なる厚さを有する晶出層を形成した。
一方、これら晶出層を形成した成形金型のキャビティ内に先に用意した原料粉末であるFe−Si系鉄基軟磁性粉末を充填し、800MPaでプレス成形することにより表面にカリウム塩が付着した圧粉体を作製した。このようにして得られた圧粉体を真空雰囲気中、温度:1200℃で焼結し、軟磁性焼結合金表層部にKを含む本発明軟磁性焼結合金64〜70および比較軟磁性焼結合金37〜40を作製した。
予め成形金型のキャビティ内面の温度を150℃に保持ししたのち、キャビティ内面に表1に示される潤滑剤A〜Gおよびa〜bを異なる厚さで塗布し、水を蒸発させることによりキャビティ内面にカリウム塩である硫酸カリウム、亜硫酸カリウム、チオ硫酸カリウム、ドデシル硫酸カリウム、ドデシルベンゼン硫酸カリウム、食用青色1号、アスコルビン酸硫酸エステルカリウム、四ほう酸カリウム、珪酸カリウム、タングステン酸カリウム、酢酸カリウム、安息香酸カリウム、アスコルビン酸カリウム、ステアリン酸カリウム、硝酸カリウムおよび炭酸カリウムからなる異なる厚さを有する晶出層を形成した。
一方、これら晶出層を形成した成形金型のキャビティ内に先に用意した原料粉末であるFe−Si系鉄基軟磁性粉末を充填し、800MPaでプレス成形することにより表面にカリウム塩が付着した圧粉体を作製した。このようにして得られた圧粉体を真空雰囲気中、温度:1200℃で焼結し、軟磁性焼結合金表層部にKを含む本発明軟磁性焼結合金64〜70および比較軟磁性焼結合金37〜40を作製した。
従来例4
平均粒径5μmのステアリン酸リチウム粉末をアセトンに分散させた潤滑剤を実施例1で用意した150℃に加熱した成形金型のキャビティ内面に塗布し、アセトンを蒸発させることにより成形金型のキャビティ内面にステアリン酸リチウム層を形成したのち原料粉末として用意したFe−Si系鉄基軟磁性粉末を充填し、800MPaでプレス成形することにより圧粉体を作製した。これら圧粉体を取り出して真空雰囲気中、温度:1200℃で焼結することにより従来軟磁性焼結合金4を作製した。
平均粒径5μmのステアリン酸リチウム粉末をアセトンに分散させた潤滑剤を実施例1で用意した150℃に加熱した成形金型のキャビティ内面に塗布し、アセトンを蒸発させることにより成形金型のキャビティ内面にステアリン酸リチウム層を形成したのち原料粉末として用意したFe−Si系鉄基軟磁性粉末を充填し、800MPaでプレス成形することにより圧粉体を作製した。これら圧粉体を取り出して真空雰囲気中、温度:1200℃で焼結することにより従来軟磁性焼結合金4を作製した。
これら本発明軟磁性焼結合金64〜70、比較軟磁性焼結合金37〜40および従来軟磁性焼結合金6についてEPMAにより軟磁性焼結合金の軟磁性焼結合金表層部における平均K濃度をEPMAにより測定し、それらの測定結果を表11に示し、さらに開放気孔率、合金の密度、磁束密度および寸法バラツキを測定し、その結果を表11に示した。
表11に示される結果から、カリウム塩を溶媒に溶解した潤滑剤を使用して作製した本発明軟磁性焼結合金64〜70は、ステアリン酸リチウム粉末をアセトンに懸濁させた潤滑剤を使用して作製した従来軟磁性焼結合金4に比べて、密度がほぼ同等であっても、本発明軟磁性焼結合金64〜70はいずれも表面の開放気孔率が格段に小さくなっているところから表面が緻密であり、表面が腐食環境に曝されても腐食環境との接触面積が従来軟磁性焼結合金4よりも少ないので耐食性に優れていることが分かる。また、メッキなどの表面処理が均一に欠陥無く施せることが分かる。さらに寸法のバラツキが小さく寸法精度に優れることも分かる。しかし、この発明の範囲から外れた値を有する比較軟磁性焼結合金37〜40は一部好ましくない特性が現れることが分かる。
実施例4−2
予め成形金型のキャビティ内面の温度を150℃に保持ししたのち、キャビティ内面に表1に示される潤滑剤H〜Nおよびc〜dを異なる厚さで塗布し、水を蒸発させることによりキャビティ内面にナトリウム塩である硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、食用黄色5号、アスコルビン酸硫酸エステルナトリウム、四ほう酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、タングステン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、硝酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムからなる異なる厚さを有する晶出層を形成した。
