JP2005222931A - 電子放出素子、電子源及び画像表示装置の製造方法 - Google Patents

電子放出素子、電子源及び画像表示装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005222931A
JP2005222931A JP2004368727A JP2004368727A JP2005222931A JP 2005222931 A JP2005222931 A JP 2005222931A JP 2004368727 A JP2004368727 A JP 2004368727A JP 2004368727 A JP2004368727 A JP 2004368727A JP 2005222931 A JP2005222931 A JP 2005222931A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electron
manufacturing
conductive film
film
emitting device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004368727A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005222931A5 (ja
Inventor
Yoshiki Uda
芳己 宇田
Yoshihiro Yanagisawa
芳浩 柳沢
Kazuya Ishiwatari
和也 石渡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2004368727A priority Critical patent/JP2005222931A/ja
Publication of JP2005222931A publication Critical patent/JP2005222931A/ja
Publication of JP2005222931A5 publication Critical patent/JP2005222931A5/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)

Abstract

【課題】 表面伝導型の電子放出素子において、電子放出部形成工程の通電処理において、素子膜上の異物の存在により生じるフォーミング不良を防止する。
【解決手段】 絶縁性の基板1上に、電極2,3、導電性膜4を形成し、さらに、導電性膜4の周囲に帯電防止膜5を形成した後、5MPa以上の液圧で純水を噴射することにより、導電性膜4表面を洗浄し、異物を除去する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、表面伝導型電子放出素子の製造方法に関し、さらに、該素子を複数個備えてなる電子源の製造方法、該電子源と画像形成部材とを用いてなる画像表示装置の製造方法に関する。
近年、自発光型の電子放出素子をリアプレート上にマトリックス状に配置した画像表示装置が提案されている。従来より電子放出素子には大別して熱電子放出素子と冷陰極電子放出素子を用いた2種類のものが知られている。冷陰極電子放出素子には電界放出型(以下、「FE型」という。)、金属/絶縁層/金属型(以下、「MIM型」という。)や表面伝導型電子放出素子等がある。
従来、表面伝導型電子放出素子においては、電子放出を行う前に導電性薄膜に予めフォーミングと呼ばれる通電処理を施して電子放出部を形成するのが一般的であった。即ち、フォーミングとは前記導電性薄膜両端に直流電圧或いは非常にゆっくりとした昇電圧を印加通電し、導電性薄膜を局所的に破壊、変形もしくは変質せしめ、電気的に高抵抗な状態にした電子放出部を形成することである。前記通電フォーミング処理をした表面伝導型電子放出素子は、上述の導電性薄膜に電圧を印加し、素子に電流を流すことにより上述の電子放出部より電子を放出せしめるものである。またこのような表面伝導型電子放出素子を用いた画像表示装置が例えば特許文献1に開示されている。
また、上記導電性薄膜の前駆体膜中の異物の有無を検査する工程を有した電子放出素子の製造方法、及び、上記導電性薄膜に異物が付着していた場合には、この異物が付着した導電性薄膜を基板から除去した後、かかる基板上に再度、導電性薄膜を形成し直す工程を有した電子放出素子の製造方法が、特許文献2に開示されている。
一方、画像表示装置においては、電子放出素子から放出された電子を加速し、蛍光体等からなる画像形成部材に入射させて輝度を得る。画像表示装置においては、入力信号に応じて応答するため、各電子放出素子を電気的に分離する必要があるので、絶縁性の基板が通常用いられるが、電子放出部近傍に絶縁性基板表面が露出していると、その表面の電位が不安定となり、電子放出が不安定となる。
