JP2005259817A - 実装構造体の製造方法、電気光学装置の製造方法、電気光学装置及び電子機器 - Google Patents
実装構造体の製造方法、電気光学装置の製造方法、電気光学装置及び電子機器 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】
作業効率を簡略化して半導体素子の上面に遮光材を設けることが可能な実装構造体の製造方法、電気光学装置の製造方法、電気光学装置及び電子機器を提供すること。
【解決手段】
半導体素子33を、基材20上に実装する工程と、遮光部材35を、半導体素子33の基材30側の面33aとは反対側の面33b上に配置する工程と、半導体素子33にモールド材36を塗布する工程とを具備する実装構造体の製造方法において、遮光部材35配置工程の後にモールド材36塗布工程を行う。
【選択図】 図5
作業効率を簡略化して半導体素子の上面に遮光材を設けることが可能な実装構造体の製造方法、電気光学装置の製造方法、電気光学装置及び電子機器を提供すること。
【解決手段】
半導体素子33を、基材20上に実装する工程と、遮光部材35を、半導体素子33の基材30側の面33aとは反対側の面33b上に配置する工程と、半導体素子33にモールド材36を塗布する工程とを具備する実装構造体の製造方法において、遮光部材35配置工程の後にモールド材36塗布工程を行う。
【選択図】 図5
Description
本発明は、半導体素子が実装された実装構造体の製造方法、電気光学装置の製造方法、電気光学装置及び電子機器に関する。
電気光学装置、例えば液晶装置は、液晶を挟んで対向する一対の基板からなる液晶パネルと、これを駆動するICチップを有している。ICチップは、例えば液晶を挟んで対向する一対の基板の一方に実装される。ICチップはバックライトからの光や自然光が侵入することにより誤動作するおそれがあり、実装面とは反対の面側から侵入してくる光を遮断するために、ICチップの実装面と反対側の面に遮光膜を配置している(例えば、特許文献1参照)。
従来、このような実装構造を得るために、次のようにICチップを実装していた。すなわち、基板上にICチップを実装した後、このICチップにモールド材を塗布する。次に、ICチップの実装面と反対側の面に付着したモールド材をふきとり、接着性を有する遮光テープをICチップの実装面と反対側の面上に貼り付けていた。
特開平11−242445号公報(段落[0017]、第3図)
しかしながら、上述のような実装方法では、モールド材をふきとる手間がかかり、作業効率が悪いという問題があった。また、モールド材のふきとりが十分でなかったり、モールド材のふき取り工程を省略した場合、ICチップの上面に付着したモールド材によりICチップの上面に凹凸が生じ、遮光テープとICチップの上面との接着強度が低くなり、遮光テープが剥がれるなどの問題が生じていた。更に、ICチップの上面に凹凸があると、遮光テープとICチップとの間に隙間が生じ、この隙間から光が侵入し、ICチップの誤動作を招く恐れがあった。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたもので、モールド材のふきとり工程を省き、更にICチップの上面に密着して遮光部材を設けることが可能な実装構造体の製造方法、電気光学装置の製造方法、電気光学装置及び電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の実装構造体の製造方法は、半導体素子を、基材上に実装する工程と、遮光部材を、前記半導体素子の前記基材側の面とは反対側の面上に配置する工程と、前記半導体素子にモールド材を塗布する工程とを具備する実装構造体の製造方法において、前記遮光部材配置工程の後に前記モールド材塗布工程を行うことを特徴とする。
本発明のこのような構成によれば、モールド材塗布工程の前に遮光部材配置工程を行っているので、従来のようなモールド材のふき取り工程が必要なく、作業工程数を減らすことができ、作業効率が良い。更に、モールド材塗布の前に遮光部材を配置するため、半導体素子の基材側の面と反対側の面上が平滑な状態で、遮光部材の配置を行うことができる。そのため遮光部材と半導体素子との間に隙間が生じず、半導体素子の基材側の面と反対側の面側から照射される光を遮光部材により確実に遮断でき、半導体素子の光による影響をなくすことができる。
また、前記遮光部材は、前記半導体素子の前記遮光部材が配置される面と同じ平面形状を有することを特徴とする。
