JP2005259465A - 高分子電解質型燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 良好なガスシール性および安定した出力電圧を有する高分子電解質型燃料電池を提供する。
【解決手段】 高分子電解質型燃料電池におけるシール部材が、アノードを囲み、アノード側セパレータと電解質膜との間をシールする第1のアノード側シール部材、およびカソードを囲み、カソード側セパレータと電解質膜との間をシールする第1のカソード側シール部材を有し、第1のアノード側シール部材が少なくともアノード側セパレータのガス流入部付近においてアノード周縁部に密着形成され、第1のカソード側シール部材が少なくともカソード側セパレータのガス流入部付近においてカソード周縁部に密着形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】 高分子電解質型燃料電池におけるシール部材が、アノードを囲み、アノード側セパレータと電解質膜との間をシールする第1のアノード側シール部材、およびカソードを囲み、カソード側セパレータと電解質膜との間をシールする第1のカソード側シール部材を有し、第1のアノード側シール部材が少なくともアノード側セパレータのガス流入部付近においてアノード周縁部に密着形成され、第1のカソード側シール部材が少なくともカソード側セパレータのガス流入部付近においてカソード周縁部に密着形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、家庭用コジェネレーションシステム、または自動二輪車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等の電源として用いられる高分子電解質型燃料電池に関する。
水素イオン伝導性高分子電解質を用いた高分子電解質型燃料電池は、水素を含む燃料ガスと、空気など酸素を含む酸化剤ガスとを、電気化学的に反応させることにより、電力と熱とを同時に発生させる。この高分子電解質型燃料電池は、基本的には、水素イオンを選択的に輸送する水素イオン伝導性高分子電解質膜、および高分子電解質膜を挟む一対の電極からなる電解質膜・電極接合体(以下、MEAと表す)を有する。電極は、白金族の金属触媒を担持した導電性カーボン粉末を主成分とする触媒層、およびこの触媒層の外側に配されたガス拡散層からなる。通気性および電子導電性を有するガス拡散層には、例えば撥水処理を施したカーボンペーパーが用いられる。
電極に供給される燃料ガスや酸化剤ガスが外部にリークしたり、燃料ガスと酸化剤ガスが混合したりしないように、電極の周辺には水素イオン伝導性高分子電解質膜を挟んでシール材が配置される。
さらに、MEAの外側には、これを機械的に固定するとともに、隣接したMEAを互いに電気的に直列に接続するための導電性セパレータが配置される。セパレータは、MEAと接触する部分において、電極面に反応ガスを供給し、生成ガスや余剰ガスを運び去るためのガス流路を有する。ガス流路は、セパレータと別に設けることもできるが、セパレータの表面に溝を形成しガス流路とする方式が一般的である。
さらに、MEAの外側には、これを機械的に固定するとともに、隣接したMEAを互いに電気的に直列に接続するための導電性セパレータが配置される。セパレータは、MEAと接触する部分において、電極面に反応ガスを供給し、生成ガスや余剰ガスを運び去るためのガス流路を有する。ガス流路は、セパレータと別に設けることもできるが、セパレータの表面に溝を形成しガス流路とする方式が一般的である。
これらのMEAとセパレータを交互に重ね、10〜200セル積層した後、集電板と絶縁板を介して端板でこれを挟み、締結ボルトで両端から固定することにより一般的な積層電池が得られる。これをセルスタックと呼ぶ。
水素イオン伝導性高分子電解質膜は、水分を飽和状態で含むと膜の比抵抗が小さくなり、水素イオン伝導性を有する電解質として機能する。よって、燃料電池の稼動中は、水素イオン電導性高分子電解質膜の乾燥を防ぐために、燃料ガスおよび酸化剤ガスは加湿して供給される。また、発電時には、下記に示す電気化学反応が起こる。このとき、カソード側では反応生成物として水が生成される。
アノード:H2→2H++2e- (1)
カソード:2H++(1/2)O2+2e-→H2O (2)
水素イオン伝導性高分子電解質膜は、水分を飽和状態で含むと膜の比抵抗が小さくなり、水素イオン伝導性を有する電解質として機能する。よって、燃料電池の稼動中は、水素イオン電導性高分子電解質膜の乾燥を防ぐために、燃料ガスおよび酸化剤ガスは加湿して供給される。また、発電時には、下記に示す電気化学反応が起こる。このとき、カソード側では反応生成物として水が生成される。
アノード:H2→2H++2e- (1)
カソード:2H++(1/2)O2+2e-→H2O (2)
これら、加湿された燃料ガスおよび酸化剤ガス中に含まれる水、および反応生成水は、電解質膜中の水分を飽和状態に保つために使用される。さらに、この水は、余剰の燃料ガス、および酸化剤ガスとともに燃料電池の外部へ排出される。
このとき、反応ガス中に液状の水が含まれると、この水は、セパレータのガス流路に、表面張力により液滴として付着する。ガス流路内に付着した水がガス流路を塞ぐと、反応ガスの流通が阻害され、フラッディング現象を生じる。その結果、電極の反応面積が減少し、電池の出力特性が低下する。
このとき、反応ガス中に液状の水が含まれると、この水は、セパレータのガス流路に、表面張力により液滴として付着する。ガス流路内に付着した水がガス流路を塞ぐと、反応ガスの流通が阻害され、フラッディング現象を生じる。その結果、電極の反応面積が減少し、電池の出力特性が低下する。
