JP2005259552A - 電子源の製造方法及び画像表示装置の製造方法 - Google Patents

電子源の製造方法及び画像表示装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 電子源の駆動時における電子放出特性の変動を抑制する。
【解決手段】 各電子放出素子の電子放出部を形成した後に、配線と電子放出部との間の抵抗を上げる工程を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数の電子放出素子を用いた電子源、及び画像表示装置の製造方法に関する。
従来、平板型画像表示装置として表面伝導型電子放出素子を用いたものが知られている。
この表面伝導型電子放出素子を用いた電子源や画像表示装置の構成などは、例えば特許文献1〜4などに開示されている。
図12(a)(b)に表面伝導型電子放出素子の構成の一例を示す。1は基体、2、3は一対の素子電極、4は導電性薄膜でその一部に電子放出部5を有する。該電子放出部を形成する方法としては、上記一対の電極間を接続する導電性膜に電流を流す「通電フォーミング」と呼ばれる処理を施すことで導電性膜に第1の間隙を形成し、さらに、炭素化合物雰囲気中で一対の電極間に電圧を印加する「活性化」と呼ばれる処理を施すことで、第1の間隙内および第1の間隙近傍の導電性膜上にカーボン膜を堆積することにより行う方法がある。「通電フォーミング」においては、パルス電圧が好ましく用いられ、図4(a)に示す様な波高値が一定のパルスを印加する方法、あるいは図4(b)に示すような、波高値が漸増するパルスを印加する方法のいずれも適用できる。
また、特許文献1にあるように、複数の電子放出素子を複数群に分けて通電することにより、通電フォーミング処理時の配線抵抗による電圧降下を抑制することが開示されている。
特開平7−176265号公報 特開平2−247936号公報 特開平11−339641号公報 特開平10−254374号公報
しかしながら、従来の方法では、以下の様な課題があった。
従来の製造方法では電子放出素子を画像形成装置として利用した場合、電子放出部に流れる素子電流や電子放出特性の変動が発生し、表示画像にムラが生じたり、ちらつきの原因となっていた。また、このような問題を回避させる為に、あらかじめ、素子電極と配線の間に抵抗を付与し、電流変動を抑制する方法をとっていた。
しかしながらこの場合において、通電フォーミングや活性化処理を行う間に、付与抵抗により電圧降下が生じ、プロセスマージンが極端に制限してしまうという問題が生じた。また、フォーミングや活性化プロセスにおいて、電圧降下を補う為に外部から印加する電圧の昇圧を行うと総電力の増加により基板が発熱を起こしたり、電子放出素子の特性のばらつきの原因となったり、更には、駆動装置のコストアップになったりしていた。
また、前述の特許文献1に開示される手法では、プロセス装置がプローブのようなコンタクト機構が多数必要となり、構造が複雑になり装置コストが大幅にかかり、また、多数ある素子とプローブをコンタクトさせる為のアライメントが非常に難しいといった問題が生じる可能性もあった。
(発明の目的)
本発明は、以上のべた不都合を解消しうる画像形成装置の提供を目的とするもので、特に、特性変動の少ない電子放出素子の製造と、輝度ばらつきの少ない画像形成装置およびその製造方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、
電子放出部を有する導電部材を含む電子放出素子と、該導電部材に電子を供給するための配線とを有する電子源の製造方法であって、
導電部材および該導電部材に電気的に接続する配線とを用意し、該導電部材に前記配線を通じて電流を流すことにより、該導電性部材に電子放出部を形成する第1の工程と、
前記第1の工程により形成された前記電子放出部と前記配線との間の抵抗値を上げる第2の工程と、を有することを特徴とする。
