JP2005261367A - 表現型予測方法及び自動診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】検体細胞または検体細胞集団において、顕在化していない表現型を確実に予測することができる表現型予測方法を提供することを目的とする。また、本発明は、表現型の原因となるDNA変異を容易に確認するため、一連の方法を自動化した自動診断装置を提供することを目的とする。
【解決手段】正常細胞に由来する1組のゲノム全体をカバーするプローブ群を有するゲノムDNAマイクロアレイに対し、変異細胞または変異細胞集団より抽出した変異ゲノムDNAと、正常の細胞または細胞集団より抽出した正常ゲノムDNAとを異なる標識物で蛍光ラベルし、それらゲノムDNAを競合的にハイブリダイズさせ、得られた蛍光シグナルの蛍光強度比を調べ、細胞当たりのコピー数が増減しているDNA配列を有する少なくとも一つのプローブ及びそのコピー数の増減パターンとが関連づけられた変異遺伝子型パターンを得る。検体細胞または細胞集団において同様の操作を行い、得られた遺伝子型パターンを変異遺伝子型パターンと比較する。また、以上の工程を自動化する。

Description

本発明は、検体細胞または検体細胞集団における表現型予測方法及び自動診断装置に関する。
担持体上にDNAやRNA、タンパク質をアレイ状に固定したデバイスとして、マイクロアレイが知られており、生物学、医学の分野において研究や診断に用いられている。マイクロアレイの表面にはDNAやRNA、タンパク質などのプローブが固定されるが、例えばDNAとしては、オリゴDNA、cDNA、ゲノムDNAなどが使用される。
このようなDNAを用いたマイクロアレイの応用例として、CGH(comparative genomic hybridization)マイクロアレイ法が知られている。この方法によると、多数の遺伝子、多数のcDNA、または特定の染色体領域をカバーする多数のゲノムDNA断片を固定したマイクロアレイに対し、異なる蛍光色素を用いて標識した検体ゲノムDNAと正常ゲノムDNAを競合的にハイブリダイズさせ、各プローブの蛍光シグナルを検出することにより、検体ゲノムDNA中で、細胞当たりのコピー数が増減しているDNAを含む領域、またはそこに含まれる遺伝子を同定することができる(例えば、非特許文献1参照)。
この方法を用いると、検体が、検査時点で、遺伝子型から予想される表現型を示していなくとも、将来、その表現型が顕在化する可能性を予測できる。
メソッズ オブ モレキュラー バイオロジー(Methods Mol. Biol.) 2004年 256巻 39-56頁
しかし、このような、多数の遺伝子、多数のcDNA、または特定の染色体領域をカバーする多数のゲノムDNA断片を固定したマイクロアレイを用い、顕在化する可能性のある表現型を予測する際、検体ゲノムDNA中で、細胞当たりのコピー数が増減しているDNAを含む領域がそのアレイ上に含まれていない場合、その表現型は同定できない。従って、予め、少なくともある程度対象となる表現型を絞ってから、それに適したゲノムDNA断片を固定したマイクロアレイを用いることになり、表現型が特定できない場合への適用は難しい
そこで、本発明は、正常細胞に由来する1組のゲノム全体をカバーするプローブ群を有するゲノムDNAマイクロアレイを用いることにより、検体細胞または検体細胞集団において、顕在化していない表現型を確実に予測することができる表現型予測方法を提供することを目的としてなされた。また、この方法は、顕在化している表現型の原因となるDNA変異を確認することにも用いることができるため、本発明は、顕在化している表現型の原因となるDNA変異を容易に確認するため、一連の方法を自動化した自動診断装置を提供することを目的とする。
本発明の表現型予測方法は、検体細胞または検体細胞集団における表現型予測方法であって、正常細胞に由来する1組のゲノム全体をカバーするプローブ群を有するゲノムDNAマイクロアレイを作製する工程と、各プローブのDNA配列を明らかにする工程と、少なくとも一つのDNA配列の、細胞当たりのコピー数が正常より増減していることが起因となる表現型を有する変異細胞または前記変異細胞集団より抽出した変異ゲノムDNAと、正常の前記細胞または前記細胞集団より抽出した正常ゲノムDNAとを異なる標識物でラベルする工程と、前記ゲノムDNAマイクロアレイに対し、前記変異ゲノムDNAと前記正常DNAを競合的にハイブリダイズさせる工程と、得られたシグナルを解析し、前記変異細胞または前記変異細胞集団において、細胞当たりのコピー数が増減しているDNA配列を有する少なくとも一つのプローブを同定する工程と、を行うことによって、前記表現型と、細胞当たりのコピー数が増減しているDNA配列を有する少なくとも一つの前記プローブ及びそのコピー数の増減パターンを対応付けた後、実質上表現型の顕在化していない検体細胞または検体細胞集団より抽出した検体ゲノムDNAと、正常の前記細胞または前記細胞集団より抽出した正常ゲノムDNAとを異なる標識物でラベルする工程と、前記ゲノムDNAマイクロアレイに対し、前記検体ゲノムDNAと前記検体DNAを競合的にハイブリダイズさせる工程と、得られたシグナルを解析し、前記検体細胞または前記検体細胞集団において、細胞当たりのコピー数が増減しているDNA配列を有する少なくとも一つのプローブを同定する工程と、を行うことによって、細胞当たりのコピー数が増減しているDNA配列を有する少なくとも一つの前記プローブ及びそのコピー数の増減パターンから、前記表現型を予測する。