一方、これら晶出層を形成した成形金型のキャビティ内に先に用意した原料粉末であるFe−Si系鉄基軟磁性粉末を充填し、800MPaでプレス成形することにより表面にナトリウム塩が付着した圧粉体を作製した。このようにして得られた圧粉体を真空雰囲気中、温度:1200℃で焼結し、軟磁性焼結合金表層部にNaを含む本発明軟磁性焼結合金71〜77および比較軟磁性焼結合金41〜44を作製した。
予め成形金型のキャビティ内面の温度を150℃に保持ししたのち、キャビティ内面に表1に示される潤滑剤H〜Nおよびc〜dを異なる厚さで塗布し、水を蒸発させることによりキャビティ内面にナトリウム塩である硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、食用黄色5号、アスコルビン酸硫酸エステルナトリウム、四ほう酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、タングステン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、硝酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムからなる異なる厚さを有する晶出層を形成した。
一方、これら晶出層を形成した成形金型のキャビティ内に先に用意した原料粉末であるFe−Si系鉄基軟磁性粉末を充填し、800MPaでプレス成形することにより表面にナトリウム塩が付着した圧粉体を作製した。このようにして得られた圧粉体を真空雰囲気中、温度:1200℃で焼結し、軟磁性焼結合金表層部にNaを含む本発明軟磁性焼結合金71〜77および比較軟磁性焼結合金41〜44を作製した。
これら本発明軟磁性焼結合金71〜77および比較軟磁性焼結合金41〜44の軟磁性焼結合金表層部における平均Na濃度をEPMAにより測定し、それらの測定結果を表12に示し、開放気孔率、合金の密度、磁束密度および寸法バラツキを測定し、その結果を表12に示した。
表12に示される結果から、リン酸ナトリウムを溶媒に溶解した潤滑剤を使用して作製した本発明軟磁性焼結合金71〜77は、ステアリン酸リチウム粉末をアセトンに懸濁させた潤滑剤を使用して作製した表11の従来軟磁性焼結合金4に比べて、密度がほぼ同等であっても、本発明軟磁性焼結合金71〜77はいずれも表面の開放気孔率が格段に小さくなっているところから、表面が緻密であり、したがって表面の腐食環境に接する表面積が少なくなるところから耐食性に優れていることが分かる。また、メッキなどの表面処理が均一に欠陥無く施せることが分かる。さらに寸法のバラツキが小さく寸法精度に優れることも分かる。しかし、この発明の範囲から外れた値を有する比較軟磁性焼結合金41〜44は一部好ましくない特性が現れることが分かる。
実施例4−3
予め成形金型のキャビティ内面の温度を150℃に保持ししたのち、キャビティ内面に表1に示される潤滑剤O〜Uおよびe〜fを異なる厚さで塗布し、水を蒸発させることによりキャビティ内面に、カリウム塩とナトリウム塩の混合塩からなる晶出層を形成した。
一方、これら晶出層を形成した成形金型のキャビティ内に先に用意した原料粉末であるFe−Si系鉄基軟磁性粉末を充填し、800MPaでプレス成形することにより表面にカリウム塩とナトリウム塩の混合塩層が付着した圧粉体を作製した。このようにして得られた圧粉体を真空雰囲気中、温度:1200℃で焼結し、軟磁性焼結合金表層部におけるP濃度、K濃度およびNa濃度が高い本発明軟磁性焼結合金78〜84および比較軟磁性焼結合金45〜48を作製した。
予め成形金型のキャビティ内面の温度を150℃に保持ししたのち、キャビティ内面に表1に示される潤滑剤O〜Uおよびe〜fを異なる厚さで塗布し、水を蒸発させることによりキャビティ内面に、カリウム塩とナトリウム塩の混合塩からなる晶出層を形成した。
一方、これら晶出層を形成した成形金型のキャビティ内に先に用意した原料粉末であるFe−Si系鉄基軟磁性粉末を充填し、800MPaでプレス成形することにより表面にカリウム塩とナトリウム塩の混合塩層が付着した圧粉体を作製した。このようにして得られた圧粉体を真空雰囲気中、温度:1200℃で焼結し、軟磁性焼結合金表層部におけるP濃度、K濃度およびNa濃度が高い本発明軟磁性焼結合金78〜84および比較軟磁性焼結合金45〜48を作製した。
これら本発明軟磁性焼結合金78〜84および比較軟磁性焼結合金45〜48の軟磁性焼結合金表層部における平均P濃度から軟磁性焼結合金内部のP濃度を引いたP濃度差を測定し、さらに平均K濃度および平均Na濃度をEPMAにより測定し、それらの測定結果を表13に示し、さらに開放気孔率、合金の密度、磁束密度および寸法バラツキを測定し、その結果を表13に示した。
