JP2005125642A - ポリエステル系樹脂支持体回収方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 支持体上に天然高分子系バインダー及び合成高分子系バインダーを使用し塗布膜を形成した記録材料から、記録材料用の支持体の原料として再使用出来る状態で支持体を回収する方法の提供。
【解決手段】 ポリエステル系樹脂支持体上に少なくとも1層の塗布膜を有するチップ状の記録材料を撹拌装置を用いて処理槽中でアルカリ性処理液により処理した後、該ポリエステル系樹脂支持体を分離した後、酸性処理液による処理を経て、前記ポリエステル系樹脂支持体を回収するポリエステル系樹脂支持体回収方法において、該撹拌装置は処理槽と、回転軸に取り付け部材を介して取り付けられた少なくとも二枚の羽根を有する撹拌羽根とを有し、該羽根の角部は、該チップ状の記録材料の外形サイズの0.01〜100倍のRが施されていることを特徴とするポリエステル系樹脂支持体回収方法。
【選択図】 図1
【解決手段】 ポリエステル系樹脂支持体上に少なくとも1層の塗布膜を有するチップ状の記録材料を撹拌装置を用いて処理槽中でアルカリ性処理液により処理した後、該ポリエステル系樹脂支持体を分離した後、酸性処理液による処理を経て、前記ポリエステル系樹脂支持体を回収するポリエステル系樹脂支持体回収方法において、該撹拌装置は処理槽と、回転軸に取り付け部材を介して取り付けられた少なくとも二枚の羽根を有する撹拌羽根とを有し、該羽根の角部は、該チップ状の記録材料の外形サイズの0.01〜100倍のRが施されていることを特徴とするポリエステル系樹脂支持体回収方法。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ポリエステル系樹脂支持体上に少なくとも1層の塗布膜を有する記録材料からポリエステル系樹脂支持体を回収する回収方法に関する。
ポリエステル系樹脂、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートはその優れた特性によりハロゲン化銀写真感光材料、熱現像写真感光材料、インクジェット記録材料、磁気記録材料等の記録材料の支持体として、及び液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイの各種表示装置に使用する光学フィルムとして情報記録産業界でも広く用いられている。ポリエステル系樹脂支持体を使用した記録材料の一例として写真感光材料の場合について図で概略説明する。
図8は写真感光材料の概略断面図である。
図中、6は写真感光材料を示す。601はポリエステル系樹脂支持体を示し、602a、602bは下塗り層を示す。603は下塗り層602aを介してポリエステル系樹脂支持体601上に形成された塗布膜の感光層を示し、605は感光層603の上に形成された塗布膜の保護層を示す。604は下塗り層602bを介してポリエステル系樹脂支持体601上に形成された塗布膜のバッキング層を示す。感光層603は必要に応じて多層から構成されている場合もあるし、上に保護層を塗設していない場合もある。感光層603、保護層605及びバッキング層には天然高分子バインダー又は合成高分子バインダーが作製する写真感光材料の種類により選択され使用されている。本発明では、塗布膜とは感光層と、保護層と、バッキング層とを含めた総称を言う。
近年、情報記録産業界は著しい発展を遂げつつあり使用されるポリエステル系樹脂材料も急増しつつある。それに伴い、製造工程において発生する廃棄対象物(例えば、生産端材、製品検査過程で発生する品質不良品等)、使用済み品も多量になりつつある。
これらポリエステル系樹脂材料の屑は殆どが有効利用されることなく埋め立て又は焼却処理で対応しているのが実状であるが、埋め立てでは腐敗消滅することは無く、焼却処理では焼却条件によりダイオキシンの発生を引き起こし、地球環境負荷を大きくする一因にもなっている。又、ポリエステル原料損失という問題点があり、省資源の面からも好ましくない。
特に、これらポリエステル系樹脂支持体を使用し、塗布膜のバインダーに合成高分子系素材を用いた感光材料に対しては、ポリエステル系樹脂支持体として再使用が出来る状態での回収が出来ず、使用済み品及び生産端材については殆どが有効利用されることなく、やむなく、ダイオキシンの発生を抑えるために高温で焼却処理で対応していた。このため、高温の焼却処理に伴い焼却炉の傷みが早く維持費がかかり問題となっている。
これらの問題点を解決するために、ポリエステル系樹脂支持体を使用した記録材料からポリエステル系樹脂支持体を回収する方法が検討されてきた。例えば、塩化ビニリデン、イタコン酸、アクリル酸等の共重合体を下塗り層としたポリエステル系樹脂としてポリエチレンテレフタレート(PET)を支持体に用いた印刷製版フィルムを適当な大きさに細断し、アルカリ金属塩の水溶液中でカチオン系界面活性剤とともに50〜95℃で加熱処理することでPETを回収する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
下塗り層を有するポリエステル系樹脂支持体及びそれを用いたハロゲン化銀写真感光材料をチップ状に破砕し、界面活性剤(非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤)を併用し、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを含むアルカリ性処理液で温度70〜100℃で撹拌しながら加熱処理することでポリエステル系樹脂支持体(以下、単に支持体とも言う)を回収する方法が知られている(例えば、特許文献2を参照。)。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の回収方法では、支持体上に合成高分子バインダーを使用し、塗布膜を形成した記録材料から支持体を回収した場合、剥離した塗布膜及びアルカリ性処理液による処理で発生するスラッジが再付着した支持体、塗布膜が剥離せず残った支持体、剥離した塗布膜等の混入が生じ、記録材料用の支持体の原料として再使用するには純度的に不十分となり使用出来ないのが現状である。
特に記録材料用の支持体の原料として再使用する場合、要求される項目としては次の項目が挙げられる。1)性能に悪影響(例えば写真感光材料の場合、カブリ、増感・減感等の感度異常等)を与える不純物の混入がなく、2)物理的特性(色調、分子量分布等)が変化していないこと、3)撮影したときに画像に悪影響を与える異物の混入が無いこと等が挙げられる。
これらの状況から、支持体に天然高分子系バインダー及び合成高分子系バインダーを使用し塗布膜を形成した記録材料から、記録材料用(特に純度的に要求が高い写真感光材料用)の支持体の原料として再使用出来る状態で支持体を回収する方法の開発が望まれている。
特開平11−302580号公報
特開平8−146560号公報
本発明は、上記状況に鑑み成されたものであり、その目的は、支持体上に天然高分子系バインダー及び合成高分子系バインダーを使用し塗布膜を形成した記録材料から、記録材料用の支持体の原料として再使用出来る状態の支持体を回収する方法を提供することである。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成された。
(請求項1)
ポリエステル系樹脂支持体上に少なくとも1層の塗布膜を有するチップ状の記録材料を撹拌装置を用いて処理槽中でアルカリ性処理液により処理した後、
該アルカリ性処理液から第1分離処理部と第2分離処理部とにより該ポリエステル系樹脂支持体を分離した後、酸性処理液による処理を経て、
前記ポリエステル系樹脂支持体を回収するポリエステル系樹脂支持体回収方法において、
該撹拌装置は処理槽と、回転軸に取り付け部材を介して取り付けられた少なくとも二枚の羽根を有する撹拌羽根とを有し、
該羽根の角部は、該チップ状の記録材料の外形サイズの0.01〜100倍のRが施されていることを特徴とするポリエステル系樹脂支持体回収方法。
(請求項2)
前記取り付け部材が円盤状部材であり、該円盤状部材の周縁部に、前記円盤状部材を均等に分割し対向する位置に少なくとも二枚の撹拌羽根を有し、該攪拌羽根の傾斜角度が、回転軸に対し35〜55°であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
(請求項3)
前記攪拌羽根の傾斜向きが、該攪拌羽根の回転方向の下流側に対して仰角側であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
(請求項4)