また、本発明の自動診断装置は、検体細胞または検体細胞集団を診断するための自動診断装置であって、正常細胞に由来する1組のゲノム全体をカバーするプローブ群を有するゲノムDNAマイクロアレイを作製する工程と、少なくとも一つのDNA配列の、細胞当たりのコピー数が正常より増減していることが起因となる表現型を有する変異細胞または前記変異細胞集団より抽出した変異ゲノムDNAと、正常の前記細胞または前記細胞集団より抽出した正常ゲノムDNAとを異なる標識物でラベルする工程と、前記ゲノムDNAマイクロアレイに対し、前記変異ゲノムDNAと前記正常DNAを競合的にハイブリダイズさせる工程と、得られたシグナルを解析し、前記変異細胞または前記変異細胞集団において、細胞当たりのコピー数が増減しているDNA配列を有する少なくとも一つのプローブを同定する工程と、が行われることによって、前記表現型と、細胞当たりのコピー数が増減しているDNA配列を有する少なくとも一つの前記プローブ及びそのコピー数の増減パターンとが関連づけられた遺伝子型パターンを記憶する記憶装置と、細胞または細胞集団よりゲノムDNAを抽出するDNA抽出装置とゲノムDNAを標識物でラベルするラベル装置と、検体細胞または検体細胞集団より前記DNA抽出装置によって抽出され、前記ラベル装置によってラベルされた検体ゲノムDNAと、正常の前記細胞または前記細胞集団より前記DNA抽出装置によって抽出され、前記ラベル装置によってラベルされた正常ゲノムDNAとを、前記ゲノムDNAマイクロアレイに対し競合的にハイブリダイズさせるハイブリダイゼーション装置と、得られたシグナルを検出し、前記検体細胞または前記検体細胞集団において、細胞当たりのコピー数が増減しているDNA配列を有する少なくとも一つのプローブを同定する検出装置と、細胞当たりのコピー数が増減しているDNA配列を有する少なくとも一つの前記プローブ及びそのコピー数の増減パターンとを対応付けた検体遺伝子型パターンと、前記遺伝子型パターンとを比較する解析装置と、を備える。
また、本発明の自動診断装置は、検体細胞または検体細胞集団を診断するための自動診断装置であって、正常細胞に由来する1組のゲノム全体をカバーするプローブ群を有するゲノムDNAマイクロアレイを作製する工程と、少なくとも一つのDNA配列の、細胞当たりのコピー数が正常より増減していることが起因となる表現型を有する変異細胞または前記変異細胞集団より抽出した変異ゲノムDNAと、正常の前記細胞または前記細胞集団より抽出した正常ゲノムDNAとを異なる標識物でラベルする工程と、前記ゲノムDNAマイクロアレイに対し、前記変異ゲノムDNAと前記正常DNAを競合的にハイブリダイズさせる工程と、得られたシグナルを解析し、前記変異細胞または前記変異細胞集団において、細胞当たりのコピー数が増減しているDNA配列を有する少なくとも一つのプローブを同定する工程と、が行われることによって、前記表現型と、細胞当たりのコピー数が増減しているDNA配列を有する少なくとも一つの前記プローブ及びそのコピー数の増減パターンとが関連づけられた遺伝子型パターンを記憶するための記憶装置と、DNA抽出装置と、ゲノムDNAを標識物でラベルするためのラベル装置と、2種以上のゲノムDNAを競合的にハイブリダイズさせるハイブリダイゼーション装置と、前記シグナルを検出するための検出装置と、2種以上の前記遺伝子型パターンを比較するための解析装置と、を備え、前記DNA抽出装置が、検体細胞または検体細胞集団より検体ゲノムDNAを抽出し、正常の前記細胞または前記細胞集団より正常ゲノムDNAを抽出し、前記ラベル装置が、前記検体ゲノムDNA及び正常ゲノムDNAを異なる標識物でラベルし、前記ハイブリダイゼーション装置が、前記検体ゲノムDNA及び正常ゲノムDNAを前記ゲノムDNAマイクロアレイに対し競合的にハイブリダイズさせ、前記検出装置が前記標識物からのシグナルを検出し、前記検体細胞または前記検体細胞集団において、細胞当たりのコピー数が増減しているDNA配列を有する少なくとも一つのプローブを同定し、前記解析装置が、細胞当たりのコピー数が増減しているDNA配列を有する少なくとも一つの前記プローブ及びそのコピー数の増減パターンとを対応付けた検体遺伝子型パターンと、前記遺伝子型パターンとを比較することを特徴としてもよい。
上記いずれかの自動診断装置において、前記記憶装置が、前記表現型と、細胞当たりのコピー数が増減しているDNA配列を有する少なくとも一つの前記プローブ及びそのコピー数の増減パターンとが関連づけられた1つ以上の前記遺伝子型パターンを有するデータベースを備え、前記解析装置が、前記検体遺伝子型パターンと同じパターンを有する前記遺伝子型パターンを前記データベース中で検索するための検索プログラムを備えていてもよい。また、前記検体細胞または検体細胞集団がヒト由来であり、前記表現型が疾患であってもよい。また、前記表現型が腫瘍化であってもよい。
