JP2005263482A - 階段昇降装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 階段途中や階上の踊り場等のように階段部と傾斜角度を異にする角度変更部がある階段に好適に設置され、昇降ユニットやレール部材を構造簡易に構成してコストの低減と納期短縮とを図るとともに利用者に安心感を与える。
【解決手段】 階段2の傾斜角度に合わせて設置した第1主レール部材46と第2主レール部材47に対して角度変更部2Cにおいて緩やかな傾斜角度を付された第3主レール部材48を連結するとともに、第1調整レール部材49と第2調整レール部材50とを組み合わせ、昇降ユニット3に角度差を付して設けた第1姿勢制御コロ14と第2姿勢制御コロ15の一方が第1調整レール部材と第2調整レール部材のレール面に乗り変わって転動する。
【選択図】 図1
【解決手段】 階段2の傾斜角度に合わせて設置した第1主レール部材46と第2主レール部材47に対して角度変更部2Cにおいて緩やかな傾斜角度を付された第3主レール部材48を連結するとともに、第1調整レール部材49と第2調整レール部材50とを組み合わせ、昇降ユニット3に角度差を付して設けた第1姿勢制御コロ14と第2姿勢制御コロ15の一方が第1調整レール部材と第2調整レール部材のレール面に乗り変わって転動する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、階段に沿って設置したレール部材に支持されて昇降ユニットが昇降動作する階段昇降装置に関し、特に踊り場のように傾斜角度を異にする角度変更部においても昇降ユニットの乗車部が略水平状態を保持されて昇降する階段昇降装置に関する。
高齢化社会を迎えた現在においては、福祉制度の充実とともに、公共施設や病院或いはホテル等の商業施設等を中心としてお年寄りや身障者等にとって安全で身体への負担を軽減するような様々な対応が図られている。例えば、駅等においては、階段にモノレール型の階段昇降機やエレベータの設置が図られているが、これらはいずれも莫大な設備投資を必要とすることで都会の大きな駅に設置の範囲が限られ普及率も極めて小さい。また、病院や介護施設等においては、階段や廊下の壁面に沿って設置したレールに支持されて走行する椅子型モノレールを設置したところもある。
一方、最近の一般家庭でも、例えば内部で段差を無くしてフラットな床面とするいわゆるバリヤフリーの対応、車椅子の走行を可能とする広い廊下、階段やトイレ或いは浴室内の手摺りの設置等の様々な対応も図られ、屋内に小型のエレベータを設置した例も紹介されている。しかしながら、多くの一般家庭においては、屋内にエレベータや階段昇降用のモノレール装置を設置することは莫大な費用もかかりまたこれらを設置するスペースを確保することが極めて困難であり、その普及率は極めて小さい。
ところで、豪雪地帯等においては、最近積雪の対策として床面を地面よりも数メートル程高くしたいわゆる高床型家屋が多く建築されるようになっている。雪国においては、市街地であっても屋根に積もった雪を下ろすために家屋の周囲に雪下ろしスペースが必要であるとともに、一家で数台の車を所有することで広い車庫スペースも必要である。したがって、雪国においては、例えば半地下部分を車庫スペースとして利用可能な高床型家屋の普及が高くなっている。
高床型家屋においては、当然玄関部分に数段或いは十数段ではあるが、外階段が設けられるようになる。高床型家屋においては、このように例え僅かな段数ではあるがこの外階段を毎日上り下りしなければならず、お年寄りや身障者等にとって大きな負担を強いることになる。高床型家屋においては、お年寄り等が家の出入りを行う都度、家人の誰かの付き添い介護を必要とさせる。お年寄り等にとっては、例えば庭の手入れや日常の適度な散歩或いは外出が健康管理上極めて大切であるとともに大きな楽しみでもあるが、家人に迷惑をかけるといったことでついつい遠慮して控えるようになり屋内に閉じこもりがちとなる。
また、高床型家屋においては、冬期において玄関階段に降り積もった雪が凍り付いて滑りやすくなり、健常者であってもしばしば滑って転倒事故を生じさせるといった問題がある。高床型家屋においては、このために玄関階段に融雪装置を敷設するといった対応も図られる。さらに、高床型家屋には、何らかの階段昇降装置を設置することが望まれているが、一般家庭用として適当な階段昇降装置は未だ提供されていない。かかる階段昇降装置には、屋内に設置して使用することも可能であり、操作性が簡便であり、簡易な方法によって設置されるとともにメンテナンが殆ど不要でありさらに廉価であるといった条件が必要である。
出願人は、こうした事情から、先に特許文献1に開示した高床型家屋の玄関階段に設置して好適なモノレール型の階段昇降装置を提供した。この階段昇降装置は、従来提供されている屋内用のモノレール階段昇降装置では設置が極めて困難である豪雪地帯等の屋外に設けられた玄関階段に設置して用いることが可能であり、お年寄り等が安全に玄関階段の上り下りができるようにする。
特開2002−356286号公報
ところで、玄関階段は、例えば玄関のデザイン、道路から玄関までの取付通路の状況、敷地面積等の条件に基づいて、蹴上げの高さや踏み面の幅或いは段数がそれぞれ設計されることによって傾斜角度が割り出される。また、玄関階段には、途中に踊り場を設けることによって、階段部と傾斜角度を異にする角度変更部も構成される。したがって、階段昇降装置は、レール部材が各家屋毎に玄関階段の構造に応じて制作されて設置されており、高価になってしまうとともに工期も延長してしまうといった問題があった。
また、階段昇降装置においては、一般にレール部材が、階上の踊り場のステップ端を基準にして階段の傾斜角度に合わせた傾斜角度を付されて設置される。階段昇降装置は、図9に示すようにレール部材100を途中に踊り場111が設けられた階段110に設置する場合に、レール部材100が、例えこの中間ば踊り場111を挟んで下段階段部側に設置される第1レール部材103と、上段階段部側に設置される第2レール部材104と、これら第1レール部材103と第2レール部材104とを連結して踊り場111に設置される第3レール部材105とから構成される。
階段昇降装置においては、レール部材100が、階段110の傾斜角度とほぼ等しい傾斜角度に設定された第1レール部材103及び第2レール部材104と、踊り場102を挟むステップ112a、112bの傾斜角度とほぼ等しい緩やかな傾斜角度に設定された第3レール部材105とからなる。階段昇降装置においては、傾斜角度とほぼ等しい傾斜角度に設定されてレール部材100に組み合わされた図示しない昇降ユニットがレール部材100に支持されて昇降移動するが、第3レール部材105を昇降移動する際に姿勢が変化して利用者に不安感を与えてしまうといった問題が生じる。
階段昇降装置においては、例えば昇降ユニットに姿勢変換機構を設けることによって、レール部材100の傾斜角度が変化する部位でも乗車部の姿勢が一定の状態に保持されるようにする対応が図られる。階段昇降装置においては、姿勢変換機構が、レール部材100の傾斜角度を検出するセンサや、このセンサの検出出力によってレール部材を転動する姿勢制御コロ等の支持機構を適宜の角度に変換する駆動機構等によって構成する。したがって、階段昇降装置においては、構造が複雑となり、高価となってしまうといった問題があった。
また、階段昇降装置においては、上述した姿勢変換機構の問題を解決するために、例えば図10に示すように階上の踊り場112のステップ端112aを基準にして一体のレール部材120を階段110に沿って設置して全長に亘って一定の傾斜角度とするような対応も図られる。しかしながら、かかる階段昇降装置においては、同図Aで示すようにレール部材120の下端部120aが階下の踊り場113から大きく出っ張ることから、玄関のデザイン、道路から玄関までの取付通路の状況、敷地面積等の条件によっては採用し得ない場合がある。また、階段昇降装置においては、レール部材120が途中箇所においてステップ面より高い位置となる箇所が生じ、利用者に不安感を与えることがあった。
したがって、本発明は、高床型家屋の屋外の玄関階段等に好適に設置される階段昇降装置において、階段途中や階上の踊り場等のように階段部と傾斜角度を異にする角度変更部がある階段に好適に設置され、昇降ユニットやレール部材を構造簡易に構成してコストの低減と納期短縮とを図るとともに利用者に安心感を与える階段昇降装置を提供することを目的に提案されたものである。