画像形成部材の蛍光体に高電圧をかけると、対向する電子放出素子の周りの絶縁性表面は真空と絶縁体の誘電率で決まる容量分割による電位が発生する。この電位は、絶縁性が良好であればあるほど時定数が長く、帯電したままである。さらに、この状態で電子放出素子から電子を放出すると、電子は帯電した絶縁性表面にも衝突する。この場合に、電子が加速されることより、絶縁性表面に電子、イオン等の荷電粒子が注入されると2次電子が発生する。特に高電界下では、異常放電に至るため、素子の電子放出特性が著しく低下し、最悪の場合、素子が破壊される。
この絶縁性表面の帯電による影響は電子放出点との距離が近いほど顕著になるため、特に電子放出素子近傍の帯電を抑制する必要がある。そのための一手段として、特許文献3には、導電性微粒子を有機溶媒に分散させた溶液をスプレー塗布して電子放出素子の周辺に帯電防止膜を設ける方法が開示されている。
特開2002−216616号公報 特開平9−274847号公報(対応欧州特許出願公開第789383号明細書) 特開2002−358874号公報
本発明は、異物の存在による電子放出部の形成不良を防止し、良好な電子放出特性を有する電子放出素子の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、電子放出素子を複数個備えた電子源、さらには該電子源を備えた画像表示装置において、異物の存在による電子放出特性のばらつき、ひいては表示画像品質の低下を防止し、信頼性の高い、電子源と画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、基板上に導電性膜を形成し、形成された前記導電性膜上から異物を除去した後、当該異物が除去された導電性膜に通電を施して、当該導電性膜に電子放出部を形成することを特徴とする電子放出素子の製造方法である。
上記本発明の電子放出素子の製造方法においては、下記の構成を好ましい態様として含む。
前記導電性膜上からの異物の除去は、当該導電性膜に洗浄液を噴射することで行われる。
前記洗浄液の噴射は、5MPa以上の液圧で行なわれる。
前記洗浄液の噴射は、5MPa以上で30MPa以下の液圧で行なわれる。
前記導電性膜上からの異物の除去は、前記基板上と前記導電性膜上とに抵抗膜を形成した後に行なわれる。
前記抵抗膜の形成は、導電性粒子が分散された液体を、前記基板上及び前記導電性膜上に付与することで行なわれる。
また、本発明は、基板上に、複数の電子放出素子を備えた電子源の製造方法あって、前記電子放出素子が、上述の方法にて製造されることを特徴とする電子源の製造方法である。
また、本発明は、基板上に、複数の電子放出素子を備えた電子源と、前記電子源と対向して配置され、前記電子源から放出される電子の照射により発光する発光部材とを備える画像表示装置の製造方法であって、前記電子放出素子が、上述の方法にて製造されることを特徴とする画像表示装置の製造方法である。
本発明によれば、異物の存在による電子放出部の形成不良を防止し、良好な電子放出特性を有する電子放出素子の製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、電子放出素子を複数個備えた電子源、さらには該電子源を備えた画像表示装置において、異物の存在による電子放出特性のばらつき、ひいては表示画像品質の低下を防止し、信頼性の高い、電子源と画像表示装置を提供することができる。
以上の本発明は次に述べる知見に基づいてなされた。
通電が施される導電性薄膜に異物があると、当該導電性膜は、上記通電に適する所望の電気抵抗を有しない場合がある。
また別の例では、複数の導電性膜に対して同時に通電を施す際に、異物を有する導電性膜に電子放出部が形成されるまでの時間がかかりすぎ、所定の時間内に電子放出部の形成が完了しないことが生じ得ることがある。この場合、当該電子放出部の形成されなかった電子放出素子部がビット欠陥となってしまうという問題があった。
また別の例では、導電性膜に存在する異物の影響で、形成された複数の電子放出素子の電子放出特性のばらつきが生じる場合があり、更に、かかる電子放出特性のばらつきが要因となり、画像表示装置全体として均一な性能が維持されないという問題を生じる。
また、本発明者等は、特に、電子放出素子が形成される基板表面に抵抗膜、即ち基板表面の帯電を防止する抵抗膜を設けた場合、導電性膜上に異物が付着し、前記した問題が特に発生しやすいことを見出した。
以下に図面を参照して、本発明の好適な実施形態を例示的に詳しく説明する。ただし、該実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1に、本発明の電子放出素子の製造工程を模式的に示す。図中、1は基板、2,3は電極、5は抵抗膜(帯電防止膜)、6は電子放出部であり、4は電子放出部6形成前の導電性膜である。
