JP2005263978A - 触媒添加方法及び触媒添加装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】重厚な装置構成を要さずに、ダイオキシン予防対策を含め確実かつ効率良く樹脂成分を分解でき、また、固形物を含む状態の分解対象物に対して確実な分解処理を行い得る方法及び分解装置を提供する。
【解決手段】シュレッダーダスト118を浸漬する油分を湛えた処理槽142と、シュレッダーダスト118を載置した状態で、処理槽142の油分の液面に対して出没可能とした第2コンベア136と、シュレッダーダスト118に対して触媒粉末を添加する触媒供給器145と、油分浸漬中のシュレッダーダスト118の浮上防止手段たる第3コンベア137とを備えた触媒添加装置を用い、処理槽142の油分温度範囲を170〜240℃に保った状態で、シュレッダーダスト118の油分浸漬及び取り出しを行うことにより、シュレッダーダスト118の表面に濡れ面を形成し、この状態で、触媒供給器145より触媒粉末を添加する。
【選択図】図1

Description

本発明は、廃棄物処理工程中の触媒添加方法及び装置に関する。
産業廃棄物は、樹脂、金属、ガラス、土砂、木片及び油分などの多種類のものが混入した状態であり、費用と手間の観点から、分別処理を行うことなく埋立処分に依存する簡易な処理方法が主流であった。しかしながら、さらに、最近はリサイクル意識の高まりも加わり、難分解性の有機物の新しい処理方法が要望されている。
上記のように樹脂成分は有機物を原料とするため、有機溶剤に選別溶解させて分離すれば良いとの結論に陥り易いが、例えば、廃車起源の樹脂集中部分を多く含む粉砕ダストは、通常、断熱材や木屑、ガラス片やハーネス、塩ビ被覆線、土砂等の多種類のものが複雑に混入した状態で得られ、また、樹脂成分そのものも、耐熱性や耐油性などの機能性付加のため、樹脂成分に添加剤を使用したり、表面処理を行ったりして成分組成が複雑であることが多い。そして、樹脂だけを分離するには、これらにそれぞれ対応した数多くの手順を経ねばならず、現実的な処理方法とは言い難い。
このような事情から、現在の主流は、複数の処理段階を経た後に焼却処分する方法に移行しつつある。即ち、樹脂成分の処理に際して、廃棄物中の樹脂集中部分を粉砕した後に、粉砕状態の廃棄物を水蒸気分解して得られる廃油成分や、固形物を触媒作用により分解した際の分解残渣などを焼却することで処理の完結とするのが一般的な処理方法となっている。
そして、上記処理段階中に得られる廃油成分に対する従来の処理方法は、例えば重質油から成る有機廃棄物を分解対象として、これに対して水酸化鉄、四酸化三鉄、三酸化二鉄などの鉄系化合物を触媒として水蒸気による接触分解反応を行う。(例えば特許文献1参照。)
特開2002-129171号公報(第4頁)
しかしながら、特許文献1の触媒反応は、一般的に、高温(400〜700℃)及び高圧(25MPa)が必要であるため、これに耐え得る構造の装置が必要となり、装置構成の複雑化は避けられない。
また、特許文献1のものは、液体重質油を分解対象としているため、このままでは、固形物を含む雑多な種類の成分から成る分解対象物に対して効果的であるかの確認が困難である。
例えば、分解処理時に導入する水蒸気や触媒などの反応関与物は、重質油などの液体に対して均一に接触可能であり、効率的な反応を期待できるが、対象物に固形物を含む場合は状況が異なる。即ち、処理効率優先のため、一定範囲の重量や形状の分解対象物を想定して、水蒸気や触媒の時間当たりの供給頻度や供給量を制御しても、固形物を含んだ状態で調製を経ないまま分解工程に搬送された分解対象物は、所期通りの分解処理が行われないおそれがある。
