JP2005263952A - 架橋性メタクリル樹脂組成物および透明部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 MMAシラップを原料に用いた場合でも、PMMAの高い透明性を損なわずに、耐熱性、剛性、耐薬品性などを向上した改質PMMAを得る。
【解決手段】 少なくとも、下記(A)および(B)を含有する組成物。
(A)単独で重合して得られる重合体の屈折率が1.47以上、1.51以下であり、ビニル系重合性基を2つ以上有し、かつ、脂環構造を有する化合物
(B)メタクリル酸メチルシラップ
及び上記組成物から得られる樹脂、成形体及び透明部材。
【選択図】 なし
【解決手段】 少なくとも、下記(A)および(B)を含有する組成物。
(A)単独で重合して得られる重合体の屈折率が1.47以上、1.51以下であり、ビニル系重合性基を2つ以上有し、かつ、脂環構造を有する化合物
(B)メタクリル酸メチルシラップ
及び上記組成物から得られる樹脂、成形体及び透明部材。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ポリメタクリル酸メチルの特徴である高透明性を維持したまま、耐熱性、剛性、耐薬品性などを改良する方法、この方法に基づいてこれらの特性を改良した透明部材に適したメタクリル系組成物、およびその組成物を重合してなる透明樹脂、並びに該樹脂からなる透明部材に関する。
透明部材として広く用いられ、光および熱硬化樹脂、塗料、接着剤、インキなどの原料としても有用であるポリメタクリル酸メチル(以下、PMMA)に代表されるメタクリル樹脂の利点は、透明性および耐候性に優れ、機械的物性とのバランスがよく、かつ、加工性がよいことにある。しかしながら、グレージング材、ディスプレイ部材(液晶ディスプレイ用導光板・拡散板、あるいは、プロジェクションディスプレイ用スクリーン板等)、照明カバー、あるいは光学用レンズ等の部材として、メタクリル樹脂、あるいは、その代替樹脂の物性に対する要求も多様化してきており、例えば、耐熱性、剛性、耐薬品性などの改良が求められている。
従来から知られているPMMAの耐熱性向上技術としては、例えば、メタクリル酸メチル(以下、MMA)とα−メチルスチレンとの共重合樹脂(特許文献1)、MMAとスチレン、あるいは、α−メチルスチレンおよび無水マレイン酸との共重合樹脂(特許文献2)、MMA、α−メチルスチレン、および、マレイミドとの共重合樹脂(特許文献3)、等が挙げられる。
特許文献1〜3に記載の方法によれば、いずれも耐熱性は向上できるが、重合速度が著しく遅く重合に長時間を要するため、着色などが発生し透明性が損なわれる。
また、PMMA板または成形物を工業的に生産する場合、生産時間短縮や成形品の収縮率低減を目的として、MMAをあらかじめ予備重合してある程度重合させたMMAシラップ、すなわち、「メタクリル酸メチル重合体とメタクリル酸メチル単量体との混合物」を用いる方法が一般的である。このMMAシラップと、特許文献1〜3に記載のα−メチルスチレン、スチレン等の共重合用モノマーとを共重合させた場合、耐熱性は向上できるが、ヘーズが発生し透明な樹脂は得られない。
このように、従来の技術では、PMMAの耐熱性をある程度は向上できるが、同時に大きな特長である透明性を損なってしまうのが現状であった。
米国特許第3135723号
特開昭58−87104号公報
特開昭48−95490号公報
本発明は、MMAシラップを原料に用いた場合でも、PMMAの高い透明性を損なわずに、耐熱性、剛性、耐薬品性などを向上した改質PMMAを得ることを目的とする。更に具体的に述べると、ある種のモノマーをMMAシラップと共重合させることで耐熱性、剛性、耐薬品性などを向上したPMMA系樹脂を得るという方法をとる場合に、透明性を損なわないモノマーを見出すことにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、MMAシラップとの共重合に用いるモノマーを単独で重合して得られた重合体の屈折率が、PMMAの屈折率1.492に近ければ、透明性を損なわないことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[4]に関する。
[1] 少なくとも、下記(A)および(B)を含有する組成物。
(A)単独で重合して得られる重合体の屈折率が1.47以上、1.51以下であり、ビニル系重合性基を2つ以上有し、かつ、脂環構造を有する化合物
(B)メタクリル酸メチルシラップ
[2] [1]記載の組成物を重合して得られる樹脂。
[3] [2]記載の樹脂からなる成形体。
[4] [3]記載の成形体からなる透明部材。