本発明により、正常細胞に由来する1組のゲノム全体をカバーするプローブ群を有するゲノムDNAマイクロアレイを用いることにより、検体細胞または検体細胞集団において、顕在化していない表現型を確実に予測することができる表現型予測方法を提供できる。また、この方法は、顕在化している表現型の原因となるDNA変異を確認することにも用いることができるため、本発明は、顕在化している表現型の原因となるDNA変異を容易に確認するため、一連の方法を自動化した自動診断装置を提供することができる。
以下、上記知見に基づき完成した本発明の実施の形態を、実施例を挙げながら詳細に説明する。実施の形態及び実施例に特に説明がない場合には、J. Sambrook, E. F. Fritsch & T. Maniatis (Ed.), Molecular cloning, a laboratory manual (3rd edition), Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, New York (2001); F. M. Ausubel, R. Brent, R. E. Kingston, D. D. Moore, J.G. Seidman, J. A. Smith, K. Struhl (Ed.), Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons Ltd.などの標準的なプロトコール集に記載の方法、あるいはそれを修飾したり、改変した方法を用いる。また、市販の試薬キットや測定装置を用いている場合には、特に説明が無い場合、それらに添付のプロトコールを用いる。
なお、本発明の目的、特徴、利点、及びそのアイデアは、本明細書の記載により、当業者には明らかであり、本明細書の記載から、当業者であれば、容易に本発明を再現できる。以下に記載された発明の実施の形態及び具体的に実施例などは、本発明の好ましい実施態様を示すものであり、例示又は説明のために示されているのであって、本発明をそれらに限定するものではない。本明細書で開示されている本発明の意図並びに範囲内で、本明細書の記載に基づき、様々な改変並びに修飾ができることは、当業者にとって明らかである。
==ゲノムDNAマイクロアレイの作製==
本発明の包括的スクリーニング方法を行うために、まず正常細胞に由来する1組のゲノム全体(whole genome)をカバーするプローブ群を有するゲノムDNAアレイを作製する。
例えば、BACライブラリーを用いて、ランダムに選んだクローンからDNAを抽出し、両端の塩基配列を決定する。ゲノムDNAのデータベースを参照して、各クローンの染色体上での位置決定及びDNA配列決定を行い、ゲノム全域をカバーするクローンが得られるまで、この作業を繰り返す。
次に、BACクローンから得られたDNAを用いて、ゲノムDNAマイクロアレイを作製する。各BACクローンからDNAを抽出し、直接ガラスに貼り付けてもよいが、各BACクローンをPCRで増幅させたDNAを用いて、DNAマイクロアレイを作製する方が簡便で効率がよい。DNAマイクロアレイ作製のためのDNAを得る方法は、RCA(Rolling Circle Amplification )、Adaptor PCR、DOP-PCR(Degenerate oligonucleotide primer PCR)等が考えられるが、操作が簡便なこととアミノ基標識効率がよいことから、以下の実施例ではDOP-PCRを利用した。
以上、BACクローンを利用した、1組のゲノム全体(whole genome)をカバーするプローブ群を有するゲノムDNAアレイの作製方法を述べたが、ゲノムDNAアレイの作製方法はこれに限らず、プローブ群の有するDNAが、全体として、1組のゲノム全体(whole genome)をカバーするようなゲノムDNAアレイを作製できれば、どんなものでもよい。
==CGH法を用いたデータベースの構築==
ここでは、CGH(comparative genomic hybridization)法を用いて、特定の表現型に対応する遺伝子型パターンを明らかにし、そのデータをデータベース化する。
(1)まず、少なくとも一つのDNA配列の、細胞当たりのコピー数が正常より増減していることが起因となる表現型を有する変異細胞または変異細胞集団より変異ゲノムDNAを、正常の細胞または細胞集団より正常ゲノムDNAを抽出する。
変異細胞または変異細胞集団の由来する生物種は何でも良く、原核生物であっても真核生物であっても良く、真核生物では、酵母などの単細胞生物であっても、線虫、ショウジョウバエ、ゼブラフィッシュ、メダカ、カエル、ニワトリ、マウス、ラット、ブタ、ヒト等を含む多細胞生物であってもよい。
細胞集団とは、複数の細胞からなる集団のことであり、組織、器官、個体などであってよい。
正常ゲノムDNAは、正常細胞由来であれば、細胞タイプ(cell-type)には関わらないが、変異細胞または変異細胞集団と同じ細胞タイプあるいは同じ細胞タイプ由来の細胞から抽出されることが望ましい。例えば、変異細胞集団がヒト腫瘍である場合、正常の細胞集団はヒト腫瘍が由来するヒト組織であることが好ましい。