このような構成によれば、モールド材塗布工程時に、半導体素子の側面部において遮光部材と半導体素子との間に空間が生じないため、気泡の混入なくモールド材を容易に塗布することができる。
また、前記モールド材塗布工程において、前記モールド材を前記遮光部材の周縁部の少なくとも一部を覆うように塗布することを特徴とする。
このような構成によれば、遮光部材の周縁部が、半導体素子とともにモールド材により覆われるため、遮光部材がより剥がれにくくなり、機械的強度が向上する。
また、前記遮光部材は、前記半導体素子よりも大きい平面形状を有することを特徴とする。
このような構成によれば、遮光部材配置時に位置ずれが生じても、この位置ずれ精度を考慮して遮光部材の平面形状の大きさを決定することにより、半導体素子の基材側の面と反対側の面を完全に遮光部材により覆うことができる。
本発明の電気光学装置の製造方法は、電気光学物質を保持する基材を備える電気光学パネルと、前記基材上に実装された半導体素子と、を有する電気光学装置の製造方法において、前記半導体素子の実装方法は、前記半導体素子を、前記基材上に実装する工程と、遮光部材を、前記半導体素子の前記基材側の面とは反対側の面上に配置する工程と、前記半導体素子にモールド材を塗布する工程とを具備し、前記遮光部材配置工程の後に前記モールド材塗布工程を行うことを特徴とする。
本発明のこのような構成によれば、モールド材塗布工程の前に遮光部材配置工程を行っているので、従来のようなモールド材のふき取り工程が必要なく、作業工程数を減らすことができ、作業効率が良い。更に、モールド材塗布の前に遮光部材を配置するため、半導体素子の基材側の面と反対側の面上が平滑な状態で、遮光部材の配置を行うことができる。そのため遮光部材と半導体素子との間に隙間が生じず、半導体素子の基材側の面と反対側の面側から照射される光を遮光部材により確実に遮断でき、半導体素子の光による影響をなくすことができ、電気光学装置の表示特性への影響がない。
本発明の他の電気光学装置の製造方法は、電気光学パネルと、前記電気光学パネルに電気的に接続された基材と、前記基材上に実装された半導体素子と、を具備する電気光学装置の製造方法において、前記半導体素子の実装方法は、前記半導体素子を、前記基材上に、実装する工程と、遮光部材を、前記半導体素子の前記基材側の面とは反対側の面上に配置する工程と、前記半導体素子にモールド材を塗布する工程とを具備し、前記遮光部材配置工程の後に前記モールド材塗布工程を行うことを特徴とする。
本発明のこのような構成によれば、モールド材塗布工程の前に遮光部材配置工程を行っているので、従来のようなモールド材のふき取り工程が必要なく、作業工程数を減らすことができ、作業効率が良い。更に、モールド材塗布の前に遮光部材を配置するため、半導体素子の基材側の面と反対側の面上が平滑な状態で、遮光部材の配置を行うことができる。そのため遮光部材と半導体素子との間に隙間が生じず、半導体素子の基材側の面と反対側の面側から照射される光を遮光部材により確実に遮断でき、半導体素子の光による影響をなくすことができ、電気光学装置の表示特性への影響がない。
本発明の電気光学装置は、電気光学物質を保持する基材と、前記基材上に実装された半導体素子と、前記半導体素子の前記基材側の面とは反対側の面上に配置された遮光部材と、前記基材、前記半導体素子の側面及び前記遮光部材の少なくとも一部を覆うモールド材とを具備することを特徴とする。
本発明のこのような構成によれば、遮光部材の少なくとも一部が、半導体素子を保護するモールド材により、半導体素子の側面とともに保護されるため、従来よりも遮光部材が剥がれにくく、機械的強度に優れる。また、遮光部材により半導体素子の基材側の面と反対側の面側から照射される光が半導体素子に入射されることを防止でき、半導体素子の基材側の面と反対側の面側から半導体素子に対して照射される光の侵入による半導体素子への影響をなくすことができ、電気光学装置の表示特性への影響がない。
本発明の他の電気光学装置は、電気光学パネルと、前記電気光学パネルと電気的に接続された実装構造体とを具備する電気光学装置において、前記実装構造体は、基材と、前記基材上に実装された半導体素子と、前記半導体素子の前記基材側の面とは反対側の面上に配置された遮光部材と、前記基材、前記半導体素子の側面及び前記遮光部材の少なくとも一部を覆うモールド材とを具備することを特徴とする。