表13に示される結果から、カリウム塩とナトリウム塩の混合塩を溶媒に溶解した潤滑剤を使用して作製した本発明軟磁性焼結合金78〜84は、ステアリン酸リチウム粉末をアセトンに懸濁させた潤滑剤を使用して作製した表11の従来軟磁性焼結合金4に比べて、密度がほぼ同等であっても、本発明軟磁性焼結合金78〜84はいずれも表面の開放気孔率が格段に小さくなっているところから、表面が緻密であり、したがって合金表面の耐食性が優れていることが分かる。また、メッキなどの表面処理が均一に欠陥無く施せることが分かる。さらに寸法のバラツキが小さく寸法精度に優れることも分かる。しかし、この発明の範囲から外れた値を有する比較軟磁性焼結合金45〜48は一部好ましくない特性が現れることが分かる。
Claims (28)
- 合金表面から1μm〜2mmの範囲内の厚さ部分で構成する軟磁性焼結合金表層部(以下、軟磁性焼結合金表層部という)と前記軟磁性焼結合金表層部よりも内側にある軟磁性焼結合金内部(以下、軟磁性焼結合金内部という)とで構成されている軟磁性焼結合金であって、前記軟磁性焼結合金表層部にはカリウム(以下、Kと記す)が含まれていることを特徴とする表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金。
- 軟磁性焼結合金表層部と軟磁性焼結合金内部とで構成されている軟磁性焼結合金であって、前記軟磁性焼結合金表層部にはナトリウム(以下、Naと記す)が含まれていることを特徴とする表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金。
- 軟磁性焼結合金表層部と軟磁性焼結合金内部とで構成されている軟磁性焼結合金であって、前記軟磁性焼結合金表層部にはKおよびNaが含まれていることを特徴とする表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金。
- 軟磁性焼結合金表層部と軟磁性焼結合金内部とで構成されている軟磁性焼結合金であって、軟磁性焼結合金表層部にはKが平均濃度で0.01〜1質量%含有していることを特徴とする表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金。
- 軟磁性焼結合金表層部と軟磁性焼結合金内部とで構成されている軟磁性焼結合金であって、前記軟磁性焼結合金表層部にはNaが平均濃度で0.01〜1質量%含有していることを特徴とする表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金。
- 軟磁性焼結合金表層部と軟磁性焼結合金内部とで構成されている軟磁性焼結合金であって、前記軟磁性焼結合金表層部にはKおよびNaの合計が平均濃度で0.01〜1質量%含有していることを特徴とする表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金。
- 軟磁性焼結合金表層部と軟磁性焼結合金内部とで構成されている軟磁性焼結合金であって、前記軟磁性焼結合金内部は純鉄軟磁性合金焼結体からなり、前記軟磁性焼結合金表層部はKを平均濃度で0.01〜1質量%含有する純鉄軟磁性合金焼結体からなることを特徴とする表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金。
- 軟磁性焼結合金表層部と軟磁性焼結合金内部とで構成されている軟磁性焼結合金であって、前記軟磁性焼結合金内部はNi:35〜85%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Ni系軟磁性合金焼結体からなり、
軟磁性焼結合金表層部は、Ni:35〜85%を含有し、さらにKを平均濃度で0.01〜1質量%含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Ni系軟磁性合金焼結体からなることを特徴とする表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金。 - 軟磁性焼結合金表層部と軟磁性焼結合金内部とで構成されている軟磁性焼結合金であって、前記軟磁性焼結合金内部はCr:1〜20%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Cr系鉄基軟磁性合金焼結体からなり、
前記軟磁性焼結合金表層部はCr:1〜20%を含有し、さらにKを平均濃度で0.01〜1質量%含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Cr系鉄基軟磁性合金焼結体からなることを特徴とする表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金。 - 軟磁性焼結合金表層部と軟磁性焼結合金内部とで構成されている軟磁性焼結合金であって、前記軟磁性焼結合金内部はSi:0.1〜10%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Si系鉄基軟磁性合金焼結体からなり、
