JP2005260906A - 移動通信端末及びその間欠受信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】移動通信端末ごとにその使用環境に応じた適切なスキップ処理を行えるようにし、これにより待ち受け状態における消費電力を効果的に削減する。
【解決手段】 基地局が移動通信端末に対しページングデータを予め設定した送信周期で複数回繰り返し送信し、移動通信端末が待ち受け状態において上記送信周期に対応して定められる第1の間欠受信周期で起床期間を設定してページングデータを受信する移動通信システムで使用される移動通信端末において、上記起床期間ごとに、上記基地局から送信された信号の受信品質をEs検出器61で検出して、この検出された受信品質の安定度をEs判定部71とカウンタ72で測定する。そして、ステップ判定部73により、上記測定された安定度がしきい値を超えると判定された場合に、上記第1の間欠受信周期を当該第1の間欠受信周期より長い第2の間欠受信周期に変更する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、例えば自動車・携帯電話システムや無線LAN等の無線通信システムで使用される移動通信端末に係わり、特に待ち受け期間中に間欠受信動作(Discontinuous Reception Sequence)を行う移動通信端末とその間欠受信方法に関する。
セルラ移動通信ネットワークシステムは、サービスエリアに複数の基地局(Base Station)を分散配置し、これらの基地局によりそれぞれセルと呼ばれる無線ゾーンを形成する。そして、これらのセルごとに基地局と移動通信端末との間の無線接続を行う。この種のシステムでは、移動通信端末で電源が投入されると、当該移動通信端末と最寄りの基地局との間で同期が確立される。また移動通信端末がセル間を移動した場合には、同期確立先の基地局を切り替えるリセレクション処理が行われ、これにより移動先の基地局との間で同期が確立される。そして、同期確立後に移動通信端末は待ち受け状態(Standby State)に移行する。
ところで、待ち受け状態において移動通信端末は間欠受信動作を行う。間欠受信動作は、ウエークアップ期間とスリープ期間とを一定の待ち受け周期で交互に設定することにより、移動通信端末の消費電力を低減するものである。ウエークアップ期間は、基地局がページングチャネル(PCH)により送信する複数のフレームのうち、移動通信端末に割り当てられたフレームの受信期間に設定される。他のフレームの受信期間はスリープ期間となる。
例えば、3GPP(3rd Generation Partnership Project)に準拠したWCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)方式を採用した移動通信システムでは、基地局からPCHにより送信される0〜4095フレームのうち、移動通信端末が自己に割り当てられたフレームを256フレーム周期で受信する。しかし、PCHのフレームに挿入された着信データ(Paging data)を受信するには、自己宛ての着信データが挿入されていない場合でも、その都度デインタリーブ及びビタビ復号処理が必要となる。このため、ウエークアップ期間の消費電力は大きくなる。なお、W−CDMA方式を採用した移動通信端末における間欠受信動作は、例えば非特許文献1に記載されている。
上記消費電力を減らす技術として、伝送路環境が安定している場合にウエークアップ期間をスキップする技術がある。この技術は、例えば基地局が移動通信端末をグループ単位で管理し、任意のグループに対する着信が一定時間以上発生していない場合に、当該グループに属する移動通信端末に対しそれぞれ予告信号を送る。移動通信端末は、上記予告信号が到来した場合に、当該予告信号により指定された回数だけウエークアップ期間をスキップするものである。このようにすると、上記スキップされたウエークアップ期間に相当する分だけ消費電力が減る(例えば、特許文献1を参照。)。
特開平9−37344号公報。 "W−CDMA用移動機",雑誌"FUJITSU",vol.51,no.1(2000年1月発行)(第55ページ)。
ところが、このような従来の技術は、移動通信端末グループに対する着信監視と、スキップ予告処理を基地局が行わなければならず、基地局の処理負荷が増大する。また、グループ内に着信の頻度が高い移動通信端末が1台でも含まれていると、同じグループ内の他の移動通信端末ではたとえ着信頻度が低くてもスキップが行われない。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、基地局に依存することなく、移動通信端末ごとにその使用環境に応じた適切なスキップ処理を行えるようにし、これにより待ち受け状態における消費電力を効果的に削減するようにした移動通信端末とその間欠受信方法を提供することにある。