前記攪拌羽根の回転速度(周速度)が0.1〜10m/secであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
(請求項5)
前記撹拌羽根は、処理槽の液面からの垂直方向の距離が処理液の深さに対して0.05〜0.9の位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
(請求項6)
前記チップ状の記録材料は、外形サイズが0.1〜100mmの不定形であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
(請求項7)
前記アルカリ性処理液でチップ状の記録材料を処理するときの固形分濃度が0.1〜50質量%であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
(請求項8)
前記塗布膜は天然高分子系バインダー又は合成高分子系バインダーを使用していることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
(請求項1)
ポリエステル系樹脂支持体上に少なくとも1層の塗布膜を有するチップ状の記録材料を撹拌装置を用いて処理槽中でアルカリ性処理液により処理した後、
該アルカリ性処理液から第1分離処理部と第2分離処理部とにより該ポリエステル系樹脂支持体を分離した後、酸性処理液による処理を経て、
前記ポリエステル系樹脂支持体を回収するポリエステル系樹脂支持体回収方法において、
該撹拌装置は処理槽と、回転軸に取り付け部材を介して取り付けられた少なくとも二枚の羽根を有する撹拌羽根とを有し、
該羽根の角部は、該チップ状の記録材料の外形サイズの0.01〜100倍のRが施されていることを特徴とするポリエステル系樹脂支持体回収方法。
(請求項2)
前記取り付け部材が円盤状部材であり、該円盤状部材の周縁部に、前記円盤状部材を均等に分割し対向する位置に少なくとも二枚の撹拌羽根を有し、該攪拌羽根の傾斜角度が、回転軸に対し35〜55°であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
(請求項3)
前記攪拌羽根の傾斜向きが、該攪拌羽根の回転方向の下流側に対して仰角側であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
(請求項4)
前記攪拌羽根の回転速度(周速度)が0.1〜10m/secであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
(請求項5)
前記撹拌羽根は、処理槽の液面からの垂直方向の距離が処理液の深さに対して0.05〜0.9の位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
(請求項6)
前記チップ状の記録材料は、外形サイズが0.1〜100mmの不定形であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
(請求項7)
前記アルカリ性処理液でチップ状の記録材料を処理するときの固形分濃度が0.1〜50質量%であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
(請求項8)
前記塗布膜は天然高分子系バインダー又は合成高分子系バインダーを使用していることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を加えた結果、支持体に天然高分子系バインダー又は合成高分子系バインダーを使用し塗布膜を形成した記録材料をチップ状にし支持体を回収する場合、アルカリ性処理液による脱膜処理の条件、特に撹拌条件により不純物の混入が多くなり、記録材料の支持体の原料に再使用するのは困難であることが判明した。
不純物の混入が多くなる原因は、以下に挙げる事項と推定した。1)アルカリ性処理液による脱膜を促進させるために撹拌羽根により処理槽内で撹拌が行われるのであるが、処理槽内で滞留箇所が生じることで脱膜が不完全なチップが生じ、不純物として混入する。2)処理槽内で滞留箇所が生じることを防止するために、撹拌羽根による撹拌を強力に行うことにより、撹拌羽根にチップが衝突することでチップが損傷(微細なヒビ、割れ目、支持体の層内破壊等)し、これらの損傷箇所に剥離した塗布膜が挟まったり、スラッジが入り込むことで最終段階まで除去することが出来ずに不純物として持ち込まれる。
これらに対してアルカリ処理液で脱膜処理を行う際、処理槽内での滞留箇所を無くし、且つチップへの剪断力を小さくし、チップへの損傷を無くした撹拌を行うことが効果的であることが判明し、本発明に至った次第である。
支持体上に天然高分子系バインダー及び合成高分子系バインダーを使用し塗布膜を形成した記録材料から、記録材料用の支持体の原料として再使用出来る状態で支持体を回収する方法を提供することが出来、天然高分子系バインダー及び高分子系バインダーを用いた記録材料から支持体の材料として再使用可能の支持体の回収収率を大幅に向上させることが可能となった。
本発明に係る実施の形態を図1〜図7を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は支持体の回収方法の一例を示す模式図である。
図中、1はアルカリ性処理液により処理を行う第1化学処理部を示す。101は、処理槽101aに入れられた、支持体上に塗布膜を有する細断したチップ状の記録材料102を、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを含むアルカリ性処理液103で温度70〜100℃で撹拌用のモータ101b1で回転軸101b2に取り付けられた攪拌羽根101b3を撹拌しながら加熱処理し、支持体から塗布膜を剥離する処理装置を示す。
処理槽101a中でチップ状の記録材料102をアルカリ性処理液103で処理するときの固形分濃度としては、0.1〜50質量%が好ましい。0.1質量%未満の場合は、チップ状の記録材料が互いに衝突する回数が減少するし、チップ状の記録材料が羽根と衝突する回数が減少し、記録材料の種類によっては塗布膜の剥離がされないで残るチップ状の記録材料が多くなる場合がある。50質量%を越える場合は、処理液の撹拌が十分に行うことが出来なくなり、チップ状の記録材料に強い剪断力を与えることが無くなるため、記録材料の種類によっては塗布膜の剥離がされないで残るチップ状の記録材料が多くなる場合がある。
処理装置1によりチップ状の記録材料102を加熱処理することにより、アルカリ性処理液103中には、剥離した塗布膜と、塗布膜が剥離した支持体と、一部の塗布膜が残った支持体と、発生したスラッジと、剥離した塗布膜及び発生したスラッジが付着した支持体等とを含む状態となる。本発明では、これらを全て含めて固形物と言う。
裁断したチップ状の記録材料102としては、製造工程において発生する廃棄対象物(例えば、生産端材、製品検査過程で発生する品質不良品等)、使用済み品等が挙げられる。細断したチップ状の記録材料は、外形サイズが0.1〜100mmの不定形が好ましい。外形サイズとは、チップ状の記録材料の中心(重心)から最も遠い角の頂点までの距離の2倍の長さを言う。定形であることが好ましい。0.1mm未満の場合は、図1に示す回収方法の各送液管の太さによっては、送液管が詰まる危険がある。又、アルカリ処理液による処理でチップ状の記録材料が互いに衝突する回数が減少するし、チップ状の記録材料が撹拌羽根と衝突する回数が減少し、記録材料の種類によっては塗布膜の剥離がされないで残るチップ状の記録材料が多くなる場合がある。50mmを越えた場合も同様に、図1に示す回収方法の各送液管の太さによっては、送液管が詰まる危険がある。又、アルカリ処理で撹拌が充分に出来なくなり、塗布膜が残る場合がある。
2は第1分離処理部を示し、ハイドロサイクロン201と、第1衝突型遠心脱水機202と、水切り手段203とを有している。水切り手段203としては特に限定はなく、例えばエアーサイクロン、スクリーンコンベア等が挙げられる。本図では、エアーサイクロンを使用した場合を示している。
201aはハイドロサイクロン201によりアルカリ性処理液より分離された固形物を受けるホッパーを示す。ハイドロサイクロン201と、第1衝突型遠心脱水機202と、エアーサイクロン203はいずれも市販のものを使用することが可能であり、処理量から適宜大きさを選択することが可能である。