前記軟磁性焼結合金表層部はSi:0.1〜10%を含有し、さらにKを平均濃度で0.01〜1質量%含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Si系鉄基軟磁性合金焼結体からなることを特徴とする表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金。 - 軟磁性焼結合金表層部と軟磁性焼結合金内部とで構成されている軟磁性焼結合金であって、前記軟磁性焼結合金内部は純鉄軟磁性合金焼結体からなり、前記軟磁性焼結合金表層部はNaを平均濃度で0.01〜1質量%含有する純鉄軟磁性合金焼結体からなることを特徴とする表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金。
- 軟磁性焼結合金表層部と軟磁性焼結合金内部とで構成されている軟磁性焼結合金であって、前記軟磁性焼結合金内部はNi:35〜85%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Ni系軟磁性合金焼結体からなり、
前記軟磁性焼結合金表層部は、Ni:35〜85%を含有し、さらにNaを平均濃度で0.01〜1質量%含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Ni系軟磁性合金焼結体からなることを特徴とする表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金。 - 軟磁性焼結合金表層部と軟磁性焼結合金内部とで構成されている軟磁性焼結合金であって、前記軟磁性焼結合金内部はCr:1〜20%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Cr系鉄基軟磁性合金焼結体からなり、
前記軟磁性焼結合金表層部はCr:1〜20%を含有し、さらにNaを平均濃度で0.01〜1質量%含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Cr系鉄基軟磁性合金焼結体からなることを特徴とする表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金。 - 軟磁性焼結合金表層部と軟磁性焼結合金内部とで構成されている軟磁性焼結合金であって、前記軟磁性焼結合金内部はSi:0.1〜10%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Si系鉄基軟磁性合金焼結体からなり、
前記軟磁性焼結合金表層部は、Si:0.1〜10%を含有し、さらにNaを平均濃度で0.01〜1質量%含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Si系鉄基軟磁性合金焼結体からなることを特徴とする表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金。 - 軟磁性焼結合金表層部と軟磁性焼結合金内部とで構成されている軟磁性焼結合金であって、前記軟磁性焼結合金内部は純鉄軟磁性合金焼結体からなり、
前記軟磁性焼結合金表層部は、KおよびNaの合計が平均濃度で0.01〜1質量%含有する純鉄軟磁性合金焼結体からなることを特徴とする表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金。 - 軟磁性焼結合金表層部と軟磁性焼結合金内部とで構成されている軟磁性焼結合金であって、前記軟磁性焼結合金内部は、Ni:35〜85%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Ni系軟磁性合金焼結体からなり、
前記軟磁性焼結合金表層部は、Ni:35〜85%を含有し、さらにKおよびNaの合計が平均濃度で0.01〜1質量%含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Ni系軟磁性合金焼結体からなることを特徴とする表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金。 - 軟磁性焼結合金表層部と軟磁性焼結合金内部とで構成されている軟磁性焼結合金であって、前記軟磁性焼結合金内部は、Cr:1〜20%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Cr系鉄基軟磁性合金焼結体からなり、