ガス流路に凝縮水が付着しても、ガス流の圧力が充分である場合は、このガス圧により凝縮水が排出される。しかし、ガス圧が十分でないと、ガス流路に付着した凝縮水の排出が不十分となる。このため、凝縮水によるガス流路の閉塞により、反応ガスの供給量が不足したり、ガス流路相互の間での流量が不均一となったりして、電池の出力特性が低下する可能性がある。
ここで、従来のシール構造の一例を図7に示す。図7は、ガスケットを配した単電池の概略縦断面図である。
カソード側セパレータ51とアノード側セパレータ61との間を面状にシールするガスケット53、63がMEA4を囲むように配置することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このガスケット53、63は、一対のセパレータ51、61間で重ね合わせられており、セパレータ51、61のマニホールド孔52、62に対応する部分には、それぞれ穴が設けられている。ガスケット53、63は、カソード2、およびアノード3の周辺部の一部において高分子電解質膜1を介して重ね合わせられている。
カソード側セパレータ51とアノード側セパレータ61との間を面状にシールするガスケット53、63がMEA4を囲むように配置することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このガスケット53、63は、一対のセパレータ51、61間で重ね合わせられており、セパレータ51、61のマニホールド孔52、62に対応する部分には、それぞれ穴が設けられている。ガスケット53、63は、カソード2、およびアノード3の周辺部の一部において高分子電解質膜1を介して重ね合わせられている。
上述のガスケットを用いた構造では、ガスの供給量が増加するセルスタックの出力増加時には、ガス流路の入口付近のマニホールド孔内のガス圧が上昇するため、マニホールド孔周縁部のガスケットにかかる圧力を上げておく必要がある。また、ガスケットがセパレータと接触する面積が大きいことから、締結圧を高くし、それに耐え得るセルスタックの構造が求められる。それには、端板または絶縁板を厚くする必要があるが、セルスタックが大型化し、その重量が増加するという問題があった。
さらに、高分子電解質膜とセパレータとの間をシールする部分のガスケットにかかる圧力は、一対のセパレータ間をシールする部分のガスケットにかかる圧力と同じであるため、セルスタックの出力の増大に伴い、ガスの供給量が増加すると、ガス流路の入口付近のマニホールド孔内のガス圧が上昇する。これに対しては、マニホールド孔周縁部をシールするガスケットにかかる圧力を高くしておく必要がある。しかし、締結圧が増大するため、電解質膜に大きな圧力がかかり、電解質膜が機械的ダメージを受け、電池の出力特性が低下するという問題があった。
これに対し、セルスタックの締結圧を低減する方法として、高分子電解質膜やセパレータと線状に接することによりシールするリップタイプのシール部材を用いたシール構造が提案されている。シール部材およびカソードを配したカソード側セパレータの正面図を図8に示す。また、セルスタックを構成する単セルにおける酸化剤ガス用マニホールド孔72、82付近の概略縦断面図を図9に示す。
リップタイプのカソード側シール部材は、カソード2の周りを囲むシール部材75と、酸化剤ガス、燃料ガス、および冷却水用マニホールド孔72、73、および74の周囲をそれぞれ囲むシール部材72a、73aおよび74aからなる。また、リップタイプのアノード側シール部材は、アノード3の周りを囲むシール部材85、酸化剤ガス用マニホールド孔82の周りを囲むシール部材82a、ならびに燃料ガスおよび冷却水用マニホールド孔の周りを囲むシール部材(図示しない)からなる。
シール部材75は、高分子電解質膜1とセパレータ71との間をシールする。また、シール部材85は、高分子電解質膜1とセパレータ81との間をシールする。また、シール部材72aおよび82aは、酸化剤ガスが外部にリークしないようにセパレータ71とセパレータ81との間をシールする。シール部材73aおよび74aは、これらと対向するアノード側のシール部材(図示しない)と接することによりセパレータ71とセパレータ81との間をシールする。
このように各シール部材を分割することが可能となるため、マニホールド孔72、73、および74のシールに要するシール部材72a、73a、および74aとセパレータ71との接触面積を小さくすることができる。アノード側も同様にセパレータ81とシール部材との接触面積を小さくすることができる。したがって、上述したガスケットタイプの場合のように締結圧を高くする必要がない。
しかし、図8および9に示すように、高分子電解質膜1とセパレータ71との間をシールするカソード2の周りを囲むシール部材75が、カソード2に接していない場合、シール部材75とカソード2との間に隙間78が生じる。酸化剤ガスは、マニホールド孔72からガス流入部76aを経てガス流路76に供給されるが、その一部がこの隙間78を経て、ガス流出部76bより排出される。その結果、ガス流路76を流れる酸化剤ガスの圧力が減少し、反応ガス中に含まれる水や反応生成水の排出が不充分となり、フラッディング現象が起こりやすくなる。また、アノード側においても、シール部材85とアノード3との間に隙間88が生じ、燃料ガスの一部が隙間88に流出してしまう場合がある。
特許第3245161号
そこで、本発明は、上記の従来の問題を解決するために、シール部材と電極との間の隙間への反応ガスの流入を防止することにより、良好なガスシール性を有し、フラッディング現象の発生を防ぎ、安定した出力電圧を有する高分子電解質型燃料電池を提供することを目的とする。
本発明の高分子電解質型燃料電池は、水素イオン伝導性高分子電解質膜と、前記電解質膜を挟むアノードおよびカソードと、前記アノードに燃料ガスを供給するガス流路を有するアノード側セパレータと、前記カソードに酸化剤ガスを供給するガス流路を有するカソード側セパレータと、前記アノード側セパレータとカソード側セパレータとの間に配されるシール部材とを具備する。
