JP2005335076A - ポリエステル系樹脂支持体回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 支持体に天然高分子系バインダー及び合成高分子系バインダーを使用し塗布膜を形成した記録材料から、記録材料用の支持体の原料として再使用出来る状態で生産性、採算性が良い支持体の回収方法の提供。
【解決手段】 ポリエステル系樹脂支持体上に少なくとも1層の塗布膜を有する記録材料をアルカリ性処理液により処理し、該記録材料から該塗布膜を分離・除去した後、該ポリエステル系樹脂支持体を回収するポリエステル系樹脂支持体回収方法において、該記録材料を同一品種に分類する品種識別手段を有する分別部と、前記記録材料をチップ状の形態で、該アルカリ性処理液により処理する処理部と、第1分離処理部と、第2分離処理部と、中和処理部と、水洗・乾燥部とを有する回収装置を用いて、前記ポリエステル系樹脂支持体を回収することを特徴とするポリエステル系樹脂支持体回収方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ポリエステル系樹脂支持体上に少なくとも1層の塗布膜を有する記録材料からのポリエステル系樹脂支持体の回収方法に関する。
ポリエステル系樹脂、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートはその優れた特性によりハロゲン化銀写真感光材料、熱現像写真感光材料、インクジェット記録材料、磁気記録材料等の記録材料の支持体として、及び液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイの各種表示装置に使用する光学フィルムとして情報記録産業界でも広く用いられている。ポリエステル系樹脂支持体を使用した記録材料の一例として写真感光材料の場合について図で概略説明する
図8は写真感光材料の概略断面図である。
図中、15は写真感光材料を示す。15aはポリエステル系樹脂支持体を示し、15b、15cは下塗り層を示す。15dは下塗り層15cを介してポリエステル系樹脂支持体15a上に形成された塗布膜の感光層を示し、15eは感光層15dの上に形成された塗布膜の保護層を示す。15fは下塗り層15bを介してポリエステル系樹脂支持体15a上に形成された塗布膜のバッキング層を示す。感光層15dは必要に応じて多層から構成されている場合もあるし、上に保護層を塗設していない場合もある。感光層15d、保護層15e及びバッキング層15fには天然高分子バインダー又は合成高分子バインダーが作製する写真感光材料の種類により選択され使用されている。本発明では、塗布膜とは感光層と、保護層と、バッキング層とを含めた総称を言う。
近年、情報記録産業界は著しい発展を遂げつつあり使用されるポリエステル系樹脂材料も急増しつつある。それに伴い、製造工程において発生する廃棄対象物(例えば、生産端材、製品検査過程で発生する品質不良品等)、使用済み品も多量になりつつある。
これらポリエステル系樹脂材料の屑は殆どが有効利用されることなく埋め立て又は焼却処理で対応しているのが実状であるが、埋め立てでは腐敗消滅することは無く、焼却処理では焼却条件によりダイオキシンの発生を引き起こし、地球環境負荷を大きくする一因にもなっている。又、ポリエステル原料損失という問題点があり、省資源の面からも好ましくない。
特に、これらポリエステル系樹脂支持体を使用し、塗布膜のバインダーに合成高分子系素材を用いた記録材料に対しては、ポリエステル系樹脂支持体として再使用が出来る状態での回収が困難で、使用済み品及び生産端材については殆どが有効利用されることなく、やむなく、ダイオキシンの発生を抑えるために高温で焼却処理で対応していた。このため、高温の焼却処理に伴い焼却炉の傷みが早く維持費がかかり問題となっている。
これらの問題点を解決するために、ポリエステル系樹脂支持体を使用した記録材料からポリエステル系樹脂支持体を回収する方法が検討されてきた。例えば、塩化ビニリデン、イタコン酸、アクリル酸等の共重合体を下塗り層としたポリエステル系樹脂としてポリエチレンテレフタレート(PET)を使用した支持体を用いた印刷製版フィルムをアルカリ金属塩の水溶液中でカチオン系界面活性剤とともに50〜95℃で加熱処理することで下塗り層を剥離した後、支持体を取り出し水洗することでPETを回収する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
下塗り層を有するポリエステル系樹脂支持体及びそれを用いたハロゲン化銀写真感光材料をチップ状に破砕し、界面活性剤(非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤)を併用し、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを含むアルカリ性処理液で温度70〜100℃で撹拌しながら加熱処理した後、ポリエステル系樹脂支持体(以下、単に支持体ともいう)を取り出し水洗することで支持体を回収する方法が知られている(例えば、特許文献2を参照。)。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の回収方法では、支持体上に合成高分子バインダーを使用し、塗布膜を形成した記録材料から支持体を回収した場合、以下に示す問題点が挙げられる。1)市場から集めた記録材料は同一メーカーのみではなく、各メーカーの記録材料が混入しているため、これらの記録材料から回収した支持体は混合物となるため、同じ支持体の単一のバージン材料と物理化学特性が異なってきてしまうため記録材料用の原材料に使用することが困難となる。
2)各メーカー毎に、塗布膜を構成する素材が異なっているため、同じ条件で塗布膜の剥離する処理を行っても、剥離がされずに残る記録材料が混入し、塗布膜が未除去の記録材料の分離が困難となる。
3)再付着した支持体、塗布膜が剥離せず残った支持体、剥離した塗布膜等の混入が生じ、記録材料用の支持体の原料として再使用するには純度的に不十分となり使用が困難となる。
特に記録材料用の支持体の原料として再使用する場合、要求される項目としては次の項目が挙げられる。1)物理的特性(色調、分子量分布等)が変化していないこと、2)性能に悪影響(例えば写真感光材料の場合、カブリ、増感・減感等の感度異常等)を与える不純物の混入がなく、3)撮影したときに画像に悪影響を与える異物の混入が無いこと等が挙げられる。
これらの状況から、支持体に天然高分子系バインダー及び合成高分子系バインダーを使用し塗布膜を形成した記録材料から、記録材料用(特に純度的に要求が高い写真感光材料用)の支持体の原料として再使用出来る状態で生産性、採算性が良い支持体の回収方法の開発が望まれている。
特開平11−302580号公報 特開平8−146560号公報
本発明は上記状況に鑑みなされたものであり、その目的は、支持体に天然高分子系バインダー及び合成高分子系バインダーを使用し塗布膜を形成した記録材料から、記録材料用の支持体の原料として再使用出来る状態で生産性、採算性が良い支持体の回収方法を提供することである。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成された。
(請求項1)
ポリエステル系樹脂支持体上に少なくとも1層の塗布膜を有する記録材料をアルカリ性処理液により処理し、該記録材料から該塗布膜を分離・除去した後、該ポリエステル系樹脂支持体を回収するポリエステル系樹脂支持体回収方法において、
該記録材料を同一品種に分類する品種識別手段を有する分別部と、
前記記録材料をチップ状の形態で、該アルカリ性処理液により処理する処理部と、
第1分離処理部と、
第2分離処理部と、
中和処理部と、
水洗・乾燥部とを有する回収装置を用いることを特徴とするポリエステル系樹脂支持体回収方法。
(請求項2)
ポリエステル系樹脂支持体上に少なくとも1層の塗布膜を有する記録材料をアルカリ性処理液により処理し、該記録材料から該塗布膜を分離・除去した後、該ポリエステル系樹脂支持体を回収するポリエステル系樹脂支持体回収方法において、
該記録材料を同一品種に分類する品種識別手段を有する分別部と、
前記記録材料をシート状の形態で、該アルカリ性処理液により処理槽中で10-5〜105/secの剪断速度を掛け塗布膜を除去する処理部と、
湿式破砕装置でチップ状にする破砕部と、
洗浄・脱水分離部と、
乾燥部とを有する回収装置を用いて、前記ポリエステル系樹脂支持体を回収することを特徴とするポリエステル系樹脂支持体回収方法。
(請求項3)