本発明は上記問題点に鑑み、固形物を含む状態の分解対象物に対して確実な分解処理を行い得る方法及びこの方法の適用が可能な分解装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、本発明は、樹脂成分を分解する際に触媒を添加する方法において、樹脂成分を含む分解対象物表面を濡れ面とし、この濡れ面に対して触媒粉末を添加するものとした。
これによれば、濡れ面に対して触媒粉末が付着し保持されるため、分解対象表面全体が触媒粉末に覆われる。このため、雑多な成分から成る分解対象物であっても、触媒添加が全体に行き渡り、反応中に確実な触媒作用が得られる。このことは、分解対象物表面が濡れ面に被覆されず剥き出し状態のままである場合に比較し易い。即ち、剥き出し状態のままの分解対象物表面に触媒粉末を添加しても、添加触媒の一部は、分解対象物に保持されず落下することが多い。このため、反応収支の均衡が得られず、触媒不足の状態となり易い。
これに対して、分解対象物を濡れ面とすると、触媒粉末が濡れ面に効果的に保持されるので、所期通りの触媒作用を得ることができる。
この場合、油分中に浸漬させた分解対象物を油分の外部に戻すことで、例えば、塗布による手法に比べ、容易に濡れ面形成を行うことができる。これに対して、例えば分解対象物の浸漬油分に触媒を添加する場合に、浮遊状態の未反応触媒が歩留り低下を招くことが懸念される。しかし、上記方法によれば、濡れ面形成とこれによる触媒の付着力強化により、触媒添加の歩留り低下を防止することができる。
さらに、上記の浸漬油分を、少なくとも分解対象物の浸漬時間中に加熱することにより、分解対象物全体への熱伝達が確実に行われ、高温条件を要する触媒反応の予備加熱などへ簡単に転用できる。なお、油分の加熱は、分解対象物の浸漬前から行っても良い。
また、加熱時の油分の温度範囲を、170〜240℃とすることで、分解対象物が樹脂成分などの炭化水素骨格を持つものである場合、ダイオキシン発生防止はもちろんのこと、メタンガスやプロパンガスなどの可燃性の未燃ガス発生を未然に防止することができる。これにより、自己発火などの不測の事態を回避しつつ、その後の処理工程へ進むことができる。
さらに、分解対象物を浸漬する油分を湛えた液槽と、分解対象物を前記液槽の油分の液面に対して出没可能とした出没手段と、分解対象物に対して触媒を添加する触媒添加手段とを備えた構成の触媒添加装置により、触媒添加方法を容易に実施できる。
即ち、液槽中の油分への出没を可能にした傾斜式コンベアなどの出没手段により、分解対象物を油分に対して浸漬し、また、油分から戻すことにより、表面全体に濡れ面を簡易に形成できる。そして、濡れ面を形成した状態で触媒添加手段により触媒を添加することにより、触媒粉末が分解対象物の表面全体に付着する。このようにすることで、得られる触媒作用が良好なものとなる。
さらに、触媒添加装置に、油分中に浸漬させた分解対象物の浮上防止手段を備えることにより、分解対象物の比重が小さい場合でも、油分浸漬が不十分でこれにより濡れ面形成が不足した部分を限定的に留めることができる。
本発明によれば、分解対象物の表面を濡れ面とすることで、添加する触媒粉末が付着状態で保持されるため、触媒作用の歩留り減少を防止することができる。そして、油分浸漬の手法により、濡れ面形成を行うことで加熱条件などを容易に制御でき、これを触媒反応の工程に組み入れることで、処理工程設計の適用範囲が広がる。即ち、予備加熱工程や未燃ガス発生防止などを目的とする温度制御が可能となる。
分解対象物たる樹脂成分の分解工程は、この分解工程から発生した分解残渣を用いて行う残渣燃焼工程や焼却灰溶融工程に対する前処理工程と位置付けることができる。
即ち、シュレッダーダストなどの樹脂含有混在物(以下、分解対象物と記す。)の前処理工程における部分工程は、下記にしたがって順次行う主要7工程で構成することが可能である。

第1工程:投入した分解対象物と外気との隔絶。
第2工程:分解対象物中の固結部分に対する固着状態の緩和及び脆弱部分に対する小片化 。