前記軟磁性焼結合金表層部は、Cr:1〜20%を含有し、さらにKおよびNaの合計が平均濃度で0.01〜1質量%含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Cr系鉄基軟磁性合金焼結体からなることを特徴とする表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金。 - 軟磁性焼結合金表層部と軟磁性焼結合金内部とで構成されている軟磁性焼結合金であって、前記軟磁性焼結合金内部は、Si:0.1〜10%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Si系鉄基軟磁性合金焼結体からなり、
前記軟磁性焼結合金表層部は、Si:0.1〜10%を含有し、さらにKおよびNaの合計が平均濃度で0.01〜1質量%含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Si系鉄基軟磁性合金焼結体からなることを特徴とする表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金。 - 前記軟磁性焼結合金表層部の開放気孔率は2%以下であることを特徴とする請求項1〜18の内のいずれかの請求項に記載の表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金。
- 請求項1〜19の内のいずれかの請求項に記載の表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金からなることを特徴とする機械部品用磁性部材。
- 請求項20記載の機械部品用磁性部材からなることを特徴とする機械部品。
- 前記機械部品はヨークであることを特徴とする請求項21記載の機械部品。
- 前記機械部品はステーターコアまたはロータであることを特徴とする請求項21記載の機械部品。
- 前記機械部品はプランジャーであることを特徴とする請求項21記載の機械部品。
- 前記機械部品は検出リングであることを特徴とする請求項21記載の機械部品。
- 成形金型のキャビティ内面に潤滑剤として硫酸カリウム、亜硫酸カリウム、チオ硫酸カリウム、ドデシル硫酸カリウム、ドデシルベンゼン硫酸カリウム、食用青色1号、アスコルビン酸硫酸エステルカリウム、四ほう酸カリウム、珪酸カリウム、タングステン酸カリウム、酢酸カリウム、安息香酸カリウム、アスコルビン酸カリウム、ステアリン酸カリウム、硝酸カリウムおよび炭酸カリウムの内の1種または2種以上からなるカリウム塩の内の1種または2種以上からなるカリウム塩の膜を形成したのち、軟磁性粉末を成形金型のキャビティに充填しプレス成形することにより表面にカリウム塩が付着した圧粉体を作製し、得られた圧粉体を燒結することを特徴とする請求項1、4、7、8、9または10記載の表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金の製造方法。
- 成形金型のキャビティ内面に潤滑剤として硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、食用黄色5号、アスコルビン酸硫酸エステルナトリウム、四ほう酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、タングステン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、硝酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムの内の1種または2種以上からなるナトリウム塩の膜を形成したのち、軟磁性焼結合金原料粉末を成形金型のキャビティに充填しプレス成形することにより表面にナトリウム塩が付着した圧粉体を作製し、得られた圧粉体を燒結することを特徴とする請求項2、5、11、12、13または14記載の表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金の製造方法。
- 成形金型のキャビティ内面に潤滑剤として前記硫酸カリウム塩と硫酸ナトリウム塩からなる混合膜を形成したのち、軟磁性焼結合金原料粉末を成形金型のキャビティに充填しプレス成形することにより表面に前記硫酸カリウム塩と硫酸ナトリウム塩の混合塩が付着した圧粉体を作製し、得られた圧粉体を燒結することを特徴とする請求項3、6、15、16、17または18記載の表面緻密性、寸法精度に優れた軟磁性焼結合金の製造方法。
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