[1] 少なくとも、下記(A)および(B)を含有する組成物。
(A)単独で重合して得られる重合体の屈折率が1.47以上、1.51以下であり、ビニル系重合性基を2つ以上有し、かつ、脂環構造を有する化合物
(B)メタクリル酸メチルシラップ
[2] [1]記載の組成物を重合して得られる樹脂。
[3] [2]記載の樹脂からなる成形体。
[4] [3]記載の成形体からなる透明部材。
本発明により、MMAシラップを用いても、PMMAの特長である高い透明性を損なうことなく、耐熱性、剛性、耐薬品性を向上させたPMMA系樹脂が得られる。更には、該樹脂からなる光学部品を提供することができる。
以下、本発明を更に詳しく説明する。
本発明は、下記(A)および(B)を含有する組成物、該組成物を重合して得られる重合体、および、該重合体からなる光学部品に関するものである。
(A)単独で重合して得られる重合体の屈折率が1.47以上、1.51以下であり、ビニル系重合性基を2つ以上有し、かつ、脂環構造を有する化合物
(B)メタクリル酸メチルシラップ
(A)単独で重合して得られる重合体の屈折率が1.47以上、1.51以下であり、ビニル系重合性基を2つ以上有し、かつ、脂環構造を有する化合物
(B)メタクリル酸メチルシラップ
本発明において(A)の化合物としては、ビニル系重合性基2つ以上と脂環構造を有し、かつ、単独で重合して得られる重合体の屈折率が1.47以上、1.51以下である化合物であればよく、特に限定されない。
本発明の(A)の化合物が、ビニル系重合性基を2つ以上有することで、MMAシラップと共重合させた場合には架橋構造となり、そのため、耐熱性、剛性、および耐薬品性が向上する。とりわけ、耐熱性の向上は顕著である。耐熱性の更なる向上のためには、脂環などの剛直な構造が有効である。その他、剛直な構造として芳香環があるが、屈折率を1.51以下に制御することが困難となるため適切ではない。
また、本発明の(A)の化合物は、その一部が重合した部分重合体を含んでいてもよい。(即ち(A)の重合体と(A)の単量体の混合物であっても構わない。)
また、本発明のように、MMAシラップを共重合成分に含む場合、共重合させた樹脂は、大部分は下記の(C)と(D)の2つの部分で構成される。
(C)メタクリル酸メチル単独重合体の部分
(D)MMAと(A)の化合物が共重合した部分
この(C)の部分と(D)の部分の屈折率差が小さいほどヘーズは小さく透明であり、(C)の部分と(D)の部分の屈折率差が大きいほどヘーズは大きく不透明になることを本発明者らは見出した。ここで、ヘーズとは、透明なプラスチックの内部または表面の不明瞭なくもりの外観をいう。
(D)MMAと(A)の化合物が共重合した部分
この(C)の部分と(D)の部分の屈折率差が小さいほどヘーズは小さく透明であり、(C)の部分と(D)の部分の屈折率差が大きいほどヘーズは大きく不透明になることを本発明者らは見出した。ここで、ヘーズとは、透明なプラスチックの内部または表面の不明瞭なくもりの外観をいう。
(C)のメタクリル酸メチル単独重合体の部分の屈折率は1.492である。(D)の部分を構成する(A)の化合物を単独で重合させた場合、その屈折率が1.47〜1.51であれば、共重合樹脂全体として透明性を確保できる。屈折率が1.48〜1.50であれば、更に透明性は高くなる。
本発明の(A)の化合物の具体例としては、例えば、式(1)〜(12)のようなシクロヘキシル環を一つ有する化合物、式(13)、(14)のようなシクロヘキシル環を2つ有する化合物、式(15)〜(20)のようなビシクロ環を有する化合物、等が挙げられる。ただし、(A)の化合物はこれらに限定されるわけではない。また(A)の化合物の製造方法は特に限定されない。
本発明においては、(A)の化合物として、上記に例示した化合物の1種を単独使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(A)の化合物として好ましいものは、単独で重合させたときの屈折率が1.48以上、1.50以下であり、かつ、MMAシラップと20wt%の割合で共重合させて得られた樹脂のTgが130℃以上の化合物である。具体的には、式(2)、(3)、(5)、(6)、(10)〜(12)、(17)〜(20)で表される化合物等が挙げられる。
(A)の化合物として更に好ましいものは、単独で重合させたときの屈折率が1.48以上、1.49以下であり、かつ、MMAシラップと20wt%の割合で共重合させて得られた樹脂のTgが130℃以上の化合物である。具体的には、式(10)〜(12)、(20)で表される化合物等が挙げられる。