第3工程:分解対象物の略均一寸法への調整。
第4工程:第1予備加熱温度の油分中への分解対象物全体の浸漬。
第5工程:上記油分外に戻した後の分解対象物全体に対するFeO粉末から成る触媒の添 加。

第6工程:分解対象物に対する第2予備加熱。
第7工程:分解対象物に対する水蒸気接触反応。
この際に、各部分工程が担う役割は以下の通りである。

第1工程:投入後の分解対象物を外気と隔絶することにより工程中の酸素供給を抑制基調 とする。これにより、第4、第5、第6及び第7の各工程で想定される可燃ガ スの自然発火が防止され、加熱条件下での分解反応を確実に行うことができ る。
第2工程:固結部分と脆弱部分とが混在する分解対象物に対して予備的に部分解体を行い 、その後の第3工程における寸法略均一化を容易にする。
第3工程:中枢の水蒸気接触反応(第5及び第7の各工程)において、導入水蒸気が対象 物の細部全体に亘って接触するように分解対象物寸法を反応最適サイズに揃え て最良の反応収率を得る。
第4工程:中枢の水蒸気接触反応時に導入する水蒸気温度と比べて温和な第1予備加熱温 度(約170〜240℃)の油分に対する完全浸漬工程を経ることにより、こ の予備加熱段階で、樹脂成分に含まれる塩ビ樹脂起源の塩素原子が化合されて ほぼ完全に消費される。化合生成物たる塩化水素は、予備加熱温度(約170 〜240℃)において気相転移するものであり、即ち、塩化水素ガスの状態で 得られるので排出ガスとして効率的に除去できる。また、予備加熱温度に昇温 しておくことで、その後に控える中枢第7工程で必要な高温状態(約280〜 390℃)到達に要する昇温時間短縮を助長する効果がある。
第5工程:浸漬油分から油分外に戻された後でも、浸漬していた油分により、分解対象物 の表面全体が濡れて被覆された状態となる。この濡れ面にFeO粉末から成る 触媒を添加すると、触媒FeO粉末が付着状態で保たれることになり、その後 の第6及び第7工程中に亘って反応系に留まることが可能になる。即ち、所望 の水蒸気接触反応が開始されるまでの間に触媒FeO粉末が欠落するおそれが 少なく確実な反応関与が可能となる。なお、添加する触媒として、FeO以外 にもFe2O、FeO3を用いても後の水蒸気接触分解反応に対する触媒作用を 同様に得られる。
第6工程:中枢の水蒸気接触反応時に導入する水蒸気温度程度の第2予備加熱温度(約2 80〜390℃)の予備加熱工程を経ることにより、除去に至らなかった残留 塩素の塩化水素ガス化を促進し、塩ビ樹脂起源の塩素成分の徹底除去を行う。
この予備加熱工程を経ずに、高温(約280〜390℃)条件下での水蒸気接 触反応に直接至る場合、急激な昇温により例外的な過熱状態が生じ、残留塩素 原子に由来するダイオキシン発生を招くおそれがある。塩素成分の徹底除去と 段階的な昇温とを兼ねた予備加熱工程を経ることで、水蒸気接触反応により所 期の樹脂成分分解処理を行うことができる。
第7工程:予備加熱温度を維持したまま、約280〜390℃の水蒸気を導入することに より、最適サイズに細分化された後の表面全体に触媒FeO粉末が概ね均等に 付着した状態の分解対象物の隅々で水蒸気接触分解反応が行われ、最終的に樹 脂成分が分解生成ガスに変換して排出される。分解ガスの成分は、主成分たる 炭化水素ガス、水分及び窒素ガスと、僅小成分たる酸素ガスなどである。また 、水蒸気温度を390℃以下に設定することにより、ダイオキシン発生温度 (約400〜650℃)を確実に下回り、所望の樹脂成分分解を得ることがで きる。なお、分解反応の残渣分は、乾燥した後に、その後の燃焼工程により処 理される。