変異細胞または変異細胞集団有する表現型は、顕著な表現型であっても弱い表現型であっても、実際に検出可能であれば何でも良く、特に表現型の種類は限定されない。例えば、ヒト疾患であっても、ヒト疾患以外のものであってもよい。
この場合の表現型は、少なくとも一つのDNA配列の、細胞当たりのコピー数の増減が起因となるものであれば、どんなものでもよいが、通常、このような変異は、体細胞あるいは生殖細胞において、そのDNA配列が重複または欠失することによって生じる。しかし、重複または欠失のような変異が生じていても、そのDNA配列に関し、細胞当たりのコピー数が変わらない場合、この方法は適用できない。例えば、ある細胞においてそのDNA配列の重複と欠失が同時に起きていたり、そのDNA配列の欠失とそのDNA配列を別の染色体に余分に有する転座が同時に起きていたりする場合である。
このような変異の例として、具体的には、ヒトの場合、体細胞変異であれば、細胞の腫瘍化などがあり、生殖細胞変異であれば、遺伝病などがある。また、ヒト以外の生物種を用いて、遺伝学的研究を行う際に作出した突然変異であってもよい。
変異が体細胞突然変異である場合、ゲノムDNAを抽出する変異細胞または変異細胞集団は、その表現型が観察される変異細胞または変異細胞集団が好ましいが、変異が生殖細胞変異である場合は、ゲノムDNAを抽出する変異細胞または変異細胞集団は、同じ個体に由来するものであれば、特に表現型が観察されない細胞または細胞集団であってもよい。
変異細胞集団は、均一な(homogenous)集団であることが好ましい。正常細胞が混入していると、変異細胞集団中の変異が希釈され、検出しにくくなるからである。
(2)次に、抽出した変異ゲノムDNAと正常ゲノムDNAを異なる標識物でラベルする。
標識物は、ジコキシゲニンやビオチンなどでラベルされたdNTPなどを用いてもよい。その場合、抗ジコキシゲニン抗体や抗ビオチン抗体を用いた抗原抗体反応により、酵素反応あるいは蛍光で検出するが、解析のしやすさから蛍光で検出するのが好ましい。定量性の面からは、蛍光色素でラベルされたdNTPを用いて、ゲノムDNAを直接蛍光色素でラベルするのが好ましい。いずれの場合も、最終的に変異ゲノムDNAと正常ゲノムDNAが、異なる放射波長を有する蛍光色素でラベルされる。蛍光色素の種類は、フルオレセイン、ローダミン、テキサスレッド、Cy5、Cy3などがあるが、特に限定されない。
ラベルの方法は、ニックトランスレーション法やランダムラベリング法が用いられるが、これらに限らない。
(3)次に、ゲノムDNAマイクロアレイに対し、定法に従い、ラベルした変異ゲノムDNAと正常ゲノムDNAを、同じハイブリダイゼーション溶液中でハイブリダイズさせる。これにより、変異ゲノムDNAと正常ゲノムDNAは競合的にゲノムDNAマイクロアレイにハイブリダイズする。
変異ゲノムDNAと正常ゲノムDNAは、例えば、緑色を発色する蛍光色素と赤色を発色するような異なる蛍光色素で標識されているため、両者について、一細胞当たりの量が同じであれば、プローブに対し同じ量がハイブリダイズし、両者の蛍光強度比が全体にほぼ一定となる。
しかし、変異ゲノムDNAについて、一細胞当たりの量が正常ゲノムDNAより多ければ、その変異ゲノムDNAを標識した蛍光強度が強くなり、一細胞当たりの量が正常ゲノムDNAより少なければ、正常ゲノムDNAを標識した蛍光強度が強くなり、それぞれ蛍光強度比が偏る。
このようにして、各プローブに対し、得られたシグナルを解析し、変異ゲノムDNA中に、一細胞当たりの量が正常ゲノムDNAと同じであるかどうか調べることにより、当該表現型と、細胞当たりのコピー数が増減しているDNA配列を有する少なくとも一つのプローブ及びそのコピー数の増減パターンとが関連づけられた遺伝子型パターンを得ることができる。
様々な表現型に対して、この方法を適用することにより、それぞれの遺伝子型パターンを得ることができ、そのデータをデータベース化することも可能である。
==表現型予測方法==
検査時点で表現型が顕在化していない検体細胞または検体細胞集団に対し、データベースの構築の際に用いた上記CGH法を適用する。(即ち、変異細胞または変異細胞集団の代わりに、検体細胞または検体細胞集団を用いる。)それにより、検体細胞または検体細胞集団に対する検体遺伝子型パターンを得ることができる。この遺伝子型パターンを、データベース化した遺伝子型パターンと比較し、対応するものがあれば、検査した検体細胞または検体細胞集団は、検査時点では表現型が顕在化していないが、将来的に、対応する遺伝子型パターンを有する変異細胞または変異細胞集団と同じ表現型が顕在化するかもしれないことを予測できる。もとの変異細胞または変異細胞集団の表現型を詳細に調べることにより、顕在化の程度・時期・様相などが、より詳細に予測できる。
この表現型予測方法は、ある形質に関する表現型の原因が、複数のDNA配列の変異によるものであるとき、特に効果が高い。なぜなら、ここでは1組のゲノム全体をカバーするようなゲノムDNAアレイを用いるため、変異DNA配列を包括的に、ゲノムワイドにスクリーニングすることができ、1回のスクリーニングで、変異を生じている配列を漏れなく同定できるからである。