一方、MMAシラップ(メタクリル酸メチルシラップ)とは、MMAにMMA重合体が溶解している粘稠液をいう。このMMA重合体は、MMAを有機過酸化物などのラジカル開始剤の存在下で所定の加熱条件で部分重合させて得られる。なお、この重合においては必要に応じてα,β−エチレン性不飽和単量体(ただし、MMAを除く)が加えられる。このMMA重合体は、成形材料であるビーズポリマーの場合もある。いずれの場合も、シラップは自製または市販品を購入して用いることができる。
(A)成分と(B)成分の使用割合は、本発明の効果を発揮し得る範囲では任意であるが、添加量に伴う効果や重合の制御の点から、通常は(B)成分を100重量部に対し(A)成分は5〜100重量部の範囲である。
本発明の組成物の重合方法は特に限定されないが、公知の有機過酸化物やアゾ化合物をラジカル開始剤として使用した熱重合が一例として挙げられる。加熱条件にもよるが、有機過酸化物は通常は10時間半減期温度が120℃以下の化合物が好ましい。例えば、クミルパーオキシネオデカノエート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド等である。また、アゾ化合物としては、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビス(メチルブチルニトリル)等である。これらの化合物の選択においては、1種を単独使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、2種以上の有機過酸化物を併用する場合には、10時間半減期温度が20℃以上離れている化合物同士を組み合わせるのが重合効率において有利であるが、特に限定されるものではない。
その他、本発明の組成物の重合方法として、光重合が挙げられる。光重合にあたっては公知の光感応性化合物をラジカル開始剤として使用すればよく、例えば、ベンゾイン、ベンゾインモノメチルエーテル、ベンジル、p−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルメチルケタール等が挙げられる。ただし、これらに限定されるわけではない。これらの化合物の選択においても、1種を単独使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
熱(光)ラジカル開始剤の使用量は、特に限定されるものではないが、単量体混合物に対して0.01〜5重量%の範囲であることが好ましい。なお、2種以上を併用する場合には、その総重量が単量体混合物に対して0.01〜5重量%の範囲であることが好ましい。
本発明の組成物には、必要に応じて、他の重合単量体、或いは、酸化防止剤、帯電防止剤、防曇剤、または/および着色剤等の添加剤を加えてもよい。
このようにして調製した樹脂組成物は、重合の直前に脱気、または脱気せずに所定の重合方法に則って重合され、架橋性メタクリル樹脂となる。
樹脂成形体および該成形体の製造方法
本発明の組成物の重合はどのような方法で行ってもよく、例えば、注型重合では次のようにして実施することができる。なお、注型重合では離型剤は用いなくてもよいが、用いるならば内部離型剤が使用しやすく、シリコン系、フッ素系、ワックス系、脂肪族金属石鹸系、酸性リン酸エステル系等、通常用いられる離型剤から選択すればよい。その使用量は、単量体混合物に対し0.02〜0.3重量%の範囲が好ましい。
本発明の組成物の重合はどのような方法で行ってもよく、例えば、注型重合では次のようにして実施することができる。なお、注型重合では離型剤は用いなくてもよいが、用いるならば内部離型剤が使用しやすく、シリコン系、フッ素系、ワックス系、脂肪族金属石鹸系、酸性リン酸エステル系等、通常用いられる離型剤から選択すればよい。その使用量は、単量体混合物に対し0.02〜0.3重量%の範囲が好ましい。
加熱による注型重合は、所望の形状の樹脂成形体をなす注型の空間部に、前もって調製した樹脂組成物を注入し、加熱して硬化せしめ、その後、脱型して成形体を得る重合法である。これにあって、平板の樹脂成形体を得るには平型の注型を用いるのであるが、該注型は曲率のない平坦なガラス板やステンレス板の周縁部に、塩化ビニール樹脂やシリコン樹脂性の特定の厚みを有するシートやチューブをガスケットとして配置した後、もう1枚のガラス板やステンレス板を対向させて配置したものが一般的である。
加熱による注型重合の加熱温度は、単量体混合物およびラジカル開始剤の種類や使用量にもよるが、通常は40〜170℃であるのが好ましい。より具体的には、加熱初期の温度が好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上、さらに好ましくは60℃以上であって、加熱終期の温度が好ましくは170℃以下、より好ましくは150℃以下、さらに好ましくは130℃以下である。