上述した目的を達成する本発明にかかる階段昇降装置は、乗車部と台車部とを有する昇降ユニットと、この昇降ユニットを跨座状態に組み合わせて昇降移動させるレール部材とを備え、途中箇所で階段部に対して傾斜角度を異にする角度変更部が設けられた階段に設置される。階段昇降装置は、昇降ユニットが、昇降ユニットが、階段の傾斜角度に合わせてレール部材に跨座状態に組み合わされて昇降移動する台車部と、この台車部に対して水平姿勢に調整して組み合わされる乗車部とから構成される。
階段昇降装置は、昇降ユニットの台車部に、モータと、このモータによって回転駆動される駆動歯車と、レール部材のレール面上を転動する第1姿勢制御コロと第2姿勢制御コロと、レール部材の側面を挟み込んで転動する複数個のガイドコロが搭載される。階段昇降装置は、台車部に、第1姿勢制御コロと第2姿勢制御コロとが昇降方向に離間するとともに階段の傾斜角度に応じた角度差が付されて配置され、上方側の第2姿勢制御コロが軸方向に隣り合って設けられた第1コロ部と第2コロ部とから構成さる。
階段昇降装置は、レール部材が、第1主レール部材乃至第3主レール部材と、第1調整レール部材及び第2調整レール部材とから構成される。第1主レール部材は、第1ラックと第1主レール面とが形成され、階段の傾斜角度に合わせて角度変更部の下段側の階段に設置される。第2主レール部材は、第2ラックと第2主レール面とが形成され、階段の傾斜角度に合わせて角度変更部の上段側の階段に設置される。第3主レール部材は、第3ラックと第3主レール面とが形成され、角度変更部に対応する位置において、第3ラックと第3主レール面の下端部と第1ラックと第1主レール面の上端部とがそれぞれ連続するようにして第1主レール部材と接続され、第3ラックと第3主レール面の上端部と第2ラックと第2主レール面の下端部とがそれぞれ連続するようにして第2主レール部材と接続される。第1調整レール部材は、第1主レール部材の第1主レール面と同一角度の第1調整レール面を有し、角度変更部と対応する位置において、下端部が第1主レール面に隣り合わされるようにして位置されて第3主レール部材の側面に組み合わされる。第2調整レール部材は、下端部が第1調整レール面と連続されるとともに上端部が角度変更部を超えた上方位置で第2主レール部材の第2主レール面に隣り合わされるように位置されかつ第3主レール面の上方に位置して平行に延在する第2調整レール面を有し、角度変更部に対応して第3主レール部材の側面に組み合わされる。
以上のように構成された本発明にかかる階段昇降装置においては、昇降ユニットが、駆動歯車と第1ラック又は第2ラックとが噛み合うとともに第1姿勢制御コロと第2姿勢制御コロの第1コロ部とが第1主レール部材又は第2主レール部材の第1主レール面又は第2主レール面上を転動し、各ガイドコロが第1主レール部材や第2主レール部材の側面を転動して昇降移動する。階段昇降装置においては、昇降ユニットが角度変更部まで到達すると、駆動歯車が第1主レール部材又は第2主レール部材の第1ラック又は第2ラックから連続して第3主レール部材の第3ラックと噛み合って回転するとともに、第1姿勢制御コロも第1主レール部材又は第2主レール部材の第1主レール面又は第2主レール面から連続して第3主レール部材の第3主レール面上を転動する。
階段昇降装置においては、第1姿勢制御コロと第2姿勢制御コロとの角度差により階段部を昇降移動する際に乗車部が水平状態に保持されるようにしてレール部材に対する傾斜角度が設定されて台車部が組み合わされている。階段昇降装置においては、昇降ユニットが階段途中の踊り場等の傾斜角度が変化する角度変更部まで達すると、第2姿勢制御コロ側において第2コロ部が第1調整レール部材の第1調整レール面又は第2調整レール部材の第2調整レール面上に乗り上がって転動する。したがって、階段昇降装置においては、階段部と角度変更部とに傾斜角度を異にして設置されたレール部材の傾斜角度差による台車部の傾きが補正されるようになり、乗車部が角度変更部においても水平姿勢を保持されて昇降移動する。
また、上述した目的を達成する本発明にかかる階段昇降装置は、乗車部を支持する台車部にモータとこのモータによって回転駆動される駆動歯車や複数個の姿勢制御コロ或いはガイドコロを搭載した昇降ユニットが、駆動歯車が噛み合うラックと姿勢制御コロが転動するレール面とが設けられて階段上に全域に亘って設置されるレール部材に対して、乗車部を水平姿勢に調整して組み合わせた台車部を階段の傾斜角度に合わせて跨座状態で組み合わされて昇降移動される。階段昇降装置は、昇降ユニットの台車部に、モータと、このモータによって回転駆動される駆動歯車と、レール部材のレール面上を転動する第1姿勢制御コロと第2姿勢制御コロと、レール部材の側面を挟み込んで転動する複数個のガイドコロが搭載される。階段昇降装置は、台車部に、第1姿勢制御コロと第2姿勢制御コロとが昇降方向に離間するとともに階段の傾斜角度に応じた角度差が付されて配置され、上方側の第2姿勢制御コロが軸方向に隣り合って設けられた第1コロ部と第2コロ部とから構成さる。
階段昇降装置は、第1ラックと第1主レール面とが形成され階段の傾斜角度に合わされるとともに上端部が階上踊り場のステップ面よりも上方に位置するようにして階段に設置される第1主レール部材と、この第1主レール部材に対して第2ラックを前記第1ラックに連続させるとともに第2主レール面を第1主レール面に連続させて階上踊り場に設置される第2主レール部材とを備える。階段昇降装置は、第1主レール部材の第1主レール面と同一角度の第1調整レール面を有し下端部が階上踊り場と対応する位置で第1主レール面に隣り合わされるようにして位置されて第2主レール部材の側面に組み合わされる第1調整レール部材と、下端部が第1調整レール面と連続されるとともに第2主レール部材の第2主レール面の上方に位置して平行に延在する第2調整レール面を有して階上踊り場に対応して第2主レール部材の側面に組み合わされる第2調整レール部材とを備える。
以上のように構成された本発明にかかる階段昇降装置においては、昇降ユニットが、駆動歯車と第1ラック又は第2ラックとが噛み合うとともに第1姿勢制御コロと第2姿勢制御コロの第1コロ部とが第1主レール部材第1主レール面上を転動し、各ガイドコロが第1主レール部材の側面を転動して昇降移動する。階段昇降装置においては、昇降ユニットが階上踊り場まで到達すると、駆動歯車が第1主レール部材の第1ラックから連続して第2主レール部材の第2ラックと噛み合って回転するとともに、第1姿勢制御コロも第1主レール部材の第1主レール面から連続して第2主レール部材の第2主レール面上を転動する。
階段昇降装置においては、第1姿勢制御コロと第2姿勢制御コロとの角度差により階段部を昇降移動する際に乗車部が水平状態に保持されるようにしてレール部材に対する傾斜角度が設定されて台車部が組み合わされている。階段昇降装置においては、階上踊り場において第1主レール部材と傾斜角度を異にしてステップ上へと導く第2主レール部材を設けたが、昇降ユニットが階上踊り場まで達すると、第2姿勢制御コロ側において第2コロ部が第1調整レール部材の第1調整レール面から第2調整レール部材の第2調整レール面上に乗り上がって転動する。したがって、階段昇降装置においては、階段部と階上踊り場でのレール部材の傾斜角度の差異による台車部の傾きが補正され、階上踊り場まで乗り上がる昇降ユニットが、乗車部を水平姿勢に保持する。
以上のように構成された本発明にかかる階段昇降装置によれば、階段の途中に設けられた踊り場を挟んで傾斜角度に合わせて第1主レール部材と第2主レール部材とをそれぞれ設置したことから、階段下における第2主レール部材の前方への出張り量を抑制して玄関先の設置スペースが低減されるようになる。階段昇降装置によれば、踊り場において緩やかな傾斜角度で設置された第3主レール部材に沿って移動する昇降ユニットが、階上側に配置された第2姿勢制御コロ側において第2コロ部が調整レール面に乗り上げて転動することによって起き上がった姿勢となり、水平状態を保持して昇降移動する。
したがって、階段昇降装置によれば,昇降ユニットに角度変更部において乗車部を水平状態に変換する姿勢変換機構を設けることを不要として構造の簡易化とコストの抑制が図られるようにし、階段の全域に亘って乗車部を水平状態に保持して昇降移動することで利用者に不安感や違和感を生じさせること無く安心して利用することができるようにする。また、階段昇降装置によれば、第1調整レール部材や第2調整レール部材が主レール部材に用いられる基本形状のレール部材を適宜に切り分けて組み合わせて構成することから、従来のように個々の家屋の階段に応じてレール部材を製作する必要は無く、コスト低減と納期短縮化が図られるようにする。