ポリエステル系樹脂支持体上に少なくとも1層の塗布膜を有する記録材料をアルカリ性処理液により処理し、該記録材料から該塗布膜を分離・除去した後、該ポリエステル系樹脂支持体を回収するポリエステル系樹脂支持体回収方法において、
該記録材料を同一品種に分類する品種識別手段を有する分別部と、
前記記録材料をシート状の形態で、該アルカリ性処理液により処理槽中で10-5〜105/secの剪断速度を掛け塗布膜を除去する処理部と、
洗浄処理部と、
乾燥部とを有する回収装置を用いて、前記ポリエステル系樹脂支持体を回収することを特徴とするポリエステル系樹脂支持体回収方法。
(請求項4)
前記品種識別手段が、記録材料に設けられた識別マークを検出する第1検出手段と、該記録材料の終端部を検出する第2検出手段とを有し、該第1検出手段の情報に従って該記録材料を分別する分別手段とを有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
(請求項5)
前記第1検出手段が画像認識センサーであることを特徴とする請求項4に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
(請求項6)
前記第2検出手段がエリアセンサーであることを特徴とする請求項4に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
(請求項7)
前記塗布膜が天然高分子系バインダー又は合成高分子系バインダーを使用していることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
支持体に天然高分子系バインダー及び合成高分子系バインダーを使用し塗布膜を形成した記録材料から、記録材料用の支持体の原料として再使用出来る状態で生産性、採算性が良い支持体の回収方法を提供することが出来、記録材料用の支持体の原料として再使用出来る状態で支持体の回収率を大幅に向上できるようになった。
本発明に係る実施の形態を図1〜図6を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は同一品種のチップ状記録材料から支持体の回収方法の一例を示す模式図である。
図中、1aは回収装置を示す。回収装置1aは、集められた複数の種類を有するシート状記録材料201aを同一品種に分類する分別部2aと、アルカリ性処理液により処理を行う処理部3と、第1分離処理部4と、第2分離処理部5と、中和処理部6と、水洗・乾燥部7とを有している。
分別部2aは、集められた複数の種類を有するシート状記録材料を同一品種に分類する品種識別手段201と、分類されたシート状記録材料201bを細断し、チップ状記録材料201cにする細断装置202とを有している。品種識別手段201に関しては図2、図3説明する。
チップ状記録材料201cはコンベアベルト202aで次工程の処理部へ移動される。移動手段はコンベアベルトに限らず容器に受けて、手で運ぶことも勿論可能であり、処理量に合わせ適宜選択することが可能である。細断装置202は市販されているものを使用することが可能である。本図はコンベアベルト202aで直接に処理部へ移動する場合を示している。
チップ状記録材料の大きさとしては、外形サイズが0.1〜100mmの不定形であることが好ましい。外形サイズとは、チップ記録材料の中心(重心)から最も遠い角の頂点までの距離の2倍の長さを言う。外形サイズが0.1mm未満の場合は、図1に示す回収装置の各送液管の太さによっては、送液管が詰まる危険がある。100mmを越えた場合も同様に、図1に示す回収装置の各送液管の太さによっては、送液管が詰まる危険がある。又、次工程の洗浄処理で撹拌が充分に出来なくなったり、洗浄が不十分となりチップに付着しているスラッジ、再付着した塗布膜が残る場合がある。又、アルカリ処理での撹拌が均一に行われずに部分的に塗布膜が残る場合がある。
3はアルカリ性処理液により処理する処理部を示す。301は、支持体上に塗布膜を有する細断したチップ状記録材料202aを、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを含むアルカリ性処理液303で撹拌しながら加熱処理し、支持体から塗布膜を剥離する処理装置を示す。処理装置301は処理槽301aと撹拌羽根301bとを有している。細断したチップ状記録材料202aとしては、図1に示す品種識別手段により同一品種に分類された現像処理済みの記録材料(例えば、病院、印刷所等で発生する不要となった記録材料等)が挙げられる。
処理装置301による処理条件としては、アルカリ性処理液中の固形分濃度が0.1〜30質量%で、アルカリ性処理液の濃度が0.01〜4mol/Lで、温度が70〜95℃、時間10〜120minで処理することが好ましい。
アルカリ性処理液中の固形分濃度が0.1質量%未満の場合は、超音波振動のエネルギー効率が悪く、生産性が悪くなる場合がある。固形分濃度が30質量%を越えた場合は、チップ状の記録材料の撹拌が困難となりチップ状の記録材料同士の衝突による剪断力が掛けられなくなり、塗布膜の剥離がされないで残るチップ状の記録材料が多くなる場合がある。
アルカリ性処理液のアルカリ濃度が0.01mol/L未満の場合は、チップ状の記録材料からの塗布膜の剥離がし難くなり、処理時間が長くなること、及び塗布膜の残りが多くなる場合がある。アルカリ濃度が4mol/Lを越えた場合は、支持体の加水分解が進み、支持体の物理化学特性が変化し、記録材料の原料として再使用出来なくなる場合がある。
アルカリ性処理液の温度が70℃未満の場合は、塗布膜の種類によっては剥離に時間が掛かり、完全に剥離しないで残り、不純物として混入し記録材料としての原料に再使用することが出来なくなる場合がある。温度が95℃を越えた場合は、支持体が劣化してしまい、記録材料としての原料に再使用することが出来なくなる場合がある。
時間が10min未満の場合は、塗布膜の種類によっては剥離しないで残る場合があり、記録材料としての原料に再使用することが出来なくなる場合がある。時間が120minを越えた場合は、支持体が劣化してしまい、記録材料としての原料に再使用することが出来なくなる場合がある。
本図では、チップ状の記録材料のアルカリ処理を撹拌羽根による撹拌で行う場合を示しているが、方法は特に限定されることなく、例えば、超音波振動による方法であってもかまわない。
4は第1分離処理部を示し、ハイドロサイクロン401と、第1衝突型遠心脱水機402と、水切り手段403とを有している。水切り手段403としては特に限定はなく、例えばエアーサイクロン、スクリーンコンベア等が挙げられる。本図では、エアーサイクロンを使用した場合を示している。
401aはハイドロサイクロン401によりアルカリ性処理液より分離された固形物を受けるホッパーを示す。ハイドロサイクロン401と、第1衝突型遠心脱水機402と、エアーサイクロン403はいずれも市販のものを使用することが可能であり、処理量から適宜大きさを選択することが可能である。
第1分離処理部では、前工程のアルカリ性処理液から固形物を分離する工程である。処理部1からの固形物を含むアルカリ性処理液は、ハイドロサイクロン401の円柱部の401bの上部より、ハイドロサイクロンの円周方向の接線方向に10〜2500m/minの速度で導入することが好ましい。10m/min未満の場合は、ハイドロサイクロン本体中に渦流の発生が弱くなり、処理部1から送られてくるアルカリ性処理液中の固形物の状態によっては分離が出来なくなる場合がある。2500m/minを越えた場合は、処理部1から送られてくるアルカリ性処理液中の固形物の状態によっては、ハイドロサイクロンの下部のオリフィス201cに固形物が詰まり分離が出来なくなる場合がある。
ハイドロサイクロン401に導入するときの固形分濃度は0.1〜2質量%になるようにアルカリ性処理液を水で希釈することが好ましい。0.1質量%未満の場合は、水を多量に使用することになり、生産性を悪くする原因のひとつになる場合がある。2質量%を越えた場合は、細断したチップ状の記録材料の大きさによってはハイドロサイクロンが詰まってしまう場合がある。
ハイドロサイクロンの円周方向の接線方向に沿って導入されたアルカリ性処理液は、遠心力により固形物は、ハイドロサイクロン401のテーパー部401eを介してオリフィス401cよりホッパー401aに分離回収され、上部の排出口401dからは剥離した塗布膜と、発生したスラッジ等の一部を含むアルカリ処理液が排出される。
これら固形物から、支持体に再付着した塗布膜及びスラッジ、剥離した塗布膜、スラッジ等を分離除去するために、ホッパー401aから、水を加え固形分濃度を0.1〜50質量%の範囲に調整し、第1衝突型遠心脱水機402の下部から導入される。
