JP2005262701A - ポリエステル系樹脂支持体回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 支持体上に天然高分子系バインダー及び合成高分子系バインダーを使用し塗布膜を形成した記録材料から、記録材料用の支持体の原料として再使用出来る状態で生産性、採算性が良い支持体の回収方法の提供。
【解決手段】 ポリエステル系樹脂支持体上に塗布膜を有するチップ状の記録材料をアルカリ性処理液により処理槽中で処理し、該ポリエステル系樹脂支持体を回収するポリエステル系樹脂支持体回収方法において、該処理槽は少なくとも1箇所に超音波振動発生手段と、該超音波振動発生手段から200mm以下の範囲を該記録材料が通過する箇所とを有し、前記超音波振動発生手段から周波数20〜40kHz、出力0.1〜2000Wの超音波振動を発生させ、前記記録材料から塗布膜を分離・除去した後、ポリエステル系樹脂支持体を回収することを特徴とするポリエステル系樹脂支持体回収方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ポリエステル系樹脂支持体上に少なくとも1層の塗布膜を有する記録材料からポリエステル系樹脂支持体を回収する回収方法に関する。
ポリエステル系樹脂、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートはその優れた特性によりハロゲン化銀写真感光材料、熱現像写真感光材料、インクジェット記録材料、磁気記録材料等の記録材料の支持体として、及び液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイの各種表示装置に使用する光学フィルムとして情報記録産業界でも広く用いられている。ポリエステル系樹脂支持体を使用した記録材料の一例として写真感光材料の場合について図で概略説明する。
図8は写真感光材料の概略断面図である。
図中、5は写真感光材料を示す。5aはポリエステル系樹脂支持体を示し、5b、5cは下塗り層を示す。5dは下塗り層5cを介してポリエステル系樹脂支持体5a上に形成された塗布膜の感光層を示し、5eは感光層5dの上に形成された塗布膜の保護層を示す。5fは下塗り層5bを介してポリエステル系樹脂支持体5a上に形成された塗布膜のバッキング層を示す。感光層5dは必要に応じて多層から構成されている場合もあるし、上に保護層を塗設していない場合もある。感光層5d、保護層5e及びバッキング層5fには天然高分子バインダー又は合成高分子バインダーが作製する写真感光材料の種類により選択され使用されている。本発明では、塗布膜とは感光層と、保護層と、バッキング層とを含めた総称を言う。
近年、情報記録産業界は著しい発展を遂げつつあり使用されるポリエステル系樹脂材料も急増しつつある。それに伴い、製造工程において発生する廃棄対象物(例えば、生産端材、製品検査過程で発生する品質不良品等)、使用済み品も多量になりつつある。
これらポリエステル系樹脂材料の屑は殆どが有効利用されることなく埋め立て又は焼却処理で対応しているのが実状であるが、埋め立てでは腐敗消滅することは無く、焼却処理では焼却条件によりダイオキシンの発生を引き起こし、地球環境負荷を大きくする一因にもなっている。又、ポリエステル原料損失という問題点があり、省資源の面からも好ましくない。
特に、これらポリエステル系樹脂支持体を使用し、塗布膜のバインダーに合成高分子系素材を用いた記録材料に対しては、ポリエステル系樹脂支持体として再使用が出来る状態での回収が困難で、使用済み品及び生産端材については殆どが有効利用されることなく、やむなく、ダイオキシンの発生を抑えるために高温で焼却処理で対応していた。このため、高温の焼却処理に伴い焼却炉の傷みが早く維持費がかかり問題となっている。
これらの問題点を解決するために、ポリエステル系樹脂支持体を使用した記録材料からポリエステル系樹脂支持体を回収する方法が検討されてきた。例えば、塩化ビニリデン、イタコン酸、アクリル酸等の共重合体を下塗り層としたポリエステル系樹脂としてポリエチレンテレフタレート(PET)を使用した支持体を用いた印刷製版フィルムをアルカリ金属塩の水溶液中でカチオン系界面活性剤とともに50〜95℃で加熱処理することでPETを回収する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
下塗り層を有するポリエステル系樹脂支持体及びそれを用いたハロゲン化銀写真感光材料をチップ状に破砕し、界面活性剤(非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤)を併用し、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを含むアルカリ性処理液で温度70〜100℃で撹拌しながら加熱処理することでポリエステル系樹脂支持体(以下、単に支持体ともいう)を回収する方法が知られている(例えば、特許文献2を参照。)。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の回収方法では、支持体上に合成高分子バインダーを使用し、塗布膜を形成した記録材料から支持体を回収した場合、以下に示す問題点が挙げられる。1)塗布膜を有する支持体を、アルカリ性処理液で処理する前に破砕する際、支持体内部の割れ(デラミネーション)が発生し、この割れに剥離した塗布膜及びアルカリ性処理液による処理で発生するスラッジが入り込んだり、再付着した支持体、塗布膜が剥離せず残った支持体、剥離した塗布膜等の混入が生じ、記録材料用の支持体の原料として再使用するには純度的に不十分となり使用出来ないのが現状である。2)支持体内部の割れ(デラミネーション)を抑制させるため、一定剪断による細断方法でフィルムを微細化するため、高額な細断設備が必要となり、生産性、採算性を著しく落としていた。
特に記録材料用の支持体の原料として再使用する場合、要求される項目としては次の項目が挙げられる。1)性能に悪影響(例えば写真感光材料の場合、カブリ、増感・減感等の感度異常等)を与える不純物の混入がなく、2)物理的特性(色調、分子量分布等)が変化していないこと、3)撮影したときに画像に悪影響を与える異物の混入が無いこと等が挙げられる。
これらの状況から、支持体に天然高分子系バインダー及び合成高分子系バインダーを使用し塗布膜を形成した記録材料から、記録材料用(特に純度的に要求が高い写真感光材料用)の支持体の原料として再使用出来る状態で生産性、採算性が良い支持体の回収方法の開発が望まれている。
特開平11−302580号公報 特開平8−146560号公報
本発明は、上記状況に鑑み成されたものであり、その目的は、支持体上に天然高分子系バインダー及び合成高分子系バインダーを使用し塗布膜を形成した記録材料から、記録材料用の支持体の原料として再使用出来る状態で生産性、採算性が良い支持体の回収方法を提供することである。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成された。
(請求項1)