第1分離処理部では、前工程のアルカリ性処理液から固形物を分離する工程である。第1化学処理部1からの固形物を含むアルカリ性処理液は、ハイドロサイクロン201の円柱部の201bの上部より、ハイドロサイクロンの円周方向の接線方向に10〜2500m/minの速度で導入することが好ましい。10m/min未満の場合は、ハイドロサイクロン本体中に渦流の発生が弱くなり、第1化学処理部から送られてくるアルカリ性処理液中の固形物の状態によっては分離が出来なくなる場合がある。2500m/minを越えた場合は、第1化学処理部から送られてくるアルカリ性処理液中の固形物の状態によっては、ハイドロサイクロンの下部のオリフィス201cに固形物が詰まり分離が出来なくなる場合がある。
ハイドロサイクロン201に導入するときの固形分濃度は0.1〜2質量%になるようにアルカリ性処理液を水で希釈することが好ましい。0.1質量%未満の場合は、水を多量に使用することになり、生産性を悪くする原因のひとつになる場合がある。2質量%を越えた場合は、細断したチップ状の記録材料の大きさによってはハイドロサイクロンが詰まってしまう場合がある。
ハイドロサイクロンの円周方向の接線方向に沿って導入されたアルカリ性処理液は、遠心力により固形物は、ハイドロサイクロン201のテーパー部201eを介してオリフィス201cよりホッパー201aに分離回収され、上部の排出口201dからは剥離した塗布膜と、発生したスラッジ等の一部を含むアルカリ処理液が排出される。
これら固形物から、支持体に再付着した塗布膜及びスラッジ、剥離した塗布膜、スラッジ等を分離除去するために、ホッパー201aから、水を加えて固形分濃度を0.1〜50質量%に調整し、第1衝突型遠心脱水機202の下部から導入される。
第1衝突型遠心脱水機202に導入された溶液は互いに衝突しながら上部に移動する間に付着物の一部及び剥離した塗布膜、スラッジ等が下部202aより排出される。上部202bからは支持体(塗布膜が剥離された支持体と、一部の塗布膜が残った支持体と、剥離した塗布膜及びスラッジ等が付着した支持体等とを含む)、分離出来ずに残った剥離した塗布膜等が排出される。
第1衝突型遠心脱水機202の上部202bから排出される支持体(塗布膜が剥離された支持体と、一部の塗布膜が残った支持体と、剥離した塗布膜及びスラッジ等が付着した支持体等とを含む)、分離出来ずに残った剥離した塗布膜等は水切り手段であるエアーサイクロンに導入され付着している水が除去される。
この段階で回収された固形物は、塗布膜が剥離された支持体と、一部の塗布膜が残った支持体と、剥離した塗布膜が再付着した支持体と、アルカリ性処理液により生じたスラッジ等が付着した支持体と、剥離した塗布膜と、アルカリ性処理液により生じたスラッジ等とが混入しているため、未だ記録材料の支持体に再利用出来る状態とはなっていない。
3は第2分離処理部を示し、高剪断撹拌装置301と第2衝突型遠心脱水機302とを有している。高剪断撹拌装置301と第2衝突型遠心脱水機302はいずれも市販のものを使用することが可能であり、処理量に合わせ適宜大きさを選択することが可能である。
第2分離処理部3は、第1分離処理部で回収された、剥離した塗布膜及びスラッジ等が付着している支持体から物理的な力により塗布膜及びスラッジ等の剥離と、剥離した塗布膜を細分化し除去し易くし支持体を分離する工程である。
第1分離処理部2で回収された固形物は、水により固形分濃度を0.1〜50質量%に調整し、高剪断撹拌装置301に入れられる。尚、高剪断撹拌装置301の機構及び処理条件は図2を参照して説明する。
固形物は、高剪断撹拌装置301で高剪断力を掛けられて処理されることで、支持体に残っている塗布膜、付着していた塗布膜及びスラッジ等が剥離されと同時に細分化される。又、同様に分離せずに残っていた剥離した塗布膜、スラッジ等も高剪断力を掛けられて処理されることで細分化され、水と混合した溶液となる。
この状態で第2衝突型遠心脱水機302に導入され処理されることで、支持体と塗布膜、スラッジ等が分離され、支持体が回収される。尚、第2衝突型遠心脱水機302から支持体を回収するときは、第1分離処理部に示した様なエアーサイクロンを介して回収してもかまわない。この段階で回収された支持体には、僅かな塗布膜、スラッジ等が付着している支持体と、細分化された塗布膜等が混入しているため、未だ記録材料の支持体に再利用出来る状態とはなっていない。第2衝突型遠心脱水機302の機構及び条件については図3で説明する。
4は第2分離処理部3より回収された支持体を記録材料の支持体に再利用出来る状態にする酸性処理液で処理する第2化学処理部を示す。401は、処理槽401aに入れられた、第2衝突型遠心脱水機302から回収した支持体402を、酸性処理液403で温度1〜95℃で攪拌機401bで撹拌しながら、支持体を処理する処理装置を示す。酸性処理液で処理ことにより、支持体402に付着している僅かな塗布膜、スラッジ、混入している微細な塗膜のバインダーが分解し、銀を硝酸銀として分離除去することが出来る状態となる。
酸性処理液で処理が終了した段階で回収された支持体は、異物の付着が無く、酸性処理液を分離することで記録材料の製造時に使用する支持体と同じ程度となっており、記録材料の支持体に再利用出来る状態となっている。
第2化学処理部で使用する酸性処理液としては特に限定は無く、例えば硝酸、ハロゲン化水素酸、硫酸等が挙げられ、特に硝酸、ハロゲン化水素酸が好ましい。酸性処理液の濃度は0.01〜10mol/Lが好ましい。0.01mol/L未満の場合は、バインダーの種類によっては塗膜のバインダーが分解せず、銀が溶液中に溶出しない場合がある。10mol/Lを越える場合は、設備に使用している材質によっては、腐食が進み生産に支障をきたす場合がある。
5は水洗・乾燥部を示す。水洗・乾燥部5は、化学処理部4で酸性処理液で処理した支持体を分離、水洗し、乾燥する工程である。
501は水洗装置を示し、502は乾燥装置を示す。水洗装置501は回収された支持体を効率良く洗浄出来れば装置には特に限定はなく、例えば撹拌機が付いた水洗槽でもよく、水洗水をシャワーで欠けながら回転可能なメッシュのドラム式容器等でも良い。乾燥装置で乾燥が終了した段階で、記録材料の支持体の原材料に再利用出来る状態の支持体の回収が終了する。
乾燥装置502も水洗装置501と同様に効率良く乾燥出来れば装置には特に限定はなく、例えば乾燥風を吹き付けながら回転可能なメッシュのドラム式容器等でも良い。
図1に示される、第1化学処理部、第1分離処理部、第2分離処理部、第2化学処理部、水洗・乾燥部はいずれもバッチ処理で行うことが好ましい。
次に、本発明に係る高剪断撹拌装置の機構及び処理条件に付き説明する。
図2は図1の第2分離処理部の高剪断撹拌装置であるヘンシェルミキサーの概略図である。図2の(a)はヘンシェルミキサーの概略断面図である。図2の(b)はヘンシェルミキサーの下羽根の概略斜視図である。図2の(c)はヘンシェルミキサーの上羽根の概略斜視図である。
第1分離処理部で回収した固形物から支持体のみを回収するためには、これらに高剪断力を掛け、支持体に残存している塗布膜、支持体に再付着している塗布膜及びスラッジ等を剥離し細分化して除去する、及び混入している塗布膜を細分化して除去することが一番効果的であることが検討の結果明らかになった。
支持体に残存している塗布膜は、アルカリ性処理液で処理が終了している段階で下塗り層にアルカリ性処理液が染み込んでいる状態であるため塗布膜に高剪断力を掛けることで剥離が促進され易い状態となっている。又、支持体に付着している塗布膜及びスラッジ等も高剪断力を掛けることで剥離が促進される。剥離された塗布膜、スラッジ等は高剪断力を掛けることで細分化され次の工程で支持体との分離がし易くなる。
均等に高剪断力を掛ける最適な装置としてヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)が挙げられる。本図では高剪断撹拌装置としてヘンシェルミキサーを使用した場合に付き説明する。
図中、301aはヘンシェルミキサーの有底円筒状の胴部を示し、301bは蓋部を示す。301cは回転軸を示し、301dは回転軸31cに取り付けられた下羽根を示し、301eは回転軸301cに取り付けられた上羽根を示す。回転軸が回転(図中の矢印方向)することで胴部301aの液体は2つの方向の流れが発生する。1つは下羽根301dの回転により下から上向きの流れ(図中の矢印方向)が発生する。他の1つは上羽根301eの回転により水平方向の流れ(図中の矢印方向)が発生する。処理液中に固形物が存在する場合、固形物は、一旦上向きの流れに乗り流れ、次に下向きの流れに乗り、上羽根に接触することで剪断力が掛けられる。この様な流れを発生させるヘンシェルミキサーで一定時間処理することで固形物毎に高剪断力が均一に掛けられることで、支持体に残存していた塗布膜、付着していた塗布膜及びスラッジ、分離せずに残っていた塗布膜が剥離されると同時に細断され細分化することで次の工程で分離が容易となる。
