JP4972757B2 - モノレール型階段昇降装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、階段昇降装置に関し、特に雪国等において建築される高床型家屋の玄関階段等に設置して好適なモノレール型階段昇降装置(以下、単に昇降装置と称する。)に関する。
【0002】
【従来の技術】
高齢化社会を迎える現在においては、福祉の充実とともに、公共施設や病院或いはホテル等の商業施設等を中心としてお年寄りや身障者等にとって安全であり身体への負担を軽減するような様々な対応が図られている。例えば、駅等においては、階段にモノレール型の昇降装置を付設したりエレベータの設置が図られているが、莫大な設備投資を必要とすることで都会の大きな駅に限られており、その普及もまだまだ少ない。また、病院や老人介護施設等においては、階段や廊下の壁面に沿って設置したレールに支持されて走行する椅子型モノレール等も提案されている。
【0003】
一方、最近の一般家屋等においては、例えば室内の段差を無くしたいわゆるバリヤフリーの対応、車椅子の通過を可能とする幅を有する廊下、或いは階段や浴槽内に手摺りを設置する等の様々な対応も図られるようになっている。また、一般家屋等にも、室内に小型のエレベータを設置した例も紹介されている。しかしながら、一般家屋等においては、屋内スペース内にエレベータやモノレールを設置することを可能とするのは極めて限られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、雪国等においては、積雪対策として床面を地面よりも数メートル程度高くするいわゆる高床型家屋が多く建築されるようになっている。また、雪国等においては、市街地内においても家屋の周囲に雪下ろしのためのスペースが必要であるとともに、一家で数台の車を保有するために広い車庫スペースも必要となっている。このため、雪国等においては、例えば半地下部分に車庫スペースを確保するようにした高床型家屋の普及率が高くなっている。
【0005】
かかる高床型家屋においては、当然玄関部分に数段或いは十数段ではあるが外階段が設けられるようになる。高床型家屋においては、たとえ僅かな段数の外階段であるが、毎日の出入りに例えばお年寄りや身障者等にとって大きな負担をかけることになる。高床型家屋においては、お年寄り等が家から出入りする都度、家人の誰かの付き添いを必要とさせる。高床型家屋においては、お年寄り等にとって日常の適度な散歩や外出が健康管理上極めて大切なことであるが、家人に迷惑をかけるといったことで遠慮してついつい控えるようになり屋内に閉じこもりがちにさせてしまう。
【0006】
また、高床型家屋においては、冬季において外階段に降り積もった雪等が凍り付いて滑り易くなってしまい、健常者であってもしばしば転倒事故を生じさせるといった問題があった。高床型家屋においては、このために外階段に融雪構造を付設するといった対応も図られている。高床型家屋においては、外階段部位に昇降装置を設置することが望まれているが、一般家庭用として屋外においても設置が可能でありかつ簡易な工法とメンテナンスを殆ど不要とする廉価な昇降装置についてはいまだ提供されていない状況にある。
【0007】
したがって、本発明は、簡易な工法で設置され、特に雪国等の家屋の外階段といった屋外に設置して好適に使用可能であり、操作が簡単でかつ安全性も高く廉価なモノレール型階段昇降装置を提供することを目的に提案されたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成する本発明にかかるモノレール型階段昇降装置は、ステップ上に固定した取付ブラケット部材を介して階段の傾斜角度に対応して設置角度を調整して設置される全長に亘ってラックが設けられてなるレール部材と、このレール部材上を昇降移動する装置本体と、階段の上部に設置される上部ゲート部と、階段の下部に設置される下部ゲート部と、装置本体に対して電源を供給する電源ケーブルとを備える。装置本体は、台車部が、モータと、このモータにより回転駆動されるとともにレール部材のラックと噛合する駆動歯車とが内蔵され、レール部材の上端面上を回転する複数個のガイドコロを有し、レール部材に対してその傾斜角度に対応して傾斜されて跨座状態に組み合わされる。装置本体は、乗用部が、台車部に水平状態に保持されるように傾斜された角度に調整して組み合わされ、レール部材の両側面上をそれぞれ回転することにより台車部側のガイドコロと共同してレール部材を挟み込む複数個のガイドコロと、ステップ部材と、腰掛け部と、上昇操作スイッチ及び下降操作スイッチとを有する。上部ゲート部には、電源部と、上昇操作スイッチ及び下降操作スイッチと、プーリが備えられる。下部ゲート部には、上昇操作スイッチ及び下降操作スイッチとが備えられる。
【0009】
また、レール部材には、その内部に全長に亘って空間部が形成され、この空間部内の全域若しくは一部に発熱体が収納されてなる。さらに、電源ケーブルは、一端が上部ゲート部の電源部と接続されるとともに、レール部材に設けた空間部内に移動自在に収納されたケーブルガイド部材に回転自在に支持されたアイドルプーリに掛け合わされて上部ゲート部へと折り返され、この上部ゲート部内に設けたプーリに掛け合わされて台車部へと導かれてモータと接続される。さらにまた、レール部材には、空間部内に、ケーブルガイド部材のアイドルプーリと上部ゲート部内のプーリとの間において電源ケーブルをガイドする他のアイドルプーリを支持した少なくとも1個以上のアイドルケーブルガイド部材が移動自在に収納される。各補助ケーブルガイド部材は、乗用部が上昇移動すると、所定の位置まで前記ケーブルガイド部材と一体的に下降移動した後に停止される。
【0010】
以上のように構成された本発明にかかるモノレール型階段昇降装置によれば、例えば高床型家屋の玄関階段等に、ステップ上に固定した取付ブラケット部材を介して階段の傾斜角度に対応して所定の角度に調整してレール部材が固定設置される。モノレール型階段昇降装置においては、レール部材に対して、その傾斜角度に対応した傾斜を付された状態で台車部の組み付けが行われるとともに、この台車部に対して乗用部が水平状態を保持されるようにして組み付けられる。モノレール型階段昇降装置においては、上部ステップや下部ステップに、それぞれ上部ゲート部と下部ゲート部とが設置されるとともに、電源の接続が行われる。