上記目的を達成するためにこの発明は、基地局が移動通信端末に対しページングデータを予め設定した送信周期で複数回繰り返し送信し、移動通信端末が待ち受け状態において上記送信周期に対応して定められる第1の間欠受信周期で起床期間を設定してページングデータを受信する移動通信システムで使用される移動通信端末において、上記起床期間ごとに、上記基地局から送信された信号の受信品質を検出して、この検出された受信品質の安定度を測定する。そして、上記測定された安定度がしきい値を超える場合に、上記第1の間欠受信周期を当該第1の間欠受信周期より長い第2の間欠受信周期に変更する。
したがってこの発明によれば、受信品質の安定度がしきい値を超える場合には、ウエークアップ期間がスキップされることになる。このため、その分移動通信端末の電力消費量が低減され、これによりバッテリ寿命は延長される。一方、ウエークアップ期間がスキップされると、このスキップされたウエークアップ期間に基地局からページングデータが送信されても移動通信端末はこれを受信できなくなるおそれがある。しかしながら、上記間欠受信周期は、基地局によるページングデータの連続送信回数倍に設定されている。このため、ウエークアップ期間のスキップによりページングデータを受信し損なっても、次のウエークアップ期間には再送信された同一のページングデータを確実に受信できる。
すなわち、この発明によれば、着信完了率を高く保持した上で、消費電力を効果的に低減することができる。これは、例えば移動通信端末が机上に放置されている場合のように静止状態にある場合に、特に有効である。
要するにこの発明によれば、基地局に依存することなく、移動通信端末ごとにその使用環境に応じた適切なスキップ処理を行えるようにし、これにより待ち受け状態における消費電力を効果的に削減するようにした移動通信端末とその間欠受信方法を提供することができる。
はじめに、3GPPに準拠したW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)方式を採用した移動通信システムにおいて、基地局が待ち受け状態の移動通信端末に向け送信する制御チャネルのフレームフォーマットを説明する。図5はその一例を示す図である。
基地局が待ち受け状態の移動通信端末に向け送信する制御チャネルには、PCH(Paging Channel)と、PICH(Paging Indicator CH)とがある。
PCHおよびPICHはともに、SFN(System Frame Number)と呼ばれる0〜4095の番号が付された4096個のフレームにより構成される。ただし、PCHおよびPICHの送信タイミング間には所定のオフセットが設定されている。0〜4095個のフレームは運用上256フレームごとに分割される。各移動通信端末にはこの256フレームのいずれかが固定的に割り当てられる。
すなわち、基地局から個々の移動通信端末に対しては、256フレーム周期(2.56sec)で信号が繰り返し送信される。したがって、各移動通信端末は、自己に割り当てられたフレームを256フレーム周期で間欠受信すればよい。PCHは、1フレームが15個のスロットに分割されている。そして、この15のスロットにビットを分散して挿入することで、ページングデータを送信する。
PICHは、1フレームが144個のポジションに分割されている。各移動通信端末にはこのポジションのいずれか一つが割り当てられる。基地局は、移動通信端末に対し当該移動通信端末に割り当てられたポジションを使用してページングインジケータデータ(Paging Indicator data)を送信する。Paging Indicator Dataは、移動通信端末に対しページングの可能性の有無を通知するためのもので、誤り訂正符号化が施されていない。このため移動通信端末は、デインタリーブ処理及びビタビ復号処理を行うことなく、自己に対するページングの可能性の有無を確認できる。
移動通信端末は、起床するとサービング基地局をサーチしたのち、先ず上記PICHによりPaging Indicator Dataを受信する。そして、受信されたPaging Indicator Dataにより自端末宛てのページングの可能性の有無を判定する。判定の結果、可能性が無ければそのままスリープ状態に移行する。これに対し可能性有りと判定された場合には、引き続きPCHを受信してページングデータを受信する。そして、受信されたページングデータをデインタリーブしたのちビタビ復号し、その復号データをもとに自端末宛てのページングであるかどうかを判定する。判定の結果、自端末宛てのページングであると判定されると、移動通信端末は着信制御を実行する。