また、図2に、図1の工程により製造される電子放出素子の構成を模式的に示す。図2(a)は平面図、(b)は(a)のA−A’断面図である。図中、4’は電子放出部6形成後の素子膜であり、図1と同じ部材には同じ符号を付した。以下、各工程及び素子の構成を詳細に説明する。
(工程1)
絶縁性の基板1を洗剤、純水及び有機溶剤等を用いて十分に洗浄し、真空蒸着法、スパッタ法等により、電極材料を堆積し、フォトリソグラフィ等によりパターニングして、電極2,3を形成する(図1(a))。
基板1としては、石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少したガラス、青板ガラス、青板ガラスにスパッタ法等により形成したSiO2を積層したガラス基板、アルミナ等のセラミックスおよびSi基板等を用いることができる。
対向する電極2,3としては、一般的な導電性材料を用いることができる。これは例えば、Ni、Cr、Au、Mo、W、Pt、Ti、Al、Cu、Pd等の金属或いは合金及びPd、Ag、Au、RuO2、Pd−Ag等の金属或は金属酸化物とガラス等から構成される印刷導体、In23−SnO2等の透明導電体及びポリシリコン等の半導体材料等から適宜選択することができる。
電極2,3のギャップ間隔L、電極2,3の長さW等は、応用される形態等を考慮して、設計される。電極2,3のギャップ間隔Lは、好ましくは、数百nmから数百μmの範囲とすることができ、より好ましくは、数μmから数十μmの範囲とすることができる。
また、電極2,3の長さWは、好ましくは数μmから数百μmであり、膜厚は、数十nmから数μmの範囲とすることができる。
(工程2)
電極2,3間を連絡する導電性膜4を形成する(図1(b))。
導電性膜4の膜厚は、電極2,3へのステップカバレージ、電極2,3間の抵抗及び後述するフォーミング条件等を考慮して適宜設定されるが、通常は、数百pmから数百nmの範囲とするのが好ましく、より好ましくは1nmから50nmの範囲とするのが良く、また107Ω/□以下のシート抵抗値を示すことが好ましい。導電性膜4のシート抵抗値は、電子放出部6の形成工程、即ちフォーミング工程において、良好な電子放出部の形成できる抵抗値として制限される。尚、シート抵抗値とは、導電性膜4の幅をW’、対向する電極2,3のギャップ間隔をL、導電性膜4の抵抗をRとした場合に、R=Rs(L/W’)を満たすRsをいう。良好な電子放出部6を形成するには、導電性膜4のシート抵抗値は103Ω/□以上107Ω/□以下であることが好ましい。
しかしながら、電子放出部6を形成した後は、電極2,3を通じて印加される電圧が十分に電子放出部6に印加されるのが好ましく、電子放出部6を含む素子膜4’の抵抗値はより低いほうが好ましい。このため、導電性膜4は103Ω/□以上107Ω/□以下のシート抵抗値を持つ金属酸化物半導体膜として形成し、フォーミング後に還元して、より低抵抗な金属薄膜として用いることができる。従って、最終的な状態での電子放出部6を含む素子膜4’の抵抗値の下限は特に限定されない。尚、ここで言う電子放出部6を含む素子膜4’の抵抗値とは、電子放出部6を含まない領域で測定される抵抗値を意味している。
導電性膜4を構成する材料は、Pd、Pt、Ru、Ag、Au、Ti、In、Cu、Cr、Fe、Zn、Sn、Ta、W、Pb等の金属、PdO、SnO2、In23、PbO、Sb23等の酸化物、HfB2、ZrB2、LaB6、CeB6、YB4、GdB4等の硼化物、TiC、ZrC、HfC、TaC、SiC、WC等の炭化物、TiN、ZrN、HfN等の窒化物、Si、Ge等の半導体、カーボン等の中から適宜選択される。
導電性膜4の形成方法としては、インクジェット方式の装置を用いることができる。具体的には、圧電素子等を用いたインクジェット噴射装置や、熱エネルギーを用いたいわゆるバブルジェット(登録商標)方式のインクジェット噴射装置などを用い、導電性膜4の構成材料を水や溶剤等に溶解させた溶液、有機金属溶液等の溶液を基板1上に液滴として付与し、加熱等所望の処理を施して導電性膜4とする。
(工程3)
導電性膜4の周囲に、必要に応じて、基板1表面の帯電を防止するための抵抗膜(帯電防止膜)5を形成する(図1(c))。
帯電防止膜5が、帯電によって生じる放電を防止するためには1010Ω/□〜1012Ω/□程度のシート抵抗値であるのが好ましく、また電子源を構成する場合には、XY配線間のリーク電流の許容値から108Ω/□以上のシート抵抗値であることが要求される。
帯電防止膜5は、導電性微粒子を分散させた有機溶媒をスプレー塗布し、該有機溶媒を乾燥除去して得られる。導電性微粒子としては、炭素材料やSnOX、酸化クロム等を主成分とする微粒子が好ましく用いられ、より好ましくは、アンチモン等をドープしたSnOXである。有機溶媒としては、アルコール類が好ましく用いられ、例えば、イソプロピルアルコール(IPA)とエチルアルコールの混合液が好ましく用いられる。