【0011】
モノレール型階段昇降装置においては、レール部材の内部空間にケーブルガイド部材が組み込まれ、このケーブルガイド部材を介して台車部と上部ゲート部との間の電源ケーブルの引き回しが行われる。モノレール型階段昇降装置においては、レール部材の内部空間を利用することで簡易に引き回しが行われるとともに、電源ケーブルが装置本体の移動に邪魔にならずかつ損傷されることも無い。モノレール型階段昇降装置においては、複数のケーブルガイド部材を備え、その一部が重り作用を奏することで、傾斜角度や設置距離にかかわらず装置本体の昇降移動の際に電源ケーブルに撓みを生ずることなくスムーズな移動が行われるようになる。
【0012】
モノレール型階段昇降装置においては、上部ゲート部或いは下部ゲート部の上昇操作スイッチ或いは下降操作スイッチを操作することによって、他方側に移動している装置本体を移動操作する。モノレール型階段昇降装置においては、例えば装置本体がレール部材の下方部に移動された状態において玄関側から使用する場合には、上部ステップに設置した上部ゲート部の上昇操作スイッチが操作される。モノレール型階段昇降装置においては、モータに電源が投入されてラックと噛合した駆動歯車が回転駆動されることにより、台車部が駆動される。モノレール型階段昇降装置においては、台車部と乗用部とがレール部材に支持されて装置本体が玄関まで上昇移動する。
【0013】
モノレール型階段昇降装置においては、利用者がステップ部材上に立った状態或いは腰掛け部に腰掛けた状態で搭乗するとともに乗用部の下降操作スイッチが操作されることによって、モータが起動されて装置本体の下降移動が行われる。モノレール型階段昇降装置においては、装置本体がレール部材の下端まで下降移動するとモータが停止して装置本体が停止する。モノレール型階段昇降装置においては、停止状態で利用者が装置本体から降車する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。実施の形態として示す昇降装置1は、図1に示すように、例えば玄関の外階段2の適宜のステップ3上に固定した多数個の取付ブラケット部材4を介して設置されるレール部材5と、このレール部材5に対して跨座状態で昇降自在に組み合わされる台車部7と乗用部8とからなる装置本体6と、階段2の踊り場2aに設置される上部ゲート9と、階段2のタタキ2bに設置される下部ゲート10と、装置本体6に対して電源を供給する電源ケーブル11とを備えて構成される。
【0015】
なお、昇降装置1は、特に雪国において積雪対策として多く建築されている床面を地面よりも数メートル程度高くしたいわゆる高床型家屋の玄関の外階段(階段)2等に好適に設置されるが、かかる設置例に限定されるものではないことは勿論である。昇降装置1は、屋内の階段にも設置され、また傾斜の無い廊下等にも設置可能である。また、階段昇降装置1は、もっぱらパーソナルユースとして一般家屋において比較的短い距離の階段2においてお年寄りや身障者等の移動装置として好適に用いられるが、かかる使用例に限定されるものでは無いことも勿論である。さらに、昇降装置1は、例えば倉庫内に設置されてさほど重量物では無い物品等の搬送用としても利用可能である。
【0016】
レール部材5は、例えばアルミ材やアルミ合金材等の比較的軽量で加工性が良くかつ充分な機械的強度を有する軽量金属を素材として、押出成形により一体化されて成形されてなる。レール部材5は、昇降装置1が公共施設等に設置されて使用頻度が極めて高い場合には、例えばステンレス材によって形成するようにしてもよく、またもっぱら屋内において使用され格別の防錆対策が不要とされるとともに階段等の設置部位の強度が充分に確保される場合には例えば鋼材等によって形成してもよい。レール部材5は、標準の長さよりも設置距離が短い場合には現場対応において所定の長さに切断され、また設置距離が長い場合には適宜のジョイント構造を介して連結して使用される。
【0017】
レール部材5は、図2に示すように、やや幅広とされた基台部12と、この基台部12から垂直に一体に立設されたレール部13とから構成される。レール部材5には、充分な機械的強度が保証される範囲で軽量化やコスト低減等を図るために、基台部12やレール部13の内部に高さ方向に区割りされて複数の空間部14がそれぞれ長さ方向の全域に亘って形成されている。基台部12には、両側面の長さ方向の適宜の位置に、内部にナット15a、15bがそれぞれ収納された複数の取付凹部12a、12bが形成されている。各取付凹部12a、12bは、それぞれナット15a、15bを回り止めした状態で収納する構造となっている。レール部材5は、詳細を後述するように各取付凹部12a、12bを介してナット15a、15bにそれぞれボルト16a、16bがねじ込まれることにより取付ブラケット部材4に固定される。
【0018】
レール部材5は、基台部12の内部に形成された第1の空間部14aが図11を参照して後述する電源ケーブル11の第1の部位11aをガイドするガイド空間部を構成している。レール部材5は、外階段2に設置された場合に、ガイド空間部14a内に流れ込んだ雨水や雪や氷の融けた水が夜間時等において内部で凍結して電源ケーブル11を氷付けしてしまう虞れがある。したがって、レール部材5には、第1のガイド空間部14aの底面の全域に亘って長さ方向に平行な多条のリブ状凸部12cが突設されており、電源ケーブル11との接触面積が少なくなるようにして凍結を抑制する水切り構造となっている。
【0019】
レール部材5は、レール部13の上面部13aと前面側の側面部13bとが平滑面に形成され、詳細を後述するように装置本体6を支持して走行させるレール面として構成される。レール部13には、上面部13aに長さ方向の全域に亘って外止めリブ13cが突設されるとともに、背面上端部に庇状にレール凸部13dが突設されている。
【0020】