加熱による注型重合の加熱時間は、加熱温度にもよるが、通常は3〜7時間、好ましくは3〜5時間であるのが好ましい。
なお、本発明の樹脂および成形体において、透明性の評価は、樹脂板を蛍光灯にかざして曇り度合いを目視で観察することで行った。耐熱性の評価は、樹脂のTg(TMA法)を測定することで行った。剛性の評価は、曲げ弾性率を測定することで行った。耐薬品性の評価は、有機溶剤、および、無機酸の水溶液に対する耐性を観察することで行った。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「重量部」を表す。
<評価方法>
[1] (A)の化合物の単独重合体の屈折率
(A)の化合物20部に、ラジカル開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.2部、および、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート0.1部を添加して室温下で混合し、その後脱気して重合に備えた。
[1] (A)の化合物の単独重合体の屈折率
(A)の化合物20部に、ラジカル開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.2部、および、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート0.1部を添加して室温下で混合し、その後脱気して重合に備えた。
この組成物を、一辺が200mmのガラス板に塩化ビニル製のガスケットを配した空間距離が2mmの注型重合用鋳型に注入した。その後、熱風循環炉を用い、50℃で5時間加熱し、引き続き120℃で2時間加熱して重合を行った。
その後、脱型して得られた樹脂板の屈折率を、ATAGO社のアッベ屈折計(DR−M2)にて測定した。
[2] 樹脂(成形体)の各物性の評価
・重合の容易性
暴走反応(ワカメ現象:樹脂表面が樹皮状を呈し乱れる現象)の有無、程度を、以下の基準により目視で判定した。
○ 起こらない
△ 部分的に起こる
× ほぼ全面に起こる
・透明性
蛍光灯に樹脂板をかざし、目視により以下の基準で判定した。
○ 何ら曇りが認められない
△ かざす角度によっては薄らと曇りが認められる
× はっきりと曇りが認められる
・耐熱性
(株)リガクのTMA分析装置(TAS300)でTgを測定した。
・剛性
JIS K7171法で曲げ弾性率を測定した。
・耐薬品性
JIS K7114法でアセトン、トルエン、および、10%硫酸水溶液の各々について試験を行い、以下に基準により目視で判定した。
○ 何ら異常が認められない
△ 膨潤/クラックが発生する
× 溶解する
・重合の容易性
暴走反応(ワカメ現象:樹脂表面が樹皮状を呈し乱れる現象)の有無、程度を、以下の基準により目視で判定した。
○ 起こらない
△ 部分的に起こる
× ほぼ全面に起こる
・透明性
蛍光灯に樹脂板をかざし、目視により以下の基準で判定した。
○ 何ら曇りが認められない
△ かざす角度によっては薄らと曇りが認められる
× はっきりと曇りが認められる
・耐熱性
(株)リガクのTMA分析装置(TAS300)でTgを測定した。
・剛性
JIS K7171法で曲げ弾性率を測定した。
・耐薬品性
JIS K7114法でアセトン、トルエン、および、10%硫酸水溶液の各々について試験を行い、以下に基準により目視で判定した。
○ 何ら異常が認められない
△ 膨潤/クラックが発生する
× 溶解する
(合成例1) 式(17)の化合物の合成
2−ヒドロキシエチルメタクリレート177部、ピリジン107部、トルエン700部を混合し、反応温度を0〜20℃に保ちながら、ノルボルナンジクロライド100部を30分かけて滴下装入し、さらに10〜30℃で8時間撹拌した。その後、生じた白色結晶をろ過により除去し、得られたろ液を塩酸水および水で洗浄した。次いでこの液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフ法により精製し、式(17)で示される化合物141部を得た。得られた化合物は元素分析およびFD−MS分析により確認した。
2−ヒドロキシエチルメタクリレート177部、ピリジン107部、トルエン700部を混合し、反応温度を0〜20℃に保ちながら、ノルボルナンジクロライド100部を30分かけて滴下装入し、さらに10〜30℃で8時間撹拌した。その後、生じた白色結晶をろ過により除去し、得られたろ液を塩酸水および水で洗浄した。次いでこの液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフ法により精製し、式(17)で示される化合物141部を得た。得られた化合物は元素分析およびFD−MS分析により確認した。