次いで、後述する通電処理に先立って、導電性膜4上の異物の除去工程を実施する。具体的には、適当な洗浄液を用いて、導電性膜4表面を洗浄する。本発明で用いられる洗浄液としては、純水や一般的に用いられている洗浄液が好ましく用いられる。また、洗浄に際しては、所定の液圧で上記洗浄液を噴出させることが好ましく、具体的には、液圧を5MPa以上とすることで、効率よく異物を除去することができる。また、液圧の上限は、他の構造物を損傷しない範囲で最大限に設定され、業務用洗浄装置の性能上、通常は30MPa程度である。さらに、本発明においては、超音波洗浄なども好ましく適用される。洗浄後は、純水以外の洗浄液を用いた場合には、必要に応じて、純水による洗浄液の除去を行い、乾燥させる。
(工程4)
導電性膜4に通電処理を施し、電子放出部6を形成する(図1(d))。
電子放出部6は、素子膜4’の一部に形成された高抵抗の亀裂により構成され、導電性膜4の膜厚、膜質、材料及び通電処理条件等に依存したものとなる。
電子放出部6の亀裂内部には、数百pmから数十nmの範囲の粒径の導電性微粒子が存在する場合もある。この導電性微粒子は、導電性膜4を構成する材料の元素の一部、或いは全ての元素を含有するものとなる。また、亀裂を含む電子放出部6及びその近傍の素子膜4’には、炭素及び炭素化合物を有することもある。
導電性膜4に印加する電圧波形は、パルス波形が好ましく、これにはパルス波高値を定電圧としたパルスを連続的に印加する手法と、パルス波高値を増加させながら、電圧パルスを印加する手法がある。前者においては、電圧波形のパルス幅を1μs〜10msの範囲で、パルス間隔を10μs〜10msの範囲で設定される。パルス波形は、電子放出素子の形態に応じて、三角波、矩形波など、適宜選択され、このような条件のもと、例えば、数秒から数十分間電圧を印加する。また、後者においては、例えば、パルス幅、パルス間隔は上記と同様に設定し、波高値(通電時のピーク電圧)を例えば0.1Vステップ程度ずつ、増加させることができる。
通電処理の終了時については、パルス間隔中に、導電性膜4を局所的に破壊、変形しない程度の電圧を印加して、電流を測定して検知することができる。例えば、0.1V程度の電圧印加により流れる素子電流を測定し、抵抗値を求めて、1MΩ以上の抵抗を示した時、通電処理を終了させる。
尚、本実施形態では、帯電防止膜5が形成されているが、これによって、電子放出素子の基本的な特性が左右されることはない。これは、帯電防止膜5の抵抗値が十分に高いため(108Ω/□以上)、電子放出を行っているときに観測される素子電流に比べて、素子膜4’を通って流れるリーク電流が十分に小さいためである。
また、本実施形態では、導電性膜4の形成後に、該導電性膜4の周辺に帯電防止膜5を形成する形態を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特開2002−313217号公報に開示された、導電性膜4の形成前に基板全面に帯電防止膜を形成する形態や、特開2003−68192号公報に開示された、導電性膜4上も含めて基板全面に帯電防止膜を形成する形態等も適用される。
上記実施形態の説明においては、電極2,3を形成した後、導電性膜4を形成しているが、本発明においては、導電性膜4を形成した後、電極2,3を形成する構成であっても良い。また、帯電防止膜5は不要の場合には、当該製造工程を省略し、導電性膜4形成後に異物の除去工程を実施しても良い。
上記のようにして製造した電子放出素子を、図3の測定評価装置に取り付け、電子放出特性を評価する。
図3の装置において、12は真空装置であり、不図示の排気ポンプを備えている。また、8は電子放出素子に素子電圧Vfを印加するための電源、7は電極2,3間の素子膜4’に流れる素子電流Ifを測定するための電流計、11は素子の電子放出部6より放出される放出電流Ieを捕捉するためのアノード電極である。また、10はアノード電極11に電圧を印加するための高圧電源、9は素子の電子放出部6より放出される放出電流Ieを測定するための電流計である。
例えば、アノード電極11の電圧を1kV〜10kVの範囲とし、アノード電極11と電子放出素子との距離Hを2mm〜8mmの範囲として測定を行うことができる。真空容器12内には、不図示の真空計等の真空雰囲気下での測定に必要な機器が設けられていて、所望の真空雰囲気下での測定評価を行えるようになっている。
図4は、本発明による電子放出素子の電子放出特性を、図5に示した測定評価装置を用いて測定した結果、得られた放出電流Ieと素子電圧Vfの関係を模式的に示した図である。