また、前記電子放出素子は、前記導電部材と前記配線とを接続するための電極を有しており、前記第2の工程は、前記電極の抵抗値を上げる工程を含み、
さらには、前記電極の抵抗値を上げる工程は、前記電極の一部を除去する工程を行ってもよい、
また、前記第1の工程は、前記導電部材に電流を流すことで前記導電部材の一部に間隙を形成する工程と、炭素含有ガスを含む雰囲気中で、前記間隙を形成した前記導電部材に電流を流すことで前記間隙内および前記間隙近傍の前記導電部材上にカーボン膜を堆積する工程と、を含むことを特徴とする。
また本発明の手段は、電子源と発光体とを有する画像表示装置の製造方法であって、上記のいずれかに記載の製造方法により製造されることを特徴とする画像表示装置の製造方法である。
上記の方法により製造された電子放出素子及び画像形成装置は、電子放出部を形成する第一の工程のプロセスマージンを従来と同様に確保しつつ、第二の工程で素子部と配線との間を高抵抗にすることによって電子放出素子の駆動安定性が向上し、プロセスマージンの確保と良好な電子放出特性の両立が可能となる。
本工程の導入により、容易に電子放出素子の放出電子の変動が抑制され、輝度ばらつきの少ない画像形成装置が提供できる。
以上説明したように、本発明の方法に従い電子放出素子及びそれを電子源として用いた表示装置を作製するならば、電子表出素子のフォーミング処理及び活性化処理のプロセスマージンを確保しつつ、駆動時の安定性向上を実現両立することができ、表示品位の良い画像形成装置を製造する事ができる。
以下に本発明の発明の実施形態を示す。
図1は、本発明における電子源における、1つの電子放出素子部分を抜き出した概略模式平面図である。
図1において、21は基板であり、22、23は素子電極、24はY方向配線、25は絶縁性膜、26はX方向配線、27は導電性膜である。
図1において21はガラス等からなる基板であり、その大きさおよびその厚みは、その上に設置される電子放出素子の個数、および個々の素子の設計形状、および電子源の使用時に容器の一部を構成する場合には、その容器を真空に保持するための耐大気圧構造等の力学的条件等に依存して適宜設定される。
ガラスの材質としては、廉価な青板ガラスを使う事が一般的であるが、この上にナトリウムブロック層として、シリコン酸化膜を形成した基板等を用いることもできる。この他にナトリウムが少ないガラスや、石英基板でも作成可能である。
また素子電極22、23の材料としては、一般的な導体材料が用いられ、例えばNi、Cr、Au、Mo、Pt、Ti等の金属等から適宜選択され、その膜厚は、好ましくは数nmから数μmの範囲が適当である。
素子電極間隔L、素子電極長さW、素子電極22、23の形状等は、用いられる形態等に応じて適宜設計されるが、間隔Lは好ましくは数百nmから1mmであり、より好ましくは素子電極間に印加する電圧等を考慮して1μmから100μmの範囲である。また、素子電極長さWは、好ましくは電極の抵抗値、電子放出特性を考慮して、数μmから数百μmの範囲である。
図1示す共通配線としてのY方向配線(下配線)24は、素子電極23に接するようにし、ライン状のパターンで形成して、材料には例えば金属を主成分とする銀粒子を含有するフォトぺ一ストインキを選択することができ、スクリーン印刷した後、乾燥させてから、所定のパターンに露光し現像する。この後、高温で焼成して配線を形成するプロセスを選択することができる。なお、配線の厚さや幅は流れる電流や精細度等により適宜設定される。また、Y方向配線(下配線)に使用する材料や製造プロセスについてはこれに限られたものではなく、その他適宜選択することができる。
層間絶縁層25は、後述のX配線(上配線)下に、先に形成したY配線(下配線)との交差部を覆うように、かつ上配線(X配線)と素子電極の他方との電気的接続が可能なように、接続部にコンタクトホールを開けて形成することができる。