ポリエステル系樹脂支持体上に少なくとも1層の塗布膜を有するチップ状の記録材料をアルカリ性処理液により処理槽中で処理し、該記録材料から該塗布膜を分離・除去した後、該ポリエステル系樹脂支持体を回収するポリエステル系樹脂支持体回収方法において、
該処理槽は少なくとも1箇所に超音波振動発生手段と、
該超音波振動発生手段から200mm以下の範囲を前記記録材料が通過する箇所とを有し、
前記超音波振動発生手段から周波数20〜40kHz、出力0.1〜2000Wの超音波振動を発生させ、
前記記録材料から塗布膜を分離・除去した後、洗浄・脱水分離・乾燥工程を経てポリエステル系樹脂支持体を回収することを特徴とするポリエステル系樹脂支持体回収方法。
(請求項2)
前記アルカリ性処理液中の固形分濃度が0.1〜30質量%であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
(請求項3)
前記アルカリ性処理液による処理が、濃度が0.01〜4mol/Lの該アルカリ性処理液を使用し、温度70〜95℃、時間10〜120minで処理することを特徴とする請求項1又は2に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
(請求項4)
前記塗布膜が天然高分子系バインダー又は合成高分子系バインダーを使用していることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
(請求項5)
前記チップ状の記録材料は、外形サイズが0.1〜100mmの不定形であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
支持体上に天然高分子系バインダー及び合成高分子系バインダーを使用し塗布膜を形成した記録材料から、記録材料用の支持体の原料として再使用出来る状態で生産性、採算性が良い支持体の回収方法を提供することが出来、記録材料用の支持体の原料として再使用出来る状態で支持体の回収率を大幅に向上できるようになった。
本発明に係る実施の形態を図1〜図7を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は支持体の回収方法の一例を示す模式図である。
図中、1aはアルカリ性処理液により処理を行う処理部を示す。101は、支持体上に塗布膜を有する細断したチップ状の記録材料104を、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを含むアルカリ性処理液105で超音波振動を掛けながら加熱処理し、支持体から塗布膜を剥離する処理装置を示す。細断したチップ状の記録材料104としては、製造工程において発生する廃棄対象物(例えば、生産端材、製品検査過程で発生する品質不良品等)、使用済み品等が挙げられる。
処理装置101は、第1処理槽101aと、第2処理槽101bと、処理管101cとを有し、第1処理槽101aと第2処理槽101bとは処理管101cにより連結されている。102は処理管101cの周囲に配設された超音波振動発生手段を示す。超音波振動発生手段102は処理管101cの他に第1処理槽101aと、第2処理槽101bとにも配設してもかまわない。
103は固形物(チップ状の記録材料104、剥離した塗布膜(不図示)、アルカリ性処理液の処理で発生したスラッジ(不図示)等)を含むアルカリ性処理液を第1処理槽101aから第2処理槽101bへ(又は、第2処理槽101bから第1処理槽101aへ)送液するためのポンプを示す。処理管101cの本数は、処理量、処理槽の大きさに応じて複数本を配設することが可能である。107は撹拌羽根を示し106は撹拌用のモータを示す。第2処理槽101bも第1処理槽101aと同じように撹拌羽根と撹拌用のモータとを有している。第1処理槽101a、第2処理槽101b及び処理管101cには
加熱手段(不図示)と温度保持手段(不図示)とを有している。108は処理管101c中に第1処理槽101aから固形物(チップ状の記録材料104、剥離した塗布膜(不図示)、アルカリ性処理液の処理で発生したスラッジ(不図示)等)を含むアルカリ性処理液を満たす時の空気抜きを示す。109は処理管101cに設けられたバルブを示し、処理管101c中に第1処理槽101aから固形物(チップ状の記録材料104、剥離した塗布膜(不図示)、アルカリ性処理液の処理で発生したスラッジ(不図示)等)を含むアルカリ性処理液を満たす時は閉じておき、処理が終了した時点で開き、処理管101c中のアルカリ性処理液を第2処理槽101bに移動する。次に、処理装置101を使用した処理条件に付き説明する。
超音波振動発生手段102から発生させする超音波振動は、周波数20〜40kHz、出力0.1〜2000Wである。周波数が20kHz未満の場合は、発生する超音波振動のエネルギーが低くなるため、シート状の記録材料をチップ状にするときに発生した割れ、ヒビ等に付着した、処理により剥離した塗布膜及び処理で発生したスラッジ等を離脱させることが困難となり、これらが不純物として回収した支持体に混入するため好ましくない。周波数が40kHzを越えた場合は、発生する超音波振動のエネルギーが過度に強くなるため支持体が分解されて低分子化することにより、支持体の物理化学特性が変化してしまい、回収した支持体を再使用することが出来なくなるため好ましくない。
出力が0.1W未満の場合は、発生する超音波振動のエネルギーが低くなるため、シート状の記録材料をチップ状にするときに発生した割れ、ヒビ等に付着した剥離した塗布膜、スラッジ等を離脱させることが困難となり、これらが不純物として回収した支持体に混入するため好ましくない。出力が2000Wを越えた場合は、発生する超音波振動のエネルギーが過度に強くなるため、支持体が分解し物理化学特性が異なる部分が発生し、これらの箇所か不純物として回収した支持体に混入するため好ましくない。
アルカリ性処理液のアルカリ濃度は0.01〜4mol/Lが好ましい。アルカリ濃度が0.01mol/L未満の場合は、チップ状の記録材料からの塗布膜の剥離がし難くなり、処理時間が長くなること、及び塗布膜の残りが多くなる場合がある。アルカリ濃度が4mol/Lを越えた場合は、支持体の加水分解が進み、支持体の物理化学特性が変化し、記録材料の原料として再使用出来なくなる場合がある。
アルカリ性処理液の温度は70〜95℃が好ましい。温度が70℃未満の場合は、塗布膜の種類によっては剥離に時間が掛かり、完全に剥離しないで残り、不純物として混入し記録材料としての原料に再使用することが出来なくなる場合がある。温度が95℃を越えた場合は、支持体が劣化してしまい、記録材料としての原料に再使用することが出来なくなる場合がある。
時間は10〜120minが好ましい。時間が10min未満の場合は、塗布膜の種類によっては剥離しないで残る場合があり、記録材料としての原料に再使用することが出来なくなる場合がある。時間が120minを越えた場合は、支持体が劣化してしまい、記録材料としての原料に再使用することが出来なくなる場合がある。
アルカリ性処理液中の固形分濃度は0.1〜30質量%が好ましい。固形分濃度が0.1質量%未満の場合は、超音波振動のエネルギー効率が悪く、生産性が悪くなる場合がある。固形分濃度が30質量%を越えた場合は、チップ状の記録材料同士が超音波振動エネルギーの伝達の障害となり、塗布膜の剥離がされないで残るチップ状の記録材料が多くなる場合がある。