第1衝突型遠心脱水機402に導入された溶液は互いに衝突しながら上部に移動する間に付着物の一部及び剥離した塗布膜、スラッジ等が下部402aより排出される。上部402bからは支持体(塗布膜が剥離された支持体と、一部の塗布膜が残った支持体と、剥離した塗布膜及びスラッジ等が付着した支持体等とを含む)、分離出来ずに残った剥離した塗布膜等が排出される。
第1衝突型遠心脱水機402の上部402bから排出される支持体(塗布膜が剥離された支持体と、一部の塗布膜が残った支持体と、剥離した塗布膜及びスラッジ等が付着した支持体等とを含む)、分離出来ずに残った剥離した塗布膜等は水切り手段であるエアーサイクロンに導入され付着している水が除去される。
この段階で回収された固形物は、塗布膜が剥離された支持体と、一部の塗布膜が残った支持体と、剥離した塗布膜が再付着した支持体と、アルカリ性処理液により生じたスラッジ等が付着した支持体と、剥離した塗布膜と、アルカリ性処理液により生じたスラッジ等とが混入しているため、未だ記録材料の支持体に再利用出来る状態とはなっていない。
5は第2分離処理部を示し、高剪断撹拌装置501と第2衝突型遠心脱水機502とを有している。高剪断撹拌装置501と第2衝突型遠心脱水機502はいずれも市販のものを使用することが可能であり、処理量に合わせ適宜大きさを選択することが可能である。
第2分離処理部5は、第1分離処理部で回収された剥離した塗布膜及びスラッジ等が付着している支持体から物理的な力により塗布膜及びスラッジ等の剥離と、剥離した塗布膜を細分化し除去し易くし支持体を分離する工程である。
第1分離処理部4で回収された固形物は、水により固形分濃度を0.1〜50質量%に調整し、高剪断撹拌装置501に入れられる。尚、高剪断撹拌装置501の機構及び処理条件は図4を参照して説明する。
固形物は、高剪断撹拌装置501で高剪断力を掛けられて処理されることで、支持体に残っている塗布膜、付着していた塗布膜及びスラッジ等が剥離されと同時に細分化される。又、同様に分離せずに残っていた剥離した塗布膜、スラッジ等も高剪断力を掛けられて処理されることで細分化され、水と混合した溶液となる。
この状態で第2衝突型遠心脱水機502に導入され処理されることで、支持体と塗布膜、スラッジ等が分離され、支持体が回収される。尚、第2衝突型遠心脱水機502から支持体を回収するときは、第1分離処理部に示した様なエアーサイクロンを介して回収してもかまわない。この段階で回収された支持体には、僅かな塗布膜、スラッジ等が付着している支持体と、細分化された塗布膜等が混入しているため、未だ記録材料の支持体に再利用出来る状態とはなっていない。第2衝突型遠心脱水機502の機構及び条件については図5で説明する。
6は第2分離処理部5より回収された支持体を記録材料の支持体に再利用出来る状態にする中和処理部を示す。601は、処理槽601aに入れられた、第2衝突型遠心脱水機502から回収した支持体602を、酸性処理液603で温度1〜95℃で攪拌機601bで撹拌しながら、支持体を処理する処理装置を示す。酸性処理液で処理ことにより、支持体602に付着している僅かな塗布膜、スラッジ、混入している微細な塗膜のバインダーが分解し、銀を硝酸銀として分離除去することが出来る状態となる。
酸性処理液で処理が終了した段階で回収された支持体は、異物の付着が無く、酸性処理液を分離することで記録材料の製造時に使用する支持体と同じ程度となっており、記録材料の支持体に再利用出来る状態となっている。
中和処理部で使用する酸性処理液としては特に限定は無く、例えば硝酸、ハロゲン化水素酸、硫酸等が挙げられ、特に硝酸、ハロゲン化水素酸が好ましい。酸性処理液の濃度は0.01〜10mol/Lが好ましい。0.01mol/L未満の場合は、バインダーの種類によっては塗膜のバインダーが分解せず、銀が溶液中に溶出しない場合がある。10mol/Lを越える場合は、設備に使用している材質によっては、腐食が進み生産に支障をきたす場合がある。
7は水洗・乾燥部を示す。水洗・乾燥部7は、中和処理部6で酸性処理液で処理した支持体を分離、水洗し、乾燥することで写真感光材料の支持体の原材料に再利用出来る状態にする工程である。
701は水洗装置を示し、702は乾燥装置を示す。水洗装置701は回収された支持体を効率良く洗浄出来れば装置には特に限定はなく、例えば、メッシュのベルト上でシャワーで水洗水を掛けてもよいし、撹拌機が付いた水洗槽でもよく、水洗水をシャワーで欠けながら回転可能なメッシュのドラム式容器等でも良い。本図はメッシュのベルト上でシャワーで水洗水を掛ける場合を示している。
乾燥装置702も水洗装置701と同様に効率良く乾燥出来れば装置には特に限定はなく、例えば、メッシュのベルト上で乾燥風を吹き付けてもよいし、乾燥風を吹き付けながら回転可能なメッシュのドラム式容器等でも良い。本図はメッシュのベルト上で乾燥風を吹き付けて乾燥する場合を示している。乾燥が終了した段階で、写真感光材料の支持体の原材料に再利用出来る状態の支持体の回収が終了する。
図1に示される、分別細断部、アルカリ性処理液による処理部、第1分離処理部、第2分離処理部、中和処理部、水洗・乾燥部は連続方式でもバッチ処理方式で行うことも可能であり、処理量に応じて適宜選択することが好ましい。
図2は品種識別手段の概略図である。図2の(a)は図1に示される品種識別手段の拡大概略図である。図2の(b)は図2の(a)に示される品種識別手段の概略平面図である。図2の(a)では、分別状態を示すため、駆動源、ガイドレール、外フレーム等は除いてある。
品種識別手段201は、集められた複数の種類を有するシート状記録材料201aを同一品種に分類するため一枚毎、検出部201eに送り出す給送部201dと、給送部201dから送られてくるシート状記録材料201aを検出する検出部201eと、検出部201eからの情報に従って分別する分別収納部201fとを有している。
供給部201dは集められた複数の種類を有するシート状記録材料201aを載置する載置台201d1と、載置台201d1の取り付け部201d2と給送部201d3とを有している。載置台201d1は、シート状記録材料の量に応じて上下に駆動源(不図示)により移動が可能となる様に取り付け部201d2に取り付けられている。又、特に上方への移動は、載置台201d1の上のシート状記録材料201aが一枚送り出される毎に常に回転ベルト201d31とシート状記録材料201aが接触する様に載置台201d1を上昇(図中の矢印方向)する様に制御手段(不図示)により駆動源(不図示)が制御されている。尚、載置台201d1はシート状記録材料201aを載置する際は、載置する位置まで下がる様になっている。
給送部201d3は給送用の回転ベルト201d31と、回転ベルト201d31の駆動用ローラー201d32と、駆動用ローラー201d32の駆動源201d33とを有している。給送手段は特に限定はなく、例えば、吸引方式、回転ベルト方式等が挙げられる。本図は回転ベルト方式の場合を示している。
検出部201eは、搬送用駆動ローラ201e11と、搬送用駆動ローラ201e11の駆動源201e10と、シート状記録材料201aの長辺側両端部に焼き込まれた識別マークを読みとる画像認識センサー201e1〜201e4と、シート状記録材料201aの終端部を検出するエリアセンサー201e9とを有している。
画像認識センサー201e1、201e2はシート状記録材料201aの長辺側両端部に焼き込まれた識別マークを読み取り用であり、画像認識センサー201e3、201e4はシート状記録材料201aの短辺側端部に焼き込まれた識別マークの読み取り用であるる。これら画像認識センサー201e1〜201e4と対応した位置の裏側に同じ画像認識センサー201e5〜201e8(図3を参照)が配設されている。
長辺側両端部に焼き込まれた識別マークの読み取り用の画像認識センサーの数及び短辺側端部に焼き込まれた識別マークの読み取り用の画像認識センサーの数は特に限定はなく、長辺側両端部及び短辺側端部に焼き込まれた識別マークの数に合わせて設定することが好ましい。本図では、長辺側両端部に各1つずつ、短辺側端部に2つを配設した場合を示している。
エリアセンサー201e9の情報に従って供給部201cの駆動源201c33により、駆動用ローラー201c32が作動し回転ベルト201c31が回転することで新たなシート状記録材料201aが検出部201eに給送するように制御されている。