レール部材5には、レール部13のレール凸部13dの下方部に沿って図11を参照して後述する電源ケーブル11の第3の部位11cをガイドするケーブルガイド凹部13eが長さ方向の全域に亘って形成されている。また、レール部材5には、ケーブルガイド凹部13eの底面部が共用されて、長さ方向に対して所定の間隔を以って内部にナット15cがそれぞれ収納された多数個のラック取付凹部13fが形成されている。レール部材5には、各ラック取付凹部13fを介してナット15cにそれぞれねじ込まれるボルト16cによりラック部材17が長さ方向の全域に亘って取り付けられる。ラック部材17は、ラック17aが基台部12と対向するようにしてレール部材5に取り付けられる。
【0021】
レール部材5は、レール部13の内部に形成される空間部14が、高さ方向に区割りされて第2の空間部14b乃至第4の空間部14dとからなる。レール部材5は、下方側の第2の空間部14bが図11を参照して後述する電源ケーブル11の第2の部位11bをガイドするガイド空間部を構成するとともに、上方側の第3の空間部14c及び第4の空間部14dが加温空間部を構成している。レール部材5には、第2の空間部14bの相対する両内面壁に図9及び図10を参照して詳細を後述する上下一対のガイドリブ56、57が形成されており、これらガイドリブ56、57によってガイドされる詳細を後述する複数のケーブルガイド部材18が移動自在に組み付けられている。
【0022】
レール部材5には、レール部13の第4の空間部14d内に長尺の発熱体19が収納される。発熱体19は、例えば寒冷地等において用いられる水道管に巻回することによって凍結を防止する帯状の発熱体が利用される。発熱体19は、例えばレール部材5の上端側から第4の空間部14d内に差し込まれる。発熱体19は、夏期等において不要な場合には第4の空間部14d内から抜き取られるようにしてもよい。発熱体19は、電源が投入されることによって発熱して第4の空間部14dを加温してレール部材5の凍結を防止する。
【0023】
なお、発熱体19は、必ずしもレール部材5の全長に亘る長さを有する帯状発熱体である必要は無く、例えば棒状発熱体等の適宜の発熱体を用いてもよい。また、レール部材5は、各空間部14を利用して例えば温風等を吹き込むようにして加温されるように構成してもよい。レール部材5は、加温状態を保持するために、発熱体19を差し込んだ状態でスポンジ等の弾性体によって第4の空間部14dの開口部を閉塞するようにしてもよい。
【0024】
レール部材5は、傾斜が緩い階段2や曲線或いは廊下等の平坦な部位に設置される場合に、詳細を後述するが装置本体6の昇降移動に対してケーブルガイド部材18が追従し得なかったり、電源ケーブル11の引き回しが困難となる場合がある。レール部材5には、このために背面部に長さ方向の全域に亘って電極取付部13gが形成され、この電極取付部13gに詳細を省略する電極板を取り付けて装置本体6に対して電源の供給を行うようにしてもよい。
【0025】
また、レール部材5は、上述したようにレール部13のケーブルガイド凹部13eに電源ケーブル11を挿通するが、撓みが生じてケーブルガイド凹部13e内からはみ出させて装置本体6に巻き込んで破断させる虞がある。レール部材5には、このためにケーブルガイド凹部13eの開口部に対向して装置本体6にマイクロスイッチ21が配設され、電源ケーブル11にはみ出しが生じた場合にこれを検出して装置本体6を停止させるようにする。
【0026】
以上のように構成されたレール部材5は、図1に示すように複数個の取付ブラケット部材4を介して階段2の傾斜角度に合わせて傾斜された状態で適宜のステップ3に固定される。取付ブラケット部材4は、鋼材やステンレス材等の充分に機械的強度を有する金属板によって、図2に示すように全体上向きコ字状を呈して形成されている。取付ブラケット部材4には、底面部4aに複数の取付孔が設けられており、これら取付孔を介してステップ3にアンカーボルト22がねじ込まれることによって固定される。
【0027】
取付ブラケット部材4には、両側面部間に架け渡すようにして互いに平行に対峙する取付板部4b、4cが固定されている。取付板部4b、4cは、対向間隔がレール部材5の基台部12の幅とほぼ等しく、取付凹部12a、12bに対応してそれぞれが形成されている。各取付ブラケット部材4には、取付板部4b、4c間にレール部材5の基台部12が嵌合されるとともに、各取付孔に対して取付凹部12a、12bが連通されるように位置合わせされる。各取付ブラケット部材4には、各取付孔にそれぞれねじ込まれたボルト16a、16bが、取付凹部12a、12b内に収納したナット15a、15bにねじ合わせされることによってレール部材5が固定される。
【0028】
なお、各取付ブラケット部材4は、レール部材5が傾斜角度を調整された状態でその基台部12を取付板部4b、4cに組み合わせた後に、ボルト16a、16bの締め付けが行われることによって図1に示すようにこのレール部材5を階段2の傾斜角度に合わせた状態で傾斜させて固定設置する、各取付ブラケット部材4は、ボルト16a、16bに例えばスプリングワッシャ等を組み合わせて緩み止めを図るようにする。
【0029】
レール部材5には、その上端部が階段2の踊り場2aに設置される上部ゲート9に固定されるとともに、下端部がL字状ブラケット部材23によって固定される。上部ゲート9は、詳細を省略するが踊り場2a上にアンカーボルト等によって立設される。上部ゲート9は、昇降装置1の電源制御部を構成し、図示を省略するが家庭用電源と接続するコンセントが設けられるとともに電源ブレーカや家庭用電源を所定の電圧電源に変換して装置本体6に供給するトランス等の電源部が内蔵されている。
【0030】
上部ゲート9には、側面にレール部材5の基台部12の上端部を固定する取付部9aが設けられている。取付部9aには、設置角度を調整されるレール部材5に対応して長孔からなる取付孔が形成されている。上部ゲート9には、その内部に電源ケーブル11を折り返しガイドするプーリ24が回転自在に収納されている。上部ゲート9は、図示を省略するが階段側の側面の一部が開放されており、この開放部から電源ケーブル11が引き込まれ或いは引き出されるようにしている。
【0031】
上部ゲート9には、その天井面に配置されて装置本体6を駆動或いは停止させる防水型の上昇操作スイッチ9bや下降操作スイッチ9cが設けられている。昇降装置1は、例えば装置本体6が下方に位置している場合に上部ゲート9の上昇操作スイッチ9bを操作することによって、装置本体6が上方に向かって移動する。昇降装置1は、装置本体6が所定の上昇位置或いは下方位置においてセンサ出力により自動停止されるが、非常事態等が発生した場合に上昇操作スイッチ9bや下降操作スイッチ9cを再操作することにより装置本体6を任意の位置で停止させることが可能とされる。