材料は例えばPbOを主成分とする感光性のガラスペーストを選択することができ、スクリーン印刷プロセスを選択することができる。その後、前記感光性のガラスペーストを露光し、現像するプロセスを選択することができる。層間絶縁層の厚みは、適宜設定される。なお、絶縁層に使用する材料、プロセスについては耐熱性、絶縁性、収縮性を考慮してこれに限られたものではない。
X方向配線(上配線)26は、先に形成した絶縁膜の上に、前述のY方向配線と同様に形成することができる。X方向配線(上配線)26は上記絶縁膜を挟んでY方向配線(下配線)24と交差しており、絶縁膜のコンタクトホール部分で素子電極22と接続されている。
このX方向配線(上配線)26は、駆動時に走査信号が印加される配線として作用する。
なお、X方向配線(上配線)の材料や製造プロセスはこれに限られたものではなく、導電性を有する材料であれば良い。
導電性膜27は、素子電極22、23を跨ぐように作成する。導電性膜としては、作成方法としてはインクジェットも用いて塗布する方法が好ましい。材料としてはPd、Pt、Cr等、金属成分を含有する溶液を用いることができ、例えば有機パラジウムを主成分とする溶液を塗布するプロセスを選択することができる。またその膜厚は、素子電極22、23へのステップカバレージ、素子電極間の抵抗値、および後述するフォーミング処理条件等を考慮して適宜設定されるが、好ましくは数nmから数百nmであり、特に好ましくは1nmから50nmの範囲とするのが良い。
電子放出部28は、上述した構造を作成した後に、通電フォーミングと呼ばれる工程を上記導電性膜に程こすことで、導電性膜の一部に間隙を形成し、さらに、活性化と呼ばれる工程を施すことで、通電フォーミングで形成された間隙内および間隙近傍の導電性膜上に、雰囲気中の炭素化合物を分解することでカーボン膜を堆積することにより形成される。
フォーミング処理に用いることのできる電圧波形について図4を用いて簡単に説明する。
印加する電圧はパルス波形が好ましく、パルス波高値を増加させながら印加する場合(図4−b)がさらに好ましい。
(図4−b)に於いて、T1及びT2は電圧波形のパルス幅とパルス間隔であり、T1を1μsec〜10msec、T2を10μsec〜100msecとし、三角波の波高値(フォーミング時のピーク電圧)を、例えば0.1Vステップ程度ずつ増加させることが好ましい。フォーミングのパルス波形は、一例を示すものであり、矩形波や三角波など、又、波高値も適宜選択することができる。
フォーミング工程の際には、パルス電圧の上昇とともに素子電流が増加してゆき、配線の抵抗成分や素子電極の抵抗により電圧降下が発生する。しかし、それを補う為に外部から適正な電圧を印加した場合に、急激な電流変化などにより素子に掛かる電圧分布が生じ、素子の特性にばらつきを生じさせる原因になったり、更には、基板表面の発熱を引き起こす原因にもなってしまう。そのために、できるだけ配線部や素子電極の抵抗を低くすることが望まれ、X方向配線およびY方向配線を含む配線部は数Ω〜数百Ω、素子電極も数百Ω以下程度にすることが好ましい。
なお、フォーミング処理の終了は、フォーミング用パルスの間に、導電性膜4を局所的に破壊、変形しない程度の電圧、例えば0.1V程度のパルス電圧を挿入して素子電流を測定し、抵抗値を求め、例えばフォーミング処理前の抵抗に対して1000倍以上の抵抗を示した時点で、フォーミングを終了とすることができる。
活性化では、上述した炭素化合物としてトルニトリルを用いることができる。トルニトリルの圧力は、真空装置の形状や真空装置に使用している部材等によって若干影響されるが、1×10‐5Pa〜1×10‐2Pa程度が好適である。
図7に、活性化工程で用いることのできる電圧波形の好ましい一例を示した。印加する最大電圧値は、10〜50Vの範囲で適宜選択される。図7中、T1はパルス幅であり、T2はパルス間隔であり、電圧値は正負の絶対値が等しく設定されている。また、パルス幅を正側のパルスと負側のパルスとで変えることもできるし、パルスの絶対値も変えることもできる。パルス波形は、矩形波や三角波など適宜選択することができる。