201fは分別収納部を示す。201f1〜201f3は搬送部を示し、各々が個別に回転ロールにより回転するベルトにより構成されている。分別収納部201fの大きさ及び数は、分別する量及び種類により適宜設ければよく、本図の場合は3種類の分別を行う場合を示している。
搬送部201f1は搬送ベルト201f12と、3本の駆動ローラ201f13〜201f15と、駆動源201f16とを有しており、先端の駆動ローラ201f15は画像認識センサー201e1〜201e4の情報に応じて上下方向(図中の矢印方向)に移動が可能になっている。他の搬送部も同じ構成になっている。
搬送部201f1〜201f3は検出部の画像認識センサー201e1〜201e8の情報に従って、搬送部の一部が下がり(図中の矢印方向)シート状記録材料201aを分別収納部201fの各載置台201f11、201f21、201f31へ載置し分別するようになっている。本図では搬送部201f1のベルトの一部が下がりシート状記録材料201aからシート状記録材料201b3を分別収納部の載置台201f11へ載置し分別した状態を示している。分別しない場合は搬送部のベルトを水平に保つ位置に維持されるように制御されている。本図では搬送部201f1で分別を行うためベルトを下げ、他の搬送部201f2、201f3ではベルトを水平に維持している状態を示している。
201b1は搬送部201f3のベルトの一部が下がりシート状記録材料201aから分別収納部の載置台201f31へ載置し分別したシート状記録材料を示す。201b2は搬送部201f2のベルトの一部が下がりシート状記録材料201aから分別収納部の載置台201f21へ載置し分別したシート状記録材料を示す。
分別の方法は、画像認識センサーの情報に応じて分別出来れば特に限定はなく、例えばエアーで横方向に分別してもかまわない。
本発明に係る画像認識センサーとしては、CCDカメラを使用した画像認識センサーが好ましく、例えば(株)キーエンス製 XV−1000、CV−700、CV−300、CV−2000、CV−2500等が挙げられ。
本発明に係るエリアセンサーとしては、例えば、レーザー、超音波、エアー等を使用したものが挙げられ。これらの中で、特にレーザーを用いた方式が取り扱い易く、例えば(株)キーエンス製 LV−H32、LV−H35等が挙げられる。
図3は図2の(a)のTで示される部分の拡大概略図である。図3の(a)は図2の(a)のTで示される部分の拡大概略斜視図である。図3の(b)は画像認識センサーの画像検出範囲を示す概略図である。
図3の(a)ではシート状記録材料に対して配設された検出手段の配設状態を示すため周辺の部材は全て省略してある。
図中、201e5〜201e8は、画像認識センサー201e1〜201e4(図2を参照)と対応した位置の裏側に配設された画像認識センサーを示す。Oはシート状記録材料201aの長辺側両端部に焼き込まれた識別マークを読みとる画像認識センサー201e1の画像検出範囲を示す。画像認識センサー201e2の画像検出範囲は、画像認識センサー201e1と同じである。Pはシート状記録材料201aの短辺側両端部に焼き込まれた識別マークを読みとる画像認識センサー201e3の画像検出範囲を示す。Qはシート状記録材料201aの短辺側両端部に焼き込まれた識別マークを読みとる画像認識センサー201e4の画像検出範囲を示す。
画像認識センサーの画像検出範囲は予め分別するシート状記録材料に焼き込まれている識別マークから、各品種毎に設定することが好ましい。例えば、長辺側両端部に焼き込まれた識別マークを読み取る場合、A社は150mm、B社は230mm、C社は180mmと設定することが好ましい。短辺側両端部に焼き込まれた識別マークを読み取る場合の像認識センサーの画像検出範囲も同様にして設定することが好ましい。
図1〜図3に示される画像認識センサーによる集められた複数の種類を有するシート状記録材料の分別ついて以下に説明する。
S.1では、供給部の載置台に複数の種類を有するシート状記録材料が載置される。
S.2では、載置台上のシート状記録材料が給送部の回転ベルトに接触する位置まで上昇すし、回転ベルトにより検出部に一枚毎給送される。
S.3では、給送されたシート状記録材料の長辺側と短辺側に設けられた識別マークが画像認識センサーにより検出され、シート状記録材料の終端部がエリアレーザーセンサーにより検出される。
S.4では、画像認識センサーによる情報に従って分別収納部の駆動源により分別収納部の搬送部のロールの下方向への移動を制御する。これにより、複数の種類を有するシート状記録材料は品種毎に収納部で分別される。同時にエリアレーザーセンサーの情報に従って供給部の載置台が上に移動し、次のシート状記録材料の検出部への給送を行う。
S.1〜S.4の動作を繰り返し行うことで複数の種類を有するシート状記録材料は品種毎に分別され、図1に示される次工程のアルカリ処理液による処理部に単一品種のシート状記録材料の供給が可能となる。
図4は図1の第2分離処理部の高剪断撹拌装置であるヘンシェルミキサーの概略図である。図4の(a)はヘンシェルミキサーの概略断面図である。図4の(b)はヘンシェルミキサーの下羽根の概略斜視図である。図4の(c)はヘンシェルミキサーの上羽根の概略斜視図である。
第1分離処理部で回収した固形物から支持体のみを回収するためには、これらに高剪断力を掛け、支持体に残存している塗布膜、支持体に付着している塗布膜及びスラッジ等を剥離し細分化して除去する、及び混入している塗布膜を細分化して除去することが一番効果的であることが検討の結果明らかになった。
支持体に残存している塗布膜は、アルカリ溶液で処理が終了している段階で下塗り層にアルカリ溶液が染み込んでいる状態であるため塗布膜に高剪断力を掛けることで剥離が促進され易い状態となっている。又、支持体に付着している塗布膜及びスラッジ等も高剪断力を掛けることで剥離が促進される。剥離された塗布膜、スラッジ等は高剪断力を掛けることで細分化され次の工程で支持体との分離がし易くなる。
均等に高剪断力を掛ける最適な装置としてヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)が挙げられる。本図では高剪断撹拌装置としてヘンシェルミキサーを使用した場合に付き説明する。
図中、501aはヘンシェルミキサーの有底円筒状の胴部を示し、501bは蓋部を示す。501cは回転軸を示し、501dは回転軸501cに取り付けられた下羽根を示し、501eは回転軸501cに取り付けられた上羽根を示す。回転軸が回転(図中の矢印方向)することで胴部501aの液体は2つの方向の流れが発生する。1つは下羽根501dの回転により下から上向きの流れ(図中の矢印方向)が発生する。他の1つは上羽根501eの回転により水平方向の流れ(図中の矢印方向)が発生する。処理液中に固形物が存在する場合、固形物は、一旦上向きの流れに乗り流れ、次に下向きの流れに乗り、上羽根に接触することで剪断力が掛けられる。この様な流れを発生させるヘンシェルミキサーで一定時間処理することで固形物毎に高剪断力が均一に掛けられることで、支持体に残存していた塗布膜、付着していた塗布膜及びスラッジ、分離せずに残っていた塗布膜が剥離されると同時に細断され細分化することで次の工程で分離が容易となる。
下羽根及び上羽根の形状は特に限定は無く、被撹拌物の種類と固形物の濃度とにより適宜選択することが可能である。
ヘンシェルミキサー501における好ましい条件としては次の条件が挙げられる。固形分濃度は1〜70質量%が好ましい。1質量%未満の場合は、槽内旋回流が支配的となり、軸流が発生しなくなり、被撹拌物の種類と固形物の種類によっては上羽根による粉砕が出来なくなる場合がある。70質量%を越えた場合は、固形物の種類によっては、ブリッジを起こしやすくなり均一な撹拌が出来なくなる場合がある。
羽根の回転速度(羽根の先端の周速度)は10〜70m/secが好ましい。20m/sec未満では固形物毎に与える剪断力が小さくなり、付着した塗布膜及びスラッジの状態によっては剥離されなくなったり、剥離した塗布膜等が細分化しなくなる場合がある。70m/secを越えた場合は、塗布膜の種類によっては、剥離した塗布膜が撹拌に伴い温度が上昇し、塗膜中に使用しているバインダーの種類によっては粘性が上がり軟化し、剥離した塗膜が再び支持体に付着し、その後の工程で再付着した塗膜を剥離することが困難となる場合がある。
時間は、10〜30分が好ましい。10分未満の場合は、塗布膜の種類及び付着している異物の状態によって剥離が終了しない場合がある。30分を越えた場合は、内部の温度が上昇し塗膜中に使用しているバインダーの種類によっては粘性が上がり軟化し、剥離した塗膜が再び支持体に付着し、その後の工程で再付着した塗膜を剥離することが困難となる場合がある。