そして、シュレッダーダストなどの樹脂含有混在物(以下、分解対象物と記す。)の残渣燃焼工程や焼却灰溶融工程に先立つ前処理工程としての樹脂成分分解工程を行うためのシュレッダーダスト用樹脂成分分解装置100の概略を図1に示す。分解装置100内は、開閉シャッターから成る仕切り板101、102、103、104、105、106、107で仕切られて、二重シャッター室108、部分解体室109、寸法調整室110兼油分浸漬室111、触媒添加室112兼予備加熱室113、水蒸気接触反応室114、残渣処理室115、残渣回収室116が構成される。即ち、二重シャッター室108を備えるホッパー117から投入された分解対象物118aが、上記各室を経由して分解反応に供された後、残渣回収室116の床面兼用シャッター119上に反応残渣物が回収され、搬送車120の天井シャッター121及び上記床面兼用シャッター119の開閉により、搬送車120に搬出されて、その後の工程に持ち込まれる構成となっている。
また、装置内で発生が予想される可燃ガスの発火を防ぐため、装置100内部には、ガス導入口123、124を介して一定流量の不活性(窒素)ガスが導入され、吹き出し孔125、126、127などから各室をパージする構造としている。また、触媒添加室112兼予備加熱室113、水蒸気接触反応室114、残渣処理室115の各室には、第1排気口128、第2排気口129、第3排気口130が設置され、各室で発生する生成ガスやパージガスの排出を行う。さらに、ホッパー117内の二重シャッター室108及び部分解体室109には、排気ベント131に連なる排気口132、133が設置され、また、二重シャッター室108にもガス導入口134が設けられ、導入口134から導入される不活性(窒素)ガスにより室内パージを行うとともに、流入する外気(特に外気中の酸素)の排出を行う。
また、装置100内の分解対象物は、装置内各室に搬出入されるが、それを可能にするため搬送機構が設置されている。この搬送機構は、具体的に、部分解体室109内の搬送用第1コンベア135と、寸法調整室110兼油分浸漬室111、触媒添加室112兼予備加熱室113、水蒸気反応室114、残渣処理室115の各室に亘って渡設され、これら各室の床面を兼ねて敷設される搬送用第2コンベア136と、寸法調整室110兼油分浸漬室111の天井面を兼ねて架設されるレベル調整用第3コンベア137とから構成される。
そして、これら各コンベアには、発生が予想される塩素系ガス(塩化水素ガスや塩素ガス)による腐食を防ぐため、例えばSUS316などのステンレス製ベルトが用いられる。また、特に、高温条件下で用いられる第2及び第3の両コンベア136、137は、各コンベア加熱防止のため、コンベアベルトを送出するドラム136a、136b、136c、136d及び137a、137bなどに水冷式のものを用いるとともに、経路の長い第2コンベア136の下面は、ベルト延長方向に沿って水冷式ジャケット138により覆われる。なお、触媒添加室112兼予備加熱室113、水蒸気接触反応室114においては、第2コンベア136は、ベルト下面からヒータ139、140により加熱される。
次に、装置100内の各室の構成を詳説する。
二重シャッター室108は、雑多な廃棄物状態のシュレッダーダストを分解対象物として収容するホッパー117の主要部分を構成する。即ち、天井シャッター101と床面シャッター102とは夫々独立して開閉可能に設けられている。そして、ガス導入口134から不活性(窒素)ガスを導入し、ガス排気口132から排気を行うことができる。したがって、外気と遮断して二重シャッター室108内をガスパージすることができる。
部分解体室109は、回転板車141と第1コンベア135とを搭載する。即ち、シャッター102の開閉により搬入される分解対象物118aに対して、回転板車141が回転しながら連続的に接触して衝撃を与えたり、その後の第1コンベアによる搬送中に継続的に振動を与えたりする。また、部分解体室109においても、ガス排気口133からの排気が可能であり、シャッター102の開放時にガス導入口134からの不活性(窒素)ガス導入を行うことにより、室内のガスパージが可能である。