また、以上のように構成された本発明にかかる階段昇降装置によれば、階上の踊り場において階段の傾斜角度に合わせて設置した第1主レール部材に連続して緩やかな傾斜角度の第1調整レール部材及び第2調整レール部材が結合されて、昇降ユニットが乗車部の水平姿勢を保持した状態のままで階上踊り場まで乗り入れる。階段昇降装置によれば、利用者が階上踊り場で乗車部に乗降するようにしたことから、不安感を与えさせずに利用することを可能とする。階段昇降装置によれば、階上踊り場で乗車部の姿勢を変換する姿勢変換機構を設けることを不要として、昇降ユニットの簡易化とコスト低減を図る。また、階段昇降装置によれば、第1調整レール部材や第2調整レール部材が基本形状のレール部材を適宜に切り分けて組み合わせて構成することから、従来のように個々の家屋の階段に応じてレール部材を製作する必要は無く、コスト低減と納期短縮化が図られるようにする。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。実施の形態として示す階段昇降装置1は、図1に示すように高床型家屋の玄関階段2に設置される。玄関階段2は、ある程度段数が多くなる場合に、一般に階上踊り場2Aと階下踊り場2Bの途中に所定の奥行きを有する中間踊り場2Cが設けられる。玄関階段2は、中間踊り場2Cを挟んで上部階段部2Dと下部階段部2Eとに区分することによって、勾配を小さくして老人や子供或いは身体障害者等であって安全に昇降できるように構成される。
階段昇降装置1は、昇降ユニット3と、玄関階段2に設置されるレール部材4と、例えば玄関階段2の階上踊り場2Aに設置される上部ゲート5及び階下踊り場2Bに設置される下部ゲート6等を備える。階段昇降装置1は、玄関階段2の中間踊り場2Cや上部階段部2D或いは下部階段部2Eのステップ上に適宜の間隔を隔てて取付ブラケット部材7が固定され、これら取付ブラケット部材7を介して玄関階段2の全域に亘って詳細を後述するレール部材4が設置される。
階段昇降装置1は、詳細を後述するようにレール部材4に対して外装フレーム8と、台車部9と、乗車部10とから構成される昇降ユニット3が跨座状態で組み合わされて、玄関階段2に沿って昇降移動する。階段昇降装置1は、詳細を後述するように昇降ユニット3が、玄関階段2の傾斜角度に合わせて設置されたレール部材4に対して台車部9をその角度に合わせて傾けた状態で組み合わせるとともに乗車部10が水平状態を保持されるように設定されて組み合わされる。階段昇降装置1は、昇降ユニット3が中間踊り場2Cを通過する際にも、後述する台車部9の構成によって乗車部10の水平状態が保持されて昇降動作が行われる。
階段昇降装置1は、特に豪雪地域において積雪対策として多く建築される高床型家屋の玄関階段2に好適に設置され、もっぱらパーソナルユース用としてお年寄りや身障者等の階段昇降用として利用されるが、かかる適用例に限定されるものでは無いことは勿論である。階段昇降装置1は、後述する構成から明らかなように例えば屋内の階段にも設置することが可能であり、また例えばあまり重量が大きくない荷物等の運搬用としても利用が可能である。
階段昇降装置1は、詳細を省略するが昇降ユニット3や上部ゲート5或いは下部ゲート6に起動用の操作ボタンが設けられており、この操作ボタンを操作することによって昇降ユニット3が昇降動作される。階段昇降装置1は、昇降ユニット3に設けられた操作ボタンを操作している間、昇降ユニット3の昇降動作が行われる。階段昇降装置1は、昇降ユニット3が所定位置まで昇降移動すると、検出センサの検出動作が行われて自動的に停止する。階段昇降装置1は、上部ゲート5や下部ゲート6に設けた停止用操作ボタンを操作したり、昇降ユニット3の操作ボタンを離すことにより昇降ユニット3が停止する。階段昇降装置1は、利用者が階上踊り場2Aと階下踊り場2Bにおいて昇降ユニット3に乗降することを基本の使用態様とするが、昇降ユニット3が停止用操作ボタンを操作され或いは異常事態を検出して玄関階段2の途中で停止した適宜の場所からでも乗降することが可能である。
昇降ユニット3は、図2及び図3に示すように外装フレーム8内に駆動機構等を内蔵した台車部9が組み付けられるとともに、外装フレーム8に乗車部10が組み合わされて構成されている。昇降ユニット3は、詳細を後述するように外装フレーム8内において台車部9がレール部材4の傾斜角度に応じて取付角度を調整されて組み付けられ、乗車部10が地面と水平な状態に保持されてレール部材4に組み付けられる。昇降ユニット3は、利用者が乗車部10に腰掛けて利用することを基本の使用態様とするが、立った状態で利用することも可能である。
外装フレーム8は、充分な機械的強度と防錆特性を有するステンレス材等の金属板が用いられて底面部を開口した全体略箱状に形成されており、両側面の下方部位にレール部材4を引き出す開口部が形成されている。外装フレーム8は、例えばアルミダイキャスト等によって成形するようにしてもよい。外装フレーム8は、レール部材4に角度調整されて組み合わされた台車部9に対して上方から覆うようにして組み合わされた後に多数個のねじによって固定される。
台車部9は、図2及び図3に示すように、断面略下向きコ字状の金属製のフレーム体11を有し、このフレーム体11の内部に駆動モータ12と、この駆動モータ12によって回転駆動される駆動歯車13やレール部材4のレール面を転動する第1姿勢制御コロ14及び第2姿勢制御コロ15或いは複数個のガイドコロ16等を有する駆動ユニットが備えられている。台車部9は、詳細を後述するように玄関階段2に対してその傾斜に応じて所定の傾斜角度を付されて設置されたレール部材4に対して平行となるようにフレーム体11の角度が調整されて組み合わされる。台車部9は、上述したように外装フレーム8によって全体が覆われる。
駆動モータ12には、インバータを介して変換された電源が投入されて駆動される正逆回転型の駆動モータが用いられる。駆動モータ12は、モータ取付ブラケット12を介してフレーム体11に取り付けられている。駆動モータ12は、詳細を省略するが起動時及び停止時にその回転が緩やかとなるように制御部によって駆動制御が行われ、回転出力が図示しない歯車列を介して駆動歯車13に伝達される。
駆動歯車13は、台車部9が後述するレール部材4に組み合わされた状態で、レール部材4に取り付けたラック部材17の送り歯17aと噛合される。台車部9は、駆動モータ12が起動されると、駆動歯車13がラック部材17に沿って回転しながら移動することによってレール部材4に支持されて昇降移動する。台車部9は、昇降方向に沿ってフレーム体11に回転自在に配置した各ガイドコロ16がレール部材4の側面を挟み込んで回転することにより、荷重の分散が図られるとともにブレの無い状態で昇降動作する。
台車部9には、フレーム体11に、第1姿勢制御コロ14が階下側に配置されるとともに第2姿勢制御コロ15が階上側に配置されて昇降方向に離間して搭載されている。台車部9は、フレーム体11に対して第1姿勢制御コロ14と第2姿勢制御コロ15とを玄関階段2の傾斜角度に合わせた角度差を以って取り付けることによって、図1に点線で示すように玄関階段2に対してその傾斜角度に合わせて傾斜した状態で組み合わされる。第1姿勢制御コロ14と第2姿勢制御コロ15とは、昇降ユニット3がレール部材4に沿って昇降移動する際に、玄関階段2の傾斜角度に合わせて設置されたレール部材4のレール面4a上を転動する。
台車部9は、レール部材4に対するフレーム11の取付姿勢に応じて第1姿勢制御コロ14と第2姿勢制御コロ15との固定位置が適宜設定される。台車部9は、例えば第1姿勢制御コロ14を基準として第2姿勢制御コロ15が円弧状の溝に沿って調整移動されるようにして所定の角度差を付すように構成してもよい。
第1姿勢制御コロ14と第2姿勢制御コロ15及びガイドコロ16は、耐摩耗性や機械的剛性が大きく、軽量な例えばウレタン系樹脂やポリオキシメチレン(POM)系樹脂材或いはポリアミド系樹脂材等の合成樹脂材によってそれぞれ成形されている。勿論、これら部材は、合成樹脂製に限定されるものではないが、軽量化、耐久性、防錆性、コスト等からかかる材料によって形成したものを用いることが好ましい。
台車部9には、図2及び図3に示すように、フレーム体11の階下側の上方部に位置して前面部11aと背面部11bとの間にレール部材4を跨ぐようにして第1支軸18が支架され、この第1支軸18に第1姿勢制御コロ14が回転自在に軸装される。第1姿勢制御コロ14には、その外周面に、レール部材4のレール面4a上に全長に亘って突出形成された外れ止めガイドリブ19と相対係合するガイド凹部20が全周に亘って形成されている。第1姿勢制御コロ14は、外れ止めガイドリブ19にガイド凹部20が相対係合して転動することによって、台車部9を安定した状態で昇降移動させる。