次に、本発明の電子源の製造方法について説明する。図5は、図2の電子放出素子を複数個配置してなる電子源の構成例の模式図である。図5において、51は電子源基体、52はX方向配線、53はY方向配線、54は本発明による電子放出素子である。尚、図5においては、図2の帯電防止膜5は便宜上省略する。
X方向配線52は、Dx1、Dx2、…Dxmのm本の配線からなり、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等を用いて形成された導電性金属等で構成することができる。配線の材料、膜厚、幅は適宜設計される。Y方向配線53は、Dy1、Dy2、…Dynのn本の配線からなり、X方向配線52と同様に形成される。これらm本のX方向配線52とn本のY方向配線53との間には、不図示の層間絶縁層が設けられており、両者を電気的に分離している。ここで、m及びnは共に正の整数である。不図示の層間絶縁層は、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等を用いて形成されたSiO2等で構成される。X方向配線52とY方向配線53は、それぞれ外部端子(後述する図6のDox1〜Doxm、Doy1〜Doyn)として引き出すことができる。
電子放出素子54を構成する電極2,3は、それぞれ、m本のX方向配線52のうちの一つ、及びn本のY方向配線53のうちの一つとに電気的に接続される。
X方向配線52、Y方向配線53、及び電極2,3を構成する材料は、その構成元素の一部或いは全部が同一であっても、またそれぞれ異なっていても良い。電極2,3を構成する材料と配線材料が同一である場合には、X方向配線52、Y方向配線53は、それぞれ電極2,3ということもできる。
X方向配線52には、X方向に配列した電子放出素子54の行を選択するための、走査信号を印加する不図示の走査信号印加手段が接続される。一方、Y方向配線53には、Y方向に配列した電子放出素子54の各列を入力信号に応じて変調するための、不図示の変調信号発生手段が接続される。各電子放出素子に印加される駆動電圧は、当該素子に印加される走査信号と変調信号の差電圧として供給される。
本発明の電子源の製造方法は、先に説明した電子放出素子の製造方法において、同一基板1上に複数個の素子を形成する以外は、全く同様である。
図5の構成においては、個別の電子放出素子を選択し、独立に駆動可能とすることができる。このようなマトリクス配置の電子源を用いて構成した画像表示装置について、図6を用いて説明する。図6は、画像表示装置の表示パネルの一例を示す模式図である。
図6において、51は電子放出素子54を複数配した電子源基体、61は電子源基体51を固定したリアプレート、66はガラス基体63の内面に蛍光体などの発光体からなる蛍光体膜64とアノード電極としてのメタルバック65とが形成されたフェースプレート(画像形成部材)である。62は支持枠であり、支持枠62には、リアプレート61、フェースプレート66がフリットガラス等を用いて接続されている。67は外囲器であり、例えば、大気中或いは窒素中で、400〜500℃の温度範囲で10分以上焼成することで、封着して構成される。
外囲器67は、上述した通り、フェースプレート66、支持枠62、リアプレート61で構成される。リアプレート61は主に基体51の強度を補強する目的で設けられるため、基体51自体で十分な強度を持つ場合は、別体のリアプレート61は不要とすることができる。即ち、基体51に直接支持枠62を封着し、フェースプレート66、支持枠62及び基体51で外囲器67を構成しても良い。一方、フェースプレート66、リアプレート61間に、スペーサーとよばれる不図示の支持体を設置することにより、大気圧に対して十分な強度をもつ外囲器67を構成することもできる。
本発明の画像表示装置は、テレビジョン放送の表示装置、テレビ会議システムやコンピューター等の表示装置の他、感光性ドラム等を用いて構成された光プリンターとしての画像表示装置等としても用いることができる。
(実施例1)
プラズマディスプレイでも使用されているPD200(ガラス基板)を基板として用い、Ptをスパッタ成膜法とフォトリソエッチング法により膜厚0.5μm程度で堆積し、電極対を複数個形成した。次いで、Ag系のフォトペーストを用いスクリーン印刷による成膜と100℃程度の乾燥、パターンマスクによる露光、湿式の現像工程を実施し、500℃弱の温度で焼成して膜厚8μm程度の列配線を作製した。さらにPbO系(鉛ガラス)のフォトペーストを用い、上記列配線工程と同様の手法で成膜/乾燥/露光/現像/焼成工程を3回実施し、最終膜厚30μm程度の絶縁層を作製した。さらにAg系のスクリーン印刷法と430℃程度の焼成により絶縁層上に行配線を作製した。次いで、各電極対を連絡するように、インクジェット法によりPd系の有機溶媒を吐出させて膜厚が0.01μmの島状パターンを形成し、Pdからなる導電性膜を形成した。