例えば、表現型が複数のDNA配列さらには複数の染色体に渡る変異によって生じる場合、形質が量的なものであり表現型がポリジーンの変異によって生じる場合、形質が冗長性(redundancy)を有する遺伝子群に支配されている場合、表現型を生じる主要な変異以外にモディファイヤー(modifier)が存在する場合など、複雑な遺伝的相互作用があるほど、本発明の表現型予測方法は効果を発揮すると考えられる。実際、腫瘍を生じる場合でも、例えばイニシエーター(initiator)及びプロモーター(promoter)の2段階あるいはそれ以上の多段階の遺伝的変異が必要とされる場合や、また、腫瘍化には直接関わりがないが、腫瘍の悪性化を引き起こすmycのような遺伝子が存在する場合など、ゲノム全体の解析をしないと、解析結果の解釈ができず、結論に結びつかない場合も多い。
最終的に、できるだけ多数の表現型を示す細胞または細胞集団に対して、このCGH法を行い、データベースを大きくすることにより、表現型予測方法の範囲を広げることができる。
一方、各DNA配列中にどのような遺伝子が存在するかを、予め調べておくことにより、表現型の原因遺伝子の候補が得られる。より詳細に分子生物学的解析を行い、重複領域や欠失領域を絞り込むことにより、これらの遺伝子が実際に原因となっているか明らかにすることができる。
==自動診断装置==
上記表現型予測方法は、検体に表現型が顕在化している場合にも適用できる。そこで、表現型の顕在化に関わらず、表現型予測方法を自動化することにより、この方法の効率化を図ることができる。
本発明の場合は、主に、その表現型のDNAレベルでの基盤を確認することが目的となる。しかし、遺伝子型パターンは、基本的には特定の表現型と対応していても、そこに他の変異が生じることにより、もとから存在した変異と相互作用し、表現型が修飾される場合がある。その場合、他の変異がどのようなものか予測できないので、表現型から遺伝子型パターンを予測できなくなってしまう。本発明の自動診断装置は、このような場合、特に効率よく機能する。なぜなら、ここでは1組のゲノム全体をカバーするようなゲノムDNAアレイを用いるため、検体DNA配列を包括的に、ゲノムワイドに検査することができ、1回の検査で、変異を生じている配列を漏れなく同定できるからである。
以下、本実施の形態の自動診断装置について述べる。
この検体細胞または検体細胞集団を診断するための自動診断装置は、細胞または細胞集団よりゲノムDNAを抽出するDNA抽出装置と、ゲノムDNAを標識物でラベルするラベル装置と、2種以上のゲノムDNAを競合的にハイブリダイズさせるハイブリダイゼーション装置、前記シグナルを検出するための検出装置を備える。現在、プラスミド・ミニプリップ装置、ゲノムDNA抽出装置、in situ hybridization装置などが実用化されており、ここで挙げたDNA抽出装置、ラベル装置、ハイブリダイゼーション装置、検出装置は、同様にして、容易に構築でき、ロボット化が可能である。
本実施の形態の自動診断装置は、さらに、上記データベースを記憶する記憶装置と2種以上の前記遺伝子型パターンを比較するための解析装置を備え、また、これらの装置を制御するための制御装置を備える。制御装置は、例えば、通常のコンピュータでよく、特に、簡便さの面からパーソナルコンピュータでもよい。記憶装置は、例えば、パーソナルコンピュータのハードディスクでよいが、これに限らない。解析装置は、独立のパーソナルコンピュータでもよく、制御装置と兼ねていてもよい。また、解析装置は、検索プログラムを有し、そのプログラムを用いて、検体DNAに対して得られた遺伝子型パターンとデータベース中の遺伝子パターンを照合し、同じパターンを有するデータをデータベースから選択する。
本実施の形態の自動診断装置は、さらに、モニタを備えていてもよい。自動診断装置に付属の装置を制御したり、パラメータを入力したり、現在の装置の状態をモニタしたりするのに用いられる。
このような態様の自動診断装置は、以下のように機能する。
まず、変異細胞または変異細胞集団及び正常細胞または正常細胞集団を別々に自動診断装置に投入すると、DNA抽出装置が各ゲノムDNAを抽出する。ラベル装置が各ゲノムDNAを異なる蛍光色素でラベルし、予めセットしたゲノムDNAマイクロアレイに対し、競合的ハイブリダイゼーションを行う。検出装置がゲノムDNAマイクロアレイにおけるシグナルを検出し、蛍光強度比を算出することにより、投入した変異細胞に対する遺伝子型パターンを決め、それらの対応関係と共に、データベースに記憶させる。
以上の操作を、異なる変異細胞に対して繰り返し、データベースの内容を充実させる。なお、ここまでのデータベース構築過程は、本実施の形態の自動診断装置を用いなくてもよく、同じゲノムDNAマイクロアレイを用いて、他の場所で独立に作られたデータを入力することによりデータベースを構築してもよい。