チップ状の記録材料は外形サイズが0.1〜100mmの不定形であることが好ましい。外形サイズとは、チップ状の記録材料の中心(重心)から最も遠い角の頂点までの距離の2倍の長さを言う。外形サイズが0.1mm未満の場合は、図1に示す回収方法の各送液管の太さによっては、送液管が詰まる危険がある。100mmを越えた場合も同様に、処理管101c、図1に示す回収方法の各送液管の太さによっては、処理管101c及び送液管が詰まる危険がある。又、アルカリ処理で超音波振動が均一に掛からなくなり部分的に塗布膜が残る場合がある。
処理装置101を使用したアルカリ性処理液105による処理は、次の方法で行うことが可能である。
1)必要とする濃度に調整したアルカリ性処理液を第1処理槽101aに入れる。2)次にチップ状の記録材料を固形分濃度0.1〜30質量%の範囲で第1処理槽101aに投入し、撹拌羽根により撹拌子ながら温度を設定温度に上げる。このとき第1処理槽101aに超音波振動発生手段が配設されている時は超音波振動を発生すると塗布膜の剥離が促進されるため好ましい。3)ポンプ103により第1処理槽101aの固形分を含んだアルカリ性処理液を処理管101cを充満させる分だけ送る。4)処理管101cが固形分を含んだアルカリ性処理液で充満された後、処理管101cの周囲に配設されている超音波振動発生手段により、超音波振動を発生させる。処理管101c内で処理が終了した後、ポンプ103を稼働させ、第1処理槽101aの固形分を含んだアルカリ性処理液を処理管101cを充満させる分だけ送り、処理終了した処理液を第2処理槽101bに送り出す。第1処理槽101aの固形分を含んだアルカリ性処理液が無くなるまで、同じ操作を行い、塗布膜の剥離処理を行う。第2処理槽101bでも超音波振動発生手段が配設されている場合は、処理液を撹拌しながら超音波振動を発生させることが好ましい。5)第1処理槽101aの固形分を含んだアルカリ性処理液が無くなり、処理管101c内で処理が終了した時点で、第2処理槽101bに移動した固形分を含んだアルカリ性処理液を第1処理槽101aへ3)〜4)の操作を行いながら移動する。
1)〜5)の操作を繰り返すことで塗布膜の除去が終了するが、繰り返す回数は塗布膜の種類、状態等により変化するため決めることは困難なため、処理を行いながら塗布膜の剥離状況を確認し適宜決めることが好ましい。
処理装置1によりチップ状の記録材料102を加熱処理することにより、アルカリ性処理液105中には、剥離した塗布膜と、塗布膜が剥離した支持体と、発生したスラッジと、剥離した塗布膜及び発生したスラッジが付着したチップ状の支持体等とを含む状態となる。
本図で示した処理装置は、処理管101cでの処理がバッチ処理の場合を示したが、処理方法はこれだけに限らず、例えば、第1処理槽101aと第2処理槽101bとを循環ポンプ(不図示)で繋ぎ、処理管101cへの送液ポンプを稼働させ、固形分を含んだアルカリ性処理液を循環させながら塗布膜の除去を行うことも可能である。
2は第1分離処理部を示し、ハイドロサイクロン201と、第1衝突型遠心脱水機202と、水切り手段203とを有している。水切り手段203としては特に限定はなく、例えばエアーサイクロン、スクリーンコンベア等が挙げられる。本図では、エアーサイクロンを使用した場合を示している。
201aはハイドロサイクロン201によりアルカリ性処理液より分離された固形物を受けるホッパーを示す。ハイドロサイクロン201と、第1衝突型遠心脱水機202と、エアーサイクロン203はいずれも市販のものを使用することが可能であり、処理量から適宜大きさを選択することが可能である。
第1分離処理部では、前工程のアルカリ性処理液から固形物を分離する工程である。処理部1からの固形物を含むアルカリ性処理液は、ハイドロサイクロン201の円柱部の201bの上部より、ハイドロサイクロンの円周方向の接線方向に10〜2500m/minの速度で導入することが好ましい。10m/min未満の場合は、ハイドロサイクロン本体中に渦流の発生が弱くなり、処理部から送られてくるアルカリ性処理液中の固形物の状態によっては分離が出来なくなる場合がある。2500m/minを越えた場合は、処理部から送られてくるアルカリ性処理液中の固形物の状態によっては、ハイドロサイクロンの下部のオリフィス201cに固形物が詰まり分離が出来なくなる場合がある。
ハイドロサイクロン201に導入するときの固形分濃度は0.1〜2質量%になるようにアルカリ性処理液を水で希釈することが好ましい。0.1質量%未満の場合は、水を多量に使用することになり、生産性を悪くする原因のひとつになる場合がある。2質量%を越えた場合は、細断したチップ状の記録材料の大きさによってはハイドロサイクロンが詰まってしまう場合がある。
ハイドロサイクロンの円周方向の接線方向に沿って導入されたアルカリ性処理液は、遠心力により固形物は、ハイドロサイクロン201のテーパー部201eを介してオリフィス201cよりホッパー201aに分離回収され、上部の排出口201dからは剥離した塗布膜と、発生したスラッジ等の一部を含むアルカリ処理液が排出される。
これら固形物から、支持体に再付着した塗布膜及びスラッジ、剥離した塗布膜、スラッジ等を分離除去するために、ホッパー201aから、水を加えて固形分濃度を0.1〜50質量%に調整し、第1衝突型遠心脱水機202の下部から導入される。
第1衝突型遠心脱水機202に導入された溶液は互いに衝突しながら上部に移動する間に付着物の一部及び剥離した塗布膜、スラッジ等が下部202aより排出される。上部202bからは支持体(塗布膜が剥離されたチップ状の支持体と、一部の塗布膜が残った支持体と、剥離した塗布膜及びスラッジ等が付着した支持体等とを含む)、分離出来ずに残った剥離した塗布膜等が排出される。
第1衝突型遠心脱水機202の上部202bから排出される支持体(塗布膜が剥離されたチップ状の支持体と、一部の塗布膜が残った支持体と、剥離した塗布膜及びスラッジ等が付着したチップ状の支持体等とを含む)、分離出来ずに残った剥離した塗布膜等は水切り手段であるエアーサイクロンに導入され付着している水が除去される。
この段階で回収された固形物は、塗布膜が剥離された支持体が主で、一部の塗布膜が残ったチップ状の支持体と、剥離した塗布膜が再付着した支持体と、アルカリ性処理液により生じたスラッジ等が付着したチップ状の支持体と、剥離した塗布膜と、アルカリ性処理液により生じたスラッジ等とが極微量混入しているため、記録材料の支持体に再利用出来る状態とはなっていない。
3は第2分離処理部を示し、高剪断撹拌装置301と第2衝突型遠心脱水機302とを有している。高剪断撹拌装置301と第2衝突型遠心脱水機302はいずれも市販のものを使用することが可能であり、処理量に合わせ適宜大きさを選択することが可能である。
第2分離処理部3は、第1分離処理部で回収された、極微量混在している剥離した塗布膜及びスラッジ等が付着しているチップ状の支持体から物理的な力により塗布膜及びスラッジ等の剥離と、剥離した塗布膜を細分化し除去し易くしチップ状の支持体を分離する工程である。
第1分離処理部2で回収された固形物は、水により固形分濃度を0.1〜50質量%に調整し、高剪断撹拌装置301に入れられる。尚、高剪断撹拌装置301の機構及び処理条件は図2を参照して説明する。