本発明のこのような構成によれば、遮光部材の少なくとも一部が、半導体素子を保護するモールド材により、半導体素子の側面とともに保護されるため、従来よりも遮光部材が剥がれにくく、機械的強度に優れる。また、遮光部材により半導体素子の基材側の面と反対側の面側から照射される光が半導体素子に入射されることを防止でき、半導体素子の基材側の面と反対側の面側から半導体素子に対して照射される光の侵入による半導体素子への影響をなくすことができ、電気光学装置の表示特性への影響がない。
また、前記遮光部材は、前記半導体素子よりも大きい平面形状を有することを特徴とする。
このような構成によれば、半導体素子の基材側の面と反対側の面を完全に遮光部材により覆うことができ、半導体素子の基材側の面と反対側の面に対して照射する光を遮光部材により完全に遮断できる。また、遮光部材が半導体素子の基材側の面と反対側の面よりも突出した形状をしているので、半導体素子の基材側の面と反対側の面に対して斜めに照射してくる光を、この突出した部分により遮断することができる。これにより、半導体素子の側面への光入射も、より確実に遮断することができる。
また、前記遮光部材は、前記半導体素子の前記遮光部材が配置される面と同じ平面形状を有することを特徴とする。
このような構成によれば、モールド材塗布工程時に、半導体素子の側面部において遮光部材と半導体素子との間に空間が生じないため、気泡の混入なくモールド材を容易に塗布することができる。従って、塗布されたモールド材に気泡の混入がないので、外部から半導体素子へのごみなどの侵入を完全に遮断することができ、信頼性の高い電気光学装置を得ることができる。
本発明の電子機器は、上述に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする。
本発明のこのような構成によれば、表示特性の良い表示画面を有する電子機器を得ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。なお、以下実施形態を説明するにあたっては、電気光学装置として液晶装置を例にあげる。具体的には透過型のパッシブマトリックス方式の液晶装置、またその液晶装置を用いた電子機器について説明するがこれに限られるものではない。また、以下の図面においては各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等が異なっている。
<第1実施形態>
(実装構造体及び電気光学装置)
図1は本発明の第1実施形態に係る電気光学装置としての液晶装置の概略斜視図である。図2は、図1の液晶装置の線A−Aで切断した概略断面図である。図1においては、バックライト、偏光板の図示を省略している。図3は、半導体素子としてのICチップの実装構造を説明するための断面図である。図3(a)は第1実施形態におけるICチップの断面図、図3(b)は従来におけるICチップの断面図である。図4は、本実施形態におけるICチップの実装工程のフロー図である。図5は、本実施形態におけるICチップの実装工程を示す工程図である。
図1及び図2に示すように、液晶装置1は、電気光学パネルとしての液晶パネル2と、液晶パネル2を挟み込むように設けられた一対の偏光板30と、液晶パネル2に電気的に接続されたフレキシブル配線基板50と、フレキシブル配線基板50に接続された回路基板(図示せず)と、液晶パネル2の一方の面に隣接して配置されたバックライト40を具備している。
液晶パネル2は、シール材31により接着された一対の基板2a及び2bを有している。一対の基板2a及び2bとシール材31により囲まれた領域内には電気光学物質例えばSTN(Super Twisted Nematic)液晶32が封入されている。
基板2aは、第2基材10と、この第2基材10の液晶側表面上にストライプ状に形成されたセグメント電極配線11と、このセグメント電極配線11を覆って順次形成されたオーバーコート層12及び配向膜13とを有している。
一方、基板2bは、第1基材20と、この第1基材20の液晶側表面上にセグメント電極配線11と交差してストライプ状に形成されたコモン電極配線22と、このコモン電極配線22を覆って順次形成されたオーバーコート層12及び配向膜13とを有している。更に、基板2bは、基板2aよりも張り出した張り出し部に実装された半導体素子としてのICチップ33と、ICチップ33及びフレキシブル配線基板50とを電気的に接続する外部接続用端子23と、コモン電極配線22が延在してなるコモン接続用端子22aと、セグメント電極配線11と電気的に接続するセグメント接続用端子11aとを有している。ICチップ33には、回路基板からフレキシブル配線基板50に設けられた配線(図示せず)及び外部接続用端子23を介して、表示画像に係る各種の信号が供給される。そして、ICチップ33からは、ICチップ33に電気的に接続されたコモン接続用端子22a及びセグメント接続用端子11aを介して、コモン電極配線22及びセグメント電極配線11に対して駆動信号が供給される。