台車部9には、図6及び図7に示すように、フレーム体11の階上側の上方部に位置して前面部11aと背面部11bとの間にレール部材4を跨ぐようにして第2支軸21が支架され、この第2支軸21に第2姿勢制御コロ15が回転自在に軸装される。なお、第2支軸21は、第1姿勢制御コロ14側の第1支軸18に対して角度差を付けられてフレーム体11に支持される。
第2姿勢制御コロ15は、図6及び図7に示すようにレール部材4のレール面4aの幅とほぼ同等の厚みを有しており、その外周面に、第1ガイド凹部22と第2ガイド凹部23とが互いに軸方向に隣り合って全周に亘って形成されている。第1ガイド凹部22と第2ガイド凹部23も、第1姿勢制御コロ14側のガイド凹部20と同等の溝幅と深さとを有しており、レール部材4の外れ止めガイドリブ19と相対係合する。
第2姿勢制御コロ15は、外側(図6において右側)の第1ガイド凹部22が、第1姿勢制御コロ14のガイド凹部20と同一軸線上に位置するようにして形成されている。第2姿勢制御コロ15は、台車部9が玄関階段2の上部階段2Dや下部階段2Eを昇降動作する際には、ガイド凹部20の上方側において第1ガイド凹部22がレール部材4の外れ止めガイドリブ19と相対係合して安定した状態でレール面4aを転動する。第2姿勢制御コロ15は、詳細を後述する台車部9が玄関階段2の中間踊り場2Cを走行する際には外れ止めガイドリブ19に対して内側の第2ガイド凹部23が相対係合してレール面4aを転動する。
なお、第2姿勢制御コロ15は、やや大きな厚みを有して外周部に第1ガイド凹部22と第2ガイド凹部23とを形成したが、かかる構造に限定されるものでは無い。第2姿勢制御コロ15は、例えば上述した第1姿勢制御コロ14と同等に形成された2個のコロを用い、これらコロを隣り合って一体化して第2支軸21に回転自在に軸装するように構成してもよい。
各ガイドコロ16は、図2に示すようにフレーム体11にレール部材4と平行してそれぞれ形成された取付部16aに回転自在に支持されている。各ガイドコロ16は、台車部9がレール部材4に組み合わされた状態において、それぞれがレール部材4に対してその背面側で昇降方向に対して適宜に配置されて設けられている。各ガイドコロ16は、同図に示すように、レール部材4の側面に押し付けられて配置されるものや、レール部材4のレール面4aの側縁に係合されるものある。各ガイドコロ16は、台車部9が昇降移動する際にレール部材4の側面を回転し、この台車部9の振れを抑制して安定した状態で移動するように支持する。
乗車部10は、外装フレーム8上に設置した座椅子24と、外装フレーム8に支持したステップ体25や把手部材26或いはハンドル部材27A、27B等を備えている。ステップ体25は、図1及び図2に示すように、外装フレーム8の前面の下方部に位置してヒンジ機構28によって片持ち状態で回動自在に支持されている。ステップ体25は、ヒンジ機構28に組み込まれたトーションスプリングによって外装フレーム8側に畳まれる方向に付勢され、未使用状態において図2において鎖線で示す状態にある。
乗車部10は、上述したようにステップ体25を展開操作し、この状態で利用者がステップ体25上に足をかけて搭乗する。乗車部10は、利用者が座椅子24に腰掛けた状態で昇降ユニット3を昇降移動させることを基本とするが、ステップ体25に立ったままで把手部材26或いはハンドル部材27A、27Bを把持して使用することも可能とする。乗車部10は、お年寄り等の安全を確保するために、図1に示すように座椅子24にシートベルト24aが設けられている。
ステップ体25は、把手部材26を手前側に倒すことによって詳細を省略するリンク機構29を介して図2において実線で示すように外装フレーム8に対して直交した状態に展開される。ステップ体25は、折り畳んだ状態から展開操作されると、中間点を超えた時点でトーションスプリングの弾性力が展開状態を保持する方向に切り替わり、ヒンジ機構に設けた図示しないストッパにより展開状態を保持される。
ハンドル部材27A、27Bは、外装フレーム8に設けた支軸に左右に離間して支持されており、未使用時には邪魔にならないように座椅子24の背面側へと位置されるとともに、使用時には手前側へと回転操作される。ハンドル部材27A、27Bには、詳細を省略するが先端部位に上昇、下降用の手元スイッチや異常事態の報知灯を配置した操作部が設けられている。ハンドル部材27A、27Bは、利用者が昇降ユニット3に乗降する際或いは搭乗中に手持ちされて支え機能を奏するとともに、搭乗中で昇降ユニット3を昇降動作或いは停止させるための操作部を構成する。
昇降ユニット3は、上述したハンドル部材27A、27Bを備えることによって、前向きや後ろ向きの搭乗姿勢、右利きや左利き、荷物の有無等の状況にかかわらず必要なスイッチ操作が行われることで操作性の向上が図られている。昇降ユニット3は、利用者によって上部ゲート5又は下部ゲート6に設けた呼出しスイッチが操作されることにより、階上踊り場2A又は階下踊り場2Bへと移動する。昇降ユニット3は、利用者が搭乗してハンドル部材27A、27Bに設けた手元スイッチを操作し、例えば上昇或いは下降の操作スイッチを押圧している間、駆動モータ12に電源が投入されて昇降移動が行われる。昇降ユニット3は、手元スイッチを離すことによって停止することで安全性や利便性の向上が図られる。なお、昇降ユニット3は、上部ゲート5又は下部ゲート6に設けた上昇或いは下降の操作スイッチを操作することによっても昇降移動が行われる。
昇降ユニット3には、図1に示すように外装フレーム8の前面部に複数個のLEDを内蔵した表示部30が設けられている。表示部30は、ステップ体25が展開操作されることによりLEDが点灯して足下部分を照明することによって、夜間時等においても安全に利用されるようにする。表示部30は、例えば異常状態が生じた際に例えばLEDが点滅することによって、事態発生を表示する。
昇降ユニット3は、玄関階段2に設置されたレール部材4に対して、台車部9が図3乃至図5に示すようにその上方から落とし込まれて跨座状態で組み合わされる。昇降ユニット3は、レール部材4のレール面4aに対して、台車部9に設けた第1姿勢制御コロ14が下方側に位置されるとともに第2姿勢制御コロ15が上方側に位置される。昇降ユニット3は、上述したように第1姿勢制御コロ14と第2姿勢制御コロ15とがフレーム体11に対して玄関階段2の傾斜角度に合わせた角度差を付されて取り付けられていることによって、台車部9が玄関階段2の傾斜角度に合わせて傾斜した状態とされる。
昇降ユニット3は、駆動歯車13がレール部材4に組み付けられたラック部材17の送り歯17aと噛み合わされる。昇降ユニット3は、各ガイドコロ16がレール部材4に対して適宜の位置において側面に突き当てられることによって、レール部材4に安定した状態で組み合わされる。
レール部材4は、例えばアルミ材やアルミ合金材等の比較的軽量で加工性がよくかつ充分機械的強度を有する軽量金属材を素材とし、例えば引抜き加工や押出し加工等を施して一体形成される。レール部材4は、階段昇降装置1が例えば公共施設等に設置されて使用頻度が極めて高くより大きな機械的強度を必要とする場合には例えばステンレス材によって形成され、また例えばもっぱら屋内において使用されることで格別の防錆対策を不要とする場合には鋼材によって形成したものを用いてもよい。
レール部材4は、所定の長さを有する標準部材として提供され、現場対応によって適宜の長さに切断されて設置される。レール部材4は、設置距離が基準長よりも長い場合に、適当な長さとされた複数本がジョイント部材31によって長さ方向に連結される。ジョイント部材31は、連結される2本のレール部材4を突き合わせた状態で例えば上下の両側面に組み付けられてねじ止めされる。
レール部材4は、図4に示すようにやや幅広とされた基台部32と、この基台部32から垂直に一体に立設され上端部を外れ止めガイドリブ19を形成したレール面4aとするレール部33とから構成される。レール部材4には、充分な機械的強度が保持される範囲で軽量化やコストの低減を図るために、基台部32やレール部33の内部を適宜区割りする多数個の空間部34a〜34dが長さ方向の全域に亘って形成されている。レール部材4は、基台部32の両側面部に長さ方向の適宜の位置に内部にナット35aを回り止めした状態で収納した取付凹部35が形成されている。レール部材4は、玄関階段2に固定した取付ブラケット部材7に対して取付凹部35内のナット35aに止めねじ36をねじ込むことによって固定される。