図1は、この発明に係わる移動通信端末の一実施形態を示すブロック図である。
図示しない基地局から送信された無線信号は、アンテナ1で受信されたのち無線ユニット(radio unit)2に入力される。無線ユニット2は、低雑音増幅器(Low Noise Amplifier)と、周波数変換器(frequency converter)と、直交復調器(quadrature demodulater)とを備える。低雑音増幅器では、上記受信された無線信号が増幅される。周波数変換器及び直交復調器では、上記増幅された無線信号を復調して受信ベースバンド信号に変換する処理が行われる。この受信ベースバンド信号は、アナログ/ディジタル変換器(A/D)3によりディジタル信号に変換されたのち、復調ユニット4に入力される。
復調ユニット4は、複数のフィンガ回路41と、RAKE合成器42とを備える。上記受信ベースバンド信号は異なる伝送経路を介して受信される複数のパスを含んでいる。上記フィンガ回路41はそれぞれこれらのパスを拡散符号により逆拡散する。RAKE合成器42は、上記各フィンガ回路41から出力される各パスの復調信号を、位相を一致させた上でシンボル単位で合成する。
上記RAKE合成器42から出力されたディジタル復調データはデコーダ(図示せず)に入力される。デコーダは、上記入力されたディジタル復調データに対し誤り訂正復号処理を行った後、スピーチデータに対してはスピーチデコーディングを、また映像データに対してはビデオデコーディングを行う。そして、デコードされたスピーチデータ又は映像データをユーザインタフェースユニット5に入力する。ユーザインタフェースユニット5は、例えばマイク、スピーカ、キー入力デバイス及び表示デバイスを備える。そして、上記デコードされたスピーチデータをスピーカから出力し、一方映像データを表示デバイスに表示する。
ところで、本実施形態の移動通信端末は、ディジタル信号処理部(DSP;Digital Signal Processor)6と、中央制御部(CPU;Central Processes Unit)7とを備える。これらのDSP6及びCPU7は受信系の制御ユニットを構成する。
DSP6は、この発明に関係する信号処理機能として、Es検出部61と、Em検出部62と、デインタリーブ・ビタビ復号部63とを備える。Es検出部61は、上記入力されたディジタル復調信号をもとに、同期確立先のサービング基地局から送信されたパイロット信号の受信レベルEserve(以後Esと称する)を検出する。このEsは、信号と雑音との比(Ec/No)を計算することにより得られる。Em検出部62は、周辺に位置する基地局(neighboring base station)のうちサーチ対象の基地局(monitored base station)から送信されたパイロット信号の受信レベルEmonitor(以後Emと称する)を検出する。このEmも、信号と雑音との比(Ec/No)を計算することにより得られる。デインタリーブ・ビタビ復号部63は、PCHにより受信されたページングデータに対し、デインタリーブ処理及びビタビ復号処理を行う。
CPU7は、この発明に関係する制御機能として、Es判定部71と、カウンタ72と、スキップ判定部73と、第1の間欠受信制御部74と、第2の間欠受信制御部75と、着信制御部76と、リセレクション制御部77と、電源制御部78と、クロック制御部79とを備えている。
Es判定部71は、ウエークアップするごとに、上記Es検出部61により検出されたEsをしきい値Sintraと比較する。そして、Es>Sintraであるか否かを判定する。カウンタ72は、上記Es判定部71によりEs>Sintraと判定された回数Cskipをカウントする。カウンタ72のカウント値Cskipは、上記Es判定部71によりEs≦Sintraと判定されたとき、着信制御部76において着信制御が行われたとき、及びリセレクション制御部77によりリセレクション処理が行われたときにリセットされる。スキップ判定部73は、ウエークアップするごとに、上記カウンタ72のカウント値Cskipをしきい値Nskipと比較する。そして、Cskip<Nskipであるか否かを判定する。
第1の間欠受信制御部74は、サービング基地局から指示された間欠受信周期Tが間欠受信周期の上限値Tupper以上の場合、上記Es判定部71によりEs≦Sintraと判定されたとき、及び上記スキップ判定部73によりCskip<Nskipと判定されたときに、スキップを使用しない第1の間欠受信制御アルゴリズムを実行する。