次に、上述のICチップ33の実装構造について詳細に説明する。図2及び図3(a)に示すように、実装構造体としての基板2bは、第1基材20と、半導体素子としてのICチップ33と、ICチップ33の上面に配置された遮光部材としての遮光テープ35と、第1基材20、ICチップ33の側面及び遮光部材としての遮光テープ35の少なくとも一部を保護するモールド材36とを有する。
ICチップ33は実装面33aを有し、この実装面33aが第1基材20側に位置するように配置され、第1基材20側の面である実装面33aと第1基材20とがACF34を介して接着されて実装される。ICチップ33の実装面33aと反対側の面33b上には遮光テープ35が配置されている。遮光テープ35は接着層35aと遮光層35bとの積層構造を有し、接着層35aによって面33bと遮光テープ35とは接着されている。
遮光テープ35は、ICチップ33の面33bよりも大きい平面形状を有しており、遮光テープ35の厚さ方向からみたときに、遮光テープ35内にICチップ33の面33bが位置する位置関係となっている。
モールド材36は、図に示すように、ICチップ33の実装面33aの外周部を覆うようにコモン接続端子22a及び外部接続用端子23を含む第1基材20上、ICチップ33の側面、及びICチップ33の面33bの外周部を覆うように遮光テープ35上に、設けられている。モールド材36は例えばシリコン樹脂などから形成され、外部からのごみなどの侵入を防止するものである。
このように、本実施形態においては、ICチップ33の実装面33aと反対側の面33b上に遮光テープ35を貼り付けているため、面33b側からICチップ33に対して照射される光、ここでは外光を遮断することができる。これによりICチップ33の光による誤動作が生じず、表示特性の良い液晶装置1を得ることができる。本実施形態においては、ICチップ33の実装面33aと反対側の面33bが、液晶装置1としたときの観察側になるため、遮光テープ35によりICチップ33への外光侵入が防止される。これに対し、ICチップ33の実装面33aと反対側の面33bが、液晶装置1としたときにバックライト側に位置する場合では、遮光テープによりICチップへのバックライトからの光の侵入を防止することができる。尚、本実施形態において、ICチップ33の実装面33a側からの光侵入を防止するために、例えば、第1基材20のICチップ33が実装される面と反対側の面上に、ICチップ33に対応して遮光テープを貼り付けてもよい。
ここで、従来のICチップの実装構造(図3(b))と本実施形態におけるICチップの実装構造(図3(a))とを比較する。
上述したように、従来の実装工程においては、第1基材20上にICチップ33を実装後、モールド材136を塗布し、ICチップ33の実装面33aと反対側の面33bに付着したモールド材136をふき取った後、遮光テープ35を貼り付けていた。しかし、モールド材136の拭き残しなどによりICチップ33の上面33bにモールド材が残存し、ICチップ33の上面に凹凸が生じていた。このため、ICチップ33の面33bと遮光テープ35が完全に密着せず、遮光テープ35が剥がれやすいといった問題があった。更には、遮光テープ35とICチップ33の面33bとの間に隙間が生じ、この隙間を光が通ってICチップ33に侵入し、誤動作を招くこともあった。
これに対し、本実施形態における実装構造では、詳細については後述するが、遮光テープ35の貼り付け工程の後にモールド材塗布工程を行うため、ICチップ33の実装面33aと反対側の面33bにモールド材36が付着することがない。従って、凹凸のない平滑な状態のICチップ33の面33b上に遮光テープ35を配置することができ、面33bと遮光テープ35とを密着することができる。従って、遮光テープ35が剥がれにくく、またICチップ33の面33bと遮光テープ35との間に隙間が生じないため、面33b側からのICチップ33への光の侵入を遮光テープ35により遮断することができ、ICチップ33の光入射による誤動作の発生を防止することができる。