そして、前記アノード側ガス流路に燃料ガスを送り込むために、前記アノード側セパレータにアノード側ガス流入部を設け、前記カソード側ガス流路に酸化剤ガスを送り込むために、前記カソード側セパレータにカソード側ガス流入部を設ける。
前記シール部材は、前記アノードを囲み、前記アノード側セパレータと電解質膜との間をシールする第1のアノード側シール部材、および前記カソードを囲み、前記カソード側セパレータと電解質膜との間をシールする第1のカソード側シール部材を含む。
さらに、本発明に係る高分子電解質型燃料電池は、前記アノード側セパレータと前記カソード側セパレータとの間をシールする第2のアノード側シール部材および第2のカソード側シール部材を有するのが有効である。
そして、前記第1のアノード側シール部材が少なくとも前記アノード側セパレータのガス流入部付近においてアノード周縁部に密着形成され、前記第1のカソード側シール部材が少なくとも前記カソード側セパレータのガス流入部付近においてカソード周縁部に密着形成されている。
そして、前記第1のアノード側シール部材が少なくとも前記アノード側セパレータのガス流入部付近においてアノード周縁部に密着形成され、前記第1のカソード側シール部材が少なくとも前記カソード側セパレータのガス流入部付近においてカソード周縁部に密着形成されている。
前記第1のアノード側シール部材が前記アノード周縁部全体に密着形成され、前記第1のカソード側シール部材がカソード周縁部全体に密着形成されているのが好ましい。
前記アノードおよびカソードが四角形状であり、前記第1のアノード側シール部材が、前記アノード周縁部における四つの辺のうち、ガス流入部側に位置する一辺、および前記一辺と連なり、ガス流入部に近い側に位置する他辺において密着形成され、前記第1のカソード側シール部材が、前記カソード周縁部における四つの辺のうち、ガス流入部側に位置する一辺、および前記一辺と連なり、ガス流入部に近い側に位置する他辺において密着形成されているのが好ましい。
前記アノードおよびカソードが四角形状であり、前記第1のアノード側シール部材が、前記アノード周縁部における四つの辺のうち、ガス流入部側に位置する一辺、および前記一辺と連なり、ガス流入部に近い側に位置する他辺において密着形成され、前記第1のカソード側シール部材が、前記カソード周縁部における四つの辺のうち、ガス流入部側に位置する一辺、および前記一辺と連なり、ガス流入部に近い側に位置する他辺において密着形成されているのが好ましい。
前記第1のアノード側シール部材および前記第2のアノード側シール部材が同一の材料で構成され、前記第1のアノード側シール部材は、前記第2のアノード側シール部材よりも前記アノード側セパレータからの高さが低いことが好ましい。
前記第1のカソード側シール部材および前記第2のカソード側シール部材が同一の材料で構成され、前記第1のカソード側シール部材は、前記第2のカソード側シール部材よりも前記カソード側セパレータからの高さが低いことが好ましい。
前記第1のカソード側シール部材および前記第2のカソード側シール部材が同一の材料で構成され、前記第1のカソード側シール部材は、前記第2のカソード側シール部材よりも前記カソード側セパレータからの高さが低いことが好ましい。
前記第1のアノード側シール部材は、前記第2のアノード側シール部材よりも反発弾性力が小さいことが好ましい。
前記第1のカソード側シール部材は、前記第2のカソード側シール部材よりも反発弾性力が小さいことが好ましい。
前記第1のカソード側シール部材は、前記第2のカソード側シール部材よりも反発弾性力が小さいことが好ましい。
前記アノード側セパレータおよびカソード側セパレータが、それぞれ燃料ガス、酸化剤ガス、および冷却水用のマニホールド孔を有し、前記第2のアノード側シール部材が前記アノード側セパレータの各マニホールド孔の周りをそれぞれ囲むように形成され、前記第2のカソード側シール部材が前記カソード側セパレータの各マニホールド孔の周りをそれぞれ囲むように形成されているのが好ましい。
本発明によれば、反応ガスが電極とシール部材との間をバイパスすることが抑制されるため、フラッディング現象の発生を防止し、安定した出力電圧を有し、かつ、良好なガスシール性を有する高分子電解質型燃料電池を提供することができる。
本発明に係る高分子電解質型燃料電池は、アノードを囲みアノード側セパレータと電解質膜との間をシールする第1のアノード側シール部材、カソードを囲みカソード側セパレータと電解質膜との間をシールする第1のカソード側シール部材を具備し、アノード側セパレータのアノード側ガス流路に燃料ガスを送り込むために前記アノード側セパレータにアノード側ガス流入部を設け、カソード側セパレータのカソード側ガス流路に酸化剤ガスを送り込むために前記カソード側セパレータにカソード側ガス流入部を設ける。
上記ガス流入部は、反応ガスである燃料ガスや酸化剤ガスを、マニホルド孔から前記ガス流路に連絡するものである。
そして、第1のアノード側シール部材が少なくともアノード側セパレータのガス流入部付近においてアノード周縁部に密着形成され、第1のカソード側シール部材が少なくともカソード側セパレータのガス流入部付近においてカソード周縁部に密着形成されていることを特徴とする。なお、「密着形成」とは、第1のシール部材を隙間無く電極周辺部に接触させて配置しているという意味である。
そして、第1のアノード側シール部材が少なくともアノード側セパレータのガス流入部付近においてアノード周縁部に密着形成され、第1のカソード側シール部材が少なくともカソード側セパレータのガス流入部付近においてカソード周縁部に密着形成されていることを特徴とする。なお、「密着形成」とは、第1のシール部材を隙間無く電極周辺部に接触させて配置しているという意味である。