【0032】
なお、上部ゲート9には、例えば特定のキー入力を行った場合にのみ昇降装置1を使用可能とするキースイッチ機構を付設するようにしてもよい。また、上部ゲート9には、不要な場合に電源を切る電源スイッチ、或いは所定時間が経過すると自動的に電源を切る節電スイッチ等を設けるようにしてもよい。さらに、上部ゲート9には、利用者が接近したことを検出するセンサを設け、例えば下方に位置する装置本体6を自動的に上昇移動させるように構成してもよい。上部ゲート9は、上述したセンサが、所定の時間帯において昇降装置1の照明を行う出力を送出するように構成してもよい。
【0033】
下部ゲート10は、図1に示すように階段2のタタキ2bにアンカーボルト等によって立設され、図示を省略するが上部ゲート9の電源制御部と適宜の配線が行われる。下部ゲート10には、上部ゲート9と同様に、その天井面に装置本体6を駆動或いは停止させる防水型の上昇操作スイッチ10aや下降操作スイッチ10bが設けられている。なお、下部ゲート10は、プーリ24が内蔵されていないが、上述した上部ゲート9のその他の機能を設けるようにしてもよい。上昇操作スイッチ10aや下降操作スイッチ10bは、例えば呼び鈴の駆動スイッチを兼用するようにしてもよい。
【0034】
昇降装置1は、上述したように階段に設置されたレール部材5に対して、台車部7と乗用部8とからなる装置本体6が昇降自在に組み合わされてなる。昇降装置1は、詳細を後述するように台車部7がレール部材5に対してその傾斜角度に対応して傾斜された状態で組み合わされるとともに、この台車部7に対して水平状態を保持されて乗用部8が組み合わされてなる。昇降装置1は、もっぱら高床型家屋の玄関の外階段2に設置されて用いられることから移動距離も比較的短い。したがって、昇降装置1は、図3に示すように利用者Mがもっぱら乗用部8に立った状態で搭乗して利用されるが、図4に示すように利用者Mが座った状態で搭乗して利用することも可能である。
【0035】
台車部7は、階段2に傾斜設置されたレール部材5に対して、図1に点線で示すように同一角度に調整されて傾斜された状態で組み合わされる。台車部7は、図5及び図6に示すように、金属材によって略箱状に形成された外装フレーム25と、この外装フレーム25の内部に収納されたモータ26と、このモータ26によって回転駆動される駆動歯車27とを備える。台車部7には、移動方向に対して離間して配置された一対の第1のガイドコロ28(28a、28b。図8参照)と、レール部材5の背面側の側面部13h上を回転する第2のガイドコロ29及びレール部材5のレール凸部13dを回転する移動方向に対して離間して配置された一対の第3のガイドコロ30(30a、30b。図8参照)とが備えられる。
【0036】
モータ26は、正逆回転自在であり、外装フレーム25の内部に、底面部25a上に固定したモータ取付ブラケット部材26aを介して取り付けられている。モータ26は、詳細を省略するが起動時及び停止時にその回転が緩やかとなるように、制御部によって回転制御が行われる。モータ26には、図示を省略するが出力軸に出力歯車が設けられており、ギャボックス31に内蔵された適宜の歯車列を介して駆動歯車27を回転駆動させる。
【0037】
駆動歯車27は、例えば鋼材や金属ダイキャストによって形成され、台車部7がレール部材5に組み合わされた状態において、このレール部材5に設けたラック部材17と噛合される。したがって、台車部7は、モータ26が起動されて駆動歯車27が回転駆動されると、駆動歯車27がラック部材17に沿って回転しながら移動することによってレール部材5に沿って昇降移動される。
【0038】
第1のガイドコロ28は、耐摩耗性、機械的特性が良好である例えばウレタン系樹脂材、ポリオキシメチレン(POM)系樹脂材、ポリアミド系樹脂材等の合成樹脂によって成形される。第1のガイドコロ28には、図6に示すようにレール部材5の外止めリブ13cに相対係合されるガイド凹部28cが外周面に全周に亘って形成されている。第1のガイドコロ28は、外装フレーム25の前面部25bと背面部25cとの間に支架した支軸28d上にそれぞれ回転自在に軸装されている。第1のガイドコロ28は、後述するように装置本体6が駆動されると、台車部7を支持しながらレール部材5の上面部13a上を回転する。
【0039】
第2のガイドコロ29も、第1のガイドコロ28と同様の合成樹脂材によって成形され、外装フレーム25の底面部25aの先端側にレール部材5と平行して折曲された取付部25dに設けられた軸受け部25eに回転自在に支持される。第2のガイドコロ29は、後述するように装置本体6が駆動されると、台車部7を支持しながらレール部材5の背面側の側面部13h上を回転する。
【0040】
第3のガイドコロ30も、第1のガイドコロ28と同様の合成樹脂材によって成形され、外装フレーム25の背面部25cに装置本体6の移動方向に離間してそれぞれ取り付けられたガイドコロ取付部材25f、25gに回転自在に支持されている。第3のガイドコロ30は、図6に示すように外周部にレール部材5のレール凸部13dと相対係合する外止め凹部が全周に亘って形成されている。第3のガイドコロ30は、後述するように装置本体6が駆動されると、台車部7を支持しながらレール部材5のレール凸部13d上を回転する。
【0041】
以上のように構成された台車部7は、レール部材5を階段2に設置した状態でその上端側から挿入されるようにして組み付けられる。台車部7は、図6及び図8に示すようにレール部材5の背面側に主たる部分が位置されて組み付けられ、第1のガイドコロ28が移動方向の両端部に位置してレール部13の上面部13a上に載せられる。台車部7は、レール部材5の背面側において駆動歯車27がラック部材17と噛み合い状態を保持されるとともに、第2のガイドコロ29がレール部13の側面部13hに当接した状態となる。したがって、台車部7は、第1のガイドコロ28を支持部としてレール部材5に懸架状態で組み付けられる。
【0042】