一方、検体細胞または検体細胞集団及び正常細胞または正常細胞集団を自動診断装置に投入し、上記変異細胞と同じように、その検体に対する遺伝子型パターンを決定させる。解析装置は、検索プログラムを用いて、検体遺伝子型パターンとデータベース中の変異遺伝子型パターンと比較しながら、同じパターンを有する変異遺伝子型パターンを上記データベース中で検索する。検索遺伝子型パターンと同じ変異遺伝子型パターンが見つかれば、その疾患名をモニタに表示し、自動診断装置は解析を終える。
検索プログラムは、検体遺伝子型パターンと全く同じ変異遺伝子型パターンでなくても、似たような変異遺伝子型パターンが見つかれば、その情報と共に表示してもよい。
このようにして、自動診断装置を用いれば、検体細胞または検体細胞集団の有する表現型を容易に確認したり見いだしたりすることができる。
[実施例]
(1)BACクローンのスクリーニング
まず、BAC-DNAライブラリーから、1,0176クローンのBACクローンを選択し、R.E.A.L Prep 96 Plasmid Kit( QIAGEN)を用いて、DNAを抽出した。インサートの両端から、クローニングサイト近傍のDNA配列を決定し、プローブとして使用可能なサイズであることと、重複していないこと、全体としてホールゲノムがカバーされていることを基準に7400個以上のクローンを最終的に選別した。
各クローンのDNAの増幅にはDOP-PCR法を用いた。DOP-PCRには以下のプライマーセットを用いた。
DOP-1:5’-CCGACTCGAGNNNNNNCTAGAA-3’ (配列番号:1)
DOP-2:5’-CCGACTCGAGNNNNNNTAGGAG-3’ (配列番号:2)
DOP-3:5’-CCGACTCGAGNNNNNNTTCTAG-3’ (配列番号:3)
これら3種のプライマー用いて同一の鋳型BACクローンに対し、3回のDOP-PCRを行った。DOP-PCRは反応液量10μlとし、反応組成は15mM Tris-HCl pH8.0, 50mM KCl, 2.5mM MgCl2, 0.2mM dNTP, 2μM DOP-PCR primer, 1.25U AmpliTaq Gold, 0.5μl BAC DNAとした。反応にはGene Amp PCR 9700( Perkin Elmer) を用いた。94℃ 3分の熱変性後、94℃ 1.5分, 30℃ 2.5分, ramp at 0.1℃/ sec to 72℃, 72℃ 3分を10サイクル行い、さらに94℃ 1分, 62℃ 1.5分, 72℃ 2分を30サイクル行った。
得られたDOP-PCR産物を鋳型としプライマー2を用いてSecondary PCRを行った。
プライマー2:5’-XGGAAACAGCCCGACTCGAG-3’ (配列番号:4)
Secondary PCRは反応液量20μlとし、反応組成は5mM Tris-HCl pH8.5, 50mM KCl, 2.5mM MgCl2, 0.25mM dNTP, 1.6μM a分o-link primer, 3U AmpliTaq Gold, 0.5μl 各DOP-PCR 産物とした。PCR条件は95℃ 10分の熱変性後、95℃ 1分, 60℃ 1.5分, 72℃ 7分 を35サイクル行い、最後に72℃ 10分で伸張した。
増幅したPCR産物の精製には、マルチスクリーン384 PCRプレート(MILLIPORE)を用いた。精製後DNAは10μlの1x spotting buffer ( 250mM sodium phosphate buffer pH8.5, 0.00025% N-Lauroylsarcosine) に溶解しマイクロアレイの作製に用いた。
(2)マイクロアレイの作製
マイクロアレイの作製にはSPBIO2000(HITACHI)を用いた。調整したDNAをガラススライド上にトリプルスポットし、飽和NaClチャンバーにて24時間インキュベートした。スライドガラス表面をBlocking Buffer(50mM ethanola分e, 0.1M Tris pH9.0, 0.1% SDS)で50℃、15分ブロッキングした後、滅菌蒸留水で2回洗浄し、さらに4x SSC, 0.1% SDS中で50℃、60分洗浄し、滅菌蒸留水で洗浄した。アレイ上のDNAを1本鎖化するためスライドガラスを沸騰した滅菌蒸留水中で2分インキュベートした後、室温の滅菌蒸留水にて2回洗浄し、乾燥させ、デシケータ中で保管した。
(3)DNAのラベリング
ゲノムDNAのラベリングにはBioprime Labeling kit(Invitrogen)を用いた。反応液量は50μlとし指定のプロトコールに従って1μgの健常人DNA(健常人の末梢血より抽出したDNA) と1μgの扁平上皮癌細胞株DNAのラベリング反応を行ったが、反応組成のうち各dNTP濃度を終濃度200μM( dATP, dGTP, dTTP)、50μM( dCTP)、160μM(Cy3またはCy5標識dCTP)となるよう変更した。ラベル後のDNAはSephadex G-50カラムを用いて精製し、67.5μgのHuman Cot-1 DNA (Invitrogen)とともにエタノール濃縮した。
(4)競合的ハイブリダイゼーション
プレハイブリダイゼーション及びハイブリダイゼーションは、Lucidea Slide Pro(Amersham Biosciences) を用いて行った。