図7の例では、一方の素子電極に与える電圧を示しており、もう一方の電極は電流計を介して接地されている、活性化中において素子電極間に流れる素子電流Ifがほぼ飽和に達した時点で通電を停止し、スローリークバルブを閉め、活性化処理を終了するとができる。
また、活性化工程中においては、素子電流(If)が増加する為、配線抵抗や配線に付与している抵抗によって電圧降下が生じる。しかし、それを補う為に外部から適正な電圧を印加しようとした場合に、素子に掛かる電圧の分布が生じ素子特性のばらつきの原因になったり、更には、基板面の発熱を引き起こす原因にもなってしまう。そのために、できるだけ配線部や素子電極の抵抗を低くすることが望まれ、配線部は数Ω〜数百Ω、素子電極も数百Ω以下程度にすることが好ましい。活性化処理において通常は1素子当り数mA程度の電流が流れ、例えば1kΩの抵抗成分があると数Vの電圧降下が生じる。なるべくその影響をなくすことが複数ある素子を均一に処理する上で重要となってくる。
以上により、電子放出素子を多数有する電子源が構成される。
フォーミング処理及び活性化処理においては素子に流れる電流が大きい為、できるだけ素子と配線の間の抵抗をさげる必要があった。しかしながら、電子源の駆動時には、各電子放出素子は図15に示すように素子電流特性が時間経過によって変動するという特徴があり、素子電流の時間変動が放出電流の時間変動に寄与するという関係がある。
そこで、本発明では、上述した電子放出部を有する電子放出素子を多数配列した電子源を、安定性良く駆動する為に、完成した電子放出部と配線との間の高抵抗化処理を行う。具体的には、導電性膜もしくは素子電極を高抵抗化することによって素子電流変動を抑制し、その結果、放出電流の変動を抑制することができる。このような抑制効果を得る為には、電子放出部28と配線の間(図1の24と26のクロス部〜電子放出部28の間)の抵抗は数kΩ〜数百kΩ程度にすることが好ましい。
なお、駆動時にはフォーミングや活性化工程時の素子電流の1/5程度以下になるので電圧降下や発熱の問題は解消される。また、上下配線のクロス部に生じる容量成分により駆動性能が低下することを避ける為、配線の末端〜駆動装置間に抵抗を付加することは望ましくない。
本発明では、電子放出部と配線の間の抵抗値を活性化処理後に高抵抗化している為、電子放出素子の素子電流や放出電流の安定性が向上し、より好適な電子放出素子とすることが可能となる。
具体的な方法の一例としては、図1に示すように、素子電極23の一部30に図9に示すように、素子電極の表面に直接レーザビーム28を照射し、レーザビーム28と基板21とを相対的に走査することで、図1の素子電極の一部分30を選択的に除去加工する。これにより、素子電極23と下配線間の抵抗値が1k〜10kΩとすることができる。
また、電子放出素子の安定性を保つ為に、通常、基板表面のうち導電性部材で被覆されていない領域に、高抵抗膜を配置することでその領域の帯電を防止する処置が取られる。そのため上記レーザーの加工により基板表面の絶縁面が完全に露出しないように、素子電極の下地層が薄く残留するようにレーザーの強度や照射時間を調整することがより好ましい。
レーザー以外の高抵抗化処理の方法としては、素子電極の一部を選択的にPtなどの金属薄膜で形成しておき、熱処理等により選択的に凝集せしめ高抵抗化する方法も選択することができる。
以下、本実施例で作成した電子源の作成方法を、(図2−a)から(図2−f)を用いて説明する。
(A)ガラス基板上へ素子電極を形成する(図2−a、図3(a))。
素子電極22、23は、ガラス基板21上に、Pt40nmを成膜した後、ホトレジストを塗布し、露光、現像、エッチングという一連のフォトリソグラフィー法によってパターニングして形成した。素子電極の抵抗値は100〜150Ωとした。
本実施例では素子電極の間隔L=10μm、対応する長さW=100μmとした。
(B)下配線を形成する(図2−b)。