前記高分子電解質型燃料電池は、さらにアノード側セパレータとカソード側セパレータとの間をシールする第2のアノード側シール部材および第2のカソード側シール部材を具備するのが有効である。
本発明の好ましい実施の形態においては、第1のアノード側シール部材がアノード周縁部全体に密着形成され、第1のカソード側シール部材がカソード周縁部全体に密着形成されている。
また、本発明の好ましい他の実施の形態においては、アノードおよびカソードが四角形状であり、第1のアノード側シール部材が、前記アノード周縁部における四つの辺のうち、ガス流入部側に位置する一辺、および前記一辺と連なり、ガス流入部に近い側に位置する他辺において密着形成され、第1のカソード側シール部材が、カソード周縁部における四つの辺のうち、ガス流入部側に位置する一辺、および前記一辺と連なり、ガス流入部に近い側に位置する他辺において密着形成されている。
以下、本発明の実施の形態について図を参照しながら説明する。
本発明の好ましい実施の形態においては、第1のアノード側シール部材がアノード周縁部全体に密着形成され、第1のカソード側シール部材がカソード周縁部全体に密着形成されている。
また、本発明の好ましい他の実施の形態においては、アノードおよびカソードが四角形状であり、第1のアノード側シール部材が、前記アノード周縁部における四つの辺のうち、ガス流入部側に位置する一辺、および前記一辺と連なり、ガス流入部に近い側に位置する他辺において密着形成され、第1のカソード側シール部材が、カソード周縁部における四つの辺のうち、ガス流入部側に位置する一辺、および前記一辺と連なり、ガス流入部に近い側に位置する他辺において密着形成されている。
以下、本発明の実施の形態について図を参照しながら説明する。
実施の形態1
上述したセパレータと電解質膜との間をシールする第1のシール部材が電極の周縁部全てに密着形成された場合の一例を図1〜3を参照しながら説明する。図1は、カソードおよび断面形状が四角形のシール部材を配したカソード側セパレータの正面図である。図2は、アノードおよび断面形状が四角形のシール部材を配したアノード側セパレータの正面図である。図3は、単電池を図1のIII−III’線で切った概略断面図である。
上述したセパレータと電解質膜との間をシールする第1のシール部材が電極の周縁部全てに密着形成された場合の一例を図1〜3を参照しながら説明する。図1は、カソードおよび断面形状が四角形のシール部材を配したカソード側セパレータの正面図である。図2は、アノードおよび断面形状が四角形のシール部材を配したアノード側セパレータの正面図である。図3は、単電池を図1のIII−III’線で切った概略断面図である。
カソード側セパレータ11は、各一対の酸化剤ガス用マニホールド孔12、燃料ガス用マニホールド孔13、および冷却水用マニホールド孔14を有する。セパレータ11のカソード2と対向する面には、カソード2に酸化剤ガスを供給するガス流路16が形成され、ガス流路16は一対の酸化剤ガス用マニホールド孔12を連絡する。なお、図1では、ガス流路16を、経路を示す矢印で表す。酸化剤ガスは、マニホールド孔12の一方からガス流入部16aを経てガス流路16に流入し、余剰ガスおよび水はガス流出部16bよりマニホールド孔12の他方に排出される。なお、ガス流入部16aおよびガス流出部16bの上部開放部は、プレート17により覆われており、プレート17がセパレータ11の主面の一部を構成している。そして、第1のカソード側シール部材15は、カソード2の周りを囲むように配されている。第2のカソード側シール部材12a、13aおよび14aは、マニホールド孔12、13および14の周りをそれぞれ囲むように配されている。
アノード側セパレータ21は、各一対の酸化剤ガス用マニホールド孔22、燃料ガス用マニホールド孔23、および冷却水用マニホールド孔24を有する。セパレータ21のアノード3と対向する面には、アノード3に燃料ガスを供給するガス流路26が形成され、ガス流路26は一対の燃料ガス用マニホールド孔23を連絡する。なお、図2では、ガス流路26を、経路を示す矢印で表す。燃料ガスは、マニホールド孔23の一方よりガス流入部26aを経てガス流路26に流入し、余剰ガスおよび水はガス流出部26bよりマニホールド孔23の他方に排出される。なお、ガス流入部26aおよびガス流出部26bの上部開放部は、プレート27により覆われており、プレート27はセパレータ21の主面の一部を構成している。そして、第1のアノード側シール部材は、アノード3の周りを囲むように配されている。第2のアノード側シール部材22a、23aおよび24aは、マニホールド孔22、23および24の周りをそれぞれ囲むように配されている。
第1のカソード側シール部材15は、カソード2の周縁部に予め密着形成されている。また、第1のアノード側シール部材25は、アノード3の周縁部に予め密着形成されている。そして、シール部材15と25とにより、電解質膜1が挟まれている。すなわち、第1のカソード側シール部材15は、カソード側セパレータ11と電解質膜1との間をシールし、第1のアノード側シール部材25は、アノード側セパレータ21と電解質膜1との間をシールする。これにより、カソード2とシール部材15との間、およびアノード3とシール部材25との間に隙間が生じないため、従来生じていたシール部材と電極との間の隙間を反応ガスがバイパスするのを防止することができる。従って、セパレータ11、21のガス流路内のガス圧の低下を防ぎ、フラッディング現象の発生を抑制できる。また、電解質膜1とセパレータ11との間、および電解質膜1とセパレータ21との間において良好なガスシール性が得られる。
また、第2のカソード側シール部材12a〜14aおよび第2のアノード側シール部材22a〜24aによりセパレータ11とセパレータ21との間がシールされる。これらのシール部材12a〜14aおよび22a〜24aは、マニホールド孔12〜14および22〜24をそれぞれ囲むように形成されているため、良好なシール性を有し、反応ガスおよび冷却水の外部へのリークを防止できる。