上下方向の開閉シャッター103、104で仕切られた空間は、寸法調整室110と油分浸漬室111とを兼ねており、上下方向の間隔を一定に保って設置された第2及び第3の両コンベア136、137が同期可能に設けられている。そして、両コンベア136、137は間隙を保ったまま、処理槽142の油分中に没入する。処理槽142は、ドレン143の設置位置の最深部を挟む一対の傾斜面により構成され、第2コンベアは、両傾斜面に沿って敷設されるため、処理槽142中の油分に対して出没する形態となる。処理槽142中の油分量は、ドレン143により調整可能である。
なお、両コンベア136、137で形成される間隙を搬送される分解対象物は、搬送高さが規制されている。したがって、比較的脆弱なものであれば、搬送中に形状が崩れ、高さ方向の寸法が概ね揃った状態で、処理槽142の油分中に没入することになる。なお、両コンベア136、137での搬送中に崩壊した小片は、トレイ144により回収される。また、寸法調整室110と油分浸漬室111に対して、吹き出し孔127が設けられ、ガス導入口124からの不活性(窒素)ガスがパージガスとして補充される。
上下方向の開閉シャッター104、105で仕切られた空間は、触媒添加室112と予備加熱室113とを兼ねている。即ち、第2コンベア136の直上位置に設置された触媒供給器145により、FeO粉末などの触媒が供給される。また、第2コンベア136に沿って、その下方にヒータ139が複数設置される。さらに、室内天井部分に第1排気口128が設けられ、生成ガスの排出を行うとともに、吹き出し孔126からパージ用の不活性(窒素)ガス補充を行う。
上下方向の開閉シャッター105、106で仕切られた空間は、水蒸気反応室114である。即ち、水蒸気導入管146からの水蒸気が第2コンベア136の上方に沿って噴出される。また、また、第2コンベア136に沿って、その下方にヒータ140が複数設置され、反応温度条件を確保する。さらに、室内天井部分に第2排気口129が設けられ、生成ガスの排出を行うとともに、吹き出し孔125、126からパージ用の不活性(窒素)ガス補充を行う。
上下方向の開閉シャッター106以降の空間は、残渣処理室115である。即ち、緊急シャッター122(通常は開放状態)直後の第2コンベア136位置に、付着物剥離用の刃具147が圧接状態でコンベア136に取付けられる。そして、刃具147により剥離された残渣物は、シャッター107上に載置される。なお、水蒸気反応室114から搬出された後も、分解対象物からガス生成がしばらく継続することが予想されるため、残渣処理室115の天井部分に第3排気口130が設けられる。吹き出し孔125からのパージ用不活性(窒素)ガス補充を行うことは他室と同様である。
シャッター107の下方は、残渣回収室116である。回収室116は、シャッター107の開閉により落下する残渣物を回収するものである。なお、パージガスとして窒素ガスを用いる場合、窒素ガスは空気と同程度の比重であり、必ずしも窒素パージが完全に行われないこともある。このため、装置100内部には、下面部分のガス導入口123からもパージ用不活性(窒素)ガスの導入を行う。
そして、上記構成の分解装置100を用いて、本発明による樹脂成分の分解を行うに際しては、あらかじめ、分解対象物たるシュレッダーダストを1mm〜200mm角程度に粉砕して用意する。これら粉砕した状態のシュレッダーダストの内容内訳が、概ね、ゴム成分を含む樹脂成分約50%、金属鉄成分約12%、金属銅成分約8%、及び、土砂成分など約30%である。