取付ブラケット部材7は、鋼材やステンレス材によって形成され、アンカーボルト7aによって玄関階段2のステップ上に固定される。取付ブラケット部材7には、レール部材4の基台部32の幅とほぼ等しい対向間隔を以って一対の取付部材37A、37Bが立設されている。取付部材37A、37Bには、軸線を一致されて取付孔が形成されており、対向空間部内にレール部材4の基台部32が取付孔に取付凹部35を対向させて嵌合される。取付ブラケット部材7は、取付部材37A、37B間に嵌合されたレール部材4が玄関階段2の傾斜に合わせて傾斜角度を調整された状態で、取付部材37A、37Bの取付孔を介して止めねじ36が取付凹部35内のナット35aにねじ込まれることによって、レール部材4を玄関階段2の傾斜に合わせて固定する。
レール部材4は、レール部33内の第2空間部34bが電源ケーブル38を全長に亘って挿通するガイド空間部として構成する。レール部材4には、レール部33の上部側面にも、上部ゲート5で折り返されて昇降ユニット3と接続される電源ケーブル38の接続端部38aが導通されるガイド空間部34eが形成されている。レール部材4は、寒冷地仕様として、例えば他の空間部34c、34d内に帯状の発熱体39を着脱自在に組み込むようにして凍結を防止する加温空間部として構成するようにしてもよい。
電源ケーブル38は、レール部材4の内部に設けたケーブルガイド機構40によって昇降ユニット3の昇降動作に伴う長さ合わせの動作が行われることにより、弛みが生じないようにされる。ケーブルガイド機構40は、詳細を省略するが図1に示すように接続端部38aを昇降ユニット3と接続された電源ケーブル38を上部ゲート5内において折り返すプーリ41と、折り返された電源ケーブル38が掛け合わされるプーリ42aを搭載したケーブルガイド部材42等によって構成される。電源ケーブル38は、ケーブルガイド部材42のプーリ42aによって折り返されて上部ゲート5に固定されるとともに、家庭用電源と接続される。
ケーブルガイド機構40は、ケーブルガイド部材42が第2空間部34b内において昇降ユニット3と逆方向に昇降動作することによって、一定長さの電源ケーブル38の長さ調整を行う。ケーブルガイド部材42は、詳細を省略するがレール部材4の第2空間部34b内を円滑にスライド動作するようにして組み付けられている。ケーブルガイド部材42は、昇降ユニット3が上昇移動を行うと自重により下方へとスライド移動し、昇降ユニット3と上部ゲート5との間から電源ケーブル38をたぐり寄せて弛みを無くすようにする。ケーブルガイド部材42は、昇降ユニット3が下降移動を行うと電源ケーブル38によって引っ張られて上方へとスライド移動し、上部ゲート5との間において電源ケーブル38の弛みを無くすようにする。ケーブルガイド部材42は、このようにレール部材4の内部において動滑車動作を行うことにより昇降ユニット3の昇降動作に伴う電源ケーブル38の長さ調整を行う。なお、電源ケーブル38は、昇降ユニット3に対して電源を供給するとともに、昇降ユニット3に搭載された図示しない適宜の安全スイッチ等の信号線も構成する。
レール部材4は、上述したようにレール部33の上端面をレール面4aとして構成し、平坦かつ平滑面に形成するとともに幅方向の略中央部に位置して外れ止めガイドリブ19を全長に亘って一体に突出形成してなる。レール部材4は、図4に示すようにレール部33の上端部にレール面4aから背面側に水平方向に突出される受け板部43が全長に亘って一体に形成されている。受け板部43は、レール面4aとほぼ同等の幅を有しており、レール部33から庇状に突出されることによってその下方部に上述したガイド空間部34eを構成する。
レール部材4には、受け板部43の下方に位置するレール部33の側面に、長さ方向に対して適宜の間隔を以って多数個のラック取付部44が一体に形成されている。各ラック取付部44は、背面側に開口するナット収納孔44aを内部に設けた筒状凸部からなり、ナット収納孔44a内に回り止めされた状態でナット44bが収納されている。
レール部材4には、上述した各ラック取付部44を介して、レール部33の側面にラック部材17が取り付けられる。ラック部材17も、例えばアルミ材やアルミ合金材等の比較的軽量で加工性がよくかつ充分機械的強度を有する軽量金属材によって形成された全体長尺の板状部材からなる。ラック部材17には、幅方向の一方側縁部に、全長に亘って送り歯17aが形成されている。ラック部材17は、各ラック取付部44上に側面をあてがうようにしてレール部33の側面に組み合わされ、ナット収納孔44aに対応して取付孔が適宜形成される。ラック部材17は、各取付孔に嵌挿した止めねじ45をナット収納孔44a内のナット35aにねじ込むことによって、レール部材4に固定される。
上部ゲート5は、詳細を省略するが階上踊り場2Aに設置される。上部ゲート5には、上述したように電源ケーブル38を折り返すプーリ41が設けられるとともに、電源制御部を構成して家庭用電源と接続されるコンセントやブレーカ或いは家庭用電源を所定の電源に変換する電源部等が設けられている。上部ゲート5には、昇降ユニット3を駆動或いは停止させる操作スイッチや、異常事態の発生を表示する表示部等が設けられている。上部ゲート5には、詳細を省略するが、レール部材4の上端部を所定の傾斜角度で固定する固定部材も設けられている。なお、下部ゲート6は、例えば玄関階段2の階下踊り場2Bに設置され、昇降ユニット3を駆動或いは停止させる操作スイッチや、異常事態の発生を表示する表示部等が設けられている。
ところで、玄関階段2には、上述したように途中箇所に中間踊り場2Cが設けられることにより、この中間踊り場2Cにおいて傾斜角度が変わる部位を有する。階段昇降装置1においては、昇降ユニット3が、上述したように第1ガイド凹部22と第2ガイド凹部23とが形成された第2姿勢制御コロ15を有する。階段昇降装置1においては、レール部材4が、図1に示すように、中間踊り場2Cを挟んだ下部階段2Eに位置して設置される第1主レール部材46と、上部階段2Dに位置して設置される第2主レール部材47と、中間踊り場2Cに対応位置して設置される第3主レール部材48と、この第3主レール部材48に組み合わされる第1調整レール部材49及び第2調整レール部材50とから構成する。階段昇降装置1においては、かかる構成によって、傾斜角度が変わる中間踊り場2Cにおいても、昇降ユニット3が乗車部10の水平姿勢を保持してレール部材4に支持されて昇降移動が行われるようになる。
第1主レール部材46乃至第3主レール部材48には、上述した構造のレール部材4がそのままの形態で用いられ、現場対応により適宜の長さに切断される。第1主レール部材46は、レール部材4を図1に示すように階下踊り場2Bと中間踊り場2Cとの間隔よりもやや短い長さに切り詰め、取付ブラケット部材7を介して下部階段2Eにその傾斜角度に合わせた傾斜角度を付して設置する。第2主レール部材47も、レール部材4を階上踊り場2Aと中間踊り場2Cとの間隔よりもやや長尺の長さに切り詰め、上端部を上部ゲート5に固定するとともに途中箇所を取付ブラケット部材7に固定して上部階段2Dにその傾斜角度に合わせた傾斜角度を付して設置する。
第3主レール部材48は、第1主レール部材46の上端と第2主レール部材47の下端部との間隔と等しい長さとし、下端縁を第1主レール部材46の上端縁と突き合わされる形状とするとともに上端縁を第2主レール部材47の下端縁と突き合わされる形状とするようにして基準のレール部材4を切断して形成する。第3主レール部材48は、下端縁を第1主レール部材46の上端縁と突き合わせるとともに上端縁を第2主レール部材47の下端縁と突き合わせて取付ブラケット部材7に組み合わせて固定する。したがって、第3主レール部材48は、中間踊り場2Cに対向位置して設置されることにより、第1主レール部材46や第2主レール部材47に対して緩やかな傾斜角度が付される。
第1主レール部材46乃至第3主レール部材48は、外れ止めガイドリブ19を有するそれぞれの第1レール面46a乃至第3レール面48aと、それぞれに取り付けたラック部材17とが互いに連続されて、一体のレール部材を構成して玄関階段2に設置される。第1主レール部材46乃至第3主レール部材48は、昇降ユニット3を支持して昇降移動させるが、その際に昇降ユニット3に設けた第1姿勢制御コロ14が第1レール面46a乃至第3レール面48a上を連続して転動するとともに駆動歯車13が各ラック部材17の送り歯17aと全長に亘って連続して噛み合いを保持されて回転する。第1主レール部材46乃至第3主レール部材48は、内部にケーブルガイド機構40が収納される第2空間部34bが全長に亘って連続して構成される。