乗用部8は、図5及び図7、図8に示すように、外装フレーム32と、この外装フレーム32に組み付けられたステップ部材33と、把手部材34と、背もたれ部材35とを備えてなる。また、乗用部8には、コロ取付ブラケット部材37によって回転自在に支持されてレール部材5の前面側の側面部13b上を回転する複数個の第3ガイドコロ36(36a、36b、36c)が設けられている。
【0043】
乗用部8には、台車部7のモータ26を起動させて装置本体6を上昇或いは下降移動させる上昇操作スイッチ38a、39aや下降操作スイッチ38b、39bを備える第1のスイッチボックス38及び第2のスイッチボックス39が備えられている。なお、各操作スイッチ38、39は、例えば押圧操作している状態でモータ26への電源投入が行われ、開放することによってモータ26への電源投入を停止するスイッチによって構成されている。
【0044】
乗用部8は、台車部7を覆う外装フレーム32の天井部位に座椅子板40が取り付けられており、図4に示すように利用者Mがこの座椅子板40上に腰掛けることによって座った状態での利用を可能とする。乗用部8は、例えば座椅子板40を透明若しくは半透明のアクリル樹脂によって成形し、図5点線で示すように外装フレーム32の内部に光源41を設置してもよい。乗用部8は、光源41を上部ゲート9や下部ゲート10に配置したセンサによる利用者Mの検出出力による自動点灯或いは第1のスイッチボックス38及び第2のスイッチボックス39の操作による手動点灯を行う。乗用部8は、光源41が点灯によって座椅子板40を介して照明が行われるようにする。
【0045】
なお、乗用部8は、例えば昇降装置1が途中で緊急停止等した場合には光源41が点滅発光することによって異常事態の発生を利用者Mに報知するように構成してもよい。また、乗用部8には、図示しないが利用者Mが座椅子板40に座った状態で利用する場合に、安全を確保する安全ベルトが設けられている。さらに、乗用部8には、雨天や降雪時の対応を図るために折り畳み自在或いは着脱自在な傘装置を設けてもよい。
【0046】
外装フレーム32は、充分な機械的強度と防錆特性を有する金属材に板金加工を施して全体略箱状を呈して形成されている。なお、外装フレーム32は、例えばアルミダイキャスト等によってフレーム体を構成して成形してもよい。外装フレーム32には、図5に示すように両側面32a、32bのほぼ中央部に位置して下方側を開放した高さ方向の開口部32cが形成されている。外装フレーム32は、上述したように階段2の傾斜に合わせて設置されたレール部材5に対して傾斜して組み合わされた台車部7に、上方から被せられるようにして組み付けられる。
【0047】
外装フレーム32は、図7に示すように水平状態となるように調整されて台車部7との組合せが行われる。外装フレーム32は、多数個の取付ボルト42によって台車部7の外装フレーム25に対してしっかりと固定される。外装フレーム32は、上述した両側面32a、32bの開口部32cからレール部材5を貫通させることによって、図5に示すようにこのレール部材5に対して跨座状態で組み合わされる。
【0048】
乗用部8には、図8に示すように、外装フレーム32の前面32dの内面に取り付けたコロ取付ブラケット37a乃至37cに第3のガイドコロ36の各ガイドコロ36a〜36cがそれぞれ回転自在に取り付けられて配置されている。第3のガイドコロ36も、耐摩耗性、機械的特性が良好である例えばウレタン系樹脂材、POM系樹脂材或いはポリアミド系樹脂材等の合成樹脂によって成形されている。
【0049】
ガイドコロ36aは、詳細には、図7に示すように外装フレーム32の下端側で装置本体6が上方へと移動する際の前方側に位置して配置されている。ガイドコロ36bは、外装フレーム32の下端側でほぼ中央部に位置して配置されている。ガイドコロ36cは、外装フレーム32の下端側で装置本体6が上方へと移動する際の後方側に位置して配置されている。第3のガイドコロ36は、後述するように装置本体6が駆動されると、それぞれ乗用部8を支持しながらレール部材5の前面側の側面部13b上を回転する。
【0050】
乗用部8は、上述したように台車部7と一体化されて装置本体6を構成する。装置本体6においては、レール部材5に対して、台車部7側の走行方向に離間して設けられた第1のガイドコロ28がレール部13の上面部13a上を回転するとともに第2のガイドコロ29がレール部13の側面部13h上を回転しかつ走行方向に離間して設けられた第3のガイドコロ30がレール部13のレール凸部13dを回転する構造となっている。装置本体6においては、レール部材5に対して、乗用部8側の走行方向に離間して設けられた第3のガイドコロ36の各ガイドコロ36a〜36cがレール部13の側面部13b上を回転する構造となっている。
【0051】
装置本体6は、台車部7側の第2のガイドコロ29及び第3のガイドコロ30と乗用部8側の第3のガイドコロ36とが共同してレール部13の両側面部13b、13hを挟み込む構造であることから、レール部材5に対してブレの無い状態で組み合わされる。装置本体6は、利用者Mが乗用部8に搭乗した状態で、荷重が上述した各ガイドコロによって分散されることで、安定した状態でレール部材5を移動する。
【0052】
乗用部8には、外装フレーム32の前面32dの下端部に位置してステップ部材33が回動自在に取り付けられている。ステップ部材33は、図5及び図7に示すように、乗用部8とほぼ同幅とされた全体板状のステップ部33aと、このステップ部33aの基端側の両端に一体に立設された軸受け部33b、33cとから構成される。ステップ部材33には、ステップ部33aに、幅方向に離間して補強リブ33d、33eが形成されている。
【0053】
ステップ部材33は、軸受け部33b、33cが、外装フレーム32の側面32a、32bに形成された軸受け部に両端を支架された支軸43に軸支されることによって外装フレーム32に回動自在に片持ち支持されている。ステップ部材33は、支軸43に軸装されたトーションスプリング44によって、図5において時計方向の回動習性が付与されてなる。ステップ部材33は、昇降装置1が未使用状態において、トーションスプリング44の弾性力により同図鎖線で示すように外装フレーム32側へと回動した状態に保持される。