そして、一定量の粉砕シュレッダーダストを、天井シャッター101が開放され、床面シャッター102が閉鎖された状態のホッパー117中の二重シャッター室108に投入する。投入後、天井シャッター101が閉鎖し、ガス導入口134からパージ用不活性(窒素)ガスを導入すると共に、ガス排気口132に連なる排気ベント131により排気を行う。これにより、シュレッダーダスト118aを収容した二重シャッター室108内は定常的に窒素によるパージ状態となる。ガスパージの目的は、外気流入、即ち、酸素供給を遮断し、その後の高温反応時に発生する高温可燃ガスへの引火を防止し、所望の分解反応を継続することにある。(第1工程)
二重シャッター室108がガスパージされた定常状態となった後に、シャッター102を開放し、シュレッダーダスト118aを部分解体室109に移動する。そして、この室内の回転板車141のフィンによる連続的な打撃により、シュレッダーダスト118aの固結部分がほぐされ、あるいは、その脆弱部分が小片化されるなどの部分解体が進行する。さらに、その後の第1コンベア135上で搬送される際の振動も、搬送中のシュレッダーダスト118aの略均一化を促進するなど予備的な部分解体を助長する。なお、シャッター102を開放し、ガス導入口134からの不活性(窒素)ガス導入と、ガス排気口133からのガス排出とにより、部分解体室109内は、定常的なガスパージ状態である。(第2工程)
次に、シャッター103を開放して、第1コンベア135で搬送されて来たシュレッダーダスト118aを、寸法調整室110内の第2コンベア136上に移載する。そして、第2コンベア136と、これと上下方向の間隙を一定に保って設けられた第3コンベア137とが同期運転する。部分解体されて脆弱化が進んだシュレッダーダスト118aは、この間隙を搬送される際に、規制された搬送高さに応じて形状が崩れ、高さ方向の寸法が概ね揃った状態となる。このとき、回転ドラム137aと136dとが同期的に作動し、特に、回転ドラム137aは、搬送方向への送り出し機能を備えた搬送高さ規制手段として機能する。また、第2コンベア136と第3コンベア137とを同一速度で作動させることで、シュレッダーダスト118aの搬送障害発生を防ぐことができる。なお、崩壊してコンベア136外に落下したシュレッダーダスト小片は、回収トレイ144に捕捉される。(第3工程)
そして、シュレッダーダスト118aは、両コンベア136、137の間隙に挟まれながら、油分浸漬室111内の処理槽142の油分中に没入する。処理槽142は、ドレン143の位置の最深部を挟む一対の傾斜面により構成され、さらに、第2コンベア136は、両傾斜面に沿って敷設されて処理槽142中の油分に対して出没するため、搬送中にシュレッダーダスト118aも油分に出没する。なお、処理槽142の最深部の深さは、ドレン143により調整可能であり、その深さを両コンベア136、137の間隙以上とすることにより、搬送中のシュレッダーダスト118a全体が油分中に完全浸漬する。なお、シュレッダーダスト118a中の比較的小比重の成分は油分内に浮遊するおそれがあるが、天井部を形成する第3コンベア137に当接されているため、搬送路を外れ、自由浮遊するような事態は防止されている。
また、処理槽142中の油分は、あらかじめ、約170〜240℃程度の第1予備加熱温度に加熱されている。このため、加熱状態の油分中に完全浸漬したシュレッダーダスト118aからは、これに含まれる塩ビ樹脂成分の塩素が脱離し、周囲の水素原子と化合して塩素ガスが生成する。
図2は、油分中の塩ビポリマーが、シュレッダーダスト118aに含有される周囲の微量水分と化合し、ポリマー成分としてポリビニルアルコールを生成すると共に、塩化水素ガスとして塩素原子が除去される反応を示す。生成される塩化水素ガスを排気するため、シャッター104を開放して、第1排気口128から排出する。なお、処理槽142内の油分は、上記の第1予備加熱で気化しない油分とする。(第4工程)