第2の間欠受信制御部75は、上記スキップ判定部73によりCskip≧Nskipと判定されたときに、スキップを使用した第2の間欠受信制御アルゴリズムを実行する。このときスキップを使用した新たな間欠受信周期TSkipは次のように設定される。
すなわち、W−CDMAシステムでは基地局どうしが非同期のため、各基地局のSNF間にはランダムな位相差がある。このため、移動通信端末のリセレクション処理期間中にページングデータが送信されると、当該移動通信端末は自端末宛てのページングデータを受信できなくなるおそれがある。そこで、基地局は一つの移動通信端末宛てのページングデータを複数回連続して送信する。この結果、移動通信端末ではリセレクションによりページングデータを一つ受信し損なっても、次に送信されるページングデータを受信することができる。上記ページングデータの連続送信回数Nは、
INT[(間欠受信周期T×N)/リセレクション処理時間]>1
を満足する値に定められる。図6にその設定例を示す。
移動通信端末は、第2の間欠受信制御部75により、ネットワークシステムで設定された間欠受信周期Tとリセレクション処理に必要な時間とから、上記ページングデータの連続送信回数Nを推定する。そして、この推定されたNをもとに、スキップを使用した新たな間欠受信周期TSkipを
TSkip=N×T
に設定する。このように設定すると、上記スキップを使用したスリープ期間中に自端末宛てのページングデータを受信し損なっても、基地局からN回送信されるページングデータのいずれかを受信することが可能となる。
着信制御部76は、上記デインタリーブ・ビタビ復号部63により自端末宛のページングデータが受信された場合に、着信報知及び着信応答のための周知の制御を実行する。リセレクション制御部77は、上記Es判定部71によりEs≦Sintraと判定され、かつ上記Em検出部62により検出されたEmの中に上記Esより一定値以上良好なEmがある場合に、同期確立先の基地局を選択し直すリセレクション処理を実行する。
電源制御部78は、上記第1及び第2の間欠受信制御部74,75により決定された起床タイミングにおいて、無線ユニット2及びA/D3に対する電源供給をオンする。また、ウエークアップ期間終了後のスリープ準備処理の実行タイミングにおいて、無線ユニット2及びA/D3に対する電源供給をオフする。クロック制御部79は、上記第1及び第2の間欠受信制御部74,75により決定された起床タイミングにおいて、上記復調ユニット4及びDSP6に対する動作クロックの供給をオンする。また、ウエークアップ期間終了後のスリープ準備処理の実行タイミングにおいて、上記復調ユニット4及びDSP6に対する動作クロックの供給をオフする。
次に、以上のように構成された移動通信端末における間欠受信動作を説明する。図2は図1に示した移動通信端末において実行される間欠受信制御アルゴリズムの手順と内容を示すフローチャート、図3は同制御による間欠受信動作を示すタイミング図である。
移動通信端末は、電源の投入或いはセル間移動に応じ、最寄りの基地局との間で同期を確立するための処理を実行する。そして、同期が確立されると以後当該サービング基地局との間で以下のように間欠受信制御アルゴリズムを開始する。
すなわち、CPU7ははじめに、間欠受信周期の最大値Tupper及び受信品質の安定度を判定するためのしきい値Nskipを設定する。しきい値Nskipとしては、例えばNskip=48に設定される。
CPU7は、次にステップ2aにおいてネットワークシステムで設定された間欠受信周期Tを上記設定された最大値Tupperと比較し、スキップを用いた第2の間欠受信制御アルゴリズムを適用することが可能であるか否かを判定する。その理由は、ネットワークシステムが移動通信端末の低消費電力化のために間欠受信周期を延長した場合に、第2の間欠受信制御アルゴリズムを適用するとスリープ期間が長くなり過ぎて、低速クロックの制御等が困難になるからである。
上記比較の結果、T≧Tupperであれば、CPU7はスキップを用いた第2の間欠受信制御アルゴリズムの適用は困難と判断し、以後スキップを使用しない第1の間欠受信制御アルゴリズムによる通常の間欠受信制御を実行する。これに対しT<Tupperだったとする。この場合CPU7はステップ2bでカウンタ72をリセットし、さらにステップ2cでPCHがクローズ(着信制御)中でないことを確認したのち、ステップ2dによりスリープ移行準備処理を実行してスリープ期間に移行する。