(合成例2) 式(20)の化合物の合成
合成例1の2−ヒドロキシエチルメタクリレート17.7部を、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート19.6部に代える以外は、合成例1と同様にして、式(20)で示される化合物17.6部を得た。得られた化合物は元素分析およびFD−MS分析により確認した。
合成例1の2−ヒドロキシエチルメタクリレート17.7部を、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート19.6部に代える以外は、合成例1と同様にして、式(20)で示される化合物17.6部を得た。得られた化合物は元素分析およびFD−MS分析により確認した。
(合成例3) 式(11)の化合物の合成
イソホロンジイソシアネートを200部、触媒としてジブチル錫ジラウレートを0.2部、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを0.13部フラスコに入れ、加熱攪拌した。この溶液の温度を65〜75℃に保持しながら、滴下漏斗により2−ヒドロキシエチルメタクリレート234部を2時間かけて滴下装入した後、同温度にてさらに8時間攪拌した。反応終了の判断は滴定法によるイソシアネート当量の測定において、イソシアネート基の97%以上が消費された時点を反応の終点とし、式(11)で表される化合物を得た。なお、反応物の同定は、H−NMRおよび質量分析にて行った。
イソホロンジイソシアネートを200部、触媒としてジブチル錫ジラウレートを0.2部、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを0.13部フラスコに入れ、加熱攪拌した。この溶液の温度を65〜75℃に保持しながら、滴下漏斗により2−ヒドロキシエチルメタクリレート234部を2時間かけて滴下装入した後、同温度にてさらに8時間攪拌した。反応終了の判断は滴定法によるイソシアネート当量の測定において、イソシアネート基の97%以上が消費された時点を反応の終点とし、式(11)で表される化合物を得た。なお、反応物の同定は、H−NMRおよび質量分析にて行った。
(合成例4) 式(10)の化合物の合成
合成例3の2−ヒドロキシエチルメタクリレート234部を、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート259部に代える以外は、合成例3と同様にして、式(10)で示される化合物を得た。反応物の同定は、H−NMRおよび質量分析にて行った。
合成例3の2−ヒドロキシエチルメタクリレート234部を、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート259部に代える以外は、合成例3と同様にして、式(10)で示される化合物を得た。反応物の同定は、H−NMRおよび質量分析にて行った。
(合成例5) 式(14)の化合物の合成
式(21)で表される化合物220部、ジブチル錫ジラウレート0.2部をフラスコに入れ、加熱攪拌した。この溶液の温度を65〜75℃に保持しながら、滴下漏斗により2−ヒドロキシエチルメタクリレート242部を2時間かけて滴下装入した後、同温度にてさらに6時間攪拌し、式(14)で表される化合物を得た。反応物の同定は、H−NMRおよび質量分析にて行った。
式(21)で表される化合物220部、ジブチル錫ジラウレート0.2部をフラスコに入れ、加熱攪拌した。この溶液の温度を65〜75℃に保持しながら、滴下漏斗により2−ヒドロキシエチルメタクリレート242部を2時間かけて滴下装入した後、同温度にてさらに6時間攪拌し、式(14)で表される化合物を得た。反応物の同定は、H−NMRおよび質量分析にて行った。
(合成例6) 式(1)の化合物の合成
シクロヘキシルアミン175部をフラスコに入れ、加熱攪拌した。この溶液の温度を65〜75℃に保持しながら、滴下漏斗によりグリシジルメタクリレート500部を3時間かけて滴下装入した後、同温度にて更に15時間攪拌し、式(1)で表される化合物を得た。反応物の同定は、H−NMRおよび質量分析にて行った。
シクロヘキシルアミン175部をフラスコに入れ、加熱攪拌した。この溶液の温度を65〜75℃に保持しながら、滴下漏斗によりグリシジルメタクリレート500部を3時間かけて滴下装入した後、同温度にて更に15時間攪拌し、式(1)で表される化合物を得た。反応物の同定は、H−NMRおよび質量分析にて行った。