温度は、1〜40℃が好ましい。1℃未満の場合は、内容物の種類によっては部分的に凝固が生じ完全な流動が出来なくなる場合がある。40℃を越えた場合は、塗布膜の種類によっては、粘性を帯び始め支持体に再付着する場合がある。
図5は図1に示す第2衝突型遠心脱水機の概略図である。図4の(a)は図1に示す第2衝突型遠心脱水機の概略断面図である。図4の(b)は衝突型遠心脱水機の概略平面図である。
図中、502aは衝突型遠心脱水機の円筒状の外筒を示し、502bは外筒502aの内部に配設された回転ローターを示す。502cは円筒状の分離筒を示す。502dは回転ローター302bの駆動用のモータを示す。502c1は円筒状の分離筒502cに設けられた孔を示す。502b1は回転ローター502bの表面に取り付けられた撹拌羽根を示す。撹拌羽根は回転ローター502bが回転(図中の矢印方向)したとき、分離筒502cと回転ローター502bの外側との間隙503に供給口504から入れられた高剪断撹拌装置により処理された処理液が上方向の流れになるような角度で取り付けられている。回転ローター502bが回転することで遠心力が作用し、分離筒502cに設けられた孔からは支持体から剥離した塗布膜、スラッジ及び処理液が通過し除去され、支持体は通過しないで残り上部の排出口505から排出分離される。孔を通過した塗布膜、付着物が混入している処理液は外筒502aの下部の排出口506から排出される。孔502c1の大きさは、細断されたチップ状の写真感光材料の大きさに対して1/10〜1/2が好ましい。1/10未満の場合は、剥離した塗布膜の大きさ及び付着物の大きさによっては孔を通過しないで除去されない場合がある。1/2を越えた場合は、支持体の大きさによっては支持体が除去されてしまう場合がある。尚、細断されたチップ状の写真感光材料の大きさとは、細断されたチップ状の写真感光材料を100g取り、この中の各チップの最大長さを測定した平均値を示す。孔502c1の形状は特に限定はないが、円形が分離筒の清掃、強度維持、作りやすさの面から好ましい。
分離筒502cに設けられた孔502c1の開口率(孔の総面積/分離筒の総表面積×100で表される値)は、10〜80%が好ましい。更に、30〜60%が好ましい。10%未満の場合は、処理液中の固形物濃度によっては分離に時間が掛かり、作業効率が悪くなる場合がある。80%を越えた場合は、分離筒の材質によっては強度が不足し、分離筒のメンテナンスに時間と費用が掛かり、生産効率が悪くなる場合がある。
回転ローター502bの形状は高速回転が可能であるならば特に限定は無く、例えば円筒形、多角筒形等であってもかまわない。本図では円筒形の場合を示している。尚、第1分離処理部に使用している第1衝突型遠心脱水機も本図に示す第2衝突型遠心脱水機と同じ構造をしている。
衝突型遠心脱水機に入れる処理液の量は、固形分濃度と衝突型遠心脱水機の大きさにより適宜決めることが可能である。回転ローターの回転速度(周速度)は、5〜40m/secが好ましい。5m/sec未満の場合、処理液中の塗布膜の一部が残った支持体、剥離した塗布膜、アルカリ性処理液処理により発生したスラッジ及び剥離した塗布膜が付着している支持体の大きさによっては、衝突型遠心脱水機内にて固形物の巻き上がりが生じず、これらの支持体同士の衝突がなくなり、塗布膜及びアルカリ性処理液処理により発生したスラッジ等が分離出来なくなる場合がある。40m/secを越えた場合は、ロータの羽根により支持体が破損され微細化が進むため、分離筒に設けられた孔の大きさによっては、微細化した支持体か除去され、回収率が大幅に低下する場合がある。
図6は同一品種のシート状記録材料から支持体の回収方法の一例を示す模式図である。
図中、1bは回収装置を示す。回収装置1bは、集められた複数の種類を有するシート状記録材料201aを同一品種に分類する分別部2bと、アルカリ性処理液により処理を行う処理部8aと、破砕部9と、洗浄・脱水分離部10と、乾燥部11とを有している。処理部8aでは、分別部2bで同一品種に分類されたシート状記録材料201bをシート状の形態で処理を行う様になっている。
801は、処理槽801a内に入れられた処理枠801b中の支持体上に塗布膜を有するシート状記録材料201bを、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを含むアルカリ性処理液803で剪断速度を掛けながら加熱処理し、支持体から塗布膜を剥離する処理装置を示す。処理槽801aには、加熱手段(不図示)と温度保持手段(不図示)とを有している。シート状記録材料201bとしては、品種識別手段201により同一品種に分類された現像処理済みのシート状記録材料(例えば、病院、印刷所等で発生する不要となった記録材料、工程の製品検査で不要となった記録材料等)が挙げられる。
805は処理槽801aの底部に設けられた曝気装置を示す。曝気装置805は処理槽801aの底部に設けられた曝気ノズル805aと、空気を送る配管805bと、空気を送るポンプ805cとを有している。処理中に曝気することで塗布膜を有するシート状記録材料802に剪断速度を掛け、これにより塗布膜の除去が容易に行うことが可能となる。
処理槽801aでのアルカリ水溶液803による処理は、アルカリ水溶液の濃度、温度、時間は図1に示した処理装置と同じであるが、本図の処理槽での処理は10-5〜105/secの剪断速度を掛けながら行われる。剪断速度が10-5/sec未満の場合は、塗布膜を剥離するのに十分な剪断力が得られず、塗布膜の剥離が不十分となるため好ましくない。剪断速度が105/secを越える場合は、シート状記録材料に掛けられる剪断力が過大となり、支持体が破壊するため好ましくない。
塗布膜を有するシート状記録材料201bに10-5〜105/secの剪断速度を掛ける手段としてはこの他に超振動発生装置、ジェット水流発生装置等が挙げられ、適宜選択して使用することが好ましい。図6に示す曝気装置を使用する時は、処理槽の底部から処理枠の底部全体に気泡が当たる様にし、気泡の径が0.1〜100mmで、曝気濃度を1〜90%の条件で行うことで本発明に係る剪断速度を塗布膜を有するシート状記録材料201bに掛けることが可能となる。
9は処理部8aで処理が終了し、塗布膜が除去された湿った状態のシート状支持体804をチップ状にする破砕部を示す。901は湿式破砕装置を示し、901aは湿式破砕装置901により破砕されたチップ状支持体を示す。チップ状支持体はコンベアベルト902で次工程の洗浄部へ移動される。移動手段はコンベアベルトに限らず容器に受けて、手で運ぶことも勿論可能であり、処理量に合わせ適宜選択することが可能である。
湿式破砕装置901は市販されているものを使用することが可能である。処理部で処理が終了し、湿式破砕装置901で破砕する前に水洗処理を行うことも可能である。本図は、水洗しないで処理槽から処理枠を取り出し、処理枠を傾け直接に湿式破砕装置901に投入する場合を示している。
湿式破砕装置901で破砕されたチップ状支持体901aの大きさとしては、外形サイズが0.1〜100mmの不定形であることが好ましい。外形サイズとは、チップ状支持体の中心(重心)から最も遠い角の頂点までの距離の2倍の長さを言う。外形サイズが0.1mm未満の場合は、図5に示す回収方法の各送液管の太さによっては、送液管が詰まる危険がある。100mmを越えた場合も同様に、図6に示す回収方法の各送液管の太さによっては、送液管が詰まる危険がある。又、次工程の洗浄処理で撹拌が充分に出来なくなったり、洗浄が不十分となりチップに付着しているスラッジ、再付着した塗布膜が残る場合がある。
10は破砕部9の湿式破砕装置901により破砕されたチップ状支持体901aの洗浄と脱水を行う洗浄・脱水処理部を示す。洗浄・脱水処理部は、チップ状支持体901aを洗浄し、表面に付いているスラッジ、再付着した塗布膜を洗浄する洗浄部10aと、前の工程の洗浄液からチップ状支持体を分離する脱水分離部10bとを有している。
洗浄部10aは、洗浄容器10a2と、撹拌用のモータ10a3と、攪拌羽根10a4を取り付ける回転軸10a5とを有する洗浄装置10a1を有している。洗浄容器10a2でチップ状支持体901aを洗浄するときの固形分濃度としては、0.1〜50質量%が好ましい。0.1質量%未満の場合は、チップ状支持体が互いに衝突する回数が減少するし、チップ状支持体901aが攪拌羽根10a4と衝突する回数が減少し、チップ状支持体901aに付着しているスラッジ、再付着した塗布膜等が残るチップ状支持体が多くなる場合がある。50質量%を越える場合は、撹拌が十分に行うことが出来なくなり、チップ状支持体に剪断速度を与えることが無くなるため、チップ状支持体901aに付着しているスラッジ、再付着した塗布膜等が残るチップ状支持体が多くなる場合がある。本発明では、塗布膜が剥離した支持体と一部の塗布膜が残った支持体と、発生したスラッジと、剥離した塗布膜及び発生したスラッジが付着した支持体等とを含めて固形物と言う。洗浄装置10aはチップ状支持体を効率良く洗浄出来れば装置には特に限定はなく、例えば撹拌機が付いた洗浄槽でもよく、洗浄液をシャワーでかけながら回転可能なメッシュのドラム式容器等でも良い。本図は撹拌機が付いた洗浄槽の場合を示している。洗浄液としては、水、酸性液(希釈した酢酸溶液、硫酸溶液等)を使用することが好ましい。