さて、上記スリープ期間中にCPU7はウエークアップタイミングを監視する。そして、ウエークアップタイミングになると起床処理を実行する。この起床処理では、クロック制御部79による復調ユニット4及びDSP6に対する動作クロックの供給開始処理、電源制御部78による無線ユニット2及びA/D3に対する給電開始処理が行われる。続いてCPU7は、ステップ2eにおいてサービング基地局から到来するパイロット信号の受信レベルEserveを検出する。そして、ステップ2fにおいて、上記検出された受信レベルEserveを予め設定されたしきい値Sintraと比較する。
この比較の結果、いま仮に受信レベルEserve≦しきい値Sintraだったとする。この場合CPU7は、受信レベルが低いため第2の間欠受信制御アルゴリズムの使用が困難であると判断し、以下のように第1の間欠受信制御アルゴリズムによる通常の間欠受信制御を実行する。
すなわち、CPU7はステップ2jに移行し、ここで周辺基地局から到来するパイロット信号の受信レベルEmを検出する。そして、先に検出されたサービング基地局からのパイロット信号の受信レベルEserveと、上記検出された周辺基地局からのパイロット信号の受信レベルEmとを比較する。この比較の結果、検出されたEmの中に上記Esより一定値以上良好なEmがある場合には、リセレクション処理を実行する。そして、リセレクション処理終了後に、ステップ2kでカウンタ72のカウント値Cskipをリセットし、さらにステップ2mで次のウエークアップタイミングを通常の間欠受信周期T後に設定する。そして、ステップ2cで自端末宛てのページングデータが受信されたか否かを判定し、自端末宛てのページングデータが受信されなければスリープ期間に移行する。このリセレクション処理が行われたときの移動通信端末の動作タイミングと動作内容を、図4の下段に示す。同図に示すようにこの場合の移動通信端末のウエークアップ期間は約1500msecとなる。
これに対し、上記検出されたEmの中に上記Esより一定値以上良好なEmがなかったとする。この場合CPU7はリセレクション処理を行わない。そして、ステップ2kでカウンタ72のカウント値Cskipをリセットし、さらにステップ2mで次のウエークアップタイミングを通常の間欠受信周期T後に設定する。また、ステップ2cで自端末宛てのページングデータが受信されたか否かを判定し、自端末宛てのページングデータが受信されなければスリープ期間に移行する。このときの移動通信端末の動作タイミングと動作内容を図4の中段に示す。同図に示すようにこの場合の移動通信端末のウエークアップ期間は約100msecとなる。
一方、上記受信レベルの比較により、いま仮に受信レベルEserve>しきい値Sintraだったとする。この場合CPU7は、受信レベルが高いので第2の間欠受信制御アルゴリズムの使用が可能であると判断し、以下のように第2の間欠受信制御アルゴリズムによるスキップを用いた間欠受信制御を実行する。
すなわち、CPU7は先ずステップ2gでカウンタ72のカウント値Cskipをインクリメントする。そして、ステップ2hにおいて、上記インクリメントされたカウント値Cskipをしきい値Nskipと比較する。この比較の結果、カウント値Cskipがしきい値Nskip(=48)に達していなければ、ステップ2mに移行してここで次のウエークアップタイミングを通常の間欠受信周期T後に設定する。そして、ステップ2cで自端末宛てのページングデータが受信されたか否かを判定し、自端末宛てのページングデータが受信されなければスリープ期間に移行する。このときの移動通信端末の動作タイミングと動作内容を図4の上段に示す。同図に示すようにこのときの移動通信端末のウエークアップ期間は約30msecとなる。
以後同様に、受信レベルEserve>しきい値Sintraを維持していれば、CPU7はウエークアップするごとにステップ2fから、ステップ2g、ステップ2h、ステップ2m、ステップ2c及びステップ2dまでの制御を繰り返す。すなわち、サービング基地局からのパイロット信号の受信品質が良好な状態を保持していれば、ウエークアップするごとにカウンタ72のカウント値Cskipがカウントアップされる。
さて、そうしてカウント値Cskipがしきい値Nskip(=48)に達したとする。そうするとCPU7は、サービング基地局からのパイロット信号の受信品質は良好で十分安定していると判断し、ステップ2iに移行する。そして、スキップを用いた新たな間欠受信周期TSkipを設定する。この新たな間欠受信周期TSkipは次のように設定される。すなわち、先ずネットワークシステムで設定された間欠受信周期Tとリセレクション処理に必要な時間とから、サービング基地局によるページングデータの連続送信回数Nを推定する。そして、この推定されたNをもとに、TSkip=N×Tを計算することにより間欠受信周期TSkipを算出し設定する。