第2調整レール部材50も、上述したレール部材4が用いられて第3主レール部材48とほぼ等しい長さに切断されるが、さらに図5に示すようにレール部33の第3空間部34cの位置で高さ方向に切断されてレール面4aを形成した上方部位が用いられる。第2調整レール部材50は、上方部位側が底面部を第2主レール部材4Bの傾斜角度に合わせて斜めに切断されるとともに、下端縁が垂直に切断されて形成される。第2調整レール部材50は、レール部材4を切断して形成したことから、上端部にレール面4aによる第2調整レール面50aが形成されるとともに、この第2調整レール面50aに突出されて第2外れ止めガイドリブ50bが形成された構造となっている。
第2調整レール部材50は、図5に示すように開放された底面部に1個又は複数個の取付部材51が組み合わされ、この取付部材51を介して第3主レール部材48上に固定される。取付部材51は、レール部材4と同一の金属材によって同図に示すように底面部51aと、第3空間部34cの幅とほぼ等間隔の立壁部51b、51cからなるチャンネル状の部材である。取付部材51には、適宜の位置に取付孔が形成されるとともに、これら取付孔に対向してそれぞれナット52が回り止めされて組み付けられている。取付部材51は、第2調整レール部材50の底面部を閉塞するようにして組み合わされるとともに、取付ねじ52aとナット52bとによって第2調整レール部材50と一体化される。
第2調整レール部材50は、第3主レール部材48の受け板部43上に取付部材51を重ねて載置した状態で、取付孔に対応して受け板部43に形成した取付孔から嵌挿した取付ねじ54をナット52にねじ込むことによって第3主レール部材48上に固定される。第2調整レール部材50は、中間踊り場2Cの対応領域において第3主レール部材48に固定されて設けられることにより、第3主レール部材48の第3レール面48aに対して上方かつ側方に位置して平行に延在する第2調整レール面50aを構成する。また、第2調整レール部材50は、上端部位が中間踊り場2Cを越えた位置において第2主レール部材47の側方に延在して、第2レール面47aと隣り合う第2調整レール面50aを構成する。
第1調整レール部材49も、上述したレール部材4が用いられ、そのレール面4aを形成した上方部位を、第1主レール部材46の上端部と第3主レール部材48の下端部及び第2調整レール部材50の下端部とで囲まれた二等辺三角形の空間部とほぼ等しい形状に合わせて切断して形成される。すなわち、第1調整レール部材49は、一辺が第1主レール部材46の上端部と第2調整レール部材50の下端部との間隔とほぼ等しくかつ第1主レール部材46の傾斜角度とほぼ等しい傾斜角度の第1調整レール面49aを有するとともにこの第1調整レール面49aと対向する底面部が第3主レール部材48のレール面48aとほぼ等しい傾斜を付されるようにしてレール部材4から切り分けられて形成される。第1調整レール部材49は、第2調整レール部材50と突き合わされる上端部が垂直とされることにより、上述した二等辺三角形を呈する。
第1調整レール部材49にも、第2調整レール部材50と同様に底面部に取付部材51が組み合わされ、この取付部材51を介して第3主レール部材48の受け板部43上に第2調整レール部材50と突き合わされて固定される。なお、第1調整レール部材49は、この固定構造を上述した第2調整レール部材50の固定構造と同様とすることから、詳細な説明を省略する。
第1調整レール部材49は、第3主レール部材48上に固定された状態において、第3主レール部材48の上方かつ側方に位置し、第1主レール部材46の第1レール面46aと同一角度でかつ第3レール面48aよりも大きな傾斜角度の第1調整レール面49aを構成する。また、第1調整レール部材49は、下端部位が第1主レール部材46の側方に延在して、第1レール面46aと隣り合う第1調整レール面49aを構成する。
階段昇降装置1は、以上のようにして玄関階段2に設置された第1主レール部材46乃至第3主レール部材48と第1調整レール部材49及び第2調整レール部材50とから構成されるレール部材4に対して、上述した昇降ユニット3が組み合わされる。階段昇降装置1においては、昇降ユニット3や上部ゲート5或いは下部ゲート6にそれぞれ設けた各手元ボタンを押圧操作することによって昇降ユニット3の昇降動作が行われる。
階段昇降装置1は、例えば昇降ユニット3が玄関階段2の階上踊り場2Aや途中で停止しており利用者が階下踊り場2Bから利用とする場合に、下部ゲート6に設けた操作ボタンが押圧操作される。階段昇降装置1は、昇降ユニット3が下限位置に到達するまで操作ボタンが押し続けられ、この間昇降ユニット3や上部ゲート5或いは下部ゲート6の表示器によって動作状態が表示される。階段昇降装置1においては、所定の位置まで昇降ユニット3を移動させた後に、ハンドル部材27A、27Bを手前側に回転操作することにより、外装フレーム8から畳まれた状態のステップ体25が展開動作する。
階段昇降装置1においては、利用者がステップ体25上に足を乗せて昇降ユニット3に搭乗する。階段昇降装置1においては、利用者が、ハンドル部材27A、27Bに設けた手元スイッチを押し続けることによって昇降ユニット3の昇降動作が開始される。なお、階段昇降装置1は、例えば利用者が1人で操作することが困難な場合には、シートベルト24aにより座椅子24に固定した後に、介添者が上部ゲート5や下部ゲート6の操作スイッチを押し続けることによって昇降ユニット3を昇降動作させることも可能である。
階段昇降装置1においては、昇降ユニット3の駆動モータ12に電源が投入されて駆動歯車13が回転駆動されてラック部材17の送り歯17aと噛み合いながら移動することで、昇降ユニット3がレール部材4に支持されて下部階段2Eを昇降移動する。階段昇降装置1においては、昇降ユニット3が例えば階下踊り場2B側から階上踊り場2Aに向かって下部階段2Eを上昇移動する場合に、図6に示すように第1主レール部材46に取り付けたラック部材17の送り歯17aに駆動歯車13が噛み合って回転するとともに第1主レール面46a上を昇降方向に離間して設けた第1姿勢制御コロ14と第2姿勢制御コロ15とが転動する。なお、同図では、第1姿勢制御コロ14が点線で図示されている。
階段昇降装置1においては、第1姿勢制御コロ14と第2姿勢制御コロ15とがそれぞれのガイド凹部20と第1ガイド凹部22とを第1主レール部材46の第1主レール面46a上形成した外れ止めガイドリブ19に相対係合させて転動する。階段昇降装置1においては、同図に図示しない各ガイドコロ16も第1主レール部材46の側面部上を転動することで、昇降ユニット3が安定した状態を保持されて上昇移動する。階段昇降装置1においては、第1姿勢制御コロ14と第2姿勢制御コロ15とに第1主レール部材46の傾斜角度に合わせた角度差を付して設けることにより、台車部9が第1主レール部材46に対して傾けられて組み合わされるとともに乗車部10が水平状態を保持される。したがって、階段昇降装置1においては、利用者に安心感を与えて昇降ユニット3が第1主レール部材46に沿って上昇移動を続ける。
階段昇降装置1においては、昇降ユニット3の上方部位が中間踊り場2Cに達して第3主レール部材48を通過する際にも、乗車部10の水平状態が保持される。階段昇降装置1においては、昇降ユニット3に設けられてレール部材4に対して先行する第2姿勢制御コロ15が、第1ガイド凹部22に隣り合って第2ガイド凹部23を一体に形成した構造となっている。階段昇降装置1においては、中間踊り場2Cの対応位置において、第1主レール部材46の第1主レール面46aの側方位置に第3主レール部材48に取り付けた第1調整レール部材49の第1調整レール面49aが延在している。
したがって、階段昇降装置1においては、昇降ユニット3の上方部位が中間踊り場2Cに達すると、第2姿勢制御コロ15が第1ガイド凹部22と第1主レール部材46の外れ止めガイドリブ19とが相対係合した状態から、第1主レール部材46と連続する第3主レール部材48側の外れ止めガイドリブ19と係合することなく第2ガイド凹部23と第1調整レール部材49側の外れ止めガイドリブ49bとの係合状態に切り替わりが行われて、図7に示すように第1調整レール部材49の第1調整レール面49aを転動するようになる。階段昇降装置1においては、第2姿勢制御コロ15が第1調整レール部材49の第1調整レール面49aに乗り変わって転動することにより、第3主レール部材48の傾斜角度にかかわらず昇降ユニット3が次第に上方部位を起き上がる状態を呈する。