Y方向配線(下配線)24は、素子電極23に接するようにし、ライン状のパターンで形成した。材料には銀Agフォトぺ一ストインキを用い、スクリーン印刷した後、乾燥させてから、所定のパターンに露光し現像した。この後焼成して配線を形成した。配線の厚さ約10μ、幅幅50μmである。なお終端部は配線取り出し電極として使うために、線幅をより大きくした。
(C)絶縁膜を形成する(図2−c)。
上下配線を絶縁するために、層間絶縁層25を配置する。後述のX配線(上配線)下に、先に形成したY配線(下配線)との交差部を覆うように、かつ上配線(X配線)と素子電極の他方との電気的接続が可能なように、接続部にコンタクトホールを開けて形成した。
工程はPbOを主成分とする感光性のガラスペーストをスクリーン印刷した後、露光、現像し、最後に焼成した。この層間絶縁層の厚みは、全体で約30μmであり、幅は150μmである。
(D)上配線を形成する(図2−d)。
X方向配線(上配線)26は、先に形成した絶縁膜の上に、Agぺ一ストインキをスクリーン印刷した後乾燥させ、焼成した。上記絶縁膜を挟んでY方向配線(下配線)24と交差しており、絶縁膜のコンタクトホール部分で素子電極22と接続されている。
この配線によって、パネル化した後は走査電極として作用する。
このX方向配線の厚さは、約15μmである。外部駆動回路との引出し配線もこれと同様の方法で形成した。図示していないが、外部駆動回路への引出し端子もこれと同様の方法で形成した。
(E)導電性膜を形成する(図2−e)。
上記基板を十分にクリーニングした後、撥水剤を含む溶液で表面を処理し、表面が疎水性になるようにした。これはこの後塗布する導電性形成用の水溶液が、素子電極上に適度な広がりをもって配置されるようにする事が目的である。用いた撥水剤は、ジメチルジエトキシシラン溶液を基板上に塗布し乾燥させた。
その後、素子電極間に跨る様にインクジェット塗布方法により、導電性膜27を形成した。
本工程の模式図を図3(b)に示す。
本実施例では、導電性膜としてパラジウム膜を得る目的で、有機パラジウム含有溶液を用いた。この溶液の液滴を、液滴付与手段7として、ピエゾ素子を用いたインクジェット噴射装置を用い、電極間に付与した。その後この基板を加熱焼成処理をして酸化パラジウム(PdO)とした。導電性膜として、その直径は約60μmのPdO膜が得られた。
(F)帯電抑制膜を形成する。
その後、基板と電極、配線、導電性薄膜を覆うように、帯電抑制のための高抵抗膜を形成した。帯電抑制膜として、シート抵抗で1010〜1013Ω程度の膜を基板表面に堆積させた。
(G)フォーミング処理を行う((図3−c)、(図4)参照)。
上記導電性膜を通電処理してその一部に亀裂(間隙)を生じさせた。
この時若干の水素ガスを含む真空雰囲気下で通電処理すると、水素によって還元が促進され酸化パラジウムPdOがパラジウムPd膜に変化する。
またフォーミング処理後の導電性膜27の抵抗値は、10から10Ωの値であった。
フォーミング処理に用いた電圧波形は図4−aに示すものであり、T1を1msec、T2を100msecとし、三角波の波高値(フォーミング時のピーク電圧)は10Vとした。
(H)活性化処理を行う(図7参照)。
本実施例では炭化水素ガス(カーボン源)としてトルニトリルを用い、スローリークバルブを通して真空空間内に導入し、1.3×10−4Paを維持した。
印加したパルス電圧の波形は図7に示すものと同様であり、最大電圧値は、20Vに設定とした。放出電流Ieがほぼ飽和に達した時点で通電を停止し、スローリークバルブを閉め、活性化処理を終了した。以上の工程で、電子源を有する基板を作成する事ができた。
(I)素子電極の高抵抗化処理を行う(図2−f、図8(a)、図8(b)、図9)。
次に、上記工程(A)〜(H)で形成した電子源の素子電極の高抵抗化処理を行った。