例えば、いまネットワークシステムが設定している間欠受信周期Tが2560msecであり、リセレクション処理時間が1500msecだとすると、ページングデータの連続送信回数Nは図6から明らかなようにN=2である。このため、間欠受信周期TSkipは2Tに設定される。したがって、次回のウエークアップタイミングは図3に示すように2T後となる。すなわち、この場合には図3に破線で示したようにウエークアップ期間が1回スキップされることになる。
同様に、間欠受信周期Tが1280msecの場合には、ページングデータの連続送信回数Nは図6から明らかなようにN=3であるため、間欠受信周期TSkipは3Tに設定される。したがって、次回のウエークアップタイミングは、ウエークアップ期間が2回スキップされて3T後となる。
以上のようにウエークアップ期間がスキップされると、その分移動通信端末の電力消費量が低減され、これによりバッテリ寿命は延長される。一方、ウエークアップ期間がスキップされると、このスキップされたウエークアップ期間に基地局からページングデータが送信されても移動通信端末をこれを受信できなくなる。しかし、上記したようにスキップを用いた間欠受信周期TSkipは、基地局によるページングデータの連続送信回数N倍に設定されている。このため、例えば図3に示すようにウエークアップ期間のスキップによりページングデータを受信し損なっても、次のウエークアップ期間には再送信された同一のページングデータを確実に受信できる。
なお、上記カウント値Cskipがしきい値Nskip(=48)に達していない状態で、サービング基地局からのパイロット信号の受信レベルEsがしきい値Sintra以下に低下したとする。この場合CPU7は、ステップ2fからステップ2jを経てステップ2kに移行し、ここでカウンタ72のカウント値Cskipをリセットし、ステップ2mにおいて次回のウエークアップタイミングを1周期後に設定する。
すなわち、スキップを用いた第2の間欠受信制御アルゴリズムは、サービング基地局からのパイロット信号の受信品質Eserveが48周期にわたり連続してしきい値Nskip以上の場合にのみ、つまり受信品質が良好な状態が十分安定して続いている場合にのみ実行される。したがって、着信完了率を高く保持した上で、消費電力を効果的に低減することができる。これは、例えば移動通信端末が机上に放置されている場合のように静止状態にある場合に、特に有効である。
また、一般に通話期間は間欠受信周期に比べ長いため、通話期間終了後も良好な受信品質が維持されるとは限らない。また、リセレクション処理は受信品質が劣化した時に行われることが多いため、この場合もリセレクション終了後に良好な受信品質が維持される保証はない。しかし本実施形態では、カウント値Cskipがしきい値Nskip(=48)に達していない状態で、自端末宛てのページングデータが検出されて着信制御が実行された場合や、リセレクション制御が実行された場合には、カウンタ72のカウント値Cskipがリセットされる。このため、受信品質が不安定な状態でスキップを用いた第2の間欠受信制御が実行される不具合を未然に回止することができ、これによりスキップを用いた第2の間欠受信制御をより安定な状態で使用することができる。
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、受信品質の安定度を判定するためのしきい値NskipをNskip=48に設定したが、他の値に設定してもよい。この値は、受信品質が十分安定している期間が少なくとも2分以上となるように設定するのが好ましい。
また前記実施形態では、ページングデータの連続送信回数をNとするとき、スキップを用いた新たな間欠受信周期TSkipをN×Tに設定した。しかし、着信完了率より低消費電力化を優先する場合には、スキップを用いた新たな間欠受信周期TSkipをK×N×T(Kは整数)に設定してもよい。例えば、着信完了率と低消費電力とのうちいずれを優先するかを表す指示情報を、ユーザインタフェースユニット5の入力デバイスから受け付ける。そして、受け取った指示情報が低消費電力を優先するものだった場合に、スキップを用いた新たな間欠受信周期TSkipをK×N×T(Kは整数)に設定する。
また、カウント値Cskipの増加に応じ、2N×T,3N×T,4N×T,…のように間欠受信周期TSkipを長く設定するようにしてもよい。このようにすると、受信品質が良好な状態が長く続いけば続くほど、移動通信端末の消費電力低減効果を高めることがでる。
さらに、前記実施形態では、3GPPに準拠したW−CDMA方式を採用した移動通信端末を例にとって説明したが、同様のシーケンスを採用する他の無線通信システムにも、この発明は適用可能である。