下羽根及び上羽根の形状は特に限定は無く、被撹拌物の種類と固形物の濃度とにより適宜選択することが可能である。
ヘンシェルミキサー301における好ましい条件としては次の条件が挙げられる。固形分濃度は1〜70質量%が好ましい。1質量%未満の場合は、槽内旋回流が支配的となり、軸流が発生しなくなり、被撹拌物の種類と固形物の種類によっては上羽根による粉砕が出来なくなる場合がある。70質量%を越えた場合は、固形物の種類によっては、ブリッジを起こしやすくなり均一な撹拌が出来なくなる場合がある。
羽根の回転速度(羽根の先端の周速度)は10〜70m/secが好ましい。20m/sec未満では固形物毎に与える剪断力が小さくなり、付着した塗布膜及びスラッジの状態によっては剥離されなくなったり、剥離した塗布膜等が細分化しなくなる場合がある。70m/secを越えた場合は、塗布膜の種類によっては、剥離した塗布膜が撹拌に伴い温度が上昇し、塗膜中に使用しているバインダーの種類によっては粘性が上がり軟化し、剥離した塗膜が再び支持体に付着し、その後の工程で再付着した塗膜を剥離することが困難となる場合がある。
時間は、10〜30分が好ましい。10分未満の場合は、塗布膜の種類及び付着している異物の状態によって剥離が終了しない場合がある。30分を越えた場合は、内部の温度が上昇し塗膜中に使用しているバインダーの種類によっては粘性が上がり軟化し、剥離した塗膜が再び支持体に付着し、その後の工程で再付着した塗膜を剥離することが困難となる場合がある。
温度は、1〜40℃が好ましい。1℃未満の場合は、内容物の種類によっては部分的に凝固が生じ完全な流動が出来なくなる場合がある。40℃を越えた場合は、塗布膜の種類によっては、粘性を帯び始め支持体に再付着する場合がある。
図3は図1に示す第2衝突型遠心脱水機の概略図である。図3の(a)は図1に示す第2衝突型遠心脱水機の概略断面図である。図3の(b)は衝突型遠心脱水機の概略平面図である。
図中、302aは衝突型遠心脱水機の円筒状の外筒を示し、302bは外筒302aの内部に配設された回転ローターを示す。302cは円筒状の分離筒を示す。302dは回転ローター302bの駆動用のモータを示す。302c1は円筒状の分離筒302cに設けられた孔を示す。302b1は回転ローター302bの表面に取り付けられた撹拌羽根を示す。撹拌羽根は回転ローター302bが回転(図中の矢印方向)したとき、分離筒302cと回転ローター302bの外側との間隙303に供給口304から入れられた高剪断撹拌装置により処理された処理液が上方向の流れになるような角度で取り付けられている。回転ローター302bが回転することで遠心力が作用し、分離筒302cに設けられた孔からは支持体から剥離した塗布膜、スラッジ及び処理液が通過し除去され、支持体は通過しないで残り上部の排出口305から排出分離される。孔を通過した塗布膜、付着物が混入している処理液は外筒302aの下部の排出口306から排出される。孔302c1の大きさは、細断されたチップ状の記録材料の大きさに対して1/10〜1/2が好ましい。1/10未満の場合は、剥離した塗布膜の大きさ及び付着物の大きさによっては孔を通過しないで除去されない場合がある。1/2を越えた場合は、支持体の大きさによっては支持体が除去されてしまう場合がある。尚、細断されたチップ状の記録材料の大きさとは、細断されたチップ状の記録材料を100g取り、この中の各チップの最大長さを測定した平均値を示す。孔302c1の形状は特に限定はないが、円形が分離筒の清掃、強度維持、作り易さの面から好ましい。
分離筒302cに設けられた孔302c1の開口率(孔の総面積/分離筒の総表面積×100で表される値)は、10〜80%が好ましい。更に、30〜60%が好ましい。10%未満の場合は、処理液中の固形物濃度によっては分離に時間が掛かり、作業効率が悪くなる場合がある。80%を越えた場合は、分離筒の材質によっては強度が不足し、分離筒のメンテナンスに時間と費用が掛かり、生産効率が悪くなる場合がある。
回転ローター302bの形状は高速回転が可能であるならば特に限定は無く、例えば円筒形、多角筒形等であってもかまわない。本図では円筒形の場合を示している。尚、第1分離処理部に使用している第1衝突型遠心脱水機も本図に示す第2衝突型遠心脱水機と同じ構造をしている。
衝突型遠心脱水機に入れる処理液の量は、固形分濃度と衝突型遠心脱水機の大きさにより適宜決めることが可能である。回転ローターの回転速度(周速度)は、5〜40m/secが好ましい。5m/sec未満の場合、処理液中の塗布膜の一部が残った支持体、剥離した塗布膜、アルカリ性処理液処理により発生したスラッジ及び剥離した塗布膜が付着している支持体の大きさによっては、衝突型遠心脱水機内にて固形物の巻き上がりが生じず、これらの支持体同士の衝突がなくなり、塗布膜及びアルカリ性処理液処理により発生したスラッジ等が分離出来なくなる場合がある。40m/secを越えた場合は、ロータの羽根により支持体が破損され微細化が進むため、分離筒に設けられた孔の大きさによっては、微細化した支持体か除去され、回収率が大幅に低下する場合がある。
図4は図1で示される撹拌羽根の概略図である。図4の(a)は図1で示される撹拌羽根の概略斜視図である。図4の(b)は図1で示される撹拌羽根の概略平面図である。
図中、101b3は撹拌羽根を示し、撹拌羽根101b3は、羽根101b31と、羽根101b31を取り付ける取り付け部材の円盤状部材101b32とを有している。取り付け部材の形状は羽根101b31が取り付けられ、回転に影響が無ければ特に限定は無く、例えば取り付け部材中心から放射線状に取り付けられた丸棒でも良いし、円盤状の板、円環であっても良いが、加工のし易さ及び撹拌への影響から円盤状部材が好ましい。本図は円盤状部材の場合を示している。101b33は円盤状部材の中心に配設された回転軸101b2への取り付け治具を示す。
羽根101b31は円盤状部材101b32の周縁に、円盤状部材101b32を均等に分割する位置に対向して少なくとも2枚が設けられている。配設する羽根101b31の枚数は特には限定は無く、処理槽101a(図1を参照)の大きさ、固形分濃度により適宜選択することが可能である。本図の場合は6枚の羽根を配設した場合を示している。円盤状部材101b32の大きさは、取り付ける羽根の大きさ、枚数により変わるため
、使用する処理槽の大きさ、撹拌する固形物の大きさ、濃度により適宜変更することが可能である。
、使用する処理槽の大きさ、撹拌する固形物の大きさ、濃度により適宜変更することが可能である。
図5は図4に示される羽根の概略図である。図5の(a)は図4に示される羽根の概略斜視図である。図5の(b)は図5の(a)に示される羽根の概略平面図である。図5の(c)は図5の(a)のA−A′に沿った概略断面図である。図5の(d)は図5の(a)のB−B′に沿った概略断面図である。
図中、Sは羽根101b31の長さを示し、Tは幅を示す。長さSに対する幅Tの比は0.1〜10が好ましい。0.1未満の場合は、撹拌羽根を回転し処理液を撹拌したとき、処理液の撹拌が十分に行われなくなり、処理槽中に対流が発生しなくなり、記録材料の種類によっては塗布膜の剥離が行われずに残る記録材料が多くなる場合がある。10を越えた場合は、撹拌羽根を回転し処理液を撹拌したとき、処理液の撹拌が十分に行われなくなり、処理槽中に対流が発生しなくなり、記録材料の種類によっては塗布膜の剥離が行われずに残る記録材料が多くなる場合がある。
撹拌羽根101b3の回転したときの撹拌羽根101b3の容積は処理槽中の処理液の容量に対して1〜30%になるように図5に示される一枚の羽根の面積を決め、図4に示される様に取り付け部材に取り付けることが好ましい。
羽根101b31の形状は、長さと幅との比、取り付け部材に取り付けられている全ての面積が上述の範囲に入るのであれば特に限定は無く、例えば円形、楕円形、正方形等であっても良く、本図の場合は長方形の場合を示している。
a〜pは羽根101b31の角部を示し、角部a〜pには、チップ状の記録材料の外形サイズの1/100〜100倍のRが付けられている。
角部のRが1/100倍未満の場合は、撹拌時に衝突するチップ状の記録材料に損傷(微細なヒビ、割れ目、支持体の層内破壊等)を与えるため好ましくない。角部のRが100倍を越えた場合は、羽根の面積が少なくなり撹拌効率が低下し、塗布膜が剥離しないチップ状の記録材料が多くなるため好ましくない。
羽根の形状が異なっても、本図に示す角部に該当する箇所には全てRを付けることが必要である。羽根の角部にRを付けることで、撹拌時に羽根の角部に衝突するチップ状の記録材料が損傷(微細なヒビ、割れ目、支持体の層内破壊等)することが防止されるため、これらの損傷箇所に剥離した塗布膜が挟まったり、スラッジが入り込むことで最終段階まで除去することが出来ずに不純物として持ち込まれることを防止しすることが可能となった。