なお、階段昇降装置1においては、同図に示すように第1姿勢制御コロ14がガイド凹部20と第1主レール部材46の外れ止めガイドリブ19とが相対係合した状態を保持して第1主レール部材46上を転動する。階段昇降装置1においては、第1姿勢制御コロ14が第1主レール部材46の第一主レール面46aから第3主レール部材48の第3主レール面46aへと乗り変わると、第2姿勢制御コロ15も第1調整レール部材49の第1調整レール面49aから第2調整レール部材50の第2調整レール面50aへと乗り変わる。階段昇降装置1においては、昇降ユニット3が、第1主レール部材46と第3主レール部材48との角度差を第2姿勢制御コロ15が第2調整レール部材50の第2調整レール面50aを転動することによって補正され、乗車部9の水平状態を保持されて中間踊り場2Cを移動する。
階段昇降装置1においては、昇降ユニット3の上方部位が中間踊り場2Cを通過して上部階段2Dに達すると、第2姿勢制御コロ15が第1ガイド凹部22を第2主レール部材47の第2主レール面47aに形成した外れ止めガイドリブ19と係合して転動する。階段昇降装置1においては、昇降ユニット3が上方部位の起き上がり状態を次第に解消されるようになる。階段昇降装置1においては、昇降ユニット3が中間踊り場2Cを通過し終わると、第1姿勢制御コロ14も第3主レール部材48の第3主レール面48aから第2主レール部材47の第2主レール面47aへと乗り変わる。階段昇降装置1においては、昇降ユニット3が初期状態に復帰し、第3主レール部材48に支持されて上部階段2Dを階上踊り場2Aに向かって移動する。
一方、階段昇降装置1においては、昇降ユニット3が中間踊り場2Cを走行する際に、下方側の第1姿勢制御コロ14が全域に亘って図6に示した状態を保持されてレール部材4のレール面4a上を移動する。すなわち、階段昇降装置1においては、第1姿勢制御コロ14が、第1主レール部材46の外れ止めガイドリブ19と係合していた第1ガイド凹部22が引き続いて第1主レール部材46と連続する第3主レール部材48側の外れ止めガイドリブ19と係合することにより、第3主レール部材48の第3主レール面48aを転動する。階段昇降装置1においては、駆動歯車13が第1主レール部材46に取り付けたラック部材17のラックから第3主レール部材48に取り付けたラック部材17の送り歯17aに噛み合って回転する。階段昇降装置1においては、傾斜の緩やかな第3主レール部材48を走行する場合にも、昇降ユニット3が次第に上方部位を起き上がる状態を呈することで第1主レール部材46を移動する状態が保持される。
階段昇降装置1においては、同様にして昇降ユニット3が上部階段2Dまで達すると、第1姿勢制御コロ14が、第3主レール部材48の外れ止めガイドリブ19と係合していた第1ガイド凹部22が引き続いて第3主レール部材48と連続する第2主レール部材47側の外れ止めガイドリブ19と係合することにより、第2主レール部材47の第2主レール面47aを転動する。階段昇降装置1においては、駆動歯車13が第3主レール部材48に取り付けたラック部材17のラックから第3主レール部材48に取り付けたラック部材17の送り歯17aに噛み合って回転する。
階段昇降装置1においては、昇降ユニット3が階上踊り場2Aに達すると、図示しないセンサが動作して電源回路を開放して駆動モータ12への電源供給を切断する。階段昇降装置1においては、利用者が乗車部から降りたことをセンサが検知すると、所定時間経過後に各部のリセット操作が行われてスタンバイ状態となる。なお、階段昇降装置1においては、展開状態のステップ体25が元に戻され、玄関階段2を歩行で昇降する利用者の邪魔にならないようにする。なお、階段昇降装置1においては、階上踊り場2Aから階下踊り場2Bへの下降移動が、上述した上昇移動と逆の動作によって行われる。
階段昇降装置1においては、図1に示すように第2主レール部材47が階上踊り場2Aに突き出すようにして設置される。したがって、階段昇降装置1においては、昇降ユニット3が階上踊り場2Aにおいてステップ面2aからやや高い位置で停止することになり、利用者が乗り降りする場合に不安感を与えたり、介添えが必要となる。
図8に第2の実施の形態として示した階段昇降装置60においては、図8に示すように階上踊り場2Aにおいても、上述した第1主レール部材46乃至第3主レール部材48と同様に構成した第4主レール部材61と、第1調整レール部材49及び第2調整レール部材50と同様に構成した第3調整レール部材62と第4調整レール部材63とを設置することによって、乗車部10とステップ面2aとの高さを低くして昇降ユニット3を階上踊り場2Aまで乗り上げさせることも可能となる。なお、階段昇降装置60は、基本的な構成を上述した階段昇降装置1と同様とすることから、対応する部材や部位に同一符号を付すことにより、それらの説明を省略する。
階段昇降装置60においては、図8に示すように第2主レール部材47がその上端部を階上踊り場2Aのステップ面2aよりもやや低い位置となるようにレール部材4を切断して形成される。階段昇降装置60においては、この第2主レール部材47に対して第4主レール部材61が連結され、さらに第4主レール部材61に対して第3調整レール部材62と第4調整レール部材63とが組み合わされる。階段昇降装置60においては、第4主レール部材61が、階上踊り場2Aの奥まで位置する長さを以ってレール部材4を切断して形成され、その側面にラック部材17が取り付けられる。
階段昇降装置60においては、第4主レール部材61が、下端部を第2主レール部材47の上端部と連結されるとともに、この第2主レール部材47の傾斜角度よりも緩やかな傾斜角度が付されて設置される。階段昇降装置60においては、このように第4主レール部材61を設けることにより、階上踊り場2Aを乗り越えてその奥まで位置するレール部材4が玄関階段2に設置される。
なお、第4主レール部材61は、傾斜角度が緩やかであるが第2主レール部材47に対して、レール面や外れ止めガイドリブが連続するとともにラック部材17の送り歯も連続して設置される。第4主レール部材61は、図示しないがその上端部が上部ゲート5に固定され、またその内部空間に電源ケーブル38が挿通される。
階段昇降装置60においては、レール部材4を上述した第1調整レール部材49と同様に二等辺三角形状に切断して形成した第3調整レール部材62が、第4主レール部材61に対してその受け板部上に固定されることによってその側面部に組み合わされる。第3調整レール部材62は、組み合わせ状態において、そのレール面の下端部が第2主レール部材47の上端部の側方に延在されてそのレール面47aと平行とされ、上端部が階上踊り場2Aを越えて第4主レール部材61のレール面の側方でかつ上方に位置する。
階段昇降装置60においては、レール部材4を上述した第2調整レール部材50と同様に切断して形成した第4調整レール部材63が、第4主レール部材61に対してその受け板部上に固定されることによってその側面部に組み合わされる。第4調整レール部材63は、組み合わせ状態において、第4主レール部材61のレール面に対してその側方でかつ上方に位置する平行なレール面を構成する。第4調整レール部材63は、下端部が第3調整レール部材62と突き合わされることによって、第3調整レール部材62のレール面に対して緩やかな傾斜角度を以って連続するレール面を構成する。なお、第4調整レール部材63も、上端部を上部ゲート5に固定される。
階段昇降装置60においては、階上踊り場2Aに上述した第4主レール部材61と、第3調整レール部材62及び第4調整レール部材63とからなるレール部材4を設置したことから、昇降ユニット3が階上踊り場2Aのステップ面2aまで乗り上がるようにして移動動作が行われるとともに、乗車部10もステップ面2aに対して水平状態を保持される。すなわち、階段昇降装置60においては、昇降ユニット3が上述した中間踊り場2Cを走行する場合と同様に、第2姿勢制御コロ15が第3調整レール部材62と第4調整レール部材63のレール面に乗り変わって転動することにより、上方部位を起き上がる状態を呈する。階段昇降装置60においては、階上踊り場2Aにおいてステップ面2aとの高さ位置を低減された昇降ユニット3に対して利用者が安心して乗り降りするようになる。