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
この発明の一実施形態に係わる移動通信端末の構成を示すブロック図。 図1に示した移動通信端末において実行される間欠受信制御の手順と内容を示すフローチャート。 図1に示した移動通信端末において実行される間欠受信動作を説明するためのタイミング図。 図1に示した移動通信端末によるウエークアップ期間の受信動作を説明するためのタイミング図。 基地局から送信されるPCH及びPICHのフレームフォーマットを示す図。 間欠受信周期と連続着信通知回数との関係を示す図。
符号の説明
1…アンテナ、2…無線ユニット、3…アナログ/ディジタル変換器(A/D)、4…復調ユニット、5…ユーザインタフェースユニット、6…ディジタル信号処理部(DSP)、7…中央制御部(CPU)、41…フィンガ回路、42…RAKE合成器、61…Es検出部、62…Em検出部、63…デインタリーブ・ビタビ復号部、71…Es判定部、72…カウンタ、73…スキップ判定部、74…第1の間欠受信制御部、75…第2の間欠受信制御部、76…着信制御部、77…リセレクション制御部、78…電源制御部、79…クロック制御部。

Claims (16)

  1. ページングデータを予め設定した送信周期で複数回繰り返し送信する基地局と、待ち受け状態において前記送信周期に対応して定められる第1の間欠受信周期で起床期間とスリープ期間とを交互に設定し、前記設定された起床期間に前記基地局から送信されるページングデータを受信する移動通信端末とを備える移動通信システムで使用される前記移動通信端末であって、
    前記起床期間ごとに、前記基地局から送信された信号の受信品質を検出する手段と、
    前記検出された受信品質の安定度を測定する手段と、
    前記測定された安定度がしきい値を超える場合に、前記第1の間欠受信周期を当該第1の間欠受信周期より長い第2の間欠受信周期に変更する手段と
    を具備することを特徴とする移動通信端末。
  2. 前記安定度を測定する手段は、
    前記検出された受信品質をしきい値と比較する手段と、
    前記受信品質がしきい値以上と判定された回数をカウントする手段と
    前記カウントする手段によるカウント値に基づいて、前記受信品質が予め定めた数の起床期間にわたり連続して前記しきい値以上となったか否かを判定する手段と
    を備え、
    かつ前記変更する手段は、
    前記判定する手段により、前記受信品質が予め定めた数の起床期間にわたり連続して前記しきい値以上となったと判定された場合に、前記第1の間欠受信周期を当該第1の間欠受信周期より長い第2の間欠受信周期に変更することを特徴とする請求項1記載の移動通信端末。
  3. 前記変更する手段は、
    前記送信周期Tと、同期確立先の基地局を切り替えるためのリセレクション処理に必要な時間とをもとに、前記基地局によるページングデータの繰り返し送信回数Nを推定する手段と、
    前記送信周期Tと、前記推定された繰り返し送信回数Nとをもとに、前記第2の間欠受信周期TSkipをTSkip=N×Tに設定する手段と
    を備えることを特徴とする請求項1記載の移動通信端末。
  4. 前記変更する手段は、
    着信完了率と低消費電力とのうちいずれを優先するかを表す指示情報を受け取る手段と、
    前記受け取った指示情報が低消費電力を優先するものだった場合に、前記第2の間欠受信周期TSkipをTSkip=K×N×T(Kは整数)に設定する手段と
    を備えることを特徴とする請求項1記載の移動通信端末。
  5. 前記変更する手段は、
    前記測定された安定度を、第1のしきい値及び当該第1のしきい値より高く設定された第2のしきい値とそれぞれ比較する手段と、
    前記測定された安定度が第1のしきい値を超える場合に、前記第1の間欠受信周期を当該第1の間欠受信周期より長い第2の間欠受信周期に変更する手段と、
    前記測定された安定度が第2のしきい値を超える場合に、前記第1の間欠受信周期を前記第2の間欠受信周期より長い第3の間欠受信周期に変更する手段と
    を備えることを特徴とする請求項1記載の移動通信端末。
  6. 前記基地局から、ページングデータの送信周期を表す情報を取得する手段と、
    前記取得された送信周期を予め定められた上限値と比較する手段と、
    前記比較の結果、前記取得された送信周期が上限値を超えている場合には前記第1の間欠受信周期の変更を禁止する手段と
    を、さらに具備することを特徴とする請求項1記載の移動通信端末。