図6は図4に示される撹拌羽根を回転軸に取り付けた状態の部分概略側面図である。図6の(a)は取り付け治具と回転軸との関係を示す部分概略側面図である。図6の(b)は羽根の取り付け角度を示す概略側面図である。尚、図6の(a)では、羽根101b31は省略してある。図6の(b)では、取り付け治具101b33は省略してある。
図中、θ1は回転軸101b2と取り付け治具101b33との取り付け角度を示し、取り付け角度θ1は90±5°が好ましい。この範囲を出た場合は、正常な回転が得られなくなり、正常な撹拌が困難となり、結果として正常な塗布膜の剥離が困難となる。
θ2は取り付け部材101b32への取り付け治具101b33の取り付け角度を示し、取り付け角度θ2は90±5°が好ましい。この範囲を出た場合は、正常な回転が得られなくなることに伴い、正常な撹拌が困難となり、結果として正常な塗布膜の剥離が困難となる場合がある。
θ3は取り付け部材101b32に取り付けられた羽根101b31と回転軸101b2との角度を示し、攪拌羽根の回転方向の下流側に対して仰角側となっている。角度θ3は35〜55°であることが好ましい。35°未満の場合は、撹拌したときに処理槽内の軸流が十分な速度で無くなるため、チップ状の記録材料の撹拌が均一にならず、記録材料の種類によっては塗布膜の剥離が不完全な記録材料が多くなる場合がある。55°を越えた場合は、撹拌時に羽根に掛かる撹拌抵抗が大きく成り、処理槽内に軸流が得られなくなるため、チップ状の記録材料の撹拌が均一にならず、記録材料の種類によっては塗布膜の剥離が不完全な記録材料が多くなる場合がある。
本図に示す様な角度で羽根を取り付けることで、回転したとき処理槽中の処理液の流れはは、下から上に流れる所謂上方軸流型となり、処理槽内で滞留箇所が生じることが無くなり、塗布膜の剥離が安定して行われ剥離ムラを防止することが可能となった。
本図に示す様な角度で羽根を取り付けることで、回転したとき処理槽中の処理液の流れはは、下から上に流れる所謂上方軸流型となり、処理槽内で滞留箇所が生じることが無くなり、塗布膜の剥離が安定して行われ剥離ムラを防止することが可能となった。
図7は図1に示す処理装置の拡大概略図である。尚、本図では撹拌羽根の位置を示すためチップ状の記録材料は省略してある。
図中、103aは処理槽101a中の静止状態の時のアルカリ性処理液103の液面を示す。101cは処理槽101aの蓋を示し、モータ101b1の取り付け部材を兼ねている。本図では回転軸101b2はモータ101b1に直結した状態の場合を示しているが、モータを別に置き、回転軸の先端にモータと直結する代わりにプーリを取り付け、ベルトを介して回転するようにしてもかまわない。101a1は処理槽101aの側壁を示し、101a2は底壁を示す。処理槽101aは加温・冷却が出来るように側壁を二重壁にしておくことが好ましい。
Gは液面103aから処理槽101aの垂直方向の最深部までのアルカリ性処理液103の深さを示す。Hは、液面103aから撹拌羽根101b3円盤状基材101b33までの高さを示す。高さHはアルカリ性処理液103の深さGに対して0.05〜0.9が好ましい。0.05未満の場合は、羽根の位置が処理液の液面近くになり、処理液の撹拌が十分行うことができなくなり、処理液の対流が行えなくなるため、記録材料の種類によっては塗布膜の剥離が出来ず残るチップ状の記録材料が多くなる場合がある。0.9を越した場合は、羽根の位置が処理槽の底部近くになり、処理液の撹拌が十分行うことができなくなり、処理液の対流が行えなくなるため、記録材料の種類によっては塗布膜の剥離が出来ず残るチップ状の記録材料が多くなる場合がある。
Jは撹拌羽根101bの回転時の直径を示し、Iは処理槽101aの内径を示す。回転時の直径Jは内径Iに対して20〜50%が好ましい。20%未満の場合は、処理槽内に滞留部が多くなり、記録材料の種類によっては塗布膜が剥離しないで残る場合がある。50%を越えた場合は、撹拌による対流が撹拌羽根に当たり となり、記録材料の種類によっては塗布膜が剥離しないで残る場合がある。
撹拌羽根101bの回転速度(周速度)は0.1〜10m/secが好ましい。0.1m/sec未満の場合は、処理槽内の撹拌が十分に行われなくなり滞留部が発生し、記録材料の種類によっては塗布膜の剥離が不完全になる場合がある。10m/secを越える場合は、チップ状の記録材料の種類によっては、撹拌時の撹拌羽根への衝突圧が高くなることによりチップ状の記録材料に損傷を与える場合がある。
図4〜図7に示す撹拌羽根を使用し図1〜図3に示す回収装置により支持体を回収することで次の効果が得られた。1)撹拌時に羽根の角部に衝突するチップ状の記録材料が損傷(微細なヒビ、割れ目、支持体の層内破壊等)することが防止されるため、これらの損傷箇所に剥離した塗布膜が挟まったり、スラッジが入り込むことで最終段階まで除去することが出来ずに不純物として持ち込まれることがなく、記録材料の支持体の原料として使
用可能な純度が高い支持体の回収が可能となった。2)処理槽内で滞留箇所が生じることが無くなり、塗布膜の剥離が安定して行われ剥離ムラを防止することが可能となり、塗布膜が不純物として持ち込まれることを防止することが可能となった。3)天然高分子系バインダー及び高分子系バインダーを用いた記録材料から記録材料の支持体の材料として再使用可能の支持体回収収率を大幅に向上させることが可能となった。
用可能な純度が高い支持体の回収が可能となった。2)処理槽内で滞留箇所が生じることが無くなり、塗布膜の剥離が安定して行われ剥離ムラを防止することが可能となり、塗布膜が不純物として持ち込まれることを防止することが可能となった。3)天然高分子系バインダー及び高分子系バインダーを用いた記録材料から記録材料の支持体の材料として再使用可能の支持体回収収率を大幅に向上させることが可能となった。
本発明に係る撹拌羽根の材質としては、ステンレス、鉄、アルミニウム、テフロン(R)樹脂、ナイロン樹脂等が挙げられる。
本発明に係る支持体としては特に限定はなく、例えば特開2000−206646、同2001−290243、同2002−99063、同2002−116320、同2002−131872、同2002−250990、同2003−1774等に記載のものが挙げられる。
本発明に係る、支持体を用いた記録材料としては、天然高分子バインダー及び合成高分子バインダーを使用して塗布膜を形成した記録材料のいずれも対象とすることが可能である。天然高分子バインダーを用いた記録材料としては、例えば医療用、印刷用、一般用のハロゲン化銀写真感光材料が挙げられる。合成高分子バインダーを用いた記録材料としては、熱現像感光材料、放射線画像変換シート等が挙げられる。特に、特開平9−292671号、同9−304870号、同9−304871号、同9−304872号、同10−31282号、特開平10−62898号、特開平11−295844号、特開平11−352627号に開示されている熱現像感光材料が好ましい。
本発明において、支持体上に形成される塗布膜に用いる透明又は半透明の天然高分子、合成高分子バインダーとしては次のものが挙げられる。天然高分子バインダーとしては例えば:ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン、デンプン等が挙げられる。合成高分子バインダーとしては例えば:ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメチルメタクリル酸、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリビニルアセタール類(例えば、ポリビニルホルマール及びポリビニルブチラール)、ポリエステル類、ポリウレタン類、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリエポキシド類、ポリカーボネート類、ポリビニルアセテート、セルロースエステル類、ポリアミド類が広く用いられる。
塗布膜に用いるバインダーとしては、疎水性樹脂及び親水性樹脂のいずれでもよく、それぞれの適性に応じて使い分けられる。
好ましい疎水性樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明の具体的な効果を示すが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
以下、実施例を挙げて本発明の具体的な効果を示すが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
実施例1
(記録材料の準備)