固形物は、高剪断撹拌装置301で高剪断力を掛けられて処理されることで、チップ状の支持体に残っている塗布膜、付着していた塗布膜及びスラッジ等が剥離されと同時に細分化される。又、同様に分離せずに残っていた剥離した塗布膜、スラッジ等も高剪断力を掛けられて処理されることで細分化され、水と混合した溶液となる。
この状態で第2衝突型遠心脱水機302に導入され処理されることで、チップ状の支持体と塗布膜、スラッジ等が分離され、チップ状の支持体が回収される。尚、第2衝突型遠心脱水機302からチップ状の支持体を回収するときは、第1分離処理部に示した様なエアーサイクロンを介して回収してもかまわない。この段階で回収されたチップ状の支持体は、極微量混入していた塗布膜、スラッジ等が付着しているチップ状の支持体から塗布膜、スラッジ等が除去され記録材料の支持体に再利用出来る状態となっている。第2衝突型遠心脱水機302の機構及び条件については図3で説明する。
4は水洗・乾燥部を示す。水洗・乾燥部4は、第2衝突型遠心脱水機302で分離された支持体を水洗し、乾燥する工程である。
401は水洗装置を示し、402は乾燥装置を示す。水洗装置401は回収された支持体を効率良く洗浄出来れば装置には特に限定はなく、例えば撹拌機が付いた水洗槽でもよく、水洗水をシャワーで欠けながら回転可能なメッシュのドラム式容器等でも良い。乾燥装置で乾燥が終了した段階で、記録材料の支持体の原材料に再利用出来る状態のチップ状の支持体の回収が終了する。
乾燥装置402も水洗装置401と同様に効率良く乾燥出来れば装置には特に限定はなく、例えば乾燥風を吹き付けながら回転可能なメッシュのドラム式容器等でも良い。
図1に示される、処理部、第1分離処理部、第2分離処理部、水洗・乾燥部は処理量によりバッチ処理、連続処理のいずれかを適宜選択して行うことが好ましい。
図2は図1に示す処理装置の概略平面図である。図2の(a)は処理管が1本の場合の図1に示す処理装置の概略平面図である。図2の(b)は処理管が3本の場合の図1に示す処理装置の概略平面図である。
図中、101c1〜101c3は処理管を示し、103a〜103cは各処理管101c1〜101c3に配設された送液用のポンプを示す。他の符号は図1と同義である。処理管の配設する本数は、処理量、処理槽の大きさにより適宜選択することが可能である。処理管の形状は処理管に配設した超音波振動発生手段から200mm以下の範囲をチップ状の記録材料が通過し、且つ超音波振動の伝達の障害となる箇所がなければ特に限定はなく、例えば断面形状が矩形、円形、楕円形であっても良い。処理管の容積は処理量に合わせ適宜決めることがことが好ましい。例えば、処理管を長くして一回の処理で処理を終了させる様に設計することも可能である。処理管に配設する超音波振動発生手段の数、配設位置は特に限定はなく、処理するチップ状の記録材料の種類、アルカリ処理液中の固形分濃度および超音波振動発生手段の大きさと合わせ適宜決めることが好ましい。
図3は図1のSで示される部分の拡大概略図である。図3の(a)は超音波振動発生手段が処理管の上下に配設されている場合の拡大概略図である。図3の(b)は超音波振動発生手段が処理管の片側に配設されている場合の拡大概略図である。
図中、Eは処理管の上下に超音波振動発生手段が配設されている場合の処理管の高さを示す。高さEは400mm以下である。この高さにすることで処理管の上下に配設した各超音波振動発生手段から200mm以下の範囲をチップ状の記録材料が通過することが可能となる。高さEが400mmを越えた場合(処理管の片側の超音波振動発生手段からチップ状の記録材料が通過する距離が200mmを越えた場合に相当する)は、超音波振動発生手段からの距離が遠くなるチップ状の記録材料が多くなり、超音波振動による効果が得られられなくなり、塗布膜の剥離がされないチップ状の記録材料が多くなり、不純物として混入するため記録材料用の材料として再使用出来なくなるため好ましくない。
Fは処理管の片方に超音波振動発生手段が配設されている場合の処理管の高さを示す。高さFは200mm以下である。この高さにすることで超音波振動発生手段から200mm以下の範囲をチップ状の記録材料が通過することが可能となる。高さFが200mmを越えた場合(処理管の超音波振動発生手段からチップ状の記録材料が通過する距離が200mmを越えた場合に相当する)は、超音波振動発生手段からの距離が遠くなるチップ状の記録材料が多くなり、超音波振動による効果が得られられなくなり、塗布膜の剥離がされないチップ状の記録材料が多くなり、不純物として混入するため記録材料用の材料として再使用出来なくなるため好ましくない。
処理管の容積は、超音波振動発生手段の配設する数及び処理管の長さと断面積から決まるため生産効率を考慮して適宜決めることが好ましい。あまり細くては、処理管の容積が足りなくなり、処理量が少なくなり生産効率が悪くなる場合がある。
本図に示す処理管が、チップ状の記録材料が超音波振動発生手段から200mm以下の範囲で通過する箇所となる。
図4は支持体の回収方法の他の一例を示す模式図である。
図中、1bはアルカリ性処理液により処理を行う処理部を示す。1b1は、支持体上に塗布膜を有する細断したチップ状の記録材料1b14を、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを含むアルカリ性処理液1b15で超音波振動を掛けながら加熱処理し、支持体から塗布膜を剥離する処理装置を示す。細断したチップ状の記録材料1b14としては、製造工程において発生する廃棄対象物(例えば、生産端材、製品検査過程で発生する品質不良品等)、使用済み品等が挙げられる。
処理装置1b1は、第1貯留槽1b12と、第2貯留槽1b13と、処理槽1b11とを有している。第1貯留槽1b12と第2貯留槽1b13との間に処理槽1b11が配設されている。1b16は処理槽1b11に配設された超音波振動発生手段を示す。超音波振動発生手段1b16を配設する数は処理槽1b11の大きさにより適宜決めることが可能である。又、処理槽1b11の片側のみ又は両側に配設することも可能である。本図は両側に配設した場合を示している。
1b17は第1貯留槽1b12中に入っているチップ状の記録材料1b14を含むアルカリ性処理液を処理槽1b11へ送液するためのポンプを示す。
第2貯留槽1b13は処理槽1b11で処理が終了し、固形物(塗布膜が剥離されたチップ状の支持体、剥離した塗布膜、処理で発生したスラッジ、剥離した塗布膜及び処理で発生したスラッジ等が付着したチップ状の支持体、極微量の一部の塗布膜が残ったチップ状の支持体等とを含む)を含むアルカリ性処理液を貯留する槽である。