基材10及び20は、例えばガラスや合成樹脂といった光透過性材料から形成された板状部材である。セグメント電極11及びコモン電極22はITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電材料で形成されており、これらのセグメント電極11及びコモン電極22が交差する所が像を表示する画素となる。また、オーバーコート層12は例えば酸化ケイ素、酸化チタンまたはこれらの混合物により形成され、配向膜13は例えばポリイミド系樹脂により形成される。
フレキシブル配線基板50は、その一端部が液晶パネル2の外部接続端子23と電気的に接続し、他端部が回路基板と電気的に接続している。外部接続端子23とフレキシブル配線基板50、フレキシブル配線基板50と回路基板は、それぞれACF(Anisotropic Conductive Film:異方性導電フィルム)70により導電接着されている。フレキシブル配線基板50は、可撓性を有するポリイミドフィルムなどからなるベース基材と、このベース基材上に形成された銅などからなる配線(図示せず)と、この配線に電気的に接続する接続用端子(図示せず)とを有する。
バックライト40は、光源40aと導光板40bを有する。バックライト40から光を液晶パネル2に対して照射することにより液晶装置1の表示が行われる。
(実装構造体の製造方法)
本実施形態の実装構造体としての基板2bは、上述のようなICチップ33の実装構造を有している。以下、このICチップ33実装工程を含む実装構造体の製造方法及びこの実装構造体の製造方法を有する上述の液晶装置1の製造方法について、図4及び図5を用いて説明する。
図4はICチップ実装工程のフロー図である。図5はICチップ実装工程の工程断面図である。
まず、既知の方法により回路基板、フレキシブル配線基板50及びICチップ33が実装される前の液晶パネル2を用意する。次に、詳細については後述するが、液晶パネル2の第1基材20上にICチップ33を実装する。その後、フレキシブル配線基板50と回路基板、フレキシブル配線基板50と液晶パネル2とを、それぞれACFを介して接着、電気的に接続する。次に、液晶パネル2を挟み込むように一対の偏光板30を配置し、更にバックライト40を配置して、液晶装置1が完成する。
以下に、ICチップ33の実装工程の詳細について説明する。
まず、図5(a)に示すように、第1基材20上に、ACF34を貼り付ける(S1)。
次に、図5(b)に示すように、ACF34上にICチップ33を、その実装面33aが第1基材20側に位置するように実装する(S2)。その後、押圧子37を加熱した状態で加圧することにより、ACF34を介して第1基材20とICチップ33とが加熱圧着される。
次に、図5(c)に示すように、ICチップ33の実装面33aと反対側の面33b上に遮光テープ35を配置し、貼り付ける(S3)。遮光テープ35は、接着層35aと遮光層35bの2層構造からなり、テープ貼り付け前の状態では接着層35a側に保護層(図示せず)が配置され、テープ貼り付け時にこの保護層をはがして用いる。本実施形態においては、遮光テープ35は、その平面形状がICチップ33の面33bよりも大きい形状となっている。このように遮光テープ35の平面形状をICチップ33の遮光テープ35が配置される面33bの形状よりも大きくすることにより、遮光テープ35貼り付け時に位置ずれが生じてもICチップ33の面33bを完全に遮光テープ35により覆うことができる。ICチップ33の面33bと遮光テープ35とは接着層35aにより密着して接着される。
次に、図5(d)に示すように、ICチップ33の側面を覆うようディスペンサを用いてモールド材36を塗布する(S4)。この際、モールド材36はICチップ33の側面の他、ICチップ33の実装面33aの外周部を囲むように第1基材20上にも塗布され、更にICチップ33の面33bの外周部を囲むように遮光テープ35の一部にも塗布される。これにより、ICチップ33の側面、第1基材20及び遮光テープ35は、モールド材36により保護された状態となる。モールド材36塗布後、モールド材36を硬化してICチップ実装工程が終了する。
以上のように、本実施形態においては、モールド材36塗布工程の前に遮光テープ貼り付け35工程を行っているので、従来のようなモールド材36のふき取り工程が必要なく、作業工程数を減らすことができ、作業効率が良い。更に、モールド材36塗布の前に遮光テープ35を貼り付けるため、ICチップ33の上面33bが平滑な状態で、遮光テープ35の貼り付けを行うことができる。これにより、遮光テープ35とICチップ33との接着力が強く、遮光テープ35が剥がれにくい。また、遮光テープ35とICチップ33との間に隙間が生じないため、ICチップ33の面33b側から照射される光を遮光テープ35により遮断でき、光侵入によるICチップ33の誤動作を防止できる。