記録材料として、コニカミノルタエムジー(株)製SD−P(熱現像感光材料)の半切サイズを使用した。尚、支持体の厚さは200μmである。
(記録材料の準備)
記録材料として、コニカミノルタエムジー(株)製SD−P(熱現像感光材料)の半切サイズを使用した。尚、支持体の厚さは200μmである。
(撹拌羽根の準備)
角部のRを表1に示す様に変えた図5に示す形状の羽根を作製し、図4に示すように取り付け部材に円盤状部材を使用し、円盤状部材の周縁部に、円盤状部材を均等に分割し対向する位置に回転軸に対して45°(攪拌羽根の回転方向の下流側に対して仰角側)で6枚を取り付け1−1〜9とした。攪拌羽根の回転方向の下流側に対して仰角側となっている。
角部のRを表1に示す様に変えた図5に示す形状の羽根を作製し、図4に示すように取り付け部材に円盤状部材を使用し、円盤状部材の周縁部に、円盤状部材を均等に分割し対向する位置に回転軸に対して45°(攪拌羽根の回転方向の下流側に対して仰角側)で6枚を取り付け1−1〜9とした。攪拌羽根の回転方向の下流側に対して仰角側となっている。
尚、羽根の長さに対する幅の比は2とし、撹拌羽根の回転時の容積は処理槽の処理液の容量に対して15%になるようにした。羽根の厚さは5mmとし、ステンレスを使用した。撹拌羽根を回転した時の直径は、処理槽の内径に対して40%になるようにした。羽根の角部のRはチップ状の記録材料の外形サイズに対する値を示す。
(チップ状の記録材料の準備)
10mm×10mm(外形サイズ14mm)の大きさのチップ状の記録材料(コニカミノルタエムジー(株)製SD−P(熱現像感光材料)の半切サイズ)10kgを準備した。
10mm×10mm(外形サイズ14mm)の大きさのチップ状の記録材料(コニカミノルタエムジー(株)製SD−P(熱現像感光材料)の半切サイズ)10kgを準備した。
〈支持体の回収〉
図1に示す方法に従って順次処理を行った。
図1に示す方法に従って順次処理を行った。
(アルカリ性処理液による処理)
準備したチップ状の記録材料の全量を濃度1mol/Lの水酸化ナトリウム溶液100Lと混合し、作製した撹拌羽根1−1を使用し、回転速度(周速度)5m/秒、温度90℃で1時間、撹拌処理し塗布膜を剥離した。尚、使用した撹拌羽根は、処理槽の液面からの垂直方向の距離が処理液の深さに対して0.7になるように回転軸に取り付け処理槽内に配設した。
準備したチップ状の記録材料の全量を濃度1mol/Lの水酸化ナトリウム溶液100Lと混合し、作製した撹拌羽根1−1を使用し、回転速度(周速度)5m/秒、温度90℃で1時間、撹拌処理し塗布膜を剥離した。尚、使用した撹拌羽根は、処理槽の液面からの垂直方向の距離が処理液の深さに対して0.7になるように回転軸に取り付け処理槽内に配設した。
(処理済みアルカリ性処理液から支持体の回収)
各処理済みアルカリ性処理液を図1に示す第1分離部、第2分離部、酸性処理液による処理、水洗、乾燥を行い支持体を回収し、試料とし101した。
試料101を作製した同じ条件で各撹拌羽根1−2〜1−9を使用し同量のチップ状の記録材料を処理し支持体を回収し、試料102〜109とした。
各処理済みアルカリ性処理液を図1に示す第1分離部、第2分離部、酸性処理液による処理、水洗、乾燥を行い支持体を回収し、試料とし101した。
試料101を作製した同じ条件で各撹拌羽根1−2〜1−9を使用し同量のチップ状の記録材料を処理し支持体を回収し、試料102〜109とした。
〈第1分離部による分離処理〉
(ハイドロサイクロンによる分離)
図1に示すハイドロサイクロンを使用し、処理済みのアルカリ性処理液から固形物の分離を行った。使用したハイドロサイクロンは、円柱部長さ0.45m、円柱部内径0.3m、円錐部の長さ0.45m、円錐部テーパー度15%、オリフィス部内径5cmのものを使用し、ハイドロサイクロンの上部より、ハイドロサイクロンの円周接線方向に、流速100m/minの速度で処理済みのアルカリ性処理液を導入し処理を行った。
(第1衝突型遠心脱水機による分離)
ハイドロサイクロンにより各処理済みアルカリ性処理液から分離された固形物に、更に水を加え固形分濃度を50質量%に調整し、図1、図3に示す第1衝突型遠心脱水機の下部より、流速5m/minの速度で混合液を導入し、不要物の一部を分離した。尚、使用した第1衝突型遠心脱水機は、外筒直径0.4m、高さ1.5m、回転ローターの直径0.3m、直径1.5mのものを使用し、回転速度(回転周速)は15m/secで行った。尚、分離筒は、直径2mm(チップ状の記録材料の大きさ(外形サイズ)に対して1/5)の円形の孔が3mm間隔でチドリ状に配列し開孔率40%のものを使用した。
(エアーサイクロンによる水分、その他付着物等の分離)
第1衝突型遠心脱水機の上部より、各処理済みアルカリ性処理液から分離して排出されてくる固形物をエアーサイクロンにより、付着している水分、その他付着物を分離した。
(ハイドロサイクロンによる分離)
図1に示すハイドロサイクロンを使用し、処理済みのアルカリ性処理液から固形物の分離を行った。使用したハイドロサイクロンは、円柱部長さ0.45m、円柱部内径0.3m、円錐部の長さ0.45m、円錐部テーパー度15%、オリフィス部内径5cmのものを使用し、ハイドロサイクロンの上部より、ハイドロサイクロンの円周接線方向に、流速100m/minの速度で処理済みのアルカリ性処理液を導入し処理を行った。
(第1衝突型遠心脱水機による分離)
ハイドロサイクロンにより各処理済みアルカリ性処理液から分離された固形物に、更に水を加え固形分濃度を50質量%に調整し、図1、図3に示す第1衝突型遠心脱水機の下部より、流速5m/minの速度で混合液を導入し、不要物の一部を分離した。尚、使用した第1衝突型遠心脱水機は、外筒直径0.4m、高さ1.5m、回転ローターの直径0.3m、直径1.5mのものを使用し、回転速度(回転周速)は15m/secで行った。尚、分離筒は、直径2mm(チップ状の記録材料の大きさ(外形サイズ)に対して1/5)の円形の孔が3mm間隔でチドリ状に配列し開孔率40%のものを使用した。
(エアーサイクロンによる水分、その他付着物等の分離)
第1衝突型遠心脱水機の上部より、各処理済みアルカリ性処理液から分離して排出されてくる固形物をエアーサイクロンにより、付着している水分、その他付着物を分離した。
〈第2分離処理部による固形物から塗布膜、スラッジ等の分離〉
第1分離処理部により分離された固形物から、支持体に残存している塗布膜、付着しているスラッジ及び塗布膜、分離せずに残っている剥離した塗布膜等を除去するために図1に示される第2分離処理部による処理を行った。
第1分離処理部により分離された固形物から、支持体に残存している塗布膜、付着しているスラッジ及び塗布膜、分離せずに残っている剥離した塗布膜等を除去するために図1に示される第2分離処理部による処理を行った。
(高剪断撹拌装置による混合)
高剪断撹拌装置としてはヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製FM20C/L、上羽根はYi羽根、下羽根はSo羽根)を使用した。分離された固形物を図1、図2に示されるヘンシェルミキサーによる処理を行うため、固形分濃度が50質量%になるように水を加えて調整した。調整した処理液を、羽根の回転速度(羽根の先端の周速度)は40m/sec、温度30℃で10分間ヘンシェルミキサーによる処理を行った。
(第2衝突型遠心脱水機による分離)
ヘンシェルミキサーにより混合された混合液を、図1、図3に示す第2衝突型遠心脱水機の下部より、流速5m/minの速度で混合液を導入し、固形物より支持体の分離を行った。尚、使用した第2衝突型遠心脱水機は、第1衝突型遠心脱水機と同じ物を使用し、同じ条件で処理した。
高剪断撹拌装置としてはヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製FM20C/L、上羽根はYi羽根、下羽根はSo羽根)を使用した。分離された固形物を図1、図2に示されるヘンシェルミキサーによる処理を行うため、固形分濃度が50質量%になるように水を加えて調整した。調整した処理液を、羽根の回転速度(羽根の先端の周速度)は40m/sec、温度30℃で10分間ヘンシェルミキサーによる処理を行った。
(第2衝突型遠心脱水機による分離)
ヘンシェルミキサーにより混合された混合液を、図1、図3に示す第2衝突型遠心脱水機の下部より、流速5m/minの速度で混合液を導入し、固形物より支持体の分離を行った。尚、使用した第2衝突型遠心脱水機は、第1衝突型遠心脱水機と同じ物を使用し、同じ条件で処理した。
(酸性溶液による処理)
第2衝突型遠心脱水機により分離された固形物(支持体)から異物を除去するために濃度5mol/Lの硝酸溶液により、温度50℃で、60分間処理した後、水洗処理・乾燥を行った。