図8(a)に示す素子電極23の一部30に、図9に示すように、素子電極の表面に直接レーザビーム28を照射し、レーザビーム28と基板21とを相対的に走査することで、図8(b)のように素子電極の一部分31を選択的に除去加工する。これにより、素子電極23の抵抗値が1.5〜2kΩの範囲にすることができた。
上記レーザ加工には、図13に示すような構成のレーザ加工装置を用いた。図13において、X方向およびY方向に移動可能に設けられたXYステージ31には、被加工物30が固定される。一方、レーザ発振器25から発せられたレーザビーム26は、ミラー27によって直角に曲げられ、アパーチャ28およびレンズ29を通過してビーム形状が縮小され、XYステージ31上の被加工物30に照射される構成となっている。レーザ発振器25としては、Qスイッチ付きNd:YAG第2高調波レーザを用いた。ステージ31を移動させることで、被加工物30の任意の部位にレーザビーム26を照射し、主に熱による溶融蒸発による被加工物30の加工を行うことができる。ここで、被加工物30にかえて、素子電極が形成された基板21(図2(e)参照)をXYステージ31に固定し、素子電極を除去する部位のみにレーザビーム26が照射されるようにXYステージ31を移動させれば、図8(a)に示した素子電極23から図8(b)に示した素子電極のパターンを得ることができる。このようにして図2−fに示すような電子放出素子が並んだ電子源基板が完成する。
素子電極の加工条件は、Qスイッチ付きNd:YAG第2高調波レーザを用いた場合、Qスイッチの周波数は1〜3kHz、平均出力は5W前後で、パルス幅が100ns前後、素子電極の表面での縮小されたレーザビーム26の形状が5μm四方の四角形である。
また、本レーザー加工により、基板表面が帯電しないように、素子電極が1〜2nm極薄く残るようにレーザー出力を調整し帯電防止機能を保持した。
本例では、加工に用いるレーザとしてNd:YAG第2高調波を用いた例を示したが、これに限るものではなく、加工する材料や加工形状に応じて、適宜レーザ種を選択すればよい。他のレーザとしてKrFエキシマレーザを用いることもできる。また、レーザビーム26の照射方式についても、レーザ種に応じて変更することができる。例えばエキシマレーザを用いた場合には、図14に示すようなマスクパターン露光方式を採用すればよい。この方式は、ミラー77とレンズ79との間に、加工すべきパターンが形成されたマスク78を配置することによって、レーザ発振器75から発せられたレーザビーム76がマスク78を通過して所定の形状となり、さらにレンズ79で縮小され、被加工物80に所定のパターンを露光するものである。
上述の製造方法によって作成された本発明に係る電子放出素子の基本特性について図5、図6を用いて説明する。
図5は、電子放出特性を測定するための測定評価装置の概略図である。
各電子放出素子の素子電極間を流れる素子電流If、及びアノードへの放出電流Ieの測定にあたっては、素子電極2、3に電源31と電流計30とを接続し、電子放出素子の上方に電源33と電流計32とを接続したアノード電極34を配置している。図5において、1はガラス基板、2、3は素子電極、4は電子放出部5を含む導電性膜、5は電子放出部を示す。また、51は各電子放出素子の素子電極間に素子電圧Vfを印加するための電源、50は素子電極2、3間の電子放出部を含む導電性薄膜4を流れる素子電流Ifを測定するための電流計、54は素子の電子放出部より放出される放出電流Ieを捕捉するためのアノード電極、53はアノード電極54に電圧を印加するための高圧電源、52は電子放出部5より放出される放出電流Ieを測定するための電流計、55は真空装置である。また、真空装置55には排気ポンプ56および真空計等の真空装置に必要な機器が具備されており、所望の真空下で測定評価を行えるようになっている。なお、アノード電極の電圧は1kV〜10kV、アノード電極と電子放出素子との距離Hは2mm〜8mmの範囲で測定した。