第1のカソード側シール部材15は、第2のカソード側シール部材12a〜14aよりも反発弾性力が小さいことが好ましい。
また、第1のアノード側シール部材25は、第2のアノード側シール部材22a〜24aよりも反発弾性力が小さいことが好ましい。そのようにすると、電解質膜1にかかるシール圧を電解質膜1の機械的ダメージがない程度に弱めることができる。
また、第1のアノード側シール部材25は、第2のアノード側シール部材22a〜24aよりも反発弾性力が小さいことが好ましい。そのようにすると、電解質膜1にかかるシール圧を電解質膜1の機械的ダメージがない程度に弱めることができる。
実施の形態2
本実施の形態のカソードおよびシール部材を配したカソード側セパレータの正面図を図4に示す。
高分子電解質膜1とカソード側セパレータ31との間をシールする第1のカソード側シール部材35が、四角形のカソード2における周縁部の四つの辺のうち、セパレータ31のガス流路36へのガス流入部36a側に位置する一辺35a、および前記一辺と連なり、ガス流入部36aに近い側に位置する他辺35bにおいて予め密着形成されている。
本実施の形態のカソードおよびシール部材を配したカソード側セパレータの正面図を図4に示す。
高分子電解質膜1とカソード側セパレータ31との間をシールする第1のカソード側シール部材35が、四角形のカソード2における周縁部の四つの辺のうち、セパレータ31のガス流路36へのガス流入部36a側に位置する一辺35a、および前記一辺と連なり、ガス流入部36aに近い側に位置する他辺35bにおいて予め密着形成されている。
このように、第1のシール部材であるシール部材35とカソード2とが、少なくとも、ガス流入部36aのガス流路36への入口付近において密着形成されているため、カソード2とシール部材35との間の隙間への酸化剤ガスの流入を防止できる。このため、セパレータ31のガス流路36内のガス圧の低下を防止することができる。また、高分子電解質膜1とセパレータ31との間において良好なガスシール性が得られる。
アノード側においても、上述したカソード側の場合と同様に、高分子電解質膜とアノード側セパレータとの間をシールする第1のアノード側シール部材が、四角形のアノードにおける周縁部の四つの辺のうち、セパレータのガス流路へのガス流入部側に位置する一辺、および前記一辺と連なり、ガス流入部に近い側に位置する他辺において予め密着形成されてもよい。
実施の形態3
本実施の形態は、アノード側シール部材の断面形状を図5に示すように変えた以外は、実施の形態1における図2に示すアノード側セパレータと同様の構成である。図5は、シール部材を配したアノード側セパレータ41の酸化剤ガス用マニホールド孔42付近の概略縦断面図である。
本実施の形態は、アノード側シール部材の断面形状を図5に示すように変えた以外は、実施の形態1における図2に示すアノード側セパレータと同様の構成である。図5は、シール部材を配したアノード側セパレータ41の酸化剤ガス用マニホールド孔42付近の概略縦断面図である。
アノード3の周縁部に密着形成された第1のアノード側シール部材45、および酸化剤ガス用マニホールド孔42の周りを囲む第2のアノード側シール部材42aが、同一の材料で構成されている。シール部材45、42aの断面形状は、それぞれ土台部分を四角形とした下部45b、42cと、先端部分を三角形とした上部45a、42bからなる。シール部材45、42aにおける下部45b、42cの高さZは同じである。また、第1のアノード側シール部材45の上部45aの高さYは、第2のアノード側シール部材42aの上部42bの高さXよりも小さい。
なお、図示しないが、燃料ガス用マニホールド孔および冷却水用マニホールド孔の周りをそれぞれ囲む第2のアノード側シール部材(図2のシール部材23a、24aに対応する部分)も、それぞれシール部材42aと同様の断面形状であり、かつその高さXおよびZも同じである。
そして、例えば、本実施の形態のアノード側シール部材を配したアノード側セパレータと、実施の形態1のカソード側シール部材を配したカソード側セパレータとを組み合わせて単電池を構成すると、電解質膜が機械的ダメージを受けない程度に電解質膜にかかるシール圧を弱めることができる。なお、カソード側に上述した本実施例と同様の断面形状のシール部材を用い、アノード側に実施の形態1と同様の断面形状のシール部材を用いてもよい。
そして、例えば、本実施の形態のアノード側シール部材を配したアノード側セパレータと、実施の形態1のカソード側シール部材を配したカソード側セパレータとを組み合わせて単電池を構成すると、電解質膜が機械的ダメージを受けない程度に電解質膜にかかるシール圧を弱めることができる。なお、カソード側に上述した本実施例と同様の断面形状のシール部材を用い、アノード側に実施の形態1と同様の断面形状のシール部材を用いてもよい。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されない。
《実施例1》
(1)MEAの作製
比表面積800m2/g、DBP吸油量360ml/100gのケッチェンブラックEC(ケッチェンブラック・インターナショナル社製のファーネスブラック)に、白金を担持させて触媒体(50重量%が白金)を得た。この粉末状の触媒体10gに、水35gおよび水素イオン伝導性高分子電解質のアルコール分散液(旭硝子(株)製の9%FSS)59gを混合し、超音波攪拌機を用いて分散させ、触媒層インクを調製した。
《実施例1》
(1)MEAの作製