1 階段昇降装置、2 玄関階段、2A 階上踊り場、2B 階下踊り場、2C 中間踊り場、3 昇降ユニット、4 レール部材、4a レール面、5 上部ゲート、6 下部ゲート、7 取付ブラケット部材、8 外装フレーム、9 台車部、10 乗車部、11 フレーム体、12 駆動モータ、13 駆動歯車、14 第1姿勢制御コロ、15 第2姿勢制御コロ、16 ガイドコロ、17 ラック部材、19 外れ止めガイドリブ、20 ガイド凹部、22 第1ガイド凹部、23 第2第1ガイド凹部、25 ステップ体、27 ヒンジ機構、31 ジョイント部材、32 基台部、33 レール部、38 電源ケーブル、43 受け板部、46 第1主レール部材、46a 第1主レール面、47 第2主レール部材、47a 第2主レール面、48 第3主レール部材、48a 第3主レール面、49 第1調整レール部材、49a 第1調整レール面、50 第2調整レール部材、50a 第1調整レール面、60 階段昇降装置、61 第4主レール部材、62 第3調整レール部材、63 第4調整レール部材
Claims (2)
- 乗車部を支持する台車部に、モータとこのモータによって回転駆動される駆動歯車や複数個の姿勢制御コロ或いはガイドコロを搭載した昇降ユニットと、
階段上に全域に亘って設置され、前記昇降ユニットの前記駆動歯車が噛み合うラックと前記姿勢制御コロが転動するレール面とが設けられ、前記乗車部を水平姿勢に調整して組み合わせた前記台車部を前記階段の傾斜角度に合わせて跨座状態に組み合わせることにより前記昇降ユニットを昇降移動させるレール部材とを備え、
途中箇所に階段部に対して傾斜角度を異にする角度変更部が設けられた前記階段に設置される階段昇降装置であり、
前記昇降ユニットには、前記台車部に昇降方向に離間するとともに前記階段の傾斜角度に応じた角度差が付されて配置されて前記レール部材のレール面上を転動する第1姿勢制御コロと第2姿勢制御コロとが搭載されるとともに、上方側の前記第2姿勢制御コロが軸方向に隣り合って設けられた第1コロ部と第2コロ部とから構成されており、
前記レール部材が、第1ラックと第1主レール面とが形成され前記角度変更部の下段側の前記階段に設置される第1主レール部材と、第2ラックと第2主レール面とが形成され前記角度変更部を挟んで上段側の前記階段に設置される第2主レール部材と、第3ラックと第3主レール面とが形成されこれら第3ラックと第3主レール面とが下端部側を前記第1ラックと前記第1主レール面とに連続されるとともに上端部側を前記第2ラックと前記第2主レール面とに連続されて前記角度変更部に設置される第3主レール部材と、前記第1主レール部材の前記第1主レール面と同一角度の第1調整レール面を有し下端部が前記角度変更部と対応する位置で前記第1主レール面に隣り合わされるようにして位置されて前記第3主レール部材の側面に組み合わされる第1調整レール部材と、下端部が前記第1調整レール面と連続されるとともに上端部が前記角度変更部を超えた上方位置で前記第2主レール部材の前記第2主レール面に隣り合わされるように位置され前記第3主レール面の上方に位置して平行に延在する第2調整レール面を有して前記角度変更部に対応して前記第3主レール部材の側面に組み合わされる第2調整レール部材とから構成され、
前記昇降ユニットが、前記駆動歯車と前記第1ラック又は第2ラックとが噛み合うとともに前記第1姿勢制御コロと前記第2姿勢制御コロの前記第1コロ部とが前記第1主レール部材又は前記第2主レール部材の前記第1主レール面又は前記第2主レール面上を転動することによって階段部を昇降移動し、前記角度変更部に到達すると前記第2姿勢制御コロ側において前記第2コロ部が前記第1調整レール部材の前記第1調整レール面又は前記第2調整レール部材の前記第2調整レール面側を転動することによって前記台車部の姿勢が変わり、前記角度変更部においても前記乗車部の水平姿勢が保持されて昇降移動することを特徴とする階段昇降装置。 - 乗車部を支持する台車部に、モータとこのモータによって回転駆動される駆動歯車や複数個の姿勢制御コロ或いはガイドコロを搭載した昇降ユニットと、
階段上に全域に亘って設置され、前記昇降ユニットの前記駆動歯車が噛み合うラックと前記姿勢制御コロが転動するレール面とが設けられ、前記乗車部を水平姿勢に調整して組み合わせた前記台車部を前記階段の傾斜角度に合わせて跨座状態に組み合わせることにより前記昇降ユニットを昇降移動させるレール部材と
を備える階段昇降装置であり、
前記昇降ユニットには、前記台車部に昇降方向に離間するとともに前記階段の傾斜角度に応じた角度差が付されて配置されて前記レール部材のレール面上を転動する第1姿勢制御コロと第2姿勢制御コロとが搭載されるとともに、上方側の前記第2姿勢制御コロが軸方向に隣り合って設けられた第1コロ部と第2コロ部とから構成されており、
前記レール部材が、第1ラックと第1主レール面とが形成され前記階段の傾斜角度に合わされるとともに上端部が階上踊り場のステップ面よりも上方に位置するようにして前記階段に設置される第1主レール部材と、この第1主レール部材に対して第2ラックを前記第1ラックに連続させるとともに第2主レール面を前記第1主レール面に連続させて階上踊り場に設置される第2主レール部材と、前記第1主レール部材の前記第1主レール面と同一角度の第1調整レール面を有し下端部が前記階上踊り場と対応する位置で前記第1主レール面に隣り合わされるようにして位置されて前記第2主レール部材の側面に組み合わされる第1調整レール部材と、下端部が前記第1調整レール面と連続されるとともに前記第2主レール部材の前記第2主レール面の上方に位置して平行に延在する第2調整レール面を有して前記階上踊り場に対応して前記第2主レール部材の側面に組み合わされる第2調整レール部材とから構成され、
前記昇降ユニットが、前記駆動歯車と前記ラックとが噛み合うとともに前記第1姿勢制御コロと前記第2姿勢制御コロの前記第1コロ部とが前記第1主レール部材の前記第1主レール面上を転動することによって階段部を昇降移動し、前記階上踊り場に到達すると、前記第2姿勢制御コロ側において前記第2コロ部が前記第1調整レール部材の前記第1調整レール面上に乗り上がって前記第2調整レール部材の前記第2調整レール面を転動することにより、前記階上踊り場においても前記乗車部の水平姿勢を保持されることを特徴とする階段昇降装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004116199A JP2005263482A (ja) | 2004-03-16 | 2004-03-16 | 階段昇降装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004116199A JP2005263482A (ja) | 2004-03-16 | 2004-03-16 | 階段昇降装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005263482A true JP2005263482A (ja) | 2005-09-29 |
Family
ID=35088426
Family Applications (1)
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JP2004116199A Pending JP2005263482A (ja) | 2004-03-16 | 2004-03-16 | 階段昇降装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005263482A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102219142A (zh) * | 2011-06-20 | 2011-10-19 | 浙江爱圣博楼道电梯有限公司 | 新型接力式楼道电梯 |
CN101613048B (zh) * | 2009-07-02 | 2012-10-24 | 严祥军 | 一种楼道式微型扶梯 |
CN110546099A (zh) * | 2017-02-08 | 2019-12-06 | 蒂森克虏伯座椅电梯有限公司 | 座椅电梯 |
-
2004
- 2004-03-16 JP JP2004116199A patent/JP2005263482A/ja active Pending
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