【0054】
ステップ部材33は、昇降装置1が使用される場合に、ステップ駆動機構45によって回動操作される。ステップ駆動機構45は、ステップ部材33と把手部材34とに連結された連結ロッド46等の部材によって構成される。把手部材34は、金属パイプ材によって全体略U字状を呈して形成された部材であり、水平な基部34aを外装フレーム32の両側面32a、32bに設けた軸受け部32fに回転自在に軸装されている。把手部材34は、基部34aの両端を折曲された両腕部34b、34cが乗用部8の両側に位置して上方へと延在されている。
【0055】
把手部材34には、腕部34cの途中から、上述したスイッチボックス38の取付部を構成する支持部材47が前方に向かって一体に折曲形成されており、利用者Mが座椅子板40上に腰掛けた状態で使用する場合に操作が可能とされるように構成されている。把手部材34には、腕部34cに連結ロッド46の上端をリンク接続するブラケット部材48が取り付けられている。連結ロッド46は、他端部がステップ部材33にリンク接続されている。
【0056】
ステップ駆動機構45は、未使用状態において図5鎖線で示すように後方側へと回転された状態にある把手部材34を介して外装フレーム32に沿って折り畳まれた状態からステップ部材33を展開した状態とする。ステップ駆動機構45は、図5矢印で示すように把手部材34を手前側へと回転させることにより、連結ロッド46がトーションスプリング44の弾性力に抗してステップ部材33を支軸44を支点として回動させる。
【0057】
ステップ部材33は、ステップ駆動機構45を介して外装フレーム32から回動されることにより、図3及び図4に示すように階段2のステップ3に対して水平状態に展開される。ステップ部材33は、後述するように装置本体6が移動される際に、ステップ3に当たらない高さ位置に保持される。
【0058】
乗用部8には、外装フレーム32の背面側に背もたれ部材35が取り付けられている。背もたれ部材35は、金属パイプ材によって下向き略コ字状を呈して形成されており、図4に示すように利用者Mが座椅子板40上に腰掛けた状態で使用する場合において背もたれの作用を奏する。また、背もたれ部材35は、図5に示すように利用者Mがステップ部材33上に立った状態で使用する場合に、把手として作用する。
【0059】
なお、背もたれ部材35には、両側に位置してサイドアーム部35aがそれぞれ形成されており、利用者Mの腰部分を支えるとともに補強作用を奏している。背もたれ部材35には、中央部に位置して上述した上昇操作スイッチ39aや下降操作スイッチ39bを有するスイッチボックス39が設けられており、利用者Mがステップ部材33上に立った状態で使用する場合に、操作が可能とされるように構成されている。
【0060】
装置本体6は、利用者Mが乗用部に搭乗してスイッチボックス38或いはスイッチボックス39のスイッチ操作を行うことによってモータ26に電源が投入されてレール部材5上を上昇或いは下降移動する。装置本体6は、上部ゲート9に内蔵した電源部から電源ケーブル11を介してモータ26に電源の供給を行う。電源ケーブル11は、上述したようにレール部材5の内部に挿通されてガイドされるが、装置本体6の昇降移動に伴ってその長さが変化する。電源ケーブル11は、懸垂方向の長さが変わってその自重が大きく変化することで、そのまままでは引き出し或いは巻き取りの力が変動し装置本体6の昇降移動に影響を及ぼしたり撓み部位が装置本体6に巻き込まれて断線する虞があるといった問題を生じさせる。
【0061】
昇降装置1は、このためにレール部材5の内部に移動自在に設けたケーブルガイド部材18と補助ケーブルガイド部材49とによって電源ケーブル11を一定の状態に保持するように構成される。なお、昇降装置1は、移動距離が大きく電源ケーブル11が長くなって自重変化が大きくなる場合には、ケーブルガイド部材18に連結して補助ケーブルガイド部材49が設けられる。昇降装置1においては、1個ずつのケーブルガイド部材18と補助ケーブルガイド部材49とを設けるようにしたが、移動距離が大きくなる場合にはさらに複数台の補助ケーブルガイド部材49が設けられる。
【0062】
ケーブルガイド部材18と補助ケーブルガイド部材49とは、同一部材が用いられることから、図9及び図10を参照してケーブルガイド部材18の構成について代表して説明する。ケーブルガイド部材18は、レール部材5の第2の空間部14bとほぼ等しい厚みを有し、所定の重量を有するように適宜の金属材によって形成されたフレーム部50と、このフレーム部50の長さ方向の略中央部にボール軸受け51を介して回転自在に支持されたアイドルプーリ52と、フレーム部50の両端側に一体に腕状に立設された一対のケーブルホルダ部53a、53bと、フレーム部50の両端側の外側面にそれぞれ回転自在に設けられた前後それぞれ一対のガイドコロ54(54a、54b)、55(55a、55b)とを備えて構成される。
【0063】
ケーブルガイド部材18は、ガイドコロ54、55が第2の空間部14bの内面に前後かつ上下に相対向して形成されたガイドリブ56(56a、56b)、57(57a、57b)間で回転することにより、スムーズに移動することが可能である。ケーブルガイド部材18には、フレーム部50の一方側に一端を補助ケーブルガイド部材49と接続される所定の長さのワイヤ58の他端が固定されている。なお、補助ケーブルガイド部材49には、このワイヤが上部ゲート9と接続される所定の長さのワイヤ59とされる。また、複数個の補助ケーブルガイド部材49を備える場合には、相互に所定の長さを有するワイヤによって連結される。ケーブルガイド部材18は、アイドルプーリ52に電源ケーブル11を掛け合わせて折り返しガイドする。なお、補助ケーブルガイド部材49は、アイドルプーリ52に電源ケーブル11を走行させることにより途中での弛みを防止する。
【0064】
ケーブルガイド部材18は、後述するように装置本体6が昇降移動するにしたがってレール部材5の内部を昇降移動する。ケーブルガイド部材18は、装置本体6が例えば下降移動する際にその自重が電源ケーブル11に対する重りとなってレール部材5の内部を次第に上昇移動することで、懸垂長さが次第に変化する電源ケーブル11に途中での緩みが生じないように作用する。補助ケーブルガイド部材49は、途中からケーブルガイド部材18によって押し上げられて一体的に上昇移動することで、電源ケーブル11に対する負荷を大きくする。