1b19は撹拌羽根を示し1b18は撹拌用のモータを示す。第2貯留槽1b13も第1貯留槽1b12と同じように撹拌羽根と撹拌用のモータとを有することが好ましい。処理槽1b11には加熱手段(不図示)と温度保持手段(不図示)とを有している。第1貯留槽1b12にも加熱手段(不図示)と温度保持手段(不図示)とを配設することが好ましい。1b110は第1貯留槽1b12中に入っているチップ状の記録材料1b14を含むアルカリ性処理液を処理槽1b11へ満たす時の空気抜きを示す。1b111はバルブを示し、第1貯留槽1b12中に入っているチップ状の記録材料1b14を含むアルカリ性処理液を処理槽1b11へ満たすときは閉じ、処理が終了したときは開き、固形物(チップ状支持体、剥離した塗布膜(不図示)、アルカリ性処理液の処理で発生したスラッジ(不図示)等)を含むアルカリ性処理液を第2貯留槽1b13へ移すことが可能になっている。処理装置1b1を使用し、処理する場合の超音波振動発生手段1b16、アルカリ性処理液のアルカリ濃度、アルカリ性処理液の温度、時間、アルカリ性処理液中の固形分濃度、チップ状の記録材料は外形サイズ等の処理条件は全て図1に示す処理装置の場合と同じである。
処理装置1b1を使用したアルカリ性処理液1b15による処理は、次の方法で行うことが可能である。
1)必要とする濃度に調整したアルカリ性処理液を第1貯留槽1b12に入れる。2)次にチップ状の記録材料を固形分濃度0.1〜30質量%の範囲で第1貯留槽1b12に投入し、撹拌羽根により撹拌しながら設定温度に上げる。このとき第1貯留槽1b12に超音波振動発生手段が配設されている時は超音波振動を発生すると塗布膜の剥離が促進されるため好ましい。3)ポンプ1b17により第1貯留槽1b12の固形分を含んだアルカリ性処理液を処理槽1b11を充満させる分だけ送る。このときバルブ1b111は閉じた状態としておく。4)処理槽1b11が固形分を含んだアルカリ性処理液で充満された後、処理槽1b11に配設されている超音波振動発生手段により、超音波振動を発生させる。処理槽1b11内で処理が終了した後、バルブ1b111を開き、処理終了した処理液を第2貯留槽1b13に送り出す。5)バルブ1b111を閉じ、ポンプ1b7を稼働させ、第1貯留槽1b12の固形分を含んだアルカリ性処理液を処理槽1b11を充満させる分だけ送り、第1貯留槽1b12の固形分を含んだアルカリ性処理液が無くなるまで、1)〜5)の操作を行い、塗布膜の剥離処理を行う。
処理槽1b11で処理が終了した段階で、第2貯留槽1b13中のアルカリ性処理液1b5中には、剥離した塗布膜と、塗布膜が剥離した支持体と、発生したスラッジと、剥離した塗布膜及び発生したスラッジが付着したチップ状の支持体と、極微量の一部塗布膜が残っているチップ状の支持体等とを含む状態となる。
第2貯留槽1b13中のアルカリ性処理液1b15は、以降、図1に示す第1分離処理部2、第2分離処理部3、水洗・乾燥部4で図1で示した処理が行われ記録材料の支持体に再利用出来る状態のチップ状の支持体が回収される。
図5は図4に示す処理装置の概略図である。図5の(a)は図4に示す処理装置の概略斜視図である。図5の(b)は図5の(a)のA−A′に沿った概略断面図である。
図中、Gは処理槽の高さを示す。高さGは400mm以下である。この高さにすることで超音波振動発生手段から200mm以下の範囲をチップ状の記録材料が通過することが可能となる。高さGが400mmを越えた場合(処理槽の片側の各超音波振動発生手段からチップ状の記録材料が通過する距離が200mmを越えた場合に相当する)は、超音波振動発生手段からの距離が遠くなるチップ状の記録材料が多くなり、超音波振動による効果が得られられなくなり、塗布膜の剥離がされないチップ状の記録材料が多くなり、不純物として混入するため記録材料用の材料として再使用出来なくなるため好ましくない。
本図は、超音波振動発生手段が両側に配設された場合を示しているが、図3に示す様に片側だけであってもかまわない。片側の場合は、処理槽の高さは図3の(b)の場合と同じに200mm以下である。この高さにすることで各超音波振動発生手段から200mm以下の範囲をチップ状の記録材料が通過することが可能となる。高さが200mmを越えた場合(処理槽の超音波振動発生手段からチップ状の記録材料が通過する距離が200mmを越えた場合に相当する)は、超音波振動発生手段からの距離が遠くなるチップ状の記録材料が多くなり、超音波振動による効果が得られられなくなり、塗布膜の剥離がされないチップ状の記録材料が多くなり、不純物として混入するため記録材料用の材料として再使用出来なくなるため好ましくない。
処理槽の容積は、超音波振動発生手段の配設する数及び処理槽の長さと断面積から決まるため生産効率を考慮して適宜決めることが好ましい。あまり薄くては、処理槽の容積が足りなくなり、処理量が少なくなり生産効率が悪くなる場合がある。
本図に示す処理槽が、チップ状の記録材料が超音波振動発生手段から200mm以下の範囲で通過する箇所となる。
処理槽の形状は処理槽に配設した超音波振動発生手段から200mm以下の範囲でチップ状の記録材料が通過し、且つ超音波振動の伝達が障害となる箇所がなければ特に限定はなく、例えば断面形状が矩形、円形、楕円形であっても良い。処理槽の容積は処理量に合わせ適宜決めることがことが好ましい。
図1〜図5に示す処理装置を使用し、チップ状の記録材料に超音波振動を掛けながらアルカリ性処理液により処理し、支持体を回収することで次の効果が得られる。
1)シート状の記録材料をチップ状にするときに生じるヒビ、割れを有するチップ状の記録材料であっても、超音波振動によりヒビ、割れに挟まって剥離した塗布膜、スラッジが除去されるため、後処理が簡単で記録材料の原材料に再使用が可能な支持体を回収することが容易となった。
2)シート状の記録材料をチップ状にするときに生じるヒビ、割れに対して注意する必要が無くなり、通常の裁断装置を使用することが出来、高額な細断設備が不要となり生産効率、採算性の向上が可能となった。
図6は図1の第2分離処理部の高剪断撹拌装置であるヘンシェルミキサーの概略図である。図6の(a)はヘンシェルミキサーの概略断面図である。図2の(b)はヘンシェルミキサーの下羽根の概略斜視図である。図6の(c)はヘンシェルミキサーの上羽根の概略斜視図である。
第1分離処理部で回収した固形物からチップ状の支持体のみを回収するためには、これらに高剪断力を掛け、支持体に残存している塗布膜、支持体に再付着している塗布膜及びスラッジ等を剥離し細分化して除去する、及び混入している塗布膜を細分化して除去することが一番効果的であることが検討の結果明らかになった。
支持体に残存している塗布膜は、アルカリ性処理液で処理が終了している段階で下塗り層にアルカリ性処理液が染み込んでいる状態であるため塗布膜に高剪断力を掛けることで剥離が促進され易い状態となっている。又、支持体に付着している塗布膜及びスラッジ等も高剪断力を掛けることで剥離が促進される。剥離された塗布膜、スラッジ等は高剪断力を掛けることで細分化され次の工程で支持体との分離がし易くなる。
均等に高剪断力を掛ける最適な装置としてヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)が挙げられる。本図では高剪断撹拌装置としてヘンシェルミキサーを使用した場合に付き説明する。