脱水分離部10bは衝突型遠心脱水機10b1を有している。衝突型遠心脱水機10b1は市販のものを使用することが可能であり、処理量から適宜大きさを選択することが可能である。本図で示す衝突型遠心脱水機は図1に示す衝突型遠心脱水機と同じである。
洗浄容器10a2からの固形物を含む洗浄液は、衝突型遠心脱水機10b1の下部の導入管10b2から導入される。衝突型遠心脱水機10b1に導入された固形分を含む溶液は互いに衝突しながら上部に移動する間に再付着した塗布膜、スラッジ、洗浄液等が分離し下部の排水管10b3より排出される。上部の排出管10b3からはチップ状支持体901aが排出される。
この段階で回収されたチップ状支持体は、異物の付着が無く、付着している水分を除去することで記録材料の製造時に使用する支持体と同じ程度となっており、記録材料の支持体に再利用出来る状態となっている。
11は乾燥部を示す。乾燥部11は、洗浄・脱水分離部10で回収されたチップ状支持体901aを乾燥する工程である。11aは乾燥装置を示し、乾燥箱11a1と、乾燥風導入口11a2と、乾燥風吹き出し口11a3と、搬送ベルト11a4とを有している。衝突型遠心脱水機10b1の上部の排出管10b3から排出されたチップ状支持体901aは搬送ベルト11a4により、乾燥箱11a1に搬入され乾燥が行われ、チップ状支持体901aが回収される。乾燥装置11aで乾燥が終了した段階で、記録材料の支持体の原材料に再利用出来る状態の支持体の回収が終了する。乾燥装置11aは効率良く乾燥出来れば装置には特に限定はなく、例えば乾燥風を吹き付けながら回転可能なメッシュのドラム式容器等でも良い。尚、乾燥終了後のチップ状支持体を必要に応じてメッシュが異なる篩いに掛けてチップ状支持体の大きさを揃えることも可能である。
図6に示される、アルカリ処理部はバッチ処理で行う場合を示しているが、複数の処理枠801bをトロリーコンベアで移送しアルカリ処理部を連続的に行ってもかまわない。又、アルカリ処理後の破砕処理部、洗浄・脱水分離部、乾燥部はバッチ処理又は連続処理で行うことも可能であり、状況に応じて適宜選択することが出来る。
図7は同一品種のシート状記録材料からの支持体の回収方法の他の一例を示す模式図である。
図中、1cは回収装置を示す。回収装置1cは、集められた複数の種類を有するシート状記録材料201aを同一品種に分類する分別部2cと、アルカリ性処理液により処理を行う処理部8bと、細断部9と、洗浄処理部12と、乾燥部13とを有している。分別部2c及び処理部8bは図6に示す分別部2b、処理部8aと同じである。
洗浄処理部12は、処理部8bで処理が終了し、塗布膜が除去されたシート状支持体804を洗浄する工程である。12aは洗浄装置を示し、12a1は洗浄槽を示し、12a2は洗浄液の導入口を示し、12a3は洗浄液の流出口を示す。洗浄液としては、水、酸性液(希釈した酢酸溶液、硫酸溶液等)を使用することが好ましい。洗浄槽12a1には、前の工程で処理が終わった状態で塗布膜が除去されたシート状支持体804が入っている処理枠801bをそのまま収納し洗浄することが好ましい。又、洗浄効率を上げるため処理枠602の上部をネットで覆い、洗浄槽11a1中で回転するようにしてもかまわない。
洗浄槽12a1での洗浄効果を高めるために洗浄槽12a1に、アルカリ処理部の処理槽に使用した曝気装置、処理液を高速に移動する手段(超振動発生装置、ジェット水流発生装置等)等を配設することが好ましい。本図の場合は曝気装置を配設した場合を示している。
この段階で回収されたシート状支持体は、異物の付着が無く、付着している水分を除去することで記録材料の製造時に使用する支持体と同じ程度となっている。
13は洗浄部12で洗浄が終了したシート状支持体を乾燥する乾燥部を示す。13aは乾燥装置を示し、13a1は乾燥箱を示し、13a2は乾燥風の導入口(排気口)を示し、13a3は乾燥風の排気口(導入口)を示す。乾燥箱13a1には洗浄が終了したシート状支持体が入った処理枠801bをそのまま入れることが作業性の面から好ましい。乾燥風の温度は、乾燥するシート状支持体の種類、厚さ等により適宜調整することが可能である。乾燥が終了した段階で回収されたシート状支持体は、異物の付着が無く、記録材料の製造時に使用する支持体と同じ程度となっており、記録材料の支持体に再利用出来る状態となっている。
14は乾燥が終了したシート状支持体を再利用し易くするためにチップ状にする破砕処理部を示す。14aは破砕装置を示し、14bは破砕されたチップ状の支持体示し、14cはチップ状の支持体14bの移動用のコンベアベルトを示す。移動手段はコンベアベルトに限らず容器に受けて、手で運ぶことも勿論可能であり、処理量に合わせ適宜選択することが可能である。破砕装置13aは市販されているものを使用することが可能である。チップ状支持体の大きさは再利用に合わせて適宜決めることが可能である。例えば、ペレット化する際のペレタイザーの種類に合わせてチップの大きさを決めることが可能である。
尚、破砕終了後のチップ状支持体を必要に応じてメッシュが異なる篩いに掛けてチップ状支持体の大きさを揃えることも可能である。図7に示される、支持体の回収方法は各処理をバッチ処理で行う場合を示しているが、連続的に行うことも勿論可能である。他の符号は図6と同義である。尚、破砕処理部14は乾燥が終了し回収されたシート状支持体の取り扱いに合わせて配設することが好ましい。例えば、再使用のためペレット化を他の場所で行う場合は、ペレット化を行う場所まではシート状態で搬送することも可能である。又、同じ場所で再使用のためペレット化を行う場合は、乾燥終了後にチップ状にすることも可能である。
図1〜図6に示す回収装置を使用して、記録材料から支持体を回収することにより次の効果が得られる。
1)製造メーカー別で且つ異品種の混入を防止出来るため、回収した支持体の純度が高くなり、記録材料の原材料として利用価値の向上が可能となった。
2)分別作業が容易になったため、従来分別作業が大変で焼却処理していた記録材料が減少することで、環境負荷の低減が可能となった。
3)記録材料が同一品種であるため、記録材料に最適なアルカリ性処理液による処理条件で処理されるため、塗布膜の残りが無くなると同時に支持体の劣化もなくなり、後の工程が簡単になり生産効率の向上及び高品質の支持体の回収が可能となった。
本発明に係る支持体としては特に限定はなく、例えば特開2000−206646、同2001−290243、同2002−99063、同2002−116320、同2002−131872、同2002−250990、同2003−1774等に記載のものが挙げられる。
本発明に係る、支持体を用いた記録材料としては、天然高分子バインダー及び合成高分子バインダーを使用して塗布膜を形成した記録材料のいずれも対象とすることが可能である。天然高分子バインダーを用いた記録材料としては、例えば医療用、印刷用、一般用のハロゲン化銀写真感光材料が挙げられる。
本発明のポリエステル系樹脂支持体回収方法に適用する合成高分子バインダーを用いた記録材料としては、熱現像感光材料、放射線画像変換シート等が挙げられる。特に、特開平9−292671号、同9−304870号、同9−304871号、同9−304872号、同10−31282号、特開平10−62898号、特開平11−295844号、特開平11−352627号に開示されている熱現像感光材料が好ましい。
本発明において、支持体上に形成される塗布膜に用いる透明又は半透明の天然高分子、合成高分子バインダーとしては次のものが挙げられる。天然高分子バインダーとしては例えば:ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン、デンプン等が挙げられる。合成高分子バインダーとしては例えば:ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメチルメタクリル酸、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリビニルアセタール類(例えば、ポリビニルホルマール及びポリビニルブチラール)、ポリエステル類、ポリウレタン類、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリエポキシド類、ポリカーボネート類、ポリビニルアセテート、セルロースエステル類、ポリアミド類が広く用いられる。