MMA単量体24部、MMA部分重合シラップ(三井化学社製・CX−1033)56部、式(17)で表される化合物20部の混合液に、ラジカル開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.2部、および、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート0.1部を添加して室温下で混合し、その後脱気して重合に備えた。
この組成物を、一辺が200mmのガラス板に塩化ビニル製のガスケットを配した空間距離が2mmの注型重合用鋳型に注入した。その後、熱風循環炉を用い、60℃で3時間加熱し、引き続き120℃で2時間加熱して重合を行った。重合中何ら異常は認められず、脱型も容易で面状態が良好な透明樹脂板を得た。評価結果を表−1に示す。
実施例1の「式(17)で表される化合物20部」の代わりに、「式(3)で表される化合物20部」を用いる以外は、実施例1に準じて重合を行い、面状態が良好な樹脂板を得た。評価結果を表−1に示す。
実施例1の「式(17)で表される化合物20部」の代わりに、「式(10)で表される化合物20部」を用いる以外は、実施例1に準じて重合を行い、面状態が良好な樹脂板を得た。評価結果を表−1に示す。
実施例1の「式(17)で表される化合物20部」の代わりに、「式(11)で表される化合物20部」を用いる以外は、実施例1に準じて重合を行い、面状態が良好な樹脂板を得た。評価結果を表−1に示す。
実施例1の「式(17)で表される化合物20部」の代わりに、「式(18)で表される化合物20部」を用いる以外は、実施例1に準じて重合を行い、面状態が良好な樹脂板を得た。評価結果を表−1に示す。
実施例1の「式(17)で表される化合物20部」の代わりに、「式(19)で表される化合物20部」を用いる以外は、実施例1に準じて重合を行い、面状態が良好な樹脂板を得た。評価結果を表−1に示す。
実施例1の「式(17)で表される化合物20部」の代わりに、「式(20)で表される化合物20部」を用いる以外は、実施例1に準じて重合を行い、面状態が良好な樹脂板を得た。評価結果を表−1に示す。
実施例1の「式(17)で表される化合物20部」の代わりに、「式(1)で表される化合物20部」を用いる以外は、実施例1に準じて重合を行い、面状態が良好な樹脂板を得た。評価結果を表−1に示す。
実施例1の「式(17)で表される化合物20部」の代わりに、「式(13)で表される化合物20部」を用いる以外は、実施例1に準じて重合を行い、面状態が良好な樹脂板を得た。評価結果を表−1に示す。
実施例1の「式(17)で表される化合物20部」の代わりに、「式(14)で表される化合物20部」を用いる以外は、実施例1に準じて重合を行い、面状態が良好な樹脂板を得た。評価結果を表−1に示す。
MMA単量体24部、MMAビーズポリマーシラップ(三菱レイヨン社製・SY−102C)56部、式(11)で表される化合物20部の混合液に、ラジカル開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.2部、および、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート0.1部を添加して室温下で混合し、その後脱気して重合に備えた。
この組成物を、一辺が200mmのガラス板に塩化ビニル製のガスケットを配した空間距離が2mmの注型重合用鋳型に注入した。その後、熱風循環炉を用い、60℃で3時間加熱し、引き続き120℃で2時間加熱して重合を行った。重合中何ら異常は認められず、脱型も容易で面状態が良好な透明樹脂板を得た。評価結果を表−1に示す。
実施例11の「式(11)で表される化合物20部」の代わりに、「式(20)で表される化合物20部」を用いる以外は、実施例11に準じて重合を行い、面状態が良好な樹脂板を得た。評価結果を表−1に示す。
[比較例1]
MMA単量体44部、MMA部分重合シラップ(三井化学社製・CX−1033)56部の混合液に、ラジカル開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.2部、および、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート0.1部を添加して室温下で混合し、その後脱気して重合に備えた。
MMA単量体44部、MMA部分重合シラップ(三井化学社製・CX−1033)56部の混合液に、ラジカル開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.2部、および、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート0.1部を添加して室温下で混合し、その後脱気して重合に備えた。