(変形例)
図6は、実装構造体の変形例の断面図であり、上述の実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
上述のICチップ33の実装構造においては、遮光テープ35がICチップ33の面33bよりも大きい平面形状を有していた。これに対し、図6に示すように、遮光テープ135の平面形状をICチップ33の遮光テープ35が配置される面33bと同じ平面形状となるようにしてもよい。この場合、ICチップ33と遮光テープ135とは完全に重なった状態となる。
図6に示すように、変形例における実装構造体としての基板2b´では、半導体IC33の面33bの形状と同じ形状を有する遮光テープ135が貼り付けられている。遮光テープ135は、上述の実施形態と同様、接着層135aと遮光層135bの2層構造を有している。モールド材236は、ICチップ33の側面、ICチップ33の実装面33aの外周部を囲むように第1基材20上、及び遮光テープ135の周縁部を覆うように形成されている。このように、遮光テープ135の側面及び上面(遮光層側の面)の外周部をも覆うようにモールド材236を設けることにより、遮光テープ135がより剥がれにくくなり、外光によるICチップ33の誤動作がない信頼性の高い実装構造体を得ることができる。
本変形例においても、上述の実施形態の実装構造体の製造方法と同様に、遮光テープ135貼り付け後に、モールド材236の塗布を行う。上述の実施形態においては、遮光テープ35がICチップ33よりも大きい形状となっているため、遮光テープ35がICチップ33よりも突き出した形状となっている。このため、遮光テープ35の突き出し部に近いICチップ33の側面にモールド材36を塗布する際、遮光テープ35の突き出し部とICチップ33とが形成する空間に気泡が生じる場合があり、モールド材36が塗布しにくいということがあった。これに対し、本変形例においては、遮光テープ135の平面形状がICチップ33の上面形状と同じため、ICチップ33の側面部において、遮光テープ135とICチップ33との間に空間が生じず、気泡の混入なくモールド材を容易に塗布することができる。
なお、遮光テープ35がICチップ33の面33bよりも大きい平面形状を有する場合であっても、遮光テープ35の側面及び上面(遮光層側の面)の外周部をも覆うようにモールド材36を設ければ、遮光テープ35が剥がれにくくなるという効果を奏する。
<第2実施形態>
上述の第1実施形態においては、液晶パネルを構成する基板上にICチップを実装したCOG方式の液晶装置を例にあげて説明したが、これに限定されるものではなく、基材上に半導体素子を実装した実装構造体であれば本発明を適用することができる。例えば、実装構造体として、液晶パネルに電気的に接続する、可撓性基材上にICチップなどの半導体素子が実装されたFPC(Flexible Printed Circuit)基板に適用できる。以下、図3(a)及び図7を用いて説明するが、第1実施形態と同様の構造については、同様の符号を付し、説明を省略する。
図3(a)はICチップの実装構造を示す断面図であり、ICチップ及び基材に付す符号が異なるだけで、基本的な構造は第1実施形態と同様である。図7は、液晶装置の概略斜視図である。
本実施形態における液晶装置101は、液晶パネル2´と、これに電気的に接続するFPC基板150と、FPC基板150と電気的に接続する回路基板(図示せず)を有する。
液晶パネル2´は、一対の基板2aおよび2b´を有し、第1実施形態における基板2bと第2実施形態における基板2b´とは、ICチップの有無とこれによる配線構造において異なる。
実装構造体としてのFPC基板150は、ポリイミドなどの有機系フィルムからなる基材150aと、この基材150a上に実装されたICチップ133と、ICチップ133の上面に配置された遮光部材35と、基材150aとICチップ133の側面及び遮光部材としての遮光テープ35の少なくとも一部を保護するモールド材36とを有する。