  7. 前記基地局から自端末宛てのページングデータが受信された場合に着信制御を実行する手段と、
    前記着信制御が実行された場合に、前記起床期間の間欠受信周期を前記第2の間欠受信周期から前記第1の間欠受信周期に戻す手段と
    を、さらに具備することを特徴とする請求項1記載の移動通信端末。
  8. 同期確立先の基地局を変更するリセレクション処理を実行する手段と、
    前記リセレクション処理が実行された場合に、前記起床期間の間欠受信周期を前記第2の間欠受信周期から前記第1の間欠受信周期に戻す手段と
    を、さらに具備することを特徴とする請求項1記載の移動通信端末。
  9. 第1の間欠受信周期で起床期間とスリープ期間とを交互に設定し、前記設定された起床期間に基地局から送信されるページングデータを受信する過程と、
    前記起床期間ごとに、前記基地局から送信された信号の受信品質を検出する過程と、
    前記検出された受信品質の安定度を測定する過程と、
    前記測定された安定度がしきい値を超える場合に、前記第1の間欠受信周期を当該第1の間欠受信周期より長い第2の間欠受信周期に変更する過程と
    を具備することを特徴とする移動通信端末の間欠受信方法。
  10. 前記安定度を測定する過程は、
    前記検出された受信品質をしきい値と比較する過程と、
    前記受信品質がしきい値以上と判定された回数をカウントする過程と
    前記カウント値に基づいて、前記受信品質が予め定めた数の起床期間にわたり連続して前記しきい値以上となったか否かを判定する過程と、
    を備え、
    かつ前記変更する過程は、
    前記判定する手段により、前記受信品質が予め定めた数の起床期間にわたり連続して前記しきい値以上となったと判定された場合に、前記第1の間欠受信周期を当該第1の間欠受信周期より長い第2の間欠受信周期に変更する過程を備えることを特徴とする請求項9記載の移動通信端末の間欠受信方法。
  11. 前記変更する過程は、
    前記基地局がページングデータを繰り返し送信する周期Tと、同期確立先の基地局を切り替えるためのリセレクション処理に必要な時間とをもとに、前記基地局によるページングデータの繰り返し送信回数Nを推定する過程と、
    前記送信周期Tと、前記推定された繰り返し送信回数Nとをもとに、前記第2の間欠受信周期TSkipをTSkip=N×Tに設定する過程と
    を備えることを特徴とする請求項9記載の移動通信端末の間欠受信方法。
  12. 前記変更する過程は、
    着信完了率と低消費電力とのうちいずれを優先するかを表す指示情報を受け取る過程と、
    前記受け取った指示情報が低消費電力を優先するものだった場合に、前記第2の間欠受信周期TSkipをTSkip=K×N×T(Kは整数)に設定する過程と
    を備えることを特徴とする請求項9記載の移動通信端末の間欠受信方法。
  13. 前記変更する過程は、
    前記測定された安定度を第1のしきい値及び当該第1のしきい値より高く設定された第2のしきい値とそれぞれ比較する過程と、
    前記測定された安定度が第1のしきい値を超える場合に、前記第1の間欠受信周期を当該第1の間欠受信周期より長い第2の間欠受信周期に変更する過程と、
    前記測定された安定度が第2のしきい値を超える場合に、前記第1の間欠受信周期を前記第2の間欠受信周期より長い第3の間欠受信周期に変更する過程と
    を備えることを特徴とする請求項9記載の移動通信端末の間欠受信方法。
  14. 前記基地局から、ページングデータの送信周期を表す情報を取得する過程と、
    前記取得された送信周期を予め定められた上限値と比較する過程と、
    前記比較の結果、前記取得された送信周期が上限値を超えている場合には、前記第1の間欠受信周期の変更を禁止する過程と
    を、さらに具備することを特徴とする請求項9記載の移動通信端末の間欠受信方法。
  15. 前記基地局から自端末宛てのページングデータが受信された場合に着信制御を実行する過程と、
    前記着信制御が実行された場合に、前記起床期間の間欠受信周期を前記第1の間欠受信周期に戻す過程と
    を、さらに具備することを特徴とする請求項9記載の移動通信端末の間欠受信方法。
  16. 同期確立先の基地局を変更するリセレクション処理を実行する過程と、
    前記リセレクション処理が実行された場合に、前記起床期間の間欠受信周期を前記第1の間欠受信周期に戻す過程と
    を、さらに具備することを特徴とする請求項9記載の間欠受信方法。
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