この組成物を、一辺が200mmのガラス板に塩化ビニル製のガスケットを配した空間距離が2mmの注型重合用鋳型に注入した。その後、熱風循環炉を用い、60℃で3時間加熱し、引き続き120℃で2時間加熱して重合を行った。重合中何ら異常は認められず、脱型も容易で面状態が良好な透明樹脂板を得た。評価結果を表−1に示す。
[比較例2]
実施例1の「式(17)で表される化合物20部」の代わりに、「式(22)で表される化合物20部」を用いる以外は、実施例1に準じて重合を行い、一部ワカメ現象が生じた樹脂板を得た。面状態の良好な部分で評価を行った。評価結果を表−1に示す。
実施例1の「式(17)で表される化合物20部」の代わりに、「式(22)で表される化合物20部」を用いる以外は、実施例1に準じて重合を行い、一部ワカメ現象が生じた樹脂板を得た。面状態の良好な部分で評価を行った。評価結果を表−1に示す。
[比較例3]
実施例1の「式(17)で表される化合物20部」の代わりに、「式(23)で表される化合物20部」を用いる以外は、実施例1に準じて重合を行い、面状態が良好な樹脂板を得た。評価結果を表−1に示す。
実施例1の「式(17)で表される化合物20部」の代わりに、「式(23)で表される化合物20部」を用いる以外は、実施例1に準じて重合を行い、面状態が良好な樹脂板を得た。評価結果を表−1に示す。
[比較例4]
実施例1の「式(17)で表される化合物20部」の代わりに、「式(24)で表される化合物20部」を用いる以外は、実施例1に準じて重合を行い、面状態が良好な樹脂板を得た。評価結果を表−1に示す。
実施例1の「式(17)で表される化合物20部」の代わりに、「式(24)で表される化合物20部」を用いる以外は、実施例1に準じて重合を行い、面状態が良好な樹脂板を得た。評価結果を表−1に示す。
本発明により得られる樹脂は、一般のPMMAと比較し、耐熱性、剛性、および耐薬品性が向上し、かつ、透明性は同等である。従って、本発明の成形体は、グレージング材、各種カバー類、看板等の汎用の透明部材としては勿論のこと、耐熱性や剛性、および耐薬品性等に対する改善要求が強い光学部材にも好適に用いることができる。
例えば、リアプロジェクター用成形部品(拡散型リアプロジェクション・スクリーン、レンチキュラー・スクリーン、球面レンズ型/直交レンチキュラー型レンズアレイ・スクリーン、フレネルレンズ付拡散型/フレネルレンズ付レンチキュラー・スクリーン、リアプロジェクションTV用投射レンズ、リアプロジェクションTV用前面板等)、液晶基板、有機EL基板、タッチパネル基板、液晶用拡散板、液晶用プリズムシート、PDP前面板、液晶パネル保護板等が挙げられる。なお、上記光学系製品(部品)は、耐熱性が特に要求される自動車搭載用の用途において、特に好適である。
また、本発明の組成物および樹脂は、アクリル系塗料や接着剤の改質にも適用できる。
Claims (4)
- 少なくとも、下記(A)および(B)を含有する組成物。
(A)単独で重合して得られる重合体の屈折率が1.47以上、1.51以下であり、ビニル系重合性基を2つ以上有し、かつ、脂環構造を有する化合物
(B)メタクリル酸メチルシラップ - 請求項1記載の組成物を重合して得られる樹脂。
- 請求項2記載の樹脂からなる成形体。
- 請求項3記載の成形体からなる透明部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004077771A JP2005263952A (ja) | 2004-03-18 | 2004-03-18 | 架橋性メタクリル樹脂組成物および透明部材 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012031351A (ja) * | 2010-08-03 | 2012-02-16 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | アクリル樹脂板の製造方法、アクリル樹脂板、アクリル樹脂積層体及び表示装置 |
CN110831995A (zh) * | 2017-07-03 | 2020-02-21 | 喜利得股份公司 | 包含氨基甲酸酯甲基丙烯酸酯化合物的反应性树脂、反应性树脂组分以及反应性树脂体系及其用途 |
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2004
- 2004-03-18 JP JP2004077771A patent/JP2005263952A/ja active Pending
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