比表面積800m2/g、DBP吸油量360ml/100gのケッチェンブラックEC(ケッチェンブラック・インターナショナル社製のファーネスブラック)に、白金を担持させて触媒体(50重量%が白金)を得た。この粉末状の触媒体10gに、水35gおよび水素イオン伝導性高分子電解質のアルコール分散液(旭硝子(株)製の9%FSS)59gを混合し、超音波攪拌機を用いて分散させ、触媒層インクを調製した。
この触媒層インクを、ポリプロピレンフィルム(東レ(株)製のトレファン50−2500)上に塗布し、乾燥させることにより触媒層を形成した。得られた触媒層を80mm角に切断し、90mm角の高分子電解質膜1(デュポン(株)製のNafion117膜、厚み50μm)の両面中央部に、温度135℃および圧力32kgf/cm2の条件で転写した。
つぎに、82mm角のサイズで、厚み0.3mmの炭素繊維布(ジャパンゴアテックス(株)製のカーベルCL300)の片面に、あらかじめ水素イオン伝導性高分子電解質のアルコール分散液(旭硝子(株)製の9%FSS)をエタノールで濃度5重量%に希釈して得られた接着剤をスプレーにより塗布し、ガス拡散層を得た。このガス拡散層2枚で、両面に触媒層を有する高分子電解質膜を挟み、温度100℃、時間60分間および圧力50×105Paの条件でホットプレスし、電解質膜・電極接合体(MEA)を得た。なお、ガス拡散層と触媒層とが電極(アノードおよびカソード)を構成する。
(2)単電池の組み立て
第1のカソード側シール部材には、実施の形態1と同様のものを用い、第1のアノード側シール部材には、実施の形態3と同様のものを用いた。両シール部材には幅40mmのフッ素ゴムを用いた。第2のアノード側シール部材における上部の高さXを6mmとし、第1のアノード側シール部材における上部の高さYを5mmとし、土台部分の下部の高さZを3mmとした。また、断面形状が四角形であるカソード側シール部材の高さを3mmとした。
なお、第1のカソード側シール部材15および第1のアノード側シール部材45は、カソードおよびアノードの外周と同じ寸法を有する開口部を持つシール部材を用意し、これをMEAにおけるカソードおよびアノードの周縁部全体にそれぞれ密着させて配置した。
第1のカソード側シール部材には、実施の形態1と同様のものを用い、第1のアノード側シール部材には、実施の形態3と同様のものを用いた。両シール部材には幅40mmのフッ素ゴムを用いた。第2のアノード側シール部材における上部の高さXを6mmとし、第1のアノード側シール部材における上部の高さYを5mmとし、土台部分の下部の高さZを3mmとした。また、断面形状が四角形であるカソード側シール部材の高さを3mmとした。
なお、第1のカソード側シール部材15および第1のアノード側シール部材45は、カソードおよびアノードの外周と同じ寸法を有する開口部を持つシール部材を用意し、これをMEAにおけるカソードおよびアノードの周縁部全体にそれぞれ密着させて配置した。
そして、上記で得られた第1のカソード側シール部材が密着形成されたカソード側に、実施の形態1と同様のカソード側セパレータを配し、第1のアノード側シール部材が密着形成されたMEAのアノード側に実施の形態3と同様のアノード側セパレータを配した。
なお、カソード側セパレータ11およびアノード側セパレータ41は、東海カーボン(株)製のグラッシーカーボンを材料として用い切削機械加工により作製した(160mm角、厚さが5mm)。そして、カソード側セパレータおよびアノード側セパレータの背面には、それぞれ、一対の冷却水用マニホールド孔を連絡する冷却水用の流路(図示しない)を設けた。
このとき、カソード側セパレータとアノード側セパレータとの間に、各マニホールド孔の周りをそれぞれ囲む第2のカソード側シール部材および第2のアノード側シール部材を配した。これらのシール部材は、粘着剤によりセパレータに固定した。また、第2のシール部材だけでなく、電極に密着形成されている第1のシール部材も、セパレータに対しては粘着剤を用いて固定した。
なお、カソード側セパレータ11およびアノード側セパレータ41は、東海カーボン(株)製のグラッシーカーボンを材料として用い切削機械加工により作製した(160mm角、厚さが5mm)。そして、カソード側セパレータおよびアノード側セパレータの背面には、それぞれ、一対の冷却水用マニホールド孔を連絡する冷却水用の流路(図示しない)を設けた。
このとき、カソード側セパレータとアノード側セパレータとの間に、各マニホールド孔の周りをそれぞれ囲む第2のカソード側シール部材および第2のアノード側シール部材を配した。これらのシール部材は、粘着剤によりセパレータに固定した。また、第2のシール部材だけでなく、電極に密着形成されている第1のシール部材も、セパレータに対しては粘着剤を用いて固定した。
(3)燃料電池の組み立て
上記で得られた単電池を30個積層してセルスタックを得た。このとき、隣接するセパレータの冷却水用の流路を有する面同士が重なり合い、冷却水用の流路が対向することにより、冷却部が形成された。セルスタックの両端に、集電板と絶縁板を介して端板を配し、締結ボルトで締め付け、燃料電池Aを構成した。このときの、締結圧を1400kgfとした。なお、セルスタックの両端部に位置するカソード側セパレータおよびアノード側セパレータには、背面に冷却水用の流路のないものを用いた。
上記で得られた単電池を30個積層してセルスタックを得た。このとき、隣接するセパレータの冷却水用の流路を有する面同士が重なり合い、冷却水用の流路が対向することにより、冷却部が形成された。セルスタックの両端に、集電板と絶縁板を介して端板を配し、締結ボルトで締め付け、燃料電池Aを構成した。このときの、締結圧を1400kgfとした。なお、セルスタックの両端部に位置するカソード側セパレータおよびアノード側セパレータには、背面に冷却水用の流路のないものを用いた。
《実施例2》