図5に示した測定評価装置により測定された放出電流Ieおよび素子電流Ifと素子電圧Vfの関係の典型的な例を図6に示す。なお、放出電流Ieと素子電流Ifは大きさが著しく異なるが、図6ではIf、Ieの変化の定性的な比較検討のために、リニアスケールで縦軸を任意単位で表記した。
図6からも明らかなように、ある電圧(しきい電圧と呼ぶ、図6中のVth)以上の電圧を印加すると急激に放出電流Ieが増加し、一方しきい値電圧Vth以下では放出電流Ieがほとんど検出されない。すなわち、放出電流Ieに対する明確なしきい値電圧Vthを持つことを示している。
なお、図15に示すように、本実施例で作成された各電子放出素子は、素子電極の抵抗値を活性化処理後に高抵抗化している為、制限抵抗の効果によって素子電流の変動を抑制できる。
(J)次に、上述した工程(A)〜(I)までを終えた電子源を含むリアプレート81と、蛍光膜を有するフェースプレート82とを、支持枠86を介して封着(図16)し、図10に示す画像表示装置を形成した。
図16を用いて、本実施例による画像表示装置の封着方法を説明する。フェースプレート82とリアプレート81を接合する、すなわち封着する前に、接合部に予めインジウム93をパターニング形成する。リアプレート81に接着された支持枠86にIn膜93を形成する場合も同じである。そして、対向させたフェースプレート82とリアプレート81の間に一定の間隔を設けた状態で、両基板を保持し真空加熱する。フェースプレート82とリアプレート81の間が充分な真空度となるよう、真空中でベークを行う。この真空ベークの後、Inの融点以上の温度で位置決め装置200により、フェースプレート82とリアプレート81との間隔を徐々に縮めていき、両基板の接合、すなわち封着を行う。
図11はフェースプレート上に設ける蛍光膜の説明図である。蛍光膜84は、モノクロームの場合は蛍光体のみから成るが、カラーの蛍光膜の場合は、蛍光体の配列によりブラックストライプあるいはブラックマトリクスなどと呼ばれる黒色導電材91と蛍光体92とで構成される。ブラックストライプ、ブラックマトリクスが設けられる目的は、カラー表示の場合必要となる三原色蛍光体の、各蛍光体92間の塗り分け部を黒くすることで混色等を目立たなくすることと、蛍光膜84における外光反射によるコントラストの低下を抑制することである。
また、蛍光膜84の内面側には通常メタルバック85が設けられる。メタルバックの目的は、蛍光体の発光のうち内面側への光をフェースプレート86側へ鏡面反射することにより輝度を向上すること、電子ビーム加速電圧を印加するためのアノード電極として作用すること等である。メタルバックは、蛍光膜作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(通常フィルミングと呼ばれる)を行い、その後A1を真空蒸着等で堆積することで作製できる。
以上の工程により形成した本実施例の画像表示装置において、各電子放出素子に、X配線とY配線を通じ、電圧を印加することにより電子放出させ、高圧端子Hvを通じ、アノード電極であるメタルバック85に高圧を印加し、発生した電子ビームを加速し、蛍光膜84に衝突させることによって、画像を表示することができる。
本実施例における画像形成装置を3時間白色表示し、300画素の輝度の変動をCCDカメラで撮影し個々の輝度変化を計測した結果、輝度の時間変動が非常に少ない画像が得られた。また、画面全体の輝度のばらつきも抑えられ均一性の高い画像が得られた。
本実施例で行った素子の作成方法において、図17のようにもう一方の素子電極を同様に高抵抗化の加工を行ってもよく、加工する箇所はこれに限定されたものではなく、電子放出部と上下配線クロス部の間であれば良い。
本実施例は、図18aに示すように、あらかじめ素子電極を高抵抗部と低抵抗部を作成しておき、フォーミング処理及び活性化処理を行った後、レーザビームを除去したい部分に照射し、図18bに示すように、素子電極の低抵抗部の一部31を除去した。この加工によって低抵抗パスが遮断され高抵抗の電流パスが得られる。