図中、301aはヘンシェルミキサーの有底円筒状の胴部を示し、301bは蓋部を示す。301cは回転軸を示し、301dは回転軸31cに取り付けられた下羽根を示し、301eは回転軸301cに取り付けられた上羽根を示す。回転軸が回転(図中の矢印方向)することで胴部301aの液体は2つの方向の流れが発生する。1つは下羽根301dの回転により下から上向きの流れ(図中の矢印方向)が発生する。他の1つは上羽根301eの回転により水平方向の流れ(図中の矢印方向)が発生する。処理液中に固形物が存在する場合、固形物は、一旦上向きの流れに乗り流れ、次に下向きの流れに乗り、上羽根に接触することで剪断力が掛けられる。この様な流れを発生させるヘンシェルミキサーで一定時間処理することで固形物毎に高剪断力が均一に掛けられることで、支持体に残存していた塗布膜、付着していた塗布膜及びスラッジ、分離せずに残っていた塗布膜が剥離されると同時に細断され細分化することで次の工程で分離が容易となる。
下羽根及び上羽根の形状は特に限定は無く、被撹拌物の種類と固形物の濃度とにより適宜選択することが可能である。
ヘンシェルミキサー301における好ましい条件としては次の条件が挙げられる。固形分濃度は1〜70質量%が好ましい。1質量%未満の場合は、槽内旋回流が支配的となり、軸流が発生しなくなり、被撹拌物の種類と固形物の種類によっては上羽根による粉砕が出来なくなる場合がある。70質量%を越えた場合は、固形物の種類によっては、ブリッジを起こしやすくなり均一な撹拌が出来なくなる場合がある。
羽根の回転速度(羽根の先端の周速度)は10〜70m/secが好ましい。20m/sec未満では固形物毎に与える剪断力が小さくなり、付着した塗布膜及びスラッジの状態によっては剥離されなくなったり、剥離した塗布膜等が細分化しなくなる場合がある。70m/secを越えた場合は、塗布膜の種類によっては、剥離した塗布膜が撹拌に伴い温度が上昇し、塗膜中に使用しているバインダーの種類によっては粘性が上がり軟化し、剥離した塗膜が再び支持体に付着し、その後の工程で再付着した塗膜を剥離することが困難となる場合がある。
時間は、10〜30分が好ましい。10分未満の場合は、塗布膜の種類及び付着している異物の状態によって剥離が終了しない場合がある。30分を越えた場合は、内部の温度が上昇し塗膜中に使用しているバインダーの種類によっては粘性が上がり軟化し、剥離した塗膜が再び支持体に付着し、その後の工程で再付着した塗膜を剥離することが困難となる場合がある。
温度は、1〜40℃が好ましい。1℃未満の場合は、内容物の種類によっては部分的に凝固が生じ完全な流動が出来なくなる場合がある。40℃を越えた場合は、塗布膜の種類によっては、粘性を帯び始め支持体に再付着する場合がある。
図7は図1に示す第2衝突型遠心脱水機の概略図である。図7の(a)は図1に示す第2衝突型遠心脱水機の概略断面図である。図7の(b)は衝突型遠心脱水機の概略平面図である。
図中、302aは衝突型遠心脱水機の円筒状の外筒を示し、302bは外筒302aの内部に配設された回転ローターを示す。302cは円筒状の分離筒を示す。302dは回転ローター302bの駆動用のモータを示す。302c1は円筒状の分離筒302cに設けられた孔を示す。302b1は回転ローター302bの表面に取り付けられた撹拌羽根を示す。撹拌羽根は回転ローター302bが回転(図中の矢印方向)したとき、分離筒302cと回転ローター302bの外側との間隙303に供給口304から入れられた高剪断撹拌装置により処理された処理液が上方向の流れになるような角度で取り付けられている。回転ローター302bが回転することで遠心力が作用し、分離筒302cに設けられた孔からは支持体から剥離した塗布膜、スラッジ及び処理液が通過し除去され、支持体は通過しないで残り上部の排出口305から排出分離される。孔を通過した塗布膜、付着物が混入している処理液は外筒302aの下部の排出口306から排出される。孔302c1の大きさは、細断されたチップ状の記録材料の大きさに対して1/10〜1/2が好ましい。1/10未満の場合は、剥離した塗布膜の大きさ及び付着物の大きさによっては孔を通過しないで除去されない場合がある。1/2を越えた場合は、支持体の大きさによっては支持体が除去されてしまう場合がある。尚、細断されたチップ状の記録材料の大きさとは、細断されたチップ状の記録材料を100g取り、この中の各チップの最大長さを測定した平均値を示す。孔302c1の形状は特に限定はないが、円形が分離筒の清掃、強度維持、作りやすさの面から好ましい。
分離筒302cに設けられた孔302c1の開口率(孔の総面積/分離筒の総表面積×100で表される値)は、10〜80%が好ましい。更に、30〜60%が好ましい。10%未満の場合は、処理液中の固形物濃度によっては分離に時間が掛かり、作業効率が悪くなる場合がある。80%を越えた場合は、分離筒の材質によっては強度が不足し、分離筒のメンテナンスに時間と費用が掛かり、生産効率が悪くなる場合がある。
回転ローター302bの形状は高速回転が可能であるならば特に限定は無く、例えば円筒形、多角筒形等であってもかまわない。本図では円筒形の場合を示している。尚、第1分離処理部に使用している第1衝突型遠心脱水機も本図に示す第2衝突型遠心脱水機と同じ構造をしている。
衝突型遠心脱水機に入れる処理液の量は、固形分濃度と衝突型遠心脱水機の大きさにより適宜決めることが可能である。回転ローターの回転速度(周速度)は、5〜40m/secが好ましい。5m/sec未満の場合、処理液中の塗布膜の一部が残った支持体、剥離した塗布膜、アルカリ性処理液処理により発生したスラッジ及び剥離した塗布膜が付着している支持体の大きさによっては、衝突型遠心脱水機内にて固形物の巻き上がりが生じず、これらの支持体同士の衝突がなくなり、塗布膜及びアルカリ性処理液処理により発生したスラッジ等が分離出来なくなる場合がある。40m/secを越えた場合は、ロータの羽根により支持体が破損され微細化が進むため、分離筒に設けられた孔の大きさによっては、微細化した支持体か除去され、回収率が大幅に低下する場合がある。
図1〜図7に示す方法を用いてポリエステル系樹脂支持体を用いた記録材料を細断しチップ状し支持体を回収する効果として次の効果が挙げられる。
1)アルカリ性処理液による処理で剥離した塗布膜、発生したスラッジの支持体への再付着が無くなるため、回収された支持体の純度が高く、記録材料の支持体の原料(写真感光材料の支持体の原料)として再使用するとしてことが可能となった。
2)純度の高い支持体の回収率の向上が可能となった。
3)アルカリ性処理液による第1化学処理部以降の工程での処理が容易になり作業効率の向上が可能となった。
4)アルカリ性処理液による処理後の処理槽の清掃が容易になり作業効率の向上が可能となった。
5)再使用することが可能になったことに伴い、焼却処理又は埋め立て処理の必要が無くなり環境負荷を減少が可能となった。
本発明に係る支持体としては特に限定はなく、例えば特開2000−206646、同2001−290243、同2002−99063、同2002−116320、同2002−131872、同2002−250990、同2003−1774等に記載のものが挙げられる。
本発明に係る、支持体を用いた記録材料としては、天然高分子バインダー及び合成高分子バインダーを使用して塗布膜を形成した記録材料のいずれも対象とすることが可能である。天然高分子バインダーを用いた記録材料としては、例えば医療用、印刷用、一般用のハロゲン化銀写真感光材料が挙げられる。