実施の形態2と同様に、四角形のカソードにおける周縁部の隣り合う2辺に、第1のカソード側シール部材を、実施例1と同様の方法により密着形成した。そして、図4と同様の構成になるように、第1のカソード側シール部材が密着形成されたMEAのカソード側にカソード側セパレータを配した以外は、実施例1と同様の方法により単電池を作製した。この単電池を用いて実施例1と同様の方法により燃料電池Bを作製した。
実施の形態2と同様に、四角形のカソードにおける周縁部の隣り合う2辺に、第1のカソード側シール部材を、実施例1と同様の方法により密着形成した。そして、図4と同様の構成になるように、第1のカソード側シール部材が密着形成されたMEAのカソード側にカソード側セパレータを配した以外は、実施例1と同様の方法により単電池を作製した。この単電池を用いて実施例1と同様の方法により燃料電池Bを作製した。
《比較例1》
第1のカソード側シール部材および第1のアノード側シール部材を、それぞれMEAにおけるカソードおよびアノードの周縁部に密着形成せずに、電解質膜とセパレータとの間に配した。なお、第1のシール部材は、粘着剤によりセパレータ上に固定した。このとき、第1のアノード側シール部材とアノードとの間、および第1のカソード側シール部材とカソードとの間に、それぞれ2mmの間隙を生じた。これ以外は、実施例1と同様の方法により単電池を作製した。この単電池を用いて実施例1と同様の方法により燃料電池Cを作製した。
実施例1および2、ならびに比較例1の燃料電池A〜Cについて以下の評価を行った。
第1のカソード側シール部材および第1のアノード側シール部材を、それぞれMEAにおけるカソードおよびアノードの周縁部に密着形成せずに、電解質膜とセパレータとの間に配した。なお、第1のシール部材は、粘着剤によりセパレータ上に固定した。このとき、第1のアノード側シール部材とアノードとの間、および第1のカソード側シール部材とカソードとの間に、それぞれ2mmの間隙を生じた。これ以外は、実施例1と同様の方法により単電池を作製した。この単電池を用いて実施例1と同様の方法により燃料電池Cを作製した。
実施例1および2、ならびに比較例1の燃料電池A〜Cについて以下の評価を行った。
[出力特性の評価]
燃料電池を70℃に保持し、アノードおよびカソードに、それぞれ露点が70℃となるように加温、加湿した水素ガスおよび空気を供給し、燃料ガス利用率を70%、酸化ガス利用率を40%に設定し、連続運転した。このときの単セルの平均電圧の推移を図6に示す。
燃料電池を70℃に保持し、アノードおよびカソードに、それぞれ露点が70℃となるように加温、加湿した水素ガスおよび空気を供給し、燃料ガス利用率を70%、酸化ガス利用率を40%に設定し、連続運転した。このときの単セルの平均電圧の推移を図6に示す。
図6より、電池Cでは、電圧が不安定になり、フラッディング現象が起こっていることがわかった。一方、実施例の電池AおよびBでは、電池Cと比較して安定した出力特性が得られた。この結果より、実施例の電池AおよびBでは、フラッディング現象の発生が抑制されることが確認された。
《実施例3》
第1のアノード側シール部材の上部の高さYを3mmとし、第2のアノード側シール部材の上部の高さXを6mmとした以外は、実施例1と同様の方法により燃料電池Dを構成した。
第1のアノード側シール部材の上部の高さYを3mmとし、第2のアノード側シール部材の上部の高さXを6mmとした以外は、実施例1と同様の方法により燃料電池Dを構成した。
《実施例4》
第1のアノード側シール部材の上部の高さYを6mmとし、第2のアノード側シール部材にシリコーンゴムを用い、その上部の高さXを6mmとした。第2のカソード側シール部材にシリコーンゴムを用いた。これら以外は、実施例1と同様の方法により燃料電池Eを作製した。なお、反発弾性力は、フッ素ゴムよりシリコーンゴムの方が大きい。
第1のアノード側シール部材の上部の高さYを6mmとし、第2のアノード側シール部材にシリコーンゴムを用い、その上部の高さXを6mmとした。第2のカソード側シール部材にシリコーンゴムを用いた。これら以外は、実施例1と同様の方法により燃料電池Eを作製した。なお、反発弾性力は、フッ素ゴムよりシリコーンゴムの方が大きい。
《参考例1および2》
ここで、第1のアノード側シール部材の上部の高さYを6mmとし、第2のアノード側シール部材の上部の高さXを3mmとした以外は、実施例1と同様の方法により燃料電池Fを作製した。
また、第1のアノード側シール部材にシリコーンゴムを用い、その上部の高さYを6mmとした。また、第2のアノード側シール部材の上部の高さXを6mmとした。一方、第1のカソード側シール部材にシリコーンゴムを用いた。これら以外は、実施例1と同様の方法により燃料電池Gを作製した。
ここで、第1のアノード側シール部材の上部の高さYを6mmとし、第2のアノード側シール部材の上部の高さXを3mmとした以外は、実施例1と同様の方法により燃料電池Fを作製した。
また、第1のアノード側シール部材にシリコーンゴムを用い、その上部の高さYを6mmとした。また、第2のアノード側シール部材の上部の高さXを6mmとした。一方、第1のカソード側シール部材にシリコーンゴムを用いた。これら以外は、実施例1と同様の方法により燃料電池Gを作製した。
上記で作製した実施例1、3および4、ならびに参考例1および2の燃料電池AおよびD〜Gについて上記と同様の連続運転試験を1000時間行った。その後、酸化剤ガスを空気から窒素に変え、アノード側からカソード側にリークする水素ガス量をガスクロマトグラフィーにより測定した。その結果を表1に示す。
表1より、電池A、D、およびEでは、連続運転試験1000時間後においてアノード側からカソード側にリークした水素ガス量が0.3%以下であった。これに対し、電池FおよびGでは、電池A、DおよびEの10倍程度の水素ガス量が測定された。このことから、実施例1、3および4では、電解質膜を挟む第1のシール部材にかかる圧力が、第2のシール部材にかかる圧力より小さいため、電解質膜の機械的ダメージが低減されることが確認された。