ICチップ133は実装面133aを有し、この実装面133aと基材150aとがACF34を介して接着されるように実装される。ICチップ133の実装面133aと反対側の面133b上には遮光テープ35が配置されている。遮光テープ35は接着層35aと遮光層35bとの積層構造を有し、接着層35aによって面133bと遮光テープ35とは接着される。遮光テープ35は、ICチップ133の面133bよりも大きい平面形状を有している。本実施形態においても、ICチップ133の実装面133aと反対側の面133b上に遮光テープ35を貼り付けているため、面133b側からICチップ133に対して照射される光を遮断することができる。これにより、液晶装置101の設計上、何らかの光がICチップ133の面133b側から照射されても、ICチップ133の誤動作が生じず、表示特性の良い液晶装置101を得ることができる。
本実施形態のFPC基板150の製造方法においても、ICチップ133の実装に、第1実施形態に示す実装工程を用いることができる。また、本実施形態においても、上述の変形例の実装構造体を適用することは可能である。
以上、実装構造体の一部を構成する半導体素子としてICチップを例にあげて説明したが、光による影響を受ける素子であれば、他の能動素子や非能動素子にも上述と同様の製法で遮光部材を設けることができる。
(電子機器)
次に、上述した液晶装置1(101)を備えた電子機器について説明する。
図8は本実施形態に係る電子機器の表示制御系の全体構成を示す概略構成図である。
電子機器300は、表示制御系として例えば図8に示すように液晶パネル2(2´)及び表示制御回路390などを備え、その表示制御回路390は表示情報出力源391、表示情報処理回路392、電源回路393及びタイミングジェネレータ394などを有する。
また、液晶パネル2(2´)上は、その表示領域Gを駆動する駆動回路361を有する。
駆動回路361は上述した液晶装置1のICチップ33に相当し、制御回路390は回路基板60に相当する。
表示情報出力源391は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などからなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスクなどからなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備えている。更に表示情報出力源391は、タイミングジェネレータ394によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号などの形で表示情報を表示情報処理回路392に供給するように構成されている。
また、表示情報処理回路392はシリアル−パラレル変換回路、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路などの周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKと共に駆動回路361へ供給する。駆動回路361は、走査線駆動回路、データ線駆動回路及び検査回路を含む。また、電源回路393は、上述した各構成要素に夫々所定の電圧を供給する。
本実施形態の電子機器300には、上述のような半導体素子の誤動作のない液晶装置1(101)が組み込まれているため、表示特性の良い表示画面を有する電子機器300を得ることができる。
具体的な電子機器としては、携帯電話機やパーソナルコンピュータなどの他に液晶装置が搭載されたタッチパネル、プロジェクタ、液晶テレビやビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末等が挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部として、上述した例えば液晶装置1(101)が適用可能なのは言うまでもない。
なお、本発明の電気光学装置及び電子機器は、上述した例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、上述した電気光学装置はいずれも液晶パネルを有する液晶装置であるが、無機或は有機エレクトロルミネッセンス装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動ディスプレイ装置、電子放出素子を用いた装置(Field Emission Display及びSurface‐Conduction Electron‐Emitter Display等)などの各種電気光学装置であってもよい。
以上、好ましい実施形態を上げて本発明を説明したが、本発明は上述したいずれの実施形態にも限定されず、本発明の技術思想の範囲内で適宜変更して実施できる。
例えば、上述の実施形態ではパッシブマトリクス型の液晶装置について説明したがこれに限られるものではなく、例えば薄膜トランジスタ素子アクティブマトリクス型、薄膜ダイオード素子アクティブマトリクス型の液晶装置であってもよい。更には、半透過型に限らず反射型、透過型であってもよい。