塗布膜に用いるバインダーとしては、疎水性樹脂及び親水性樹脂のいずれでもよく、それぞれの適性に応じて使い分けられる。
好ましい疎水性樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明の具体的な効果を示すが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
実施例1
(記録材料の準備)
市場よりコニカミノルタ(株)の製品を中心として各種の品種が混ざった不要となったシート状記録材料(医療用フィルム)を回収(10,000枚)した。
(回収したシート状記録材料の分別)
画像認識センサーを図3に示す様に配設した図2に示す品種識別手段を使用し回収したシート状記録材料の内、5,000枚の中からコニカミノルタ(株)製の記録材料と、他の記録材料とに分別し、コニカミノルタ(株)製の記録材料を1−1とした。このとき、コニカミノルタ(株)製の記録材料を分別するために、長辺側の識別マークを検出するための画像認識センサーの画像検出範囲を150mm、短辺側の識別マークを検出するための各画像認識センサーの画像検出範囲を180mmに設定した。品種識別手段に使用した画像認識センサーは(株)キーエンス製 CV2500を使用し、エリアセンサーは、(株)キーエンス製 LV−H32を使用した。分別速度を5枚/秒として行った。
尚、比較として品種識別手段を使用せずに手作業で回収したシート状記録材料の内、5,000枚の中からコニカミノルタ(株)製の記録材料と、他の記録材料とに分別しコニカミノルタ(株)製の記録材料を1−2とした。
(分別したシート状記録材料の細断)
分別した各コニカミノルタ(株)製の記録材料1−1、1−2を、ダイカットロール方式の細断装置を用いて、外形サイズ40mmのチップ状記録材料とした。
〈支持体の回収〉
図1に示す方法に従って順次処理を行った。
(アルカリ性処理液による処理)
準備したチップ状記録材料の全量を濃度1mol/Lの水酸化ナトリウム溶液(アルカリ性処理液)100Lと円筒平底の処理槽中で混合し、撹拌羽根の回転速度(周速度)5m/秒、温度90℃で1時間、撹拌処理し塗布膜を剥離した。尚、使用した撹拌羽根は、回転したときの直径が処理槽の内径に対して0.5、羽根の処理槽の底面からの高さが浴槽の深さに対して0.5である2枚羽根を用いた。
(処理済みアルカリ性処理液から支持体の回収)
各処理済みアルカリ性処理液を図1に示す第1分離部、第2分離部、酸性処理液による処理、水洗、乾燥を行い支持体を回収し、試料とし101、102とした。
〈第1分離部による分離処理〉
(ハイドロサイクロンによる分離)
図1に示すハイドロサイクロンを使用し、処理済みのアルカリ性処理液から固形物の分離を行った。使用したハイドロサイクロンは、円柱部長さ0.45m、円柱部内径0.3m、円錐部の長さ0.45m、円錐部テーパー度15%、オリフィス部内径5cmのものを使用し、ハイドロサイクロンの上部より、ハイドロサイクロンの円周接線方向に、流速100m/minの速度で処理済みのアルカリ性処理液を導入し処理を行った。
(第1衝突型遠心脱水機による分離)
ハイドロサイクロンにより各処理済みアルカリ性処理液から分離された固形物に、更に水を加え固形分濃度を50質量%に調整し、図1に示す第1衝突型遠心脱水機の下部より、流速5m/minの速度で混合液を導入し、不要物の一部を分離した。尚、使用した第1衝突型遠心脱水機は、外筒直径0.4m、高さ1.5m、回転ローターの直径0.3m、直径1.5mのものを使用し、回転速度(回転周速)は15m/secで行った。尚、分離筒は、直径2.5mm(チップの大きさ(平均値)に対して1/5)の円形の孔が3mm間隔でチドリ状に配列し開孔率40%のものを使用した。
(エアーサイクロンによる水分、その他付着物等の分離)
第1衝突型遠心脱水機の上部より、各処理済みアルカリ性処理液から分離して排出されてくる固形物をエアーサイクロンにより、付着している水分、その他付着物を分離した。
〈第2分離処理部による固形物から塗布膜、スラッジ等の分離〉
第1分離処理部により分離された固形物から、支持体に残存している塗布膜、付着しているスラッジ及び塗布膜、分離せずに残っている剥離した塗布膜等を除去するために図1に示される第2分離処理部による処理を行った。
(高剪断撹拌装置による混合)
高剪断撹拌装置としてはヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製FM20C/L、上羽根はYi羽根、下羽根はSo羽根)を使用した。分離された固形物を図1、図2に示されるヘンシェルミキサーによる処理を行うため、固形分濃度が50質量%になるように水を加えて調整した。調製した処理液を、羽根の回転速度(羽根の先端の周速度)は40m/sec、温度30℃で10分間ヘンシェルミキサーによる処理を行った。
(第2衝突型遠心脱水機による分離)
ヘンシェルミキサーにより混合された混合液を、図1、図3に示す第2衝突型遠心脱水機の下部より、流速5m/minの速度で混合液を導入し、固形物より支持体の分離を行った。尚、使用した第2衝突型遠心脱水機は、第1衝突型遠心脱水機と同じ物を使用し、同じ条件で処理した。
(酸性溶液による処理)
第2衝突型遠心脱水機により分離された固形物(支持体)から異物を除去するために濃度5mol/Lの硝酸溶液により、温度50℃で、60分間処理した後、水洗処理・乾燥を行った。
(評価)
得られた各試料101、102に付き、分子量測定、着色度測定、異物付着観察を行い、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表1に示す。尚、分子量測定は柴山科学機械製作所製粘度測定器SS−270LC−1を用いて測定し、得られた粘度から換算した。着色度測定は、各試料を使用し、日精樹脂工業(株)製射出成型機AU3Eを用いて、厚さ0.5mmのプレートを作製した。それぞれのプレートを(株)日立製作所製分光光度計U−3210を用いて測定した。
分子量の評価ランク
○:基準試料に対する差が10%未満
△:基準試料に対する差が10〜30%未満
×:基準試料に対する差が30%以上
尚、評価に使用した基準試料には、製膜直後の支持体を使用した。
着色度の評価ランク
○:基準試料に対する差が3%未満
△:基準試料に対する差が3〜5%未満
×:基準試料に対する差が5%以上
尚、評価に使用した基準試料には、製膜直後の支持体を細断し、各試料と同様に日精樹脂工業(株)製射出成型機AU3Eを用いて、厚さ0.5mmのプレートを作製した物を使用した。
異物付着
各試料101、102につき、各10gを任意サンプリングし、目視により異物付着の有無を確認した。
異物付着の評価ランク
○:回収した支持体の全てに異物付着が認められない
△:回収した支持体の1枚に直径0.1mm程度の大きさの異物が1〜4個付着している
×:回収した支持体の1枚に直径0.1mm程度の大きさの異物が5個以上付着している
Figure 2005335076
試料No.101は使用前のPETと同じ純度の支持体が回収されたことが確認されが、試料No.102は分子量分布、着色度で使用前のPETに比べ劣り、記録材料用の支持体の材料として使用するのは困難と判断した。又、試料No.102の品質が劣った原因として、人手による分別であるためコニカミノルタ(株)製以外の記録材料が数枚混入したものと推定する。本発明の有効性が確認された。
実施例2
(記録材料の準備)
市場よりコニカミノルタ(株)の製品を中心として各種の品種が混ざった不要となったシート状記録材料(医療用フィルム)を回収(10,000枚)した。
(回収したシート状記録材料の分別)
画像認識センサーを図3に示す様に配設した図2に示す品種識別手段を使用し回収したシート状記録材料の内、5,000枚の中からコニカミノルタ(株)製の記録材料と、他の記録材料とに分別し、コニカミノルタ(株)製の記録材料をAとした。このとき、コニカミノルタ(株)製の記録材料を分別するために、長辺側の識別マークを検出するための画像認識センサーの画像検出範囲を150mm、短辺側の識別マークを検出するための各画像認識センサーの画像検出範囲を180mmに設定した。品種識別手段に使用した画像認識センサーは(株)キーエンス製 CV2500を使用し、エリアセンサーは(株)キーエンス製 LV−H32を使用した。分別速度を5枚/秒として行った。