このときに、本レーザー加工により、基板表面が帯電しないように、素子電極の下地層であるTi膜が1〜2nm極薄く残るようにレーザー出力を調整し帯電防止機能を保持した。フォーミング処理条件及び活性化処理条件、および、画像形成装置の製造プロセスは実施例1と同様である。
(比較例1)
素子電極部の高抵抗化処理をしない方法で画像形成装置を作成した。それ以外は実施例1と同様に行った。
本比較例1においては画像形成装置を駆動したところ、画像表示面の輝度ばらつきが大きく、ちらつきが非常に少ない表示品位のすぐれたものとなった。
(比較例2)
比較例1で製造した画像形成装置のY方向配線(下配線)とY方向配線に信号を供給するYドライバーの情報信号発生器107との間に電流制限抵抗として2kΩ付与して画像を表示した。その結果、ドライバーのON抵抗が増大し、また、配線クロス部に生じる静電容量の影響により信号波形になまりが生じ駆動の応答性が劣化し、表示品位が低下した。
本発明による電子源基板の概略図を示す図である 本発明による電子源基板の製造方法の概略図を示す図である 本発明による電子源基板の製造方法の概略図を示す図である 本発明による電子源基板の製造方法の概略図を示す図である 本発明による電子源基板の製造方法の概略図を示す図である 本発明による電子源基板の製造方法の概略図を示す図である 本発明による電子源基板の製造方法の概略図を示す図である 素子膜作成方法の模式図 フォーミングにおける電圧波形の一例を示す図 電子放出素子の特性評価装置の模式図 電子放出素子の特性を示す図 活性化処理における電圧波形の一例 実施例1の加工プロセスを示す模式図 レーザー光線の照射を模式的に表した図 画像形成装置の構造を示す図 画像形成装置に用いる蛍光体のパターンの一例を示す図 電子放出素子の基本的な構造を示す模式図 アパーチャを用いた場合のレーザー加工の概略を示す図 パターンマスクを用いた場合のレーザー加工の概略を示す図 電子放出素子の特性変動を説明する図 電子放出素子基板とフェースプレートを貼り合せする封着装置の模式図 実施例1を示す図 実施例2を示す図
符号の説明
21 基板
22、23 素子電極
24 Y方向配線
25 絶縁層
26 X方向配線
27 素子膜
28 電子放出部
81 リアプレート
82 フェースプレート
86 支持枠

Claims (5)

  1. 電子放出部を有する導電部材を含む電子放出素子と、該導電部材に電子を供給するための配線とを有する電子源の製造方法であって、
    導電部材および該導電部材に電気的に接続する配線とを用意し、該導電部材に前記配線を通じて電流を流すことにより、該導電性部材に電子放出部を形成する第1の工程と、
    前記第1の工程により形成された前記電子放出部と前記配線との間の抵抗値を上げる第2の工程と、
    を有することを特徴とする電子源の製造方法。
  2. 前記電子放出素子は、前記導電部材と前記配線とを接続するための電極を有しており、前記第2の工程は、前記電極の抵抗値を上げる工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子源の製造方法。
  3. 前記電極の抵抗値を上げる工程は、前記電極の一部を除去する工程を含むことを特徴とする請求項2に記載の電子源の製造方法。
  4. 前記第1の工程は、前記導電部材に電流を流すことで前記導電部材の一部に間隙を形成する工程と、炭素含有ガスを含む雰囲気中で、前記間隙を形成した前記導電部材に電流を流すことで前記間隙内および前記間隙近傍の前記導電部材上にカーボン膜を堆積する工程と、を含むことを特徴とする請求項1乃至3に記載の電子源の製造方法。
  5. 電子源と発光体とを有する画像表示装置の製造方法であって、前記電子源が請求項1乃至4のいずれかに記載の製造方法により製造されることを特徴とする画像表示装置の製造方法。
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