第2衝突型遠心脱水機により分離された固形物(支持体)から異物を除去するために濃度5mol/Lの硝酸溶液により、温度50℃で、60分間処理した後、水洗処理・乾燥を行った。
(評価)
得られた各試料101〜109に付き、分子量測定、着色度測定、異物付着観察を行い、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表2に示す。尚、分子量測定は柴山科学機械製作所製粘度測定器SS−270LC−1を用いて測定し、得られた粘度から換算した。着色度測定は、各試料を使用し、日精樹脂工業(株)製射出成型機AU3Eを用いて、厚さ0.5mmのプレートを作製した。それぞれのプレートを(株)日立製作所製分光光度計U−3210を用いて測定した。
得られた各試料101〜109に付き、分子量測定、着色度測定、異物付着観察を行い、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表2に示す。尚、分子量測定は柴山科学機械製作所製粘度測定器SS−270LC−1を用いて測定し、得られた粘度から換算した。着色度測定は、各試料を使用し、日精樹脂工業(株)製射出成型機AU3Eを用いて、厚さ0.5mmのプレートを作製した。それぞれのプレートを(株)日立製作所製分光光度計U−3210を用いて測定した。
分子量の評価ランク
○:基準試料に対する差が10%未満
△:基準試料に対する差が10〜30%未満
×:基準試料に対する差が30%以上
尚、評価に使用した基準試料には、製膜直後の支持体を使用した。
○:基準試料に対する差が10%未満
△:基準試料に対する差が10〜30%未満
×:基準試料に対する差が30%以上
尚、評価に使用した基準試料には、製膜直後の支持体を使用した。
着色度の評価ランク
○:基準試料に対する差が3%未満
△:基準試料に対する差が3〜5%未満
×:基準試料に対する差が5%以上
尚、評価に使用した基準試料には、製膜直後の支持体を細断し、各試料と同様に日精樹脂工業(株)製射出成型機AU3Eを用いて、厚さ0.5mmのプレートを作製した物を使用した。
○:基準試料に対する差が3%未満
△:基準試料に対する差が3〜5%未満
×:基準試料に対する差が5%以上
尚、評価に使用した基準試料には、製膜直後の支持体を細断し、各試料と同様に日精樹脂工業(株)製射出成型機AU3Eを用いて、厚さ0.5mmのプレートを作製した物を使用した。
異物付着観察
各試料101〜109につき、各10gを任意サンプリングし、目視により異物付着の有無を確認した。
各試料101〜109につき、各10gを任意サンプリングし、目視により異物付着の有無を確認した。
異物付着の評価ランク
○:回収した支持体の全てに異物付着が認められない
△:回収した支持体の1枚に直径0.1mm程度の大きさの異物が1〜4個付着している
×:回収した支持体の1枚に直径0.1mm程度の大きさの異物が5個以上付着している
○:回収した支持体の全てに異物付着が認められない
△:回収した支持体の1枚に直径0.1mm程度の大きさの異物が1〜4個付着している
×:回収した支持体の1枚に直径0.1mm程度の大きさの異物が5個以上付着している
以上の結果より、使用前のPETと同じ純度の支持体が回収されたことが確認され、本発明の有効性が確認された。
実施例2
(記録材料の準備)
記録材料として、コニカミノルタエムジー(株)製SD−P(熱現像感光材料)の半切サイズを使用した。尚、支持体の厚さは200μmである。
(記録材料の準備)
記録材料として、コニカミノルタエムジー(株)製SD−P(熱現像感光材料)の半切サイズを使用した。尚、支持体の厚さは200μmである。
(撹拌羽根の準備)
実施例1で作製した撹拌羽根1−4を作製するときに、羽根の回転軸に対する取り付け角度(攪拌羽根の回転方向の下流側に対して仰角側)を表3に示す様に変えて作製し2−1〜2−7とした。
実施例1で作製した撹拌羽根1−4を作製するときに、羽根の回転軸に対する取り付け角度(攪拌羽根の回転方向の下流側に対して仰角側)を表3に示す様に変えて作製し2−1〜2−7とした。
(チップ状の記録材料の準備)
10mm×10mm(外形サイズ14mm)の大きさのチップ状の記録材料(コニカミノルタエムジー(株)製SD−P(熱現像感光材料)の半切サイズ)10kgを準備した。
10mm×10mm(外形サイズ14mm)の大きさのチップ状の記録材料(コニカミノルタエムジー(株)製SD−P(熱現像感光材料)の半切サイズ)10kgを準備した。
(支持体の回収)
準備した撹拌羽根を使用し、実施1と同じ条件、同じ方法で準備したチップ状の記録材料全量をアルカリ性処理液による処理を行い、実施1と同じ条件、同じ方法で処理済みアルカリ性処理液から支持体を回収し試料201〜207とした。
準備した撹拌羽根を使用し、実施1と同じ条件、同じ方法で準備したチップ状の記録材料全量をアルカリ性処理液による処理を行い、実施1と同じ条件、同じ方法で処理済みアルカリ性処理液から支持体を回収し試料201〜207とした。
(評価)
得られた各試料201〜207に付き、分子量測定、着色度測定、異物付着観察を実施例1と同じ方法で行い、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表4に示す。
得られた各試料201〜207に付き、分子量測定、着色度測定、異物付着観察を実施例1と同じ方法で行い、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表4に示す。
以上の結果より、使用前のPETと同じ純度の支持体が回収されたことが確認され、本発明の有効性が確認された。
実施例3
(記録材料の準備)
記録材料として、コニカミノルタエムジー(株)製SD−P(熱現像感光材料)の半切サイズを使用した。尚、支持体の厚さは200μmである。
(記録材料の準備)
記録材料として、コニカミノルタエムジー(株)製SD−P(熱現像感光材料)の半切サイズを使用した。尚、支持体の厚さは200μmである。
(撹拌羽根の準備)
実施例1で準備した撹拌羽根1−4を使用した。
実施例1で準備した撹拌羽根1−4を使用した。
(チップ状の記録材料の準備)
10mm×10mm(外形サイズ14mm)の大きさのチップ状の記録材料(コニカミノルタエムジー(株)製SD−P(熱現像感光材料)の半切サイズ)10kgを準備した。
10mm×10mm(外形サイズ14mm)の大きさのチップ状の記録材料(コニカミノルタエムジー(株)製SD−P(熱現像感光材料)の半切サイズ)10kgを準備した。
〈支持体の回収〉
準備した撹拌羽根を使用し、表5に示す様に撹拌羽根の回転速度(周速度)を変えた他は実施1と同じ条件、同じ方法で準備したチップ状の記録材料全量をアルカリ性処理液による処理を行い、実施1と同じ条件、同じ方法で処理済みアルカリ性処理液から支持体を回収し試料301〜308とした。
準備した撹拌羽根を使用し、表5に示す様に撹拌羽根の回転速度(周速度)を変えた他は実施1と同じ条件、同じ方法で準備したチップ状の記録材料全量をアルカリ性処理液による処理を行い、実施1と同じ条件、同じ方法で処理済みアルカリ性処理液から支持体を回収し試料301〜308とした。
(評価)
得られた各試料301〜308に付き、分子量測定、着色度測定、異物付着観察を実施例1と同じ方法で行い、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表5に示す。
得られた各試料301〜308に付き、分子量測定、着色度測定、異物付着観察を実施例1と同じ方法で行い、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表5に示す。
以上の結果より、使用前のPETと同じ純度の支持体が回収されたことが確認され、本発明の有効性が確認された。
実施例4
(記録材料の準備)
記録材料として、コニカミノルタエムジー(株)製SD−P(熱現像感光材料)の半切サイズを使用した。尚、支持体の厚さは200μmである。
(記録材料の準備)
記録材料として、コニカミノルタエムジー(株)製SD−P(熱現像感光材料)の半切サイズを使用した。尚、支持体の厚さは200μmである。
(撹拌羽根の準備)
実施例1で準備した撹拌羽根1−4を使用した。
実施例1で準備した撹拌羽根1−4を使用した。
(チップ状の記録材料の準備)
10mm×10mm(外形サイズ14mm)の大きさのチップ状の記録材料(コニカミノルタエムジー(株)製SD−P(熱現像感光材料)の半切サイズ)10kgを準備した。
10mm×10mm(外形サイズ14mm)の大きさのチップ状の記録材料(コニカミノルタエムジー(株)製SD−P(熱現像感光材料)の半切サイズ)10kgを準備した。