まず、エタノール沈殿した各標識ゲノムDNA全量を30μlのハイブリダイゼーションバッファー(50% Formamide, 10% Dextransulfate, 0.1% Tween20, 2x SSC, 10mM Tris-HCl pH7.4)に溶解させ、3μl Yeast tRNA(100μg/μl) を加え72℃にて10分熱変性後、37℃、1時間プレハイブリダイゼーションを行った。一方、マイクロアレイに対しては、DNA mix( 40μg サケ精子DNA、67.5μg Human Cot-1 DNAを濃縮し100μlのハイブリダイゼーションバッファーに溶解した) を72℃、10分変性後、氷冷し、アレイと37℃、1時間プレハイブリダイズさせた。
プレハイブリダイゼーション後の標識ゲノムDNAに200μlのハイブリダイゼーションバッファーを加え、マイクロアレイと37℃、48時間ハイブリダイゼーションさせた。マイクロアレイは、washing buffer1( PBS, 0.05% Tween20) 中で10分間、室温洗浄し、42℃に温めたwashing buffer2( 50% Formamide, 2x SSC) 中で30分間、室温洗浄、さらにwashing buffer1( PBS, 0.05% Tween20) 中で再度10分間、室温洗浄した。さらに0.2xSSC、0.05x SSCで洗浄し、遠心乾燥させスキャニングするまでデシケータ中で遮光保存した。
(5)スキャニングおよびデータ解析
マイクロアレイのスキャニングにはGenePix4000B( Amersham Biosciences)を用いた。スキャニングには付属のソフトウェア設定のautomatic grid featureを使用し、必要な場合にはマニュアル補正を行った。測定したCy3およびCy5の蛍光量からバックグラウンドの蛍光量を引いたものを各スポットの蛍光強度とし、Cy3とCy5の蛍光強度比を算出した。データの標準化にはグローバル法を用いた。全スポットにおける蛍光強度比の平均値を算出し、その平均値で各スポットにおける蛍光強度比を割ったものを各スポットの平均蛍光強度比とした。
なお、コントロールとして、健常人のゲノムDNA同士で、上記マイクロアレイに対して競合的ハイブリダイゼーションを行った結果を表1に、扁平上皮癌細胞株と健常人のゲノムDNAに対して行った結果を表2に示す。
Figure 2005261367
Figure 2005261367
表1では、平均蛍光強度比が0.94〜1.11の範囲に収まっているので、ここから大幅に外れた数値を取るDNA配列に、コピー数の増減が生じていると考えられる。こうして、表2より、扁平上皮癌細胞株では、c-raf1、FHIT、p53、BCL2のコピー数が減少し、EFGR、EMS1、INT2のコピー数が増加していることが明らかになった。
本発明の表現型予測方法において、こうして明らかになる遺伝子型パターンをデータベースに登録し、表現型の予測に利用する。

Claims (6)

  1. 検体細胞または検体細胞集団における表現型予測方法であって、
    正常細胞に由来する1組のゲノム全体をカバーするプローブ群を有するゲノムDNAマイクロアレイを作製する工程と、
    各プローブのDNA配列を明らかにする工程と、
    少なくとも一つのDNA配列の、細胞当たりのコピー数が正常より増減していることが起因となる表現型を有する変異細胞または前記変異細胞集団より抽出した変異ゲノムDNAと、正常の前記細胞または前記細胞集団より抽出した正常ゲノムDNAとを異なる標識物でラベルする工程と、
    前記ゲノムDNAマイクロアレイに対し、前記変異ゲノムDNAと前記正常DNAを競合的にハイブリダイズさせる工程と、
    得られたシグナルを解析し、前記変異細胞または前記変異細胞集団において、細胞当たりのコピー数が増減しているDNA配列を有する少なくとも一つのプローブを同定する工程と、
    を行うことによって、前記表現型と、細胞当たりのコピー数が増減しているDNA配列を有する少なくとも一つの前記プローブ及びそのコピー数の増減パターンを対応付けた後、
    実質上表現型の顕在化していない検体細胞または検体細胞集団より抽出した検体ゲノムDNAと、正常の前記細胞または前記細胞集団より抽出した正常ゲノムDNAとを異なる標識物でラベルする工程と、
    前記ゲノムDNAマイクロアレイに対し、前記検体ゲノムDNAと前記検体DNAを競合的にハイブリダイズさせる工程と、
    得られたシグナルを解析し、前記検体細胞または前記検体細胞集団において、細胞当たりのコピー数が増減しているDNA配列を有する少なくとも一つのプローブを同定する工程と、
    を行うことによって、細胞当たりのコピー数が増減しているDNA配列を有する少なくとも一つの前記プローブ及びそのコピー数の増減パターンから、前記表現型を予測することを特徴とする表現型予測方法。
  2. 検体細胞または検体細胞集団を診断するための自動診断装置であって、
    正常細胞に由来する1組のゲノム全体をカバーするプローブ群を有するゲノムDNAマイクロアレイを作製する工程と、