【0065】
電源ケーブル11は、図1及び図11に示すように、一端を上部ゲート9の電源部に接続され、第1の部位11aがレール部材5の第1の空間部14a内を下方へと伸ばされてケーブルガイド部材18のアイドルプーリ52に掛け合わされる。電源ケーブル11は、アイドルプーリ52を半周回されて第2の部位11bが第2の空間部14b内を上方へ向かって折り返される。電源ケーブル11は、途中で補助ケーブルガイド部材49のアイドルプーリ52にガイドされて上部ゲート9のプーリ24に掛け合わされる。電源ケーブル11は、プーリ24を半周回された第3の部位11cがレール部13のケーブルガイド凹部13eが再びレール部材5の第4の空間部14d内を下方へ向かって折り返されて台車部7内へと引き込まれてその電源部に接続固定される。
【0066】
以下、図11を参照して電源ケーブル11の引き出し、巻き取り動作について説明する。なお、同図においては、説明の便宜上、レール部材5を水平に図示したが、階段2の傾斜に応じて傾斜設置されることは勿論である。昇降装置1においては、図11(A)に示すように装置本体6が最上位置にある状態では、電源ケーブル11の第3の部位11cの長さが最小でかつ第1の部位11aと第2の部位11bの長さが最大となっている。したがって、昇降装置1においては、第3の部位11cの自重も小さく撓みの発生もほとんど無く、装置本体6に巻き込まれる虞がほとんど無い。昇降装置1は、電源ケーブル11に対してケーブルガイド部材18の重量が作用されているが補助ケーブルガイド部材49の重量が負荷されていない。
【0067】
昇降装置1は、装置本体6が下方へと移動されることによって電源ケーブル11が、第3の部位11cが次第に長くなるとともに第1の部位11aと第2の部位11bの長さが次第に小さくなってケーブルガイド部材18を引張り上げるようにする。昇降装置1においては、第3の部位11cがその自重が次第に大きくなることで撓み易くなるが、ケーブルガイド部材18の重量が負荷されることで一定の状態に保持される。
【0068】
昇降装置1においては、装置本体6の移動距離が大きくなるにしたがって、電源ケーブル11の第3の部位11cの自重も大きくなってケーブルガイド部材18の重量による負荷だけでは撓みが生じ易くなる。昇降装置1においては、ケーブルガイド部材18がある位置まで上昇移動することにより、図11(B)に示すようにワイヤ59によって吊られた状態にある補助ケーブルガイド部材49に突き当たる。昇降装置1においては、装置本体6がさらに下降移動するにしたがってケーブルガイド部材18が補助ケーブルガイド部材49を押し上げてレール部材5の内部を一体的に上昇移動する。昇降装置1においては、電源ケーブル11に対してその第3の部位11cにケーブルガイド部材18と補助ケーブルガイド部材49との重量が負荷されることで撓みの発生が抑制される。
【0069】
昇降装置1においては、図11(c)に示すように装置本体6が最下位置に達した状態において、第3の部位11cの長さが最長となるとともに第1の部位11aと第2の部位11bの長さが最小となっている。昇降装置1においては、電源ケーブル11が、第3の部位11cに対してケーブルガイド部材18と補助ケーブルガイド部材49との重量が負荷されることで、この第3の部位11cに撓みが生じない安定した状態にある。
【0070】
昇降装置1においては、装置本体6が図11(c)の最下位置から上昇移動されることによって、電源ケーブル11が第3の部位11cの長さが次第に短くなるとともに第1の部位11aと第2の部位11bの長さが次第に大きくなる。昇降装置1においては、ケーブルガイド部材18と補助ケーブルガイド部材49とがその自重によってレール部材5の内部を次第に降下する。
【0071】
昇降装置1においては、装置本体6がある位置まで上昇移動すると、ケーブルガイド部材18と一体に降下移動していた補助ケーブルガイド部材49がワイヤ59によって吊られてレール部材5の途中で停止する。したがって、昇降装置1においては、電源ケーブル11に対してケーブルガイド部材18の自重のみが作用されるようになる。昇降装置1においては、電源ケーブル11がその自重とケーブルガイド部材18の自重とがバランスして安定した状態に保持される。
【0072】
以上のように構成された昇降装置1においては、利用者Mが例えば踊り場2aに近づくと、上部ゲート9のセンサが利用者Mを検出する。昇降装置1においては、装置本体6がタタキ2b側にある場合に、利用者Mにより上部ゲート9の上昇スイッチ9bが操作されて装置本体6の上昇移動が開始される。昇降装置1においては、装置本体6が上方位置まで移動すると、センサ検出により自動的に停止する。なお、昇降装置1においては、上部ゲート9のセンサが装置本体6の有無を同時に行って、この装置本体6を自動的に起動するようにしてもよい。
【0073】
昇降装置1においては、利用者Mが把手部材34を手前側へと回動操作することにより、折り畳まれた状態のステップ部材33が展開状態とされる。昇降装置1においては、利用者Mがステップ部材33上に立った状態或いは座椅子板40上に座った状態で乗用部8に搭乗し、スイッチボックス38或いはスイッチボックス39の下降操作スイッチ38b又は39bが操作される。昇降装置1においては、これによって台車部7のモータ26に電源が投入されて駆動歯車27が回転駆動される。昇降装置1においては、駆動歯車27がラック部材17に噛み合いながら回転駆動されることにより、装置本体6がレール部材5に沿って下降移動が行われる。
【0074】
昇降装置1においては、装置本体6がタタキ2bまで達するとセンサ検出により自動的に停止することで、利用者Mが乗用部8から降車する。昇降装置1においては、展開状態のステップ部材33がトーションスプリング44の弾性力によって自動的に折り畳まれた状態へと復帰する。なお、昇降装置1においては、下部ゲート10のセンサによって利用者Mの通過を確認した状態で所定の部位の初期状態へのリセット動作が行われるようにしてもよい。
【0075】