〈支持体の回収〉
準備した撹拌羽根を使用し、表6に示す様に撹拌羽根の処理槽の底面からの高さを変えた他は実施1と同じ条件、同じ方法で準備したチップ状の記録材料全量をアルカリ性処理液による処理を行い、実施1と同じ条件、同じ方法で処理済みアルカリ性処理液から支持体を回収し試料401〜408とした。尚、撹拌羽根の処理槽の底面からの高さは処理槽の深さに対しての割合を示す。
準備した撹拌羽根を使用し、表6に示す様に撹拌羽根の処理槽の底面からの高さを変えた他は実施1と同じ条件、同じ方法で準備したチップ状の記録材料全量をアルカリ性処理液による処理を行い、実施1と同じ条件、同じ方法で処理済みアルカリ性処理液から支持体を回収し試料401〜408とした。尚、撹拌羽根の処理槽の底面からの高さは処理槽の深さに対しての割合を示す。
(評価)
得られた各試料401〜408に付き、分子量測定、着色度測定、異物付着観察を実施例1と同じ方法で行い、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表6に示す。
得られた各試料401〜408に付き、分子量測定、着色度測定、異物付着観察を実施例1と同じ方法で行い、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表6に示す。
以上の結果より、使用前のPETと同じ純度の支持体が回収されたことが確認され、本発明の有効性が確認された。
実施例5
実施例2の試料204を作製するときに、チップ状の記録材料の大きさを表7に示す様な外形サイズを使用した他は全て同じ条件で処理し支持体の回収し試料501〜507とした。
実施例2の試料204を作製するときに、チップ状の記録材料の大きさを表7に示す様な外形サイズを使用した他は全て同じ条件で処理し支持体の回収し試料501〜507とした。
(評価)
得られた各試料501〜507に付き、分子量測定、着色度測定、異物付着観察を実施例1と同じ方法で行い、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表7に示す。
得られた各試料501〜507に付き、分子量測定、着色度測定、異物付着観察を実施例1と同じ方法で行い、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表7に示す。
以上の結果より、使用前のPETと同じ純度の支持体が回収されたことが確認され、本発明の有効性が確認された。
実施例6
実施例2の試料204を作製するときに、アルカリ性処理液のチップ状の記録材料の固形分濃度を表8に示すに変えた他は全て同じ条件で処理し支持体の回収し試料601〜607とした。
実施例2の試料204を作製するときに、アルカリ性処理液のチップ状の記録材料の固形分濃度を表8に示すに変えた他は全て同じ条件で処理し支持体の回収し試料601〜607とした。
(評価)
得られた各試料601〜607に付き、分子量測定、着色度測定、異物付着観察を実施例1と同じ方法で行い、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表8に示す。
得られた各試料601〜607に付き、分子量測定、着色度測定、異物付着観察を実施例1と同じ方法で行い、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表8に示す。
以上の結果より、使用前のPETと同じ純度の支持体が回収されたことが確認され、本発明の有効性が確認された。
1 第1化学処理部
101、401 処理装置
101a 処理槽
101b2 回転軸
101b3 撹拌羽根
101b31 羽根
101b32 円盤状部材
102 記録材料
103 アルカリ性処理液
103a 液面
2 第1分離処理部
201 ハイドロサイクロン
202 第1衝突型遠心脱水機
3 第2分離処理部
301 高剪断撹拌装置
302 第2衝突型遠心脱水機
4 第2化学処理部
5 水洗・乾燥部
501 水洗装置
502 乾燥装置
a〜p 角部
G 深さ
H 高さ
I 内径
J 直径
θ1、θ2 取り付け角度
θ3 角度
101、401 処理装置
101a 処理槽
101b2 回転軸
101b3 撹拌羽根
101b31 羽根
101b32 円盤状部材
102 記録材料
103 アルカリ性処理液
103a 液面
2 第1分離処理部
201 ハイドロサイクロン
202 第1衝突型遠心脱水機
3 第2分離処理部
301 高剪断撹拌装置
302 第2衝突型遠心脱水機
4 第2化学処理部
5 水洗・乾燥部
501 水洗装置
502 乾燥装置
a〜p 角部
G 深さ
H 高さ
I 内径
J 直径
θ1、θ2 取り付け角度
θ3 角度
Claims (8)
- ポリエステル系樹脂支持体上に少なくとも1層の塗布膜を有するチップ状の記録材料を撹拌装置を用いて処理槽中でアルカリ性処理液により処理した後、
該アルカリ性処理液から第1分離処理部と第2分離処理部とにより該ポリエステル系樹脂支持体を分離した後、酸性処理液による処理を経て、
前記ポリエステル系樹脂支持体を回収するポリエステル系樹脂支持体回収方法において、
該撹拌装置は処理槽と、回転軸に取り付け部材を介して取り付けられた少なくとも二枚の羽根を有する撹拌羽根とを有し、
該羽根の角部は、該チップ状の記録材料の外形サイズの0.01〜100倍のRが施されていることを特徴とするポリエステル系樹脂支持体回収方法。 - 前記取り付け部材が円盤状部材であり、該円盤状部材の周縁部に、前記円盤状部材を均等に分割し対向する位置に少なくとも二枚の撹拌羽根を有し、該攪拌羽根の傾斜角度が、回転軸に対し35〜55°であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
- 前記攪拌羽根の傾斜向きが、該攪拌羽根の回転方向の下流側に対して仰角側であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
- 前記攪拌羽根の回転速度(周速度)が0.1〜10m/secであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
- 前記撹拌羽根は、処理槽の液面からの垂直方向の距離が処理液の深さに対して0.05〜0.9の位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
- 前記チップ状の記録材料は、外形サイズが0.1〜100mmの不定形であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
- 前記アルカリ性処理液でチップ状の記録材料を処理するときの固形分濃度が0.1〜50質量%であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
- 前記塗布膜は天然高分子系バインダー又は合成高分子系バインダーを使用していることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のポリエステル系樹脂支持体回収方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003364440A JP2005125642A (ja) | 2003-10-24 | 2003-10-24 | ポリエステル系樹脂支持体回収方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003364440A JP2005125642A (ja) | 2003-10-24 | 2003-10-24 | ポリエステル系樹脂支持体回収方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005125642A true JP2005125642A (ja) | 2005-05-19 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003364440A Pending JP2005125642A (ja) | 2003-10-24 | 2003-10-24 | ポリエステル系樹脂支持体回収方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2005125642A (ja) |
-
2003
- 2003-10-24 JP JP2003364440A patent/JP2005125642A/ja active Pending
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