本発明のポリエステル系樹脂支持体回収方法に適用する合成高分子バインダーを用いた記録材料としては、熱現像感光材料、放射線画像変換シート等が挙げられる。特に、特開平9−292671号、同9−304870号、同9−304871号、同9−304872号、同10−31282号、特開平10−62898号、特開平11−295844号、特開平11−352627号に開示されている熱現像感光材料が好ましい。
本発明において、支持体上に形成される塗布膜に用いる透明又は半透明の天然高分子、合成高分子バインダーとしては次のものが挙げられる。天然高分子バインダーとしては例えば:ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン、デンプン等が挙げられる。合成高分子バインダーとしては例えば:ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメチルメタクリル酸、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリビニルアセタール類(例えば、ポリビニルホルマール及びポリビニルブチラール)、ポリエステル類、ポリウレタン類、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリエポキシド類、ポリカーボネート類、ポリビニルアセテート、セルロースエステル類、ポリアミド類が広く用いられる。
塗布膜に用いるバインダーとしては、疎水性樹脂及び親水性樹脂のいずれでもよく、それぞれの適性に応じて使い分けられる。
好ましい疎水性樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明の具体的な効果を示すが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
実施例1
(チップ状の記録材料の準備)
10mm×10mm(外形サイズ14mm)の大きさのチップ状の記録材料(コニカミノルタエムジー(株)製SD−P(熱現像感光材料)の半切サイズ)を準備した。
〈支持体の回収〉
図1に示す方法に従って順次処理を行った。
(処理装置の準備)
図2の(a)に示す処理装置を準備した。加熱ジャケット付きの内径60cm、高さ70cmのステンレス製の第1処理槽、第2処理槽を準備した。処理管は加熱ジャケット付きのステンレス製とした。第1処理槽、第2処理槽には超音波振動発生手段を配設しなかった。処理管の長さは3mとし、超音波振動発生手段を上下160箇所に配設した。
(アルカリ性処理液による処理条件の設定)
表1に示す様に超音波振動発生手段による超音波振動発生条件を設定し1−1〜1−29とした。尚、超音波振動発生手段からの最大距離の変化は処理管の直径を変えることで行った。
第1処理槽、第2処理槽及び処理管における温度は90℃とし、処理管での処理時間は60分とした。第1処理槽処理槽の固形分濃度は10%、アルカリ性処理液としては濃度1mol/Lの水酸化ナトリウム溶液を使用した。
これらの条件で第1処理槽−処理管−第2処理槽を1サイクルとして2サイクル行った。
Figure 2005262701
(アルカリ性処理液から支持体の回収)
処理後、各処理済みアルカリ性処理液を図1に示す第1分離部、第2分離部、水洗、乾燥を行い支持体を回収し、試料101〜129とした。
〈第1分離部による分離処理〉
(ハイドロサイクロンによる分離)
図1に示すハイドロサイクロンを使用し、処理済みのアルカリ性処理液から固形物の分離を行った。使用したハイドロサイクロンは、円柱部長さ0.45m、円柱部内径0.3m、円錐部の長さ0.45m、円錐部テーパー度15%、オリフィス部内径5cmのものを使用し、ハイドロサイクロンの上部より、ハイドロサイクロンの円周接線方向に、流速100m/minの速度で処理済みのアルカリ性処理液を導入し処理を行った。
(第1衝突型遠心脱水機による分離)
ハイドロサイクロンにより各処理済みアルカリ性処理液から分離された固形物に、更に水を加え固形分濃度を50質量%に調整し、図1、図7に示す第1衝突型遠心脱水機の下部より、流速5m/minの速度で混合液を導入し、不要物の一部を分離した。尚、使用した第1衝突型遠心脱水機は、外筒直径0.4m、高さ1.5m、回転ローターの直径0.3m、直径1.5mのものを使用し、回転速度(回転周速)は15m/secで行った。尚、分離筒は、直径2mm(チップ状のSD−Pの大きさ(外形サイズ)に対して約1/5)の円形の孔が3mm間隔でチドリ状に配列し開孔率40%のものを使用した。
(エアーサイクロンによる水分、その他付着物等の分離)
第1衝突型遠心脱水機の上部より、各処理済みアルカリ性処理液から分離して排出されてくる固形物をエアーサイクロンにより、付着している水分、その他付着物を分離した。
〈第2分離処理部による固形物から塗布膜、スラッジ等の分離〉
第1分離処理部により分離された固形物から、支持体に残存している塗布膜、付着しているスラッジ及び塗布膜、分離せずに残っている剥離した塗布膜等を除去するために図1に示される第2分離処理部による処理を行った。
(高剪断撹拌装置による混合)
高剪断撹拌装置としてはヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製FM20C/L、上羽根はYi羽根、下羽根はSo羽根)を使用した。分離された固形物を図1、図6に示されるヘンシェルミキサーによる処理を行うため、固形分濃度が50質量%になるように水を加えて調整した。調製した処理液を、羽根の回転速度(羽根の先端の周速度)は40m/sec、温度30℃で10分間ヘンシェルミキサーによる処理を行った。
(第2衝突型遠心脱水機による分離)
ヘンシェルミキサーにより混合された混合液を、図1、図7に示す第2衝突型遠心脱水機の下部より、流速5m/minの速度で混合液を導入し、固形物より支持体の分離を行った。尚、使用した第2衝突型遠心脱水機は、第1衝突型遠心脱水機と同じ物を使用し、同じ条件で処理した。
(水洗・乾燥)
水洗は、図1に示す様にベルト式の搬送を行い、シャワーで、水量100L/min、搬送速度10m/minで行った。乾燥は、図1に示す様にベルト式の搬送を行い、温度70℃、乾燥風量100m3/minで行った。
(評価)
得られた各試料101〜129に付き、分子量測定、着色度測定、異物付着観察を行い、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表2に示す。尚、分子量測定は柴山科学機械製作所製粘度測定器SS−270LC−1を用いて測定し、得られた粘度から換算した。着色度測定は、各試料を使用し、日精樹脂工業(株)製射出成型機AU3Eを用いて、厚さ0.5mmのプレートを作製した。それぞれのプレートを(株)日立製作所製分光光度計U−3210を用いて測定した。
分子量の評価ランク
○:基準試料に対する差が10%未満
△:基準試料に対する差が10〜30%未満
×:基準試料に対する差が30%以上
尚、評価に使用した基準試料には、製膜直後の支持体を使用した。
着色度の評価ランク
○:基準試料に対する差が3%未満
△:基準試料に対する差が3〜5%未満
×:基準試料に対する差が5%以上
尚、評価に使用した基準試料には、製膜直後の支持体を細断し、各試料と同様に日精樹脂工業(株)製射出成型機AU3Eを用いて、厚さ0.5mmのプレートを作製した物を使用した。