1 液晶装置、 2、2´ 液晶パネル、 2b、2b´ 基板、 20 第1基材、 32 STN液晶、 33、133 ICチップ、 33a、133a 実装面、 33b、 133b 実装面と反対側の面、 35、135 遮光テープ、 36、236 モールド材、 150 FPC基板、 150a 基材、 300 電子機器
Claims (9)
- 半導体素子を、基材上に実装する工程と、
遮光部材を、前記半導体素子の前記基材側の面とは反対側の面上に配置する工程と、
前記半導体素子にモールド材を塗布する工程と
を具備する実装構造体の製造方法において、
前記遮光部材配置工程の後に前記モールド材塗布工程を行うことを特徴とする実装構造体の製造方法。 - 前記遮光部材は、前記半導体素子の前記遮光部材が配置される面と同じ平面形状を有することを特徴とする請求項1記載の実装構造体の製造方法。
- 前記モールド材塗布工程において、前記モールド材を前記遮光部材の周縁部の少なくとも一部を覆うように塗布することを特徴とする請求項2記載の実装構造体の製造方法。
- 前記遮光部材は、前記半導体素子よりも大きい平面形状を有することを特徴とする請求項1記載の実装構造体の製造方法。
- 電気光学物質を保持する基材を備える電気光学パネルと、前記基材上に実装された半導体素子と、を有する電気光学装置の製造方法において、
前記半導体素子の実装方法は、
前記半導体素子を、前記基材上に実装する工程と、
遮光部材を、前記半導体素子の前記基材側の面とは反対側の面上に配置する工程と、
前記半導体素子にモールド材を塗布する工程と
を具備し、
前記遮光部材配置工程の後に前記モールド材塗布工程を行うことを特徴とする電気光学装置の製造方法。 - 電気光学パネルと、前記電気光学パネルに電気的に接続された基材と、前記基材上に実装された半導体素子と、を具備する電気光学装置の製造方法において、
前記半導体素子の実装方法は、
前記半導体素子を、前記基材上に、実装する工程と、
遮光部材を、前記半導体素子の前記基材側の面とは反対側の面上に配置する工程と、
前記半導体素子にモールド材を塗布する工程と
を具備し、
前記遮光部材配置工程の後に前記モールド材塗布工程を行うことを特徴とする電気光学装置の製造方法。 - 電気光学物質を保持する基材と、
前記基材上に実装された半導体素子と、
前記半導体素子の前記基材側の面とは反対側の面上に配置された遮光部材と、
前記基材、前記半導体素子の側面及び前記遮光部材の少なくとも一部を覆うモールド材と
を具備することを特徴とする電気光学装置。 - 電気光学パネルと、
前記電気光学パネルと電気的に接続された実装構造体と
を具備する電気光学装置において、
前記実装構造体は、
基材と、
前記基材上に実装された半導体素子と、
前記半導体素子の前記基材側の面とは反対側の面上に配置された遮光部材と、
前記基材、前記半導体素子の側面及び前記遮光部材の少なくとも一部を覆うモールド材と
を具備することを特徴とする電気光学装置。 - 請求項7または請求項8記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
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JP2004066156A JP2005259817A (ja) | 2004-03-09 | 2004-03-09 | 実装構造体の製造方法、電気光学装置の製造方法、電気光学装置及び電子機器 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007069582A1 (ja) * | 2005-12-14 | 2007-06-21 | Rohm Co., Ltd. | 液晶表示装置 |
JP2008281635A (ja) * | 2007-05-08 | 2008-11-20 | Bridgestone Corp | フレキシブルドライバicの実装方法およびフレキシブルドライバic |
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2004
- 2004-03-09 JP JP2004066156A patent/JP2005259817A/ja not_active Withdrawn
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