上記基板に対して、洗浄液として純水を用い、噴射圧力を変えて洗浄を行った。その後、パターン検査機によって、10μm程度以上の異物をカウントできる方法により比較した結果、5MPa以上で洗浄を行った場合に、異物除去効果が高かった。
(実施例2)
実施例1と同様に、ガラス基板上に複数個の電極対、配線、導電性膜を形成した後、導電性膜を残して基板全体に帯電防止膜を形成した。帯電防止膜は、SnOXにアンチモンをドープした微粒子を、IPAとエチルアルコールの混合液に分散させた溶液をスプレーにて塗布し、250℃で乾燥、焼成して形成した。
次いで、実施例1と同様に、液圧を変えて洗浄工程を実施し、異物の除去効果を確認した。確認方法は、電子顕微鏡によって、1μm程度以上の異物をカウントできる方法により比較した。結果を図7に示す。図7の縦軸は単位面積あたりの異物数である。洗浄工程を行わなかった場合に比べて、洗浄工程を実施した場合には、優位な効果が得られるが、洗浄液の液圧が高い方が、細かな異物を効果的に除去しうる。尚、図7に示した以外に、液圧を10MPaとした場合、及び、純水に当該基板を浸漬して超音波洗浄を5分行った場合には、評価限度を超えた異物は検出されなかった。
本発明の電子放出素子の製造方法の一実施形態の工程を示す模式図である。 図1の製造方法による電子放出素子の構成を示す模式図である。 本発明による電子放出素子の電子放出特性の評価装置の模式図である。 本発明による電子放出素子の電子放出特性を示す模式図である。 図2の電子放出素子を用いて構成された電子源の模式図である。 図5の電子源を用いて構成された画像表示装置の表示パネルの構成を示す概略図である。 本発明の実施例の結果を示す図である。
符号の説明
1 基板
2,3 電極
4 導電性膜
4’ 素子膜
5 抵抗膜(帯電防止膜)
6 電子放出部
7,9 電流計
8 電源
10 高圧電源
11 アノード電極
12 真空装置
51 電子源基体
52 X方向配線
53 Y方向配線
54 電子放出素子
61 リアプレート
62 支持枠
63 ガラス基体
64 蛍光体膜
65 メタルバック
66 フェースプレート(画像形成部材)
67 外囲器

Claims (8)

  1. 基板上に導電性膜を形成し、形成された前記導電性膜上から異物を除去した後、当該異物が除去された導電性膜に通電を施して、当該導電性膜に電子放出部を形成することを特徴とする電子放出素子の製造方法。
  2. 前記導電性膜上からの異物の除去は、当該導電性膜に洗浄液を噴射することで行なわれることを特徴とする請求項1に記載の電子放出素子の製造方法。
  3. 前記洗浄液の噴射は、5MPa以上の液圧で行なわれることを特徴とする請求項2に記載の電子放出素子の製造方法。
  4. 前記洗浄液の噴射は、30MPa以下の液圧で行なわれることを特徴とする請求項3に記載の電子放出素子の製造方法。
  5. 前記導電性膜上からの異物の除去は、前記基板上と前記導電性膜上とに抵抗膜を形成した後に行なわれることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子放出素子の製造方法。
  6. 前記抵抗膜の形成は、導電性粒子が分散された液体を、前記基板上及び前記導電性膜上に付与することで行なわれることを特徴とする請求項5に記載の電子放出素子の製造方法。
  7. 基板上に、複数の電子放出素子を備えた電子源の製造方法あって、前記電子放出素子が、請求項1〜6のいずれかに記載の方法にて製造されることを特徴とする電子源の製造方法。
  8. 基板上に、複数の電子放出素子を備えた電子源と、前記電子源と対向して配置され、前記電子源から放出される電子の照射により発光する発光部材とを備える画像表示装置の製造方法であって、前記電子放出素子が、請求項1〜6のいずれかに記載の方法にて製造されることを特徴とする画像表示装置の製造方法。
JP2004368727A 2004-01-05 2004-12-21 電子放出素子、電子源及び画像表示装置の製造方法 Withdrawn JP2005222931A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004368727A JP2005222931A (ja) 2004-01-05 2004-12-21 電子放出素子、電子源及び画像表示装置の製造方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004000160 2004-01-05
JP2004368727A JP2005222931A (ja) 2004-01-05 2004-12-21 電子放出素子、電子源及び画像表示装置の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005222931A true JP2005222931A (ja) 2005-08-18