異物付着観察
各試料101〜129につき、各10gを任意サンプリングし、目視により異物付着の有無を確認した。
異物付着の評価ランク
○:回収した支持体の全てに異物付着が認められない
△:回収した支持体の1枚に直径0.1mm程度の大きさの異物が1〜4個付着している
×:回収した支持体の1枚に直径0.1mm程度の大きさの異物が5個以上付着している
Figure 2005262701
以上の結果より、使用前のPETと同じ純度の支持体が回収されたことが確認され、本発明の有効性が確認された。
実施例2
(チップ状の記録材料の準備)
10mm×10mm(外形サイズ14mm)の大きさのチップ状の記録材料(コニカミノルタエムジー(株)製SD−P(熱現像感光材料)の半切サイズ)を準備した。
〈支持体の回収〉
図4に示す方法に従って順次処理を行った。
(処理装置の準備)
図4に示す処理装置を準備した。第1貯留槽は加熱ジャケット付きの内径60cm、高さ70cmのステンレス製とし、処理槽は加熱ジャケット付きのステンレス製とした。第2貯留槽は加熱装置は配設しなかった。第1貯留槽には超音波振動発生手段を配設しなかった。処理槽の長さは3m、幅1mとし、超音波振動発生手段を上下500箇所に配設した。
(アルカリ性処理液による処理条件の設定)
表3に示す様に超音波振動発生手段による処理条件を設定し2−1〜2−29とした。尚、超音波振動発生手段からの最大距離の変化は処理槽の高さを変えることで行った。
第1貯留槽、処理槽における温度は90℃とし、処理槽での処理時間は60分とした。処理槽処理槽の固形分濃度は10%、アルカリ性処理液としては濃度1mol/Lの水酸化ナトリウム溶液を使用した。
Figure 2005262701
(アルカリ性処理液から支持体の回収)
処理後、各処理済みアルカリ性処理液を図4に示す第1分離部、第2分離部、水洗、乾燥を行い支持体を回収し、試料201〜229とした。尚、第1分離部、第2分離部、水洗、乾燥の各条件は実施例1と同じ条件で行った。
(評価)
得られた各試料201〜229に付き、分子量測定、着色度測定、異物付着観察を実施例1と同じ条件で行い、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表4に示す。
Figure 2005262701
以上の結果より、使用前のPETと同じ純度の支持体が回収されたことが確認され、本発明の有効性が確認された。
実施例3
実施例1の試料No.124を作製するときに、チップ状の記録材料(SD−P)の外形サイズを表5に示す様にした他は全て同じ条件で処理し支持体の回収し試料301〜307とした。
(評価)
得られた各試料301〜307に付き、分子量測定、着色度測定、異物付着観察を実施例1と同じ方法で行い、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表5に示す。
Figure 2005262701
発明の有効性が確認された。
実施例4
実施例2の試料No.224を作製するときに、アルカリ性処理液中の固形分濃度を表6に示す様にした他は全て同じ条件で処理し支持体の回収し試料401〜409とした。
(評価)
得られた各試料401〜409に付き、分子量測定、着色度測定、異物付着観察を実施例1と同じ方法で行い、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表6に示す。
Figure 2005262701
以上の結果より、使用前のPETと同じ純度の支持体が回収されたことが確認され、本発明の有効性が確認された。
実施例5
実施例2の試料No.224を作製するときに、処理槽の温度及び処理時間を表7に示す様にした他は全て同じ条件で処理し支持体の回収し試料501〜514とした。
(評価)
得られた各試料501〜514に付き、分子量測定、着色度測定、異物付着観察を実施例1と同じ方法で行い、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表7に示す。
Figure 2005262701
以上の結果より、使用前のPETと同じ純度の支持体が回収されたことが確認され、本発明の有効性が確認された。
支持体の回収方法の一例を示す模式図である。 図1に示す処理装置の概略平面図である。 図1のSで示される部分の拡大概略図である。 支持体の回収方法の他の一例を示す模式図である。 図4に示す処理装置の概略図である。図5の(a)は図4に示す処理装置の概略斜視図である。 図1の第2分離処理部の高剪断撹拌装置であるヘンシェルミキサーの概略図である。 図1に示す第2衝突型遠心脱水機の概略図である。 写真感光材料の概略断面図である。
符号の説明
1a、1b 処理部
101、1b1 処理装置
101a 第1処理槽
101b 第2処理槽
101c、101c1〜101c3 処理管
102、1b6 超音波振動発生手段
105、1b5 アルカリ性処理液
1b12 第1貯留槽
1b13 第2貯留槽
1b11 処理槽
1b12 第1貯留槽
1b13 第2貯留槽
2 第1分離処理部
201 ハイドロサイクロン
202 第1衝突型遠心脱水機
203 エアーサイクロン
3 第2分離処理部
301 高剪断撹拌装置
302 第2衝突型遠心脱水機
401 水洗装置
402 乾燥装置

Claims (5)

  1. ポリエステル系樹脂支持体上に少なくとも1層の塗布膜を有するチップ状の記録材料をアルカリ性処理液により処理槽中で処理し、該記録材料から該塗布膜を分離・除去した後、該ポリエステル系樹脂支持体を回収するポリエステル系樹脂支持体回収方法において、
    該処理槽は少なくとも1箇所に超音波振動発生手段と、
    該超音波振動発生手段から200mm以下の範囲を前記記録材料が通過する箇所とを有し、
    前記超音波振動発生手段から周波数20〜40kHz、出力0.1〜2000Wの超音波振動を発生させ、
    前記記録材料から塗布膜を分離・除去した後、洗浄・脱水分離・乾燥工程を経てポリエステル系樹脂支持体を回収することを特徴とするポリエステル系樹脂支持体回収方法。
  2. 前記アルカリ性処理液中の固形分濃度が0.1〜30質量%であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
  3. 前記アルカリ性処理液による処理が、濃度が0.01〜4mol/Lの該アルカリ性処理液を使用し、温度70〜95℃、時間10〜120minで処理することを特徴とする請求項1又は2に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
  4. 前記塗布膜が天然高分子系バインダー又は合成高分子系バインダーを使用していることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
  5. 前記チップ状の記録材料は、外形サイズが0.1〜100mmの不定形であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
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