    少なくとも一つのDNA配列の、細胞当たりのコピー数が正常より増減していることが起因となる表現型を有する変異細胞または前記変異細胞集団より抽出した変異ゲノムDNAと、正常の前記細胞または前記細胞集団より抽出した正常ゲノムDNAとを異なる標識物でラベルする工程と、
    前記ゲノムDNAマイクロアレイに対し、前記変異ゲノムDNAと前記正常DNAを競合的にハイブリダイズさせる工程と、
    得られたシグナルを解析し、前記変異細胞または前記変異細胞集団において、細胞当たりのコピー数が増減しているDNA配列を有する少なくとも一つのプローブを同定する工程と、
    が行われることによって、前記表現型と、細胞当たりのコピー数が増減しているDNA配列を有する少なくとも一つの前記プローブ及びそのコピー数の増減パターンとが関連づけられた遺伝子型パターンを記憶する記憶装置と、
    細胞または細胞集団よりゲノムDNAを抽出するDNA抽出装置と
    ゲノムDNAを標識物でラベルするラベル装置と、
    検体細胞または検体細胞集団より前記DNA抽出装置によって抽出され、前記ラベル装置によってラベルされた検体ゲノムDNAと、正常の前記細胞または前記細胞集団より前記DNA抽出装置によって抽出され、前記ラベル装置によってラベルされた正常ゲノムDNAとを、前記ゲノムDNAマイクロアレイに対し競合的にハイブリダイズさせるハイブリダイゼーション装置と、
    得られたシグナルを検出し、前記検体細胞または前記検体細胞集団において、細胞当たりのコピー数が増減しているDNA配列を有する少なくとも一つのプローブを同定する検出装置と、
    細胞当たりのコピー数が増減しているDNA配列を有する少なくとも一つの前記プローブ及びそのコピー数の増減パターンとを対応付けた検体遺伝子型パターンと、前記遺伝子型パターンとを比較する解析装置と、
    を備える自動診断装置。
  3. 検体細胞または検体細胞集団を診断するための自動診断装置であって、
    正常細胞に由来する1組のゲノム全体をカバーするプローブ群を有するゲノムDNAマイクロアレイを作製する工程と、
    少なくとも一つのDNA配列の、細胞当たりのコピー数が正常より増減していることが起因となる表現型を有する変異細胞または前記変異細胞集団より抽出した変異ゲノムDNAと、正常の前記細胞または前記細胞集団より抽出した正常ゲノムDNAとを異なる標識物でラベルする工程と、
    前記ゲノムDNAマイクロアレイに対し、前記変異ゲノムDNAと前記正常DNAを競合的にハイブリダイズさせる工程と、
    得られたシグナルを解析し、前記変異細胞または前記変異細胞集団において、細胞当たりのコピー数が増減しているDNA配列を有する少なくとも一つのプローブを同定する工程と、
    が行われることによって、前記表現型と、細胞当たりのコピー数が増減しているDNA配列を有する少なくとも一つの前記プローブ及びそのコピー数の増減パターンとが関連づけられた遺伝子型パターンを記憶するための記憶装置と、
    DNA抽出装置と、ゲノムDNAを標識物でラベルするためのラベル装置と、2種以上のゲノムDNAを競合的にハイブリダイズさせるハイブリダイゼーション装置と、前記シグナルを検出するための検出装置と、2種以上の前記遺伝子型パターンを比較するための解析装置と、を備え、
    前記DNA抽出装置が、検体細胞または検体細胞集団より検体ゲノムDNAを抽出し、正常の前記細胞または前記細胞集団より正常ゲノムDNAを抽出し、
    前記ラベル装置が、前記検体ゲノムDNA及び正常ゲノムDNAを異なる標識物でラベルし、
    前記ハイブリダイゼーション装置が、前記検体ゲノムDNA及び正常ゲノムDNAを前記ゲノムDNAマイクロアレイに対し競合的にハイブリダイズさせ、
    前記検出装置が前記標識物からのシグナルを検出し、前記検体細胞または前記検体細胞集団において、細胞当たりのコピー数が増減しているDNA配列を有する少なくとも一つのプローブを同定し、
    前記解析装置が、細胞当たりのコピー数が増減しているDNA配列を有する少なくとも一つの前記プローブ及びそのコピー数の増減パターンとを対応付けた検体遺伝子型パターンと、前記遺伝子型パターンとを比較する
    ことを特徴とする自動診断装置。
  4. 前記記憶装置が、前記表現型と、細胞当たりのコピー数が増減しているDNA配列を有する少なくとも一つの前記プローブ及びそのコピー数の増減パターンとが関連づけられた1つ以上の前記遺伝子型パターンを有するデータベースを備え、
    前記解析装置が、前記検体遺伝子型パターンと同じパターンを有する前記遺伝子型パターンを前記データベース中で検索するための検索プログラムを備えることを特徴とする請求項2または3に記載の自動診断装置。
  5. 前記検体細胞または検体細胞集団がヒト由来であり、前記表現型が疾患であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の自動診断装置。
  6. 前記表現型が腫瘍化であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の自動診断装置。
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