次に、シャッター104を開放し、第2コンベア136によりシュレッダーダスト118aを油分外の触媒添加室112に搬出し、搬出後にシャッター104を閉鎖する。このとき、シュレッダーダスト118aの表面全体に油分による濡れ面が形成されている。そして、この状態のシュレッダーダスト118aに対して、触媒供給器145からシュレッダーダスト118aの概ね5重量%に相当するFeO粉末触媒を散布する。このとき、シュレッダーダスト118aの濡れ面に触媒FeO粉末が付着し、これが長期間保持される。したがって、その後の水蒸気接触反応が開始されるまでの間に触媒FeO粉末が欠落するおそれが少なくなる。なお、FeO粉末としては、切削加工時に発生する切粉を長期間空気に曝して酸化させたものを用いても良い。あるいは、FeO以外にもFe2O、FeO3を用いても後の水蒸気接触分解反応に対する触媒作用を同様に得られる。(第5工程)
さらに、FeO粉末付着状態のシュレッダーダスト118aを第2コンベア136上で搬送させながら予備加熱室113に移動させ、コンベア136下方のヒータ139により、約280〜390℃の第2予備加熱温度まで加熱する。これには、次の水蒸気接触反応時の高温に近い温度まであらかじめ昇温させておく、という目的に加え、それまでの塩化水素ガスを生成する反応で消費し切れなかった残留塩素成分を徹底除去するという目的がある。この際に生成する塩化水素ガスは、第1排気口128から排出される。(第6工程)
次に、シャッター105を開放し、約280〜390℃に加熱されたシュレッダーダスト118aを第2コンベア136により水蒸気反応室114に移動する。そして、シュレッダーダスト118aに対して、水蒸気導入管146から約280〜390℃の水蒸気を吹き付ける。ヒータ140も同温度に加熱され、水蒸気反応の温度条件を確保する。このとき、FeO触媒下での水和反応により、シュレッダーダスト118a中の樹脂成分の炭化水素骨格が分解される。
図3は、FeO触媒下での水蒸気接触分解反応の進行を模式的に示すものである。図3(a)に示すように、水蒸気導入により、炭化水素骨格の周囲を水分子が包囲する(水蒸気接触)。しかし、図3(b)に示すように、周囲の水蒸気中の水分子に対してFeO触媒が作用して活性酸素原子が生成する。そして、図3(c)に示すように、この活性酸素原子が炭化水素骨格の水素原子と化合して水分子として炭化水素骨格から脱離する(水和反応)。そして、この際に、炭化水素骨格の主鎖が分断されて分解が生じる(図3(d)参照)。
これに対して、図4は、FeO触媒によらない水蒸気接触分解反応の進行を模式的に示すものである。図4(a)に示すように、水蒸気導入により、炭化水素骨格の周囲を水分子が包囲する(水蒸気接触)。そして、図4(b)に示すように、この水分子中の酸素原子と炭化水素骨格の水素原子とがお互いの極性により接近し、化合して水分子として炭化水素骨格から脱離する(水和反応)。そして、この際に、炭化水素骨格の主鎖が分断されて分解が生じる(図4(c)参照)。
いずれの場合も、熱分解を導く水和反応を得ることはできる。しかし、図3と図4との比較から明らかなように、炭化水素骨格の水素原子と化合するものが、活性酸素(図3)と、水分子中の負極性酸素原子(図4)とである点で異なる。そして、相対的に高い反応エネルギーを保持する活性酸素による反応、即ち、FeO触媒下での水蒸気接触分解反応が、炭化水素骨格の分離に有効であることが分る。
そして、分解時に生成された炭化水素ガス、水、窒素などの主成分ガスや、酸素などの微量成分ガスの排気を第2排気口129により行う。(第7工程)
なお、第2排気口129に蒸留器を取付けることにより、排気生成ガスの成分ごとに分留し、回収することができる。そして、蒸留して得られる重質油成分は、第1予備加熱(約170〜240℃)程度では揮発することなく安定状態を保つので、処理槽142中の油分として再利用することが可能である。これにより、油分の入手や重質油廃棄に要する作業省略ができ、効率向上の一助となる。なお、反応生成ガスの蒸留に際して、重質油留分と分留されて同時に得られる軽質油留分は揮発性であることが多く、加熱を伴う第4工程用の浸漬油分としては不向きであると考えられる。