昇降装置1においては、レール部材5の内部に加温機構や水切り構造を設けた構造であることから、雪国の高床家屋等の外階段2に設置した場合においても装置本体6の走行障害や電源ケーブル11の凍結といった不都合の発生が抑制される。昇降装置1においては、高機能化されたレール部材5が、軽量であるとともに階段2のステップ3に簡易に設置が可能である。
【0076】
なお、上述した実施の形態においては、台車部7の外装フレーム25と乗用部8の外装フレーム32とによって構造体を構成するようにしたが、例えばこれら外装フレーム25、32とを一体化した構造としてもよい。かかる昇降装置は、構造体がレール部材5の傾斜に合わせて傾斜状態となるために、ステップ部材33等の乗用部位が角度調整されて組み合わされる構造となる。また、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、個々の構成等について適宜変更されることは勿論である。
【0077】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明にかかるモノレール型階段昇降装置によれば、全体として簡易で軽量であるとともに廉価に製造され、高床型家屋の玄関階段等に沿って簡易に設置することが可能である。したがって、昇降装置によれば、お年寄りや身障者等を抱えた一般家庭でも莫大な費用や玄関部分の大幅な改良を行うことなく設置することが可能であり、家族の負担を軽減させたりお年寄りや身障者等が安全に出入りが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態として示す昇降装置を階段に設置した状態を示す要部正面図である。
【図2】昇降装置に用いられるレール部材の縦断面図である。
【図3】昇降装置の使用状態を説明する図であり、利用者が立って搭乗した状態を示す。
【図4】昇降装置の使用状態を説明する図であり、利用者が座って搭乗した状態を示す。
【図5】昇降装置を構成する装置本体の構成を説明する一部切欠き側面図である。
【図6】装置本体に備えられる台車部の構成を説明する縦断面図である。
【図7】装置本体の正面図である。
【図8】装置本体の水平断面図である。
【図9】レール部材とその内部空間に移動自在に組み込まれるケーブルガイド部材の構成を説明する要部縦断面図である。
【図10】同レール部材とその内部空間に移動自在に組み込まれるケーブルガイド部材の構成を説明する要部縦断面図である。
【図11】ケーブルガイド部材による電源ケーブルのガイド動作の説明図である。
【符号の説明】
1 昇降装置、2 外階段、3 ステップ、4 取付ブラケット部材、5 レール部材、6 装置本体、7 台車部、8 乗用部、9 上部ゲート、10 下部ゲート、11 電源ケーブル、12 基台部、13 レール部、14 空間部、17 ラック部材、18 ケーブルガイド部材、19 発熱体、24 プーリ、25 外装フレーム、26 モータ、27 駆動歯車、28 第1のガイドコロ、29 第2のガイドコロ、32 外装フレーム、33 ステップ部材、34 把手部材、35 背もたれ部材、36 第3のガイドコロ、38、スイッチボックス、39 スイッチボックス、40 座椅子板、41 光源、42 取付ボルト、43 支軸、44 トーションスプリング、45 ステップ駆動機構、46 連結ロッド、49 補助ケーブルガイド部材、50 フレーム部、52 アイドルプーリ、58 ワイヤ、59 ワイヤ
Claims (4)
- ステップ上に固定した取付ブラケット部材を介して階段の傾斜角度に対応して設置角度を調整自在として設置され、全長に亘ってラックが形成されてなるレール部材と、
モータと、このモータにより回転駆動されるとともに前記レール部材のラックと噛合する駆動歯車とが内蔵され、前記レール部材の上端面上を回転する複数個のガイドコロを有し、前記レール部材に対してその傾斜角度に対応して傾斜されて跨座状態に組み合わされる台車部と、
前記台車部に水平状態に保持されるように傾斜された角度に調整して組み合わされることにより前記レール部材上を昇降移動される装置本体を構成し、前記レール部材の両側面上をそれぞれ回転することにより前記台車部側のガイドコロと共同して前記レール部材を挟み込む複数個のガイドコロと、ステップ部材と、腰掛け部と、上昇操作スイッチ及び下降操作スイッチとを有する乗用部と、
階段の上部に設置され、電源部と、前記モータを起動・停止させて前記装置本体の上昇操作及び下降操作を行う上昇操作スイッチ及び下降操作スイッチと、プーリとが設けられた上部ゲート部と、
階段の下部に設置され、上昇操作スイッチ及び下降操作スイッチが設けられた下部ゲート部と、
前記装置本体に対して電源を供給する電源ケーブルとを備え、
前記電源ケーブルは、一端が前記上部ゲート部の電源部と接続され、前記レール部材に設けた空間部内に移動自在に収納されたケーブルガイド部材に回転自在に支持されたアイドルプーリに掛け合わされて前記上部ゲート部へと折り返され、この上部ゲート部内に設けた前記プーリに掛け合わされて前記台車部へと導かれて前記モータと接続されることを特徴とするモノレール型階段昇降装置。 - 前記レール部材には、前記空間部内の全域若しくは一部に発熱体が収納されることを特徴とする請求項1に記載のモノレール型階段昇降装置。
- 前記レール部材には、前記空間部内に、前記ケーブルガイド部材のアイドルプーリと前記上部ゲート部内のプーリとの間において前記電源ケーブルをガイドする他のアイドルプーリを支持した少なくとも1個以上の補助ケーブルガイド部材が移動自在に収納され、前記各補助ケーブルガイド部材が、前記乗用部が上昇移動すると、所定の位置まで前記ケーブルガイド部材と一体的に下降移動した後に停止されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のモノレール型階段昇降装置。
- 前記乗用部には、透明若しくは半透明に形成された座椅子板が設けられるとともに、この座椅子板の内方に光源が配置され、利用者が搭乗した状態で前記光源が点灯することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のモノレール型階段昇降装置。
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