なお、本発明に係る高分子電解質型燃料電池のシール部材は、各実施例で用いられた材料および形状などに限定されない。
なお、本発明に係る高分子電解質型燃料電池のシール部材は、各実施例で用いられた材料および形状などに限定されない。
本発明の高分子電解質型燃料電池は、家庭用コジェネレーションシステム、または自動二輪車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等の電源として有用である。
1 水素イオン伝導性高分子電解質膜
2 カソード
3 アノード
4 電解質膜・電極接合体(MEA)
11、31 カソード側セパレータ
12、22、32、42 酸化剤ガス用マニホールド孔
13、23、33 燃料ガス用マニホールド孔
14、24、34 冷却水用マニホールド孔
15、35 第1のカソード側シール部材
12a、13a、14a、32a、33a、34a 第2のカソード側シール部材
16、26、36 ガス流路
16a、26a、36a ガス流入部
16b、26b、36b ガス流出部
21、41 アノード側セパレータ
25、45 第1のアノード側シール部材
22a、23a、24a、42a 第2のアノード側シール部材
2 カソード
3 アノード
4 電解質膜・電極接合体(MEA)
11、31 カソード側セパレータ
12、22、32、42 酸化剤ガス用マニホールド孔
13、23、33 燃料ガス用マニホールド孔
14、24、34 冷却水用マニホールド孔
15、35 第1のカソード側シール部材
12a、13a、14a、32a、33a、34a 第2のカソード側シール部材
16、26、36 ガス流路
16a、26a、36a ガス流入部
16b、26b、36b ガス流出部
21、41 アノード側セパレータ
25、45 第1のアノード側シール部材
22a、23a、24a、42a 第2のアノード側シール部材
Claims (9)
- 水素イオン伝導性高分子電解質膜と;
前記電解質膜を挟むアノードおよびカソードと;
前記アノードに燃料ガスを供給するアノード側ガス流路を有するアノード側セパレータ、および前記カソードに酸化剤ガスを供給するカソード側ガス流路を有するカソード側セパレータと;
前記アノード側ガス流路に燃料ガスを送り込むために前記アノード側セパレータに設けられたアノード側ガス流入部、および前記カソード側ガス流路に酸化剤ガスを送り込むために前記カソード側セパレータ設けられたカソード側ガス流入部と;
前記アノードを囲んで前記アノード側セパレータと前記電解質膜との間をシールする第1のアノード側シール部材、および前記カソードを囲んで前記カソード側セパレータと前記電解質膜との間をシールする第1のカソード側シール部材とを具備し、
前記第1のアノード側シール部材が少なくとも前記アノード側ガス流入部付近においてアノード周縁部に密着形成され、前記第1のカソード側シール部材が少なくとも前記カソード側ガス流入部付近においてカソード周縁部に密着形成されていることを特徴とする高分子電解質型燃料電池。 - 前記アノード側セパレータと前記カソード側セパレータとの間をシールする第2のアノード側シール部材および第2のカソード側シール部材を有する請求項1記載の高分子電解質型燃料電池。
- 前記第1のアノード側シール部材が前記アノード周縁部全体に密着形成され、前記第1のカソード側シール部材がカソード周縁部全体に密着形成されている請求項1記載の高分子電解質型燃料電池。
- 前記アノードおよびカソードが四角形状であり、
前記第1のアノード側シール部材が、前記アノード周縁部における四つの辺のうち、ガス流入部側に位置する一辺、および前記一辺と連なり、ガス流入部に近い側に位置する他辺において密着形成され、
前記第1のカソード側シール部材が、前記カソード周縁部における四つの辺のうち、ガス流入部側に位置する一辺、および前記一辺と連なり、ガス流入部に近い側に位置する他辺において密着形成されている請求項1記載の高分子電解質型燃料電池。 - 前記第1のアノード側シール部材および前記第2のアノード側シール部材が同一の材料で構成され、前記第1のアノード側シール部材は、前記第2のアノード側シール部材よりも前記アノード側セパレータからの高さが低い請求項1〜4のいずれかに記載の高分子電解質型燃料電池。
- 前記第1のカソード側シール部材および前記第2のカソード側シール部材が同一の材料で構成され、前記第1のカソード側シール部材は、前記第2のカソード側シール部材よりも前記カソード側セパレータからの高さが低い請求項1〜4のいずれかに記載の高分子電解質型燃料電池。
- 前記第1のアノード側シール部材は、前記第2のアノード側シール部材よりも反発弾性力が小さい請求項1〜4のいずれかに記載の高分子電解質型燃料電池。
- 前記第1のカソード側シール部材は、前記第2のカソード側シール部材よりも反発弾性力が小さい請求項1〜4のいずれかに記載の高分子電解質型燃料電池。
- 前記アノード側セパレータおよびカソード側セパレータが、それぞれ燃料ガス、酸化剤ガス、および冷却水用のマニホールド孔を有し、
前記第2のアノード側シール部材が前記アノード側セパレータの各マニホールド孔の周りをそれぞれ囲むように形成され、
前記第2のカソード側シール部材が前記カソード側セパレータの各マニホールド孔の周りをそれぞれ囲むように形成されている請求項1〜4のいずれかに記載の高分子電解質型燃料電池。
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-
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A761 | Written withdrawal of application |
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