ところで、水蒸気導入を停止し、水蒸気接触反応が小康状態になった後は、分解残渣118bが残る。シャッター106を開放し、第2コンベア136により分解残渣118bを残渣処理室115に移動する。分解残渣は、水蒸気反応時の高温でコンベア上のベルトに付着した状態となるが、これを刃具147で剥離する。このとき、未反応の炭化水素成分などが水蒸気残分と接触して生成ガスが発生することもあるため、これを第3排気口130により排気する。
刃具147により剥離された残渣118bは、処理室115の床面シャッター107上に集積して乾燥され、一定量の集積後、シャッター107を開放して回収室116内に所蔵する。この残渣118bがさらに一定量に集積されたら、回収室116の床面シャッター119及び搬送車120の天井シャッター121の開閉により、残渣118bを搬送車120に移動させる。搬送車120中に収容された残渣118bは、残渣分として、別設置の焼却炉に運搬され、その後の燃焼工程に供される。
なお、上記した全工程に亘って反応温度を最大で390℃に留めたのは、シュレッダーダスト118a中からの塩素成分完全除去が達成されない場合を想定したためである。この場合でも、ダイオキシン発生温度(約400〜650℃)を確実に下回るため、ダイオキシン発生という不測の事態は回避される。
本発明は、廃プラスチックなどの樹脂成分を含む廃棄物処理法中で、樹脂成分を分離する前処理方法と位置付けることにより、廃棄物処理の効率を向上する重要工程として活用できる。
シュレッダーダスト用の樹脂成分分解装置の概略図 塩ビポリマーから塩化水素ガスとして塩素原子が除去される反応を示す模式図 FeO触媒下での水蒸気接触分解反応を示す模式図 FeO触媒によらない水蒸気接触分解反応を示す模式図
符号の説明
100 シュレッダーダスト用樹脂成分分解装置
101 天井シャッター(第2シャッター)
102 床面シャッター(第1シャッター)
108 二重シャッター室
109 部分解体室
110 寸法調整室
111 油分浸漬室
113 予備加熱室
114 水蒸気接触反応室
117 ホッパー
118 シュレッダーダスト(樹脂含有混在物)
135 第1コンベア
136 第2コンベア(出没手段)
136d 回転ドラム
137 第3コンベア(浮上防止手段)
137a 回転ドラム(搬入口)
139 加熱ヒータ
140 加熱ヒータ
141 回転板車
142 処理槽(液槽)
145 触媒供給器
146 水蒸気導入管

Claims (6)

  1. 樹脂成分を分解する際に触媒を添加する方法において、樹脂成分を含む分解対象物表面を濡れ面とし、該濡れ面に対して触媒粉末を添加することを特徴とする触媒添加方法。
  2. 前記濡れ面を、油分中に浸漬させた前記分解対象物を該油分の外部に戻すことにより形成することを特徴とする請求項1に記載の触媒添加方法。
  3. 前記浸漬油分を、少なくとも前記分解対象物の浸漬時間中に加熱することを特徴とする請求項2に記載の触媒添加方法。
  4. 前記加熱時の油分の温度範囲を、170〜240℃とすることを特徴とする請求項3に記載の触媒添加方法。
  5. 前記分解対象物を浸漬する油分を湛えた液槽と、該分解対象物を前記液槽の油分の液面に対して出没可能とした出没手段と、該分解対象物に対して触媒粉末を添加する触媒添加手段とを備えたことを特徴とする触媒添加装置。
  6. 前記液槽に、さらに、油分中に浸漬させた分解対象物の浮上防止手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載の触媒添加装置。

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