尚、比較として品種識別手段を使用せずに手作業で回収したシート状記録材料の内、5000枚の中からコニカミノルタ(株)製の記録材料と、他の記録材料とに分別しコニカミノルタ(株)製の記録材料をBとした。
〈支持体の回収〉
図6に示す方法に従って順次処理を行った。
(アルカリ性処理液による処理)
準備した各シート状記録材料A、Bを処理枠に入れた後、濃度1mol/Lの水酸化ナトリウム溶液100Lのアルカリ性処理液が入っている処理槽に浸漬し、表2に示す様に剪断速度を変化た処理条件で行った。尚、アルカリ性処理液の温度は90℃、時間は60minとし、剪断速度は曝気の気泡の径と曝気濃度を変えることで調整した。
Figure 2005335076
(処理済みアルカリ性処理液から支持体の回収)
アルカリ性処理液による処理が終了した後、処理枠を取り出しシャワーで洗浄し、図6に示す湿式破砕機で外形サイズが0.1〜100mmの不定形のチップ状に破砕し、洗浄、脱水・乾燥を行い試料を作製し201〜214とした。
(チップ状支持体の洗浄)
洗浄液として水を使用し、固形分濃度を20質量%として30min、撹拌羽根の周速度20m/secで行った。
(衝突型遠心脱水機による分離)
チップ状支持体を含む洗浄液を図6に示す衝突型遠心脱水機の下部より、流速5m/minの速度で混合液を導入し、チップ状支持体を分離した。尚、使用した衝突型遠心脱水機は、外筒直径0.4m、高さ1.5m、回転ローターの直径0.3m、直径1.5mのものを使用し、回転速度(回転周速)は15m/secで行った。尚、分離筒は、直径2.5mm(チップの大きさ(平均値)に対して1/5)の円形の孔が3mm間隔でチドリ状に配列し開孔率40%のものを使用した。
(チップ状支持体の乾燥)
チップ状支持体の乾燥は乾燥温度70℃、風量10m3/min、ベルト速度5m/minで行った。
(評価)
得られた各試料201〜214につき、分子量測定、着色度測定、異物付着観察を実施例1と同じ方法で行い、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表3に示す。
Figure 2005335076
試料No.202〜206は使用前のPETと同じ純度の支持体が回収されたことが確認されが、試料No.207〜214は分子量分布、着色度で使用前のPETに比べ劣り、記録材料用の支持体の材料として使用するのは困難と判断した。試料No.201はアルカリ処理時の剪断力が不足により、塗布膜の剥離が不完全の物が混入したためと推定する。試料No.207はアルカリ処理時の剪断力が高すぎることでシート状記録材料の一部が破壊(ヒビ、亀裂)し、これらの箇所に剥離した塗布膜、発生したスラッジ等が挟まりった状態の支持体が混入したためと推定する。試料No.208はアルカリ処理時の剪断力が不足により、塗布膜の剥離が不完全の物が混入したため及び人手による分別であるためコニカミノルタ(株)製の以外の記録材料が数枚混入したものと推定する。試料No.214はアルカリ処理時の剪断力が高すぎることでシート状記録材料の一部が破壊(ヒビ、亀裂)し、これらの箇所に剥離した塗布膜、発生したスラッジ等が挟まりった状態の支持体が混入したため及び人手による分別であるためコニカミノルタ(株)製の以外の記録材料が数枚混入したものと推定する。又、試料No.209〜213の品質が劣った一つの原因として、人手による分別であるためコニカミノルタ(株)製の以外の記録材料が数枚混入したものと推定する。本発明の有効性が確認された。
同一品種のチップ状記録材料から支持体の回収方法の一例を示す模式図である。 品種識別手段の概略図である。 図2の(a)のTで示される部分の拡大概略図である。 図1の第2分離処理部の高剪断撹拌装置であるヘンシェルミキサーの概略図である。 図1に示す第2衝突型遠心脱水機の概略図である。 同一品種のシート状記録材料から支持体の回収方法の一例を示す模式図である。 同一品種のシート状記録材料からの支持体の回収方法の他の一例を示す模式図である。 写真感光材料の概略断面図である。
符号の説明
1a、1b、1c 回収装置
2a、2b、2c 分別部
201 品種識別手段
201a、201b、901a シート状記録材料
201c、202a チップ状記録材料
201d 供給部
201d1 載置台
201d2 取り付け部
201d3 給送部
201e 検出部
201e1〜201e8 画像認識センサー
201e9 エリアレーザーセンサー
201f 分別収納部
201f1〜201f3 搬送部
202 細断装置
O、P、Q 画像検出範囲
3、8a、8b 処理部
301、801 処理装置
301a、801a 処理槽
4 第1分離処理部
401 ハイドロサイクロン
402 第1衝突型遠心脱水機
403 水切り手段
5 第2分離処理部
501 高剪断撹拌装置
502 第2衝突型遠心脱水機
6 中和処理部
7 水洗・乾燥部
701 水洗装置
702 乾燥装置
9 破砕部
901 湿式破砕装置
10 洗浄・脱水分離部
10b1 衝突型遠心脱水機
11、13 乾燥部
12 洗浄処理部
14 破砕処理部
14a 破砕装置
15 写真感光材料
15a ポリエステル系樹脂支持体
15b、15c 下塗り層
15d 感光層
15e 保護層
15f バッキング層

Claims (7)

  1. ポリエステル系樹脂支持体上に少なくとも1層の塗布膜を有する記録材料をアルカリ性処理液により処理し、該記録材料から該塗布膜を分離・除去した後、該ポリエステル系樹脂支持体を回収するポリエステル系樹脂支持体回収方法において、
    該記録材料を同一品種に分類する品種識別手段を有する分別部と、
    前記記録材料をチップ状の形態で、該アルカリ性処理液により処理する処理部と、
    第1分離処理部と、
    第2分離処理部と、
    中和処理部と、
    水洗・乾燥部とを有する回収装置を用いることを特徴とするポリエステル系樹脂支持体回収方法。
  2. ポリエステル系樹脂支持体上に少なくとも1層の塗布膜を有する記録材料をアルカリ性処理液により処理し、該記録材料から該塗布膜を分離・除去した後、該ポリエステル系樹脂支持体を回収するポリエステル系樹脂支持体回収方法において、
    該記録材料を同一品種に分類する品種識別手段を有する分別部と、
    前記記録材料をシート状の形態で、該アルカリ性処理液により処理槽中で10-5〜105/secの剪断速度を掛け塗布膜を除去する処理部と、
    湿式破砕装置でチップ状にする破砕部と、
    洗浄・脱水分離部と、
    乾燥部とを有する回収装置を用いて、前記ポリエステル系樹脂支持体を回収することを特徴とするポリエステル系樹脂支持体回収方法。
  3. ポリエステル系樹脂支持体上に少なくとも1層の塗布膜を有する記録材料をアルカリ性処理液により処理し、該記録材料から該塗布膜を分離・除去した後、該ポリエステル系樹脂支持体を回収するポリエステル系樹脂支持体回収方法において、
    該記録材料を同一品種に分類する品種識別手段を有する分別部と、
    前記記録材料をシート状の形態で、該アルカリ性処理液により処理槽中で10-5〜105/secの剪断速度を掛け塗布膜を除去する処理部と、
    洗浄処理部と、
    乾燥部とを有する回収装置を用いて、前記ポリエステル系樹脂支持体を回収することを特徴とするポリエステル系樹脂支持体回収方法。
  4. 前記品種識別手段が、記録材料に設けられた識別マークを検出する第1検出手段と、該記録材料の終端部を検出する第2検出手段とを有し、該第1検出手段の情報に従って該記録材料を分別する分別手段とを有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
  5. 前記第1検出手段が画像認識センサーであることを特徴とする請求項4に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
  6. 前記第2検出手段がエリアセンサーであることを特徴とする請求項4に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
  7. 前記塗布膜が天然高分子系バインダー又は合成高分子系バインダーを使用していることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
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