JP2005222931A5 JP2005222931A5 (ja) 2006-09-28

Family

ID=34998376

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004368727A Withdrawn JP2005222931A (ja) 2004-01-05 2004-12-21 電子放出素子、電子源及び画像表示装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005222931A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100270497B1 (ko) 전자 방출 디바이스, 전자원 및 이미지 형성 장치의 제조방법
KR100221294B1 (ko) 전자 방출 소자와, 이 소자를 구비하는 전자원 및 화상 생성 장치의 제조 방법
US7442406B2 (en) Electron-emitting device, electron source substrate, electron beam apparatus, display apparatus, and manufacturing method thereof
KR100312829B1 (ko) 전자원 기판 및 이를 이용한 화상 형성 장치
US20030104751A1 (en) Electron-emitting device, electron source, and manufacture method for image-forming apparatus
US7458872B2 (en) Method of manufacturing electron-emitting device, electron source, and image display device
EP2120245A1 (en) Electron emitter and image display apparatus
JP2006066266A (ja) 画像表示装置
JP3428802B2 (ja) 電子源基板および画像形成装置の製造方法
JP3728281B2 (ja) 電子源基板及び画像形成装置
JP2005222931A (ja) 電子放出素子、電子源及び画像表示装置の製造方法
JPH0765708A (ja) 電子放出素子並びに画像形成装置の製造方法
US7482742B2 (en) Electron source substrate with high-impedance portion, and image-forming apparatus
JP3387710B2 (ja) 電子源基板の製造方法および画像形成装置の製造方法
US8125134B2 (en) Electron-emitting device, method of manufacturing the same, electron source, and image display apparatus
JP2004192812A (ja) 電子放出素子の製造方法
JP2005294253A (ja) 電子源基板及び画像形成装置
JP2004192811A (ja) 電子源及び画像形成装置の製造方法
JP2004047434A (ja) インクジェット液滴付与装置
JP2006134592A (ja) 電子放出素子、電子源、及び、画像形成装置の製造方法
JP2005353463A (ja) 電子放出素子、電子源及び画像形成装置
JP2000251623A (ja) 電子源および画像形成装置
JPH07130280A (ja) 電子源材料並びに電子源の製法並びに電子源並びに画像形成装置
JPH09219142A (ja) 電子放出素子、電子源基板、電子源、表示パネルおよび画像形成装置
JP2003157761A (ja) 印刷パターン付き基板の製造方法及び電子源、画像形成装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050516

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060811

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060907

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061031

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20061222